JP2010083047A - 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このような低屈折率層には、光学積層体の反射防止性能を高めるために低屈折率であること、透明性等の優れた光学的特性を有すること、最表面に設けられることから傷付き防止等のために高い硬度を有することに加えて、耐汚染性に優れること等が求められる。
このような低屈折率層が最表面に形成された光学積層体としては、例えば、特許文献1等に、中空状シリカ微粒子、フッ素原子含有ポリマー及び防汚剤を含有する低屈折率層を有する光学積層体が開示されている。
しかしながら、従来の中空状シリカ微粒子、フッ素原子含有ポリマー及び防汚剤を含有し、防汚性能が付与された低屈折率層は、白化が生じて光学的特性が低下し、するといった問題があった。
そのため、このような防汚性能が付与された低屈折率層を備えた従来の光学積層体では、近年の画像表示装置の高い表示品質に対する要求に充分に応えることができないものであった。
上記低屈折率層の屈折率が1.45未満であることが好ましい。
また、本発明の光学積層体は、光透過性基材と低屈折率層との間にハードコート層又は防眩層を有することが好ましい。
本発明はまた、最表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明は、光透過性基材の上に、少なくとも低屈折率層を有する光学積層体である。
上記低屈折率層とは、本発明の光学積層体を構成する光透過性基材等低屈折率層以外の構成物の屈折率よりも低い屈折率であるものをいう。
本発明の光学積層体において、上記低屈折率層は、中空状シリカ微粒子、フッ素原子不含多官能モノマー、フッ素原子含有ポリマー及び防汚剤を含有する低屈折率層用組成物を用いて形成されたものである。
また、本発明においては、シリカ微粒子の形態、構造、凝集状態、上記低屈折率層用組成物を用いてなる塗膜の内部での分散状態により、内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能なシリカ微粒子も含まれる。
すなわち、従来から中空状シリカ微粒子、フッ素原子含有ポリマー及び防汚剤を含有する防汚性と低屈折率性とが付与された低屈折率層において、該防汚剤としてはシリコーン系の防汚剤が使用されていた。これは、ハードコート層等の低屈折率層が形成される被形成物に対する上記防汚剤等を含有する塗工液のはじき防止性能に優れるからである。
ところが、このようなシリコーン系防汚剤は、中空状シリカ微粒子に対する親和性が高く、上記塗工液中で中空状シリカ微粒子に取り込まれる量が多くなるため、低屈折率層に充分な防汚性を付与するためには上記塗工液中への添加量を多くする必要があった。一方で、上記シリコーン系防汚剤は、フッ素原子含有ポリマーに対する相溶性が悪く、防汚性と低屈折率性とが付与された低屈折率層においては、含有するフッ素原子含有ポリマーと多量に添加された防汚剤とが上記塗工液やその塗膜中で相分離を起こし、結果として白化が生じ、透明性等の光学的特性に劣るものであったと推測される。
これに対し、上記一般式(1)で表されるセグメントを有するシラノール系化合物は、フッ素原子含有ポリマーと相分離を起こし難く、このようなシラノール系化合物を防汚剤として含有する低屈折率層用組成物を用いて形成した低屈折率層は、均一な表面と充分な耐防汚性を有するとともに、白化が生じ難く光学的特性に優れたものとなる。これは、上記一般式(1)中、重合性不飽和二重結合を有する側鎖の該重合性不飽和二重結合が、ハードコート層等の低屈折率層が形成される被形成物に対するはじき防止に寄与するとともに、該側鎖のRで表されるアルキル部又はポリエーテル部が、フッ素原子含有ポリマーとの相溶性を改善し、形成した低屈折率層の白化防止に寄与しているからであると考えられる。
なお、上記シラノール系化合物の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC KF−802、GPC KF−803、GPC KF−804、GPC KF−805 GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記電離放射線硬化性基としては、例えば、光ラジカル重合、光カチオン重合、光アニオン重合等の重合反応、又は、光二量化を経て進行する付加重合又は縮重合等の反応形式により反応が進行するもの等が挙げられる。なかでも、アクリル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基は、紫外線、電子線等の電離放射線の照射により直接的に又は開始剤の作用を受けて間接的に光ラジカル重合反応を生じるものであり、光硬化の工程を含む取り扱いが比較的容易なものとして好ましい。
上記水素結合形成基としては、特に水酸基であることが好ましい。低屈折率層用組成物の保存安定性に優れ、被膜の熱硬化により中空状シリカ微粒子表面に存在する水酸基との共有結合を形成し、該中空状シリカ微粒子が架橋剤として作用し、膜強度の更なる向上を図ることができる。
これらのフッ素原子不含多官能モノマーは、後述するような屈折率の範囲を満たすとともに硬化反応性に優れ、得られる低屈折率層の硬度を向上させることができる。
なお、上記フッ素原子不含多官能モノマーの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。GPC移動相の溶剤には、テトラヒドロフランやクロロホルムを使用することができる。測定用カラムは、テトラヒドロフラン用又はクロロホルム用のカラムの市販品カラムを組み合わせて使用するとよい。上記市販品カラムとしては、例えば、Shodex GPC KF−801、GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。検出器には、RI(示差屈折率)検出器及びUV検出器を使用するとよい。このような溶剤、カラム、検出器を使用して、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工社製)等のGPCシステムにより、上記重量平均分子量を適宜測定することができる。
上記フッ素原子含有ポリマーとしては特に限定されず、例えば、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルケトン類等が挙げられる。
この場合のシリコーン成分としては、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサンや、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。なかでも、ジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
なお、上記フッ素原子含有ポリマーの重量平均分子量は、上述したシラノール系化合物と同様に、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算により求めることができる。測定用カラムとしては、テトラヒドロフラン用であれば、例えば、Shodex GPC KF−802、GPC KF−803、GPC KF−804、GPC KF−805、GPC KF−806、GPC−KF800D(いずれも、商品名、昭和電工社製)等を挙げることができる。
本発明の光学積層体における、特に好ましい防汚剤とフッ素原子含有ポリマーとの組み合わせとしては、例えば、以下に挙げる組み合わせ等が挙げられる。なお、防汚剤は、各組み合わせにおけるものを2種以上混ぜ合わせてもよい。
(1)防汚剤:デグサ社製「TEGORad−2600」
フッ素原子含有ポリマー:ダイキン化学工業製「AR110」
を含有する組み合わせ;
(2)防汚剤:デグサ社製「TEGORad−2700」
フッ素原子含有ポリマー:ダイキン化学工業製「AR110」
を含有する組み合わせ;
(3)防汚剤:デグサ社製「TEGORad−2500」
フッ素原子含有ポリマー:ダイキン化学工業製「AR110」
を含有する組み合わせ。
(4)防汚剤:デグサ社製「TEGORad−2200N」
フッ素原子含有ポリマー:ダイキン化学工業製「AR110」
を含有する組み合わせ。
(5)防汚剤:デグサ社製「TEGORad−2500」
フッ素原子含有ポリマー:JSR製「JN35」
を含有する組み合わせ。
(6)防汚剤:デグサ社製「TEGORad−2600」、「TEGORAD−2200N」
フッ素原子含有ポリマー:ダイキン化学工業製「AR110」
を含有する組み合わせ。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ベンジルアルコール、PGME等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ヘプタノン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン等のケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸ブチル、PGMEA等のエステル;ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;メチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロリドン等のアミド;ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル;1−メトキシ−2−プロパノール等のエーテルアルコール等が挙げられる。なかでも、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、PGME、PGMEAが好ましい。
上記その他の成分としては、例えば、光重合開始剤、レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、防眩剤、帯電防止剤、上述した以外の樹脂等が挙げられる。
また、上記低屈折率層用組成物がカチオン重合性官能基を有する樹脂系を含有する場合、上記光重合開始剤としては、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等が挙げられ、これらは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。具体的には、チバスペシャリティーケミカルズ社製のイルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173;日本シーベルヘグナー社製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46;日本化薬製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。なかでも、イルガキュア369、イルガキュア127、イルガキュア907、Esacure ONE、SpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、KAYACURE DETX−Sが好ましい。
上記光重合開始剤の添加量は、上記フッ素原子不含多官能モノマー及びフッ素原子含有ポリマー等の有機系バインダー成分の固形分100質量部に対して、0.1〜10質量部であることが好ましい。
上記レベリング剤、架橋剤、硬化剤、重合促進剤、粘度調整剤、防眩剤、帯電防止剤、その他の樹脂は、公知のものを使用することができる。
上記低屈折率層用組成物を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、ダイドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法が挙げられる。
dA=mλ/(4nA) (I)
(上記式中、
nAは低屈折率層の屈折率を表し、
mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、
λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)
を満たすものが好ましい。
120<nAdA<145 (II)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
本発明の光学積層体は、光透過性基材を有する。
上記光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ(株)製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
本発明の光学積層体は、上記光透過性基材と低屈折率層との間にハードコート層又は防眩層を有することが好ましい。
本明細書において、上記「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で2H以上の硬度を示すものをいう。硬度は、3H以上であることがより好ましい。また、上記ハードコート層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmである。
上記樹脂としては、透明性のものが好適に用いられ、具体的には、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂等が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチュウラムモノサルファイド、チオキサントン類等が挙げられる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィン等が挙げられる。
上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材の材料がセルローストリアセテート等のセルロース系樹脂の場合、熱可塑性樹脂の好ましい具体例としては、セルロース系樹脂、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等が挙げられる。
上記熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を更に添加して使用することができる。
上記防眩層としては特に限定されず、例えば、樹脂と防眩剤とを含有する防眩相用組成物により形成されてなるものが挙げられる。
30≦Sm≦600
0.05≦Rz≦1.60
0.1≦θa≦2.5
0.3≦R≦15
を全て同時に満たすものが好ましい。
上記防眩層の膜厚(硬化時)としては0.1〜100μmであることが好ましく、より好ましい下限は0.8μm、より好ましい上限は10μmである。膜厚がこの範囲にあることにより、防眩層としての機能を充分に発揮することができる。
上記無機材料からなる微粒子としては、具体的には、例えば、不定形、球状などのシリカビーズ等が挙げられる。
また、有機材料からなる微粒子としては、具体的には、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.53〜1.58)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ(屈折率1.66)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体ビーズ(屈折率1.66)、ポリカーボネートビーズ(屈折率1.57)、ポリエチレンビーズ(屈折率1.50)、ポリ塩化ビニルビーズ(屈折率1.60)等が挙げられる。上記有機材料からなる微粒子は、その表面に疎水性基を有してもよい。
上記光透過性基材と低屈折率層との間に上記ハードコート層又は防眩層が形成された構造の本発明の光学積層体は、更に、上記ハードコート層又は防眩層と、光透過性基材又は低屈折率層との間に、公知の帯電防止剤とバインダー樹脂とからなる帯電防止層が形成された構造であってもよい。
本発明の光学積層体のヘイズは、1%未満であることが好ましく、0.5%未満であることがより好ましい。上記防眩層を有する場合、本発明の光学積層体のヘイズは、80%未満であることが好ましい。上記防眩層は、内部拡散によるヘイズと、最表面の凹凸形状によるヘイズからなってよく、内部拡散によるヘイズは、3.0%以上79%未満であることが好ましく、10%以上50%未満であることがより好ましい。最表面のヘイズは、1%以上35%未満であることが好ましく、1%以上20%未満であることがより好ましく、1%以上10%未満であることが更に好ましい。
上記ハードコート層、防眩層及び低屈折率層を形成する方法としては、上述したとおりである。
上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
このため、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)等に好適に適用することができる。
下記に示す各成分を混合してハードコート層形成用組成物を調製した。
ウレタンアクリレート(UV1700B、日本合成製) 5質量部
イソシアヌル酸変性トリアクリレート(M315、東亜合成社製) 5質量部
重合開始剤(イルガキュア184;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.4質量部
メチルエチルケトン 10質量部
(調製例1)
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(1)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110、屈折率約1.39、重量平均
分子量15万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(2)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110、屈折率約1.39、重量平均
分子量15万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2500) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(3)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110、屈折率約1.39、重量平均
分子量15万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 13.3質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 3質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(4)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110改、屈折率約1.39、重量平
均分子量10万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(5)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110改、屈折率約1.39、重量平
均分子量10万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ジペンタエリスリトールトリアクリレート(DPHA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(6)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 2.5質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110改、屈折率約1.39、重量平
均分子量10万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(7)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 2.5質量部
フッ素原子含有ポリマー(JSR社製、JN35、屈折率約1.41、重量平均分子量3
万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(8)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110、屈折率約1.39、重量平均
分子量15万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(9)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(デグサ社製、TEGORad2600) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(10)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110、屈折率約1.39、重量平均
分子量15万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(大日本インキ工業株式会社製、MCF350、フッ素系樹脂) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
下記に示す成分を混合して低屈折率層用組成物(11)を調製した。
中空状の処理シリカ微粒子(該シリカ微粒子の固形分:20質量%溶液;メチルイソブチ
ルケトン、平均粒径:50nm) 25質量部
フッ素原子含有ポリマー(ダイキン工業社製、AR110、屈折率約1.39、重量平均
分子量15万、固形分15質量%溶液メチルイソブチルケトン) 26.6質量部
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA) 1質量部
防汚剤(GE東芝シリコーン社製、TSF4421、シリコーン系(側鎖に重合性不飽和
二重結合なし)) 0.5質量部
重合開始剤(イルガキュア127;チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
0.5質量部
MIBK 160質量部
N−ブタノール 40質量部
セルローストリアセテートフィルム(厚み80μm)の片面に、ハードコート層用組成物を湿潤重量30g/m2(乾燥重量15g/m2)を塗布した。50℃にて30秒乾燥し、紫外線50mJ/cm2を照射してハードコート層を形成した。
次に、形成したハードコート層の上に、低屈折率層用組成物(1)を、乾燥後(40℃×1分)の膜厚が0.1μmとなるように塗布した。そして、紫外線照射装置(フュージョンUVシステムジャパン(株)、光源Hバルブ)を用いて、照射線量192mJ/m2で紫外線照射を行って硬化させて、光学積層体 を得た。膜厚は、反射率の極小値が波長550nm付近になるように調整して行った。
低屈折率層用組成物(1)を低屈折率層用組成物(2)〜(7)に代えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜7に係る光学積層体を得た。また、低屈折率層用組成物(1)を低屈折率層用組成物(8)〜(11)に代えた以外は、実施例1と同様にして比較例1〜4に係る光学積層体を得た。
実施例及び比較例で得られた光学積層体について、以下に示す各評価を行った。結果を表1に示した。
得られた各光学積層体の裏面反射を防止するための黒色テープを貼り、低屈折率層の面から、島津製作所製、分光反射率測定機「PC−3100」を用い、 波長域380〜780nmでの最低反射率を測定した。結果を下記の基準にて評価した。
評価基準
○:最低反射率が、1.5%未満
×:最低反射率が、1.5%以上
得られた各光学積層体の低屈折率層のヘイズ値(%)は、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に従い測定した。結果を下記の基準にて評価した。
○:0.5%未満
×:0.5%以上
得られた各光学積層体の低屈折率層の表面を、#0000番のスチールウールを用いて、所定の摩擦荷重300g/cm2で10往復摩擦し、その後の塗膜の剥がれの有無を目視し、結果を下記の基準にて評価した。
○:傷なし
×:傷あり
得られた各光学積層体の低屈折率層が形成されていない側のフィルム表面に黒色テープを貼り、低屈折率層が形成されている面から、三波長ランプにて塗工面を目視で観察し、結果を下記の基準にて評価した。
評価基準
○:塗工面は均一できれい
×:塗工面は色斑、筋状があり不均一できたない
得られた各光学積層体の低屈折率層の表面に油性ペン(マッキー、商品名、ZEBRA社製)で書き込み、その後、ティッシュで拭き取った。拭き取った後の表面の様子を目視で観察し、下記の基準にて評価した。
○:完全に拭き取れた
×:完全には拭き取れず、黒い跡が残る
一方、比較例の光学積層体は、反射率、硬度、塗工面及び防汚性のいずれにも優れるものはなかった。
Claims (6)
- フッ素原子不含多官能モノマーは、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(メタ)テトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、及び、イソシアヌル酸変性(メタ)トリアクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の光学積層体。
- 低屈折率層の屈折率が1.45未満である請求項1又は2記載の光学積層体。
- 光透過性基材と低屈折率層との間にハードコート層又は防眩層を有する請求項1、2又は3記載の光学積層体。
- 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
前記偏光板は、偏光素子表面に請求項1、2、3又は4記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。 - 最表面に請求項1、2、3若しくは4記載の光学積層体、又は、請求項5記載の偏光板を備えることを特徴とする画像表示装置。
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