JP6028333B2 - 樹脂組成物、光学積層体、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents

樹脂組成物、光学積層体、偏光板及び画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、樹脂組成物、光学積層体、偏光板及び画像表示装置に関する。
陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、タッチパネル、タブレットPC、電子ペーパー等の画像表示装置の最表面には、反射防止性、ハード性や透明性等の種々の機能を有する機能層からなる光学積層体が設けられている。
これらの機能層の基材としては、透明性や硬度性に優れるアクリル樹脂等が使用されている。しかし、このような機能層の基材は、絶縁特性が高いため帯電しやすく、埃等の付着による汚れが生じ、使用する場合のみならずディスプレイ製造工程においても、帯電してしまうことにより障害が発生するといった問題があった。
このような帯電を防止するために、光学積層体の一部に導電性の帯電防止剤を含有した帯電防止層を設けることが従来から行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
帯電防止剤に添加する帯電防止剤の帯電防止機能を発現するタイプとしては、従来、電子がソリトンやポーラロンといったキャリアを介して移動する電子伝導タイプと、イオン自体が系内を移動するイオン伝導タイプの2種類に分類される。
電子伝導タイプの帯電防止剤としては、例えば、各種金属酸化物や導電性ポリマー等が知られており、一方、イオン伝導タイプの帯電防止剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩や、リチウム塩等が知られている。
ところで、近年、帯電防止層には、帯電防止性(導電性)に加えて、硬度に優れることも要求されるようになってきている。一般に、帯電防止層等の樹脂層を高硬度化する方法としては、該帯電防止層等の樹脂層にシリカ微粒子を含有させること知られている。
しかしながら、従来の帯電防止層は、通常、帯電防止剤、バインダー樹脂及び溶剤を含有する帯電防止層用組成物を用いて形成されるが、このような帯電防止層用組成物に、形成する帯電防止層の高硬度化を目的としてシリカ微粒子を含有させると、帯電防止剤とシリカ微粒子とが溶解せずゲル化してしまうという問題があった。
特開2006−126808号公報 特開2005−31282号公報
本発明は、上記現状に鑑みて、優れた導電性及び硬度を有する樹脂層を形成することができる樹脂組成物、該樹脂組成物を用いてなる帯電防止層を備えた光学積層体、該光学積層体を備えた偏光板、画像表示装置を目的とする。
本発明は、光透過性基材上に、帯電防止層を有する光学積層体であって、上記帯電防止層は、下記一般式(1)で表される化合物、バインダー樹脂、シリカ微粒子及び溶剤を含有する樹脂組成物を用いて形成したものであることを特徴とする光学積層体である。
Figure 0006028333
一般式(1)中、X、Xは、OCH、OCHCH、H、CH、OCOCR=CH、OH及びCOOHからなる群より選択されるいずれか1種の官能基を表し、X、Xは同一又は異なっていてよく、Rは、H又はCHを表し、Yは、RfSONH、RfSO 、(RfSO、(FSO、シクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドイオン、テトラフルオロボレートイオン、及び、(RfSOからなる群から選択されるいずれか1種であり、nは、2〜10の整数を表し、mは、0又は1〜10の整数を表し、Rfは、CF、C、C又はCを表す。
上記帯電防止層用組成物は、更に、第4級アンモニウム塩を含有することが好ましい。
また、上記帯電防止層用組成物は、更に、導電性微粒子を含有することが好ましい。
また、上記シリカ微粒子は、表面に反応性官能基を含有する反応性シリカ微粒子であることが好ましい。
また、上記バインダー樹脂は、多官能モノマー、多官能オリゴマー及び多官能ポリマーを含有することが好ましい。
た、本発明は、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光板は、偏光素子表面に本発明の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
また、本発明は、最表面に本発明の光学積層体、又は、本発明の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
なお、本発明では、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体も“樹脂”と記載する。
本発明者は、帯電防止性及び硬度に優れた帯電防止層に用いることのできる樹脂組成物について鋭意検討した結果、驚くべきことに、帯電防止剤として特定の構造を有するホウ素−リチウム系化合物は、シリカ微粒子と併せて樹脂組成物中に含有させた場合であっても、該樹脂組成物にゲル化が生じることがなく、導電性及び硬度に優れた樹脂層を形成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、上記特定の構造を有するホウ素−リチウム系化合物は、第4級アンモニウム塩や金属酸化物微粒子とシリカ微粒子とを含有する樹脂組成物に含有させると、該樹脂組成物のゲル化を防止することができることも見出した。
ここで、従来、樹脂組成物を用いて形成する樹脂層にカールの発生を抑制する方法として、バインダー樹脂として多官能ポリマーを含有させることが知られている。しかしながら、このような多官能ポリマーを含有する樹脂組成物は、従来の帯電防止剤、特に広く用いられている第4級アンモニウム塩や金属酸化物微粒子を帯電防止剤として含有する場合、ゲル化してしまうという問題があった。本発明者は、上記特定のホウ素−リチウム系化合物を帯電防止剤として含有する樹脂組成物は、驚くべきことに、バインダー樹脂として多官能ポリマーを含有する場合であっても、該樹脂組成物がゲル化することを好適に防止できることも併せて見出した。なお、上記多官能ポリマーについては、後で詳述する。
本発明の樹脂組成物は、上記一般式(1)で表される化合物を含有する。
上記一般式(1)で表される化合物(以下、ホウ素−リチウム系化合物ともいう)は、帯電防止剤として機能する材料であり、このようなホウ素−リチウム系化合物を含有する本発明の樹脂組成物は、帯電防止性(導電性)及び硬度に優れた樹脂層を形成することができ、特に帯電防止層の形成に好適に用いることができる。
上記ホウ素−リチウム系化合物を含有することで、本発明の樹脂組成物は、帯電防止性を維持しつつゲル化を防止できる。
ここで、例えば、リチウムイオンと上記一般式(1)におけるYイオンとからなる化合物(以下、Li−Y化合物ともいう)を含有する樹脂組成物では、帯電防止性能は発現できるものの満足できるレベルではない。また、このようなLi−Y化合物は、水の存在下では、酸性の強いYイオンの遊離が起こってしまうため、金属類を腐食することがあるので好ましくない。一方、例えば、上記一般式(1)におけるLi−Y化合物のないホウ素化合物のみを含有する樹脂組成物では、帯電防止性能が悪く、また、バインダー樹脂への溶解性も悪くゲル化問題が生じることがある。更に、例えば、上記ホウ素−リチウム系化合物が分子中に不飽和二重結合を有さない場合、形成する樹脂層の硬度が悪く、また、例えば、光学積層体を作製した場合、耐久試験後に樹脂層(帯電防止層等)が脱落することがあり、更に、バインダー樹脂に対する溶解性も悪くゲル化の問題が生じることがある。
上記一般式(1)において、nが2未満であると、本発明の樹脂組成物の帯電防止性能が悪化する。これは、上記ホウ素−リチウム系化合物における酸素原子(エチレンオキサイド)の存在により、リチウムイオンが移動して帯電防止性能が発現すると推測しているが、上記nが2未満であると、定かではないが、リチウムイオンの動きが抑制されるため電気伝導が悪化すると推測される。上記一般式(1)におけるnは、大きいほど帯電防止性能が良化するが、上記nが10を超えると、本発明の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層(例えば、帯電防止層)の硬度が悪化してしまうことがある。このため、上記nの好ましい上限は10であり、より好ましい上限は8である。
上記一般式(1)において、mが10を超えると、本発明の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層(例えば、帯電防止層)の硬度が悪化してしまう。上記mの好ましい下限は1である。上記一般式(1)におけるmが1〜10の範囲にあることで、良好な帯電防止性能が発現でき、硬度も良好な光学積層体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物において、上記ホウ素−リチウム系化合物としては、例えば、ホウ素化合物に上記Li−Y化合物を反応させることで得ることができる。
上記ホウ素−リチウム系化合物としては、具体的には、例えば、サンコノールBME(83)50R、サンコノールBME(83)20R、サンコノールBME(23)50R、サンコノールBME(222)50R、BAE(23)50R、BAE(23)20R、BAE(103)50R、BAE(103)20R、BMME(233)50R(三光化学工業社製)等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物において、上記Li−Y化合物におけるYイオンは、RfSONH、RfSO 、(RfSO、(FSO、シクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドイオン、テトラフルオロボレートイオン、及び、(RfSOからなる群から選択されるいずれか1種であり、上記Rfは、CF、C、C又はCを表す。なかでも、(CFSO、CFSO 、CSO 、(CFSOが好ましく、分子中に電気吸引基であるF原子を有することでLiイオンが分離されやすく、かつ、分子の大きさのバランスの観点から、(CFSOが最も好ましい。
なお、上記Li−Y化合物としては、具体的には、例えば、Lj−603010;リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド(住友スリーエム社製)等が挙げられる。
上記ホウ素−リチウム系化合物の含有量としては、本発明の樹脂組成物の用途により適宜決定される。
例えば、本発明の樹脂組成物を用いて帯電防止層を形成する場合、固形分中1〜30質量%であることが好ましく、より好ましい下限は2質量%、より好ましい上限は25質量%である。1質量%未満であると、形成する帯電防止層に充分な帯電防止性能を付与することができないことがあり、30質量%を超えると、形成する帯電防止層の透明性が低下してヘイズが上昇し、光透過性が低下し、また、硬度の低下が生じてしまうため、光学積層体の帯電防止層に用いる上で好ましくない。また、帯電防止性能自体の良化は見られなくなってコスト高となり、形成した帯電防止層の上に別層(例えば、ハードコート層、防汚層、低屈折率層、高屈折率層、防眩層等)を積層する場合、これらの層と上記帯電防止層との密着性が悪化してしまうことがある。更に、本発明の樹脂組成物が吸湿しやすくなり、製造する帯電防止層のヘイズが悪化してしまうことがある。
また、例えば、本発明の樹脂組成物を用いて低屈折率層を形成する場合、上記ホウ素−リチウム系化合物の含有量は、固形分中1〜45質量%であることが好ましく、より好ましい下限は2質量%、より好ましい上限は40質量%である。1質量%未満であると、形成する低屈折率層に充分な帯電防止性能を付与することができないことがあり、45質量%を超えると、形成する低屈折率層の透明性が低下してヘイズが上昇し、光透過性が低下し、また、硬度の低下が生じてしまうことがある。また、帯電防止性能自体の良化は見られなくなってコスト高となり、形成した低屈折率層の上に別層(例えば、ハードコート層、帯電防止層、防汚層、高屈折率層、防眩層等)を積層する場合、これらの層と上記低屈折率層との密着性が悪化してしまうことがある。更に、本発明の樹脂組成物が吸湿しやすくなり、製造する低屈折率層のヘイズが悪化してしまうことがある。
本発明の樹脂組成物は、バインダー樹脂を含有する。
上記バインダー樹脂としては特に限定されないが、多官能モノマー、多官能オリゴマー及び多官能ポリマーを含有することが好ましい。このようなバインダー樹脂として多官能ポリマーを含有することで、本発明の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層にカールが発生することを好適に防止できる。
なお、本明細書において、「多官能モノマー」とは、分子中に不飽和二重結合を2以上有する重量平均分子量が1000未満の化合物を意味し、「多官能オリゴマー」とは、分子中に不飽和二重結合を2以上有する重量平均分子量が1000〜1万の化合物を意味し、上記「多官能ポリマー」とは、分子中に不飽和二重結合を2以上有し、重量平均分子量が1万を超える化合物を意味する。
また、本発明の樹脂組成物を用いて低屈折率層を形成する場合、上記バインダー樹脂としては、後述する任意の層である低屈折率層において説明するフッ素系樹脂を含有していてもよい。
本明細書において、上記重量平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC KF−802、GPC KF−803、GPC KF−804、GPC KF−805 GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記多官能モノマーとしては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールデカ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、ポリエステルトリ(メタ)アクリレート、ポリエステルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレート、ジグリセリンテトラ(メタ)アクリレート、アダマンチルジ(メタ)アクリレート、イソボロニルジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン等の変成がなされていてもよい。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
上記多官能モノマーの市販品としては、例えば、日本化薬社製のKAYARAD、KAYAMERシリーズ(例えば、DPHA、PET30、GPO303、TMPTA、THE330、TPA330、D310、D330、PM2、PM21、DPCA20、DPCA30、DPCA60、DPCA120);東亞合成社製のアロニックスシリーズ(例えば、M305、M309、M310、M315、M320、M327、M350、M360、M402、M408、M450、M7100、M7300K、M8030、M8060、M8100、M8530、M8560、M9050);新中村化学工業社製のNKエステルシリーズ(例えば、TMPT、A−TMPT、A−TMM−3、A−TMM3L、A−TMMT、A−TMPT−6EO、A−TMPT−3CL、A−GLY−3E、A−GLY−6E、A−GLY−9E、A−GLY−11E、A−GLY−18E、A−GLY−20E、A−9300、AD−TMP−4CL、AD−TMP)、NKエコノマーシリーズ(例えば、ADP51、ADP33、ADP42、ADP26、ADP15);第一工業製薬社製のニューフロンティアシリーズ(例えば、TMPT、TMP3、TMP15、TMP2P、TMP3P、PET3、TEICA);ダイセル・サイテック社製のEbecrylシリーズ、(例えば、TMPTA、TMPTAN、160、TMPEOTA、OTA480、53、PETIA、2047、40、140、1140、PETAK、DPHA);SARTOMER社製のCD501、CD9021、CD9052、SR351、SR351HP、SR351LV、SR368、SR368D、SR415、SR444、SR454、SR454HP、SR492、SR499、SR502、SR9008、SR9012、SR9020、SR9020HP、SR9035、CD9051、SR350、SR9009、SE9011、SR295、SR355、SR399、SR399LV、SR494、SR9041等が挙げられる。
また、上記多官能オリゴマーとしては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記多官能オリゴマーの市販品としては、例えば、日本合成化学工業社製の紫光シリーズ、例えば、UV1700B、UV6300B、UV7605B、UV7640B、UV7600B;根上工業社製のアートレジンシリーズ、例えば、アートレジンHDP、アートレジンUN9000H、アートレジンUN3320HA、アートレジンUN3320HB、アートレジンUN3320HC、アートレジンUN3320HS、アートレジンUN901M、アートレジンUN902MS、アートレジンUN903、アートレジンUN904;新中村化学工業社製のUA100H、U4H、U6H、U15HA、U4HA、U6HA、UA32P、U6LPA、U324A、U9HAMI;ダイセル・サイテック社製のEbecrylシリーズ、例えば、1290、5129、254、264、265、1259、1264、4866、9260、8210、204、205、6602、220、4450;荒川化学工業社製のビームセット577;日本化薬社製のDPHA40H、UX5000、UX5001T;サートマー社製のCN9006、CN968等が挙げられる。なかでも、好ましくは、UV1700B、UV7600B(日本合成化学工業社製)、DPHA40H(日本化薬社製)、アートレジンUN904、アートレジンUN3320HS(根上工業社製)、ビームセット577(荒川化学工業社製)、U15HA(新中村化学工業社製)等が挙げられる。
また、上記多官能ポリマーとしては、例えば、ポリマー(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記多官能ポリマーの市販品としては、例えば、ビームセット371(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
上記バインダー樹脂が、上述した多官能モノマー等を含有する場合、本発明の樹脂組成物は、光重合開始剤を含有することが好ましい。
上記光重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。また、上記光重合開始剤は、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、上記バインダー樹脂がラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。また、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、上記光重合開始剤として、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
上記光重合開始剤の添加量は、本発明の樹脂組成物100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物は、上記バインダー樹脂として、上述した多官能モノマー等に混合して溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)や熱硬化型樹脂を含有していてもよい。
上記溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、本発明の樹脂組成物の塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。
好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及び、ゴム又はエラストマー等が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ有機溶剤(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶剤)に可溶な樹脂を使用することが好ましい。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
上記熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を挙げることができる。
上記熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を併用して使用することもできる。
本発明の樹脂組成物は、シリカ微粒子を含有する。
上記シリカ微粒子は、本発明の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層の硬度を高める役割を果たす材料である。
上記シリカ微粒子としては、なかでも、表面に反応性官能基を有する反応性シリカ微粒であることが好ましい。上記反応性シリカ微粒子は、上述したバインダー樹脂との間で架橋構造を構成することが可能となり、形成する樹脂層の硬度を極めて優れたものとすることができる。
上記反応性シリカ微粒子は、平均1次粒径が1〜100nmであることが好ましく、12〜50nmであることがより好ましい。上記反応性シリカ微粒子の平均1次粒径が1nm未満であると、形成する樹脂層の硬度向上に寄与できず、また、光学積層体の帯電防止層の形成に用いた場合、帯電防止層に隣接する透明基材フィルムや必要に応じて帯電防止層の透明基材フィルムとは反対側に設けるその他の層とシリカ微粒子との接触面積が増えるために、透明基材フィルムとの密着性が悪化するおそれがある。また、このような反応性シリカ微粒子の製造及び樹脂組成物中への分散ともに難しい。上記平均1次粒径が100nmを超えると、平均2次粒径が500nmを超えやすくなり、平均2次粒径が500nmを超えると帯電防止層としたときに、該帯電防止層の透明性が低下し、透過率の悪化、ヘイズの上昇を招くことがある。
なお、上記シリカ微粒子の平均1次粒径は、体積平均1次粒径であり、溶液中の当該シリカ微粒子を動的光散乱方法で測定し、粒子径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該体積平均1次粒径は、日機装株式会社製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定することができる。また、上記シリカ微粒子の体積平均2次粒径は、上記体積平均1次粒径と同様の方法により求めることができる。
また、上記反応性シリカ微粒子は、透明性を損なうことなく、硬度を向上させる点から、粒径分布が狭く、単分散であることが好ましい。
上記反応性シリカ微粒子は単一の体積平均1次粒径のものだけでなく、体積平均1次粒径の異なるものを2種類以上組み合わせて用いてもよい。2種類以上組み合わせて用いる場合は、各粒子の体積平均1次粒径が1〜100nm以内となることが好ましい。
上記反応性シリカ微粒子が表面に有する反応性官能基としては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
上記反応性シリカ微粒子としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報記載の反応性シリカ微粒子等が挙げられる。
また、上記反応性シリカ微粒子の市販品としては、例えば、日産化学工業社製;MIBK−SD、MIBK−SDMS、MIBK−SDL、MIBK−SDZL、日揮触媒化成社製;DP1021、DP1022、DP1032、DP1037、DP1041、DP1042、DP1044等が挙げられる。
また、上記反応性シリカ微粒子としては、特開2009−108123号公報記載のシリカ微粒子が鎖状に連結し、シランカップリング剤で表面処理された粒子(反応性異型シリカ微粒子)等を用いることもできる。上記反応性異型シリカ微粒子であると、形成する樹脂層の硬度がより優れたものとなる。
上記反応性異型シリカ微粒子としては、上記体積平均1次粒径のシリカ微粒子の3〜20個、より好ましくは3〜10個が無機の化学結合により結合し表面に上記反応性官能基を有する微粒子が挙げられる。上記シリカ微粒子が3個未満であると、形成する樹脂層の硬度を高める効果が余り得られず、一方、20個を超えると、形成する樹脂層の透明性が低下して透過率の悪化、ヘイズの上昇を招く恐れがある。
このような反応性異型シリカ微粒子は、形成する樹脂層の耐擦傷性及び硬度の向上の点から、アスペクト比(長軸長/短軸長)が3〜20であることが好ましい。
また、上記反応性異型シリカ微粒子の長軸の長さとしては特に限定されないが、20〜300nmであることが好ましい。この範囲にあることで、形成する樹脂層の硬度の向上を好適に図ることができる。
上記無機の化学結合としては、例えば、イオン結合、金属結合、配位結合及び共有結合等が挙げられる。なかでも、上記反応性異型シリカ微粒子を極性溶媒中に添加しても、結合した微粒子が分散しない結合、具体的には、金属結合、配位結合、及び共有結合が好ましく、更に、共有結合が好ましい。なお、上記極性溶媒としては、例えば、水や、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール等が挙げられる。
また、上記反応性異型シリカ微粒子は、上記反応性シリカ微粒子の3〜20個が無機の化学結合により結合し、凝集した状態の粒子(凝集粒子)であってもよく、上記反応性シリカ微粒子の3〜20個が無機の化学結合により鎖状に結合した鎖状粒子であってもよい。なかでも、形成する樹脂層の硬度が優れることから、鎖状粒子であることが好ましい。
上記異型シリカ微粒子の市販品としては、例えば、日揮触媒化成社製のDP1039、DP1040、DP1071、DP1072、DP1073等が挙げられる。
また、本発明の樹脂組成物を用いて形成する樹脂層を低屈折率層として用いる場合、上記反応性シリカ微粒子は、他の層として後述する低屈折率層において用いられる空隙を有する微粒子(中空状シリカ微粒子)であることが好ましい。
上記反応性シリカ微粒子の含有量としては、本発明の樹脂微粒子の用途により適宜調整される。
例えば、本発明の樹脂組成物を用いて帯電防止層を形成する場合、上記反応性シリカ微粒子の含有量は、上記バインダー樹脂との合計100質量部中15〜60質量部であることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物を用いて低屈折率層を形成する場合、上記反応性シリカ微粒子は、上記バインダー樹脂に対する含有比(PV比)が35〜200となるように含有されていることが好ましい。
上記反応性シリカ微粒子の含有量を上記範囲とすることで、形成する樹脂層(帯電防止層、低屈折率層)の硬度を、導電性を阻害することなく優れたものとすることができる。
本発明の樹脂組成物は、溶剤を含有する。
上記溶剤としては、バインダー樹脂の種類及び溶解性に応じて選択し使用することができ、少なくとも固形分(複数のバインダー樹脂、反応開始剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶剤であればよい。そのような溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)等が例示でき、これらの混合溶剤であってもよい。
本発明の樹脂組成物を、光学積層体の帯電防止層用組成物として用いる場合、後述する光透過性基材に対して浸透性のある浸透性溶剤を含有することが好ましい。本発明において、浸透性溶剤の「浸透性」とは、光透過性基材に対する浸透性、膨潤性、湿潤性等のすべての概念を包含する意である。このような浸透性溶剤が光透過性基材を膨潤、湿潤することによって、帯電防止層用組成物の一部が光透過性基材まで浸透する挙動をとる。これによって、高い強度を得ることができる。更に、帯電防止層用組成物に含まれる帯電防止剤が帯電防止層中において凝集せずに、充分な分散状態で存在することができ、優れた帯電防止性能を維持することができるものである。
更に、上記溶剤は、帯電防止層中のバインダー樹脂が光透過性基材に対して密着性を有するか否かに応じて決定することができる。
例えば、上記樹脂が光透過性基材に対して密着性がない場合は、光透過性基材に対して浸透性を持つ溶剤を使用することが好ましい。例えば、光透過性基材がTACである場合、浸透性溶剤の具体例としては、ケトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール、エステル類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、含窒素化合物;ニトロメタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、グリコール類;メチルグリコール、メチルグリコールアセテート、エーテル類;テトラヒドロフラン、1,4―ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル、ハロゲン化炭化水素;塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロルエタン、グリコールエーテル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート、その他、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレンが挙げられ、またはこれらの混合物が挙げられ、好ましくはエステル類、ケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等が挙げられる。その他、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール類や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類も、上記浸透性溶剤と混合して用いることができる。
また、帯電防止層用組成物中において、上記浸透性溶剤は、溶剤全量中10〜100質量%、特に50〜100質量%となることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、更に第4級アンモニウム塩を含有していてもよい。
ここで、上述したように、シリカ微粒子や多官能ポリマーを含有する樹脂組成物では、上記第4級アンモニウム塩を含有するとゲル化の問題が生じていたが、本発明では、上述したホウ素−リチウム系化合物を含有するため、樹脂組成物にゲル化の問題が生じることはない。
上記第4級アンモニウム塩は、オリゴマー又はポリマーであることが好ましく、重量平均分子量が1000〜5万であることが好ましい。1000未満であると、充分な帯電防止性能を発揮できないことがあり、特に浸透性溶剤を用いた場合には、後述する光透過性基材に第4級アンモニウム塩が浸透してしまい、光透過性基材成分と第4級アンモニウム塩成分との渾然一体層になるので、第4級アンモニウム塩による帯電防止性能が発現できなくなることがある。一方、上記第4級アンモニウム塩の重量平均分子量が5万を超えると、本発明の樹脂層用組成物の粘度が高くなり塗工性が悪化することがある。上記重量平均分子量のより好ましい下限は1500であり、より好ましい上限は3万である。
なお、上記4級アンモニウム塩の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC KF−802、GPC KF−803、GPC KF−804、GPC KF−805 GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記4級アンモニウム塩は、光反応性不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。上記光反応性不飽和結合を有することにより、形成する樹脂層を高硬度とすることが可能となる。上記光反応性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル基を有する化合物等が挙げられる。
上記4級アンモニウム塩としては市販品を用いることもできる。上記4級アンモニウム塩の市販品としては、例えば、コルコートNR121X、コルコートNR121X−9IPA(商品名、コルコート社製)、1SX3000、1SX3004(商品名、大成ファインケミカル社製)、ユピマーH6100、H6100M、H6500(商品名、三菱化学社製)、UVASHD01、NJ90201AS(日本化成社製)、Z833(商品名、アイカ工業社製)、LAS1211(商品名、東洋インキ社製)、ユニレジンAS−10/M、ユニレジンAS−12/M、ユニレジンAS−15/M、ユニレジンASH26(商品名、新中村化学社製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物では、上述したホウ素−リチウム系化合物は、上記第4級アンモニウム塩のシリカ微粒子や多官能ポリマーと併用したときの溶解性の低下を防ぐという役割も果たしている。
このような理由より、本発明の樹脂組成物では、上記第4級アンモニウム塩と上記ホウ素−リチウム系化合物との合計100質量%中、上記ホウ素−リチウム系化合物物の含有割合が、30質量%以上、95質量%以下となることが好ましい。30質量%未満であると、本発明の樹脂組成物がゲル化することがあり、95質量%を超えると、形成する樹脂層の帯電防止性能が不充分となることがある。上記ホウ素−リチウム系化合物は、上記第4級アンモニウム塩との合計100質量%中、より好ましい下限は40質量%、より好ましい上限は80質量%である。
また、本発明の樹脂組成物は、導電性微粒子を含有していてもよい。
上記導電性微粒子を含有することで、本発明の樹脂組成物の帯電防止性能(導電性)がより優れたものとなり、帯電防止性能に優れた帯電防止層を形成することができる。
上記導電性微粒子としては特に限定されず、例えば、酸化チタン、層状粘度化合物、カオリン、タルク、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、及びアンチモン酸亜鉛(ATO)、リンドーブ酸化スズ(PTO)、酸化インジウム(ITO)等の導電性を有する従来公知の微粒子が挙げられる。なかでも、ATO、ITOが好適に用いられる。
ここで、上述したように、シリカ微粒子や多官能ポリマーを含有する樹脂組成物では、上記導電性微粒子を含有するとゲル化の問題が生じていたが、本発明では、上述したホウ素−リチウム系化合物を含有するため、樹脂組成物にゲル化の問題が生じることはない。
上記導電性微粒子の含有量としては特に限定されないが、本発明の樹脂組成物の固形分中10〜60質量%であることが好ましい。10質量%未満であると、帯電防止性能の向上を図ることができないことがあり、60質量%を超えると、ヘイズが向上してしまい透過率の悪化してしまうことがある。上記導電性微粒子の含有量のより好ましい上限は50質量%である。
本発明の樹脂組成物は、上述のホウ素−リチウム系化合物、バインダー樹脂、シリカ微粒子及び必要に応じて光重合開始剤、第4級アンモニウム塩、導電性微粒子等を溶剤に溶解又は分散させることで得ることができる。
本発明の樹脂組成物中における原料の含有割合(固形分)として特に限定されないが、通常は5〜70質量%、特に25〜60質量%とすることが好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、形成する樹脂層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する、防眩性を付与する等の目的に応じて、防眩剤、その他の樹脂、分散剤、界面活性剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤、易滑剤等を添加していてもよい。
なかでも、上記防眩剤を含有することで、本発明の樹脂組成物を用いて形成した樹脂層を、光学積層体の防眩層として機能させることができる。
上記防眩剤としては特に限定されず、公知の無機系又は有機系の各種微粒子を用いることができる。
上記微粒子の平均粒径としては特に限定されないが、一般的には、0.01〜20μm程度とすればよい。なお、上記平均粒径は、上述したシリカ微粒子の体積平均1次粒径と同様にして測定できる。
また、上記微粒子の形状は、真球状、楕円状等のいずれであっても良く、好ましくは真球状のものが挙げられる。
上記微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性の微粒子である。このような微粒子の具体例としては、無機系であれば、例えば、シリカビーズ、有機系であれば、例えば、プラスチックビーズが挙げられる。なお、上述したシリカ微粒子を上記無機系の防眩剤であるシリカビーズとして用いることもできる。
上記プラスチックビーズの具体例としては、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物の調製方法としては、各成分を均一に混合できれば特に限定されず、例えば、ペイントシェーカー、ビーズミル、ニーダー、ミキサー等の公知の装置を使用して行うことができる。
本発明の樹脂組成物を用いて樹脂層を形成する方法としては、具体的には、本発明の樹脂組成物を、例えば、後述する光透過性基材上に塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜を硬化することによって行われる。
上記塗布の方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の公知の方法が挙げられる。
上記塗膜の硬化方法としては特に限定されないが、必要に応じて乾燥し、そして加熱、活性エネルギー線照射等により硬化させて形成することが好ましい。
上記樹脂層は、帯電防止層として用いる場合、膜厚(硬化時)は、0.1〜100μmであることが好ましい。この範囲の膜厚(硬化時)を有することで、充分な帯電防止性能と硬度とを備えた帯電防止層とすることができる。上記樹脂層を帯電防止層として用いる場合の膜厚(硬化時)のより好ましい範囲は、0.8〜20μmである。
なお、上記樹脂層(帯電防止層)の膜厚は、その厚さ方向の断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察して測定することができる。
なお、上記樹脂は、低屈折率層として用いる場合、屈折率が1.45未満であることが好ましい。1.45以上であると、上記低屈折率層による反射防止性能が不充分となり、光学積層体を製造した場合、近年の画像表示装置の高レベルな表示品質に対応することができないことがある。より好ましい上限は1.40であり、最も好ましいのは上限が1.37である。
また、上記低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(I):
=mλ/(4n) (I)
(上記式中、nは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)を満たすものが好ましい。
上記活性エネルギー線照射としては、紫外線又は電子線による照射が挙げられる。上記紫外線源の具体例としては、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯等の光源が挙げられる。また、紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。電子線源の具体例としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、又は直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
上述した構成からなる本発明の樹脂組成物は、優れた導電性及び硬度を有する樹脂層を形成することができるため、帯電防止層を形成する際に用いられる帯電防止層用組成物として好適に用いられる。このような帯電防止層を備えた光学積層体もまた、本発明の一つである。
すなわち、本発明の光学積層体は、光透過性基材上に、本発明の樹脂組成物を用いて形成した帯電防止層を有することを特徴とする。
上記光透過性基材としては、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。
光透過性基材を形成する材料の具体例としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記光透過性基材は、上記熱可塑性樹脂を柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板の板状体のものを使用してもよい。
その他、上記光透過性基材としては、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムも挙げられる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が用いられる基材で、例えば、日本ゼオン社製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト社製のスミライトFS−1700、JSR社製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学社製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成社製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ社製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材の厚さとしては、20〜300μmであることが好ましく、より好ましくは上限が200μmであり、下限が30μmである。上記光透過性基材が板状体の場合には、これらの厚さを超える厚さであってもよい。
上記光透過性基材は、その上に上述したハードコート層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤若しくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
本発明の光学積層体は、また、光透過性等が損なわれない範囲内で、必要に応じて他の層(防眩層、低屈折率層、防汚層、接着剤層、ハードコート層等)の1層又は2層以上を適宜形成することができる。なかでも、防眩層、低屈折率層及び防汚層のうち少なくとも一層を有することが好ましい。これらの層は、公知の反射防止用積層体と同様のものを採用することもできる。また、このような他の層を形成することで、本発明の光学積層体の製造過程でけん化処理(アルカリ浸漬)をした場合に、上記帯電防止層の帯電防止性能が低下することを防止することもできる。
具体的には、例えば、上記光透過性基材の上に、防眩層及びハードコート層をこの順に形成してなる構造が挙げられる。
以下、任意の層について説明する。
(防眩層)
上記防眩層は、例えば、上記光透過性基材と帯電防止層又は低屈折率層(後記)との間に形成されてよい。上記防眩層は、樹脂及び防眩剤を含む防眩層用組成物から形成されてよい。
上記樹脂としては特に限定されず、例えば、上述した本発明の樹脂組成物におけるバインダー樹脂から適宜選択して使用することができる。
また、上記防眩剤も特に限定されず、例えば、上述した本発明の樹脂組成物において説明したものと同様のものを使用することができる。
上記防眩層の乾燥膜厚(硬化時)は、一般的には0.1〜100μm程度、特に0.8〜10μmの範囲とすることが好ましい。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を充分に発揮することができる。
上記防眩層の膜厚は、以下の方法により測定することができる。
共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS−NT:ライカ社製:倍率「300〜1000倍」)にて、光学積層体の断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の測定基準により測定することができる。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、光学積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断する。オイルの使用は、対物レンズと光学積層体との間の空気層を消失させるために用いる。
測定手順
1:レーザー顕微鏡観察により平均層厚を測定した。
2:測定条件は、上記の通りであった。
3:1画面につき 凹凸の最大凸部、最小凹部の基材からの層厚を1点ずつ計2点測定し、それを5画面分、計10点測定し、平均値を算出し、これを、防眩層の膜厚とする。このレーザー顕微鏡は、各層に屈折率差があることによって非破壊断面観察をすることができる。また、各層の組成の違いで観察できるSEM及びTEM断面写真の観察を用いて、5画面分の観察を行うことで同様に求めることができる。
(低屈折率層)
上記低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が本発明の光学積層体の表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の乾燥厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
上記低屈折率層としては、好ましくは(1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、(2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、(3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、(4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれかにより構成される。
上記フッ素系樹脂以外の樹脂については、本発明の樹脂組成物を構成するバインダー樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。
上記重合性化合物としては特に限定されず、例えば、電離放射線硬化性基、熱硬化性極性基等の硬化反応性基を有するものが好ましい。また、これらの反応性基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、上記重合体とは、上記のような反応性基等を一切もたないものである。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えば、フルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)が挙げられる。また、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとして、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、含フッ素(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物等も挙げられる。
上記熱硬化性極性基として好ましいものとしては、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基が挙げられる。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカ等の無機超微粒子との親和性にも優れている。
上記熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品等が挙げられる。
上記電離放射線硬化性基と熱硬化性極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、例えば、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等が挙げられる。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体等も挙げられる。
これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も使うこともできる。
上記シリコーン成分としては特に限定されず、例えば、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
上記ジメチルシロキサン構造としてより具体的には、例えば、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン等のポリアルキル、ポリアルケニル、又は、ポリアリールシロキサンに各種架橋剤、例えば、テトラアセトキシシラン、テトラアルコキシシラン、テトラエチルメチルケトオキシムシラン、テトライソプロペニルシラン等の四官能シラン、更にはアルキル又はアルケニルトリアセトキシシラン、トリケトオキシムシラン、トリイソプロペニルシラントリアルコキシシラン等の3官能シラン等を添加混合したもの、場合によっては予め反応させたものが挙げられる。
更には、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、ハードコート層用組成物に記載したような各樹脂成分を混合して使用することもできる。
更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
上記低屈折率層の形成にあっては、例えば、原料成分を含む組成物(低屈折率層用組成物)を用いて形成することができる。より具体的には、原料成分(樹脂等)及び必要に応じて添加剤(例えば、後述の「空隙を有する微粒子」、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等)を溶剤に溶解又は分散してなる溶液又は分散液を、低屈折率層用組成物として用い、上記組成物による塗膜を形成し、上記塗膜を硬化させることにより低屈折率層を得ることができる。なお、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等の添加剤としては特に限定されず、公知のものが挙げられる。
なかでも、上記低屈折率層用組成物としては、(1)空隙を有する微粒子、(2)2個以上の電離放射線硬化性基を有するフッ素含有モノマー、(3)3個以上の電離放射線硬化性基を有するフッ素原子不含多官能モノマー、の各成分を任意に組み合わせて含むことが好ましい。ただし、上記(1)成分と(2)成分との組み合わせのみ含む場合は、形成する低屈折率層の硬度が低くなってしまうため好ましくない。
また、上記(1)成分のみを含む場合、低屈折率層を形成すること自体が困難であり、上記(2)成分のみを含む場合、形成する低屈折率層の硬度が弱くなり、上記(3)成分のみを含む場合、屈折率が充分に低い低屈折率層を形成することができない。
なお、上記(1)成分としては、後述するものが挙げられ、上記(2)成分としては、上述したエチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーから電離放射線硬化性基を2個以上有するものが挙げられ、上記(3)成分としては、本発明の樹脂組成物において説明したバインダー樹脂から、電離放射線硬化性基を3個以上有するものが挙げられる。また、上記低屈折率層用組成物は、必要に応じて、上記分子中にフッ素原子を含む重合性化合物の重合体(フッ素含有ポリマー)を更に含有していてもよい。
上記低屈折率層においては、低屈折率剤として、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることができる。
本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、被膜内部での微粒子の分散状態により、内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。この微粒子を使用した低屈折率層は、屈折率を1.30〜1.45に調節することが可能である。
上記空隙を有する無機系の微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に記載された方法によって調製されたシリカ微粒子を挙げることができる。また、特開平7−133105号公報、特開2002−79616号公報、特開2006−106714号公報等に記載された製法によって得られるシリカ微粒子であってよい。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
被膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子又は断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体も挙げられる。そのような具体例としては、市販品として日本シリカ工業社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業社製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒子径の範囲内のものを利用することが可能である。
「空隙を有する微粒子」の平均粒子径は、5〜300nmであり、好ましくは下限が8nm、上限が100nmであり、より好ましくは下限が10nm、上限が80nmである。空隙を有する微粒子の平均粒子径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。なお、上記平均粒子径は、動的光散乱法等によって測定した値である。「空隙を有する微粒子」は、上記低屈折率層中に樹脂100質量部に対して、通常0.1〜500質量部程度、好ましくは10〜200質量部程度とするのが好ましい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、ハードコート層用組成物で例示したものが挙げられ、好ましくは、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール、ジエチルケトン、PGME等である。
上記低屈折率層用組成物の調製方法は、成分を均一に混合できれば良く、公知の方法に従って実施すれば良い。例えば、上記樹脂層の形成で説明した公知の装置を使用して混合することができる。
上記塗膜の形成方法は、公知の方法に従えば良い。例えば、上記樹脂層の形成で説明した各種方法を用いることができる。
上記低屈折率層の形成においては、上記低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(25℃)、好ましくは0.7〜3cps(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止膜を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ基材に対する密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
得られた塗膜の硬化方法は、組成物の内容等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、紫外線硬化型であれば、塗膜に紫外線を照射することにより硬化させれば良い。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤が添加されることが好ましい。
低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(I):
=mλ/(4n) (I)
(上記式中、nは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)を満たすものが好ましい。
(防汚層)
上記防汚層は、本発明の光学積層体の最表面に汚れ(指紋、水性又は油性のインキ類、鉛筆等)が付着しにくく、又は付着した場合でも容易に拭取ることができるという役割を担う層である。本発明の好ましい態様によれば、低屈折率層の最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良く、特に低屈折率層が形成された光透過性基材の一方の面と反対の両側に防汚層が設けることが好ましい。防汚層の形成により、本発明の光学積層体に対して防汚性と耐擦傷性の更なる改善を図ることが可能となる。低屈折率層がない場合でも、最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良い。
上記防汚層は、一般的には、防汚染剤及び樹脂を含む組成物により形成することができる。
上記防汚染剤は、本発明の光学積層体の最表面の汚れ防止を主目的とするものであり、本発明の光学積層体に耐擦傷性を付与することもできる。
上記防汚染剤としては、例えば、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、又は、これらの混合化合物が挙げられる。より具体的には、2−パーフロロオクチルエチルトリアミノシラン等のフロロアルキル基を有するシランカップリング剤等が挙げられ、特に、アミノ基を有するものが好ましくは使用することができる。
上記樹脂としては特に限定されず、本発明の樹脂組成物で例示したバインダー樹脂が挙げられる。
上記防汚層は、例えば、上述の帯電防止層の上に形成することができる。特に、防汚層が最表面になるように形成することが好ましい。
上記防汚層は、例えば、上記帯電防止層自身に防汚性能を付与することにより代替することもできる。
上述した構成の本発明の光学積層体は、高温低湿度環境下に置かれる前において(製造直後の初期値として)、温度23℃、湿度50%RHの条件における表面抵抗率が5×1010Ω/□以下、かつ、飽和帯電圧が0.5kV以下であることが好ましい。このような表面抵抗率及び飽和帯電圧を充足しない場合、本発明の光学積層体の耐熱性が不充分であり、高温低湿度環境下に置かれた後における帯電圧性能の維持ができなくなる。
ここで、本明細書における「高温低湿度環境」とは、温度70℃〜100℃、湿度5〜20%RHの環境を意味する。
また、本発明の光学積層体は、高温低湿度環境下で24時間放置後、該高温低湿度環境から取り出し、1分以内に温度23〜24℃、湿度50%RHの条件下で、表面抵抗率が1×1011Ω/□以下、飽和帯電圧が0.8kV以下であることが好ましい。このような表面抵抗率及び飽和帯電圧を充足する本発明の光学積層体は、高温低湿度環境下に置かれた場合であっても、優れた帯電圧性能を維持し、極めて優れた耐熱性を有するものである。
更に、本発明の光学積層体は、温度30℃以上、湿度30%RH以下の条件における表面抵抗率が1×1011Ω/□以下、飽和帯電圧が0.8kV以下であることが好ましい。なお、上記温度及び湿度の条件は、上記高温低湿度環境下に置かれる前後のいずれであってもよい。このような表面抵抗率及び飽和帯電圧の条件を充足することで、本発明の光学積層体は、画像表示装置に適用した場合に、優れた耐熱性及び帯電圧性能を好適に維持することができることとなる。
また、本発明の光学積層体は、全光線透過率が85%以上であることが好ましい。85%未満であると、本発明の光学積層体を画像表示装置の表面に装着した場合において、色再現性や視認性を損なうおそれがある。上記全光線透過率は、90%以上であることがより好ましく、98%以上であることが更に好ましい。
また、本発明の光学積層体は、ヘイズが1%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。また、上記防眩剤を含有させた樹脂層を帯電防止層とした場合や、上記防眩層を形成した場合のように、本発明の光学積層体に防眩性を付与した場合、上記ヘイズは、80%未満であることが好ましい。本発明の光学積層体に防眩性を付与した場合、上記ヘイズは、内部拡散によるヘイズ及び/又は最表面の凹凸形状によるヘイズからなってよく、内部拡散によるヘイズは、0.5%以上79%未満であることが好ましく、1%以上50%未満であることがより好ましい。最表面のヘイズは、0.5%以上35%未満であることが好ましく、1%以上20%未満であることがより好ましく、1%以上10%未満であることが更に好ましい。
本発明の光学積層体は、JIS K5600−5−4(1999)による鉛筆硬度試験(荷重4.9N)において、2H以上であることが好ましく、3H以上であることがより好ましい。また、JIS K5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
また、本発明の光学積層体は、偏光素子の表面に、本発明による光学積層体を、光透過性基材における帯電防止層が存在する面と反対側の面に設けることによって、偏光板とすることができる。このような偏光板もまた、本発明の一つである。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。
上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
本発明は、最表面に上記光学積層体又は上記偏光板を備えてなる画像表示装置でもある。上記画像表示装置は、LCD、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT、タブレットPC、タッチパネル、電子ペーパー等の画像表示装置であってもよい。
上記の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は本発明の偏光板が形成されてなるものである。
本発明が上記光学積層体を有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は光学積層体の下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記画像表示装置であるPDPは、表面ガラス基板(表面に電極を形成)と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板(電極および、微小な溝を表面に形成し、溝内に赤、緑、青の蛍光体層を形成)とを備えてなるものである。本発明の画像表示装置がPDPである場合、上記表面ガラス基板の表面、又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上述した光学積層体を備えるものでもある。
上記画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質:発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置、又は、電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した光学積層体を備えるものである。
本発明の画像表示装置は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、電子ペーパー、タッチパネル、タブレットPC等のディスプレイ表示に使用することができる。特に、CRT、液晶パネル、PDP、ELD、FED、タッチパネル等の高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
本発明は、上述した構成からなるものであるため、優れた導電性及び硬度を有する樹脂層を形成することができる樹脂組成物を提供できる。このため、本発明の樹脂組成物を用いて形成した帯電防止層を備えた光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー等に好適に適用することができる。
本発明の内容を下記の実施例により説明するが、本発明の内容はこれらの実施態様に限定して解釈されるものではない。また、特別に断りの無い限り、「部」及び「%」は質量基準である。
(実施例1)
イルガキュア184(光重合開始剤、BASFジャパン社製)4質量部を、メチルエチルケトン(MEK)中に添加して攪拌し溶解させて、最終固形分が40質量%の溶液を調製した。
この溶液に、バインダー樹脂として、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を、固形分比で54質量部となるように添加して攪拌した。
この溶液に、レベリング剤(製品名:メガファックF−477、DIC社製)を固形分比で0.2質量部添加して撹拌し、更に、一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(83)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=8、m=3、X=OCH、X=OCOCR=CH、R=H、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を固形分比で10質量部、シリカ微粒子として、MIBK−SDL(日産化学社製、体積平均粒径44nm、反応性シリカ)を固形分比で36質量部添加し、攪拌して樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物を、光透過性基材として、トリアセチルセルロース(TAC)基材(商品名KC4UAW、厚み40μm、コニカミノルタオプト社製)上に、スリットリバースコートにより、乾燥塗布量8g/mとなるように塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射量150mJ/cmで紫外線を照射して塗膜を硬化させ、厚み7μmの樹脂層(帯電防止層)を形成し、実施例1の光学積層体を得た。
(実施例2)
シリカ微粒子として、MIBK−SD(日産化学社製、体積平均粒径12nm、反応性シリカ)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例3)
シリカ微粒子として、IPA−ST(日産化学社製、体積平均粒径12nm、反応性なしシリカ)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例4)
シリカ微粒子として、IPA−STUP(日産化学社製、異型シリカ、反応性なしシリカ)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例5)
シリカ微粒子として、DP1039SIV(日揮触媒化成社製、反応性異型シリカ)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例6)
シリカ微粒子として、MIBK−SDL(日産化学社製、体積平均粒径44nm、反応性シリカ)を固形分比で33質量部及びSIRMIBK E65(CIKナノテック社製、体積平均粒径150nm、反応性なしシリカ)を固形分比で3質量部を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例7)
一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(83)20R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=8、m=3、X=OCH、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例8)
一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBAE(23)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=2、m=3、X=OCH、X=OCOCR=CH、R=H、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例9)
一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(222)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=2、m=2、X=「OCOC(CH3)=CH」、X=OCOCR=CH、R=CH、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例10)
バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例11)
バインダー樹脂として、ウレタンアクリレート(日本合成化学工業社製;UV1700B)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例12)
バインダー樹脂として、ウレタンアクリレート(荒川化学工業社製;BS371)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例13)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で72質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で18質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例14)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で36質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で54質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例15)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で20質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例16)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で57質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で38質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で5質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例17)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で5質量部とし、更に、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例18)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で5質量部とし、更に、コルコートNR121X(コルコート社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例19)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で5質量部とし、更に、ユピマーH6500(三菱化学社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例20)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で2質量部とし、更に、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で2質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例21)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で5質量部とし、更に、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で10質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例22)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で10質量部とし、更に、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で5質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例23)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で10質量部とし、更に、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で10質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例24)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で10質量部とし、更に、ELCOM V3560(日揮触媒化成社製、鎖状ATO微粒子)を固形分比で10質量部添加した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例25)
溶剤として酢酸メチルを用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例26)
溶剤としてトルエンを用い、バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例27)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、その後、光透過性基材として、厚み40μmのポリエチレンテレフタレート(PET)基材を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例28)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で48質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で32質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、その後、光透過性基材として、厚み100μmの非晶質シクロオレフィンポリマー(COP)基材を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例29)
一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBMME(233)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=2、m=3、X、X=OCH、R=CH、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例1)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で89.5質量部とし、シリカ微粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例2)
シリカ微粒子の添加量を固形分比で90質量部とし、バインダー樹脂を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例3)
一般式(1)で表される化合物に代えて、ハイボロンASA501(ボロンインターナショナル社製、有機ホウ素成分100%)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例4)
一般式(1)で表される化合物に代えて、LJ−603010(住友スリーエム社製、LiY化合物(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド))を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製したが、ゲル化してしまった。
(比較例5)
一般式(1)で表される化合物に代えて、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製したが、ゲル化してしまった。
(比較例6)
バインダー樹脂として、ウレタンアクリレート(荒川化学工業社製;BS371)を用い、一般式(1)で表される化合物に代えて、LJ−603010(住友スリーエム社製、LiY化合物(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド))を用い、シリカ微粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製したが、ゲル化してしまった。
(比較例7)
バインダー樹脂として、ウレタンアクリレート(荒川化学工業社製;BS371)を用い、一般式(1)で表される化合物に代えて、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を用い、シリカ微粒子を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製したが、ゲル化してしまった。
(比較例8)
一般式(1)で表される化合物に代えて、下記化学式(2)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
Figure 0006028333
化学式(2)中、n=8、m=3であり、Yは、ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオンである。
(比較例9)
一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(83)50Rに代えて、サンコノールBME(14 3)50R(三光化学工業社製、一般式(1)、n=14、m=3、X=OCH、X=OCOCR=CH、R=H、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(参考例1)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で53.9質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で0.1質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(参考例2)
バインダー樹脂の添加量を固形分比で25質量部、シリカ微粒子の添加量を固形分比で25質量部、一般式(1)で表される化合物の添加量を固形分比で50質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして光学積層体を作製した。
(評価)
各実施例、比較例及び参考例で得られた光学積層体について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。なお、樹脂組成物がゲル化した比較例については、評価を行わなかった。
(表面抵抗値)
各光学積層体の表面抵抗値を、三菱化学社製Hiresta IP MCP−HT260にて測定した。
(鉛筆硬度試験)
各光学積層体を、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JISK5600−5−4(1999)が規定する鉛筆硬度評価方法に従い、4.9Nの荷重にて、樹脂層が形成された表面の鉛筆硬度を測定した。
(透過率、ヘイズ)
各光学積層体の透過率(全光線透過率)及びヘイズを、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361(全光線透過率)に準拠した方法により測定した。
(性能維持性)
各光学積層体の樹脂層の表面を溶剤で拭き取った後、その表面抵抗値を測定し、以下の基準により評価した。なお、溶剤での拭き取り方法は、充分に溶剤(IPA)をしみ込ませた布地を、500g/cm荷重で10往復させ、更に、溶剤をしみ込ませていない布地で、500g/cm荷重×10往復して空拭きする。
○:表面抵抗値(溶剤拭き取り後)/表面抵抗値(溶剤拭き取り前)≦5
×:表面抵抗値(溶剤拭き取り後)/表面抵抗値(溶剤拭き取り前)>5
Figure 0006028333
表1に示したように、実施例に係る光学積層体は、いずれの評価にも優れるものであったが、比較例に係る光学積層体は、全ての評価に優れるものはなかった。一方、参考例1に係る光学積層体は、一般式(1)で表される化合物の添加量が少なすぎたため、表面抵抗値が高く、参考例2に係る光学積層体は、一般式(1)で表される化合物の添加量が多すぎたため、形成した樹脂層(帯電防止層)の硬度が低く、透過率及びヘイズの評価にも劣るものであった。
(実施例30)
ウレタンアクリレート(BS577、荒川化学社製)2.5質量部、ポリエステルアクリレート(M9050、東亜合成社製)5質量部、重合開始剤(イルガキュア184、BASFジャパン社製)0.4質量部及びメチルエチルケトン10質量部を混合してハードコート層用組成物を調製した。
得られたハードコート層用組成物を、光透過性基材として、トリアセチルセルロース(TAC)基材(商品名KC4UAW、厚み40μm、コニカミノルタオプト社製)上に、スリットリバースコートにより、乾燥塗布量8g/mとなるように塗布して塗膜を形成した。得られた塗膜を70℃で1分間乾燥させた後、紫外線照射量150mJ/cmで紫外線を照射して塗膜を硬化させ、厚み7μmのハードコート層を形成した。
次に、イルガキュア184(光重合開始剤、BASFジャパン社製)4質量部を、メチルエチルケトン(MEK)中に添加して攪拌し溶解させて、最終固形分が40質量%の溶液を調製した。
この溶液に、バインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)を、固形分比で22.5質量部となるように添加して攪拌し、レベリング剤(製品名:メガファックF−477、DIC社製)を固形分比で0.2質量部添加して撹拌し、更に、一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(83)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=8、m=3、X=OCH、X=OCOCR=CH、R=H、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を固形分比で22.5質量部、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径50nm)を固形分比で55質量部添加し、攪拌して樹脂組成物を調製した。
この樹脂組成物を、光透過性基材上に形成したハードコート層上に、得られた樹脂組成物を、乾燥後(40℃×1分)の膜厚が0.1μmとなるように塗布した。そして、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン社製、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/mで紫外線照射を行って硬化させて樹脂層(低屈折率層)を形成し、光学積層体を得た。樹脂層(低屈折率層)の膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調整して行った。
(実施例31)
樹脂組成物のバインダー樹脂として、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例32)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を30質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を15質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例33)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を39質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を6質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例34)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を15質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を30質量部とした以外は、実施例29と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例35)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を25質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を25質量部とし、中空状シリカ微粒子の添加量を50質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例29と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例36)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を20質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を20質量部とし、中空状シリカ微粒子の添加量を60質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例37)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、フッ素化アクリレート(LINC3A、共栄社化学社製)及びシリコーン・フッ素含有樹脂(TU2225、JSR社製)を合計22.5質量部使用した以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例38)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)及びフッ素系樹脂(AR110、ダイキン化学工業社製)を合計22.5質量部使用した以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例39)
シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例40)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を30質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を15質量部とし、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例41)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を15質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を30質量部とし、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例42)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を35質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を30質量部とし、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用い、その添加量を35質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例43)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を20質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を20質量部とし、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用い、その添加量を60質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例44)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)とDAF3EO(新中村化学工業社製、2官能、F原子含有モノマー)とを質量比(PETA):(DAF3EO)=30:70で用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例45)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(23)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=2、m=3、X=OCH、X=OCOCR=CH、R=H、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用い、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例46)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(222)50R(三光化学工業社製、一般式(1)中、n=2、m=2、X=「OCOC(CH3)=CH」、X=OCOCR=CH、R=CH、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用い、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例47)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を35質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を35質量部とし、シリカ微粒子の添加量を30質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例48)
樹脂組成物におけるシリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用い、その添加量を45質量部とし、更に、MIBK−SD(日産化学社製、体積平均粒径12nm、反応性シリカ)を固形分比で10質量部添加した以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(実施例49)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物の添加量を17.5質量部とし、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を固形分比で5質量部添加し、更に、シリカ微粒子として、中空状シリカ微粒子(日揮触媒化成社製、体積平均粒径60nm)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例10)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を50質量部とし、一般式(1)で表される化合物の添加量を50質量部とし、シリカ微粒子を添加しなかった以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例11)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物に代えて、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製したが、ゲル化してしまった。
(比較例12)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物に代えて、LJ−603010(住友スリーエム社製、LiY化合物(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド))を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製したが、ゲル化してしまった。
(比較例13)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を50質量部とし、一般式(1)で表される化合物に代えて、1SX3000(大成ファインケミカル社製、第4級アンモニウム塩)を用い、その添加量を50質量部とし、更に、シリカ微粒子を添加しなかった以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例14)
樹脂組成物におけるバインダー樹脂の添加量を50質量部とし、一般式(1)で表される化合物に代えて、LJ−603010(住友スリーエム社製、LiY化合物(リチウムビストリフルオロメタンスルホンイミド))を用い、その添加量を50質量部とし、更に、シリカ微粒子を添加しなかった以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例15)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物に代えて、ハイボロンASA501(ボロンインターナショナル社製、有機ホウ素成分100%)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(比較例16)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物に代えて、下記化学式(2)で表される化合物を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
Figure 0006028333
化学式(2)中、n=8、m=3であり、Yは、ビストリフルオロメタンスルホンイミドである。
(比較例17)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物として、サンコノールBME(83)50Rに代えて、サンコノールBME(14 3)50R(三光化学工業社製、一般式(1)、n=14、m=3、X=OCH、X=OCOCR=CH、R=H、Y=ビストリフルオロメタンスルホンイミドイオン)を用いた以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(参考例3)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物の添加量を44質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(参考例4)
樹脂組成物における一般式(1)で表される化合物の添加量を1質量部とした以外は、実施例30と同様にして樹脂組成物を調製し、得られた樹脂組成物を用いた以外は、実施例30と同様にして光学積層体を作製した。
(評価)
各実施例、比較例及び参考例で得られた光学積層体について、以下の評価を行った。結果を表2に示した。なお、樹脂組成物がゲル化した比較例については、評価を行わなかった。
(表面抵抗値)
各光学積層体の表面抵抗値を、三菱化学社製Hiresta IP MCP−HT260にて測定した。
(耐擦傷性)
各光学積層体の樹脂層(低屈折率層)の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、摩擦荷重300g/cmで10往復摩擦し、その後の塗膜の状態を目視で確認し、結果を下記の基準にて評価した。
◎:目視で確認できた傷が0本
○:目視で確認できた傷が1〜2本
×:目視で確認できた傷が3本以上
(反射率)
各光学積層体の裏面反射を防止するための黒色テープを貼り、樹脂層(低屈折率層)の面から、島津製作所製、分光反射率測定機「PC−3100」を用い、 波長域380〜780nmでの最低反射率を測定した。
Figure 0006028333
表2に示したように、実施例に係る光学積層体は、いずれの評価にも優れるものであったが、比較例に係る光学積層体は、全ての評価に優れるものはなかった。一方、参考例3に係る光学積層体は、一般式(1)で表される化合物の添加量が多すぎたため、形成した樹脂層(低屈折率層)の耐擦傷性に劣り、参考例4に係る光学積層体は、一般式(1)で表される化合物の添加量が少なすぎたため、形成した樹脂層(帯電防止層)の表面抵抗値が高かった。
本発明の樹脂組成物は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)、電子ペーパー等の帯電防止層や低屈折率層の形成に好適に適用することができる。

Claims (7)

  1. 光透過性基材上に、帯電防止層を有する光学積層体であって、
    前記帯電防止層は、下記一般式(1)で表される化合物、バインダー樹脂、シリカ微粒子及び溶剤を含有する樹脂組成物を用いて形成したものである
    ことを特徴とする光学積層体。
    Figure 0006028333
    一般式(1)中、X、Xは、OCH、OCHCH、H、CH、OCOCR=CH、OH及びCOOHからなる群より選択されるいずれか1種の官能基を表し、X、Xは同一又は異なっていてよく、Rは、H又はCHを表し、Yは、RfSONH、RfSO 、(RfSO、(FSO、シクロヘキサフルオロプロパン−1,3−ビス(スルホニル)イミドイオン、テトラフルオロボレートイオン、及び、(RfSOからなる群から選択されるいずれか1種であり、nは、2〜10の整数を表し、mは、0又は1〜10の整数を表し、Rfは、CF、C、C又はCを表す。
  2. 帯電防止層用組成物は、更に、第4級アンモニウム塩を含有する請求項1記載の光学積層体。
  3. 帯電防止層用組成物は、更に、導電性微粒子を含有する請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. シリカ微粒子は、表面に反応性官能基を含有する反応性シリカ微粒子である請求項1、2又は3記載の光学積層体。
  5. バインダー樹脂は、多官能モノマー、多官能オリゴマー及び多官能ポリマーを含有する請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
  6. 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
    前記偏光板は、偏光素子表面に請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。
  7. 最表面に請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体、又は、請求項6記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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