JP6031321B2 - 電気絶縁用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電気絶縁用樹脂組成物に関する。
従来、コンデンサー(例えば、エアコン、扇風機、洗濯機等に用いられるコンデンサー)、アマチュア(例えば、モートル、電気ドリル等に用いられるアマチュア)、電源トランス(例えば、テレビ、ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等に用いられる電源トランス)等の電気機器の部品(例えば、コイルなど)に絶縁性を付与するのに、電気絶縁用樹脂組成物が含浸ワニスとして用いられている。
前記電気絶縁用樹脂組成物としては、不飽和ポリエステル樹脂と、ビニルエステル樹脂と、反応性希釈剤たる重合性モノマーとを含有する電気絶縁用樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
この電気絶縁用樹脂組成物は、電気機器の部品などの対象物に含浸され、その後、加熱により反応性希釈剤たる重合性モノマーを重合させて硬化することで、該対象物に絶縁性を付与することができる。
この電気絶縁用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂を含有することで、対象物に含浸されて形成された塗膜の乾燥性が優れたものとなり、短時間で対象物に固着できる。また、この電気絶縁用樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂を含有することで、対象物への固着力が強いものとなる。
また、この電気絶縁用樹脂組成物は、重合性モノマーたる反応性希釈剤を含有することで、粘度が低いものとなり、対象物に含浸されやすくなる。
前記反応性希釈剤たる重合性モノマーとしては、スチレン、ジアリルイソフタレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2009−102586号公報
スチレンは、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂を溶解させやすいという利点を有する。
しかしながら、スチレンは揮発性有機化合物(VOC)の一種であり、スチレンは臭気を有するので、電気絶縁用樹脂組成物がスチレンを多く含有する場合には、電気絶縁用樹脂組成物を対象物に固着させる作業環境などを悪化させる虞がある。
これに対し、ジアリルイソフタレート及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレートは、スチレンに比べて揮発し難いので、ジアリルイソフタレート又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いればスチレンを用いる場合に比べて、電気絶縁用樹脂組成物を対象物に固着するための作業環境を悪化させ難いという利点がある。
しかるに、電気絶縁用樹脂組成物は、前記反応性希釈剤としてスチレンの代わりにジアリルイソフタレート又はヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを用いると、スチレンを用いる場合に比べて、粘度が高いものとなるという問題がある。一方で、粘度を高めるために反応性希釈剤の含有率を高めると、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂の含有率が低くなり、不飽和ポリエステル樹脂及びビニルエステル樹脂の特性が十分に生かされ難くなるという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、塗膜の乾燥性に優れ、且つ、固着力が高く、且つ、粘度が低い電気絶縁用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、電気絶縁用樹脂組成物が、不飽和ポリエステル樹脂と、ビニルエステル樹脂と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を含有することにより、塗膜の乾燥性に優れ、且つ、固着力が高く、且つ、粘度が低いものとなることを見出し、本発明を想到するに至った。
Figure 0006031321
即ち、上記課題を解決するための電気絶縁用樹脂組成物に係る本発明は、不飽和ポリエステル樹脂と、ビニルエステル樹脂と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 0006031321
また、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物においては、好ましくは、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率と、前記ビニルエステル樹脂の含有率との合計が40質量%以上である。
さらに、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物においては、好ましくは、粘度が3.0Pa・sec未満である。
本発明によれば、電気絶縁用樹脂組成物が、不飽和ポリエステル樹脂と、ビニルエステル樹脂と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂が、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を含有することにより、塗膜の乾燥性に優れ、且つ、固着力が高く、且つ、粘度が低いものとなる。
Figure 0006031321
固着力を測定するための平角線の配置を示した側面図。 固着力を測定するための平角線の配置を示した正面図。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂と、ビニルエステル樹脂と、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有する。
<不飽和ポリエステル樹脂>
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂を含有することにより、対象物(コイル等)に含浸された際に、塗膜の乾燥性が優れたものとなるという利点を有する。
前記不飽和ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000〜8000、より好ましくは2000〜5000である。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算したものを意味する。
例えば、重量平均分子量は、装置として東ソー社製のGPC「HLC−8320GPC」を用い、カラムとして東ソー社製のカラム「TSK guardcolumn HHR(S)」と、東ソー社製のカラム「TSK GMHHR−H(S)」と、東ソー社製のカラム「TSK GMHHR−H(S)」との合計3本のカラムを直列に繋いだものを用い、リファレンスカラムとして「TSK gel SuperH−RC」を用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、カラム温度40℃、流量0.5ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の値として求めることができる。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を含有する。本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を含有することにより、表面乾燥性が高いものとなる。よって、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、垂れ難いものとなるという利点を有する。
Figure 0006031321
多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合させる際に、テトラヒドロ無水フタル酸とモノエタノールアミンとを縮合して得られる下記一般式(2)の化合物を多価カルボン酸と多価アルコールとともに縮合反応させることにより作製することができる。
Figure 0006031321
多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を作製するのに用いる多価カルボン酸としては、無水マレイン酸、イソフタル酸等が挙げられる。
多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を作製するのに用いる多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。
多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1000〜8000、より好ましくは2000〜5000である。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは75〜95質量%含有する。
前記不飽和ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂以外に、例えば、二塩基酸と多価アルコールとを縮合反応させて得ることができる不飽和ポリエステル樹脂を含有してもよい。
多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂以外の前記不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる前記二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のα、β−不飽和二塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、および、これらのジアルキルエステル等の飽和二塩基酸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら二塩基酸は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
前記二塩基酸としては、α、β−不飽和二塩基酸が好適に用いられる。
多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、上記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂以外の前記不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、エタノールアミン等のアミノアルコール類を用いてもよい。これらの多価アルコールは、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合してもよい。また、必要によりエポキシ樹脂、ジイソシアナート、ジシクロペンタジエン等による変性を行ってもよい。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率が、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率が10質量%以上であることにより、対象物に含浸された際に、塗膜の乾燥性が優れたものとなるという利点を有する。また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率が50質量%以下であることにより、低粘度となり、実使用上扱いやすいという利点を有する。
<ビニルエステル樹脂>
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂を含有することにより、固着力が強いものとなるという利点を有する。
前記ビニルエステル樹脂は、例えば、不飽和酸とエポキシ樹脂とを反応させて得ることができる。
前記ビニルエステル樹脂の原料として用いられる前記不飽和酸としては、不飽和一塩基酸、不飽和二塩基酸等が挙げられる。前記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・モノフタレート、ヒドロキシエチルメタクリレート・モノマレート、ヒドロキシエチルアクリレート・モノマレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・モノマレート、ジシクロペンタジエニル・モノマレート等が挙げられる。前記不飽和二塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。これらの不飽和酸は単独または2種以上を混合したものを原料として使用することができる。
前記不飽和酸としては、α、β−不飽和二塩基酸が好適に用いられる。
前記ビニルエステル樹脂の原料として用いられる前記エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものである限り、分子構造、分子量等に制限されることなく広く使用することができる。具体的にはビスフェノール型、ノボラック型、ビフェニル型の芳香族基を有するエポキシ樹脂;ポリカルボン酸のグリシジルエステル、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化により得られた脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独または2種以上を混合したものを原料として使用することができる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適に用いられる。
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、一般式(3)に記載の何れかの樹脂を採用することができる。
Figure 0006031321
前記ビニルエステル樹脂の重量平均分子量は、好ましくは500〜2000、より好ましくは500〜1000である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記ビニルエステル樹脂の含有率が、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記ビニルエステル樹脂の含有率が10質量%以上であることにより、固着力が強いものとなるという利点を有する。また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記ビニルエステル樹脂の含有率が50質量%以下であることにより、低粘度となり、実使用上扱いやすいという利点を有する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率と、前記ビニルエステル樹脂の含有率との合計が、好ましくは40質量%以上、より好ましくは40〜60質量%、さらにより好ましくは45〜55質量%である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率と、前記ビニルエステル樹脂の含有率との合計が40質量%以上であることにより、対象物に含浸された際に、垂れにくくなり経済的であるという利点を有する。また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率と、前記ビニルエステル樹脂の含有率との合計が60質量%以下であることにより、低粘度となり、実使用上扱いやすいという利点を有する。
<反応性希釈剤>
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、反応性希釈剤としてヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含有する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを含有することにより、スチレンの含有量を抑制しても粘性が低いものとなるという利点を有する。
なお、本明細書における“ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート”との用語は、“ヒドロキシエチルメタクリレート”と“ヒドロキシエチルアクリレート”の何れかを意味している。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの含有率が好ましくは5〜11質量%、より好ましくは8〜10質量%である。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの含有率が好ましくは5質量%以上であることにより、スチレンを使用しない場合でも粘性がより一層低いものとなるという利点を有する。また、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの含有率が好ましくは11質量%以下であることにより、引火点が高く、且つ、吸水率が低いものとなるという利点を有する。
前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの含有量としては、前記不飽和ポリエステル樹脂、及び、前記ビニルエステル樹脂の総量100質量部に対して5〜20質量部が好ましく、8〜12質量部がより好ましい。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂、及び、前記ビニルエステル樹脂の総量100質量部に対して前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが5質量部以上であることにより、スチレンを使用しない場合でも粘性が低いものとなるという利点を有する。また、前記不飽和ポリエステル樹脂、及び、前記ビニルエステル樹脂の総量100質量部に対して前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが20質量部以下であることにより、粘度が低く、且つ、引火点が高く、且つ、吸水率が低いものとなるという利点を有する。
また、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート以外の反応性希釈剤たる重合性モノマーを更に含有してもよい。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート以外の反応性希釈剤たる重合性モノマーとしては、ジアリルイソフタレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、テトラメチルピペリジニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の不飽和モノマーが挙げられる。
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート以外の反応性希釈剤の含有量としては、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート100質量部に対して5〜20質量部が好ましく、8〜12質量部がより好ましい。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート100質量部に対してヒドロキシエチル(メタ)アクリレート以外の反応性希釈剤が5質量部以上であることにより、粘度が低いものとなるという利点を有する。また、前記ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート100質量部に対してヒドロキシエチル(メタ)アクリレート以外の反応性希釈剤が20質量部以下であることにより、引火点が高く、且つ、吸水率が低いものとなるという利点を有する。
<その他の添加剤>
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、本発明の目的に反しない範囲において、上記の他に当該技術分野で用いられる種々の添加剤を含有してもよい。
例えば、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、更に硬化剤を含有してもよい。該硬化剤としては、有機過酸化物等が挙げられる。該有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。該硬化剤の含有量としては、前記不飽和ポリエステル樹脂、前記ビニルエステル樹脂、及び、前記反応性希釈剤の総量100質量部に対して0.5〜3.0質量部が好ましく、1.0〜2.0質量部がより好ましい。
また、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、更に、硬化促進剤を含有してもよい。該硬化促進剤としては、ナフテン酸またはオクチル酸の金属塩(コバルト、亜鉛、ジルコニウム、マンガン等)等が挙げられる。
さらに、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、更に、着色剤、消泡剤、レベリング剤等を含有してもよい。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物の粘度は、好ましくは3.0Pa・sec未満、より好ましくは0.5Pa・sec以上3.0Pa・sec未満、さらに好ましくは1.0〜2.0Pa・secである。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、粘度が3.0Pa・sec未満であることにより、対象物に含浸しやすいという利点を有する。粘度が0.5Pa・sec以上であることにより、含浸する対象物から垂れにくいという利点を有する。
なお、電気絶縁用樹脂組成物の粘度(25℃)は、JIS K 5600−2−2に準じて測定した値を意味する。
また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、硬化することで、体積抵抗率が、好ましくは、1.0×1013Ωcm以上、より好ましくは1.0×1014〜1.0×1016Ωcmとなる。
なお、体積抵抗率は、JIS C 2139:2008に準じて測定した値を意味する。
尚、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、上記構成を有するものであったが、本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(評価)
電気絶縁用樹脂組成物について各種の評価を行った事例を示す。
まず、電気絶縁用樹脂組成物に対する評価方法について説明する。
(粘度)
電気絶縁用樹脂組成物の粘度(25℃)は、JIS K 5600−2−2に準じて測定を行った。
(塗膜の付き方)
電気絶縁用樹脂組成物の塗膜の付き方は、JIS C 2103:2006に準じて測定を行った。
(表面乾燥性(塗膜の乾燥時間))
塗膜の乾燥時間は、JIS C 2105に準じて測定を行った。
(引火点)
電気絶縁用樹脂組成物の引火点は、クリーブランド開放式(JIS K 2265−4:2007)に準じて測定した。
(体積抵抗、及び、絶縁破壊の強さ)
鉄板(長さ:180mm、幅:130mm、厚さ約0.3mm)に電気絶縁用樹脂組成物を含浸させ塗布させた。そして、電気絶縁用樹脂組成物を塗布した鉄板を150℃で60分加熱して電気絶縁用樹脂組成物を硬化させた。そして、前記塗布と前記加熱とを樹脂の厚みが100μmになるまで繰り返し、試験片を作製した。
そして、この試験片の体積抵抗、及び、絶縁破壊の強さは、JIS C 2103:2006に準じて測定を行った。
(加熱による質量減少率(硬化ロス))
秤量した電気絶縁用樹脂組成物5.0gを金属シャーレ(直径:60mm)に入れ、130℃で1時間加熱して硬化させた。そして、加熱後の電気絶縁用樹脂組成物の質量を測定した。そして、下記式により加熱による質量減少率Aを測定した。
A(%) = (W1 −W2 )/W1 ×100(%)
ここで、W1 は、加熱前の電気絶縁用樹脂組成物の質量、W2 は、加熱後の電気絶縁用樹脂組成物の質量を示す。
(熱伝導率)
直径60mm、深さ10mmの円盤状の金型内に電気絶縁用樹脂組成物を注入し、金型内の前記電気絶縁用樹脂組成物を150℃で3時間加熱し硬化させて試験片を作製した。
そして、該試験片の熱伝導率を熱伝導率測定装置(京都電子工業社製、商品名:迅速熱伝導率計 QTM−D3)を用いて測定した。
(固着力)
図1に、固着力を測定するための平角線の配置を示した側面図を示す。また、図2に、固着力を測定するための平角線の配置を示した正面図を示す。
平角線1(日立マグネットワイヤ社製、商品名:AIW、幅:3.2mm、厚さ:1.8mm)について、長さが50mmのものを2本、長さが80mmのものを2本用意し、これらの平角線1及びエナメル線2から図1及び図2に示す試料を作製し、この試料に電気絶縁用樹脂組成物を含浸させた。そして、電気絶縁用樹脂組成物を含浸させた試料を150℃で1時間加熱して電気絶縁用樹脂組成物を硬化させて試験片を作製した。
そして、該試験片の220℃の温度条件下での固着力をJIS C 2103:2006のストラッカ法に準じて測定した。
(耐熱温度)
電気絶縁用樹脂組成物の耐熱温度に関し、MW35の電線のツイストペアを用いて、UL1446に準拠して温度指数を測定した。
(実施例1)
不飽和ポリエステル樹脂25質量部と、ビニルエステル樹脂13質量部と、反応性希釈剤としての2−ヒドロキシエチルメタアクリレート10質量部と、反応性希釈剤としてのトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート12質量部と、反応性希釈剤としてのジアリルイソフタレート40質量部と、硬化剤としてのベンゾイルパーオキサイド1質量部とを撹拌混合して、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
なお、不飽和ポリエステル樹脂としては、多価アルコールであるネオペンチルグリコールと、多価カルボン酸である無水マレイン酸及びイソフタル酸とを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂(重量平均分子量:3000)を用いた。また、ビニルエステル樹脂としては、メタクリル酸とビスフェノールA型エポキシ樹脂とを反応させて得られた樹脂(重量平均分子量:540)を用いた。
Figure 0006031321
(実施例2)
トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートを用いず、且つ、配合割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
即ち、不飽和ポリエステル樹脂25質量部と、ビニルエステル樹脂25質量部と、反応性希釈剤としての2−ヒドロキシエチルメタアクリレート10質量部と、反応性希釈剤としてのジアリルイソフタレート40質量部と、硬化剤としてのベンゾイルパーオキサイド1質量部とを撹拌混合して、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを用いず、且つ、配合割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
即ち、不飽和ポリエステル樹脂25質量部と、ビニルエステル樹脂13質量部と、反応性希釈剤としてのトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート12質量部と、反応性希釈剤としてのジアリルイソフタレート50質量部と、硬化剤としてのベンゾイルパーオキサイド1質量部とを撹拌混合して、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを用いず、且つ、配合割合を変更したこと以外は、実施例1と同様にして電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
即ち、不飽和ポリエステル樹脂25質量部と、ビニルエステル樹脂13質量部と、反応性希釈剤としてのトリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート12質量部と、反応性希釈剤としてのジアリルフタレート50質量部と、硬化剤としてのベンゾイルパーオキサイド1質量部とを撹拌混合して、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
試験結果を表1に示す。
Figure 0006031321
表1に示すように、本発明の範囲内である実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを含有しない比較例1の電気絶縁用樹脂組成物に比べて、粘度が低く、塗膜の付き方(%)が高く、塗膜の乾燥時間が短く、硬化物が浸水しても体積抵抗が高く、絶縁破壊の強さが高く、引火点が高く、熱伝導率が高く、高温固着力が高かった。
また、本発明の範囲内である実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、2−ヒドロキシエチルメタアクリレートを含有しない比較例2の電気絶縁用樹脂組成物に比べて、塗膜の乾燥時間が短く、硬化物が浸水しても体積抵抗が高く、引火点が高く、熱伝導率が高く、高温固着力が高かった。
従って、本発明によれば、塗膜の乾燥性に優れ、且つ、固着力が高く、且つ、粘度が低い電気絶縁用樹脂組成物を提供することができることがわかる。
1:平角線、2:エナメル線

Claims (2)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂と、ビニルエステル樹脂と、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとを含有し、
    前記不飽和ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸と多価アルコールとを縮合重合して得られる樹脂であって、下記一般式(1)に示す末端基を有する樹脂を含有し、
    前記不飽和ポリエステル樹脂の含有率と、前記ビニルエステル樹脂の含有率との合計が40質量%以上である電気絶縁用樹脂組成物。
    Figure 0006031321
  2. 粘度が3.0Pa・sec未満である請求項1に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
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