JP6028845B2 - 光走査装置および画像形成装置 - Google Patents
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Description
本発明は、デジタル複写装置やレーザプリンタなどの画像形成装置と、これに用いられる光走査装置に関するものである。
光走査装置の低コスト化に対しては、光走査装置を構成する光学素子などのうち走査レンズが占めるコストの割合が大きい。走査レンズのコストに関しては、走査レンズの成形時間の長さがコストに大きく寄与する。つまり、成形時間が短ければ短いほど低コスト化につながる。ここで、走査レンズをモールド成形する場合、過熱して軟化した樹脂を金型に押込み、充填して成形する。このとき、走査レンズの内部には、成形時間に依存した屈折率分布が発生する。通常、走査レンズの内部の屈折率分布は、光学性能を劣化させる。光学性能の劣化としては、走査線曲がりがある。
図1は、走査レンズ234(図5参照)における「レンズ内部の屈折率分布」を説明するための模式図である。同図(a)は、走査レンズ234の主走査断面における屈折率の分布を「等高線表示」したものである。図中の鎖線に沿っての屈折率の変化を見ると、同図(b)に示すように、レンズの中央部から(主走査対応方向の)両端部に向かって屈折率が漸次増加している。同図(c)は、走査レンズ234の副走査断面(走査レンズ234の光軸を含み、副走査対応方向に平行な平断面)内における屈折率分布を等高線表示したものである。同図(d)は、副走査断面内の光軸上の屈折率変化を示す。同図(e)は、副走査断面内における副走査対応方向の屈折率分布を示している。
図1(e)に示すように、副走査対応方向の屈折率分布は、「副走査対応方向において光軸を離れるに従い増大する」ような分布である。副走査対応方向の屈折率分布が「副走査対応方向において光軸を離れるに従い増大する」傾向は、走査レンズ234における副走査断面内のみならず、副走査断面に平行な任意の平断面において共通する。
しかし、走査レンズ234の光軸が「主走査対応方向に離れる」に従い、副走査対応方向の屈折率の分布における屈折率の変化(主走査断面上の屈折率と、副走査対応方向縁部の屈折率の差)は小さくなっていく。このことは、図1(a)において、主走査対応方向に光軸を離れるほど「屈折率の等高線の間隔」が広くなって屈折率変化が小さくなっていることから容易に理解できる。
さて、本発明において問題としている走査線曲がりに影響するのは、前述した屈折率分布のうち、主として副走査対応方向の屈折率分布(図1(e)参照)である。副走査対応方向の屈折率分布の走査レンズ234の光学性能への影響は、「副走査対応方向の結像作用における焦点距離の変化」として現われる。
ここで、走査レンズ234が図2に示すような屈折率分布を持つとする。参考として、屈折率が一様のときを示す。図2は、副走査方向に対する屈折率変化の微分値(屈折率変化一次成分)のレンズ高さの依存性を示す図である。ここでのレンズ高さとは、レンズ主走査方向に対する位置である。なお、レンズの主走査方向光軸を0としている。
屈折率が一様であるときは、屈折率変化の微分値が一定である。この場合、図3に示すような、最大25μmの走査線曲がりが発生する。この走査線曲がりは、結果として、光走査装置の出力画像の品質の劣化につながる。
なお、これまでにも、いわゆる斜め入射光学系において生じる走査線曲がりを補正する方策については提案されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を解消するためになされたもので、屈折率分布を有する走査レンズを備えていても出力画像の品質劣化を防止することができる光走査装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、
光源と、
前記光源から射出された光束を主走査方向に偏向する偏向器と、
前記偏向器により偏向された光束を被走査面に結像させる走査レンズを含む走査結像光学系と、
を備えた光走査装置であって、
前記偏向器により偏向された光束は、前記走査レンズに入射する際、副走査方向においてこの走査レンズの光軸に対して平行に入射し、
前記走査レンズは、屈折率分布を有し、
前記走査レンズの少なくとも1面は、母線形状が非円弧で、副走査平面に平行な面による断面形状が母線に沿って変化する特殊レンズ面であり、
前記走査レンズは、前記屈折率分布による副走査方向に対する光束の向きの変化を補正するように前記特殊レンズ面が副走査方向にシフト偏芯して配置されている、
ことを特徴とする。
光源と、
前記光源から射出された光束を主走査方向に偏向する偏向器と、
前記偏向器により偏向された光束を被走査面に結像させる走査レンズを含む走査結像光学系と、
を備えた光走査装置であって、
前記偏向器により偏向された光束は、前記走査レンズに入射する際、副走査方向においてこの走査レンズの光軸に対して平行に入射し、
前記走査レンズは、屈折率分布を有し、
前記走査レンズの少なくとも1面は、母線形状が非円弧で、副走査平面に平行な面による断面形状が母線に沿って変化する特殊レンズ面であり、
前記走査レンズは、前記屈折率分布による副走査方向に対する光束の向きの変化を補正するように前記特殊レンズ面が副走査方向にシフト偏芯して配置されている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、屈折率分布を有する走査レンズを備えていても出力画像の品質劣化を防止することができる。
以下、図面を参照しながら本発明にかかる光走査装置および画像形成装置の実施の形態について説明する。
●画像形成装置
先ず、本発明にかかる画像形成装置について説明する。
先ず、本発明にかかる画像形成装置について説明する。
図4は、本発明にかかる画像形成装置の実施の形態を示す中央断面図であり、カラー画像の高速出力に有利なタンデム型のレーザプリンタである。画像形成装置は、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)、イエロー(Y)に対応する走査光学系を備えた光走査装置20、各走査光学系に対応する感光体11X(X:Y,M,C,K、以下同じ。)、転写ベルト105、定着装置30、図示しない転写紙を備えた給紙カセット(図示省略)、排紙トレイ(図示省略)を有してなる。
転写ベルト105の上方には、光走査装置20によって露光され静電潜像が形成される像担持体として円筒状に形成された光導電性の感光体が、転写ベルト105の移動方向の上流側からイエロー用(11Y)、マゼンタ用(11M)、シアン用(11C)、ブラック用(11K)の順に配設されている。ここで、感光体11Xの径は、全て同一である。
感光体11Xの周囲には、帯電手段12X、現像手段14X、転写ローラ16X、クリーニング装置15Xなどの電子写真法(電子写真プロセス)にしたがうプロセス部材が順に配設されている。なお、帯電手段としては、コロナチャージャを用いることもできる。
転写ベルト105の周囲には、感光体11Xよりも転写紙搬送経路の上流側にレジストローラ(図示省略)、ベルト帯電チャージャ(図示省略)が配設され、また、感光体11Xよりも転写紙搬送経路の下流側にベルト分離チャージャ(図示省略)、除電チャージャ(図示省略)、クリーニング装置(図示省略)などが順に配設されている。
このように、画像形成装置は、感光体11Y、11M、11C、11Kの表面を各色それぞれに対応した被走査面とし、それぞれに対して走査光学系が1対1の対応関係で設けられている。ただし、走査光学系を構成する光学素子の一部、例えば、光偏向器は各色の走査光学系で共有してもよい。
光走査装置20は、感光体11Xに光書込を行う光書込装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行するもので、帯電手段12Xで均一に帯電された感光体11Xの表面を走査して静電潜像を形成する。形成された静電潜像は、いわゆるネガ潜像であって画像部が露光されている。この静電潜像は、現像手段14Xにより反転現像され、感光体11X上にトナー画像が形成される。
なお、光走査装置20は、後述する本発明にかかる光走査装置である。
給紙カセットに収納された転写紙の最上位の1枚が図示しない給紙コロにより給紙され、給紙された転写紙は、その先端部がレジストローラに捕らえられる。レジストローラは、感光体11X上のトナー画像が転写位置へ移動するタイミングに合わせて、転写紙を転写部へ送り込む。送り込まれた転写紙は、転写部においてトナー像と重ね合わせられ転写ローラの作用により、トナー画像を静電転写される。
トナー画像を転写された転写紙は定着装置30に送られ、定着装置30においてトナー画像を定着され、搬送路(図示省略)を通り、排紙ローラ(図示省略)により排紙トレイ上に排出される。トナー画像が転写された後の感光体11Xの表面は、クリーニング装置15Xによりクリーニングされ、残留トナーや紙粉等が除去される。
このように構成されたタンデム型画像形成装置において、例えば複数色モード(フルカラーモード)選択時であれば、各感光体に対して、対応する色の画像信号に応じて図示しない露光ユニットの露光により、各々の感光体上に静電潜像が形成される。これらの静電潜像は、各々の対応する色トナーで現像されてトナー像となり、転写ベルト105上に静電的に吸着されて、搬送される転写紙上に順次転写されることにより、重ね合わせられる。そして、定着装置30によりカラー画像として定着され、転写紙は排紙トレイに排紙される。
また、単色モード選択時であれば、ある色S(Y,M,C,Kのいずれか)として、他の色の感光体及びプロセス部材は非動作状態となる。ここで、感光体11Sに対してのみ、露光ユニットの露光により静電潜像が形成され、ある色Sのトナーで現像されてトナー像となり、転写ベルト105上に静電的に吸着されて、搬送される転写紙上に転写される。そして、定着装置30により単色画像として定着され、転写紙は排紙トレイに排紙される。
●光走査装置
次に、本発明にかかる光走査装置について説明する。
次に、本発明にかかる光走査装置について説明する。
図5は、本発明にかかる光走査装置の実施の形態を示す光学配置図である。符号226は、光源装置であるレーザダイオードである。符号232は、レーザダイオード226から射出された光ビーム(光束)を偏向走査する光偏向器である。符号228は、レーザダイオード226から射出された光ビームを偏向器232に導くカップリングレンズ、230は線像結像光学系であるシリンドリカルレンズである。符号234は、光偏向器232により偏向された光ビームを被走査面である感光体11の表面に集光する走査レンズであって、走査光学系(走査結像光学系)を構成している。符号236,237は、走査レンズ234によって集光された光束を折り返して感光体11に入射させる折り返しミラーである。折り返しミラー236と感光体11との光路中には、折り返しミラー236で反射された光ビームが通過するカバーガラスCG(図9,10,11参照)が設けられている。
光偏向器232は、ポリゴンミラー等の回転多面鏡であり、図示しない駆動機構により回転軸を軸として、図中の矢印方向に等角速度回転している。
ここで、以下の説明において、レーザダイオード226から射出された光ビームが光偏向器232で偏向走査される方向を主走査方向とし、主走査方向と直交する方向を副走査方向とする。
レーザダイオード236から射出された発散性の光ビームは、カップリングレンズ228により以後の光学系に適したビーム形態にカップリングされる。なお、カップリングされた各光ビームは、同じビーム形態であり、「平行ビーム」とすることも「収束性もしくは発散性のビーム」とすることもできる。
カップリングレンズ228を通過した光ビームは、アパーチャ(不図示)により光束幅を規制され、シリンドリカルレンズ230により光偏向器232の偏向反射面近傍にて主走査方向の線像として結像する。
光偏向器232は、入射光束を等角速度的に偏向する。レーザダイオード226から射出されて光偏向器232で偏向された光ビームは、走査レンズ234を通過して、折り返しミラー237,236で折り返されて感光体11に入射し、被走査面である感光体11の表面にビームスポットとして結像する。ビームスポットは,光偏向器232の回転により被走査面上を光走査される。ビームスポットの大きさは、カップリングレンズ228とシリンドリカルレンズ230との光路中に配備されたアパーチャにより決定される。
前述のとおり、走査レンズの内部に屈折率分布が生じると、光走査装置の光学性能の劣化、すなわち、走査線曲りなどによる出力画像の品質が劣化してしまう。そこで、本発明においては、走査レンズを特殊レンズとして、後述するチルト量の設定により光学性能の劣化を防止している。
ここで、「特殊レンズ」とは、母線形状(光軸を通る主走査平面に平行な面と走査レンズ面が交わって形成される曲線)が非円弧で、副走査平面に平行な面による断面形状が母線に沿って変化するようなレンズ面(以下「特殊面」という。)を少なくとも1つ有する走査レンズの総称である。
●実施例1
本実施例においては、走査レンズ234は、その内部に図2に示すような屈折率分布を有している。しかし、この屈折率分布により生じる走査線曲がりは、走査レンズ234に特殊面を採用することで補正している。ここで、走査線曲がりは、レンズ面を副走査方向にチルト偏芯させることで補正可能である。このチルト偏芯面のチルト偏芯角度は、走査レンズ234の中央付近から周辺部に向かって大きくなる、もしくは、走査レンズ234の中央付近から周辺部に向かって小さくなるように設定されている。本発明においては、図6に示すように、像高間での副走査方向の走査位置のバランスを取ることにより、各像高での走査位置を補正し、被走査面上での走査線曲がりを補正している。
本実施例においては、走査レンズ234は、その内部に図2に示すような屈折率分布を有している。しかし、この屈折率分布により生じる走査線曲がりは、走査レンズ234に特殊面を採用することで補正している。ここで、走査線曲がりは、レンズ面を副走査方向にチルト偏芯させることで補正可能である。このチルト偏芯面のチルト偏芯角度は、走査レンズ234の中央付近から周辺部に向かって大きくなる、もしくは、走査レンズ234の中央付近から周辺部に向かって小さくなるように設定されている。本発明においては、図6に示すように、像高間での副走査方向の走査位置のバランスを取ることにより、各像高での走査位置を補正し、被走査面上での走査線曲がりを補正している。
特殊面について説明を加える。特殊面の面形状は、以下の形状式(1)による。ただし、本発明における特殊面の面形状は、以下の形状式(1)に限定されるものではなく、同一の面形状を別の形状式を用いて特定することも可能である。
ここで、
RY:光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径
Y:光軸から主走査方向の距離
A、B、C、D、・・・:高次係数
RZ:主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径
とし、
Z0(Y)=d00+d01・Y+d02・Y2+d03・Y3+d04・Y4+・・・
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ
とする。
RY:光軸を含み、主走査方向に平行な平断面である「主走査断面」内の近軸曲率半径
Y:光軸から主走査方向の距離
A、B、C、D、・・・:高次係数
RZ:主走査断面に直交する「副走査断面」内の近軸曲率半径
とし、
Z0(Y)=d00+d01・Y+d02・Y2+d03・Y3+d04・Y4+・・・
Cm=1/RY
Cs(Y)=1/RZ
とする。
式1において、(F0+F1・Y+F2・Y2+F3・Y3+F4・Y4+・・)Zは、チルト量を表す部分であり、チルト量を持たないとき、F0,F1,F2,・・・は全て0である。一方、F1,F2,・・・が0でないとき、チルト量は主走査方向に変化することになる。
走査レンズ234の特殊面は、主走査方向の位置に応じた副走査方向に対するチルト量を有するチルト偏芯面である。このチルト量は、走査レンズ234が有する屈折率分布による副走査方向に対する光ビームの向きの変化を補正するように設定されている。すなわち、前述の走査線曲りは、走査レンズ234の特殊面のチルト量を適切に設定することで、補正される。
表1は、本実施例に用いた係数、つまり、(a)は走査レンズ234の第一面に与える面形状の係数、(b)は走査レンズ234の第二面に与える係数、を示している。ここで、本実施例では、走査レンズの第一面と第二面の両方に特殊面を与えているが、これに代えて、いずれか一方の面のみに特殊面を与えて、走査線曲がりを補正しても構わない。
図7は、走査レンズ234に特殊面を用いた時の走査線曲がりの結果(グラフP)を示す図である。参考として、特殊面を用いなかったとき(図1)の走査線曲がりの様子(グラフQ)も示す。同図は、特殊面を用いないときには最大25μmあった走査線曲がりが、走査レンズに特殊面を用いることにより5μm以下になっていることを示している。
●実施例2
先に説明した実施例1においては、特殊面は走査レンズの各面をチルト偏心させたものであったが、本実施例2は、これに代えて、特殊面をシフト偏心させている。後述するように、走査レンズ234の特殊面をシフト偏心させることによっても、前述の走査線曲がりは改善することができる。
先に説明した実施例1においては、特殊面は走査レンズの各面をチルト偏心させたものであったが、本実施例2は、これに代えて、特殊面をシフト偏心させている。後述するように、走査レンズ234の特殊面をシフト偏心させることによっても、前述の走査線曲がりは改善することができる。
本実施例では、主走査方向に副走査方向のシフト偏心量が異なる面とすることにより、光束を副走査方向に変化させることができる。このとき、前述の式(1)においては、d00、d01、d02の係数を与えることとなる。
図8は、シフト偏心量と光ビームの副走査方向の変化との関係を示す図であり、(a)は特殊面を与えないとき、(b)はチルト偏心量βを与えたとき、(c)はシフト偏心量Zを与えたときを示している。ここで、(a)と(b)は、比較のための参考例として示している。
副走査方向のシフト偏心量を主走査方向に最適に与えることにより、主走査方向に走査される光ビームを所望の方向(副走査方向)に偏向させることができ、結果として、走査線曲がりを補正することができる。
●実施例3
本発明にかかる光走査装置においては、図9に示すように、光偏向器232の偏向反射面で反射される複数の光源装置からの光ビームを、偏向反射面の法線に対して副走査方向に角度を持つ光ビームとしてもよい。このような、いわゆる斜め入射光学系の場合、光偏向器232の法線に平行な光ビームを用いた場合に比べて、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器の副走査方向の幅を低減することができるため、光走査装置の低コスト化に有効である。
本発明にかかる光走査装置においては、図9に示すように、光偏向器232の偏向反射面で反射される複数の光源装置からの光ビームを、偏向反射面の法線に対して副走査方向に角度を持つ光ビームとしてもよい。このような、いわゆる斜め入射光学系の場合、光偏向器232の法線に平行な光ビームを用いた場合に比べて、光走査装置を構成する部品でコスト比率の高い光偏向器の副走査方向の幅を低減することができるため、光走査装置の低コスト化に有効である。
複数の光源装置(不図示)からの各光ビームは、同一の光偏向器232の同一の偏向反射面に斜入射される。各光ビームは、偏向反射面の法線を挟み副走査方向の両側(紙面上側の領域Aと、紙面下側の領域B)から入射している。全ての光ビームは、共通の走査レンズ234の光軸以外を通過した後に、副走査方向への折り返しミラーにより分離されて、対応する被走査面としての感光体(ST1,ST2)に導かれる。
ここで、斜め入射光学系を用いた場合、走査線曲がりが発生しやすいことが以前から知られている。しかし、先に説明したとおり、走査レンズ234に特殊面を用いてチルト量を適切に設定することで、斜め入射光学系により生ずる走査線曲がりも低減することができる。
●実施例4
本発明にかかる光走査装置においては、図10に示すように、各々の光学面に複数の母線を持つような走査レンズ、つまり、二層レンズに特殊面を用いてもよい。二層レンズは、走査レンズの低コスト化において有効である。
本発明にかかる光走査装置においては、図10に示すように、各々の光学面に複数の母線を持つような走査レンズ、つまり、二層レンズに特殊面を用いてもよい。二層レンズは、走査レンズの低コスト化において有効である。
ここで、単層レンズと比較して、二層レンズは、副走査方向に厚みを増すので、走査レンズの屈折率分布が大きくなる。しかし、先に説明したように、走査レンズに特殊面を用いてチルト量を適切に設定することにより、走査線曲がりを低減することができる。
なお、図10は、光偏向器232で偏向された光ビームは、光偏向器232の法線に平行な光ビームであったが、本発明においては、図11に示すように、斜め入射光学系において、二層レンズに特殊面を用いてもよい。
20 光走査装置
226 光源
228 カップリングレンズ
230 シリンドリカルレンズ
232 光偏向器
234 走査レンズ
11 像担持体(感光体)
226 光源
228 カップリングレンズ
230 シリンドリカルレンズ
232 光偏向器
234 走査レンズ
11 像担持体(感光体)
Claims (6)
- 光源と、
前記光源から射出された光束を主走査方向に偏向する偏向器と、
前記偏向器により偏向された光束を被走査面に結像させる走査レンズを含む走査結像光学系と、
を備えた光走査装置であって、
前記偏向器により偏向された光束は、前記走査レンズに入射する際、副走査方向においてこの走査レンズの光軸に対して平行に入射し、
前記走査レンズは、屈折率分布を有し、
前記走査レンズの少なくとも1面は、母線形状が非円弧で、副走査平面に平行な面による断面形状が母線に沿って変化する特殊レンズ面であり、
前記走査レンズは、前記屈折率分布による副走査方向に対する光束の向きの変化を補正するように前記特殊レンズ面が副走査方向にシフト偏芯して配置されている、
ことを特徴とする光走査装置。 - 前記光源からの光束は、前記走査レンズの光軸以外を通過する、
請求項1記載の光走査装置。 - 複数の光束が前記走査レンズを通過する、
請求項1または2記載の光走査装置。 - 前記走査レンズの少なくとも1面は、複数の母線を持つレンズ面である、
請求項1乃至3のいずれかに記載の光走査装置。 - 光書込装置から像担持体に光書込みを行い、電子写真法により、前記像担持体上に静電潜像を形成する画像形成装置であって、
前記光書込装置は、請求項1乃至4のいずれかに記載の光走査装置であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記像担持体を少なくとも2つ有し、
前記光書込装置は、前記2つの像担持体に光書込みを行う、
請求項5記載の画像形成装置。
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