JP2016197548A - 電気絶縁用樹脂組成物 - Google Patents

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聡寛 田渕
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Abstract

【課題】 表面乾燥性に優れ、更に、硬化物が加熱されても硬化物の接着力が高い電気絶縁用樹脂組成物を提供することにある。【解決手段】 所定の化学式で示される化合物、多官能エポキシ樹脂、及び、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる樹脂と、重合性モノマーと、を含有する、電気絶縁用樹脂組成物を提供する。【選択図】 なし

Description

本発明は、電気絶縁用樹脂組成物に関する。
従来、コンデンサー(例えば、エアコン、扇風機、洗濯機等に用いられるコンデンサー)、アマチュア(例えば、モートル、電気ドリル等に用いられるアマチュア)、電源トランス(例えば、テレビ、ステレオ、コンパクトディスクプレーヤー等に用いられる電源トランス)等の電気機器の部品(例えば、コイルなど)に絶縁性を付与するのに、電気絶縁用樹脂組成物が含浸ワニスとして用いられている。
前記電気絶縁用樹脂組成物としては、樹脂と、反応性希釈剤たる重合性モノマーとを含有する電気絶縁用樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
しかし、従来の電気絶縁用樹脂組成物では、重合性モノマーを重合させる際に、空気中の酸素によって重合が阻害され、表面の硬化性(「表面乾燥性」、「空気乾燥性」とも言われ、以下「表面乾燥性」という。)が不十分となるという問題がある。
斯かる観点から、重合性モノマー及び樹脂に加えて、添加剤としてのアリル位に水素を有する化合物(不飽和脂肪酸、変性ジシクロペンタジエン樹脂、変性ポリブタジエン等)、及び、金属触媒(ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト等)を含有する電気絶縁用樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献2)。また、重合性モノマーと、樹脂としてのアリル位に水素を有する化合物と、金属触媒(ナフテン酸マンガン、ナフテン酸コバルト等)とを含有する電気絶縁用樹脂組成物も用いられている(例えば、特許文献3)。
これらの電気絶縁用樹脂組成物は、アリル位の水素が金属触媒を介して空気中の酸素と反応することで過酸化物が生成され、この過酸化物が電気絶縁用樹脂組成物の硬化反応(重合性モノマーの重合反応)の反応開始種になる。そして、重合性モノマーの反応が促進され、表面乾燥性に優れたものとなるという利点がある。
特開2009−102586号公報 特開2006−158094号公報 特開2007−297479号公報
しかしながら、昨今では、より一層表面乾燥性に優れる電気絶縁用樹脂組成物が求められるが、表面乾燥性を高めるべく、アリル位に水素を有する化合物、及び、金属触媒の含有割合を高くすると、酸化分解等の副反応が生じ、電気絶縁用樹脂組成物を硬化した硬化物が酸化劣化し易いという問題がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、表面乾燥性に優れ、更に、硬化物が加熱されても硬化物の接着力が高い電気絶縁用樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らが鋭意研究したところ、電気絶縁用樹脂組成物が、一般式(1)で示される化合物、多官能エポキシ樹脂、及び、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる樹脂と、重合性モノマーと、を含有することにより、電気絶縁用樹脂組成物が、表面乾燥性に優れ、更に、硬化物が加熱されても硬化物の接着力が高いものとなることを見出し、本発明を想到するに至った。
Figure 2016197548
即ち、上記課題を解決するための電気絶縁用樹脂組成物に係る本発明は、一般式(1)で示される化合物、多官能エポキシ樹脂、及び、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる樹脂と、重合性モノマーと、を含有することを特徴とする。
Figure 2016197548
また、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物においては、好ましくは、前記多官能エポキシ樹脂は、一般式(2)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂を含有する。
Figure 2016197548
さらに、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物においては、好ましくは、前記一般式(1)で示される化合物、前記多官能エポキシ樹脂、及び、前記(メタ)アクリル酸を反応させて得られる前記樹脂は、前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸とをモル比0.5〜1.5:1.0:0.5〜1.5で反応させて得られる樹脂である。
また、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物においては、好ましくは、前記重合性モノマーが、ジアリルフタレート及びジアリルイソフタレートの少なくとも何れか一方を含有する。
本発明によれば、表面乾燥性に優れ、更に、硬化物が加熱されても硬化物の接着力が高い電気絶縁用樹脂組成物を提供することができる。
電気絶縁用樹脂組成物を介して2枚の冷間圧延鋼板を重ね合わせた状態を示す概略平面図。 電気絶縁用樹脂組成物を介して2枚の冷間圧延鋼板を重ね合わせた状態を示す概略正面図。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、一般式(1)で示される化合物、多官能エポキシ樹脂、及び、(メタ)アクリル酸を混合し反応させて得られる樹脂と、重合性モノマーと、を含有する。
なお、本明細書における“(メタ)アクリル酸”は、“メタクリル酸”と“アクリル酸”の何れか一方及び両方を含む概念である。
Figure 2016197548
前記一般式(1)で示される化合物は、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物(一般式(3))と、一般式(4)の化合物とを反応させることで得ることができる。
Figure 2016197548
Figure 2016197548
前記一般式(4)の化合物としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書における“2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート”は、“2−ヒドロキシエチルメタクリレート”と“2−ヒドロキシエチルアクリレート”の何れか一方及び両方を含む概念である。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と前記一般式(4)の化合物との反応については、テトラヒドロフタル酸無水物と上記一般式(4)の化合物とをモル比1.0:0.5〜1.5で混合して反応させることが好ましい。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と前記一般式(4)の化合物とを反応させる際には、触媒を用いてもよく、また、反応禁止剤を用いてもよい。該触媒としては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。また、反応禁止剤としては、p−ベンゾキノン等が挙げられる。
メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物と前記一般式(4)の化合物とを100〜120℃で、10〜30時間、より好ましくは10〜20時間加熱させることで、前記一般式(1)で示される化合物を得ることができる。
前記多官能エポキシ樹脂とは、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を意味する。
多官能エポキシ樹脂のうち二官能エポキシ樹脂(1分子中に2個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂等が挙げられる。該ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールG型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。
多官能エポキシ樹脂のうち三官能エポキシ樹脂(1分子中に3個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂)としては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,o−トリグリシジル−4−アミノ−m−クレゾール、N,N,O−トリグリシジル−5−アミノ−o−クレゾール、1,1,1−(トリグリシジルオキシフェニル)メタン等が挙げられる。
多官能エポキシ樹脂のうち四官能エポキシ樹脂(1分子中に4個のエポキシ基を有するエポキシ樹脂)としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−4,4−(4−アミノフェニル)−p−ジイソピルベンゼン、1,1,2,2−(テトラグリシジルオキシフェニル)エタン、1,3,5−トリス(2,3−エポキシプロピル)1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,1,2,2−テトラビス(ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、トリフェニルグリシジルエーテルメタン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等が挙げられる。
上記以外の多官能エポキシ樹脂としては、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチルプロパノールグリシジルエーテル、ペンタエリストールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等が挙げられる。
前記多官能エポキシ樹脂としては、二官能エポキシ樹脂が好ましく、一般式(2)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂がより好ましい。
Figure 2016197548
前記一般式(2)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂は、“ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Rは、メチル基)”と“ビスフェノールF型エポキシ樹脂(Rは、水素)”の何れか一方及び両方を含む概念である。
前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸との反応については、前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸とをモル比0.5〜1.5:1.0:0.5〜1.5で混合して反応させることが好ましい。
前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸とを反応させる際には、触媒を用いてもよい。該触媒としては、トリフェニルホスフィン等が挙げられる。
前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸とを反応させる際には、前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸とを110〜120℃で、10〜30時間、より好ましくは10〜20時間加熱して反応させる。
nは、好ましくは、0〜2、より好ましくは0〜1である。
<重合性モノマー>
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、前記重合性モノマーを反応性希釈剤として含有する。
前記重合性モノマーは、前記一般式(1)で示される樹脂とは別に、該樹脂と反応するモノマーを含む。
前記重合性モノマーとしては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート、ベンジルアクリレート、ノナンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジシクロペンタニルメタクリレート、ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、テトラメチルピペリジニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の不飽和モノマーが挙げられる。
前記重合性モノマーとしては、高引火点及び長期保存性(安定性)の観点から、ジアリルフタレート及びジアリルイソフタレートの少なくとも一方を含むことが好ましい。
前記重合性モノマーの含有量としては、前記樹脂100質量部に対して10〜200質量部が好ましく、20〜100質量部がより好ましい。
<その他の添加剤>
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、本発明の目的に反しない範囲において、上記の他に当該技術分野で用いられる種々の添加剤を含有してもよい。
例えば、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、更に、アリル位に水素を有する化合物、及び、金属触媒としてのナフテン酸またはオクチル酸の金属塩(コバルト、亜鉛、ジルコニウム、マンガン等)を含有してもよい。
さらに、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、更に、硬化剤、着色剤、消泡剤、レベリング剤、チキソ剤等を含有してもよい。
前記硬化剤としては、ベンゾイルパーオキサイド等が挙げられる。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物の粘度は、好ましくは3.0Pa・sec未満、より好ましくは0.5Pa・sec以上3.0Pa・sec未満、さらに好ましくは1.0〜2.0Pa・secである。
本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、粘度が3.0Pa・sec未満であることにより、対象物に含浸しやすいという利点を有する。粘度が0.5Pa・sec以上であることにより、含浸する対象物から垂れにくいという利点を有する。
なお、電気絶縁用樹脂組成物の粘度(25℃)は、JIS K 5600−2−2:1999に準じて測定した値を意味する。
また、本実施形態の電気絶縁用樹脂組成物は、硬化することで、体積抵抗率が、好ましくは、1.0×1013Ωcm以上、より好ましくは1.0×1014〜1.0×1016Ωcmとなる。
なお、体積抵抗率は、JIS C 2139:2008に準じて測定した値を意味する。
なお、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物は、上記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物は、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明に係る電気絶縁用樹脂組成物は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。
(樹脂1)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート0.9molに、触媒としてのトリフェニルホスフィン(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メタクリル酸、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)、反応禁止剤としてのp−ベンゾキノン(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メタクリル酸、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)を加え溶解させた後、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物0.9molを加えて110℃で24時間反応させた。
この反応液に、メタクリル酸0.9mol、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名:AER250)1.0mol、及び、触媒としてのトリフェニルホスフィン(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メタクリル酸、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)を溶解させ、110℃で24時間反応させて樹脂1を得た。
(樹脂2)
メタクリル酸1.8mol、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名:AER250)1.0mol、反応禁止剤としてのp−ベンゾキノン(メタクリル酸、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)、触媒としてのトリフェニルホスフィン(メタクリル酸、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)を溶解させ、110℃で24時間反応させて樹脂2を得た。
(樹脂3)
2−ヒドロキシエチルメタクリレート1.8molに、反応禁止剤としてのp−ベンゾキノン(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフタル酸無水物、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)を加え溶解させた後、テトラヒドロフタル酸無水物1.8molを加えて110℃で24時間反応させた。
この反応液に、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ社製、商品名:AER250)1.0mol、及び、触媒としてのトリフェニルホスフィン(2−ヒドロキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフタル酸無水物、及び、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の合計量1質量部に対して、4.0×10−4質量部)を溶解させ、110℃で24時間反応させて樹脂3を得た。
(実施例1、2及び、比較例1〜5)
上記樹脂1〜3、重合性モノマーとしてのジアリルフタレート(DAP)、重合性モノマーとしてのジアリルイソフタレート(iso−DAP)、重合性モノマーとしてのエチレングリコールジメタクリレート、硬化剤としてのベンゾイルパーオキサイドを用いて、表1に示す配合割合の実施例及び比較例の電気絶縁用樹脂組成物を作製した。
(電気絶縁性樹脂組成物の硬化物の接着力(耐熱性))
図1、2に示すように、電気絶縁用樹脂組成物1(厚み:20μm)を介して、2枚の冷間圧延鋼板2(SPCC−S JIS G3141)(太佑機材株式会社製)(100mm×15mm×1.0mm)を重ね合わせた(接着面積:15mm×10mm)。
次に、この重ね合わせた箇所を2.0MPaの圧力で加圧しつつ、この重ね合わせた冷間圧延鋼板2を150℃で60分間加熱することにより、電気絶縁用樹脂組成物を硬化させ、その後、270℃で97時間加熱し、試料を得た。
この試料の接着力(破断力)を25℃と180℃と230℃下でJIS K6850:1999の「接着剤−剛性被着材の引張せん断接着強さ試験方法」に準じて測定した。
(表面乾燥性(表面硬化性))
鉄板の表面に電気絶縁用樹脂組成物を厚み20μm程度に塗布し、表1の硬化条件で加熱することで硬化させ、硬化物を室温にまで冷却させた後に硬化物の表面を指で触ってタックの有無(指への粘着物の付着)を確認した。
○:タックが確認されなかった。
×:タックが確認された。
(保存性)
電気絶縁用樹脂組成物を試験管(直径18mm×全長180mm)に試験管の口部から下50mmの位置まで入れた。
そして、試験管の口部をポリエチレンシートで覆い更にアルミ箔で覆うことにより、試験管を密封させた。
次に、ワニスを封入した前記試験管を40℃の恒温槽に入れ、1日毎に試験管を反転してワニスの状態を確認し、試験管を恒温槽に入れた時から、少しでもゲル化した状態となった時までの日数を数えた。
試験結果を表1に示す。
Figure 2016197548
表1に示すように、本発明の範囲内である実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、比較例1、2に比べて、表面乾燥性に優れていた。
また、実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、比較例1〜5に比べて、硬化物の接着力が高かった。
さらに、実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、比較例5に比べて、保存性に優れていた。
この結果は、以下の理由によるものと考えられる。
すなわち、実施例1、2で用いた樹脂1は、一般式(5)で示される樹脂(ここで、x及びyの何れか一方が一般式(6)であり、他方が一般式(7)であり、一般式(5)のmと一般式(2)のnとは、「n=m+1」の関係にある。)を有し、比較例1、2で用いた樹脂2は、一般式(8)で示される樹脂であり、比較例3〜5で用いた樹脂3は、下記一般式(9)で示される樹脂であると考えられる。
一般式(5)で示される樹脂は、一般式(8)で示される樹脂と対比すると、脂環式の不飽和基を備える点で異なる。実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、比較例1、2の電気絶縁用樹脂組成物に比べて、表面乾燥性に優れていたのは、実施例1、2で用いた樹脂がこの脂環式の不飽和基を有し、そして、この脂環式の不飽和基が表面乾燥性を高める役割をしていることによるものと考えられる。
一般式(5)で示される樹脂と一般式(9)で示される樹脂とを対比すると、一般式(5)で示される樹脂が、1分子に脂環式の不飽和基を1つのみ有するのに対し、一般式(9)で示される樹脂が、1分子に脂環式の不飽和基を2つ有する点で異なる。実施例1、2の電気絶縁用樹脂組成物は、比較例3〜5の電気絶縁用樹脂組成物に比べて、硬化物の接着力が高かったのは、実施例1、2で用いた樹脂が、比較例3〜5で用いた樹脂よりも嵩高い脂環式の不飽和基の含有割合が小さいので、立体障害が生じ難く、その結果、実施例1、2で用いた樹脂が、重合性モノマーの架橋剤としての役割を十分に発揮していることや、主鎖において、原子の数に対する芳香環の数の比が高いので、樹脂骨格が剛直となっていることによるものと考えられる。
また、このことから、実施例で用いた多官能エポキシ樹脂以外の多官能エポキシ樹脂を用いた場合でも同様な効果が発揮されると考えられる。なお、1分子に脂環式の不飽和基を1つのみ有するものを得やすくなるという観点から、二官能エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
さらに、このことから、実施例で用いた重合性モノマー以外の重合性モノマーを用いた場合でも同様な効果が発揮されると考えられる。
Figure 2016197548
Figure 2016197548
Figure 2016197548
Figure 2016197548
Figure 2016197548
従って、本発明によれば、表面乾燥性に優れ、更に、硬化物が加熱されても硬化物の接着力が高い電気絶縁用樹脂組成物を提供することができることがわかる。
1:電気絶縁用樹脂組成物、2:冷間圧延鋼板

Claims (4)

  1. 一般式(1)で示される化合物、多官能エポキシ樹脂、及び、(メタ)アクリル酸を反応させて得られる樹脂と、重合性モノマーと、を含有する、電気絶縁用樹脂組成物。
    Figure 2016197548
  2. 前記多官能エポキシ樹脂は、一般式(2)で示されるビスフェノール型エポキシ樹脂を含有する、請求項1に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
    Figure 2016197548
  3. 前記一般式(1)で示される化合物、前記多官能エポキシ樹脂、及び、前記(メタ)アクリル酸を反応させて得られる前記樹脂は、前記一般式(1)で示される化合物と、前記多官能エポキシ樹脂と、前記(メタ)アクリル酸とをモル比0.5〜1.5:1.0:0.5〜1.5で反応させて得られる樹脂である、請求項1又は2に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
  4. 前記重合性モノマーが、ジアリルフタレート及びジアリルイソフタレートの少なくとも何れか一方を含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の電気絶縁用樹脂組成物。
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