本発明は、その医薬的に許容されるすべての溶媒和物(水和物を含む)、プロドラッグ、多形体、非晶相および代謝物を含む1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)、あるいはその溶媒和物(水和物を含む)、プロドラッグ、多形体、非晶相および代謝物を含む化合物1の医薬的に許容される塩、ならびにそれらの使用方法を記載する。化合物1ならびにその医薬的に許容される塩は、LPA介在性および/またはLPA依存性疾患、障害または症状の治療または予防のための医薬の製造にて使用される。化合物1はLPA1アンタゴニストである。
本発明は、その中に化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、ナトリウム塩)を有効成分として含む医薬組成物を記載する。あるの実施態様にて、本発明は結晶性化合物1またはその溶媒和物を含む医薬組成物を記載する。ある実施態様にて、本発明は結晶性化合物2またはその溶媒和物を含む医薬組成物を記載する。ある実施態様にて、本発明は結晶性化合物2の水和物を含む医薬組成物を記載する。
一の態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、または1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、あるいはその医薬的に許容される塩または溶媒和物が記載される。別の態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、または1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、またはその溶媒和物の医薬的に許容される塩が記載される。ある実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は実質的にS−異性体にて存在しない。ある実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は結晶性である。ある実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は結晶性であり、実質的に非晶質の医薬的に許容される塩にて存在しない。
一の態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)またはその溶媒和物の医薬的に許容される塩が記載される。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩はナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、L−アルギニン塩、L−リジン塩またはN−メチル−D−グルカミン塩、あるいはその溶媒和物が記載される。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩はナトリウム塩、またはその溶媒和物である。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩は1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、ナトリウム塩(化合物2)、またはその溶媒和物である。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩は非晶質である。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩は結晶性である。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩は化合物2またはその溶媒和物の結晶形である。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩は水和結晶形の化合物2である。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩は化合物2またはその溶媒和物の非晶相である。
ある態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、または1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、あるいはその医薬的に許容される塩または溶媒和物の結晶形が記載される。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩はナトリウム塩、カルシウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、L−アルギニン塩、L−リジン塩、またはN−メチル−D−グルカミン塩、あるいはその溶媒和物が記載される。ある実施態様にて、医薬的に許容される塩はナトリウム塩、またはその溶媒和物である。
ある実施態様にて、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸、あるいはその医薬的に許容される塩または溶媒和物の結晶形が記載される。
ある実施態様にて、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸またはその溶媒和物の医薬的に許容される塩の結晶形が記載される。
本願明細書に記載の実施態様のいずれかにて、結晶形は水和される。本願明細書に記載の実施態様のいずれかにて、結晶形は一水和物である。
ある実施態様にて、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩の結晶形が記載される。
ある実施態様にて、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩の水和物の結晶形が記載される。
ある実施態様にて、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩(化合物2)の水和物の結晶形は:
(a)13.2°の2−シータ、17.2°の2−シータ、19.3°の2−シータ、22.4°の2−シータ、および25.6°の2−シータに特徴的ピークのあるX−線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(b)図4に図示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じパターンを有するか;
(c)図5および図6に示される熱重量分析(TGA)またはDSCと実質的に同様のTGAまたはDSCを有するか;
(d)図7に図示される赤外線スペクトルと実質的に同様のスペクトルを有するか;
(e)メチルエチルケトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン/tert−ブチル メチルエーテル、メチルエチルケトン(MEK)/tert−ブチルメチル、またはエタノール/ヘプタンから得られるか;
(f)25℃で次の単位格子パラメータと実質的に等しいパラメータを有するか:
あるいは
(g)それらの組み合わせを有する。
ある実施態様にて、水和結晶形の化合物2は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)より選択される少なくとも1つの特性を有する。ある実施態様にて、水和結晶形の化合物2は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)より選択される少なくとも2つの特性を有する。ある実施態様にて、水和結晶形の化合物2は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)より選択される少なくとも3つの特性を有する。ある実施態様にて、水和結晶形の化合物2は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)より選択される少なくとも4つの特性を有する。ある実施態様にて、水和結晶形の化合物2は(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)より選択される少なくとも5つの特性を有する。ある実施態様にて、水和結晶形の化合物2は特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)を有する。
一の実施態様において、結晶形の1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム 塩(化合物2)またはその溶媒和物が記載される。
一の実施態様において、結晶形の1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩(化合物2):
が記載される。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は水和される。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は13.2°の2−シータ、17.2°の2−シータ、19.3°の2−シータ、22.4°の2−シータ、および25.6°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は図4に図示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じパターンを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は図6に示されるDSCサーモグラムと実質的に同様のDSCサーモグラムを有する。ある実施態様にて、結晶形の化合物2は図5に示される熱重量分析(TGA)と実質的に同様のTGAを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は図5および図6に示される熱重量分析(TGA)またはDSCと実質的に同様のTGAまたはDSCを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は:
(i)メチルエチルケトン;
(ii)メチルエチルケトン、メチルtert−ブチルエーテルおよび水;
(iii)メチルエチルケトンおよび水;
(iv)アセトニトリルまたはアセトニトリルおよびテトラヒドロフラン;
(v)1,4−ジオキサンおよびtert−ブチルメチルエーテル;
(vi)メチルエチルケトンおよびtert−ブチルメチル;または
(vii)エタノールおよびヘプタン
より選択される。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は実質的にS−異性体にて存在しない。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は実質的に非晶相の化合物2にて存在しない。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は、高い相対湿度で1週間貯蔵した後に、実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2は、40℃/75%相対湿度または25℃/95%相対湿度で1週間貯蔵した後に、実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
一の態様において、本願明細書にて、非晶質の1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩(化合物2)が記載される。ある実施態様にて、非晶質の化合物2ではS−異性体は実質的にない。
ある実施態様にて、結晶形の化合物2はパターン1である。ある実施態様にて、結晶形の化合物2はパターン2である。ある実施態様にて、結晶形の化合物2はパターン3である。
ある実施態様にて、結晶形の1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)またはその溶媒和物が記載される。
ある実施態様にて、結晶形の以下の構造:
を有する化合物が記載される
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は:
(a)4.7°の2−シータ、9.4°の2−シータ、14.5°の2−シータ、および21.0°の2−シータに特徴的ピークのあるX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(b)図1に図示されるXRPDと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(c)約172℃−176℃で吸熱を示すDSCサーモグラムを有するか;
(d)図2および図3に示されるDSCまたは熱重量分析(TGA)と実質的に同様のDSCまたはTGAを有するか;
(e)40℃/75%相対湿度で1週間貯蔵した後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(f)25℃で次の単位格子パラメータ:
と実質的に等しい単位格子パラメータを有するか;または
(g)それらの組み合わせを有する
ものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は4.7°の2−シータ、9.4°の2−シータ、14.5°の2−シータ、および21.0°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は図1に図示されるX線粉末回折と実質的に同じXRPDパターンを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は約176℃で吸熱を示すDSCサーモグラムを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は図2および図3に示されるDSCまたは熱重量分析(TGA)と実質的に同様のDSCまたはTGAを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は40℃/75%相対湿度で1週間貯蔵した後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は:
(a)図12に示されるX線粉末回折(XRPD)と実質的に同じXRPDパターンを有するか;
(b)6.3°の2−シータ、12.8°の2−シータ、16.4°の2−シータ、17.0°の2−シータ、および19.7°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(c)25℃の温度で以下:
の単位格子パラメータとほぼ等しい単位格子パラメータを有するか;または
(d)それらの組み合わせを有する
ものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1は:
(a)図13に示されるX線粉末回折(XRPD)と実質的に同じXRPDパターンを有するか;
(b)5.5°の2−シータ、5.9°の2−シータ、12.6°の2−シータ、および16.7°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(c)25℃の温度で以下:
の単位格子パラメータとほぼ等しい単位格子パラメータを有するか;または
(d)それらの組み合わせを有する
ものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1ではS−異性体が実質的にない。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1では非晶質の化合物1が実質的にない。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1はエタノール、メタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、アニソール、トルエン、ニトロメタン、アセトニトリル、酢酸エチル、クメン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘプタンまたはそれらの組み合わせより結晶化される。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1はパターン1である。ある実施態様にて、結晶形の化合物1はパターン2である。ある実施態様にて、結晶形の化合物1はパターン3である。
ある実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は20ppm未満の検出可能な量のパラジウムを包含する。
ある実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は15ppm未満の検出可能な量のパラジウムを包含する。ある実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は検出可能な量のパラジウムを包含しない。
一の態様において、次の構造式:
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩が提供される。
ある実施態様にて、本発明は化合物1またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を記載する。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物は非晶質である。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物は結晶質である。
ある実施態様にて、本発明は結晶形の化合物1またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を記載する。ある実施態様にて、本発明は結晶形の化合物2またはその溶媒和物を含む医薬組成物を記載する。ある実施態様にて、本発明は水和した結晶形の化合物2を含む医薬組成物を記載する。ある実施態様にて、本発明は化合物2(パターン1)を含む医薬組成物を記載する。
ある実施態様にて、医薬組成物は、医薬的に許容される担体、希釈剤および賦形剤より選択される少なくとも不活性な成分を含む。
ある実施態様にて、医薬組成物は化合物2またはその溶媒和物を含む。
ある実施態様にて、医薬組成物は結晶質化合物2またはその溶媒和物を含む。
ある実施態様にて、化合物2またはその溶媒和物は純度が96%よりも大きい。ある実施態様にて、化合物2またはその溶媒和物は純度が97%よりも大きい。ある実施態様にて、化合物2またはその溶媒和物は純度が98%よりも大きい。
ある実施態様にて、医薬組成物は静脈内注射、皮下注射、経口投与、吸入、経鼻投与、局所投与、経眼投与または眼内投与用に処方される。
ある実施態様にて、医薬組成物は錠剤、ピル、カプセル、液剤、吸入剤、経鼻スプレー溶液、坐剤、懸濁液、ゲル、コロイド、分散剤、サスペンジョン、ソリューション、エマルジョン、軟膏、ローション、点眼または点耳剤である。
ある実施態様にて、医薬組成物は哺乳動物への経口投与に適する形態である。
ある実施態様にて、医薬組成物はピル、カプセル、錠剤、水溶液、水性懸濁液、非水性溶液または非水性懸濁液の形態である。
ある実施態様にて、医薬組成物はカプセルの形態である。ある実施態様にて、医薬組成物は即時放出性カプセルまたは腸溶性カプセルの形態である。ある実施態様にて、カプセルはハードゼラチンカプセルまたはヒプロメロース(hypromellose)(HPMC)カプセルである。ある実施態様にて、カプセルは、ハードゼラチンカプセルまたはヒプロメロース(HPMC)カプセルに加えて、少なくとも1つの賦形剤を含む。
ある実施態様にて、医薬組成物は錠剤の形態である。ある実施態様にて、医薬組成物は即時放出性錠剤、腸溶性錠剤または徐放性錠剤の形態である。ある実施態様にて、医薬組成物は保湿層被覆錠剤の形態である。
ある実施態様にて、医薬組成物は水溶液または水性懸濁液の形態である。
ある実施態様にて、単回投与の医薬組成物は約10mg〜約1500mgの化合物1、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む。
ある実施態様にて、単回投与の医薬組成物は、約10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mgまたは約1000mgの化合物1、またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物(例えば、化合物2)を含む。
ある実施態様にて、単回投与の医薬組成物は約10mg〜約1500mgの化合物2またはその溶媒和物を含む。
ある実施態様にて、単回投与の医薬組成物は約10mg、15mg、20mg、25mg、50mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mgまたは約1000mgの化合物2またはその溶媒和物を含む。
ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は、検出可能な量の構造式:
で示される化合物を含む。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物に投与した後に、化合物1の少なくとも1つの代謝物を提供する医薬組成物を記載する。
ある実施態様にて、少なくとも1つの代謝物は:
−化合物1のグルクロン化物;
−化合物1のグルクロン化+酸化物;
より選択される。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物におけるLPAの生理活性を阻害する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物をその必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物におけるLPA依存性またはLPA介在性疾患または症状を治療または予防する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物をその必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、LPA依存性またはLPA介在性疾患または症状は、肺線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腎線維症、急性腎傷害、慢性腎疾患、肝線維症、皮膚線維症、腸線維症、乳癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、グリア芽腫、骨癌、大腸癌、大腸癌、頭頸部癌、メラノーマ、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、癌疼痛、腫瘍転移、移植器官拒絶反応、強皮症、眼線維症、加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、コラーゲン血管性疾患、アテローム性動脈硬化症、レイノー現象または神経因性疼痛より選択される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物における線維症、炎症または癌の治療または予防にて使用される。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における組織中のLPA受容体の活性化を制御する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。ある実施態様にて、哺乳動物における組織中のLPA受容体の活性化は線維症をもたらす。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における線維症の治療または予防方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。ある実施態様にて、線維症は肺線維症、腎線維症、肝線維症または皮膚線維症からなる。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における肺機能を改善する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を改善を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。ある実施態様にて、哺乳動物は肺線維症に罹患していると診断された。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における突発性肺線維症を治療する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を治療を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における組織中の細胞、フィブロネクチン、コラーゲンの異常な蓄積または活性化あるいは線維芽細胞の高補充を調節する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を調節を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、組織中の細胞、フィブロネクチン、コラーゲンの異常な蓄積または活性化あるいは線維芽細胞の高補充は線維症をもたらす。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における強皮症を治療または予防する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物における望ましくないまたは異常な皮膚肥厚を減少させる方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を減少を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。ある実施態様にて、皮膚肥厚は強皮症に付随する。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物の皮膚組織における細胞、フィブロネクチン、コラーゲンの異常な蓄積または活性化あるいは線維芽細胞の高補充を調節する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を調節を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。ある実施態様にて、組織中の細胞、フィブロネクチン、コラーゲンの異常な蓄積または活性化あるいは線維芽細胞の高補充は線維症をもたらす。
ある実施態様にて、本発明は、皮膚線維症に罹患した哺乳動物の皮膚組織中のヒドロキシプロリン含量を軽減する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を軽減を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、本発明は、哺乳動物におけるレイノー現象を治療または予防する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)あるいはその医薬組成物を治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法を記載する。
ある実施態様にて、医薬組成物は哺乳動物に毎日投与される。ある実施態様にて、医薬組成物は哺乳動物に一日に1回投与される。ある実施態様にて、医薬組成物は哺乳動物に一日に2回投与される。
ある実施態様にて、哺乳動物はヒトである。
ある実施態様にて、哺乳動物の関与するいずれの治療法においても、哺乳動物には、化合物1またはその医薬的に許容される塩に加えて、一または複数の付加的な治療的に活性な作用剤が投与される。
ある実施態様にて、哺乳動物の関与するいずれの治療法においても、哺乳動物には、副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、鎮痛剤、抗癌剤、抗炎症剤、ケモカイン受容体アンタゴニスト、気管支拡張剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエン形成阻害剤、モノアシルグリセロールキナーゼ阻害剤、ホスホリパーゼA1阻害剤、ホスホリパーゼA2阻害剤、およびリゾホスホリパーゼD(リゾPLD)阻害剤、オータキシン阻害剤、充血除去剤、抗ヒスタミン剤、粘液溶解剤、抗コリン作用剤、鎮咳剤、去痰剤およびβ−2アゴニストより選択される、一または複数の付加的な治療的に活性な作用剤が投与される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)をLPA依存性またはLPA介在疾患または症状を患っているヒトに投与することを特徴とする方法が提供される。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)以外の一または複数の付加的な治療的に活性な作用剤が既にヒトに投与されている。ある実施態様にて、該方法はさらには化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)以外の一または複数の付加的な治療的に活性な作用剤が投与されることを含む。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)以外の一または複数の付加的な治療的に活性な作用剤は:副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤、鎮痛剤、抗癌剤、抗炎症剤、ケモカイン受容体アンタゴニスト、気管支拡張剤、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエン形成阻害剤、モノアシルグリセロールキナーゼ阻害剤、ホスホリパーゼA1阻害剤、ホスホリパーゼA2阻害剤、およびリゾホスホリパーゼD(リゾPLD)阻害剤、オータキシン阻害剤、充血除去剤、抗ヒスタミン、粘液溶解剤、抗コリン作用剤、鎮咳剤、去痰剤、およびβ−2アゴニストより選択される。
別の態様は、少なくとも1つのLPA受容体の活性が疾患または症状の病変および/または徴候に寄与するところの疾患、障害または症状の治療における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の使用である。この態様の一の実施態様にて、LPA受容体はLPA1、LPA2、LPA3、LPA4、LPA5およびLPA6より選択される。ある実施態様において、LPA受容体はLPA1またはLPA2またはLPA3である。ある実施態様において、疾患または症状は本願明細書にて特定されるいずれかの疾患または症状である。
哺乳動物におけるLPAの生理活性を阻害する方法であって、治療的に有効量の化合物1の化合物またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を阻害を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法も提供される。
一の態様は、哺乳動物におけるLPA依存性またはLPA介在性疾患または症状の治療または予防方法であって、治療的に有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を投与することを特徴とする方法である。
ある態様において、LPA依存性またはLPA介在疾患または症状は、限定されないが、器官または組織の線維症、瘢痕化、肝疾患、皮膚症状、癌,循環器疾患、呼吸器疾患または症状、炎症疾患、胃腸管疾患、腎疾患、尿管関連性疾患、下部尿路の炎症疾患、排尿障害、頻尿、膵臓疾患、動脈閉塞、脳梗塞、脳出血、疼痛、末梢神経障害、および線維筋肉痛を包含する。
ある実施態様にて、LPA依存性またはLPA介在疾患または症状は、突発性肺線維症;医原性薬物誘発性線維症、職業および/または環境誘発の線維症、肉芽腫性疾患(サルコイドーシス、過敏性肺炎)、コラーゲン血管性疾患、肺胞蛋白症、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、リンパ脈管筋腫症、遺伝病(ハーマンスキー・パドラック症候群、結節硬化症、神経線維腫症、代謝性貯蔵障害、家族性間質性肺疾患)を含む、種々の病因の他の広範性実質性肺疾患;放射線誘発性線維症;慢性閉塞性肺疾患(COPD);強皮症;ブレオマイシン誘発性肺線維症;慢性喘息;ケイ肺症;アスベスト誘発性肺線維症;急性呼吸窮迫症候群(ARDS);腎線維症;尿細管間質線維症;糸球体腎炎;巣状分節状糸球体硬化症;IgA腎障害;高血圧症;アルポート;腸線維症;肝線維症;肝硬変;アルコール誘発性肝線維症;毒物/薬物誘発性肝線維症;ヘモクロマトーシス;非アルコール性脂肪性肝炎(NASH);胆管傷害;原発性胆嚢肝硬変;感染誘発性肝線維症;ウイルス誘発性肝線維症;および自己免疫肝炎;角膜瘢痕;肥厚性瘢痕; デュピュイトラン疾患、ケロイド、皮膚線維症;皮膚強皮症;脊髄傷害/線維症;骨髄線維症;血管再狭窄;アテローム性動脈硬化症;動脈硬化症;ヴェグナー肉芽腫;ペイロニー疾患、慢性リンパ性白血病、腫瘍転移、移植器官拒絶反応、子宮内膜症、新生児呼吸器窮迫症候群および神経因性疼痛より選択される。
一の態様において、哺乳動物における癌を治療または予防する方法であって、治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)をその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法である。
一の態様において、哺乳動物における線維症を治療または予防する方法であって、治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)をその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法である。
ある態様において、哺乳動物における肺線維症、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、腎線維症、急性腎傷害、慢性腎疾患、肝線維症、皮膚線維症、腸線維症、乳癌、膵臓癌、卵巣癌、前立腺癌、グリア芽腫、骨癌、大腸癌、大腸癌、頭頸部癌、メラノーマ、多発性骨髄腫、慢性リンパ性白血病、癌疼痛、腫瘍転移、移植器官拒絶反応、強皮症、眼線維症、加齢黄斑変性症(AMD)、糖尿病性網膜症、コラーゲン血管性疾患、アテローム性動脈硬化症、レイノー現象または神経因性疼痛を治療または予防する方法であって、治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)をその治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法である。
一の態様において、哺乳動物における器官線維症を治療または予防する方法であって、治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を治療または予防を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法が提供される。ある実施態様において、器官線維症は肺線維症、腎線維症または肝線維症からなる。
一の態様において、哺乳動物における肺機能を改善する方法であって、治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を改善を必要とする哺乳動物に投与することを特徴とする方法が提供される。一の態様において、哺乳動物は肺線維症に罹患していると診断されている。
一の態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)が哺乳動物における突発性肺線維症(通常型間質性肺炎)を治療するのに使用される。
ある態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、レイノー現象の治療に使用される。レイノー現象はレイノー疾患(その現象が突発的である疾患)とレイノー症候群(他の教唆因子により惹起される症候群)の両方を含む。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物における広範性実質性間質性肺疾患:医原性薬物誘発性、職業/環境(ファーマー肺)、肉芽腫性疾患(サルコイドーシス、過敏性肺炎)、コラーゲン血管性疾患(強皮症など)、肺胞蛋白症、ランゲルハンス細胞肉芽腫症、リンパ脈管筋腫症、ハーマンスキー・パドラック症候群、結節硬化症、神経線維腫症、代謝性貯蔵障害、家族性間質性肺疾患を治療するのに使用される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物における慢性拒絶反応に伴う移植後線維症(例えば、肺移植についての閉塞性細気管支炎)を治療するのに使用される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物における皮膚線維症(例えば、皮膚強皮症、デュピュイトラン疾患、ケロイド)の治療に使用される。
ある態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物にて、肝硬変と共に、または肝硬変なしの肝線維症:毒性/薬物誘発性(ヘモクロマトーシス)、アルコール性肝疾患、ウイルス性肝炎(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、HCV)、非アルコール性肝疾患(NASH)、代謝性および自己免疫疾患を治療するのに使用される。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物における腎線維症:尿細管間質線維症、糸球体硬化症を治療するのに使用される。
PAL依存性疾患または症状の治療に関する上記したいずれの態様においても、さらなる実施態様は、構造化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を投与することに加えて、少なくとも1つの付加的な作用剤を投与することを含む。種々の実施態様において、各作用剤は、同時投与を含め、いずれの順序でも投与される。
本願明細書に開示のいずれの実施態様においても、哺乳動物はヒトである。
ある実施態様にて、本発明にて提供される化合物がヒトに投与される。ある実施態様にて、本発明にて提供される化合物がヒトに経口投与される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、少なくとも1つのLPA受容体の活性を阻害するのに、あるいは少なくとも1つのLPA受容体の活性を阻害することにより利益を受ける疾患または症状を治療するのに使用される。一の態様において、LPA受容体はLPA1である。
他の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)はLPA1活性を阻害するための医薬を処方するのに使用される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、薬物療法にて使用される医薬の調製にて使用される。ある実施態様にて、化合物2は薬物療法にて使用される医薬の調製にて使用される。ある実施態様にて、化合物2・一水和物は薬物療法にて使用される医薬の調製にて使用される。ある実施態様にて、化合物2(パターン1)は薬物療法にて使用される医薬の調製にて使用される。
高密度ポリエチレン(HDPE)キャップを備えた高密度ポリエチレン(HDPE)ボトル中に複数回の単位用量の経口用固体剤形の医薬組成物を含む製品も提供される。
ある実施態様にて、高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルはさらにアルミホイル製誘導シールおよびシリカゲル乾燥剤を含んでいる。
上記したいずれかの実施態様にて、さらなる実施態様は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)が(i)一日に1回投与されること;(ii)一日に2回投与されること;または(iii)一日の間に複数回投与されることを含め、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)が単回投与されることからなる。
上記したいずれかの実施態様にて、さらなる実施態様は、(i)化合物が単回用量にて投与されること;(ii)複数の投与が6時間毎であること;(iii)複数の投与が8時間毎であること;(iv)複数の投与が12時間毎であることを含め、有効量の化合物が複数回投与されることからなる。
ある実施態様にて、医薬組成物は哺乳動物に毎日投与される。
ある実施態様にて、医薬組成物は:(a)化合物2が哺乳動物に毎日投与される第一ピリオド;および(b)化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)が(a)と比べて減少した量で投与されるか、または投与されない第二ピリオドからなる治療周期にて投与される。
ある実施態様にて、本願明細書に開示されている治療または予防方法は休薬期間を含み、それでは化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の投与が一時的に停止されるか、投与量が一時的に減らされ、休薬期間の終わりに投与が再び開始される。ある実施態様にて、休薬期間は2日から1年の間で変化する。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は本願明細書に開示されている疾患または症状を治療するためのものである。ある実施態様にて、化合物1は結晶性である。ある実施態様にて、化合物2は結晶性である。ある実施態様にて、化合物2は非晶質である。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む医薬組成物は本願明細書に開示の使用および方法にて使用されるものである。
本願明細書にて化合物1およびその医薬的に許容される塩の製造方法も記載されている。一の態様において、化合物1の医薬的に許容される塩はナトリウム塩(化合物2)である。
一の実施態様において、結晶性1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の製造方法であって、化合物1を、エタノール、メタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチル ケトン、アニソール、トルエン、ニトロメタン、アセトニトリル、酢酸エチル、クメン、1−4−ジオキサンまたはテトラヒドロフランから単離することを含む、方法が提供される。
一の実施態様において、結晶性1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩(化合物2)を製造する方法であって、化合物2を、
(i)メチルエチルケトン;
(ii)メチルエチルケトン、メチルtert−ブチルエーテルおよび水;
(iii)メチルエチルケトンおよび水;
(iv)アセトニトリル;
(v)1,4−ジオキサンおよびtert−ブチルメチルエーテル;
(vi)メチルエチルケトンおよびtert−ブチルメチル;または
(vii)エタノールおよびヘプタン
から単離することを含む、方法が提供される。
一の実施態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の製造方法であって、
(1)式XVIII:
[式中、R1はC1−C6アルキルを意味する]
で示される化合物を、(R)−(+)−1−フェニルエタノールの存在下で、ジフェニルホスホリルアジドと反応させて、式X:
で示される化合物を得、
(2)式Xの化合物のエステルの部分を加水分解に付し、化合物1を得る工程を含む、方法が提供される。
ある実施態様にて、工程(2)は式Xの化合物を適当な溶媒中にて水酸化ナトリウムで処理し、つづいてpHを調節することを含む。
ある態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の製造方法であって、
(1)式VII:
[式中、
Xは脱離基を意味する]
で示される化合物を、式VIII:
[式中、
R1はC1−C6アルキルであり;Bはボロン酸またはボロン酸エステルを意味する]
で示される化合物と、カップリング触媒、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中で反応させて、式X:
で示される化合物を得;
(2)式Xで示される化合物のエステル部分を加水分解に付し、化合物1を得る
工程を含む方法が提供される。
もう一つ別の実施態様において、1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の製造方法であって、
(1)式IX:
[式中、Bはボロン酸またはボロン酸エステルを意味する]
で示される化合物を、式XII:
[式中、R1はC1−C6アルキルであり;Xは脱離基を意味する]
で示される化合物と、カップリング触媒、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中で反応させて、式X:
で示される化合物を得;
(2)式Xで示される化合物のエステル部分を加水分解に付し、化合物1を得る
工程を含む方法が提供される。
ある実施態様にて、カップリング触媒はパラジウム触媒である。ある実施態様にて、パラジウム触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムまたは(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)である。
ある実施態様にて、R1は−CH3または−CH2CH3である。
ある実施態様にて、適当な塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、トリブチルアミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、リン酸ナトリウムまたはリン酸カリウムである。
ある実施態様にて、適当な溶媒はテトラヒドロフラン、ジオキサン、水またはその組み合わせである。
ある実施態様にて、XはCl、Br、I、−OSO2CF3、−OSO2(4−メチルフェニル)、−OSO2(フェニル)および−OSO2CH3より選択される。ある実施態様にて、XはBrである。
ある実施態様にて、Bは
である。ある実施態様にて、Bは
である。ある実施態様にて、Bは
である。
ある実施態様にて、工程(1)はさらには、工程(2)を行う前に式Xの化合物を単離することを含む。.
ある実施態様にて、工程(1)はさらには、パラジウムの量を20ppm以下に減少させる精製工程を含む。
開示されている方法は化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を合成するためのものである。本願明細書に開示の方法は、特に、化合物1およびその医薬的に許容される塩の大規模な化学的製造に適用される。
ある実施態様にて、本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、化合物1またはその医薬的に許容される塩または溶媒和物は:a)キラル純度の低い化合物1またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物;b)いずれかの光学純度の1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物;あるいはc)ラセミ体1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸またはその医薬的に許容される塩もしくは溶媒和物と置き換えられる。
本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、非晶質の化合物1が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物1が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物1(パターン1)が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物1(パターン2)が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物1(パターン3)が使用される。
本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、非晶質の化合物2が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物2が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、一部結晶性化合物2が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物2(パターン1)が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物2(パターン2)が使用される。本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、結晶性化合物2(パターン3)が使用される。
ある実施態様にて、本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、化合物1またはその医薬的に許容される塩は化合物1の活性代謝物と置き換えられる。ある実施態様にて、活性代謝物は結晶性形態である。ある実施態様にて、活性代謝物は非晶質相である。ある実施態様にて、本願明細書に開示の(方法、使用、処方、併用療法等を含む)いずれの実施態様においても、化合物1またはその医薬的に許容される塩は、化合物1のプロドラッグあるいは化合物1またはその医薬的に許容される塩の重水素化アナログと置き換えられる。
本発明の方法および組成物の他の目的、特徴および利点は以下の詳細な記載から明らかになるであろう。しかしながら、以下の詳細な記載および具体的な実施例は、具体的な実施態様を示すものであり、それらは、本発明の精神および範囲内にある種々の変更および修飾はこの詳細な記載から当業者に明らかになるであろうことから、単なる例示に過ぎないことを理解すべきである。
リゾリン脂質(リゾフォスファチジン酸(LPA)など)は、細胞増殖、分化、生存、遊走、接着、侵襲および形態形成を含む、基本的な細胞機能に影響を及ぼす。これらの機能は、ニューロン新生、血管形成、創傷治癒、免疫性および発癌性を含む、多くの生物学的工程に影響を与える。
LPAは一連の特異的G蛋白結合受容体(GPCR)を通してオートクリンおよびパラクリン様式にて作用する。その関連したGPCR(LPA1、LPA2、LPA3、LPA4、LPA5、LPA6)に結合するLPAは細胞内シグナル伝達経路を活性化し、種々の生物学的応答を惹起する。
LPAは生体エフェクター分子としての役割を有し、限定されないが、血圧に対する作用、血小板活性化および平滑筋収縮などの多種の生理作用、ならびに細胞増殖、細胞円形化、神経突起退縮およびアクチンストレス線維形成および細胞遊走を含む、種々の細胞作用を有する。LPAの作用は主として受容体を媒介する。
LPA受容体のLPAによる活性化は一連の下流シグナル伝達カスケードを媒介する。実際の経路および認識される終点は、受容体利用、細胞型、受容体またはシグナル化タンパク質の発現レベルおよびLPA濃度を含む、一群の変数に応じて変化する。ほとんどすべての哺乳動物細胞、組織および器官は、数種のサブタイプのLPA受容体を共同して発現し、そのことはLPA受容体が協調的方法にてシグナルを伝達することを示す。LPA1、LPA2およびLPA3は高アミノ酸配列類似性を共有する。
LPAは、増殖、遊走、分化および収縮を含む、創傷治癒における線維芽細胞の多くの重要な機能を制御する。線維芽細胞の増殖は開放創を満たすために創傷治癒にて必要とされる。反対に、線維症は、ECMおよびプロ炎症性サイトカインを積極的に合成する筋線維芽細胞の激しい増殖および蓄積により特徴付けられる。LPAは創傷治癒にて重要な細胞型の増殖を亢進または抑制することができる。
組織傷害は一連の複雑な宿主創傷−治癒応答を開始する;うまくいけば、これらの応答は正常な組織構造および機能を回復する。そうでなけらば、これらの応答は組織線維症および機能喪失となりうる。
多くの筋ジストロフィーは、進行性の筋力の低下および筋肉組織の萎縮、および広範な線維化により特徴付けられる。培養された筋芽細胞のLPA治療は結合組織成長因子(CTGF)の発現を有意に誘発することが明らかにされた。CTGFはその後でコラーゲン、フィブロネクチンおよびインテグリン発現を誘発し、これらの筋芽細胞の脱分化を誘発する。種々の細胞型のLPAでの治療は再現可能で高レベルのCTGFの誘発を誘導する。CTGFは下流にTGFβと並行してシグナル伝達するプロ線維性サイトカインである。
LPAは肺線維症における線維芽細胞補充の重要な介在因子である。LPAおよびLPA1は肺線維症にて鍵となる病因的役割を果たす。線維芽細胞の化学走化性活性は肺線維症の患者の肺にて重要な役割を果たす。LPA1受容体刺激のプロ線維性作用はLPA1受容体介在性血管漏出および線維芽細胞補充増加、その両方のプロ線維性事象により説明される。LPALPA1経路は介在性線維芽細胞遊走およびIPFでの血管漏出にて一の役割を有する。最終結果がこの線維性症状を特徴付ける異常な治癒工程である。
LPA−LPA2経路は肺線維症のTGF−β経路の活性化に寄与する。ある実施態様にて、LPA2を阻害する化合物は肺線維症の治療にて効能を示す。ある実施態様にて、LPA1とLPA2の両方を阻害する化合物は、LPA1またはLPA2の一方だけを阻害する化合物と比べて、肺線維症の治療における効能を改善する。
LPAおよびLPA1は腎線維症の病因と関連付けられる。LPA1受容体について無効とされたマウス(LPA1(−/−))にて、腎線維症の発症が有意に抑えられた。LPA受容体アンタゴニストであるKi16425で処理された片側尿管閉塞(UUO;腎線維症の動物実験)マウスは、LPA1(−/−)マウスと酷似した。
LPAは肝臓の疾患および線維症と関連付けられる。血漿中LPAレベルおよび血清中オートトキシンレベルは、線維症の増加との相関関係において、肝炎患者にて、および肝傷害の動物実験にて高かった。LPAはまた、肝細胞機能を制御する。LPA1およびLPA2受容体はマウス肝星細胞により発現され、LPAは肝筋繊維芽細胞の遊走を刺激する。
LPAは眼の創傷治癒に関与する。LPA1およびLPA3受容体は、正常なウサギの角膜上皮細胞、ケラトサイトおよび内皮細胞で検出可能であり、LPA1およびLPA3発現が傷害後の角膜上皮細胞にて増加する。
LPAはウサギの眼の房水および涙腺液中に存在し、これらのレベルは角膜傷害実験にて増加する。
LPAはウサギ角膜内皮および上皮細胞にてアクチンストレス線維形成を誘発し、角膜線維芽細胞の収縮を促進する。LPAはまたヒト網膜着色化上皮細胞の増殖を刺激する。
LPAは心筋梗塞および心線維症と関連付けられる。血清中LPAレベルは心筋梗塞(MI)後の患者で増加し、LPAはラットの心線維芽細胞による細胞増殖およびコラーゲン産生(線維症)を刺激する。LPA1およびLPA3の両方の受容体はヒト心組織にて高度に発現される。
一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物における線維症を治療または予防するのに使用される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物における器官または組織の線維症を治療または予防するのに使用される。
本願明細書にて使用される「線維症」または「線維化障害」なる語は、細胞および/またはフィブロネクチンおよび/またはコラーゲンの異常な蓄積、および/または線維芽細胞の動員の増加に付随する症状をいい、限定されるものではないが、心臓、腎臓、肝臓、関節、肺、胸膜組織、腹膜組織、皮膚、角膜、網膜、筋骨格および消化管などの個々の器官または組織の線維症を包含する。
線維症に関与する例示としての疾患、障害または症状は、限定されるものではないが、線維症に伴う肺疾患、例えば、突発性肺線維症、関節リウマチ、強皮症、紅斑性狼瘡、突発性線維化性肺胞炎、放射線誘発性線維症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性喘息、ケイ肺症、アスベスト誘発性肺または胸膜線維症、急性肺傷害および急性呼吸困難(細菌性肺炎誘発性、外傷誘発性、ウイルス性肺炎誘発性、呼吸器誘発性、非肺敗血症誘発性および誤嚥誘発性);傷害/線維症(腎線維症)に付随する慢性腎症、例えば、紅斑性狼瘡および強皮症などの全身性炎症疾患に二次的な糸球体腎炎、糖尿病、糸球体腎炎、巣状分節状糸球体硬化症、IgA腎障害、高血圧症、同種移植片およびアルポート;腸線維症、例えば、強皮症および放射線誘発性腸線維症;肝線維症、例えば、肝硬変、アルコール誘発性肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、胆管傷害、原発性胆汁性肝硬変、感染またはウイルス誘発性肝線維症(例えば、慢性HCV感染)および自己免疫肝炎;頭頸部線維症、例えば、放射線誘発性頭頸部線維症;角膜瘢痕、例えば、LASIK(レーザー光線による近視手術)、角膜移植および線維柱帯切除術;肥厚性瘢痕およびケロイド、例えば、火傷誘発性または外科性瘢痕およびケロイド;ならびに他の線維性疾患、例えば、サルコイドーシス、強皮症、脊髄傷害/線維症、骨髄線維症、血管性再狭窄、アテローム性動脈硬化症、動脈硬化症、ヴェグナー肉芽腫、結合組織混合疾患およびペイロニー疾患を包含する。
一の態様において、次の限定されない例示としての疾患、障害または症状の一つを患っている哺乳動物は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を用いる療法より利益を受けるであろう:アテローム性動脈硬化症、血栓症、心疾患、血管炎、瘢痕組織の形成、再狭窄、静脈炎、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺高血圧症、肺線維症、肺炎、腸の癒着、膀胱線維症および膀胱炎、鼻孔線維症、静脈洞炎、好中球により媒介される炎症、および線維芽細胞により媒介される線維症。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物における皮膚科障害を治療するのに使用される。皮膚科障害は、以下に限定されないが、アトピー性皮膚炎、水疱障害、コラーゲナーゼ、乾癬、乾癬病変、強皮症、皮膚炎、接触皮膚炎、湿疹、蕁麻疹、酒さ、強皮症、創傷治癒、瘢痕、肥厚性瘢痕、ケロイド、カワサキ病、酒さ、シェーグレン−ラルソ症候群、蕁麻疹などの、皮膚の増殖性または炎症性障害を包含する。
LPAは組織傷害の後に放出される。LPA1は神経因性疼痛の発症にて重要な役割を果たす。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物の疼痛の治療に使用される。一の態様において、疼痛は急性疼痛または慢性疼痛である。別の態様において、疼痛は神経因性疼痛である。別の態様において、疼痛は癌疼痛である。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は線維筋痛の治療に使用される。
リゾリン脂質受容体のシグナル伝達は癌の病因にて一の役割を果たす。リゾホスファチジン酸(LPA)およびそのGタンパク質結合受容体(GPCR)LPA1、LPA2および/またはLPA3は、いくつかの型の癌の発症にて一の役割を果たす。
LPAは細胞の運動性および侵襲性の増加により腫瘍形成の一因となる。LPAは卵巣癌の発症または進行と関連付けられる。LPAは卵巣癌患者の腹水中に有意な濃度(2−80μM)で存在する。LPA受容体(LPA2およびLPA3)はまた、正常な卵巣表面上皮細胞と比べて、卵巣癌細胞にて過剰に発現される。LPAはまた、前立腺癌、乳癌、メラノーマ、頭頚部癌、大腸癌(結腸直腸癌)、甲状腺癌、グリア芽腫、および他の癌の発症または進行と関連付けられる
LPA受容体は膵臓癌細胞系の遊走および該細胞系による侵襲の両方を媒介する:Ki16425およびLPA1特異的siRNA はLPAおよび膵臓癌患者から由来の腹膜水(腹水)に応答してインビトロ遊走を効果的に遮断し;加えて、Ki16425は腹膜転移性膵臓癌細胞系のLPA誘発性および腹水誘発性侵襲活性を遮断した(Yamadaら、J. Biol. Chem.、279:6595-6605, 2004)。
結腸直腸癌細胞系はLPA1のmRNAを有意に発現させ、血管形成因子の細胞遊走および生成によりLPAに応答する。LPA受容体の過剰発現は甲状腺癌の病理発生にて一の役割を有する。LPA3は元々は前立腺癌細胞よりクローンされ、前立腺癌細胞の自己分泌増殖を誘発するLPAの能力と調和した。
LPAは多種の癌における癌の進行にて促進的役割を有する。LPAは前立腺癌の細胞系より産生され、その増殖を誘発する。LPAはヒト大腸癌DLD1細胞の増殖、遊走、接着、およびLPA1のシグナル伝達を介して血管形成因子の分泌を誘発する。他のヒト 大腸癌細胞系(HT29およびWiDR)にて、LPAは血管形成因子の細胞増殖および分泌を強化する。他の大腸癌の細胞系にて、LPA2およびLPA3受容体の活性化は細胞の増殖をもたらす。LPA1は骨転移と関連付けられる(Boucharabaら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、103:9643-9648, 2006)。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は癌の治療に使用される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は悪性および良性増殖性疾患の治療に使用される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、腫瘍細胞の増殖、上皮性悪性腫瘍、胸膜中皮腫または腹膜中皮腫の侵襲および転移、癌疼痛、骨転移を予防または軽減するのに用いられる。一の態様は、哺乳動物の癌を治療する方法であって、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)および第二治療剤を該哺乳動物に投与し、該第二治療剤が抗癌剤であるところの方法である。ある実施態様において、放射線療法もまた使用される。
癌の型は、限定されないが、固形腫瘍(膀胱、腸、脳、乳房、子宮内膜、心臓、腎臓、肺、リンパ組織(リンパ腫)、卵巣、膵臓または他の内分泌器官(甲状腺)、前立腺、皮膚(メラノーマまたは基底細胞癌)の腫瘍など)または血液学的腫瘍(白血病など)を包含し、転移した、またはしていない、該疾患のいずれの段階をも包含する。
癌の付加的な非限定的な例として、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、肛門癌、虫垂癌、星細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌(骨肉腫および悪性繊維性組織球腫)、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、脳脊髄腫瘍、乳癌、気管支腫瘍、バーキットリンパ腫、子宮頸癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、大腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T−細胞リンパ腫、肺芽腫、子宮体癌、上衣芽細胞腫、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、網膜芽細胞腫、胆汁膀胱癌、胃(胃)癌、胃腸カルチノイド腫瘍、胃腸間質性腫瘍(GIST)、胃腸間質性細胞腫瘍、胚細胞腫瘍、神経膠腫、有毛細胞 白血病、頭頸部癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼内メラノーマ、島細胞腫(内分泌膵臓)、カポジ肉腫、腎臓癌、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、咽頭癌、白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、慢性 骨髄性白血病、有毛細胞白血病、肝臓癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、バーキットリンパ腫、皮膚T−細胞リンパ腫,ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、リンパ腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、髄芽腫、髄様上皮腫、メラノーマ、中皮腫、口腔癌、慢性骨髄性白血病、骨髄性白血病、多発性骨髄腫、鼻咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫、骨の悪性繊維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、膵臓癌、乳頭腫、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、中間分化の松果体実質腫瘍、松果体芽細胞腫およびテント上原始神経外胚葉腫瘍、下垂体腫瘍、形質細胞腫/多発性骨髄腫、胸膜肺芽腫、原発性中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞(腎臓)癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、ユーイング肉腫、カポジ肉腫、セザリー症候群、皮膚癌、小細胞肺癌、小腸癌、軟組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、テント上原始神経外胚葉腫瘍、T−細胞リンパ腫、精巣癌、咽頭癌、胸腺腫および胸腺癌、甲状腺癌、尿道癌、子宮癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、ウィルムス腫瘍が挙げられる。
一の態様にて、LPAは呼吸器疾患の病理発生の一因である。LPAの前炎症作用は、マスト細胞の脱顆粒化、平滑筋細胞の収縮およびサイトカインの樹状細胞からの放出を包含する。LPAはIL−8のヒト気管支上皮細胞からの分泌を誘発する。IL−8は喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺サルコイドーシスおよび急性呼吸窮迫症候群の患者からのBAL液中に高濃度で見いだされ、IL−8が喘息の気道炎症および気道リモデリングを悪化させることがわかった。LPA1、LPA2およびLPA3受容体はすべてLPA誘発性IL−8産生に寄与することが明らかにされた。
LPAのインビボでの投与は、気道過敏性、掻痒−スクラッチ応答、好酸球および好中球の浸潤および活性化、血管リモデリングおよび侵害受容性屈筋応答を誘発する。LPAはまた、マウスおよびラットのマスト細胞からのヒスタミン放出を誘発する。一の態様にて、LPAの作用はLPA1および/またはLPA3を介して媒介される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳類における種々のアレルギー性障害の治療にて使用される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳類におけ呼吸器系疾患、障害または病態の治療にて使用される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳類における喘息の治療にて使用される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳類における慢性喘息の治療にて使用される。
本願明細書にて使用される「呼吸器系疾患」なる語は、鼻、喉、咽頭、耳管、気管、気管支、肺、関連する筋肉(例えば、隔膜筋および肋間筋)および神経などの呼吸と関連する器官に影響を及ぼす疾患をいう。呼吸器系疾患は、限定されないが、喘息、成人呼吸窮迫症候群およびアレルギー性(外因性)喘息、非アレルギー性(内因性)喘息、急性重度喘息、慢性喘息、臨床喘息、夜間喘息、アレルゲン誘発性喘息、アスピリン感受性喘息、運動誘発性喘息、イソカプニック(isocapnic)過換気、小児発症喘息、成人発症喘息、咳変異喘息、職業喘息、ステロイド耐性喘息、季節性喘息、季節性アレルギー性鼻炎、通年性アレルギー性鼻炎、慢性気管支炎または気腫、肺高血圧症、間質性肺線維症および/または気道炎症および嚢胞性線維症を含む慢性閉塞性肺疾患、および低酸素症を包含する。
一の態様において、本発明では、哺乳類における慢性閉塞性肺疾患の治療または予防における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の使用であって、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を少なくとも1回は該法乳類に投与することを特徴とする使用が提供される。加えて、慢性閉塞性肺疾患は、限定されるものではないが、慢性気管支炎または気腫、肺高血圧症、間質性肺線維症および/または気道炎症、および嚢胞性線維症を包含する。
神経系はLPA1を発現するための主要座である。一の態様において、哺乳動物における神経系障害の治療または予防にて使用されるための化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)が提供される。本願明細書にて使用される「神経系障害」なる語は、以下に限定されないが、アルツハイマー病、悩浮腫、悩虚血、脳卒中、多発性硬化症、ニューロパシー、パーキンソン病、網膜虚血、術後認知機能障害、片頭痛、末梢神経障害/神経因性疼痛、脊髄傷害、悩浮腫、および頭部傷害を含む。
血管形成、既存の脈管構造からの新たな毛細血管網の形成は、通常、創傷治癒、組織増殖および虚血性傷害後の心筋血管形成に関連付けられる。ペプチド成長因子およびリゾリン脂質は、血管性内皮細胞(VEC)および周辺性血管性平滑筋細胞(VSMC)の協調的な増殖、遊走、接着、分化および組立てを制御する。一の態様にて、血管形成を媒介するプロセスの脱制御は、アテローム性動脈硬化症、高血圧症、腫瘍成長、関節リウマチおよび糖尿病性網膜症をもたらす。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、哺乳動物における、限定されるものではないが、不整脈(心房または心室あるいはその両方)、アテローム性動脈硬化症およびその後遺症;狭心症;心律動障害;心筋虚血;心筋梗塞;心臓または血管動脈瘤;血管炎、脳卒中;手足、器官または組織の末梢閉塞性動脈疾患;悩、心臓、腎臓または他の器官または組織の虚血後の再灌流傷害;内毒素性、外科性または外傷性ショック;高血圧症、心臓弁膜症、心不全、異常血圧;ショック;血管収縮(片頭痛に付随する血管収縮を含む);血管異常、炎症、単一の器官または組織に限定される機能不全を含む、循環器疾患を治療または予防するのに使用される。
一の態様において、本発明にて、血管収縮、アテローム性動脈硬化症およびその後遺症の心筋虚血、心筋梗塞、大動脈瘤、血管炎および脳卒中を予防または治療する方法であって、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を哺乳動物に少なくとも一回投与することを特徴とする方法が提供される。ある実施態様にて、本願明細書に開示のLPAアンタゴニストはレイノー現象の治療に使用される。レイノー現象は、レイノー疾患(現象は突発的である)とレイノー症候群の両方からなり、ここで該現象は他の数種の教唆因子により惹起される。
一の態様において、本発明にて、心筋虚血および/またはエンドトキシンショックの後の心臓再灌流傷害を軽減する方法であって、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を哺乳動物に少なくとも一回投与することを特徴とする方法が提供される。
一の態様において、本発明にて、哺乳動物における血管の収縮を軽減する方法であって、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を哺乳動物に少なくとも一回投与することを特徴とする方法が提供される。
一の態様において、本発明にて、哺乳動物の血圧の上昇を低下または予防する方法であって、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を哺乳動物に少なくとも一回投与することを特徴とする方法が提供される。
LPAは種々の炎症/免疫疾患と関連付けられる。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物における炎症を治療または予防するのに使用される。一の態様において、LPA1および/またはLPA3のアンタゴニストは哺乳動物の炎症/免疫障害の治療または予防にて有用であることが分かる。
炎症/免疫障害の例として、乾癬、関節リウマチ、血管炎、炎症性腸疾患、皮膚炎、骨関節炎、喘息、炎症筋疾患、アレルギー性鼻炎、膣炎、間質性膀胱炎、強皮症、湿疹、同種または異種移植片(器官、骨髄、幹細胞および他の細胞ならびに組織)拒絶反応、対宿主移植片疾患、エリトマトーゼス、炎症疾患、I型糖尿病、肺線維症、皮膚筋炎、シェーグレン症候群、甲状腺炎(例えば、橋本および自己免疫甲状腺炎)、重症筋無力症、自己免疫溶血性貧血、多発性硬化症、嚢胞性線維症、慢性再発性肝炎、原発性胆嚢肝硬変、アレルギー性結膜炎およびアトピー性皮膚炎が挙げられる。
一の態様によれば、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を哺乳動物に投与することで、LPA依存性またはLPA介在性疾患または症状の進行を治療、予防、反転、停止または遅らせ、進行が一旦臨床的に明らかになると、LPA依存性またはLPA介在性疾患または症状に付随するか、または関連する徴候を治療する方法が提供される。ある実施態様において、対象は投与の際に既にLPA依存性またはLPA介在性疾患または症状に罹っているか、またはLPA依存性またはLPA介在性疾患または症状を発症する危険がある。
ある態様は、哺乳動物に有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を少なくとも1回投与することを特徴とする、好酸球および/または好塩基球および/または樹状細胞および/または好中球および/または単球および/またはT−細胞の補充を予防または治療する方法である。
ある態様にて、哺乳動物に有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を少なくとも1回投与することを特徴とする、例えば間質性膀胱炎を含む、膀胱炎の治療方法である。
一の態様によれば、本発明に記載の方法は、対象に治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を投与することにより、患者がLPA依存性またはLPA介在性疾患または症状に罹っているかどうかを診断または決定し、該患者が治療に応答しているかどうかを決定することを含む。
一の態様にて、本発明は、少なくとも1種のLPA受容体(例えば、LPA1、LPA2、LPA3)のアンタゴニストである、化合物1、その医薬的に許容される塩、医薬的に許容されるプロドラッグ、および医薬的に許容される溶媒和物を提供し、以下に限定されないが、肺線維症、腎線維症、肝線維症、瘢痕、強皮症、喘息、鼻炎、慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧症、間質性肺線維症、関節炎、アレルギー、乾癬、炎症性腸疾患、成人呼吸窮迫症候群、心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中、癌、疼痛、増殖性障害および炎症症状を含む、一または複数のLPA依存性またはLPA介在性症状または疾患を患っている患者を治療するのに使用される。ある実施態様にて、LPA依存性症状または疾患は、絶対的にまたは相対的に過度のLPAが存在、および/または観察される、症状または疾患を包含する。
上記したいずれかの態様にて、LPA依存性またはLPA介在性疾患または症状は、以下に限定されないが、器官線維症、組織線維症、喘息、アレルギー性障害、慢性閉塞性肺疾患、肺高血圧症、肺のまたは肺線維症、腹膜線維症、関節炎、アレルギー、癌、循環器疾患、成人呼吸窮迫症候群、心筋梗塞、動脈瘤、脳卒中および癌を包含する。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、レーザー光線による近視手術(LASIK)または白内障手術などの角膜手術により惹起される角膜感度減少、角膜変性により惹起される角膜感度減少、およびそれにより惹起されるドライアイ症状を改善するのに使用される。
一の態様では、本発明にて、哺乳動物における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の眼炎症およびアレルギー性結膜炎、春季カタル結膜炎および乳頭状結膜炎の治療または予防での使用が提示される。
一の態様では、本発明にて、哺乳動物における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)のドライアイのシューグレン病または炎症疾患の治療または予防での使用が提示される。
一の態様において、LPAおよびーLPA受容体(例えば、LPA1)は骨関節炎の病理発生に関与している。一の態様では、本発明にて、哺乳動物における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の骨関節炎の治療または予防での使用が提示される。
一の態様において、LPA受容体(例えば、LPA1、LPA3)は関節リウマチの病理発生に寄与する。一の態様では、本発明にて、哺乳動物における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の関節リウマチの治療または予防での使用が提示される。
一の態様において、LPA受容体(例えば、LPA1)は脂肪生成に寄与する。一の態様では、本発明にて、哺乳動物における化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の脂肪組織形成の促進での使用が提示される。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物におけるレイノー現象を治療するのに使用される。レイノー現象はレイノー疾患(ここで、現象は突発性である)およびレイノー症候群の両方を含み、ここでレイノー現象はいくつかの教唆因子により惹起される。
本願明細書にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩を用いる、組成物、医薬組成物、治療方法、配合方法、生成方法、製造方法、治療方法、薬物動態的方法を記載する。
化合物1およびその医薬的に許容される塩
「化合物1」または「1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸」、「(R)−1−フェニルエチル−5−(4−ビフェニル−4−シクロプロパンカルボン酸)−3−メチルイソキサゾール−4−イルカルバメート」または他の類似する名称は、次の構造を有する化合物をいう:
一の実施態様にて、化合物1はS−異性体が実質的にない。
エナンチオマーに関して「実質的にない」とは、対照となるエナンチオマーが存在しない、または対照となるエナンチオマーが5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満で存在することを意味する。
「化合物2」または「1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸・ナトリウム塩」または「1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸ナトリウム」または「(R)−1−フェニルエチル−5−(4−ビフェニル−4−シクロプロパンカルボン酸)−3−メチルイソキサゾール−4−イルカルバミン酸ナトリウム」または他の類似する名称は、次の構造を有する化合物をいう:
一の実施態様にて、化合物2はS−異性体が実質的にない。
多種の医薬的に許容される塩は化合物1より形成され:
−化合物1のカルボン酸の酸性プロトンが、例えばアルカリ金属イオン(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウムまたはカルシウム)またはアルミニウムイオンなどの金属イオンにより置き換えられている、あるいはアンモニウムカチオン(NH4 +)により置き換えられている場合に形成される塩;
−化合物1と、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンなどのアルキルアミンを包含する医薬的に許容される有機塩基との反応により形成される塩、およびアルギニン、リジン等などのアミノ酸との塩
を包含する。
一の実施態様にて、化合物1はアミノ酸と反応して塩を形成する。
他の実施態様にて、化合物1はコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン、アルギニン、リジン、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等と反応して塩を形成する。
化合物1に関連して「医薬的に許容される塩」なる語は、該塩が投与される哺乳動物に有意な刺激を引き起こすことなく、該化合物の生物学的活性および特性を実質的に無効にしない、化合物1の塩をいう。一の実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、コリン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、トロメタミン塩、N−メチルグルカミン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、アルギニン塩またはリジン塩である。一の実施態様にて、化合物1の医薬的に許容される塩はナトリウム塩である。
医薬的に許容される塩への言及は溶媒付加形態(溶媒和物)を包含することが理解されるはずである。溶媒和物は化学量論量または非化学量論量の溶媒を含有し、生成物を形成または単離する工程の間に、水、エタノール、メチルtert−ブチルエーテル、イソプロパノール、アセトニトリル、ヘプタンなどの医薬的に許容される溶媒で形成される。ある態様において、溶媒和物は、以下に限定されないが、クラス3溶媒(複数でも可)を用いて形成される。溶媒のカテゴリーは、例えば、the International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH)、「Impurities:Guidelines for Residual Solvents」、Q3C(R3)、(2005年11月)に定義される。溶媒が水の場合には水和物が形成され、溶媒がアルコールの場合にはアルコール和物が形成される。一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩の溶媒和物は、通常、本願明細書に記載のプロセスの間に調製または形成される。加えて、化合物1またはその医薬的に許容される塩は非溶媒和の形態で存在する。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩は水和されている。ある実施態様にて、化合物2は水和されている。ある実施態様にて、化合物2は一水和物である。
さらに別の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、限定されないが、非晶質相、粉砕形態およびナノ粒子の形態を含む、種々の形態にて調製される。
非晶質化合物1
ある実施態様にて、化合物1は非晶質である。ある実施態様にて、化合物1の非晶質相は結晶化度の欠如を示すXRPDパターンを有する。
化合物1−パターン1
ある実施態様にて、化合物1は結晶構造を有する。ある実施態様にて、化合物1は結晶パターン1を有する。化合物1の結晶パターン1は次の特性:
(a)4.7°の2−シータ、9.4°の2−シータ、14.5°の2−シータ、および21.0°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(b)図1に図示されるXRPDと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(c)約172℃−176℃で吸熱を示すDSCサーモグラムを示すか;
(d)図2および図3に示されるDSCまたは熱重量分析(TGA)と実質的に同様のDSCまたはTGAを有するか;
(e)40℃/75%相対湿度で1週間貯蔵した後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(f)25℃で次の単位格子パラメータ:
と実質的に等しい単位格子パラメータを有するか;または
(g)それらの組み合わせを有する
ものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、化合物1の結晶形はS−異性体が実質的にない。ある実施態様にて、化合物1の結晶形は非晶質の化合物1が実質的にない。
ある実施態様にて、化合物1の結晶形は、エタノール、メタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン、アニソール、トルエン、ニトロメタン、アセトニトリル、酢酸エチル、クメン、1−4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、ヘプタンまたはそれらの組み合わせから結晶化される。
ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン1は、(a)〜(f)より選択される少なくとも1つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン1は、(a)〜(f)より選択される少なくとも2つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン1は、(a)〜(f)より選択される少なくとも3つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン1は、(a)〜(f)より選択される少なくとも4つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン1は、(a)〜(f)より選択される少なくとも5つの特性を有するものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン1は、特性(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)を有するものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶性化合物1は4.7°の2−シータ、9.4°の2−シータ、14.5°の2−シータ、および21.0°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物1は図1に図示されるXRPDと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物1は約172℃−176℃で吸熱を示すDSCサーモグラムを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物1は図2および図3に示されるDSCまたは熱重量分析(TGA)と実質的に同様のDSCまたはTGAを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物1は40℃/75%相対湿度で1週間貯蔵した後に実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
一の実施態様において、化合物1の結晶パターン1は、25℃の温度で次の単位格子パラメータ:
とほぼ等しい単位格子パラメータにより特徴付けられる。
さらなる実施態様において、化合物1の結晶パターン1は、表2に列挙される部分原子座標により特徴付けられる。
化合物1−パターン2
ある実施態様にて、化合物1は結晶構造を有する。ある実施態様にて、化合物1は結晶パターン2を有する。化合物1の結晶パターン2は次の特性:
(a)図12に示されるX線粉末回折(XRPD)と実質的に同じXRPDパターンを有するか;
(b)6.3°の2−シータ、12.8°の2−シータ、16.4°の2−シータ、17.0°の2−シータ、および19.7°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(c)25℃の温度で以下:
の単位格子パラメータとほぼ等しいパラメータを有するか;または
(d)それらの組み合わせを有する
ものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン2は(a)〜(c)より選択される少なくとも1つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン2は(a)〜(c)より選択される少なくとも2つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン2は特性(a)、(b)および(c)を有するものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1はS−異性体が実質的にない。ある実施態様にて、結晶形の化合物1は非晶質の化合物1が実質的にない。ある実施態様にて、結晶形の化合物1は図12に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じXRPDパターンを有する。ある実施態様にて、結晶形の化合物1は、6.3°の2−シータ、12.8°の2−シータ、16.4°の2−シータ、17.0°の2−シータ、および19.7°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
一の実施態様において、化合物1の結晶パターン2は、25℃の温度で次の:
で示される単位格子パラメータとほぼ等しいパラメータにより特徴付けられる。
さらなる実施態様において、化合物1の結晶パターン2は、表4に列挙されるのと実質的に同じ部分原子座標により特徴付けられる。
化合物1−パターン3
ある実施態様にて、化合物1は結晶構造を有する。ある実施態様にて、化合物1は結晶パターン3を有する。化合物1の結晶パターン3は次の特性:
(a)図13に示されるX線粉末回折(XRPD)と実質的に同じXRPDパターンを有するか;
(b)5.5°の2−シータ、5.9°の2−シータ、12.6°の2−シータ、および16.7°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(c)25℃の温度で次の:
で示される単位格子パラメータとほぼ等しいパラメータを有するか;または
(d)それらの組み合わせを有する
ものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン3は、(a)〜(c)より選択される少なくとも1つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン3は(a)〜(c)より選択される少なくとも2つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、化合物1の結晶パターン3は、特性(a)、(b)および(c)を有するものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶形の化合物1はS−異性体が実質的にない。ある実施態様にて、結晶形の化合物1は非晶質の化合物1が実質的にない。ある実施態様にて、結晶形の化合物1は図13に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じXRPDパターンを有する。ある実施態様にて、結晶形の化合物1は、5.5°の2−シータ、5.9°の2−シータ、12.6°の2−シータ、16.7°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
一の実施態様において、化合物1の結晶パターン3は、25℃の温度で次の:
で示される単位格子パラメータとほぼ等しいパラメータにより特徴付けられる。
さらなる実施態様において、化合物1の結晶パターン3は、表6に列挙されるのと実質的に同じ部分原子座標により特徴付けられる。
非晶質化合物2
ある実施態様にて、化合物2は非晶質である。ある実施態様にて、化合物2の非晶質相は結晶化度の欠如を示すXRPDパターンを有する。ある実施態様にて、化合物2は非晶質であり、図10に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じパターンを有する。ある実施態様にて、化合物2は非晶質であり、図11に示される
DSCと実質的に類似するDSCを有する。
化合物2−パターン1
ある実施態様にて、化合物2は結晶構造を有する。ある実施態様にて、化合物2は結晶性であり、水和されている。ある実施態様にて、化合物2は結晶パターン1である。
ある実施態様にて、化合物2(パターン1)の水和された結晶形が記載されており、ここで化合物2の水和された結晶形は:
(a)13.2°の2−シータ、17.2°の2−シータ、19.3°の2−シータ、22.4°の2−シータ、および25.6°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有するか;
(b)図4に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じパターンを有するか;
(c)図5および図6に示される熱重量分析(TGA)またはDSCと実質的に同様のTGAまたはDSCを有するか;
(d)図7に示される赤外線スペクトルと実質的に同様のスペクトルを有するか;
(e)メチルエチルケトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン/tert−ブチル メチルエーテル、メチルエチルケトン(MEK)/tert−ブチルメチル、またはエタノール/ヘプタンから得られるか;
(f)25℃で次の単位格子パラメータと実質的に等しいパラメータを有するか:
あるいは
(g)それらの組み合わせ
を有する。
ある実施態様にて、水和された結晶形の化合物2(パターン1)は(a)〜(f)より選択される少なくとも1つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、水和された結晶形の化合物2(パターン1)は(a)〜(f)より選択される少なくとも2つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、水和された結晶形の化合物2(パターン1)は(a)〜(f)より選択される少なくとも3つの特性を有するものとして特徴付けられる。ある実施態様にて、水和された結晶形の化合物2(パターン1)は(a)〜(f)より選択される少なくとも3つの特性を有するものとして特徴付けられる。
ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)は、13.2°の2−シータ、17.2°の2−シータ、19.3°の2−シータ、22.4°の2−シータ、および25.6°の2−シータで特徴的ピークを有するX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)は図4に示されるX線粉末回折(XRPD)パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)は図5および図6に示される熱重量分析(TGA)またはDSCと実質的に同様のTGAまたはDSCを有する。ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)は図5に示される熱重量分析(TGA)と実質的に同様のTGAを有する。ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)は図6に示されるDSCと実質的に同様のDSCを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)は図7に示される赤外線スペクトルと実質的に同様の赤外線スペクトルを有する。
ある実施態様にて、結晶性化合物2(パターン1)が、メチルエチルケトン、アセトニトリル、1,4−ジオキサン/tert−ブチルメチルエーテル、メチルエチルケトン(MEK)/tert−ブチルメチルまたはエタノール/ヘプタンより得られた。
ある実施態様にて、化合物2の結晶パターン1が:
(i)メチルエチルケトン;
(ii)メチルエチルケトン、メチルtert−ブチルエーテルおよび水;
(iii)メチルエチルケトンおよび水;
(iv)アセトニトリル;
(v)1,4−ジオキサンおよびtert−ブチルメチルエーテル;
(vi)メチルエチルケトンおよびtert−ブチルメチル;または
(vii)エタノールおよびヘプタン
から得られる。
一の実施態様において、化合物2の結晶パターン1は、25℃の温度で次の単位格子パラメータとほぼ等しいパラメータにより特徴付けられる:
さらなる実施態様にて、化合物2の結晶パターン1は表8に列挙されるのと実質的に同じ部分原子座標により特徴付けられる。
化合物2−パターン2
ある実施態様にて、化合物2は結晶構造を有する。ある実施態様にて、化合物2は結晶パターン2を有する。ある実施態様にて、化合物2は結晶性であり、図8に示されるのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
化合物2−パターン3
ある実施態様にて、化合物2は結晶構造を有する。ある実施態様にて、化合物2は結晶パターン3を有する。ある実施態様にて、化合物2は結晶性であり、図9に示されるのと実質的に同じX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
化合物1のプロドラッグ
ある実施態様にて、化合物1はプロドラッグとして調製される。
化合物1の「プロドラッグ」は、インビボにて化合物1に変換される化合物をいう。プロドラッグは、ある状況では、親薬物よりも投与が容易でありうるため、有用である場合が多い。例えば、親薬物が経口投与で生物学的利用能がなくても、プロドラッグが利用能を有してもよい。プロドラッグはまた、親薬物よりも医薬組成物中の溶解度が改善され得る。ある実施態様にて、プロドラッグは水溶性が移動の弊害である細胞膜の通過を容易にするが、一旦、水溶性が有益である細胞内に入れば、その活性な存在であるカルボン酸に代謝的に加水分解される。限定するものではないが、プロドラッグの一例が化合物1のエステル(「プロドラッグ」)である。さらなる一例としてのプロドラッグは、ペプチドが代謝されて活性な部分を示す、酸性基に結合した短ペプチド(ポリアミノ酸)であってもよい。
プロドラッグは、一般に、対象に投与され、その後で吸収された後に、代謝経路による変換などのある種のプロセスを介して、一の活性な、またはより活性な種類に変換される、薬物先駆体である。あるプロドラッグは、活性を小さくし、および/または薬物に水溶性または他の特性を付与する化学基をそのプロドラッグにて有する。その化学基が、一旦、プロドラッグから切断され、および/または修飾されると、活性な薬物が生成される。プロドラッグは、ある状況にて、親薬物より投与が容易であるため、有用であることが多い。ある実施態様にて、化合物1のプロドラッグは、経口投与される場合に、化合物1の生物学的利用能を増大させる。ある実施態様にて、化合物1のプロドラッグは化合物1に比べて医薬組成物中の溶解度を改善する。
ある実施態様にて、化合物1のプロドラッグは、例えば、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、sec−ブチルエステルまたはtert−ブチルエステルなどの、化合物1のアルキルエステルである。
化合物1のプロドラッグの例として、限定されないが、
が挙げられる。
化合物の代謝物
化合物1を、ラット、イヌ、サルおよびヒト肝ミクロソーム;ラット、イヌおよびヒト肝細胞と一緒にインキュベートする間に形成された化合物1の代謝物;ならびにインビボにて生成され、ラット胆液およびイヌ血漿より単離された代謝物を調査した。化合物1の以下の代謝物が観察された:
ある実施態様にて、化合物1上の部位は種々の代謝反応に対して反応性に富む。したがって、適当な置換基を化合物1に組み入れると、この代謝経路は減少するか、最小となるか、または除外されるであろう。特定の実施態様において、芳香族環の代謝反応に対する感受性を減少または除外する適切な置換基は、単なる例示として、ハロゲン、重水素またはアルキル基(例、メチル、エチル)である。
ある実施態様にて、化合物1は(例えば、放射性同位元素で)標識されるか、または限定されるものではないが、発色団または蛍光性成分、生物発光性標識または化学発光性標識の使用を含む、別の手段により標識される。ある実施態様にて、化合物1は同位体標識されており、それは、一または複数の原子が、通常、天然で認められる原子数または質量数と異なる原子数または質量数の原子と置き換えられていることを除けば、化合物1と同じである。ある実施態様にて、一または複数の水素原子は二重水素で置き換えられている。ある実施態様にて、化合物1上の代謝部位が二重水素化されている。ある実施態様にて、重水素での置換はある種の治療上の利点を付与し、例えば、インビボにおける半減期の増加または必要用量の減少などのより大きな代謝安定性をもたらす。
一の態様において、次の構造式:
[式中、Rは、各々独立して、水素または二重水素より選択される]
で示される化合物またはその医薬的に許容される塩が記載される。
ある実施態様にて、the 医薬的に許容される塩 of the 化合物 is a ナトリウム塩.
化合物1およびその医薬的に許容される塩の合成
化合物1およびその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は本願明細書に記載されるように合成される。加えて、本願明細書に示される溶媒、温度および他の反応条件は変化しうる。
合成に使用される出発物質は、合成されるか、または限定されないが、Sigma-Aldrich、Fluka、Acros Organics、Alfa Aesar、VWR Scientific等などの商業的な供給源より入手されるかのいずれかである。化合物を調製する一般的方法は、本願明細書にて開示される構造にて認められる種々の部分を導入するための適当な試薬および条件を用いることにより修飾され得る。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、ナトリウム塩)の調製は、スキーム1に示される工程で始まる。
一の態様において、化合物1の合成はアルキルアセトニトリルとメチルアミンとを反応させて構造式IIの化合物を得ることで始まる。構造式IIの化合物を塩化4−置換−ベンゾイル(構造式III)と反応させて構造式IVの化合物を得る。Xはハライド、トリフラートまたはスズキカップリング反応にて用いるためのいずれか適当な他の脱離基である。ある実施態様にて、Xは−Cl、−Br、−I、−OSO2CF3、−OSO2(4−メチルフェニル)および−OSO2CH3である。ある実施態様にて、Xはハライドである。ある実施態様にて、Xは−Brである。R1はアルキルまたはベンジルである。ある実施態様にて、R2はメチル、エチル、プロピルまたはベンジルである。予想される他のアルキルアセトアセテートは、エチルアセトアセテート、イソプロピルアセトアセテート、ベンジルアセトアセテートを包含する。構造式IVの化合物とヒドロキシルアミンおよび酢酸との反応は、構造式Vのイソキサゾールを付与する。構造式Vのイソキサゾールはスキーム2に示されるように利用される。
構造式Vのイソキサゾールのエステル基を加水分解して構造式VIのカルボン酸を得る。加水分解はまた、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムなどの適当な塩基を用いて達成され得る。加水分解のための適当な溶媒は、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはそれらの組み合わせを包含する。構造式VIのカルボン酸を(R)−1−フェニルエチルアルコールの存在下でクルチウス転位に付し、構造式VIIのカルバメート化合物を得る。
ある実施態様にて、構造式VIIの化合物と構造式VIIIの化合物の間でスズキ反応を用い、構造式Xの化合物を得る。ある実施態様にて、R1はアルキルである。ある実施態様にて、Bはボロン酸またはボロン酸エステルである。ある実施態様にて、Xは
である。ある実施態様にて、Xは
である。ある実施態様にて、Xは−Cl、−Br、−I、−OSO2CF3、−OSO2(4−メチルフェニル)および−OSO2CH3である。ある実施態様にて、Xはハライドである。ある実施態様にて、Xは−Brである。ある実施態様にて、スズキ反応はパラジウム触媒、適当な塩基および適当な溶媒の使用を包含する。ある実施態様にて、パラジウム触媒は含ホスフィンパラジウム触媒である。ある実施態様にて、パラジウム触媒はPd(PPh3)4またはPd(dppf)Cl2である。ある実施態様にて、スズキ反応に適する塩基は無機塩基である。ある実施態様にて、スズキ反応に適する塩基はトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、トリブチルアミン、炭酸水素ナトリウム、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、NaOAc、KOAc、Na3PO4またはK3PO4である。他の金属を媒介するカップリング反応が構造式Xの化合物の調製について知られている。
ビアリールを形成するための他の金属を媒介するカップリング反応は、スズキ反応に限定されるものではないが、スティルクロスカップリング、、ネギシカップリング、クマダカップリング、ウルマン反応、ヒヤマカップリング、およびその種々の変形(Metal-Catalyzed Cross-Coupling Reactions、Armin de Meijere(Editor)、Franqois Diederich(Editor)、John Wiley & Sons;2nd edition、2004;Ozdemirら、Tetrahedron、2005、61、9791-9798;Ackermannら、Org. Lett.、2006、8、3457-3460; Blakeyら、J. Am. Chem. Soc.、2003、125、6046-6047;Daiら、Org. Lett.、2004、6、221-224;Yoshikaiら、J. Am. Chem. Soc.、2005、127、17978-17979;Tangら、J. Org. Chem.、2006、71、2167-2169;Murataら、Synthesis、2001、2231-2233)を包含する。
ある実施態様にて、構造式VIIIの化合物はスキーム4に記載されるように調製される。
ある実施態様にて、構造式XIの化合物をは1,2−ジブロモエタンなどのジハロアルキル化合物と反応させてシクロアルキル基を形成させる。シアノ基を酸に加水分解し、該酸からエステルを形成させて構造式XIIの環状化合物を得る。ある実施態様にて、構造式XIIの化合物をボリル化剤(borylating agent)と遷移金属媒介性反応条件を用いて反応させ、構造式VIIのボロネート化合物を形成させる。ある実施態様にて、R1はエチルである。ある実施態様にて、Xはハライドである。ある実施態様にて、Xは−Brである。
ある実施態様にて、構造式VIIの化合物をボリル化剤と遷移金属媒介性反応条件を用いて反応させ、構造式IXのボロネート化合物を形成させる。ある実施態様にて、IXを形成するボリル化反応は、酢酸カリウムなどの適当な塩基の存在下、Pd(PPh3)4またはPd(dppf)Cl2などのパラジウム触媒の使用を包含する。ある実施態様にて、ボリル化試薬は、ピナコボラン、カテコボラン、ビス(ネオペンチルグリコラト)ジボロン、ビス(ピナコラト)ジボロン、ビス(ヘキシレン グリコラト)ジボロン、およびビス(カテコラト)ジボロンより選択される。ある実施態様にて、ボリル化試薬はビス(ピナコラト)ジボロンである。ある実施態様にて、ボリル化反応は加熱して行われる。構造式IXのボロネート化合物を、構造式XIIの化合物と、パラジウム媒介性カップリング条件(スズキ反応条件)下で反応させ、構造式Xの化合物を形成させた。
ある実施態様にて、化合物1はスキーム6に記載されるように調製される。
ある実施態様にて、スキーム6に示されるように、構造式XIVのビフェニル化合物から多環式の化合物1が合成される。構造式XIVのビフェニル化合物を、1,2−ジブロモエタンなどのジハロアルキルと反応させてシクロアルキル基を形成する。シアノ基を酸に加水分解し、該酸からエステルを形成させ、構造式XVの三環式化合物を得る。ある実施態様にて、R1はエチルである。ある実施態様にて、R1はイソプロピルである。次に、構造式XVの三環式化合物を適当なルイス酸の存在下で塩化アセチルと反応させ、つづいてアセチル基をカルボン酸に変換し、該カルボン酸を塩化チオニルと反応させて構造式XVIの酸塩化物を得る。ついで、スキーム6に記載されるように、構造式XVIの酸塩化物を用いて構造式XVIIのイソキサゾールを調製する。ある実施態様にて、R2はアルキル基である。ある実施態様にて、R2はメチルであり、R2は加水分解条件下で構造式XVIIのイソキサゾールより除去される。ある実施態様にて、R2はベンジルであり、R2は水素化条件(例えば、H2、Pd/C)下で構造式XVIIのイソキサゾールより除去される。構造式XVIIIのカルボン酸を(R)−1−フェニルエチルアルコールの存在下でクルチウス転位に付し、構造式Xのカルバメート化合物を得る。
化合物Xを合成する付加的な別の経路をスキーム7に示す。
ビフェニル化合物XXにあるX基のボロン酸またはボロン酸エステルへの変換は、化合物Xをもたらすスズキ反応での化合物XXIに対するカップリングパートナーを生成する。
化合物Xにあるエステル基を加水分解して化合物1および化合物2とする方法がスキーム8に記載されている。
スキーム8
構造式Xのアルキルエステルを適当な溶媒中で適当な塩基を用いて加水分解し、pH調節した後に化合物1を得る。加水分解に適する塩基は、限定されないが、水酸化リチウムおよび水酸化ナトリウムを包含する。加水分解に適する溶媒は、限定されないが、水、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランまたはそれらの組み合わせを包含する。次に、化合物1をテトラヒドロフラン、メタノールおよび水中で水酸化ナトリウムを用いて処理し、化合物2を得る。
ある実施態様にて、化合物2は一工程の加水分解および塩形成反応を行うことにより化合物Xより調製される。ある実施態様にて、一工程の加水分解および塩形成反応は化合物Xを適当な溶媒中で水酸化ナトリウムで処理することを含む。。
ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にて水酸化カリウムで処理し、化合物1・カリウム塩を形成する。ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にて水酸化リチウムで処理し、化合物1・リチウム塩を形成する。ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にて水酸化カルシウムで処理し、化合物1・カルシウム塩を形成する。
ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にてジシクロヘキシルアミンで処理し、対応する塩を形成する。ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にてN−メチル−D−グルカミンで処理し、対応する塩を形成する。ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にてコリンで処理し、対応する塩を形成する。ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にてトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミンで処理し、対応する塩を形成する。
ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にてアルギニンで処理し、対応する塩を形成する。ある実施態様にて、化合物1を溶媒中にてリジンで処理し、対応する塩を形成する。
ある実施態様にて、上記した合成法は遷移金属触媒を利用するため、生成物中のパラジウムの量を少なくするのに、精製工程が行われる。生成物中のパラジウムの量を軽減するための精製工程は、活性な医薬成分がパラジウム仕様ガイドライン(「Guideline on the Specification Limits for Residues of Metal Catalysts」 European Medicines Agency Pre-authorisation Evaluation of Medicines for Human Use、London、January 2007、Doc. Ref. CPMP/SWP/QWP/4446/00 corr.)と合致するように行われる。ある実施態様にて、生成物中のパラジウムの量を軽減するための精製工程は、限定されないが、固形トリメルカプトトリアジン(TMT)、ポリスチレン結合性TMT、メルカプト多孔性ポリスチレン結合性TMT、ポリスチレン結合性エチレンジアミン、活性炭、ガラスビーズスポンジ、スモペックス(登録商標)、二酸化ケイ素、シリカ結合性スカベンジャー、チオール誘導性シリカゲル、N−アセチルシステイン、n−Bu3P、結晶化工程、抽出工程、1−システイン、n−Bu3P/乳酸(Garrettら、Adv. Synth. Catal. 2004、346、889-900)での処理を包含する。 ある実施態様にて、活性炭は、DARCO(登録商標)KB−G、DARCO(登録商標)KB−WJを包含するが、これらに限定されない。一の態様において、シリカ結合性スカベンジャーは、限定されないが、
を包含し;ここで、
はシリカゲルを意味する。ある実施態様にて、パラジウムの量を減らす精製工程は、活性炭、シリカゲル、誘導化シリカゲル(例えば、チオール誘導化シリカゲル)の使用またはそれらの組み合わせを包含する。
上記したスキームは(R)−1−フェニルエチルアルコールを用いる合成を説明するが、(S)−1−フェニルエチルアルコールまたは(R/S)−1−フェニルエチルアルコールを(R)−1−フェニルエチルアルコールの代わりに用いて、同じ合成操作を実施することができる。ある実施態様にて、(R)−1−フェニルエチルアルコールは光学的に純粋である。ある実施態様にて、(R)−1−フェニルエチルアルコールはエナンチオマー過剰率が少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%である。
ある態様において、化合物1は実施例に記載されるように調製される。ある態様において、化合物2は実施例に記載されるように調製される。
適当な溶媒
ヒトなどの哺乳動物に投与可能である治療剤は次の規制ガイドラインに従って調製される必要がある。かかる政府規制ガイドラインは医薬品製造規範(Good Manufacturing Practice(GMP))と称される。GMPガイドラインは、例えば、最終製品中に残存する溶媒量などの、活性な治療剤の許容できる汚染レベルを要約する。好ましい溶媒はGMP機関での使用に適し、工業的な安全性の懸案事項と一致する溶媒である。溶媒のカテゴリーは、例えば、the International Conference on Harmonization of Technical Requirements for Registration of Pharmaceuticals for Human Use(ICH)、「Impurities:Guidelines for Residual solvents」、Q3C(R3)(2005年11月)に規定される。
溶媒は3つのクラスに分類される。クラス1溶媒は毒性であり、回避されるべきである。クラス2溶媒は治療剤を製造する間の使用に限定されるべき溶媒である。クラス3溶媒は毒性の可能性が低く、ヒトの健康を害する危険性が低い溶媒である。クラス3溶媒についてのデータは、該溶媒が緊急または短期の研究にて毒性が低く、遺伝毒性研究にて否定的であることを示す。
回避すべきである、クラス1溶媒は、ベンゼン;四塩化炭素;1,2−ジクロロエタン;1,1−ジクロロエテン;および1,1,1−トリクロロエタンを包含する。
クラス2溶媒の例は、アセトニトリル、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、1,2−ジクロロエテン、ジクロロメタン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、1,4−ジオキサン、2−エトキシエタノール、エチレングリコール、ホルムアミド、ヘキサン、メタノール、2−メトキシエタノール、メチルブチルケトン、メチルシクロヘキサン、N−メチルピロリジン、ニトロメタン、ピリジン、スルホラン、テトラリン、トルエン、1,1,2−トリクロロエテンおよびキシレンである。
毒性が低いクラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチル エーテル(MTBE)、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピルおよびテトラヒドロフランを包含する。
活性医薬成分(API)中の残りの溶媒はAPIの製品から由来する。あるケースでは、溶媒は実際の製造技法によって完全には除去されない。APIの合成用溶媒の適切な選択が収率を上げるか、または結晶形、純度および溶解度などの特性を決定しうる。したがって、溶媒は合成プロセスにおける重大なパラメータである。
ある実施態様にて、化合物1の塩を含む組成物は有機溶媒を含む。ある実施態様にて、化合物1の塩を含む組成物は残量の有機溶媒を含む。ある実施態様にて、化合物1の塩を含む組成物は残量のクラス3溶媒を含む。ある実施態様にて、有機溶媒はクラス3溶媒である。ある実施態様にて、クラス3溶媒は、酢酸、アセトン、アニソール、1−ブタノール、2−ブタノール、酢酸ブチル、tert−ブチルメチルエーテル、クメン、ジメチルスルホキシド、エタノール、酢酸エチル、エチルエーテル、ギ酸エチル、ギ酸、ヘプタン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、酢酸メチル、3−メチル−1−ブタノール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−メチル−1−プロパノール、ペンタン、1−ペンタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、酢酸プロピル、およびテトラヒドロフランからなる群より選択される。ある実施態様にて、クラス3溶媒は酢酸エチル、酢酸イソプロピル、tert−ブチルメチルエーテル、ヘプタン、イソプロパノールおよびエタノールから選択される。
ある実施態様にて、化合物1の塩を含む組成物は、検出可能な量の有機溶媒を含む。ある実施態様にて、化合物1の塩はナトリウム塩(すなわち、化合物2)である。ある実施態様にて、有機溶媒はクラス3溶媒である。
ある態様において、化合物1の塩はナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、コリン塩、プロトン化したジシクロヘキシルアミン塩、プロトン化したN−メチル−D−グルカミン塩、プロトン化したトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン塩、アルギニン塩、またはリジン塩である。ある態様において、化合物1の塩はナトリウム塩である。
他の実施態様にて、化合物2を含む組成物であって、約1%未満の検出可能な量の溶媒を含み、ここで溶媒がアセトン、1,2−ジメトキシエタン、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、ヘプタンおよび2−プロパノールより選択される。さらなる実施態様において、化合物2を含み、約5000ppm未満の検出可能な量の溶媒を含む。さらなる実施態様において、化合物2を含み、約5000ppm未満、約4000ppm未満、約3000ppm未満、約2000ppm未満、約1000ppm未満、約500ppm未満、または約100ppm未満の検出可能な量の溶媒を含む。
特定の用語
特記しない限り、明細書および特許請求の範囲を含め、本願にて使用される以下の用語は、以下の定義を有する。本願明細書および特許請求の範囲に使用される場合に、「a」、「an」および「the」の単数形は、単数でないと明示されない限り、複数の指示対象を包含することに留意する必要がある。特記しない限り、当該分野の範囲内にある、質量分析、NMR、HPLC、蛋白化学、有機合成、生化学、組換えDNA技法および薬理学の従来の方法が利用される。本願にて、「または」の使用は、特記しない限り、「および/または」を意味する。さらには、「including」なる語、ならびに「include」、「includes」および「included」などの他の形態の使用は限定的ではない。
本願明細書にて使用される「医薬的に許容される賦形剤」なる語は、活性医薬成分(API)を哺乳動物への投与に適する形態に加工処理することを可能とする、担体、希釈剤、安定化剤、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤等などの物質をいう。一の態様において、哺乳動物はヒトである。医薬的に許容される賦形剤は、化合物(API)の望ましい生物学的活性または望ましい特性を実質的に無効にせず、相対的に非毒性である、すなわち、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、あるいはそれが含有される組成物のいずれかの成分と有害な様式で相互作用することなく個体に投与される物質をいう。
「活性医薬成分」またはAPIは、望ましい生物学的活性または望ましい特性を有する化合物をいう。ある実施態様にて、APIは化合物1である。ある実施態様にて、APIは化合物2である。本発明は、活性医薬成分(API)、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の純度で提供される。特定の実施態様にて、本発明は、活性医薬成分(API)、化合物2を80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、または99%以上の純度で提供される。
本願明細書にて使用される「医薬的組み合わせ」なる語は、一より多くの活性成分を混合または合わせて得られる生成物を意味し、活性成分の固定および固定されない両方の組み合わせを包含する。「固定された組み合わせ」なる語は、活性成分、例えば、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と、共同薬剤とが、単一の存在または投与の形態にて同時に患者に投与されることを意味する。「固定されない組み合わせ」は、活性成分、例えば、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と、共同薬剤とが、別々の存在として、同時に、並行して、またはその間の時間を特に制限することなく連続的に患者に投与され、かかる投与が2つの化合物の効果的なレベルを患者の体内に提供することを意味する。後者はまたカクテル療法、例えば、3種またはそれ以上の活性成分の投与に適用される。
「医薬組成物」なる語は、化合物1またはその医薬的に許容される塩および/または溶媒和物と、担体、安定化剤、希釈剤、分散剤、沈殿防止剤、増粘剤、賦形剤等などの他の化学成分との混合物をいう。医薬組成物は化合物の哺乳動物への投与を容易にする。
本発明にて使用される作用剤の組み合わせの投与は、単回組成物または併用療法にて記載の作用剤の投与を包含し、ここで一または複数の薬剤は少なくとも1つの別の作用剤とは別に投与される。
「アルキル」基は脂肪族炭化水素基をいう。アルキル部分は分岐鎖、直鎖または環状鎖である。アルキル基は「C1−C6アルキル」と規定されてもよい。一の態様において、アルキルはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、エテニル、プロペニル、アリル、ブテニル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等から選択される。
「検出可能な量」は、標準的な分析方法(例、イオンクロマトグラフィー、質量分析、NMR、HPLC、ガスクロマトグラフィー、元素分析、IR分光法、誘導結合プラズマ原子発光分光法、USP<231>Method II等)(ICHガイダンス、Q2A Text on Validation of Analytical Procedures(March 1995)およびQ2B Validation of Analytical Procedures:Methodology(November 1996))を用いて測定できる量をいう。
「許容される」なる語は、本願明細書にて使用される、製剤、組成物または成分との関連で、治療される対象の総合的な健康に対して持続的な有害作用がないことを意味する。
本願明細書にて使用される「有効量」または「治療的に有効な量」なる語は、治療される疾患または症状の一または複数の徴候をある程度まで緩和するであろう、投与される作用剤の十分な量をいう。結果として、疾患の徴候、症状または原因が軽減および/または緩和され、あるいは生体系にて他の望ましい改変がもたらされうる。例えば、治療に用いるための「有効量」は、疾患の徴候にて臨床的に有意な軽減を得るのに必要とされる、ここに開示の化合物を含む組成物の量である。「治療的に有効な量」なる語は、例えば、予防的に有効な量を包含する。有効量は個々の患者および疾患レベルに基づいて選択されるであろう。「有効量」または「治療的に有効な量」は、薬物の代謝作用の変化、対象の年齢、体重、健康状態、治療される症状、治療される症状の重度および処方医師の判断に起因して対象毎に変動する。一の実施態様において、個々の場合で適切な「有効」量は、用量増加実験などの方法を用いて決定されてもよい。
本願明細書にて使用される「共投与」等なる語は、選択された治療剤の単一患者への投与を包含することを意味し、作用剤が同じまたは異なる投与経路で、同時にまたは異なる時間に投与される治療計画を包含することを意図とする。
本願明細書にて使用される「強化する」または「強化している」なる語は、所望の作用の効能または持続期間を増大または拡張することを意味する。かくして治療剤の作用を強化することとの関連で、「強化している」なる語は、他の治療剤の一のシステムに対する作用を、効能または持続期間のいずれかで、増大または拡張する能力をいう。本願明細書にて使用される「強化に有効な量」は、別の治療剤の所望のシステムにおける作用を強化するのに適切な量をいう。
「キット」および「製品」は同義語として用いられる。
本願明細書に開示の化合物の「代謝物」は、該化合物が代謝された場合に形成される、その化合物の誘導体である。「活性代謝物」なる語は、化合物が代謝された(生体内変換された)場合に形成される、その化合物の生物学的に活性な誘導体をいう。本願明細書にて使用される「代謝性」なる語は、特定の物質を一の生物にて変化させる、プロセス(限定されないが、加水分解反応および酵素触媒反応を含む)の総称をいう。このように、酵素は一の化合物への特異的な構造変化をもたらす可能性がある。例えば、チトクロムP450は種々の酸化還元反応を触媒するのに対して、ウリジン二リン酸グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)は活性化グルクロン酸分子の芳香族アルコール、脂肪族アルコール、カルボン酸、アミンおよび遊離スルフヒドリル基への移動(例えば、抱合反応)を触媒する。ある実施態様にて、本願明細書に開示の化合物はタウリン代謝物を提供する代謝物である。代謝作用についてのさらなる情報はThe Pharmacological Basis of Therapeutics、9th Edition、McGraw-Hill (1996) にて利用可能である。一の実施態様にて、本願明細書に開示の化合物の代謝物は、該化合物を宿主に投与し、該宿主から由来の組織試料を分析するか、または該化合物をインビトロにて肝細胞と一緒にインキュベートし、得られた化合物を分析することにより同定される。
本願明細書にて使用される「調整する」なる語は、ほんの一例として、標的の活性を強化すること、標的の活性を阻害すること、標的の活性を制限すること、または標的の活性を拡張することを含め、標的の活性を直接または間接的に改変するように相互作用させることを意味する。
本願明細書にて使用される「修飾因子」なる語は、標的と直接または間接的に相互作用する分子をいう。相互作用は、限定されないが、アゴニストおよびアンタゴニストの相互作用を包含する。
本願明細書にて使用される「アゴニスト」なる語は、特定の受容体と結合し、細胞にて応答を作動させる、化合物、薬物、酵素活性化剤またはホルモン修飾因子などの分子をいう。アゴニストは、同じ受容体と結合する内因性リガンド(プロスタグランジン、ホルモンまたは神経伝達物質など)の作用を模倣する。
本願明細書にて使用される「アンタゴニスト」なる語は、もう一つ別の分子の作用または受容体部位の活性を軽減、阻害または防止する化合物などの分子をいう。
本願明細書にて使用される「LPA依存性」なる語は、LPAが不在では、起こらないであろう、または同程度に起こらないであろう、症状または障害をいう。
本願明細書にて使用される「LPA介在性」なる語は、LPAが不在では起こるかもしれないが、LPAの存在下で起こりうる、症状または障害をいう。
「対象」または「患者」なる語は、哺乳動物を包含する。一の態様にて、哺乳動物はヒトである。もう一つ別の態様にて、哺乳動物は、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル種などのヒト以外の霊長類である。一の態様にて、哺乳動物は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギまたはブタなどの家畜動物である。一の態様にて、哺乳動物は、ウサギ、イヌまたはネコなどの家庭用動物である。一の態様にて、哺乳動物は、ラット、マウスおよびモルモットなどの齧歯類を含む実験用動物である。
「生物学的利用能」は、投与された化合物1またはその医薬的に許容される塩および/または溶媒和物が、研究対象にある動物またはヒトの全身循環に送達される重量の割合をいう。静脈内投与された場合の薬物の全暴露量(AUC(0−∞))が、通常、100%で生物学的に利用可能であるとして規定される。「経口的生物学的利用能」は、医薬組成物が静脈内注射された場合と比べて、経口投与された場合に、化合物1またはその医薬的に許容される塩および/または溶媒和物が全身循環に吸収される程度をいう(F%)。
「血漿中濃度」とは、哺乳動物の血液の血漿成分中の化合物1の濃度をいう。化合物1の血漿中濃度は、代謝作用および/または他の治療薬との相互作用に対して可変的であるため、対象間で有意に変化しうることが理解される。一の態様において、化合物1の血漿中濃度は対象間で変動する。同様に、最大血漿濃度(Cmax)または最大血漿濃度に達するまでの時間(Tmax)、あるいは血漿中濃度時間曲線下の全面積(AUC(0−∞))などの値も対象間で変動する。この変動のため、一の実施態様において、化合物1の「治療的に有効な量」を構成するのに必要な量は対象間で変動する。
「薬物吸収」または「吸収」は、典型的には、薬物が、薬物の投与部位からバリアを通って血管中または作用部位に移動する工程、例えば、薬物が胃腸管から門脈またはリンパ系に動くことをいう。
「血清中濃度」または「血漿中濃度」は、投与後に血流中に吸収された、血清1mL、dLまたはL当たりの、典型的にはmg、μgまたはngにて測定される治療薬の血清または結晶中濃度を記載する。血漿中濃度は、典型的には、ng/mlまたはμg/mlで測定される。
「薬力学」とは、作用部位で薬物の濃度に関連して観察される生物学的応答を決定する因子をいう。
「薬物動態」とは、作用部位で薬物の適切な濃度の達成および維持を決定する因子をいう。
本願明細書にて使用される「定常状態」とは、投与される薬物の量が一の投与間隔の範囲内で排泄される薬物の量に等しく、停滞期または一定の血漿中薬物暴露をもたらす場合である。
本願明細書にて使用される「治療する」、「治療している」または「治療」なる語は、疾患または症状の少なくとも一つの徴候を緩和すること、軽減することまたは改善すること、付加的な徴候を予防すること、疾患または症状を阻害すること、例えば、疾患または症状の進行を阻むこと、疾患または症状を和らげること、疾患または症状の退行を惹起すること、疾患または症状により引き起こされる症状を緩和すること、または疾患または症状の徴候を予防的におよび/または治療的に停止させることを包含する。
医薬組成物/処方
医薬組成物は、活性な化合物を製薬的に使用される製剤に処理することを容易にする、賦形剤および補助剤を含む、一または複数の生理学的に許容される担体を用いる慣用的手段にて処方される。適切な方法、担体および賦形剤は、例えば、その内容を出典明示により本願明細書の一部とする、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版(Easton, Pa.: Mack Publishing Co., Easton, Pennsylvania 1995;Hoover, John E.、Remington’s Pharmaceutical Sciences、Mack Publishing Co.、Easton, Pennsylvania 1975;Liberman, H.A.およびLachman, L.編、Pharmaceutical Dosage Forms、Marcel Decker、New York、NY, 1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第7版(Lippincott Williams & Wilkins 1999)に記載されている方法、担体および賦形剤を包含する。
本願明細書にて使用される医薬組成物は、式(I)の化合物と、担体、賦形剤、結合剤、充填剤、懸濁化剤、香料、甘味剤、崩壊剤、分散剤、界面活性剤、滑沢剤、着色剤、希釈剤、可溶化剤、保湿剤、可塑剤、安定化剤、浸透促進剤、湿潤剤、消泡剤、酸化防止剤、保存剤あるいはその一または複数の組み合わせなどの他の化学成分(すなわち、医薬的に許容される不活性成分)との混合物をいう。
本願明細書に記載の医薬製剤は、限定されないが、経口、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、髄内注射、くも膜下腔内、直接的心室内、腹腔内、リンパ管内、鼻腔内注射)、鼻腔内、バッカル、局所または経皮投与経路を含む、複数の投与経路による種々の方法にて対象に投与可能である。本発明の医薬製剤は、限定されないが、水性液体分散液、自己乳化分散液、固溶液、リポソーム分散液、エアロゾル、固体剤形、散剤、即時放出製剤、放出制御製剤、即時溶融製剤、錠剤、カプセル剤、ピル、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子製剤ならびに即時および制御の合した放出製剤を包含する。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は経口投与される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は局所投与される。かかる実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、シャンプー、スクラブ、摩耗剤、塗布剤、薬用スティック、薬用包帯、香油、クリームまたは軟膏剤などの種々の局所投与用組成物に処方される。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、皮膚に局所投与される。
別の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は吸入投与される。
別の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は鼻腔内投与用に処方される。かかる製剤は経鼻用スプレー、経鼻用ミスト等を包含する。
別の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は点眼薬として処方される。
上記したいずれかの態様にて、さらなる実施態様は、有効量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、(a)哺乳動物に全身投与すること;および/または(b)哺乳動物に経口投与すること;および/または(c)哺乳動物に静脈内投与すること;および/または(d)哺乳動物に吸入投与すること;および/または(e)哺乳動物に経鼻投与により投与すること;および/または(f)哺乳動物に注射により投与すること;および/または(g)哺乳動物に局所投与すること;および/または(h)哺乳動物に経眼投与すること;および/または(i)哺乳動物に経直腸投与すること; および/または(j)哺乳動物に非全身または局所投与することである。
上記したいずれかの態様にて、さらなる実施態様は、有効量の化合物を単回投与することを含め、そのさらなる実施態様にて、(i)化合物を一回投与すること;(ii)化合物を一日に複数回哺乳動物に投与すること、(iii)頻繁に投与すること;または(iv)連続的に投与することを含む。
上記したいずれかの態様にて、さらなる実施態様は、有効量の化合物を複数回投与することを含め、そのさらなる実施態様にて、(i)化合物を連続的にまたは間欠的に一回用量にて投与すること;(ii)6時間毎に複数回投与すること;(iii)8時間毎に化合物を哺乳動物に投与すること;(iv)12時間毎に化合物を哺乳動物に投与すること;(v)24時間毎に化合物を哺乳動物に投与することを含む。さらなる、あるいは別の実施態様にて、該方法は休薬期間を含み、化合物の投与が一時的に停止されるか、投与される化合物の用量が一時的に減らされ、休薬期間の終わりに化合物の投与が再び開始される。一の実施態様にて、休薬期間は2日から1年の間で変化する。
ある実施態様にて、本発明の化合物は全身投与のやり方より局所投与にて投与される。
ある実施態様にて、本発明の化合物は局所投与される。ある実施態様にて、本発明の化合物は全身投与される。.
ある実施態様にて、経口投与の場合、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、活性な化合物と、医薬的に許容される担体または賦形剤とを合わせることにより処方される。かかる担体は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、治療患者による経口摂取用に錠剤、散剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、エリキシル、スラリー、懸濁液等として処方されることを可能とする。ある実施態様にて、経口投与の場合、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、活性な化合物を医薬的に許容される担体または賦形剤と合わせることなく処方され、哺乳動物に投与されるカプセルに直接入れられる。
ある実施態様にて、医薬組成物は、少なくとも1つの医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤と、活性成分として遊離酸または遊離塩基の形態、あるいは医薬的に許容される塩の形態の化合物1とを含むであろう。ある実施態様にて、医薬組成物は少なくとも1つの医薬的に許容される担体、希釈剤または賦形剤および化合物2を含むであろう。
本発明の医薬組成物は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む。ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は化合物1を含む。ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は非晶質化合物1を含む。ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は結晶性化合物1を含む。ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は化合物2を含む。ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は非晶質化合物2を含む。ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は結晶性化合物2を含む。
ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は:(a)化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2);および一または複数の次の:(b)結合剤;(c)崩壊剤;(d)充填剤(希釈剤);(e)滑沢剤;(f)流動促進剤(流動強化剤);(g)圧縮助剤;(h)着色剤;(i)甘味剤;(j)保存剤;(k)沈殿防止剤/分散剤;(l)フィルム形成剤/コーティング剤;(m)フレーバー;(o)印刷用インク;(p)可溶化剤;(q)アルキル化剤;(r)緩衝剤;(s)抗酸化剤;(t)発泡剤を含む。
ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は:(a)化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2);および(b)カプセルシェルを含む。
ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)に加えて、一または複数の次の:(a)ステアリン酸マグネシウム;(b)乳糖;(c)微結晶セルロース;(d)シリカ化微結晶セルロース;(e)マンニトール;(f)デンプン(トウモロコシ);(g)二酸化ケイ素;(h)二酸化チタン;(i)ステアリン酸;(j)澱粉グリコール酸ナトリウム;(k)ゼラチン;(l)タルク;(m)ショ糖;(n)アスパルテーム;(o)ステアリン酸カルシウム;(p)ポビドン;(q)アルファ化デンプン;(r)ヒドロキシプロピルメチルセルロース;(s)OPA製品(coatings & inks);(t)クロスカルメロース;(u)ヒドロキシ プロピル セルロース;(v)エチルセルロース;(w)リン酸カルシウム(二塩基性);(x)クロスポビドン;(y)セラック(およびグレイズ);(z)炭酸ナトリウム;(aa)ヒプロメロースを含む。
一の実施態様において、経口的使用のための医薬製剤は、一または複数の固形の賦形剤を一または複数の本発明の化合物と混合し、所望により得られた混合物を粉砕してもよく、その顆粒の混合物を加工処理することで得られ、適当な補助剤を添加した後に、所望によって錠剤を得てもよい。適当な賦形剤は、特に、乳糖、シュークロース、マンニトールまたはソルビトールを含む、糖などの充填剤;例えば、トウモロコシデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、イモデンプン、ゼラチン、トラガントガム、メチルセルロース、微結晶セルロース、シリカにした微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース調製物;またはポリビニルピロリドン(PVPまたはポビドン)またはリン酸カルシウムなどの他の賦形剤である。所望により、架橋クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、寒天またはアルギン酸またはアルギン酸ナトリウムなどのその塩等の崩壊剤が添加されてもよい。
一の実施態様において、本発明の医薬組成物は、限定されないが、水性経口分散液、固形経口剤形、即時溶解製剤、発泡性製剤、凍結乾燥製剤、錠剤、カプセル、ピル、放出制御製剤、腸溶錠、吸入粉末、吸入分散液、IV製剤を含む、適当な剤形に処方される。
さらなる実施態様にて、本発明の医薬組成物は圧縮錠剤、粉薬錠剤、即時溶解錠、多成分圧縮錠剤、または腸溶性錠剤、糖衣錠またはフィルム被覆錠として提供されてもよい。
医薬剤形は種々の方法にて処方され、即時放出性、徐放性、および遅延性を含む種々の放出特性を提供しうる。ある場合には、薬物を投与した後で一定期間が経過するまで薬物の放出を妨げること(すなわち、持続放出)、所定の時間にわたって実質的に連続した放出を提供すること(すなわち、徐放)、あるいは薬物投与の直後に放出を提供すること(すなわち、即時放出)が望ましい。
ある実施態様にて、製剤は、例えば、所望により、週一回、週二回、週三回、週四回、週五回、一日おきに、日一回、日二回(b.i.d.)、日三回(t.i.d.)投与を可能とする、治療的に有効な量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を提供する。一の実施態様において、該製剤は日一回の投与を可能とする治療的に有効な量の 化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を提供する。
一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は日一回の投与を提供する即時放出形態に処方される。概して、治療的作用を付与するのに効果的な一定の時間にわたってインビボにて効果的であることが判明している濃度に相応する血漿中濃度を達成するのに効果的である量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を投与することが望ましい。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)および一または複数の賦形剤が乾燥混合され、約10分未満、約15分未満、約20分未満、約25分未満、約30分未満、約35分未満、または約40分未満の間に実質的に崩壊する医薬組成物を提供するのに十分な硬度を有する錠剤などの塊に圧縮され、該製剤が経口投与された後に化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を胃腸液に放出することとなる。
ある実施態様にて、本発明の即時放出剤形の医薬組成物は、少なくとも75%の治療上活性成分または組み合わせの放出能を有し、および/またはUSP XXII、1990(米国薬局方)に示されるように、錠剤核に含まれる個々の治療薬または組み合わせの即時放出錠の崩壊または溶解の要件と合致する。即時放出性医薬組成物はカプセル、錠剤、ピル、経口溶液、散剤、ビーズ、ペレット、粒子等を包含する。
医薬組成物に用いられる賦形剤は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)との適合性および所望の剤形の放出プロフィール特性に基づいて選択されるべきである。賦形剤の例として、例えば、結合剤、沈殿防止剤、分散剤、充填剤、界面活性剤、可溶化剤、安定化剤、滑沢剤、湿潤剤、希釈剤等が挙げられる。
結合剤は固形経口剤形製剤に対して一体性を付与する:粉末充填カプセル製剤では、ソフトまたはハード殻カプセルに充填され得るプラグ形成を助成し、錠剤製剤では、錠剤が圧縮後に一体性を保持できるようにし、圧縮または充填工程の前にブレンドが均質であるように助成する。
ある実施態様にて、結合剤は、澱粉、糖、ポビドン、セルロースまたは修飾セルロース、例えば微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、乳糖またはキシリトール、ソルビトールまたはマルチトールなどの糖アルコールより選択される。ある実施態様にて、結合剤はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。ある実施態様にて、結合剤はヒプロメロース(例えば、メトセルE5)である。
一般に、20−70%の結合剤レベルが粉末充填ゼラチンカプセル剤にて使用される。錠剤での結合剤の利用レベルは、直接圧縮、湿式造粒、ローラー圧縮あるいはそれ自体が中程度の結合剤として作用する充填剤などの他の賦形剤を利用するかどうかで変動する。
分散剤および/または粘度調節剤は、液体媒体あるいは造粒工程または混合工程を通して薬物の拡散および均質性を制御する材料を包含する。ある実施態様にて、これらの作用剤はまた被覆性または浸食性マトリックスの有効性を助成する。
希釈剤は組成物の嵩を大きくして圧縮を容易にするか、カプセルに充填するのに均質に混合するための十分な嵩を付与する。
「崩壊する」なる語は、胃腸液と接触した場合の、剤形の溶解および分散の両方を包含する。「崩壊作用剤または崩壊剤」は物質の分裂または崩壊を容易にする。ある実施態様の一の態様にて、固形経口剤形は崩壊剤を15%w/wまで含む。ある実施態様にて、崩壊剤はクロスカルメロースナトリウムである。別の態様において、崩壊剤は澱粉グリコール酸ナトリウムまたはクロスポビドンである。
充填剤は、乳糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、微結晶セルロース、セルロース粉末、デキストロース、デキストレート、デキストラン、澱粉、アルファ化澱粉、シュークロース、キシリトール、ラクチトール、マンニトール、ソルビトール、塩化ナトリウム、ポリエチレングリコール等を包含する。
一の態様において、充填剤は乳糖(例えば、一水和物)である。別の態様において、充填剤はマンニトールまたはリン酸ジカルシウムである。別の態様において、充填剤はマンニトール、微結晶セルロース、リン酸ジカルシウムまたはソルビトールである。
胃腸液は本発明の組成物を経口投与した後の対象の胃分泌物またはその等価物の流体または対象の唾液である。「胃分泌物の等価物」は、例えば、胃分泌物と同様の内容物およい/またはpHを有するインビトロでの流体、例えば、水中1%ドデシル硫酸ナトリウム溶液または0.1N HCl溶液を包含する。加えて、疑似腸流体(USP)はpH6.6での水性リン酸緩衝液系である。
滑沢剤および流動促進剤は、材料の接着または摩擦を防止、軽減または阻害する化合物である。ある態様において、固形経口剤形は約0.25%w/w〜約2.5%w/wの滑沢剤を含む。別の態様にて、固形経口剤形は約0.5%w/w〜約1.5%w/wの滑沢剤を含む。
ある実施態様にて、本発明の固形剤形は錠剤(即時放出錠、持続放出錠、徐放性錠、腸溶性錠、懸濁化錠、即時溶解錠、咀嚼崩壊錠、即時崩壊錠、発泡錠またはカプレットを含む)、ピル、散剤(滅菌包装散剤、分配性散剤または発泡性散剤)、カプセル(ソフトまたはハードカプセル、例えば、動物由来のゼラチンまたは植物由来のHPMCでできているカプセル、あるいは「スプリンクルカプセル」を含む)、固形分散剤、多粒子剤形、ペレットまたは顆粒の形態である。
他の実施態様において、医薬製剤は粉末の形態である。さらに別の実施態様において、医薬製剤は、限定されるものではないが、即時放出錠を含む、錠剤の形態である。また、本発明の医薬製剤は、単一の剤形にて、または複数の剤形にて投与される。ある実施態様にて、医薬製剤は、2個、または3個、または4個の錠剤にて投与される。
ある実施態様にて、固形剤形、例えば、錠剤、発泡錠、およびカプセルは、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、一または複数の医薬的賦形剤と混合し、バルク混合組成物を形成することにより調製される。これらバルク混合組成物が均質と称される場合、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の粒子は、組成物が錠剤、ピルまたはカプセルなどの等しく効果的な単位剤形に容易に細分割され得るように、組成物全体を通して均一に分散される。一の実施態様にて、個々の単位剤形はまた、経口摂取で、または稀釈剤との接触で崩壊する、フィルムコーティング剤を包含する。一の実施態様において、これらの製剤は慣用的技法により製造される。
慣用的な技法は、例えば、(1)乾式混合、(2)直接圧縮、(3)粉砕、(4)乾式または非水性造粒、(5)湿式造粒、あるいは(6)融合などの方法の一または併用を包含する。例えばLachmanら、The theory and Practice of Industrial Pharmacy(1986)を参照のこと。他の方法は、例えば、噴霧乾燥、パンコーティング、溶融造粒、造粒、流動床式乾燥またはコーティング(例えば、ウルスターコーティング)、接線コーティング、頂部噴霧、錠剤化、押出し加工等を包含する。
圧縮錠剤は上記したバルク混合製剤を圧縮することにより調製される固形剤形である。種々の実施態様にて、口腔中で溶けるように設計されている圧縮錠剤は一または複数の香料を含むであろう。他の実施態様にて、圧縮錠剤は最終的に圧縮された錠剤を覆うフィルムを含むであろう。ある実施態様にて、フィルムコーティング(例えば、オパドライ(登録商標)コーティングまたは糖コーティング)は患者のコンプライアンスの手助けとなる。オパドライを含むフィルムコーティングは、典型的には、錠剤重量の約1%〜約5%の範囲で配合される。他の実施態様において、圧縮錠剤は一または複数の賦形剤を含む。
本発明は、フィルム被覆された剤形の医薬組成物であって、活性成分またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグと、一または複数の錠剤化賦形剤とを合わせ、一般的な錠剤化工程を用いて錠剤のコアを形成し、その後で該コアを被覆することを含む、医薬組成物が提供される。錠剤のコアは、一般的な造粒方法、例えば湿式または乾式造粒を用いて製造することができ、該顆粒は所望により粉砕されてもよく、その後で圧縮および被覆される。
本発明は、腸溶剤形の医薬組成物であって、活性成分またはその医薬的に許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグと、一または複数の腸溶性剤形に用いるための放出制御賦形剤とを組み合わせて含む、医薬組成物が提供される。医薬組成物はまた、非放出制御性賦形剤も含む。
腸溶コーティング剤は胃酸の作用には耐えるが、腸にて溶解または崩壊するコーティング剤である。
一の態様において、本願明細書に開示の経口固形剤形は腸溶コーティング(複数でも可)を含む。腸溶コーティングは一または複数の次の:セルロースアセテートフタレート;アクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマー;セルロースアセテートスクシネート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート(ヒプロメロースアセテートスクシネート);ポリビニルアセテートフタレート(PVAP);メチルメタクリレート−メタクリル酸コポリマー;メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテート(およびそのスクシネートおよびフタレートバージョン); スチロールマレイン酸コポリマー;ポリメタクリル酸/アクリル酸コポリマー;ヒドロキシエチルエチルセルロースフタレート;ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート;セルロースアセテートテトラヒドロフタレート;アクリル樹脂;セラックを包含する。
腸溶コーティングは、錠剤、ピル、カプセル、ペレット、ビーズ、顆粒、粒子等が小腸に達するまで溶解しないように、錠剤等上に施されるコーティングである。
糖衣錠は糖コーティング剤により覆われた圧縮錠剤であり、不愉快な味または臭いを隠し、錠剤を酸化から防止する点で利益があるかもしれない。
フィルム被覆錠剤は水溶性材料の薄層またはフィルムで被覆された圧縮錠剤である。フィルムコーティング剤は、限定されないが、ヒドロキシエチルセルロース、ナトリウム カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール4000およびセルロースアセテートフタレートを包含する。フィルムコーティングは糖コーティングと同じ一般特性を付与する。複数圧縮錠剤は、積層錠剤、圧縮被覆または乾燥被覆錠剤を含む、2回以上の圧縮サイクルにより製造される圧縮錠剤である。ある実施態様にて、錠剤は、活性物を即時に放出するために迅速な崩壊を可能とする、水溶性のpH独立性フィルムコーティング剤(例えば、オパドライ製品)で被覆される。
ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は放出制御剤形の形態である。本願明細書で用いられるように、「放出制御」なる語は、活性成分(複数でも可)の放出の速度または場所が経口投与された場合の即時放出剤形の速度または場所と異なる、剤形をいう。放出制御剤形は、遅延−、拡張−、長期−、持続−、パルス−、修飾−、標的化−、プログラム化−放出を包含する。放出制御剤形の医薬組成物は、限定されるものではないが、マトリックス制御放出装置、浸透圧制御放出装置、多粒子制御放出装置、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、およびその組み合わせを含む、種々の修飾された放出装置および方法を用いて調製される。活性成分(複数でも可)の放出速度はまた、粒径を変えることでも修飾され得る。
即時放出組成物とは異なり、制御放出組成物は、所定の特性に従って、薬剤を長期間にわたってヒトに送達することを可能とする。かかる放出速度は治療に効果的なレベルの薬剤を長期間にわたって提供し、それによって長期間の薬理学的応答が提供される。かかる長期の応答は、対応する即時放出製剤では達成されない、多くの固有の利点を提供する。一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩の放出制御組成物は化合物1の治療的に効果的なレベルを長期にわたって提供し、それにより長期の薬理応答を提供する。
本明細書にて使用される遅延放出は、遅延放出の変更がなかったとした場合に達成される位置よりも遠い胃腸管にある一般に推定可能な位置で放出が達成され得る、送達をいう。ある実施態様にて、放出の遅延を達成する方法はコーティングである。いずれのコーティングも、コーティングのすべてがすべて約5より低いpHの胃腸液で溶解しないが、約5以上のpHで溶解するように、十分な厚みに塗布されるべきである。
ある実施態様にて、本発明の医薬組成物は、マトリックス制御放出装置を用いて組み立てられた制御放出の剤形である(Takadaら、「Encyclopedia of Controlled Drug Delivery」 Vol. 2、Mathiowitz編、Wiley、1999を参照)。
一の実施態様において、本発明の修飾放出剤形の医薬組成物は、合成ポリマーおよび天然ポリマーおよび多糖類および蛋白などの誘導体を含む、水−膨潤性、浸食性または可溶性ポリマーである、浸食性マトリックス装置を用いて処方される。
ある実施態様にて、マトリックス制御放出系は、薬物が胃で放出されないように、腸溶コーティングを含む。
本発明の医薬組成物は単位剤形または複数の剤形にて提供されてもよい。本願明細書にて使用される単位剤形は、ヒトおよび動物の対象への投与に適する物理的に別々の単位であって、当該分野にて知られているように、個々に包装されているものをいう。各単位用量は、必要とされる医薬担体または賦形剤と合わせて、所望の治療作用を得るのに十分な所定量の活性成分(複数でも可)を含有する。単位剤形の例として、個々に包装された錠剤およびカプセルが挙げられる。単位剤形はそのフラクションまたは複数の部分で投与されてもよい。複数の単位剤形は単一の容器に包装されている複数の同一の単位剤形であり、分離した単位剤形にて投与されるものである。複数の剤形の例として、錠剤またはカプセルのボトルが挙げられる。
他の実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む粉末の製剤は、一または複数の医薬用賦形剤およびフレーバーを含むように処方される。付加的な実施態様はまた、沈殿防止剤および/または湿潤剤を含む。このバルクブレンドは単位投与パッケージまたは複数の投与パッケージ単位に均一に細分割される。「均一」なる語は、バルクブレンドの均一性が実質的にパッケージ工程の間に維持されていることを意味する。
さらに別の実施態様にて、発泡性粉末が調製される。発泡性塩を用いて経口投与用の水に医薬を分散させる。発泡性塩は、通常、炭酸水素ナトリウム、クエン酸および/または酒石酸からなる乾燥混合液中に医薬を含有する、顆粒または粗粉末である。
本願明細書に記載の発泡性顆粒の製造法は、3つの基本的プロセス:湿式造粒、乾式造粒および溶融を利用する。溶融方法は最も大量に生産されている発泡性粉末の製造用に使用される。これらの方法は顆粒の調製を意図とするが、本願明細書に記載の発泡性塩の製剤は、一の実施態様にて、錠剤を調製する方法にしたがって、錠剤としても調製される。
一の実施態様において、経口的に使用される医薬製剤は、ゼラチンで製造された押し込み型カプセル、ならびにゼラチンで製造されたソフト密封カプセルおよびグリセロールまたはソルビトールなどの可塑剤を包含する。一の実施態様において、押し込み型カプセルは活性成分を乳糖などの充填剤、澱粉などの結合剤、および/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤を含有し、所望により安定化剤を含有してもよい。一の実施態様において、押し込み型カプセルは付加的な不活性成分なしで活性成分だけを含有する。一の実施態様において、ソフトカプセルにて、活性化合物を適当な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールに溶かすか、または懸濁させる。加えて、一の実施態様にて、安定化剤を添加する。他の実施態様にて、製剤をスプリンクルカプセルに入れ、ここでカプセルを完全に膨潤させるか、またはカプセルを開き、食べる前に中身を食物に振りかける。
経口投与用製剤はすべてかかる投与に適する剤形とすべきである。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)および対象に経口投与するための少なくとも1つの分散剤または沈殿防止剤を含む製剤が提供される。一の実施態様において、製剤は懸濁液用の散剤および/または顆粒であり、水と混合して、実質的に均一な懸濁液が得られる。
懸濁液がほとんど均質である場合、すなわち、懸濁液のどの点でも該懸濁液がほぼ同じ濃度の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の濃度からなる場合、懸濁液は「実質的に均一」である(USP Chapter 905)。
経口投与用の液体製剤剤形は水性懸濁液または非水性懸濁液である。
経口投与用液体製剤剤形は、限定されないが、水性経口分散液、エマルジョン、溶液およびシロップより選択される水性懸濁液である。例えば、Singhら、Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、2nd Ed.、pp. 754-757 (2002)を参照のこと。化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)に加えて、液体剤形は、(a)崩壊剤;(b)分散剤;(c)湿潤剤;(d)保存剤;(e)粘度増強剤;(f)甘味剤;(g)香料;(h)可溶化剤(バイオアベイラビリティ強化剤)などの添加剤を含む。
一の実施態様において、本願明細書に記載の水性懸濁液および分散液は、USP 第905章に規定されるように、少なくとも4時間均質な状態を保持する。
液体組成物は、具体的には、作用剤(例えば、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2))が溶液、懸濁液またはその両方にて存在する、液体の形態を取る。一の実施態様において、液体組成物は水性である。
液体組成物は、具体的には、作用剤(例えば、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2))が溶液、懸濁液またはその両方にて存在する、液体の形態を取る。一の実施態様において、液体組成物は非水性である。
一の実施態様において、水性懸濁液はまた、沈殿防止剤として一または複数のポリマーを含有する。有用なポリマーは、セルロースポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性ポリマー、架橋カルボキシル含有のポリマーなどの水不溶性ポリマーを包含する。一の実施態様において、有用な組成物はまた、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルコポリマー、アルギン酸ナトリウムおよびデキストランより選択される粘膜接着性ポリマーを含む。
一の実施態様において、医薬組成物はまた、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸および塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウムおよびトリスヒドロキシメチルアミノメタンなどの塩基、およびクエン酸塩/デキストロース、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムおよび塩化アンモニウムなどの緩衝液を含む、一または複数のpH調節剤または緩衝剤を含む。かかる酸、塩基および緩衝液は許容される範囲にて組成物のpHを維持するのに要する量で含まれる。
一の実施態様において、液体医薬組成物はまた、組成物の浸透圧を許容される範囲にするのに必要とされる量の一または複数の塩を含む。かかる塩は、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムカチオン、およびクロリド、シトレート、アスコルベート、ボレート、ホスフェート、ビカルボネート、サルフェート、チオサルフェートまたはビサルフェートアニオンを有する塩を包含し;適当な塩は塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムおよび硫酸アンモニウムを包含する。
一の実施態様において、医薬組成物はまた、微生物活性を阻害するのに一または複数の保存剤を包含する。
さらに別の組成物は、物理安定性を強化するのに、または他の目的のために一または複数の界面活性剤を含む。適当な非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)水素化ヒマシ油;およびポリオキシエチレンアルキルエーテルおよびアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40を包含する。
さらに別の組成物は、必要とされる化学安定性を強化するのに、一または複数の酸化防止剤を含む。適当な酸化防止剤は、単なる例示として、アスコルビン酸、トコフェロールおよびメタ重亜硫酸ナトリウムを包含する。
一の実施態様において、水性組成物は単回用量の再密閉できない容器に包装される。あるいはまた、複数回投与用の再密閉可能な容器を利用し、そのような場合には、保存剤を組成物に含めるのが典型的である。
ある実施態様にて、水性医薬組成物は保存剤を含まず、調製から24時間以内に使用される。
ある実施態様にて、水性医薬組成物は活性医薬組成物のバイオアベイラビリティの向上を助成する一または複数の可溶化剤を含む。ある実施態様にて、可溶化剤はラブラゾール、ルトロール(マクロゲル、ポロキサマー)および当該分野にて既知の他の可溶化剤より選択される。
本発明の経口的医薬溶液は、幼児(2歳未満)、10歳以下の子供および固形経口剤形を飲み込むまたは取り込むことができない患者に投与するのに有益である。
バッカルまたは舌下投与では、一の実施態様にて、該組成物は一般的方法にて投与される錠剤、トローチまたはゲルの形態をとる(例えば、米国特許第4,229,447号、第4,596,795号、第4,755,386号、および第5,739,136号を参照のこと)。
一の実施態様において、糖衣錠のコアは適切なコーティングで調製される。この目的のために、濃縮された糖溶液を用い、それは、所望により、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー液、および適当な有機溶媒または溶媒混合液を含有してもよい。一の実施態様において、活性化合物を同定するために、あるいは異なる組み合わせを特徴付けるのに、色素または染料が錠剤または糖衣錠のコーティングに投与される。
多くの担体および賦形剤は同じ製剤内にあってさえ複数の機能を供することが理解される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は吸入/経鼻的デリバリーに適する医薬組成物の形態にて処方される。ある実施態様にて、医薬組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、コロイド性分散液、スプレー、乾燥粉末、エアロゾルまたはその組み合わせの形態である。ある実施態様にて、医薬組成物は、経鼻/吸入用医薬組成物に一般に使用される、少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む。ある実施態様にて、医薬組成物は噴霧器、吸入器、ネブライザー、ベポライザーまたは用量計量吸入具で投与される。ある実施態様にて、医薬組成物は経鼻的または経口的に吸入される。ある実施態様にて、結晶性化合物1は医薬組成物にて使用される。ある実施態様にて、結晶性化合物2は医薬組成物にて処方される。ある実施態様にて、非晶質化合物1は医薬組成物にて使用される。ある実施態様にて、非晶質化合物2は医薬組成物にて使用される。
典型的な経鼻/吸入用製剤は、例えば、Ansel、H. C.ら、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第6版(1995);REMINGTON:THE SCIENCE AND PRACTICE OF PHARMACY、第21版、2005に記載される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は経鼻用スプレー、経鼻用ミスト等の形態にて処方される。
吸入による投与では、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、エアロゾル、ミストまたは粉末としての使用に処方される。
ある実施態様にて、経鼻/吸入用投与に適する医薬組成物は、都合よくは、適切な噴射剤の使用で、圧縮パックまたはネブライザーよりエアロゾルスプレーの形態にて送達される。吸入器または吸入具の使用のための、本発明の化合物の粉末混合物および乳糖または澱粉などの適当な粉末基剤を含有する、カプセルおよびカートリッジに処方されてもよい。
ある実施態様にて、医薬組成物は哺乳動物への経鼻/吸入送達のための粉末の形態である。ある実施態様にて、散剤は、凝集を防止するより大きな担体粒子とブレンドされる、微小化および/またはナノ粒子の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む。例えば、一の実施態様にて、乾燥粉末製剤は、次のように:化合物1 またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)はジェットミル化される。乳糖をジェットミル化し、2種の成分を混合し、最終混合物を滅菌吸入器に充填する。ある場合には、本発明の粉末吸入性製剤は、化合物1の結晶性粒子を含む。ある場合には、本発明の粉末吸入性製剤は、化合物2の結晶性粒子を含む。ある実施態様には、本発明の粉末吸入性製剤は、化合物1の非晶質粒子を含む。ある実施態様には、本発明の粉末吸入性製剤は、化合物2の非晶質粒子を含む。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、経皮用剤形として調製される。一の実施態様において、ここに記載の経皮用製剤は少なくとも3種の成分:(1)化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2);(2)浸透促進剤;および(3)水性補助剤を含む。ある実施態様にて、経皮用製剤は、限定されないが、ゲル化剤、クリームおよび軟膏基剤等などの付加的な成分を含む。ある実施態様にて、経皮用製剤は、さらには、経皮用製剤の吸収を強化し、経皮用製剤が皮膚から剥がれるのを防止するために裏地または裏地以外の材料を含む。他の実施態様にて、ここに記載の経皮用製剤は、飽和または過飽和状態を維持し、皮膚中への拡散を促進しうる。
一の態様において、ここに記載の化合物の経皮投与に適する製剤は、経皮送達装置および経皮送達パッチを利用し、ポリマーまたは粘着剤に溶解および/または分散されている、脂溶性乳濁液または緩衝化された水性溶液とすることができる。一の態様において、かかるパッチは、医薬剤を持続的、パルス的または要求に応じて送達するように構成される。その上さらに、ここに記載の化合物の経皮用送達はイオントフォレーゼのパッチ等の手段により達成され得る。一の態様において、経皮パッチは活性な化合物を制御して送達することを提供する。一の態様において、経皮装置は、裏打ち材料と、該化合物および担体を任意に含有するリザバーと、所望により該化合物を宿主の皮膚に制御された所定の速度で長期にわたって送達するための速度調節バリアと、該装置を皮膚に固定するための手段とからなる包帯の形態である。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、筋肉内、皮下または静脈内注射に適する医薬組成物に処方される。一のある態様において、筋肉内、皮下または静脈内注射に適する製剤は、生理学的許容される滅菌水性または非水性溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、および滅菌注射可能な溶液または分散液に復元するための滅菌散剤を含む。例えば、レシチンなどのコーティング剤を用い、分散液の場合で必要とされる粒径を維持し、および界面活性剤を用いることで、適切な流動性が維持され得る。ある実施態様にて、皮下注射に適する製剤はまた、保存剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤などの添加剤を含有する。ある場合には、糖、塩化ナトリウム等の等張剤を配合することが望ましい。注射可能な医薬形態の長期吸収は、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンなどの吸収を遅らせる剤を用いることでもたらされ得る。
静脈内注射の場合、本願明細書に記載の化合物は、水溶液、好ましくは生理学的に相溶性のある緩衝液、例えばハンク溶液、リンガー溶液または生理学的セイライン緩衝液に処方される。経粘膜投与の場合、浸透されるバリアに適する浸透剤が該製剤にて使用される。かかる浸透剤は一般に当該分野にて知られている。他の非経口注射の場合、適当な製剤は、好ましくは、生理学的に相溶性のある緩衝液または賦形剤を含む水性または非水性溶液を包含する。かかる賦形剤は知られている。
非経口用注射はボーラス注射または持続注入を含んでもよい。注射用製剤は単位剤形にて、例えばアンプルまたは保存剤を添加した複数回投与用容器にて提供される。本願明細書に記載の医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中、滅菌懸濁液、溶液または乳濁液のように非経口注射に適する形態であってもよく、沈殿防止剤、安定化剤および/または分散剤などの処方化剤を含有してもよい。一の態様において、活性成分は、使用前に適当なベヒクル、例えば滅菌発熱物質不含水で復元する、散剤の形態である。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は局所的に投与され、溶液、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バルム、クリームまたは軟膏などの種々の局所的に投与可能な組成物に処方され得る。かかる医薬化合物は、可溶化剤、安定化剤、等張性強化剤、緩衝剤および保存剤を含有し得る。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は局所投与され、液剤、懸濁液、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バルム、クリームまたは軟膏などの、種々の局所投与可能な組成物に処方され得る。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の投与量
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の有効量は約1mg〜約2g/用量、約1mg〜約1.5g/用量、約5mg〜約1500mg/用量または約10mg〜約1500mg/用量である。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の有効量は約1mg〜約5g/日、約5mg〜約2g/日、約5mg〜約1.5g/日、約10mg〜約1.5g/日、または約10mg〜約1g/日である。
一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の有効量は約5mg/用量、約10mg/用量、約15mg/用量、約20mg/用量、約25mg/用量、約50mg/用量、約100mg/用量、約150mg/用量、約200mg/用量、約250mg/用量、約300mg/用量、約350mg/用量、約400mg/用量、約450mg/用量、約500mg/用量、約550mg/用量、約600mg/用量、約650mg/用量、約700mg/用量、約750mg/用量、約800mg/用量、約850mg/用量、約900mg/用量、約1000mg/用量または約1500mg/用量である。
ある実施態様にて、経口用医薬溶液は約0.0.01mg/ml〜約10mg/mlの化合物2を含む。ある実施態様にて、経口用医薬溶液は約1mg/ml〜約10mg/mlの化合物2を含む。
ある態様において、即時放出性錠剤は約5%w/w〜約50%w/wの化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む。ある実施態様にて、即時放出性錠剤は約5%w/w〜約40%w/wまたは約5%w/w〜約30%w/wの化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む。ある実施態様にて、即時放出性錠剤は約5%w/w、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約33%w/w、約35%w/w、約40%w/wの化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む。
ある態様において、即時放出性カプセルは約1.25%w/w〜約50%w/wの化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む。ある実施態様にて、即時放出性カプセルは化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)およびカプセル殻だけを含む。
投与方法および投与計画
一の実施態様において、本発明の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、予防的および/または治療的処置のために投与される。治療用途においては、組成物は、一の疾患または症状に既に罹患している患者に、該疾患または症状の少なくとも1つの症状を治癒するか、または少なくとも部分的に阻む量にて投与される。ある実施態様にて、この使用に効果的な量は、疾患または症状の重度および経過、従前の治療、患者の健康状態、体重および薬物に対する応答、および/または医師の判断に依存する。
予防的処置にて、本発明の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含有する組成物は、特定の疾患、障害または症状に感受的、さもなければその危険のある患者に投与される。かかる量は「予防的に有効な量または用量」であると定義される。この使用において、正確な量はまた、患者の健康状態、体重等に依存する。患者に使用される場合、この使用に有効な量は、疾患、障害または症状の重度および経過、従前の治療、患者の健康状態および薬物に対する応答、ならびに医者の判断に依存するであろう。
ある実施態様にて、本発明の化合物、組成物または治療薬の投与は慢性投与を包含する。ある実施態様にて、慢性投与は、患者の疾患または症状の症状を改善するのに、さもなければその症状を制御または制限するために、例えば、患者の人生を通して投与することを含め、長期間にわたって投与されることを包含する。ある実施態様にて、慢性投与は毎日の投与を包含する。
ある実施態様にて、本発明の化合物、組成物または治療薬の投与は連続的に服用される。もう一つ別の実施態様にて、投与される薬物の量は一時的に減少し、または一時的に一定期間中断(すなわち、「休薬」)されるかもしれない。休薬の長さは、2日〜1年、ほんの一例として、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間および365日間で変化する。休薬の間の用量の減少割合は、10%−100%であり、単なる例示として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%および100%を含む。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)はその必要とされる哺乳動物に一日に一回投与される。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)はその必要とされる哺乳動物に一日に二回投与される。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)はその必要とされる哺乳動物に一日に三回投与される。
ある実施態様にて、本発明の化合物、組成物または治療剤は、少なくとも1つの起爆用量で、つづいて少なくとも1つの維持用量にて投与される。ある実施態様にて、作用剤の起爆用量は、治療される障害、疾患または症状の徴候が緩和されるまで(例えば、満足するレベルまで)、投与される。緩和してから、所望によりまたは必要に応じて、維持用量の本発明の化合物、組成物または治療剤が投与される。ある実施態様にて、維持用量は起爆用量の投与により達成される緩和を少なくとも部分的に維持するのに十分な量にて本発明の作用剤(複数でも可)を投与することを含む。種々の実施態様にて、維持用量は、起爆用量と比べて、該方法にて投与される作用剤あるいは一または複数の作用剤の投与量および/または投与頻度を少なくすることを含む。しかしながら、ある実施態様にて、徴候の再発で、頻度および/または投与量の増加した間欠的治療を必要とするかもしれない。
ある実施態様にて、点火または維持量に対応する所定の薬剤の量は、限定されるものではないが、利用される特定の作用剤、疾患、症状およびその重度、治療を必要とする対象または宿主の固有性(例えば、体重)、および/または投与経路を含む因子に応じて変化する。種々の実施態様において、所望の用量は、都合よくは、単回用量にて、または同時に(または短時間のうちに)あるいは適当な間隔で、例えば一日に2回、3回、4回またはそれ以上に細分割した回数の用量で服用される。
薬物動態的および薬力学的分析
一の実施態様において、標準的な薬物動態的プロトコルを用い、(化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を含む)本発明の製剤を投与した後のヒト血漿中濃度プロフィールを測定する。例えば、一群の成人健常者の対象を用いて、無作為化単回投与交差実験を行う。対象の数は統計分析にて差異の適切な対照を付与するのに十分な数であり、特定の目的のためには、より少ない人数群で十分であるが、典型的には約10人またはそれ以上である。各対象は、単回用量の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の製剤を、通常、一夜絶食してほぼ8amに服用する。対象は絶食を続け、該製剤を投与した後の約2時間直立位置を維持する。血液サンプルを投与前に(例えば、15分前に)、投与後に複数の間隔で各対象より集める。ある場合には、複数のサンプルを1時間以内に受け、その後はそれほど頻繁には受けない。具体的には、血液サンプルを0(投与前)、投与した0.25、0.5、1、2、3、4、6、8、12および16時間後に、投与した24、36、48、60および72時間後に集める。同じ対象が別の試験製剤の実験に使用されるならば、別の製剤を投与するまでに少なくとも10日間は経過すべきである。遠心分離により血漿を血液サンプルより分離し、分離した血漿を、例えば、Ramuら、Journal of Chromatography B, 751 (2001) 49-59)などの有効な高速液体クロマトグラフィー/タンデム質量分光分析(LC/APCI−MS/MS)操作により化合物1について分析する。
所望の薬物動態プロフィールを付与する製剤は、本発明の方法による投与に適している。
患者の選択
LPA介在性疾患または症状を予防または治療することに関する上記したいずれかの態様にて、さらなる実施態様は、LPA受容体遺伝子SNPについてスクリーニングすることで患者を同定することを含む。LPA1のプロモータ領域にあるSNPは2種の独立した集団にて膝骨関節炎との有意な関係を示した(Mototaniら、Hum. Mol. Genetics、17巻、第12、2008)。さらには、関心のある組織でのLPA受容体の発現の増加に基づいて患者を選択することもできる。例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)は、B−リンパ球アポトーシスの遮断の結果として生じる、末梢血、骨髄およびリンパ系器官におけるCD19+/CD5+B−リンパ球の蓄積により特徴付けられる。LPAはあるCLL細胞をアポトーシスより保護することができ、LPAにより保護される細胞は高レベルのLPA1mRNAを有する。ある実施態様にて、CLL患者はLPA1Rの発現に基づいて選択される。LPA受容体発現は、以下に限定されないが、ノーザンブロット、ウエスタンブロット、定量的PCR(qPCR)、フローサイトメトリー、(小分子ラジオリガンドまたはPETリガンドを用いる)オートラジオグラフィーを含む、方法により決定される。ある実施態様にて、質量分析により測定される血清または組織LPAの濃度に基づいて患者は選択される。LPA濃度は卵巣癌腹水およびある乳癌浸出液中で高い。ある実施態様にて、患者は上記したマーカー(高いLPA濃度および高いLPA受容体発現)の組み合わせに基づいて選択される。
併用療法
ある場合には、少なくとも1つの化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、もう一つ別の治療剤と併せて投与することが考えられる。単なる例示として、本発明の化合物の一を服用した患者が経験する副作用の一が炎症である場合、抗炎症剤を第一の治療剤と併用して投与することが考えられる。
あるいは、一の実施態様において、ここに記載の化合物の一の治療的有効性は、補助剤(すなわち、補助剤自体が最小限の治療的有用性を有してもよいが、もう一つ別の治療剤との併用にて、患者に対する治療的有用性は全体として強化される)の投与により強化される。あるいは、ある実施態様にて、患者が経験する利益はここに記載の化合物の一を、治療的利益をも有する、もう一つ別の治療剤(治療計画をも包含する)と一緒に投与することで強化される。
一の特定の実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、第二の治療剤と共同して投与され、ここで化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)および第二の治療剤は治療される疾患、障害または症状の異なる態様を制御し、それによりいずれかの治療剤を単独で投与するよりも全体としてより大きな利益を提供する。
ともかく、治療される疾患、障害または症状に関係なく、患者が経験する全体としての利益は、単純に2種の治療剤の相加であってもよく、あるいは患者は相乗的利益を経験してもよい。
ある実施態様にて、本願明細書に開示の化合物の異なる治療的に有効な投与量は、ここに開示の化合物が付加的に治療的に有効な薬剤、補助剤等などの一または複数の付加剤と併用して投与された場合に、医薬組成物の処方にて、および/または治療計画にて使用されるであろう。併用治療計画にて用いるための薬物および他の剤の治療的に有効な投与量は、それ自体が活性である上記した薬物等と同様の手段により決定され得る。さらには、本願明細書に記載の防止/治療の方法は、メトロノーム投与、すなわち、毒性の副作用を最小限とするために、より頻繁に、より小用量にて付与する投与を用いることを包含する。ある実施態様にて、併用治療計画は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の投与を、本願明細書に記載の第二の剤で治療する前に、間に、または後に開始し、第二の剤で処置する間はいつでも、あるいは第二の剤での治療を終えた後も続ける、治療計画を包含する。化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)ならびに併用にて使用される第二の剤が、同時に、または別々の時期に、および/または治療期間の間に短いまたは長い間隔で投与される、治療も包含する。併用治療はさらに、種々の時点で開始し、停止して患者の臨床管理を補助する、定期的な治療を包含する。
併用療法用の組成物および方法が本願明細書にて提供される。一の態様によれば、本願明細書に開示の医薬組成物は、LPA依存性であるか、LPA介在性症状を治療するのに使用される。
緩和が求められる症状を治療、防止または改善する投与計画は種々の要因に従って修飾されることが理解される。これらの要因は、対象が罹患している疾患、障害または症状、ならびに対象の年齢、体重、性別、食事および病状を包含する。かくして、ある場合には、実際に利用される投与計画は変化し、ある実施態様にて本願明細書に記載の投与計画から逸脱している。
本願明細書に記載の併用療法の場合、共同して投与される化合物の投与量は、共同して用いられる薬物の型に、使用される特定の薬物に、治療される疾患または症状等に応じて変化する。付加的な実施態様にて、一または複数の他の治療剤と共同して投与される場合、本願発明の化合物は一または複数の他の治療剤と同時に、または連続して投与される。
併用療法にて、複数の治療剤(その一つがここに記載の化合物の一つである)はいずれの順序でも、あるいは同時でも投与される。同時投与の場合、複数の治療剤が、ほんの一例として、単一の統一された形態にて、または複数の形態にて(例えば、単一のピルまたは2つの別々のピルとして)提供される。一の実施態様において、治療剤の一つが複数回の投与で付与され、もう一つ別の実施態様にて、2つ(あるとすれば、それ以上)が複数回の投与で付与される。同時投与以外の投与のある実施態様にて、複数回投与の間の時間は、0週から、4週未満と変化する。加えて、併用の方法、組成物および製剤は単に2種の薬剤の使用に限定されるものではなく;複数の治療剤の組み合わせも予想される。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)、および併用治療剤は、疾患または症状が発生する前、間または後に投与され、一の化合物を含有する組成物を投与するタイミングは多様である。かくして、一の実施態様において、ここに記載の化合物は予防剤として用いられ、症状または疾患を発症しやすい対象に同時に投与されて、疾患または症状の発生を防止する。もう一つ別の実施態様において、化合物および組成物は、その徴候を発する間に、または発した後できるだけ早く、対象に投与される。特定の実施態様にて、ここに記載の化合物は、疾患または症状の罹患が検出または疑われた後、可及的速やかに、かつ疾患の治療に必要とされる期間にわたって投与される。ある実施態様にて、治療に要する期間は変化し、その治療期間は各対象の特定の要求に適合するように調節される。例えば、特定の実施態様にて、ここに記載の化合物または該化合物を含有する製剤は、少なくとも2週間、約1ヶ月ないし約5年間投与される。
一例として、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、LPA合成またはシグナル伝達経路の同じ点または他の点のいずれかで作用する、LPA合成の阻害剤またはLPA受容体アンタゴニストと組み合わせる療法は、LPA依存性またはLPA介在性疾患または症状を治療するのに本願発明にて包含される。
本願明細書に記載のもう一つ別の実施態様にて、癌を含む、増殖性障害などのLPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療方法は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、ほんの一例としての、アレムツズマブ、三酸化ヒ素、アスパラギナーゼ(ペグ化または非ペグ化)、ベバシズマブ、セツキシマブ、シスプラチンなどの白金基剤化合物、クラドリビン、ダウノルビシン/ドキソルビシン/イダルビシン、イリノテカン、フルダラビン、5−フルオロウラシル、ゲンツズマブ、メトトレキセート、パクリタキセル(登録商標)、タキソール、テモゾロマイド、チオグアニンまたはホルモンを含む一連の薬剤(抗エストロゲン、抗アンドロゲンまたはゴナドトロピン放出ホルモン類似体)、アルファインターフェロンなどのインターフェロン、ブスルファンまたはメルファランもしくはメクロレタミンなどのナイトロジェンマスタード、トレチノインなどのレチノイド、イリノテカンまたはトポテカンなどのトポイソメラーゼ阻害剤、ゲフィニチニブまたはイマチニブなどのチロシンキナーゼ阻害剤あるいはアロプリノール、フィルグラスチム、グラニセトロン/オンダンセトロン/パロノセトロン、ドロナビノールを含む、かかる治療剤により誘発される徴候または症状を治療するための薬剤より選択される、少なくとも一つの付加的な薬剤と組み合わせて投与することを特徴とする。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、一または複数の抗癌剤と併用して投与または処方される。ある実施態様にて、一または複数の抗癌剤はアポト−シス促進剤である。抗癌剤の例として、限定されないが、以下の薬剤:ゴシポール、ゲナセンス、ポリフェノールE、クロロフシン、あらゆるトランス−レチノイン酸(ATRA)、ブリオスタチン、腫瘍壊死因子関連性アポトーシス誘発性リガンド(TRAIL)、5−アザ−2’−デオキシシチジン、あらゆるトランスレチノイン酸、ドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、ゲムシタビン、イマチニブ、ゲルダナマイシン、17−N−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17−AAG)、フラボピリドール、LY294002、ボルテゾミブ、トラスツズマブ、BAY11−7082、PKC412またはPD184352、タキソール(登録商標)およびタキソテル(登録商標)などのタキソール(登録商標)のアナログが挙げられる。共通の構造的特徴として、基本となるタキサン骨格を有する化合物はまた、微小管の安定化に起因してG2−M期にある細胞運動を停止させる能力を有することが分かっており、ここに記載の化合物と組み合わせて癌を治療するのに有用であるかもしれない。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と組み合わせて使用される抗癌剤としてのさらなる例は、分裂促進因子活性化タンパク質キナーゼシグナル伝達の阻害剤、例えば、U0126、PD98059、PD184352、PD0325901、ARRY−142886、SB239063、SP600125、BAY43−9006、ウォルトマンニンまたはLY294002;Syk阻害剤;mTOR阻害剤;および抗体(例えば、リツキサン)を包含する。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と併用して用いられる他の抗癌剤は、一または複数の以下の薬剤:アビラテロン;アバレリックス;アドリアマイシン;アクチノマイシン;アシビシン;アクラルビシン;塩酸アコダゾール;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アレムツズマブ;アロプリノール;アリトレチノイン;アルトレタミン;アムボマイシン;酢酸アメタントロン;アミノグルテチミド;アミノレブリン酸;アミホスチン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アプレピタント;三酸化ヒ素;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;塩酸ベンダムスチン;ベンゾドパ;ベバシズマブ;ベキサロテン;ビカルタミド;塩酸ビサントレン;ビスナフィドジメシレート;ビゼレシン;ブレオマイシン;硫酸ブレオマイシン;ボルテゾミブ;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カルセミド;カルベチメル;カルボプラチン;カルムスチン;塩酸カルビシン;カルゼルシン;カペシタビン;セデフィンゴール;セツキシマブ;クロランブシル;シロルマイシン;シスプラチン;クラドリビン;クロファラビン;クリスナトールメシレート;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダサチニブ;塩酸ダウノルビシン;ダクチノマイシン;ダルベポエチンアルファ;デシタビン;デガレリックス;デニロイキンジフチトックス;デキソルマプラチン;塩酸デキストラゾキサン;デザグアニン;デザグアニンメシレート;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;塩酸ドキソルビシン;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;ヅアゾマイシン;エダトレキセート;塩酸エフロルニチン;エルサミトルシン;エルトロンボパゴールアミン;エンロプラチン;エンプロメート;エピプロピジン;塩酸エピルビシン;エポエチンアルファ;エルブロゾール;塩酸エルロチニブ;塩酸エソルビシン;エストラムスチン;エストラムスチン ホスフェートナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;エトポシドリン酸;エトプリン;エベロリムス;エキセメスタン;塩酸ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フロキシウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスクイドン;ホストリエシンナトリウム;フルベストラン;ゲフィチニブ;ゲムシタビン;塩酸ゲムシタビン;ゲムシタビン−シスプラチン;ゲムツズマブオゾガマイシン;酢酸ゴセレリン;酢酸ヒストレリン;ヒドロキシウレア;塩酸イダルビシン;イホスファミド;イイモホシン;イブリツモマブチウレキセタン;イダルビシン;イホスファミド;イマチニブメシレート;イミクイモド;インターロイキンII(組換えインターロイキンIIまたはrIL2を含む)、インターフェロンアルファ−2a;インターフェロンアルファ−2b;インターフェロンアルファ−n1;インターフェロンアルファ−n3;インターフェロンベータ1a;インターフェロンガンマ−1b;イプロプラチン;塩酸イリノテカン;イキサベピロン;酢酸ランレオチド;ラパチニブ;レナリドミド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;ロイコボリンカルシウム;酢酸ロイプロリド;レバミソール;リポソームシタラビン;塩酸リアロゾール;ロメトレソールナトリウム;ロムスチン;塩酸ロゾキサントロン;マソプロコール;メイタンシン;塩酸メクロレタミン;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキセート;メトトレキセートナトリウム;メトキササレン;メトプリン;メツレデパ;ミニンドミド;ミトカルシン;ミトクロミン;ミトギリン;ミトマルシン;マイトマイシンC;ミトスペル;ミトタン;塩酸ミトキサントロン;ミコフェノール酸;プロピオン酸ナンドロロンフェン;ネララビン;ニロチニブ;ノコダゾイエ;ノフェツモマブ;ノガラマイシン;オファツムマブ;オプレルベキン;オルマプラチン;オキサリプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;パリフェルミン;塩酸パロノセトロン;パミドロネート;ペグフィルグラスチム;ペメトレキセドジナトリウム;ペントスタチン;パニツムマブ;塩酸パゾパニブ;ペメトレキセドジナトリウム;プレリキサフォル;プララトレキセート;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;塩酸ピロキサントロン;ピリカマイシン;プロメスタン;ポルフィメルナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドミムスチン;塩酸プロカルバジン;プロマイシン;塩酸プロマイシン;ピラゾフリン;キナクリン;塩酸ラロキシフェン;ラスブリカーゼ;組換えHPV二価ワクチン;組換えHPV四価ワクチン;リボプリン;ログレチミド;リツキシマブ;ロミデプシン;ロミプロスチム;サフィノゴール;塩酸サフィノゴール;サルグラモスチム;セムスチン;シムトラゼン;シプロイセル−T;ソラフェニブ;スパルホサトナトリウム;スパルソマイシン;塩酸スピロゲルマニウム;スピロムスチン;スピロプラチン;スロレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;マレイン酸スミチニブ;タリソマイシン;クエン酸タモキシフェン;テコガランナトリウム;テガフール;塩酸テロキサントロン;テモゾロマイド;テモポルフィン;テムシロリムス;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;タリドミド;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;塩酸トポテカン;トレミフェン;トシツモマブ;トシツモマブおよびI131ヨーダイントシツモマブ;トラスツズマブ;酢酸トレストロン;トレチノイン;リン酸トリシリビン;トリメトレキセート;グルクロン酸トリメトレキセート;トリプトレリン;塩酸ツブロゾール;ウラシルマスタード;ウレデパ;バルルビシン;バプレオチド;ベルテポルフィン;ビンブラスチン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシネート;硫酸ビンロイノシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボリノスタット;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;ゾレドロン酸;塩酸ゾルビシンを包含する。
併用して使用されるさらに別の抗癌剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、天然産物またはホルモン、例えば、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクホスファミド、クロランブシル等)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン等)またはトリアゼン(デカルバジン等)を包含する。代謝拮抗剤の例は、限定されないが、葉酸アナログ(例えば、メトトレキセート)またはピリミジンアナログ(例えば、シタラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を包含する。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と併用して使用される天然産物の例は、限定されないが、ビンカアルカロイド(例えば、ビンブラスチン、ビンクリスチン)、エピポドフィロトキシン(例えば、エトポシド)、抗生物質(例えば、ダウノルビシン、ドキソルビシン、ブレオマイシン)、酵素(例えば、L−アスパラギナーゼ)または生物学的応答調節物質(例えば、インターフェロンアルファ)を包含する。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と併用して使用されるアルキル化剤の例は、限定されないが、ナイトロジェンマスタード(例えば、メクロロエタミン、シクロホスファミド、クロランブシル、メイファラン等)、エチレニミンおよびメチルメラミン(例えば、ヘキサメチルメラミン、チオテパ)、スルホン酸アルキル(例えば、ブスルファン)、ニトロソ尿素(例えば、カルムスチン、ロムスチン、セムスチン、ストレプトゾシン等)またはトリアゼン(デカルバジン等)を包含する。代謝拮抗剤の例は、限定されるものではないが、葉酸アナログ(例えば、メトトレキセート)またはピリミジンアナログ(例えば、フルオロウラシル、フロキシウリジン、シタラビン)、プリンアナログ(例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、ペントスタチン)を包含する。
化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)と併用して使用されるホルモンおよびアンタゴニストの例は、限定されないが、アドレノ副腎皮質ステロイド(例えば、プレドニゾン)、プロゲスチン(例えば、ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸、メゲストロール酢酸、メドロキシプロゲステロン酢酸)、エストロゲン(例えば、ジエチルスチルベストロール、エチニルエストラジオール)、抗エストロゲン(例えば、タモキシフェン)、アンドロゲン(例えば、テストステロンプロピオン酸、フルオキシメステロン)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド)、ゴナドトロピン放出ホルモンアナログ(例えば、ロイプロリド)を包含する。癌の治療または予防用のここに記載の方法および組成物に用いることのできる他の薬剤は、白金配位複合体(例えば、シスプラチン、カルボプラチン)、アントラセンジオン(例えば、ミトキサントロン)、置換ウレア(例えば、ヒドロキシウレア)、メチルヒドラジン誘導体(例えば、プロカルバジン)、副腎皮質抑制剤(例えば、ミトタン、アミノグルテチミド)を包含する。
微小管の安定化に起因してG2−M期にある細胞運動を停止させることで作用する抗癌剤の例は、限定されるものではないが、以下の市販されている薬物および開発中の薬物:エルブロゾール、ドラスタチン10、ミボブリンイセチオン酸、ビンクリスチン、NSC−639829、ディスコデルモリド、ABT−751、アルトルヒルチン(Altorhyrtin)(アルトルヒルチンAおよびアルトルヒルチンCなど)、スポンギスタチン(スポンギスタチン1、スポンギスタチン2、スポンギスタチン3、スポンギスタチン4、スポンギスタチン5、スポンギスタチン6、スポンギスタチン7、スポンギスタチン8およびスポンギスタチン9など)、セマドチン塩酸、エポシロン(エポシロンA、エポシロンB、エポシロンC、エポシロンD、エポシロンE、エポシロンF、エポシロンBN−オキシド、エポシロンAN−オキシド、16−アザ−エポシロンB、21−アミノエポシロンB、21−ヒドロキシエポシロンD、26−フルオロエポシロン、アウリスタチンPE、ソブリドチン、ビンクリスチン硫酸、クリプトフィチン52、ビチレブアミド、ツブリシンA、カナデンソール、センタウレイジン、オンコシジンA1 フィジアノリドB、ラウリマリド、ナルコシン、ナスカピン、ヘミアステルリン、バナドセンアセチルアセトネート、インダノシン エリュテロビン(デスメチルエリュテロビン、デスアエチルエリュテロビン、イソエリュテロビンA、およびZ−エリュテロビンなど)、カルバエオシド、カリバエオリン、ハリコンドリンB、ジアゾナミドA、タクカリノリドA、ジオゾスタチン、(−)−フェニルアヒスチン、ミオセベリンB、レスベラスタチンリン酸ナトリウムを包含する。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、血栓溶解剤(例えば、アルテプラーゼ、アニストレプラーゼ、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼまたは組織プラスミノーゲンアクチベーター)、ヘパリン、チンザパリン、ワルファリン、ダビガトラン(例えば、ダビガトランエテキシレート)、Xa因子阻害剤(例えば、フォンダパリヌクス、ドラパリヌクス、リバロキサバン、DX−9065a、オタミキサバン、LY517717またはYM150)、チクロピジン、クロピドグレル、CS−747(プラスグレル、LY640315)、キシメラガトランまたはBIBR1048と共同して投与される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、吐き気または嘔吐を治療するために、制吐剤と組み合わせて使用される。制吐剤は、限定されるものではないが、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、5HT3受容体アンタゴニスト(オンダンセトロン、グラニセトロン、トロピセトロン、パロノセトロンおよびザチセトロンなど)、GABAB受容体アゴニスト(バクロフェンなど)、副腎皮質ステロイド(デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン等など)、ドパミンアンタゴニスト(限定されないが、ドムペリドン、ドロペリドール、ハロペリドール、クロルプロマジン、プロメタジン、プロクロルペラジン、メトクロプラミドなど)、抗ヒスタミン(限定されないが、シクリジン、ジフェンヒドラミン、ジメンヒドリネート、メクリジン、プロメタジン、ヒドロキシジンなどのH1ヒスタミン受容体アンタゴニスト)、カンナビノイド(限定されないが、カンナビス、マリノール、ドロナビノールなど)およびその他(限定されないが、トリメトベンズアミド;ジンジャー、エメトロール、プロポフォールなど)を包含する。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、貧血の治療に有用な薬剤と併用して使用される。かかる貧血の治療剤は、例えば、連続赤血球生成受容体アクチベータ(エポエチン−αなど)である。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、好中球減少症の治療に有用な薬剤と併用して使用される。好中球減少症の治療に有用な薬剤の例は、限定されないが、ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)などの好中球の産生および機能を調節する造血成長因子を包含する。G−CSFの例はフィルグラスチムを包含する。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、放射線療法(または放射線治療)と組み合わせて使用される。放射線療法は、電離放射線を用いる癌または他の疾患の治療である。放射線療法は、皮膚、舌、咽頭、脳、乳房、前立腺、結腸、子宮および/または頚部の癌などの局所的固形腫瘍の治療に使用され得る。白血病およびリンパ腫(各々、造血細胞およびリンパ系の癌)の治療にも使用され得る。
癌細胞に放射線を送達する方法は、腫瘍または体腔に放射性移植片を直接配置することである。このことは内部放射線療法(小線源療法、間質性照射および腔内照射が内部放射線療法の型である)とも称される。内部放射線療法を用いる場合、放射線量は小部位に集められ、患者は2、3日の間在院する。内部放射線療法は、舌、子宮、前立腺、結腸および頚部の癌に使用されることが多い。
「放射線療法」または「電離放射線」なる語は、限定されるものではないが、α、βおよびγ放射線および紫外線を含め、あらゆる形態の放射線を包含する。
一の態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は哺乳動物における線維症を治療または緩和するのに使用される。一の態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は一または複数の免疫抑制剤と併用して投与される。免疫抑制療法は、臨床的には、移植された臓器および組織(例えば、骨髄、心臓、腎臓、肝臓)の拒絶反応を治療または予防するのに;自己免疫疾患または最も可能性の高い自己免疫源である疾患(例えば、関節リウマチ、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、クローン病および潰瘍性大腸炎)の治療;および他の非自己免疫炎症疾患(例えば、長期制御性アレルギー喘息)および線維性症状の治療にて使用される。
ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は副腎皮質ステロイドと一緒に投与される。ある実施態様にて、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、とりわけ:カルシニューリン阻害剤(限定されないが、サイクロスポリン、タクロリムスなど);mTOR阻害剤(限定されないが、シロリムス、エベロリムスなど);抗増殖剤(限定されないが、アザチオプリン、マイコフェノール酸など);副腎皮質ステロイド(限定されないが、プレドニゾン、コルチゾン酢酸、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、トリアムシノロン、ベクロメタゾン、フルドロコルチゾン酢酸、デオキシコルチコステロン酢酸、アルドステロン、ヒドロコルチゾンなど);抗体(限定されないが、モノクローナル抗−IL−2Rα受容体抗体(バシリキシマブ、ダクリズマブ)、ポリクローナル抗T細胞抗体(抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、抗リンパ球グロブリン(ALG)など)、B細胞アンタゴニスト、リツキシマブ、ナタリズマブより選択される治療薬と一緒に投与される。
他の治療剤は、限定されるものではないが、シクロホスファミド、ペニシラミン、サイクロスポリン、ニトロソ尿素、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、メトトレキセート、アザチオプリン、メルカプトプリン、ピリミジンアナログ、タンパク質合成阻害剤、ダクチノマイシン、アントラサイクリン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アトガム(R)、チモグロブリン(登録商標)、OKT3(登録商標)、バシリキシマブ、ダクリズマブ、サイクロスポリン、タクロリムス、シロリムス、インターフェロン(IFN−β、IFN−γ)、オピオイド、TNF結合タンパク質(インフリキシマブ、エタネルセプト、アダリムマブ、ゴリムマブ)、レフルノミド、ゴールドチオグルコース、ゴールドチオマレエート、オーロフィン、スルファサラジン、ヒドロキシクロロキニン、ミノサイクリン、ラパマイシン、ミコフェノール酸、ミコフェノール酸モフェチル、FTY720、ならびに米国特許第7,060,697号に列挙されている剤を包含する。
一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、サイクロスポリンA(CsA)またはタクロリムス(FK506)と併用して投与される。一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、限定されないが、非ステロイド系抗炎症剤(NSAID)および副腎皮質ステロイド(グルココルチコイド)を含む、抗炎症剤と組み合わせて哺乳動物に投与される。
NSAIDは、限定されるものではないが、アスピリン、サリチル酸、ゲンチジン酸、コリンマグネシウムサリチル酸、コリンサリチル酸、サリチル酸マグネシウム、サリチル酸ナトリウム、ジフルニサル、カルプロフェン、フェノプロフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルロビプロフェン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナブトン、ケトロラック、ケトロラックトロメタミン、ナプロキセン、オキサプロジン、ジクロフェナク、エトロラック、インドメタシン、スリンダク、トルメチン、メクロフェナメート、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、ピロキシカム、メロキシカム、COX−2特異的阻害剤(限定されないが、セレコキシブ、ロフェコキシブ、バルデコキシブ、パレコキシブ、エトリコキシブ、ルミラコキシブ、CS−502、JTE−522、L−745,337およびNS398など)を包含する。
副腎皮質ステロイドは、限定されるものではないが、ベタメタゾン、プレドニゾン、アルクロメタゾン、アルドステロン、アムシノニド、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、クロベタゾール、クロベタゾン、クロコルトロン、クロプレドノール、コルチゾン、コルチバゾール、デフラザコルト、デオキシコルチコステロン、デソニド、デソキシメタゾン、デスオキシコルトン、デキサメタゾン、ジフロラゾン、ジフルコルトロン、ジフルプレドネート、フルクロロロン、フルドロコルチゾン、フルドロキシコルチド、フルメタゾン、フルニソリド、フルオチノロンアセトニド、フルオチノニド、フルコルチン、フルオコルトロン、フルオロメトロン、フルペロロン、フルプレドニデン、フルチカゾン、ホルモコルタール、ハルシノニド、ハロメタゾン、ヒドロコルチゾン/コルチゾール、ヒドロコルチゾンアセポネート、ヒドロコルチゾンブテプレート、ヒドロコルチゾンブチレート、ロテプレドノール、メドリゾン、メプレドニゾン、メチルプレドニゾロン、メチルプレドニゾロンアセポネート、モメタゾンフロエート、パラメタゾン、プレドニカルベート、プレドニゾン/プレドニゾロン、リメキソロン、チキソコルトール、トリアムシノロンおよびウロベタゾールを包含する。
一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、ロイコトリエン受容体アンタゴニストと組み合わせて投与される。
本願明細書に記載のもう一つ別の実施態様にて、アテローム性動脈硬化症などのLPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療のための方法は、本発明の化合物、医薬組成物または医薬を、少なくとも1つの、ほんの一例としての、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、限定されるものではないが、ロバスタチン;シンバスタチン;ジヒドロキシオープン酸シンバスタチン、特にそのアンモニウムまたはカルシウム塩;プラバスタチン、特にそのナトリウム塩;フルバスタチン、特にそのナトリウム塩;アトルバスタチン、特にそのカルシウム塩;ニスバスタチン、NK−104とも称される;ロスバスタチンを含む、そのラクトン化またはジヒドロキシオープン酸の形態のスタチンおよびその医薬的に許容される塩およびエステル);脂質改変作用および他の医薬的活性の両方を有する薬剤;HMG−CoAシンターゼ阻害剤;エゼチミベなどのコレステロール吸収阻害剤;コレステロールエステル輸送タンパク質(CETP)阻害剤、例えばJTT−705およびCP529、414;スクアレンエポキシダーゼ阻害剤;スクアレン合成酵素阻害剤(スクアレンシンターゼ阻害剤としても知られている);アシル−補酵素A:ACAT−1またはACAT−2の選択的阻害剤ならびにACAT−1および−2の二元的阻害剤を含む、コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤;mイクロソームトリグリセリド輸送タンパク質(MTP)阻害剤;プロブコール;ナイアシン;胆汁酸金属イオン封鎖剤;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘発剤;血小板凝集阻害剤、例えば糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニストおよびアスピリン;通常、グリタゾンと称される化合物、例えばトログリタゾン、ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンを含み、チアゾリジンジオンとして知られる構造群の範囲に含まれる化合物を含む、ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニスト、ならびにチアゾリジンジオンの構造群の範囲外にあるPPARγアゴニスト;クロフィブラート、微小化フェノフィブラートおよびゲムフィブロジルを含むフェノフィブラートなどのPPARαアゴニスト;KRP−297としての知られている、5−[(2、4−ジオキソ−5−チアゾリジニル)メチル]−2−メトキシ−N−[[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メチル]−ベンズアミドなどのPPAR二元性α/γアゴニスト;ビタミンB6(ピリドキシンとしても知られている)およびHCl塩などのその医薬的に許容される塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られている);葉酸またはナトリウム塩およびメチルグルカミンなどのその医薬的に許容される塩またはエステル;ビタミンCおよびEおよびベータカロテンなどの抗酸化性ビタミン;ベータ遮断剤;ロサルタンなどのアンジオテンシンIIアンタゴニスト;エナラプリルおよびカプトプリルなどのアンジオテンシン変換酵素阻害剤;ニフェジピンおよびジルチアゼムなどのカルシウムチャンネルブロッカー;エンドセリンアンタゴニスト;ABC1遺伝子発現を亢進する薬剤;阻害剤およびアゴニストの両方を含むFXRおよびLXRリガンド;アレンドロネートナトリウムなどのビスホスホネート化合物;およびロフェコキシブおよびセレコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤より選択される付加的な薬剤と組み合わせて、患者に投与されることを特徴とする。
本願明細書に記載もう一つ別の実施態様にて、発作の療法などの、LPA依存性またはLPA介在性症状または疾患を治療するための方法は、本発明の化合物、医薬組成物または医薬を、少なくとも1つの、単なる例示としての、COX−2 阻害剤;N−(3−(アミノメチル)ベンジル)アセタミジンなどの酸化窒素シンターゼ阻害剤;ファスジルなどのRhoキナーゼ阻害剤;カンデサルタン、ロサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、テルミサルタンおよびバルサルタンを含むアンジオテンシンII型−1受容体アンタゴニスト;グリコーゲンシンターゼキナーゼ3阻害剤;クロベネチンを含むナトリウムまたはカルシウムチャンネルブロッカー;SKB239063を含むp38MAPキナーゼ阻害剤;イスボグレル、オザグレル、リドグレルおよびダゾキシベンを含むトロンボキサンAX−シンセターゼ阻害剤;ロバスタチン、シンバスタチン、ジヒドロキシオープン酸シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ニスバスタチンおよびロスバスタチンを含むスタチン(HMGCoA還元酵素阻害剤);神経保護剤、例えばフリーラジカル消去剤、カルシウムチャンネルブロッカー、興奮性アミノ酸アンタゴニスト、成長因子、エダラボン、ビタミンC、トロロックス(登録商標)、シチコリンおよびミニサイクリンなどの酸化防止剤、および(2R)−2−プロピルオクタン酸などの反応性星状阻害剤;プロプラノロール、ナドロール、チモロール、ピンドロール、ラベタロール、メトプロロール、アテノロール、エスモロールおよびアセブトロールなどのベータアドレナリン作動性遮断剤;メマンチンを含むNMDA受容体アンタゴニスト;トラキソプロジルなどのNR2Bアンタゴニスト;5−HT1Aアゴニスト;チロフィバンおよびラミフィバンを含む受容体血小板フィブリノーゲン受容体アンタゴニスト;トロンビン阻害剤;アルガトロバンなどの抗血栓剤;エナラプリルなどの降圧剤;シクランデレート;ノシセプチンアンタゴニストなどの血管拡張薬;DPIVアンタゴニスト;GABA5逆アゴニスト;および選択的アンドロゲン受容体修飾因子より選択される付加的な薬剤と組み合わせて、患者に投与されることを特徴とする。
本願明細書に記載のもう一つ別の実施態様にて、間質性膀胱炎の療法などの、LPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療方法は、本発明の化合物、医薬組成物または薬物を、ほんの一例としての、ジメチルスルホキシド、オマリズマブおよびペントサンポリサルフェートより選択される少なくとも一つの付加的な薬剤と共同して患者に投与することを含む。
本願明細書に記載のさらにもう一つ別の実施態様にて、呼吸器障害(例えば、喘息、COPDおよび鼻炎)の療法などの、LPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療方法は、本発明の化合物、医薬組成物または薬物を、ほんの一例としての、呼吸器疾患の治療に使用される少なくとも一つの薬剤と共同して投与することを含む。呼吸器疾患の治療に使用される薬剤は、限定されないが、気管支拡張剤(例えば、交感神経様作用剤およびキサンチン誘導体)、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、ロイコトリエン形成阻害剤、ロイコトリエン修飾因子、経鼻用うっ血除去剤、呼吸器酵素、肺表面活性剤、抗ヒスタミン(例えば、メピラミン(ピリラミン)、アンタゾリン、ジフェンヒドラミン、カルビノキサミン、ドキシラミン、クレマスチン、ジメンヒドリネート、フェニラミン、クロラフェナミン(クロルフェニラミン)、デキシクロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、トリプロリジン、セチリジン、シクリジン、クロルシクリジン、ヒドロキシジン、メクリジン、ロラタジン、デスロラチジン、プロメタジン、アリメマジン(トリメプラジン)、シプロヘプタジン、アザタジン、ケトチフェン、アクリバスチン、アステミゾール、セチリジン、ミゾラスチン、テルフェナジン、アゼラスチン、レボカバスチン、オロパラジン、レボセチリジン、フェキソフェナジン)、粘液溶解剤、副腎皮質ステロイド、抗コリン作用剤、鎮咳剤、鎮痛剤、去痰剤、アルブテロール、エフェドリン、エピネフリン、ホモレロール、メタプロテレノール、テルブタリン、ブデソニド、シクレソニド、デキサメタゾン、フルニソリド、フルチカゾンプロピオン酸、トリアムシノロンアセトニド、臭化イプラトロピウム、シュードエフェドリン、テオフィリン、モンテルカスト、ザフィルルカスト、アンブリセンタン、ボセンタン、エンラセンタン、シタクスセンタン、テゾセンタン、イロプロスト、トレプロスチニル、ピリフェニドン、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLPA)阻害剤、FLPA修飾因子および5−LO阻害剤を包含する。
本願明細書に記載の特定の実施態様にて、喘息および/またはCOPDの療法などの、LPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療方法は、抗炎症薬を患者に投与することを含む。ある実施態様にて、喘息および/またはCOPDの療法などの、LPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療方法は、本発明の化合物、医薬組成物または薬物を、限定されないが、エピネフリン、イソプロテレノール、オルシプレナリン、気管支拡張剤、グルココルチコイド、ロイコトリエン修飾剤、肥満細胞安定化剤、キサンチン、抗コリン作動剤、β−2アゴニスト、FLPA阻害剤、FLPA修飾因子または5−LO阻害剤より選択される少なくとも一つの付加的な剤と共同して患者に投与することを含む。β−2アゴニストは、限定されないが、短時間作用性β−2アゴニスト(例えば、サルブタモール(アルブテロール)、レバルブテロール、テルブタリン、ピルブテロール、プロカテロール、メタプロテレノール、フェノテロールおよびビトルテロールメシレート)および長時間作用性β−2アゴニスト(例えば、サルメテロール、ホルモテロール、バムブテロールおよびクレンブテロール)を包含する。FLPA阻害剤および/またはFLPA修飾因子は、限定されないが、3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(6−メトキシ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸、3−[3−tert−ブチルスルファニル−1−[4−(6−エトキシ−ピリジン−3−イル)−ベンジル]−5−(5−メチル−ピリジン−2−イルメトキシ)−1H−インドール−2−イル]−2,2−ジメチル−プロピオン酸、MK−886、MK−0591、BAY−x1005ならびに米国特許公開番号2007/0225285、2007/0219206、2007/0173508、2007/0123522および2007/0105866(その各々を出典明示により本願明細書の一部とする)に記載の化合物を包含する。グルココルチコイドは、限定されないが、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、フルチカゾンおよびモメタゾンを包含する。抗コリン作用剤は、限定されないが、イプラトロピウムおよびチオトロピウムを包含する。マスト細胞安定化剤は、限定されないが、クロモグリケートおよびネドクロミルを包含する。キサンチンは、以下に限定されないが、アミノフィリン、テオブロミンおよびテオフィリンを包含する。ロイコトリエンアンタゴニストは、限定されないが、モンテルカスト、トメルカスト、プランルカストおよびザフィルルカストを包含する。5−LO阻害剤、限定されないが、ジレウトン、VIA−2291(ABT761)、AZ−4407およびZD−2138および米国特許公開番号2007/0149579、PCT公開番号WO2007/016784に見られる化合物を包含する。
本願明細書に記載のもう一つ別の特定の実施態様にて、アレルギー疾患または症状の療法などの、LPA依存性またはLPA介在性症状または疾患の治療方法は、本発明の化合物、医薬組成物または薬物を、患者に、ほんの一例として、抗ヒスタミン、ロイコトリエンアンタゴニスト、副腎皮質ステロイドおよびうっ血除去剤より選択される少なくとも一つの付加的な作用剤と合わせて投与することを特徴とする。ロイコトリエンアンタゴニストは、限定されないが、モンテルカスト、トメルカスト、プランルカストおよびザフィルルカストを包含する。
一の態様において、本願明細書に記載のLPA受容体アンタゴニストはは、限定されるものではないが、併用吸入剤(フルチカゾンとサルメテロールの経口用吸入剤(例、アドバイヤー);吸入用ベータ−2アゴニスト(アルブテロール吸入剤;アルブテロール噴霧器用溶液;ホルモテロール;イソプロテレノール経口用吸入剤;レバルブテロール;メタプロテレノール吸入剤;ピルブテロール酢酸経口吸入剤;サルメテロールエアロゾル吸入剤;サルメテロール粉末吸入剤;テルブタリン吸入剤);吸入用副腎皮質ステロイド(ベクロメタゾン経口吸入剤;ブデソニド吸入溶液;ブデソニド吸入剤;フルニソリド経口吸入剤;フルチカゾン吸入用エアロゾル;経口吸入用フルチカゾン粉末;モメタゾン吸入粉末;トリアムシノロン経口吸入剤);ロイコトリエン修飾剤(モンテルカスト;ザフィルクカスト;ジレウトン);マスト細胞安定化剤(クロモリン吸入剤;ネドクロミル経口吸入剤);モノクローナル抗体(オマリズマブ);経口ベータ−2アゴニスト(アルブテロール経口シロップ;アルブテロール経口錠剤;メタプロテレノール;テルブタリン);気管支拡張剤(アミノフィリン;オクストリフィリン;テオフィリン)を含む、喘息の治療に使用される一または複数の薬剤と共同して投与される。
一の態様において、本願明細書に記載のLPA受容体アンタゴニストは、限定されないが、抗ヒスタミンとうっ血除去剤の併用剤(セチリジンとシュードエフェドリン;デスロラタジンとシュードエフェドリンER;フェキソフェナジンとシュードエフェドリン;ロラタジンとシュードエフェドリン);抗ヒスタミン(アゼラスチン経鼻スプレー;ブロムフェニラミン;ブロモフェニラミン経口懸濁液;カルビノキサミン;セチリジン;クロルフェニラミン;クレマスチン;デスロラタジン;デキサクロルフェニラミンER;デキサクロルフェニラミン経口シロップ;ジフェンヒドラミン経口剤;フェキソフェナジン;ロラタジン;プロメタジン);うっ血除去剤(シュードエフェドリン);ロイコトリエン修飾剤(モンテルカスト;モンテルカスト顆粒剤);経鼻抗コリン作動剤(イプラトロピウム);経鼻副腎皮質ステロイド(ベクロメタゾン経鼻吸入剤;ブデソニド経鼻吸入剤;フルニソリド経鼻吸入剤;フルチカゾン経鼻吸入剤;モメタゾン経鼻スプレー;トリアムシノロン経鼻吸入剤;トリアムシノロン経鼻スプレー);経鼻用うっ血除去剤(フェニレフリン);経鼻用マスト細胞安定化剤(クロモリン経鼻スプレー)を含む、アレルギーの治療に使用される、一または複数の薬剤と共同して投与される。
一の態様において、本願明細書に記載のLPA受容体アンタゴニストは、限定されるものではないが、抗コリン作動剤−臭化イプラトロピウム経口吸入剤;併用吸入剤(アルブテロールとイプラトロピウム(例、コンビベント、デュオネブ);フルチカゾンとサルメテロール経口吸入剤(例、アドバイヤー));副腎皮質ステロイド(デキサメタゾン錠;フルドロコルチゾン酢酸;ヒドロコルチゾン錠;メチルプレドニゾロン;プレドニゾロン液剤;プレドニゾン経口剤;トリアムシノロン経口剤);吸入用ベータ−2アゴニスト(アルブテロール吸入剤;アルブテロール噴霧器用溶液;ホルモテロール;イソプロテレノール経口吸入剤;レバルブテロール;メタプロテレノール吸入剤;ピルブテロール酢酸経口吸入剤;サルメテロールエアロゾル吸入剤;サルメテロール粉末吸入剤;テルブタリン吸入剤);吸入用副腎皮質ステロイド(ベクロメタゾン経口吸入剤;ブデソニド吸入溶液;ブデソニド吸入剤;フルニソリド経口吸入剤;フルチカゾンエアロゾル吸入剤;フルチカゾン粉末経口吸入剤;トリアムシノロン経口吸入剤);粘液溶解剤(グアイフェネシン);経口ベータ−2アゴニスト(アルブテロール経口シロップ;アルブテロール経口錠;メタプロテレノール;テルブタリン);気管支拡張剤(アミノフィリン;オクストリフィリン;テオフィリン)を含む、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を治療するのに使用される一または複数の薬剤と共同して投与される。
一の実施態様において、本発明の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、吸入副腎皮質ステロイドと合わせて患者に投与される。
一の実施態様において、本発明の化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)はベータ2−アドレナリン作動性受容体アゴニストと合わせて患者に投与される。一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、短時間作用性ベータ2−アドレナリン作動性受容体アゴニストと合わせて患者に投与される。一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は長時間作用性ベータ2−アドレナリン作動性受容体アゴニストと合わせて患者に投与される。
一の実施態様において、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)は、UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)の阻害剤である、一または複数の作用剤と合わされるか、あるいは組み合わせて投与される。UGTは米国特許出願2003/0215462;米国特許出願2004/0014648に記載のものを包含する。ある実施態様にて、UGT阻害剤の共投与は、投与される化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)の用量を低下させる。
かかる組み合わせの個々の化合物は、別個の、または合わせた医薬製剤にて連続的にまたは同時に投与される。一の実施態様において、個々の化合物は合わせた医薬製剤にて同時に投与されるであろう。既知の治療剤の適切な用量は当業者により理解されるであろう。
本発明にて称される組み合わせは、都合よくは、医薬的に許容される希釈剤または担体と一緒に医薬組成物の形態にて使用するのに示される。
キット/製品
本願明細書に記載の治療的用途に用いるためのキットおよび製品もここに記載される。かかるキットは、バイアル、チューブ等などの一または複数の容器を収容することを特徴とする、キャリア、パッケージまたは容器からなり、その容器の各々は、ここに記載の方法にて用いられる別々の成分のの一つを含む。適当な容器は、例えば、ボトル、バイアル、シリンジおよび試験管を包含する。一の実施態様にて、該容器は、例えば、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料で形成される。
本発明の製品は包装材料を含む。医薬品を包装するのに使用される包装材料は、例えば、米国特許第5,323,907号、第5,052,558号および第5,033,252号に記載されている。医薬用包装材料の例は、限定されないが、ブリスターパック、ボトル、チューブ、バッグ、容器、ビン、ならびに選択する製剤および意図する投与および治療方法に適する包装材料を包含する。本発明の化合物および組成物の多数の製剤は、LPA受容体の拮抗作用により有益であろう疾患、障害または症状に関する種々の治療手段であるものと考えられる。
例えば、容器(複数でも可)は、化合物1またはその医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)を、所望により組成物にて、あるいは本願明細書に開示される他の作用剤と組み合わせて含む。かかるキットは、所望により、識別記載あるいは本発明の方法における使用に関する標識または指示書を含んでもよい。
キットは、典型的には、内容物および/または使用説明、および使用説明についての添付文書を列挙するラベルを包含する。一連の指示書もまた、典型的には、含まれる。
一の実施態様にて、ラベルは容器上にあることも、容器に添付することもできる。一の実施態様にて、ラベルを形成する文字、数字または他の符号が容器それ自体に貼り付け、成型、またはエッチングされている場合、ラベルは容器上にあり得、該容器も保持する貯蔵器またはキャリアの中に、ラベルが添付文書としてある場合、ラベルは該容器に添付され得る。一の実施態様にて、ラベルは内容物が特定の治療用途に使用され得ることを示すように用いられる。ラベルは、ここに記載される方法にあるように、内容物の使用に関する方向を示す。
ある実施態様にて、医薬組成物は、本発明の化合物を含有する一または複数の単位剤形を含むパックまたは分配装置にて提供される。パックは、例えば、ブリスターパックなどの金属またはプラスチックホイルを含有する。一の実施態様において、パックまたは分配装置に投与用指示書を添付する。一の実施態様において、パックまたは分配装置にはまた、医薬の製造、使用または販売を規制する行政機関により規定された指示書を容器に結合した形態にて添付され、その指示書はヒトまたは獣投与用薬物の該機関による承認を反映する。かかる指示書は、例えば、薬物の処方のための米国食品医薬品局により承認されたラベリング、または承認された製品のインサートである。一の実施態様において、適合され得る医薬担体にて処方される本発明の化合物を含有する組成物もまた製造され、示唆される症状の治療について標識される適当な容器に入れられる。
本発明にて使用され、その医薬的に許容される塩を含むように記載される医薬組成物、例えば、溶液は、結合および/または非結合形態の塩を含む医薬組成物を包含することが理解されるはずである。かくして、例えば、化合物2の水溶液を含む本発明の医薬組成物は、ナトリウムカチオンの集団および1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸アニオンの集団を含む組成物を包含する。
実施例
以下の成分、処方、製法および本願明細書に開示の方法の実施操作は、上記されていることに相当する。以下の操作は、特に例示的で、非限定的な化合物1またはその医薬的に許容される塩および/または溶媒和物を含む処方、ならびにその薬物動態的特性および薬力学的作用を包含する、実施態様を記載する。ほんの一例として、化合物1は、所望により米国特許出願第12793440号に記載されるように、あるいは本願明細書に記載されるように調製されてもよい。
実施例1:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の合成
工程1:3−メチルアミノ−ブタ−2−エン酸メチルエステル:
アセト酢酸メチル(29.4g、253ミリモル)のMeOH(30mL)中溶液に、メチルアミン(EtOH中33重量%;48mL、385ミリモル)を室温で滴下した。反応液を1時間攪拌し、ついで濃縮乾固させて表記化合物を白色結晶性固体として得た。
工程2:2−(4−ブロモ−ベンゾイル)−3−オキソ−酪酸メチルエステル:
3−メチルアミノ−ブタ−2−エン酸メチルエステル(5.0g、39.1ミリモル)のTHF(70mL)中混合液に、ピリジン(3.7mL)を添加した。該混合液を0℃に冷却し、塩化4−ブロモベンゾイル(8.55g、39.1ミリモル)/THF(30mL)を2分間にわたって滴下した。該反応物を1時間にわたって室温に加温し、ついで室温で一夜攪拌した。水性の後処理に付して表記化合物を得た。
工程3:5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−カルボン酸メチルエステル:
2−(4−ブロモ−ベンゾイル)−3−オキソ−酪酸メチルエステル(11g、39ミリモル)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(2.66g、39ミリモル)を酢酸(50mL)中で合わせ、該反応物を115℃で1時間攪拌した。冷却後、水性の後処理に付して表記化合物を得た。
工程4:5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−カルボン酸:
水酸化リチウム(2g、47.7ミリモル)を5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−カルボン酸メチルエステル(7g、23.6ミリモル)のMeOH(50mL)およびH2O(10mL)中溶液に添加し、該反応物を60℃で1時間攪拌した。酸性の後処理に付して表記化合物を得た。
工程5:[5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−イル]−カルバミン酸(R)−1−フェニル−エチルエステル:
5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−カルボン酸(2.0g、7.09ミリモル)およびトリエチルアミン(0.99mL、7.09ミリモル)をトルエン(50mL)に溶かした。ジフェニルホスホリルアジド(1.5mL、7.09ミリモル)を、つづいて(R)−(+)−1−フェニルエチルアルコール(0.865g、7.09ミリモル;市販品として入手可能、あるいは本願明細書にまたは文献:例えば、E.J. Coreyら、J. Am. Chem. 1987, 109, 5551-5553に記載の操作に従って調製)を加え、該反応物を80℃で4時間攪拌した。該混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、表記化合物を得た。
工程6:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸:
[5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−イル]−カルバミン酸(R)−1−フェニル−エチルエステル(0.248g、0.62ミリモル)、4−(1’−カルボキシル−シクロプロピル)フェニルボロン酸(0.160g、0.62ミリモル)および炭酸ナトリウム(0.155g、1.85ミリモル)を2:1のDME:H2O中で合わせた。該溶液をN2で10分間パージし、次にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.047g、0.06ミリモル)を加えた。該反応物をN2で付加的に10分間パージし、ついで密封した試験管中80℃で2時間攪拌した。該混合物をEtOAcとH2Oの間で分配させ、水層をEtOAcで抽出した。有機層を合わせて、MgSO4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付して精製し、表記化合物を得た。質量分析データ(M+H)=483。
実施例2:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の別法による合成
工程1:1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボニトリル:
4−フェニル−フェニルアセトニトリル(VWR scientific、100g、518ミリモル)をKOH(174g、3.1 mol)の水(175mL)およびトルエン(500mL)中溶液に室温で添加した。臭化テトラブチルアンモニウム(8.33g、26ミリモル)を、つづいて1,2−ジブロモエタン(116.3g、622ミリモル)を加え、該溶液を60℃で4時間加熱した。10mLのジブロモエタンを加え、加熱を60℃でさらに20時間続ける。反応はほぼ50%完了している。KOH(116g、622ミリモル)、ジブロモエタン(20mL)および臭化テトラブチルアンモニウム(8.33g、26ミリモル)を加え、80℃でさらに24時間加熱する。TLC(20%EtOAc/hex)によれば反応は50%完了している。有機層を水(500mL)で一回抽出し、塩酸(500mL、pH約3)で一回稀釈した。有機層を蒸発させて生成物を得た。
工程2:1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸:
1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボニトリル(112g、511ミリモル)、KOH(114g、2.04モル)およびエチレングリコール(400mL)を170℃で3時間加熱した。該溶液を室温に冷却し、水(900mL)中に注ぎ、該溶液を約150mLの濃HClで(ゆっくりと)酸性にし、生成物を沈殿させた。該生成物を濾過し、500mLの水で洗浄した。固体を水(800mL)に懸濁させ、約15分間攪拌して濾過した。得られた固体を真空下にて一夜にわたって80℃で乾燥させ、生成物を得た。
工程3:1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸(116g、487ミリモル)、エタノール(400mL)および硫酸(50mL)を還流させるのに16時間加熱した。生成物をCH2Cl2(500mL)および水(800mL)で抽出し、乾燥させ、濾過し、蒸発させて生成物を得た。
工程4:1−(4’−アセチルビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(90g、376ミリモル)/CH2Cl2(450mL)に、塩化アセチル(31.7g、406ミリモル)を、つづいて塩化アルミニウム(94.5g、710ミリモル)を約30分間にわたって添加した。該溶液を室温で2時間攪拌した。反応物を1M HCl(500mL)中にゆっくりと注ぎ、有機層を分離した。該有機層を水(500mL)で2回洗浄し、乾燥(MgSO4)させ、濾過し、蒸発させて生成物を得た。
工程5:4’−(1−(エトキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−カルボン酸:
1−(4’−アセチルビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(10.1g、33ミリモル)/ジオキサン(200mL)に、約10℃で、臭素(26.4g、165ミリモル)、水酸化ナトリウム(22.4g、561ミリモル)の水(150mL)中溶液を添加した。該溶液を室温で30分間攪拌し、水(500mL)中に注ぎ、稀塩酸で酸性にした。メタ重亜硫酸ナトリウムを褐色の臭素の色相が消えるまで添加した。生成物を濾過し、真空下40℃で一夜にわたって乾燥させ、10gの4’−(1−(エトキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−カルボン酸を得た。
工程6:3−メチルアミノ−ブタ−2−エン酸ベンジルエステル:
アセト酢酸ベンジル(29g、151ミリモル)/エタノール(30mL)に、メチルアミン(エタノール中33%、7.02g、226ミリモル)を添加した。該溶液を室温で2時間攪拌し、つづいて蒸発させて黄色油を得た。
工程7:1−(4’−(2−(ベンジルオキシカルボニル)−3−(メチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸エチル:
4’−(1−(エトキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−カルボン酸(80g、258ミリモル)、ジクロロエタン(400mL)、DMF(0.1mL)、塩化チオニル(2.3mL、32ミリモル)を80℃で1.5時間加熱した。(少量のアリコート(100μL)をベンジルアミン(benyl amine)のアセトニトリル中溶液に添加し、LCMSでベンジルアミドについて分析することにより、酸塩化物の形成をモニター観察した。)該溶液をロタバップ上で暗色油にまで蒸発させ、エネアミン(68.4g、335ミリモル)、ピリジン(44.8g、568ミリモル)のTHF(400mL)中溶液を加えた。該溶液を50℃で2時間攪拌し、ついで揮発物をロタバップを用いて蒸発させ、粗生成物を暗色半固体として得た。
工程8:5−(4’−(1−(エトキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−イル)−3−メチルイソキサゾール−4−カルボン酸ベンジル:
前反応から由来の粗物質に、ヒドロキシルアミン・塩酸塩(26.7g、387ミリモル)および酢酸(400mL)を添加した。該溶液を95℃で1時間加熱し、室温に冷却し、CH2Cl2および水で3回抽出し、乾燥させ、蒸発させた。粗生成物をシリカのプラグ(約200グラムのSiO2)を介して流動させ、CH2Cl2で溶出し、次にエタノールで再結晶させることで精製し、生成物を得た。
工程9:5−(4’−(1−(エトキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−イル)−3−メチルイソキサゾール−4−カルボン酸:
ベンジルエステル(54g、112ミリモル)/THF(300mL)を窒素で20分間脱気させた。活性炭上10%パラジウム(1.2g、1.1ミリモル)を添加し、該溶液にバルーンを通して水素を拡散させた。水素バルーンを頂部に維持し、該溶液を20時間攪拌した。反応物をセライトを介して濾過し、蒸発乾固させた。該固体をヘキサン/酢酸エチル(約300mL)の1/1溶液でトリチュレートし、濾過して生成物を得た。母液を蒸発させ、つづいて該固体を1/1のヘキサン/酢酸エチルでトリチュレートし、さらなる生成物を得た。
工程10:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
工程9から由来の酸(0.5g、1.28ミリモル)/トルエン(5mL)に、(R)−1−フェニルエタノール(0.16g、1.34ミリモル)、トリエチルアミン(0.26g、2.56ミリモル)およびジフェニルホスホリルアジド(0.39g、1.4ミリモル)を添加した。該溶液を80℃で1時間加熱し、室温に冷却し、水で3回抽出した。有機層を乾燥かつ蒸発させて0.61gの生成物を得た。該生成物をカラム(0から40%のEtOAc/ヘキサン)でさらに精製し、生成物を得た。
工程11:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸:
エチルエステル(22.7g、44ミリモル)/メタノール(300mL)に、水酸化リチウム(9.1g、222ミリモル)を添加した。該溶液を65℃で2時間加熱し、塩化メチレンに抽出し、希塩酸で洗浄した。有機層を乾燥させ、蒸発させて生成物を得た。
実施例3:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の別法による合成
工程1:1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピルエステル:
1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸(10g、42ミリモル)、イソプロパノール(100mL)、塩化チオニル(6.8mL、92ミリモル)を65℃で4時間加熱した。硫酸(20mL)を添加し、65℃で一夜加熱した。生成物をCH2Cl2および水(2x)で抽出し、乾燥かつ蒸発させて生成物を得た。
工程2:1−(4’−アセチルビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピルエステル:
1−(ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピルエステル(10.2g、36ミリモル)/CH2Cl2(100mL)に、塩化アルミニウム(10.2g、76.5ミリモル)を、つづいて塩化アセチル(5.97g、76.5ミリモル)を添加した。該溶液を室温で1.5時間攪拌し、ついで水中にゆっくりと注いだ。有機層を分離し、酒石酸ナトリウムカリウム溶液(20g/水250mL)で1回抽出した。有機層を乾燥/蒸発させて生成物を得た。
工程3:4’−(1−(イソプロポキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−カルボン酸:
1−(4’−アセチルビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピルエステル(11.6g、36ミリモル)/ジオキサン(200mL)に、約10℃で、臭素(28.8g、180ミリモル)、水酸化ナトリウム(24.5g、612ミリモル)の水(150mL)中溶液を添加した。該溶液を室温で30分間攪拌し、水(500mL)中に注ぎ、稀塩酸で酸性にした。褐色の臭素の色相が消えるまで、メタ重亜硫酸ナトリウムを添加した。生成物を濾過し、真空下40℃で一夜乾燥させて生成物を得た。
工程4:1−(4’−(2−(ベンジルオキシカルボニル)−3−(メチルアミノ)ブタ−2−エノイル)ビフェニル−4−イル)シクロプロパンカルボン酸イソプロピル:
4’−(1−(イソプロポキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−カルボン酸(9.2g、28ミリモル)、ジクロロエタン(50mL)、DMF(0.1mL)、塩化チオニル(5.5mL、62ミリモル)を75℃で1.5時間加熱した。(少量のアリコート(100μL)をベンジルアミン(benyl amine)のアセトニトリル中溶液に添加し、LCMSでベンジルアミドについて分析することにより、酸塩化物の形成をモニター観察した;LCMSによれば出発物質は観察されなかった。)該溶液をロタバップ上で蒸発させ、THF(10mL)を加えた。酸塩化物のTHF中溶液をシリンジを介して3−メチルアミノ−ブタ−2−エン酸メチルエステル(4.0g、31.2ミリモル)およびピリジン(5.5mL、70ミリモル)のTHF(50mL)中溶液に添加した。該溶液を室温で一夜攪拌した。揮発物をロタバップ上で蒸発させ、粗生成物を得た。
工程5:5−(4’−(1−(イソプロポキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−イル)−3−メチルイソキサゾール−4−カルボン酸メチル:
前反応から由来の粗物質に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(2.9g、42ミリモル)および酢酸(50mL)を添加した。該溶液を100℃で30分間加熱し、室温に冷却し、CH2Cl2および水で抽出(4回、2回目および3回目は炭酸水素ナトリウムで塩基性にした)した。有機相を乾燥させ、蒸発させ、カラム(220gのシリカ;0から20%のEtOAc/ヘキサン)で精製して、生成物を得た。
工程6:5−(4’−(1−(プロポキシカルボニル)シクロプロピル)ビフェニル−4−イル)−3−メチルイソキサゾール−4−カルボン酸:
工程5から由来のメチルエステル(5.2g、12.4ミリモル)/THF(100mL)およびエタノール(20mL)に、水酸化ナトリウム(1.5g、37.2ミリモル)の水(40mL)中溶液を添加した。該溶液を室温で3時間攪拌した。約50mLの溶媒を蒸発させ、200mLの水を添加した。希塩酸でpH2にすることで溶液より生成物を析出させた。生成物を濾過により単離し、生成物を得た。
工程7:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸イソプロピルエステル:
工程6(4.0g、10ミリモル)から由来の酸/トルエン(50mL)に、R−1−フェイニルエタノール(pheynyl)(1.33g、11ミリモル)、トリエチルアミン(2.02g、20ミリモル)およびジフェニルホスホリルアジド(3.16g、11.5ミリモル)を添加した。該溶液を80℃で1時間加熱し、室温に冷却し、水で3回抽出した。有機層を乾燥させ、蒸発させて生成物を得た。
工程8:1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸:
工程7から由来のイソプロピルエステル(5.2g、10ミリモル)/THF(30mL)、MeOH(10mL)に、NaOH(2g、50ミリモル)/水(10mL)を添加した。該溶液を65℃で5時間加熱する。該溶液を室温に冷却し、塩化メチレンおよび稀塩酸で抽出した有機相を乾燥かつ蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィー(0から60%のEtOAc/ヘキサン)に付して精製し、生成物を得た。
実施例4:1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルの合成
工程1:1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロプロパンカルボニトリル:
水酸化カリウム(14.3g、255ミリモル)をH2O(5mL)およびトルエン(40mL)に溶かした。4−ブロモフェニルアセトニトリル(5.0g、25.5ミリモル)および臭化テトラブチルアンモニウム(0.41g、1.3ミリモル)を、つづいて1,2−ジブロモエタン(3.25mL、38ミリモル)を10分間にわたって滴下した。反応液を室温で2時間攪拌し、次に後処理を行い、表記化合物を得た。
工程2:1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸:
1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロプロパンカルボニトリル(5g、22.5ミリモル)および水酸化カリウム(5g、89.3ミリモル)をエチレングリコール(70mL)中で合わせ、反応液を180℃で4時間攪拌した。混合液をH2O中に注ぎ、酸性にし、濾過して表記化合物を得た。
工程3:1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸(5g、20.7ミリモル)/EtOH(50mL)を硫酸(2mL)で処理し、該反応液を75℃で1時間攪拌した。該混合液を後処理に付して表記化合物を得た。
工程4:1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
1−(4−ブロモ−フェニル)−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(3.6g、13.4ミリモル)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.37g、16.1ミリモル)および酢酸カリウム(2.8g、29ミリモル)を1,4−ジオキサン(30mL)にて合わせた。溶液をN2で10分間パージし、次に(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)−ジクロロパラジウム(II)(0.50g、0.65ミリモル)を加え、該反応物を80℃で2時間加熱した。水性の後処理を、つづいてシリカゲルクロマトグラフィー(0−30%EtOAc/ヘキサン)に付し、表記化合物を得た。
実施例5:1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸の合成
工程1:(S)−[5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−イル]−カルバミン酸1−フェニル−エチルエステル:
次の出発物質:5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−カルボン酸および(S)−(−)−1−フェニルエタノール(市販品として入手可能な、または本願明細書に記載の、または文献:例えば、E.J. Coreyら、J. Am. Chem. 1987、109、5551-5553に記載の操作を用いて調製される)を用いて、実施例1、工程5に記載の操作に従って調製される。
工程2:1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
次の出発物質:(S)−[5−(4−ブロモ−フェニル)−3−メチル−イソキサゾール−4−イル]−カルバミン酸 1−フェニル−エチルエステルおよび1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル]−シクロプロパンカルボン酸エチルエステルを用いて、実施例1、工程6に記載の操作に従って調製される。
工程3:1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸:
1−{4’−[3−メチル−4−((S)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル(1当量)/2:1 MeOH:H2Oに、水酸化リチウム(3−10 当量)を添加し、分析用LCMSで出発物質が観察されなくなるまで、反応物を室温で攪拌した。混合物を1N水性HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ、濾過し、濃縮して表記化合物を得た。質量分析データ(M+H)=483。
実施例6:ラセミ1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸の合成
(R)−1−フェニル−エタノールの代わりに(R/S)−1−フェニル−エタノールを用い、実施例1に記載の操作と同様の方法にて調製した。質量分析データ(M+H)=483。
実施例7:1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシ−d9−カルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸の合成
工程1:1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシ−d9−カルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸エチルエステル:
次の出発物質:5−[4’−(1−エトキシカルボニル−シクロプロピル)−ビフェニル−4−イル]−3−メチル−イソキサゾール−4−カルボン酸および1−フェニルエタノール−d9(Carbocoreより入手)を用いて実施例1、工程5に記載の操作に従って調製した。
工程2:1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシ−d9−カルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸:
1−{4’−[3−メチル−4−(1−フェニル−エトキシ−d9−カルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸 エチルエステル(1当量)/2:1 MeOH:H2Oに、水酸化リチウム(3−10当量)を加え、分析用LCMSで出発物質が観察されなくなるまで、反応物を室温で攪拌した。混合物を1N水性HClで酸性にし、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて、乾燥させ、濾過し、濃縮して表記化合物を得た。質量分析データ(M+H)=492。
ある実施態様にて、質量分析データ(mass spec. data)を島津製LCMS 2010Aを用いて得る。
実施例8:結晶性1−{4’−[3−メチル−4−((R)−1−フェニル−エトキシカルボニルアミノ)−イソキサゾール−5−イル]−ビフェニル−4−イル}−シクロプロパンカルボン酸(化合物1)の調製
20mgの化合物1をHPLCバイアルに秤量した。40μLのエタノールを加え、該バイアルをホットエアーガンで加熱還流させた。該溶液を外界温度にまで冷却し、固体を濾過した。XRPDにより測定されるように、結晶性化合物1(パターン1)を得た。エタノールからと同じように、次の溶媒でも結晶性化合物1(パターン1)が得られた:メタノール、2−メトキシエタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチル ケトン、アニソール、トルエン。5倍容量(すなわち、100μL)の加熱した次の溶媒でも結晶性化合物1(パターン1):ニトロメタン、アセトニトリル、酢酸エチル、クメンが得られた。
化合物1は2倍容量(すなわち、40μL)の次の溶媒に外界温度で溶解した:1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン。バイアルは密封せずに、ゆっくりと蒸発させた。これにより、結晶性化合物1(パターン1)を得た。
別の態様において、4.6mgの化合物1を0.2mLのアセトニトリルおよび0.1mLのH2Oに溶かした。得られた溶液をカバーして50℃でゆっくりと蒸発させた。5日後に、該溶液より針状晶が得られた。これにより結晶性化合物1(パターン1)が得られた。
別の態様において、4.9mgの化合物1を0.2mLのイソプロピルアルコールおよび0.1mLのH2Oに溶かした。得られた溶液をカバーして50℃でゆっくりと蒸発させた。3日後に、該溶液より針状晶が得られた。これにより結晶性化合物1(パターン1)が得られた。
一の実施態様において、4.5mgの化合物1を0.2mLのメタノールおよび0.05mlのH2Oに溶かした。得られた溶液をカバーして50℃でゆっくりと蒸発させた。3日後に、該溶液より針状晶が得られた。これにより結晶性化合物1(パターン2)が得られた。もう一つ別の実施態様において、115mgの化合物1を0.98mLのメタノールおよび0.12mLのテトラヒドロフランに溶かした。溶液を蒸発乾固させ、次に以下の材料を充填した:a)1mLのアセトニトリルおよび1mLの水;またはb)0.5mLのエタノール、0.5mLのプロピレングリコールおよび1mLのヘプタン;またはc)1mLの酢酸エチルおよび1mLのヘプタン;またはd)1mLのメチルイソブチルケトンおよび1mLのヘプタン。次に結晶体を72時間攪拌させた。これにより、化合物1(パターン2)が得られた。
別の実施態様において、305mgの化合物2を10.0mlのTHFに溶かした。この溶液をハイスループット結晶化プレートに分配し、試験溶媒を添加した。1:2のTHFとH2Oの溶媒混合液からなるウェルより針状晶が回収された。この操作により、結晶性化合物1(パターン3)が得られた。.
もう一つ別の実施態様において、2.2mgの化合物1を0.15mlのメタノールおよび0.05mlのH2Oに溶かした。得られた溶液をカバーして外界条件で貯蔵した。2日後に、該溶液より針状晶が得られた。これにより結晶性化合物1(パターン3)が得られた。
化合物1は、一連の範囲の溶媒、不適当であることが分かっている、水および高非極性溶媒(例えば、シクロヘキサン、ヘプタン)だけで良好な溶解性を示す。
実施例9:化合物2の化合物1からの調製
化合物1を10倍容量のエタノールに懸濁させ、1.0当量の50重量%の水酸化ナトリウムを加えた。次にヘプタン(20倍容量)2−4時間にわたって添加した。エタノールを真空下で除去し、溶媒をヘプタンと交換した。固体を窒素下で真空濾過により集め、該生成物を真空オーブン中にて約60℃−100℃で乾燥させた。この操作により化合物2を高純度で得た。
実施例10:結晶性化合物2の調製
化合物2の成熟
100mgの化合物2を5個のバイアルに秤量した。各バイアルに、別々の溶媒:1000μLのニトロメタン; 1000μLのアセトニトリル;500μLの2−プロパノール;500μLの1−ブタノール;1000μLのアニソールを添加した。次に、バイアルを外界と50℃の間で、各温度を4時間ずつ、4日間にわたって循環させた。この時点で存在する固体を濾過し、XRPDにより分析した。次に、固体を減圧下50℃で2日間乾燥させ、XRPDにより再び分析した。ニトロメタンからは非晶質物質が得られた。2−プロパノール、1−ブタノールおよびアニソールから、一部結晶性の物質が得られた。結晶性化合物2(パターン1)がアセトニトリルより単離された。
1−ブタノールより得られる固体は、1H NMRによれば、2/3当量の1−ブタノールを含有すると言及された。TGA分析も行われ、160℃までで質量喪失が観察され、1H NMRデータを考慮した場合、それはナトリウム塩の1−ブタノール溶媒和物が得られたことを示す。TGAにおける12.43%質量喪失は、該サンプル中にある1−ブタノールの0.92当量に等しい。
抗溶媒媒介性条件
20mgの化合物2をHPLCバイアルに秤量した。各バイアルに、100μLの溶媒:抗溶媒の1:1混合液を加えた。ついで、該バイアルを30℃で12日間にわたってかき混ぜた。該期間の経過後、固体を濾過し、XRPDにより分析した。
1,4−ジオキサン/tert−ブチルメチルエーテルおよびメチルエチルケトン(MEK)/tert−ブチルメチルエーテルを用いる実験により、アセトニトリルの成熟実験より単離された回折パターンと同じ回折パターンを有する結晶性化合物2(パターン1)が生成された。酢酸エチル/tert−ブチルメチルエーテルおよびアニソール/tert−ブチルメチルエーテルから一部結晶性の物質が得られた。
水和性結晶性化合物2(パターン1)の調製
16.5gの非晶質化合物2、83ml(5倍容量)のメチルエチルケトン(MEK)および4.1ml(0.25倍容量)の水を60℃で30分間混合してスラリーにした。165ml(10倍容量)のMEKを加え、該スラリーに約15mgの化合物2(パターン1)を播種した。スラリーを50℃で6時間冷却し、ついで6時間にわたって15℃に冷却し、外界温度でさらに10時間攪拌した。濾過し、真空下で21時間乾燥させた。回収=15.7g(91%)。この操作により、非晶質化合物2を有意な含量にて含まない、水和した結晶性化合物2(パターン1)を得た。少なくとも97%純度であった。
別の操作にて、4.8mgの化合物2を0.2mLのアセトニトリルおよび0.2mLのテトラヒドロフランに溶かした。得られた溶液を50℃でゆっくりと蒸発させた。3日後に、板状単結晶が回収された。
結晶性化合物2(パターン2)の調製
1gの化合物1をメチルエチルケトン(MEK)(5mL、5倍容量)に加えた。水酸化ナトリウム(83mg)および水(213mg、0.21倍容量)を加えた。該溶液を60℃に加熱し、MEK(10mL、10倍容量)を60℃の該溶液にゆっくりと添加した。反応混合液に10mgの水和した結晶性化合物2を播種し、50℃で2時間かき混ぜた。ついで、混濁溶液を2時間にわたって20℃に冷却した。固体を集め、減圧下、40℃で24時間乾燥させた。
結晶性化合物2(パターン3)の調製
50Lの複数口の丸底フラスコに、31Lのメタノール(MeOH)、3.1kgの化合物1、および514.0gの50%水酸化ナトリウムを充填し、完全な溶液が得られるまでかき混ぜた。約45℃のジャケット温度を維持しながら、反応器の内容物の残りが約10Lになるまで蒸留させた。25.0kgのエタノールを反応器に充填し、残りが約15Lになるまで蒸発させた。12.1kgのエタノールを反応器に充填し、20℃のジャケット温度を少なくとも20分間維持しながらかき混ぜた。42.1kgのヘプタンを反応器に少なくとも4時間にわたって充填した。反応器中の残りが約45Lになるまで蒸留する前に反応器を4時間かき混ぜた。32.1kgのヘプタンを充填し、反応器の内容物を濾過する前に、32.0kgのヘプタンを充填して2回蒸留させた。濾過ケーキを16.0kgのヘプタンで洗浄し、該ケーキを乾かした。濾過ケーキを約65℃の温度を維持するオーブン中で乾燥させた。12.6kgのメチルエチルケトン(MEK)、45.9kgのメチルt−ブチルエーテル(MTBE)および0.31kgの水で予め製造された溶液を含む反応器に乾燥化合物2を充填した。該反応器を45±5℃で16時間かき混ぜた。該反応器の内容物をさらに21.5時間かき混ぜた。60gの化合物2の種結晶を1552gのMTBEにてスラリーにした。該反応器を52.3時間かき混ぜた。150mLの水を加えた。該反応器を11時間かき混ぜた。結晶化の開始から完全に結晶化したとみなされるまでの総時間は7日であった。反応器の内容物を濾過する前に該反応器を20±5℃で1時間かき混ぜた。濾過ケーキは洗浄されなかった。該濾過ケーキは約65℃の温度を維持するオーブン中で乾燥させた。
化合物2を20メッシュスクリーンを用いてスクリーニングし、オーブンに戻して約85℃で乾燥させた。化合物2を4時間オーブン中に保持した。
実施例11:化合物1の付加塩
遊離酸(化合物1;20mg)をHPLCバイアルに入れ、アセトニトリル(200μL)、エタノール(200μL)、酢酸エチル(200μL)またはトルエン(400μL)で処理した。該バイアルに栓をし、加温し、完全な可溶化が達成されるまで振とうさせた。一当量の塩基を加えた。塩基溶液は10M KOH(水);5M L−アルギニン(水);10M L−リジン(水);2M NH4OH(28%水溶液);または1M N−Me−グルカミン(水)を含んだ。バイアルに栓をし、室温で6日間放置した。形成された固体を濾過した。
この操作に従って、化合物1とL−リジン、アンモニウムおよびN−メチル−D−グルカミン塩との塩を単離した。
化合物1の結晶性L−リジン塩がエタノールおよび酢酸エチル中で得られた。
化合物1の結晶性アンモニウム塩がトルエン中で得られた。
化合物1の結晶性N−メチル−D−グルカミン塩がアセトニトリル中で得られた。
実施例12:X−線特性解析
以下に記載の一または複数の試験方法を用いて結晶形を分析した。X線測定に関する座標およびピークデータにおけるわずかな変動は可能であり、本発明の開示の範囲内にあると考えられることが理解される。ある実施態様にて、XRPDで提供される2−シータピーク値は、±0.1°の2−シータの範囲内にある。
X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折パターンをBruker AXS C2 GADDSまたはBruker AXS D8 Advance回折計で集めた。
Bruker AXS C2 GADDS
X線粉末回折パターンを、CuKa放射線(40kV、40mA)、自動化XYZステージ、オートサンプルポジショニングに関するレーザービデオ顕微鏡およびHiStar2次元領域検出器を用いる、Bruker AXS C2 GADDSで集めた。X線光学装置は0.3mmのピンホールコリメータをカップリングしたシングルゲベル(Gobel)多層膜鏡からなる。ビーム広がり、すなわち、サンプル上のX線ビームの効果的な大きさはほぼ4mmであった。サンプル−検出器の距離を3.2°−29.7°の範囲の効果的な2θを付与する20cmでのθ−θ連続スキャンモードを利用した。典型的には、サンプルを120秒間X線ビームに曝す。データ収集に使用されるソフトウェアはWNT4.1.16のGADDSであり、データをDiffrac Plus EVA v 9.0.0.2またはv13.0.0.2を用いて分析し、表示した。
周囲条件
周囲条件下で実施されるサンプルは、粉砕なしで受け入れられるように粉末を用いる平坦なプレート試料として調製された。約1−2mgのサンプルをガラススライドで軽く圧縮し、平坦な面を得た。
非周囲条件
非外界条件下で作動させたサンプルを熱伝導化合物でシリコンウェハーに組み込んだ。次に、サンプルを約10℃/分で適当な温に加熱し、その後で、データの収集を開始する前に約2分間等温的に保持された。
Bruker AXS D8 Advance
X線粉末回折パターンを、CuKα放射線(40kV、40mA)、θ−2θゴニオメータ、およびV4およびレバーススリットのディバージェンス、Ge単色光分光器およびLynxeye検出器を用いるブルッカーD8回折計に集めた。この装置で、Corundum標体(NIST 1976)を用いてチェックを行った。データ収集に使用されるソフトウェアはDiffrac Plus XRD Commander v2.5.0であり、該データを分析し、Diffrac Plus EVA v 11.0.0.2またはv 13.0.0.2を用いて表示した。サンプルを、粉末を用いるフラットなプレート標体として外界条件下で作動させた。約5mgのサンプルを、研磨された、ゼロ−バックグランド(510)のシリコンウェハーにカットされたキャビティにゆっくりとパックした。該サンプルを分析の間にそれ自身の面で回転させた。データ収集の詳細は:
・角度範囲:2〜42°の2θ
・工程サイズ:0.05°の2θ
・収集時間:0.5病/工程
遊離酸(化合物1)のパターン1に対するXRPD
遊離酸(化合物1)のパターン1についてのX線粉末回折パターンを図1に示す。特徴的ピークは4.7°の2−シータ、9.4°の2−シータ、14.5°の2−シータ、および21.0°の2−シータからなる。
GVS分析または40℃/75%RHで1週間貯蔵した後、XRPDはどのような形態変化も示さなかった。
水和性結晶性化合物2(パターン1)に対するXRPD
ナトリウム塩(化合物2)のパターン1についてのX線粉末回折パターンを図4に示す。特徴的ピークは8.5°の2−シータ、13.2°の2−シータ、17.2°の2−シータ、19.3°の2−シータ、22.4°の2−シータ、および25.6°の2−シータからなる。
結晶性化合物2(パターン2)に対するXRPD
ナトリウム塩(化合物2)のパターン2についてのX線粉末回折パターンを図8に示す。
結晶性化合物2(パターン3)に対するXRPD
ナトリウム塩(化合物2)のパターン3についてのX線粉末回折パターンを図9に示す。
非晶質性化合物2に対するXRPD
非晶質のナトリウム塩(化合物2)についてのX線粉末回折パターンを図10に示す。
結晶性化合物1(パターン2)に対するXRPD
X線粉末回折(XPRD)データをBruker C2 GADDSを用いて得た。放射線はCuKα(40KV、40mA)であった。試料−検出器の距離は15cmであった。粉末試料を直径が1mm未満の密封したガラス製キャピラリーに入れ;データを収集する間に、該キャピラリーを回転させた。少なくとも1000秒間のサンプル照射時間で、3<2θ<35°のデータを集めた。得られた2次元回折アークを積分し、3から35°の2θの範囲にて0.02°の2θの刻み幅で伝統的な1次元XPRDパターンを作成した。
遊離酸(化合物1)のパターン2についてのX線粉末回折パターンを図12に示す。特徴的なピークは6.3°の2−シータ、12.8°の2−シータ、16.4°の2−シータ、17.0°の2−シータ、19.7°の2−シータからなる。
結晶性化合物1(パターン3)に対するXRPD
粉末回折データを、40kVおよび40mAの管負荷で操作する単色化CuKα供給源を備えた、Bruker D8 GADDS回折計(Bruker-AXS、Karlsruhe、Germany)を用いて得た。粉末試料を直径が0.5mmまたは0.6mmの密封したガラス製キャピラリーに入れ;データ収集の間、キャピラリーを回転させた。試料−検出器の距離は15cmであった。少なくとも1200秒間のサンプル照射時間で、3<2θ<35°のデータを集めた。得られた2次元回折アークを積分し、3から35°の2θの範囲にて0.02°の2θの刻み幅で伝統的な1次元XPRDパターンを作成した。
遊離酸(化合物1)のパターン3についてのX線粉末回折パターンを図13に示す。特徴的ピークは5.5°の2−シータ、5.9°の2−シータ、12.6°の2−シータ、16.7°の2−シータからなる。
単結晶データ
データをBruker X8 APEX2 CCD回折計(Bruker AXS、Inc、Madison、WI)を得た。強度を一定温度でφおよびω可変性スキャン技法でCuKα(λ=1.5418Å)を用いて測定し、ローレンツ偏光因子についてだけ修正した。測定された強度データの指標付けおよび処理は一組のAPEX2ソフトウェアパッケージ/プログラムを用いて行われた。あるいはまた、単結晶データをCuKα放射線(λ=1.5418Å)を用いてBruker-Nonius Kappa CCD 2000システムで集めた。測定された強度データの指標付けおよび処理は収集プログラム(Collect Data collection and processing user interfere: Collect: Data collection , R. Hooft, Nonius B.V., 1998)にてHKL2000ソフトウェアパッケージ(Otwinowski, Z. & Minor, W. (1997) in Macromolecular Crystallography, eds. Carter, W.C. Jr & Sweet, R.M. (Academic, NY), Vol. 276, pp.307-326)を用いて行われた。適応があれば、データ収集の間に、結晶をオックスフォード冷却システム(Oxford Cryosystems Cryostream cooler: J. Cosier and A.M. Glazer, J. Appl. Cryst., 1986, 19, 105)の液体窒素冷却流で冷却した。
構造物を直接的方法により溶かし、小さな部分的修飾を伴ったSDP(SDP、Structure Determination Package,Enraf-Nonius、Bohemia NY 11716)ソフトウェアパッケージにて、あるい結晶学パッケージMAXUS(maXus solution and refinement software suite:S. Mackay, C.J. Gilmore, C. Edwards, M. Tremayne, N. Stewart, K. Shankland. maXus:a computer program for the solution and refinement of crystal structures from diffraction data)またはSHELXTL(SHELXTL: Bruker-AXS, 5465 East Cheryl Parkway, Madison, WI, 53711, USA)を基礎として精緻化した。
誘導された原始パラメータ(座標および温度因子)はフルマトリックス最小二乗法を用いて精緻化された。精緻化にて最小とされる関数は、
であった。Rは
で規定され、RWは
で規定され、ここでwは観察される強度の誤差に基づく適当な重量関数である。デファレンスマップを精緻化のすべての段階で試験した。水素を等方性温度因子を用いて理想的な位置に導入したが、水素パラメータは変化しなかった。
化合物(パターン1)の単結晶X線構造を表1および表2に示す。化合物1(パターン1)について、単結晶が室温で不安定である場合、X線回折実験は、典型的には、結晶の安定性を助成し、構造物の解および精緻化について十分な回折データを得るために低温で実施される。低温データの収集はまた、シグナル/背景割合を増加させる利点もあり、かくして一般に回折強度および解像度を改善する。この場合、結晶構造をまず、203Kで集めた完全なデータセットを用いて、ソフトウェアプログラムSHELXTL(Bruker-AXS, 2008, Madison, WI)で解析する。ついで、20分間の短期のデータ収集を室温で行い、ソフトウェアAPEX2(Bruker-AXS、2010、Madison, WI)を介して室温での単位格子パラメータを決定する。次に、LT強度データならびにソフトウェアSHELXTLを用いて室温で得られた単位格子パラメータを用いて原子座標を精緻化することで、室温での結晶構造を決定する。室温での粉末X線パターンを、ソフトウェアのLatticeViewを用いて温度調節原子座標および単位格子パラメータ、ならびに室温で集められたバルクなPXRDと適合する疑似パターンから計算する。この操作は、その温度範囲内で相転移がなく、イソ構造がニートである場合に適用され得る。
表1.25℃での化合物1(パターン1)の結晶データ
表2.25℃での化合物1(パターン1)についての分別原子座標
化合物1(パターン1)についての単結晶データより得られた疑似XRPDは実験XRPDと適合した。
化合物1(パターン2)についての単結晶X線測定値を表3および表4に示す。
表3.25℃での化合物1(パターン2)の結晶データ
表4.25℃での化合物1(パターン2)についての分別原子座標
化合物1(パターン2)についての単結晶データより得られた疑似XRPDを図12に示す。
化合物1(パターン3)についての単結晶X線測定値を表5および表6に示す。
表5.25℃での化合物1(パターン3)の結晶データ
表6.25℃での化合物1(パターン3)についての分別原子座標
化合物1(パターン3)についての単結晶データより得られた疑似XRPDを図13に示す。
化合物2(パターン1)についての単結晶X線測定値を表7および表8に示す。
表7.25℃での化合物2(パターン1)の結晶データ
表8.25℃での化合物2(パターン1)についての分別原子座標
化合物2(パターン1)についての単結晶データより得られた疑似XRPDは実験XRPDと適合した。
実施例13:示唆走査熱量測定(DSC)および熱重量分析(TGA)
50ポジションの自動サンプラーを備えたTA Instruments Q2000上でDSCデータを集めた。サファイアを用いて熱容量の校正を行い、認証されたインジウムを用いてエネルギーおよび温度の校正を行った。典型的には、0.5−3mgの各サンプルを、ピンホールを開けたアルミニウムパンにて、10℃/分で25℃から250℃に加熱した。該サインプルに対して50ml/分での乾燥窒素のパージを維持した。測定器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.8.0.392およびThermal Advantage v4.8.3であり、データをUniversal Analysis v4.3Aを用いて分析した。
16ポジションの自動サンプラーを備えたTA Instruments Q500 TGA上でTGAデータを集めた。認証されたアルメルを用いて温度校正を行った。典型的には、5−30mgの各サンプルを予め計量した白金るつぼおよびアルミニウムDSCパンにロードし、10℃/分で外界温度から350℃に加熱した。該試料に対して60ml/分での窒素パージを維持した。測定器制御ソフトウェアはAdvantage for Q Series v2.8.0.392およびThermal Advantage v4.8.3であった。
パターン1遊離酸(化合物1)
遊離酸(化合物1)のサンプルをTGAおよびDSCで分析し、そのサーモグラムを図2および図3に示す。TGAでは、150℃までは質量喪失のないことが示されており、DSCにて、172℃あたりで始まり、176℃あたりまでで、溶融に起因する、鋭い吸熱が観察される。
非晶質性化合物2
非晶質ナトリウム塩(化合物2)のサンプルをTGAおよびDSCで分析した。エタノールおよび水の喪失に起因すると考えられる、2.79%の質量喪失がTGAにて150℃までで観察される。DSCサーモグラムを図11に示す。
結晶性化合物2(パターン1)
水和させた結晶性ナトリウム塩(化合物2)のサンプルをTGAおよびDSCにより分析し、そのサーモグラムを図5および図6に示す。
実施例14:カール・フィッシャー滴定(KF)による水分測定
各サンプルの水分含量を、Hydranal Coulomat AG試薬およびアルゴンパージを用いて、Mettler Toledo DL39 Coulometerで測定した。秤量した固体サンプルを、水の浸入を回避するのに、スバシール(subaseal)に連結した白金製TGAパン上の容器に導入した。一滴定当たり約10mgのサンプルを用い、二重に測定を行った。
結晶性化合物2(パターン1)の水分含量はカール・フィッシャー滴定により4.1%m/mであると測定され、それをTGAで観察される質量喪失と相互に関連させ、API1モル当たり水分が1.2モルであると計算した。データはすべて、水和させた結晶形である結晶性化合物2(パターン1)と一致する。
実施例15:重量蒸気吸着(GVS)
ある実施態様にて、収着等温線を、SMSアナライシス・スイート・ソフトウェアにより制御される、SMS DVS固有水分収着分析装置を用いて得た。サンプルの温度を装置を制御することで25℃に維持した。乾燥および湿った窒素の流れを合計で200ml/分の流速で混合することにより湿度を制御した。サンプルの近くに設置された目盛り付きロトロニックプローブ(1.0−100%RHのダイナミックレンジ)により測定した。サンプルの重量変化(質量緩和)を%RHの関数として微量天秤(精度±0.005mg)で常にモニター観察した。典型的には、5−20mgのサンプルを外界条件下にある秤量されたメッシュステンレススチールのバスケットに入れた。サンプルをロードし、40%RHおよび25℃(典型的な室内条件)でアンロードした。以下に記載されるように水分収着等温線分析が行われた(2回のスキャンで1回の完全なサイクルが得られる)。標準的等温線分析が、25℃で、0.5−90%RHの範囲にわたり10%RHのインターバルで行われた。
表9.SMS DVS内因性実験についての方法パラメータ
等温線分析およびXRPDによる再度の分析が完了した後にサンプルを回収した。
結晶性化合物1(パターン1)
遊離酸(化合物1)は、0%と90%の相対湿度の間で、0.45%の質量増加があったに過ぎず、ナトリウム塩と比べてそれほど吸湿性ではない。結晶性遊離酸のXRPDは、40℃/75%RHで1週間貯蔵した後で実質的に同じであった。
非晶質性化合物2
非晶質の化合物2は、相対湿度が0%から90%に上昇する際に、質量が20%以上増加する吸湿性を示す。この工程の間に形態の変化は観察されない。
該材料は、40℃/75%RHで1週間貯蔵した後で、実際は大部分が非晶質のままである。
結晶性化合物2(パターン1)
結晶性化合物2(パターン1)は、その非晶質の対応物よりも低い吸湿性を示し、40℃/75%RHまたは25℃/95%RHで1週間貯蔵した後で結晶性の喪失がないことを示す。
実施例16:熱力学的水溶性
十分な化合物を水中に懸濁させ、最大最終濃度が>10mg/mlの親遊離形態の化合物を得ることにより水溶解度を測定した。懸濁液を25℃で24時間平衡状態にし、ついでそのpHを測定した。ついで、懸濁液を、特記しない限り、ガラスファイバーCフィルターを介して96ウェルのプレートに濾過した。次に、濾液を101倍に稀釈した。約0.25mg/DMSO1mlの標準溶液を対照として、HPLCで定量した。異なる容量の標準、稀釈および非稀釈サンプル溶液を注入した。標準注入での主たるピークと同じ保持時間で認められるピークを積分することで決定されるピーク面積を用いて溶解度を計算した。
種々のpHレベルで溶解度を評価するのに、10mg/mlのAPIの最大濃度を得るのに十分な材料を0.15M NaCl溶液で処理し、次にそのpHをHClまたはNaOH溶液で調節し、所望のpHレベルを得る。該懸濁液を2時間平衡状態にし、pHを測定し、必要に応じて調節した。次に、該懸濁液を濾過し、溶解したAPIの量を標準溶液との比較によりHPLCにより定量した。
表10.溶解度測定のためのHPLC法パラメータ
ダイオードアレイ検出器を備えたアギレント(Agilent)HP1100シリーズ系で、ケムステーション(ChemStation)ソフトウェアvB.02.01−SR1を用いて分析を行った。
遊離酸(化合物1)およびナトリウム塩(化合物2)の両方の熱力学的水溶解度を測定した。
表11.熱力学的水溶解度
遊離酸および非晶質ナトリウム塩の両方の溶解度を一連のpH値で測定した。結果を表12および13に示す。
表12.化合物2(非晶質)についての溶解度特性
表13.化合物1についての溶解度特性
実施例17:化学的純度測定
ダイオードアレイ検出器を備えたアギレントHP1100シリーズ系で、ケムステーションソフトウェアvB.02.01−SR1を用いて純度分析を行った。
表14.化学純度決定のための方法パラメータ
化合物1および化合物2のサンプルは、90%より大きな純度を有することが判明した。ある実施態様にて、化合物1のサンプルは、95%より大きな純度を、96%より大きな純度を、97%より大きな純度を、98%より大きな純度を、99%より大きな純度を有することが判明した。ある実施態様にて、化合物2のサンプルは、94%より大きな純度を、95%より大きな純度を、96%より大きな純度を、97%より大きな純度を、98%より大きな純度を、99%より大きな純度を有することが判明した。
ある実施態様にて、化合物1または化合物2のサンプルは、検出可能な量の以下の構造式:
で示される化合物;またはその組み合わせを含む。
実施例18.キラル純度
ダイオードアレイ検出器を備えたアギレントHP1100シリーズ系で、ケムステーションソフトウェアvB.02.01−SR1を用いて、HPLCによりキラル純度分析を行った。
表15.化学純度決定のためのHPLC方法パラメータ
キラル純度(%エナンチオマー過剰率;%e.e.)を測定した。ある実施態様にて、化合物1および化合物2のサンプルが98%よりも大きなキラル純度を有することが判明した。ある実施態様にて、化合物1のサンプルは95%より大きな、96%より大きな、97%より大きな、98%より大きな、99%より大きなキラル純度を有することが判明した。ある実施態様にて、化合物2のサンプルは、94%より大きな、95%より大きな、96%より大きな、97%より大きな、98%より大きな、99%より大きなキラル純度を有することが判明した。
実施例19:ICP−AESによる重金属(Pd)
触媒量のPdをその合成で用いることで得られるトレースパラジウム(Pd)を誘導結合プラズマ原子発光分析(ICP−AES)により検定する。ICP−AESによるPd含量は約20ppm未満のパラジウムの検出可能な量である。ICP−AESによるPd含量は約20ppm未満である。ICP−AESによるPd含量は20ppm未満、15ppm未満、10ppm未満、または5ppm未満である、パラジウムの検出可能な量である。ICP−AESによるPd含量は20ppm未満、15ppm未満、10ppm未満、または5ppm未満である。ある実施態様にて、サンプルまたは医薬組成物はパラジウムを検出可能な量で含まない。
実施例20:重金属(鉛など)
この試験はUSP<231>方法IIに従ってなされる。
実施例21:結晶性化合物2(パターン1)のIR分光学
結晶性化合物2(パターン1;水和物)を赤外線分光法により分析した。データをPerkin−Elmer Spectrum One装置に集め、万能減衰全反射(ATR)サンプリングアクセサリーに適合させた。スキャンレンジ=64スキャンおよび4cm−1の分解能で4000cm
−1〜600cm
−1である。データをSpectrumv5.0.1ソフトウェアを用いて分析した。
医薬組成物
その医薬的に許容される塩(例えば、化合物2)および/または医薬的に許容される 溶媒和物を含め、化合物1からなる医薬組成物は、種々の形態からなる。ある態様において、医薬組成物は経口剤形の形態である。ある実施態様にて、医薬組成物は:経口用溶液、経口用懸濁液、錠剤、ピル、カプセル、軟膏剤、クリームまたはゲルとして処方される。
実施例22:経口溶液
一の態様において、経口溶液の形態である経口用医薬組成物は以下に記載されるように調製される。
経口溶液は化合物1または化合物2が50mg/mLで調製される。
経口溶液A:
一の実施態様において、経口用医薬組成物は次の成分:
−50mg/mLの化合物1または化合物2
−0.5%メトセル
−0.5%チェリーフレーバー
−0.5%スクラロース
−適量の水
を用いて調製される。
上記した化合物1または化合物2の経口溶液の製造方法は次のとおりである:必要な量のメトセルを秤量し、容器に移す。必要な量の水を加え、0.5%溶液を製造し、溶解するまで混合する。必要な量のチェリーフレーバーおよびスクラロースを秤量し、これを該溶液に加え、均質になるまで混合する。必要な量の化合物1または化合物2を秤量し、該溶液にゆっくりと添加する。化合物1または化合物2がすべて溶解するまで混合する(必要に応じて、超音波処理に付すか、加温するか、または攪拌する)。
実施例23:カプセル処方
即時放出性カプセル
一の実施態様において、ヒトに投与するための化合物1または化合物2のカプセル製剤は、次の成分:
を用いて調製される。
化合物1または化合物2をカプセルにて調製する方法は次のとおりである:必要な量の化合物1または化合物2を秤量し、適当な大きさのカプセルに加え、カプセルを密封する。例えば、10−500mgの化合物1または化合物2をサイズ4のカプセルに充填する。一の実施態様において、100−500mgの化合物1または化合物2をサイズ1のカプセルに充填する。
実施例24:即時放出性錠剤
化合物2を含む即時放出性錠剤の例は、限定されるものではないが、以下に示される。
表16.即時放出性錠剤
即時放出錠剤の調製例は、限定されるものではないが、以下に示されるとおりである。他の投与量が予想される。ある場合には、錠剤は薄層フィルム(例えば、オパドライコーティング)で被覆される。
錠剤の調製に一般的に使用される製造/分析用装置は:処方用装置(U.S.A.標準試験シーブ;V−シェル・ブレンダー;ERWEKA TBH300 MD硬度計; バンダーカンプ脆弱性検査器;マネスティ・ベータ・プレス、16ステーション);分析用装置(可変波長検出器を備えたアギレント1100シリーズHPLC;バンケル(VanKel)モデルVK7000溶出装置;バンケルモデルVK8000溶出自動サンプリング装置)を包含する。
適当な大きさの混合容器に、以下の成分:ケイ化微結晶セルロースHD90の半分、無水リン酸二塩基性カルシウムの半分、化合物2、ラウリル硫酸ナトリウム、澱粉グリコール酸ナトリウム(顆粒内部分)、残りの半分の無水リン酸二塩基性カルシウム、残りの半分のケイ化微結晶セルロースHD90を添加した。成分を混合する。ブレンドをシーブスクリーンに通し、混合容器に戻す。成分をブレンドする。ステアリン酸マグネシウム(顆粒内量)の半分をシーブスクリーンを通してプレスクリーニングに供する。粉末ブレンドに加え、成分をブレンドする。ローラー圧縮機および適当なパラメータを用いて、該ブレンドをローラー圧縮に付し、適切な機械特性を有するリボンを生成する。バイパス(すなわち、粉末および圧縮が緩い粉末)をローラー圧縮機を通して再利用し、さらなる緻密化処理に付した。該リボンをミルに通し、造粒に適する粒径分布の顆粒を得る。顆粒を適当な混合容器に移す。顆粒をブレンドする。ステアリン酸マグネシウムの半分(顆粒外量)をシーブスクリーンを介してプレスクリーニングに供する。顆粒に加え、成分をブレンドする。
最終顆粒を錠剤プレスに移し、錠剤に圧縮する。
溶解実験
ある実施態様にて、以下のパラメータ:
を用いて、すべての錠剤を溶解性について試験する。
即時放出性錠剤は75%以上(NLT)の化合物1または化合物2が45分以内に放出することを示す。
ある実施態様にて、錠剤はCRCキャップおよび熱誘導性シールを備えたHDPEボトルに所望によりパッケージされてもよい。
実施例25:腸溶性錠剤
ある実施態様にて、腸溶性錠剤は表17に列挙される成分を用いて調製される。
表17.腸溶性錠剤
腸溶性錠剤の調製は次のとおりである:388.0gのアセトンおよび12.0gの精製水を秤量し、それらを頭部に攪拌機を備えたビーカー中に混合する。40gのオイドラギットを秤量し、溶媒混合液中にゆっくりと少しずつ注ぎ、ランプの形成を妨げる。清澄な溶液が得られるまで攪拌する。ついで、6gのクエン酸トリエチルを秤量し、清澄な溶液に添加し、溶液が均質になるまで攪拌を維持する。およそ60gのプラセボ錠剤を約80個の750mgの即時放出性錠剤と混合し、コーティング混合物で被覆する。
実施例26:徐放性錠剤
該製剤のブレンドを即時放出性錠剤と同じ方法(例えば、シーブ化、混合および圧縮)にて調製する。湿式造粒、流動床、高剪断造粒等などの他の調製も許容される。該製剤は薬物放出修飾性賦形剤を含む。これらの賦形剤は、限定されないが、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒプロメロース)、メタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルおよびポビドンを包含する。薬物放出修飾性賦形剤の配合量は製剤の約10%〜約80%の範囲である。薬物放出特性は0〜4時間、0〜6時間、0〜8時間、0〜12時間、0〜24時間、2〜4時間、2〜6時間等の範囲である。ある実施態様にて、製剤は直接圧縮後にオパドライコーティング剤で被覆される。徐放性製剤の例を以下に示す。
表18.徐放性錠剤
表19.徐放性錠剤
実施例27:軟膏組成物
軟膏組成物の例が、限定されるものではなく、表20に示される。
実施例28:ゲル組成物
ゲル組成物の例が、限定されるものではなく、表21に示される。
表21
実施例29:クリーム組成物
クリーム組成物の例が、限定されるものではなく、表22に示される。
表22
実施例30:代謝経路の同定
化合物1を、ラット、イヌ、サルおよびヒトの肝臓のミクロソーム;ラット、イヌ、およびヒト肝細胞と一緒にインキュベートする間に形成された化合物1の代謝物;ならびにラットの胆汁およびラットおよびイヌの血漿でインビボにて生成され、そこから単離された代謝物を研究した。
材料
雄のスプレーグ−ドーリ−ラット、雄のビーグル犬、および混合したプールヒト低温保存した肝細胞をセルシス(Celsis)(Woburn、MA)より購入した。フレッシュなヒト肝細胞をライフ・テクノロジー(Life Technologies)(ロット00583558、オス;Carlsbad、CA)より購入した。KB培地をセルシスより購入した。UDPGA、β−NADPHおよびトリプトファンブルーをシグマ・ケミカルより購入した。
化合物2(2mg/kg)を頸静脈にボーラス注射を介して0.9%生理食塩水中溶液として空腹ラットに静脈内(IV)投与した(2mg/mL;2mL/kg)。
ミクロソーム
定性代謝プロフィールを測定するのに、30μMの化合物1をラット、イヌ、サルまたはヒト肝臓ミクロソーム(1mg/mL)と一緒に好気的にインキュベートした。pH7.4のリン酸緩衝液中、37℃でインキュベーションを行い、β−NADPH,GSHおよび/またはUDPGA(各々、1、5および2mMの最終濃度)を添加することで反応を開始させた。60分後、インキュベーション容量の3倍のアセトニトリルを添加することで反応を停止させた。サンプルを遠心分離に付し、上澄みを移し、窒素ブローで乾燥させ、LC/MS分析のために水中50%アセトニトリルで復元させた。
肝細胞
ラット、イヌ、サルまたはヒトの肝細胞を供給業者の指示に従って解凍させた。トリパン・ブルー法を用いて細胞を計数し、ついでKB媒体で1x106個の生存細胞/mlに希釈した。化合物1を30μMで試験し、ラット肝細胞を2時間まで、イヌ、サルまたはヒトの肝細胞を4時間まで、37℃でインキュベートした。インキュベーション容量の3倍のアセトニトリルを添加して反応を停止させ、遠心分離に付し、上澄みを移し、窒素ブローで乾燥させ、LC/MS分析のために水中50%アセトニトリルで復元させた。
ラット胆管挿管
手術により胆管および頸静脈カニューレを設置したラットをチャールス・リバー・ラボラトリースより購入し、2日間順応させた。化合物2(2mg/kg)を0.9%生理食塩水中溶液(2mg/mL;1mL/kg)として3匹のラットに静脈内投与した。胆汁サンプルを投与した0−2、2−5および5−8時間後の時点で、尿サンプルを0−4および4−8時間後の時点で8mLのシンチレーションバイアルに集め、分析するまで−40℃で貯蔵した。
化合物1の血漿抽出
蛋白沈降の後で、化合物1のラット血漿中濃度をLC−MS/MSにより測定した。ラットの血漿(100μL)を400μLの内部標準溶液(ISTD、1.5%酢酸を含有するアセトニトリル中ブスピロン)で処理し、蛋白を沈降させた。サンプルをかき混ぜ、次に約4000rpm(3700xg)で10分間、4℃で遠心分離に付した(Beckman centrifuge、Brea、CA)。
装置
LC/MS/MS分析を、アギレント1200シリーズポンプ(Foster City, CA)およびLEAP Technologies PAL自動注入装置(Carrboro, NC)からなる高性能液体クロマトグラフィーシステムに連結されるSciex API-4000Qトラップタンデム質量分光計(Applied Biosystems/Life Technologies、Carlsbad、CA)で行った。
LC−MS/MS操作
親/代謝物分析を、親の複数の反応をモニター観察することにより、陽性イオンモード(ESI)にて行った。移動相は、0.05%ギ酸を含む水中10mM酢酸アンモニウム(溶媒A)および0.05%ギ酸を含む50%アセトニトリル/50%メタノール中10mM酢酸アンモニウム(溶媒B)を含有した。化合物1では、流速が1mL/分で維持され、ランタイムの合計は2.5分であった。分析物をYMC ODS−AQカラム(2.1x150mm;3μm)で分離し、直状グラジエントで次のように溶出させた:
1.移動相を5%Bで0.5分間保持し、
2.Bを次の0.2分間にわたって5%から95に上昇させ、
3.Bを95%で1.3分間一定に保持し、
4.Bを最初のグラジエント条件に戻した。
GSHアダクツを、ピログルタメート(129Da)のニュートラル・ロス・スキャンならびに化合物1の先駆体(105Da、318Daおよび438Da)のイオンスキャンを含む、種々の方法を用いて、ミクロソーム、肝細胞およびラットの胆汁にて調べた。
代謝物の定量では、流速が0.25mL/分で維持され、ランタイムの合計は60分であった。分析物を直状グラジエントで次のように分離した:
1.移動相を5%Bで5分間保持し、
2.Bを次の45分間にわたって5%から95に上昇させ、
3.Bを95%で5分間一定に保持し、
4.Bを最初のグラジエント条件に戻した。
結果
次の代謝物が観察された:
表23.化合物1の代謝物
M1を含む、グルクロニドは、肝ミクロソーム、肝細胞およびラット胆汁にて観察される(直接および間接的な)主たる代謝物である。フェニル環の一酸化代謝物(M3およびM4)およびビフェニル環もまた、ラット、イヌおよびヒトの肝ミクロソーム、肝細胞ならびにラットの胆汁にて観察される。酸化グルクロニド(M2)が肝ミクロソーム(ラット、イヌおよびヒト)、肝細胞(イヌ)および胆汁(ラット)にて観察された。第一アミン(すなわち、脱カルボキシル化)またはその第二代謝物(グリコシル化またはグルクロニデーション(グルクロン酸化))のいずれも血漿(ラットおよびイヌ)、ラットの胆汁または尿にて観察されない。GSHアダクツは、ラット、イヌまたはヒトの肝細胞、およびヒトミクロソームの、インビトロにおけるスクリーニングアッセイにて観察されなかった。インビボにて、GSHアダクツはラットの胆汁にて観察されず、いずれの代謝物もラットの尿にて観察されない。インビボにて、代謝物であるM1およびM4のAUC値は親化合物である化合物1の10%未満である。
実施例31.スプレーグ・ドーリーラットにおける薬物動態
化合物1および化合物2の薬物動態を雄および雌のスプレーグ・ドーリー・ラット(225−300g、10週齢)を用いて評価した。
化合物2(1mg/kg)を精製水中溶液として絶食させたラット(n=3)にボーラス注射を介して頸静脈に静脈内投与した(1mg/mL;1 mL/kg)。化合物1(10mg/kg)を、特記しない限り、0.5%メチルセルロース中溶液として、絶食させた(少なくとも12時間)または絶食させていないラット(n=2または3)に強制的に経口を介して胃に投与した(3.33mg/mL;3mL/kg)。絶食させていない動物を少なくとも12時間絶食させ、次に投与前の1時間は食餌を自由にさせた。絶食させた動物に1、10、30、100または300mg/kgの化合物1を0.5%メチルセルロース中溶液として強制的に経口を介して胃に投与した(0.69mg/mL、10mg/mL、33.3mg/mLまたは100mg/mL)(n=2または3/投与群)。胃腸の実験にて、ラットに麻酔をかけ、化合物1を十二指腸、空腸または回腸に0.5%メチルセルロース中1mg/kgにて直接投与した。
化合物2のカプセル剤も投与した。カプセルはサイズ9ゼラチン(Torpac、San Diego、CA)であった。
表24.カプセルおよび化合物2の重量
各ラットから頸静脈カニューレを介して血液サンプル(約300μLの全血)を、投与前および最初の5または15分に採取し、ついで投与した24時間までの種々の時点(動物に付き10−11種のサンプル)で採取した。サンプルはカリウムEDTA含有の試験管中ウェットアイス上に集めた。各採血の後は、等容量のヘパリン処理した生理食塩水(0.1mL、40単位/mL)でカニューレをフラッシュさせた。全血を遠心分離に付すことで調製された血漿サンプルは分析前は凍結貯蔵(−80℃)された。
他のすべての試薬は分析用グレードであった。
静脈内(IV)投与(1mg/kg)の後、クリアランス(5.1〜5.2μg・hr/mL)は雄および雌の両方のラットで低く;分配の容量は中程度で、体内の全水分量の約2倍であった。半減期は、雄および雌で、各々、3.8および3.2時間であった。静脈内投与の後で、有意な性に関するPKの違いは観察されなかった。加えて、化合物1のメチルセルロース中懸濁液を、強制的に経口を介して(PO)絶食させた雄/雌の動物に1、10、30、100および300mg/kgの用量で投与した。1mg/kg投与の後で、得られた最大血漿中濃度は、雄および雌のラットで、各々、0.4および0.3μg/mL(Cmax)であった。平均用量調節性暴露量(AUC0−24/D)は、雄および雌で、各々、2.1および1.9μg・hr/mLであり、化合物1について63%(雄)および58%(雌)の見かけバイオアベイラビリティをもたらした。上記したように(1mg/kgでのIV投与)、PO投与後には有意な性による違いは観察されなかった。10mg/kgを絶食させた動物に経口投与すると、用量調節されるAUC値(AUC0−24/D)は、雄および雌のラットで、各々、2.4および2.7μghr/mLであった。これらのデータは、1と10mg/kgのPO用量の間で、化合物1の暴露が、懸濁液として投与された場合に、用量に比例することを示唆する。しかしながら、用量が30、100および300mg/kgと増加すると、得られる暴露は用量に比例するよりもより大きく増加した。1mg/kgで食餌が与えられている動物に経口投与されると、暴露(AUC0−24)は、雄および雌のラットで、各々、1.6および1.4μghr/mLであった。食餌の与えられている動物の絶食されている動物に対するわずかに低い暴露の傾向は10mg/kgでも観察された。カプセル形態に、あるいは懸濁液中の遊離酸として処方された化合物2の経口薬物動態を評価するのに2つの付加的な研究が達成された。遊離酸、ナトリウム塩およびゼラチンカプセル中ナトリウム塩(10mg/kg)の用量正規化暴露は、各々、5.1、2.4および2.1μghr/mLであった。化合物1の局所吸収は胃腸管全体の間で良好な経口バイオアベイラビリティを示す。
実施例32.雄ビーグル犬における薬物動態
化合物1および化合物2の薬物動態を雄ビーグル犬で評価した。
雄ビーグル犬(n=3)の投与を行った。化合物1または化合物2を2mg/kgで静脈内投与(空腹)し、5mg/kgで経口投与(空腹または非空腹)した。空腹の動物では、投与前に最低12時間は食べ物が付与されず、次に投与した4時間後に戻した。非空腹の動物には投与の1時間前に自由に食べ物を与えた。化合物2のカプセルを空腹状態にて強制的に経口投与(PO)した。Perry Scientific研究職員が血漿サンプルを集めた。
カプセルを下記の表25に示す。カプセルはサイズ0ゼラチン(Capsugel、Peapack、NJ)であった。表の製剤は実施例24に記載される。.
表25.カプセルおよび化合物2の重量
活性剤(1.67mg/mL)の臨床的な経口用医薬溶液の場合、スクラロース(0.5%w/w)およびチェリーフレーバー(0.5%w/w)が、各々、0.5%メトセル水溶液に、甘味剤および風味マスキング剤として製剤に加えられる。
各イヌから血液サンプル(約1mLの全血)を、投与前および最初の5または15分に採取し、ついで投与した24時間までの種々の時点(動物に付き10−11種のサンプル)で採取した。サンプルはカリウムEDTA含有の試験管中ウェットアイス上に集めた。各採血の後は、等容量のヘパリン処理した生理食塩水(0.1mL、40単位/mL)でカニューレをフラッシュさせた。全血を遠心分離に付すことで調製された血漿サンプルは分析まで凍結貯蔵(−80℃)された。
他のすべての試薬は分析用グレードであった。
2mg/kgの化合物2を静脈内投与した後、該化合物は10.5mL/分/kgの全身性クリアランス値、0.6L/kgの分配値の推定容量および3.9時間の最終半減期を示した。空腹状態での5mg/kgの化合物2の経口投与は、63%の見かけ経口バイオアベイラビリティを、5.5μg/mLのCmax値と共に示し、その一方で満腹状態では、60%の見かけ経口バイオアベイラビリティを示した。化合物2がカプセル形態にて投与されると、AUCは2.5倍に減少し、24%の見かけ経口バイオアベイラビリティを有した。化合物1が投与されると、暴露を減少させ、見かけ経口バイオアベイラビリティは19%であった。2種の異なる錠剤製剤およびヒト投与溶液も調べ、その各々は、同様のAUC値ならびに100、52および57%の見かけ経口バイオアベイラビリティを示した。薬物動態結果は化合物2が全身暴露を有し、食べ物がイヌにおける吸収にてほとんど効果を有しないことを示唆する。
実施例33.ヒトLPA1を安定的に発現するCHO細胞系の確立
ヒトLPA1受容体をコードする1.1kbのcDNAをヒト肺よりクローンした。ヒト肺RNA(Clontech Laboratories, Inc. USA)をRETROSCRIPTキット(Ambion, Inc.)を用いて逆転写し、ヒトLPA1についての全長cDNAをPCRにより該逆転写反応体より得た。クローンされたヒトLPA1のヌクレオチド配列をシーケンシングすることで決定し、公開されたヒトLPA1配列(Anら、Biochem. Biophys. Res. Commun. 231: 619 (1997))と同じであることを確認した。cDNAをpCDNA5/FRT発現プラスミドにクローン中にクローンし、リポフェクタミン2000(Invitrogen Corp.、USA)と一緒にCHO細胞にトランスフェクトした。ヒトLPA1を安定して発現するクローンをハイグロマイシンを用いて選択し、LPAに応答してCa流出を示す細胞であると同定した。
実施例34.ヒトLPA 2 を一時的に発現する細胞の生成
ヒトLPA2受容体cDNAを含むベクターをMissouri S&T cDNA Resource Center(www.cdna.org)より入手した。ヒトLPA2についての全長cDNAフラグメントをPCRにより該ベクターから得た。クローンされたヒトLPA2のヌクレオチド配列をシーケンシングすることで決定し、公開されたヒトLPA2配列(NCBI accession number NM_004720)と同じであることを確認した。該cDNAをpCDNA3.1発現プラスミド中にクローンし、B103細胞(Invitrogen Corp., USA)を96−ウェルポリ−D−リジン被覆のプレートに30,000−35,000個の細胞/ウェルで0.2μlのリポフェクタミン2000 および0.2μgのLPA2発現ベクターと一緒に播種することで該cDNAを該細胞にトランスフェクトさせた。LPA誘発性Ca流出についてアッセイする前に該細胞を完全培地にて一夜培養させた。
実施例35.ヒトLPA 3 を安定して発現するCHO細胞系の確立
ヒトLPA3受容体cDNAを含むベクターをMissouri S&T cDNA Resource Center(www.cdna.org)より入手した。ヒトLPA3についての全長cDNAフラグメントをPCRにより該ベクターから得た。クローンされたヒトLPA3のヌクレオチド配列をシーケンシングすることで決定し、公開されたヒトLPA3配列(NCBI accession number NM_012152)と同じであることを確認した。該cDNAをpCDNA5/FRT発現プラスミドにクローンし、リポフェクタミン2000(Invitrogen Corp., USA)を用いてCHO細胞にトランスフェクトさせた。ヒトLPA3を安定して発現するクローンをハイグロマイシンを用いて選択し、LPAに応答してCa流出を示す細胞であると同定した。
実施例36.LPA 1 およびLPA 3 のカルシウム流出アッセイ
ヒトLPA1またはLPA3を発現するCHO細胞を、アッセイの1または2日前に、96ウェルのポリ−D−リジン被覆のプレートに、20,000−45,000個の細胞/ウェルで播種させる。該アッセイの前に、細胞をPBSで1回洗浄し、次に血清不含培地で一夜培養する。該アッセイの当日に、アッセイ緩衝液(Ca2+およびMg2+を含み、20mMのHepesおよび0.3%脂肪酸不含ヒト血清アルブミンを含有するHBSS)中のカルシウム指示染料(Calcium 4、Molecular Devices)を各ウェルに加え、インキュベーションを37℃で1時間続ける。2.5%DMSO中の10μlの試験化合物をウェルに加え、インキュベーションを室温で30分間続ける。10nMのLPAを添加することで細胞を刺激し、フレックスステーション3(Molecular Devices)を用いて細胞内Ca2+を測定する。薬物滴定曲線をグラフパッド・プリズム解析に付してIC50を決定する。
実施例37.LPA 2 カルシウム流出アッセイ
BT−20ヒト乳癌細胞を、ポリ−D−リジン被覆した側壁が黒色で底部が透明のプレートに、25,000−35,000個の細胞/ウェルで播種させる。一夜培養した後に、細胞をPBSで1回洗浄し、次にアッセイの4−6時間前は血清を欠乏させる。該アッセイの当日に、アッセイ緩衝液(Ca2+およびMg2+を含み、20mMのHepesおよび0.3%脂肪酸不含ヒト血清アルブミンを含有するHBSS)中のカルシウム指示染料(Calcium 5、Molecular Devices)を各ウェルに加え、インキュベーションを37℃で15分間続ける。2.5%DMSO中の25μlの試験化合物をウェルに加え、インキュベーションを37℃で15分間続ける。100nMのLPAを添加することで細胞を刺激し、フレックスステーション3(Molecular Devices)を用いて細胞内Ca2+を測定する。薬物滴定曲線をSYMYX(登録商標)Assay Explorer解析に付してIC50を決定する。
インビトロの生物学的デーを以下の表に示す。
表26.カルシウム流出IC
50データ
A=0.2μM未満、B=0.2−1.0μM、およびC=1μMより大;ND=アッセイを実施せず
実施例38.LPA 1 走化性アッセイ
A2058ヒトメラノーマ細胞の走化性をNeuroprobe ChemoTx(登録商標)Systemプレート(8μm細孔径、5.7mm直径部位)を用いて測定した。フィルター部位を20mM Hepes、pH7.4中0.001%フィブロネクチン(Sigma)で被覆し、乾燥させた。A2058細胞にて24時間血清を欠乏させ、ついでCell Stripperで収穫し、DMEM(0.1%脂肪酸不含ウシ血清アルブミン(BSA))に1x106/mlの濃度で再懸濁させた。細胞を0.1%脂肪酸不含BSAを含有するDMEM中にて等容量の試験化合物(2X)と混合し、37℃で15分間インキュベートした。LPA(0.1%脂肪酸不含BSAを含有するDMEM中に100nM)またはベヒクルを下側チャンバーの各ウェルに加え、50μlの細胞懸濁液/試験化合物をChemoTxプレートの上方部に適用した。プレートを37℃で3時間インキュベートし、ついで細胞をPBSですすぎ、削り落とすことで該上方部より取り出した。フィルターを乾燥させ、ついでHEMA3 Staining System(Fisher Scientific)で染色させた。フィルターの吸光度を590nmで読み取り、IC50をSymyx Assay Explorerを用いて決定した。
化合物1はヒトA2058メラノーマ細胞のLPA誘導の走化性を阻害した(100nM未満のIC50)。
実施例39:マウスにおけるブレオマイシン誘発性肺線維症実験
雌C57BL/6マウス(Harlan、25−30g)を一ケージに付き4匹収容し、試験開始の少なくとも7日間は食べ物および水へのアクセスが自由であり、環境に順化させる。訓化期に入った後、マウスをイソフルラン(100%O2中5%)で麻酔し、硫酸ブレオマイシン(0.01−5U/kg、Henry Schein)を気管内注入を介して投与する(Cuzzocrea, Sら、Am. J. Physiol. Lung Cell Mol. Physiol., 2007 May; 292 (5) : L1095-104. Epub 2007 Jan. 12)。マウスを各ケージに戻し、実験期間の間、毎日モニター観察する。試験化合物またはベヒクルを経口、腹腔内または皮下的に毎日投与する。投薬の経路および頻度は予め決定した薬物動態的特性に基づく。ブレオマイシン注入から3、7、14、21または28日経過後に、イソフルランを吸入させてすべての動物を殺す。殺してから、マウスに1mlのシリンジに連結した20ゲージの血管カテーテルを挿管する。肺を生理食塩水で洗浄し、気管支肺胞洗浄液(BALF)を得、次に摘出し、その後の病理組織学的分析用に10%中性緩衝ホルマリンに固定する。BALFを800xで10分間遠心分離に付し、細胞をペレット状にし、その細胞上澄を取りだし、その後のDC蛋白アッセイキット(Biorad, Hercules, CA)を用いる蛋白分析、およびSircol(Biocolor Ltd, UK)を用いる可溶性コラーゲン分析のために−80℃で凍結させる。市販されているELISAを用いて、BALFを、形質転換成長因子β1、ヒアルロン酸、メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ−7、結合組織成長因子および乳酸脱水素酵素活性を含む、炎症性、プロ線維性および組織損傷バイオマーカーの濃度について分析する。細胞ペレットをPBSに再び懸濁させる。細胞数全体をヘマベット血液システム(Drew Scientific、Wayne、PA.)を用いて計算し、Shandonサイトスピン(Thermo Scientific、Waltham、MA.)を用いてディファレンシャル細胞数を測定する。ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)ならびにトリクロムを用いて肺組織を染色し、肺線維症を光学顕微鏡(10x倍率)を用いる半定量的組織病理学的評点化(Ashcroft T.ら、J. Clin. Path., 1988; 41, 467-470)により、および光学顕微鏡を用いる肺組織断片中のコラーゲンの定量的コンピュータ支援濃度測定により決定する。データをグラフパッド・プリズムを用いてプロットし、群間の統計的差異を決定する。
急性セッティング(3日)にて、化合物1は有意に気管支肺胞洗浄液(BALF)中の全体の蛋白およびコラーゲン濃度を減少させた。7日のブレオマイシン実験にて、化合物1はBALFコラーゲン、蛋白、TGFβ1、MMP−7、ヒアルロナンおよび炎症細胞流入を減少させた。慢性セッティング(14日のブレオマイシン実験)にて、化合物1は、予防的に(0日目−14日目)または治療的に(3日目−14日目)のいずれかで投与した場合に、全体の肺コラーゲンを減少させた。
実施例40:マウス四塩化炭素(CCl4)誘発性肝線維症実験
4匹/ケージにて収容した雌C57BL/6マウス(Harlan、20−25g)は、試験開始の少なくとも7日間は、食べ物および水と自由にアクセスしており、環境に順化させる。訓化期に入った後、トウモロコシ油ベヒクル(100μl容量)に希釈したCCl4(1.0ml/体重kg)を腹腔内注射を介して、週に2回、8週間マウスに投与する。(Higazi, A. A.ら、Clin Exp Immunol., 2008 Apr; 152(1): 163-73. Epub 2008 Feb.14, 2008)。対照のマウスには、等容量のトウモロコシ油ベヒクルだけを投与する。試験化合物またはベヒクルを、毎日、経口、腹腔内または皮下投与する。実験の最後に(CCl4の最初の腹腔内注射から8週後に)、イソフルランを吸入させてマウスを殺し、その後のALT/ASTレベルの分析用に、心穿刺を介して血液を採取する。肝臓を摘出し、その肝臓の二分の一を−80℃で凍結させ、もう半分を光学顕微鏡(10倍率)を用いて肝線維症を組織学的に評価するのに10%中性緩衝化ホルマリンに固定する。肝組織均質物をSircol(Biocolor Ltd、UK)を用いてコラーゲンレベルについて分析する。固定された肝組織をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)およびトリクロムを用いて染色し、光学顕微鏡を用いて肝組織の切片をコンピュータによる定量的コラーゲン濃度測定により測定する。血漿および肝臓組織ライゼートもまた、市販のELISAを用いて、炎症の程度、プロ線維性および組織傷害生体指標、例えば、形質転換成長因子β1、ヒアルロン酸、メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤、マトリックスメタロプロテイナーゼ−7、結合組織成長因子および乳酸脱水素酵素活性について分析される。得られたデータをグラフパッドプリズム(Graphpad prism)を用いてプロットし、群間の統計学的差異を決定する。
この実験にて、化合物1は、未処理の群と比べて、肝臓の重量の増加および肝臓におけるコラーゲンの蓄積を有意に減少させた。
実施例41:マウス静脈内LPA誘発性ヒスタミン放出
マウス静脈内LPA誘発性ヒスタミン放出実験を利用してLPA1およびLPA3受容体アンタゴニストのインビボでの効能を決定する。LPA(0.1%FAF BSA中300μg/マウス)を静脈内投与する30分〜24時間前に、化合物を10ml/kgの容量にて雌CD−1マウス(体重25−35g)に(腹腔内、皮下または経口的)投与する。LPA投与した直後に、マウスを周囲を囲まれたプレキシラスチャンバーに入れ、2分間にわたってイソフルランに曝す。マウスを取りだし、断頭に付し、血液をEDTA含有の試験管に集める。ついで、血液を10,000xg、4℃で10分間遠心分離に供する。血漿中のヒスタミン濃度をEIAにより決定する。血漿中の薬物濃度を質量分析により決定する。血液中ヒスタミン放出の50%阻害を達成する用量を非線形回帰分析(グラフパッド・プリズム)により算定し、ED50としてプロットする。この用量と関連する血漿中濃度をEC50としてプロットする。
実施例42:マウスの真皮血液漏出アッセイ
体重20−25gの雌BALB/cマウス(Harlan)は標準的なマウスの餌および水へのアクセスが自由であり、実験を開始する2週間前に環境に順化させた。化合物を水のベヒクル中にて3mg/mlの濃度で調製し、胃管栄養により10ml/kgの容量で送達させ、30mg/kgの用量を投与した。投与から3時間後に、マウスを抑制装置に入れ、尾静脈注射により静脈内にエバンスブルー色素(0.2mL、0.5%溶液)を投与した。ついで、3%イソフルラン麻酔薬を用いてマウスを麻酔し、LPA(30μg、20μlの脂肪酸不含BSA中0.1%)を皮内注射させた。LPA注射から30分後、マウスをCO2吸入により殺し、皮膚を攻撃部位より取り外し、2mlのホルムアミドに一夜入れ、エバンスブルー色素を抽出させた。
抽出した後、各組織サンプルについて150μlのアリコートのホルムアミドを96ウェルのプレートに入れ、光度計を用いて610nmで読み取る。得られたデータ(OD単位)をグラフパッド・プリズムを用いてプロットした。この実験にて、化合物1はエバンスブルー色素の皮膚への漏出を減らした。
実施例43:ブレオマイシン誘発性強皮症のマウス実験
ブレオマイシン誘発性強皮症のマウス実験を用いて化合物1の皮膚線維症における効果を評価した。方法は、Yamamoto, Tら、The Journal of Investigative Dermatology、112:456-462、1999より適合させた。雌C57B1/6マウスをイソフルラン(100%O2中3.0−3.5%)で麻酔し、2つの領域を下背側部にて双方向で毛を剃った。滅菌濾過したPBS中に調製されたBLM(1−10μg/100μl)を毛が剃られた各領域に一日一回、週に5ないし7日間、合計で4週間(28日)にわたって皮下投与した。
化合物1を水ベヒクルに調製し、週末に一日に2回または週末に毎日1回経口的に投与させた。
28日目に、すべての動物を殺した。背面の皮膚を剥がし、付着した皮下脂肪を取り除き、8mmの生検パンチを用いて各対象から2つの皮膚サンプルを集めた。一のサンプルを10%中性緩衝化ホルマリンに沈め、組織解析に供した。別のサンプルはさらにシルコール(Sircol)またはヒドロキシプロリン法のいずれかを用いてコラーゲン含有物を処理するために−80℃で凍結させた。
図14および15:ブレオマイシン誘発性強皮症の化合物1を用いるマウス実験でのアッセイの結果を示す。図14は皮膚の厚みを示す。図15はコラーゲン含有量を示す。#P<0.05 versus PBS;*P<0.05 versus BLM;ANOVA。化合物1は皮膚厚およびコラーゲン含量の両方を減少させた。
実施例44:マウス片側尿管閉塞腎線維症実験
4匹/ケージにて収容した雌C57BL/6マウス(Harlan、25−30g)を、試験開始の少なくとも7日間は食べ物および水へのアクセスが自由であり、環境に順化させる。訓化期に入った後、マウスに左側腎臓に対して片側尿管閉塞(UUO)術または疑似手術を施す。簡単には、上部左側を縦方向に切開し、左腎臓を暴露する。腎動脈を見つけ、6/0絹糸を動脈と尿管の間に通す。糸を尿管の周りでループにし、3回結び目を作って結び、尿管を完全にライゲートさせる。腎臓を腹部に戻し、腹筋を縫合し、皮膚を密閉する。マウスを各ケージに戻し、実験の間中、毎日モニター観察する。化合物またはベヒクルを、毎日、経口、腹腔内または皮下投与する。投薬の経路および頻度は予め決定した薬物動態的特性に基づく。UUOの手術から4、8または14日経過後に、イソフルランを吸入させてすべての動物を殺す。殺してから、心臓に穿刺して血液を採取し、腎臓を摘出し、その半分を−80℃で凍結させ、他の半分を光学顕微鏡(10x倍率)を用いる腎線維症の組織学的評価のために10%中性緩衝ホルマリンに固定する。Sircol(Biocolor Ltd, UK)を用いて、腎組織ホモジネートをコラーゲンレベルについて分析する。ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)ならびにトリクロムを用いて固定した腎組織も染色し、腎線維症を光学顕微鏡を用いる肝組織断片中のコラーゲンの定量的コンピュータ支援濃度測定により決定し、腎ライゼート、血漿および腎組織ライゼート中のコラーゲン内容物も、市販されているELISAを用いて、形質転換成長因子β1、ヒアルロン酸、メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤、およびプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−1を含む、炎症性、プロ線維性および組織損傷バイオマーカーの濃度について分析する。得られたデータをグラフパッド・プリズムを用いてプロットし、群間の統計的差異を決定する。
この実験にて、化合物1は、全体の腎コラーゲン、コラーゲン1型、形質転換成長因子β1、ヒアルロン酸、メタロプロテイナーゼ−1の組織阻害剤およびプラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−1を、非処理群と比べて減少させた。
実施例45:突発性肺線維症(IPF)に罹患したヒトにおける臨床実験
目的
この実験の目的は、突発性肺線維症(IPF)の患者でプラセボと比べた化合物1またはその治療的に許容される塩(例えば、化合物2)を用いる治療の効能を評価すること、およびIPFの患者でプラセボと比べた化合物1またはその治療的に許容される塩(例えば、化合物2)を用いる治療の安全性を評価することである。
主要転帰変数は基線から72週目までの強制肺活量(FVC)の推定%の絶対変化である。
二次転帰評価基準は:重要なIPF関連のイベントの複合転帰;無進行生存;基線から72週目までのFVCの推定%の絶対変化のカテゴリー評価;基線から72週目までの息切れの変化;基線から72週目までの肺のヘモグロビン(Hb)修正の一酸化炭素拡散能力(DLco)の推定%の変化;基線から72週目までの6分間の歩行試験(6MWT)の間の酸素飽和の変化;基線から72週目までの高分解能(HRCT)評価の変化;基線から72週目までの6MWTにて歩行した距離の変化を包含する。
基準
この実験に適する患者として、次の試験対象者基準:IPFとの診断;年齢が40〜80歳;FVC>50%推定値;DLco>35%推定値;FVCまたはDLco<90%推定値;過去1年以内に改善なし;6分で150メートルの歩行が可能であり、わずか6L/分の補足酸素で飽和>83%を維持することを満たす患者が挙げられる。
患者が次の基準:肺機能試験を受けることができない;有意な閉塞性肺疾患または気道過応答の徴候がある;治験責任医師の臨床的見解にて、72週以内に無作為に肺移植の必要があり、それが適任であると考えられる;活性感染;肝疾患;癌または2年以内に死に至る可能性のある他の病状;糖尿病;妊娠または授乳;薬物乱用;長期QT症候群の既往歴または家族性病歴;他のIPF治療;治験を受けることができない;他のIPF治験からの離脱、のいずれかを満たす場合には、該患者は排除される
患者には、プラセボまたは一定量の化合物1またはその治療的に許容される塩(例えば、化合物2)(1mg/日−1000mg/日)が経口投与される。主要転帰変数は基線から72週目までのFVCの推定%の絶対変化であろう。無作為に選択された最後の患者が72週間の治療を受けるまで、患者は盲検治療を無作為に選択された時から受けるであろう。データモニタリング委員会(DMC)は患者の安全性を確保するのに定期的に安全性および効能を検討するであろう。
72週目が経過した後、病気の進行(POD)の定義、すなわち、FVCの推定%が>10%の絶対減少またはDLcoの推定%が>15%の絶対減少である定義に合致する患者は、その盲検薬に加えて、承認されたIPF療法を受けるのに適しているであろう。承認されているIPF治療薬は副腎皮質ステロイド、アザチオプリン、シクロホスファミドおよびN−アセチル−システインを包含する。
本願明細書に記載の実施例および実施態様は単に例示に過ぎず、当業者に示唆される種々の修飾または変更も本願明細書の開示に含まれる。当業者であれば明らかであるように、上記した実施例に列挙された具体的な成分は他の機能的に均等な成分、例えば、稀釈剤、結合剤、滑沢剤、充填剤等と置き換えられる。