JP6236238B2 - 電気絶縁用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電気絶縁用樹脂組成物に関する。
従来、コンデンサー(例えば、エアコン、扇風機、洗濯機等に用いられるコンデンサー)、アマチュア(例えば、モートル、電気ドリル等に用いられるアマチュア)、電源トランス(例えば、テレビ、ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等に用いられる電源トランス)等の電気機器の部品(例えば、コイルなど)に絶縁性を付与するのに、電気絶縁用樹脂組成物が含浸ワニスとして用いられている。
前記電気絶縁用樹脂組成物としては、樹脂と、反応性希釈剤たる重合性モノマーとを含有する電気絶縁用樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2009−102586号公報
しかしながら、昨今では、硬化物がより一層耐クラック性及び耐熱性に優れる電気絶縁用樹脂組成物が求められるが、現状では、耐クラック性に優れたものは、耐熱性が十分ではなく、一方で、耐熱性に優れたものは、耐クラック性が十分ではない。
本発明は、上記要望点に鑑み、硬化物が耐クラック性及び耐熱性に優れたものとなる電気絶縁用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、電気絶縁用樹脂組成物が、不飽和ポリエステル樹脂(A)と、ビニルエステル樹脂(B)と、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)とを含有し、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が、不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)を含有し、前記多価アルコールが、一般式(1)で示される多価アルコールを含有し、前記ビニルエステル樹脂(B)が、メタクリル酸と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とを重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)を含有することにより、硬化物が耐クラック性及び耐熱性に優れたものとなることを見出し、本発明を想到するに至った。
Figure 0006236238
即ち、本発明は、不飽和ポリエステル樹脂(A)と、ビニルエステル樹脂(B)と、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)とを含有しており、
前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が、不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)を含有し、
前記多価アルコールが、一般式(1)で示される多価アルコールを含有し、
前記ビニルエステル樹脂(B)が、メタクリル酸と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とを重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物である。
Figure 0006236238
また、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物においては、好ましくは、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率と、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率との合計が、20〜95質量%であり、
前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)の含有率が、5〜20質量%である。
本発明によれば、硬化物が耐クラック性及び耐熱性に優れたものとなる電気絶縁用樹脂組成物を提供することができる。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)と、ビニルエステル樹脂(B)と、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)と、を含有する。
<不飽和ポリエステル樹脂>
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)を含有することにより、対象物(コイル等)に含浸された際に、塗膜の乾燥性が優れたものとなるという利点を有する。
前記不飽和ポリエステル樹脂(A)は、不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)を含有する。
不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)の原料として用いられる前記不飽和二塩基酸としては、例えば、α、β−不飽和二塩基酸等が挙げられる。
該α、β−不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)の原料として用いられる前記多価アルコールは、一般式(1)で示される多価アルコールを含有する。
Figure 0006236238
不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)の原料として用いられる前記多価アルコールは、一般式(1)で示される多価アルコール以外の多価アルコールを含有してもよい。
一般式(1)で示される多価アルコール以外の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、エタノールアミン等のアミノアルコール類を用いてもよい。これらの多価アルコールは、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合してもよい。
不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)の原料として用いられる前記多価アルコールは、一般式(1)で示される多価アルコールを、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜30質量%含有する。
前記不飽和ポリエステル樹脂(A)は、不飽和二塩基酸と、一般式(1)で示される多価アルコールを含有する多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)以外に、例えば、二塩基酸と多価アルコールとを重合させて得ることができる不飽和ポリエステル樹脂を含有してもよい。
不飽和二塩基酸と、一般式(1)で示される多価アルコールを含有する多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)以外の前記不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる前記二塩基酸としては、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等のα、β−不飽和二塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、シクロペンタジエン−無水マレイン酸付加物、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、および、これらのジアルキルエステル等の飽和二塩基酸等が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら二塩基酸は、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合して用いてもよい。
前記二塩基酸としては、α、β−不飽和二塩基酸が好適に用いられる。
不飽和二塩基酸と、一般式(1)で示される多価アルコールを含有する多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)以外の前記不飽和ポリエステル樹脂の原料として用いられる多価アルコールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール等のエチレングリコール類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、エタノールアミン等のアミノアルコール類を用いてもよい。これらの多価アルコールは、一種類のみを用いてもよいし、適宜、二種類以上を混合してもよい。
前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜8000、より好ましくは2000〜5000である。
なお、本明細書における重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算したものを意味する。
例えば、重量平均分子量は、装置として東ソー社製のGPC「HLC−8320GPC」を用い、カラムとして東ソー社製のカラム「TSK guardcolumn HHR(S)」と、東ソー社製のカラム「TSK GMHHR−H(S)」と、東ソー社製のカラム「TSK GMHHR−H(S)」との合計3本のカラムを直列に繋いだものを用い、リファレンスカラムとして「TSK gel SuperH−RC」を用い、溶離液としてテトラヒドロフランを用い、カラム温度40℃、流量0.5ml/分にてGPC測定を行なった結果から計算して、ポリスチレン換算の値として求めることができる。
不飽和二塩基酸と、一般式(1)で示される多価アルコールを含有する多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)の重量平均分子量は、好ましくは1000〜8000、より好ましくは2000〜5000である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率が、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率が10質量%以上であることにより、対象物に含浸された際に、塗膜の乾燥性が優れたものとなるという利点を有する。また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率が50質量%以下であることにより、低粘度となり、実使用上扱いやすいという利点を有する。
前記不飽和ポリエステル樹脂(A)は、不飽和二塩基酸と、一般式(1)で示される多価アルコールを含有する多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)を、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは75〜95質量%含有する。
<ビニルエステル樹脂>
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、ビニルエステル樹脂(B)を含有することにより、固着力が強いものとなるという利点を有する。
前記ビニルエステル樹脂(B)は、メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)を含有する。本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)を含有することにより、硬化物が加熱されても硬化物の固着力が高いという利点を有する。
また、前記ビニルエステル樹脂(B)は、α、β−不飽和二塩基酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂を含有してもよい。
α、β−不飽和二塩基酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂を作製するのに用いるα、β−不飽和二塩基酸としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記ビニルエステル樹脂(B)は、メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)、並びに、α、β−不飽和二塩基酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂以外に、例えば、不飽和酸とエポキシ樹脂とを重合させて得ることができるビニルエステル樹脂を含有してもよい。
メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)、並びに、α、β−不飽和二塩基酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂以外の前記ビニルエステル樹脂の原料として用いられる前記不飽和酸としては、不飽和一塩基酸、不飽和二塩基酸等が挙げられる。前記不飽和一塩基酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸、ヒドロキシエチルメタクリレート・モノフタレート、ヒドロキシエチルメタクリレート・モノマレート、ヒドロキシエチルアクリレート・モノマレート、ヒドロキシプロピルアクリレート・モノマレート、ジシクロペンタジエニル・モノマレート等が挙げられる。前記不飽和二塩基酸としては、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸等が挙げられる。これらの不飽和酸は単独または2種以上を混合したものを原料として使用することができる。
前記不飽和酸としては、α、β−不飽和二塩基酸が好適に用いられる。
メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)以外の前記ビニルエステル樹脂の原料として用いられる前記エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものである限り、分子構造、分子量等に制限されることなく広く使用することができる。具体的にはビスフェノール型、ノボラック型、ビフェニル型の芳香族基を有するエポキシ樹脂;ポリカルボン酸のグリシジルエステル、シクロヘキサン誘導体のエポキシ化により得られた脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は単独または2種以上を混合したものを原料として使用することができる。
前記エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂が好適に用いられる。
前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えば、一般式(2)に記載の何れかの樹脂を採用することができる。
Figure 0006236238
前記ビニルエステル樹脂(B)の重量平均分子量は、好ましくは500〜2000、より好ましくは500〜1000である。
メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)の重量平均分子量は、好ましくは500〜2000、より好ましくは500〜1000である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率が、好ましくは10〜50質量%、より好ましくは15〜35質量%である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率が10質量%以上であることにより、固着力が強いものとなるという利点を有する。また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率が50質量%以下であることにより、低粘度となり、実使用上扱いやすいという利点を有する。
前記ビニルエステル樹脂(B)は、メタクリル酸及びビスフェノールA型エポキシ樹脂を重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)を、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは75〜95質量%含有する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率と、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率との合計が、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは40〜60質量%、さらにより好ましくは45〜55質量%である。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率と、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率との合計が20質量%以上であることにより、対象物に含浸された際に、垂れにくくなり経済的であるという利点を有する。また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率と、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率との合計が95質量%以下であることにより、低粘度となり、実使用上扱いやすいという利点を有する。
<反応性希釈剤>
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、反応性希釈剤としてトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)を含有する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)を含有することにより、硬化物が加熱されても硬化物の固着力が高いという利点を有する。
なお、本明細書における“トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート”は、“トリメチロールプロパントリメタクリレート”と“トリメチロールプロパントリアクリレート”の何れか一方及び両方を含む概念である。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)の含有率が好ましくは5〜20質量%、より好ましくは8〜15質量%である。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)の含有率が好ましくは5質量%以上であることにより、硬化物が加熱されても硬化物の固着力が高いという利点を有する。また、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)の含有率が好ましくは20質量%以下であることにより、硬化物が耐クラック性に優れるという利点を有する。
前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)の含有量としては、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)、及び、前記ビニルエステル樹脂(B)の総量100質量部に対して5〜30質量部が好ましく、8〜20質量部がより好ましい。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)、及び、前記ビニルエステル樹脂(B)の総量100質量部に対して前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)が5質量部以上であることにより、硬化物が加熱されても硬化物の固着力が高いという利点を有する。また、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)、及び、前記ビニルエステル樹脂(B)の総量100質量部に対して前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)が30質量部以下であることにより、硬化する際に収縮し難いものとなるという利点を有する。
また、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)以外の反応性希釈剤たる重合性モノマーを更に含有してもよい。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)以外の反応性希釈剤たる重合性モノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンジメタクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ジアリルイソフタレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、テトラメチルピペリジニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の不飽和モノマーが挙げられる。
なお、本明細書における“ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート”は、“ヒドロキシエチルメタクリレート”と“ヒドロキシエチルアクリレート”の何れか一方及び両方を含む概念である。また、“グリセリンジ(メタ)アクリレート”は、“グリセリンジメタクリレート”と“グリセリンジアクリレート”の何れか一方及び両方を含む概念である。
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)以外の反応性希釈剤の含有量としては、前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)100質量部に対して5〜20質量部が好ましく、8〜12質量部がより好ましい。
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)100質量部に対してトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)以外の反応性希釈剤が5質量部以上であることにより、硬化物が加熱されても硬化物の固着力が高いという利点を有する。また、前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)100質量部に対してトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)以外の反応性希釈剤が20質量部以下であることにより、硬化する際に収縮し難いものとなるという利点を有する。
<その他の添加剤>
本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、本発明の目的に反しない範囲において、上記の他に当該技術分野で用いられる種々の添加剤を含有してもよい。
例えば、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、更に硬化剤を含有してもよい。該硬化剤としては、有機過酸化物等が挙げられる。該有機過酸化物としては、例えばベンゾイルパーオキサイド、ターシャリブチルパーオキシベンゾエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が挙げられる。該硬化剤の含有量としては、前記不飽和ポリエステル樹脂、前記ビニルエステル樹脂、及び、前記反応性希釈剤の総量100質量部に対して0.5〜3.0質量部が好ましく、1.0〜2.0質量部がより好ましい。
また、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、更に、硬化促進剤を含有してもよい。該硬化促進剤としては、ナフテン酸またはオクチル酸の金属塩(コバルト、亜鉛、ジルコニウム、マンガン等)等が挙げられる。
さらに、本実施形態の絶縁用樹脂組成物は、更に、着色剤、消泡剤、レベリング剤等を含有してもよい。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物の粘度は、好ましくは3.0Pa・sec未満、より好ましくは0.5Pa・sec以上3.0Pa・sec未満、さらに好ましくは1.0〜2.0Pa・secである。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、粘度が3.0Pa・sec未満であることにより、対象物に含浸しやすいという利点を有する。粘度が0.5Pa・sec以上であることにより、含浸する対象物から垂れにくいという利点を有する。
なお、電気絶縁用樹脂組成物の粘度(25℃)は、JIS K 5600−2−2:1999に準じて測定した値を意味する。
また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、硬化することで、体積抵抗率が、好ましくは、1.0×1013Ωcm以上、より好ましくは1.0×1014〜1.0×1016Ωcmとなる。
なお、体積抵抗率は、JIS C 2139:2008に準じて測定した値を意味する。
尚、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、上記構成を有するものであったが、本発明の電気絶縁用樹脂組成物は、上記構成に限定されず、適宜設計変更可能である。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
<実施例1>
(不飽和ポリエステル樹脂)
不飽和二塩基酸としての無水マレイン酸1モル及びイソフタル酸1モルと、一般式(1)で示される多価アルコール0.5モルと、一般式(1)で示される多価アルコール以外の多価アルコールとしてのネオペンチルグリコール2モルと、を撹拌により混合させ、不飽和ポリエステル樹脂(A)を作製した。
Figure 0006236238
(ビニルエステル樹脂)
タクリル酸1.8モルと、ビスフェノールA型エポキシ樹脂1モルと、を撹拌により混合させ、その後、120℃で7時間加熱して重合させ、ビニルエステル樹脂(B)を作製した。
(電気絶縁用樹脂組成物)
そして、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)23質量部、前記ビニルエステル樹脂(B)23質量部、トリメチロールプロパントリアクリレート(C)14質量部、シクロペンテニルオキシエチルメタクリレート25質量部、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)10質量部、グリセリンジメタクリレート5質量部、及び、硬化剤としてのベンゾイルパーオキサイド2質量部を撹拌により混合して、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
<実施例2>
不飽和二塩基酸としての無水マレイン酸1モル及びイソフタル酸1モルと、一般式(1)で示される多価アルコール0.5モルと、一般式(1)で示される多価アルコール以外の多価アルコールとしてのエチレングリコール2モルと、を撹拌により混合させ、不飽和ポリエステル樹脂(A)を作製した。
そして、この不飽和ポリエステル樹脂(A)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
<比較例1>
不飽和二塩基酸としての無水マレイン酸1モル及びイソフタル酸1モルと、一般式(1)で示される多価アルコール以外の多価アルコールとしてのネオペンチルグリコール2.5モルを撹拌により混合させ、不飽和ポリエステル樹脂を作製した。
そして、この不飽和ポリエステル樹脂を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
<評価>
(電気絶縁用樹脂組成物の硬化物の耐クラック性の評価)
円筒状の金型(直径:60mm、高さ:8mm)で電気絶縁用樹脂組成物を150℃で1時間加熱し、硬化物を得た。
該硬化物を−40℃の恒温槽に30分間入れ、その後、150℃の恒温槽に30分間入れる作業を合計1000回繰り返した。
さらに、該硬化物を−40℃の恒温槽に30分間入れ、その後、200℃の恒温槽に30分間入れる作業を2000回繰り返した。
そして、これらの作業を行った硬化物にクラックが生じていないか目視で確認し、以下の評価を行った。
○:クラックなし
×:クラックあり
(電気絶縁用樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度(Tg)の測定)
鉄板の表面に電気絶縁用樹脂組成物を塗布し、150℃で1時間加熱し、電気絶縁用樹脂組成物を硬化させて硬化物(長さ:60mm、幅:10mm、厚み:4mm)を得た。
そして、動的粘弾性測定装置(DMS)を用いて、DMSの引張りモードで且つ以下の条件で該硬化物のガラス転移温度を測定した。
試料の幅:10mm
試料の厚み:4mm
支点間距離:60mm
周波数:1Hz
歪:0.1%
温度:0℃→250℃(10℃/min)→0℃(急冷)
試験結果を表1に示す。
Figure 0006236238
表1に示すように、本発明の範囲内である実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、一般式(1)で示される多価アルコールを用いて生成した不飽和ポリエステル樹脂を含有しない比較例1に比べて、クラックが生じず、更に、Tgが高い値を示した。
従って、本発明によれば、従来に比べて、硬化物が耐クラック性及び耐熱性に優れたものとなる電気絶縁用樹脂組成物を提供できることがわかる。

Claims (2)

  1. 不飽和ポリエステル樹脂(A)と、ビニルエステル樹脂(B)と、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)とを含有しており、
    前記不飽和ポリエステル樹脂(A)が、不飽和二塩基酸と、多価アルコールとを重合して得られる不飽和ポリエステル樹脂(A1)を含有し、
    前記多価アルコールが、一般式(1)で示される多価アルコールを含有し、
    前記ビニルエステル樹脂(B)が、メタクリル酸と、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とを重合させて得られるビニルエステル樹脂(B1)を含有することを特徴とする電気絶縁用樹脂組成物。
    Figure 0006236238
  2. 前記不飽和ポリエステル樹脂(A)の含有率と、前記ビニルエステル樹脂(B)の含有率との合計が、20〜95質量%であり、
    前記トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(C)の含有率が、5〜20質量%である請求項1に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
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