JP6027911B2 - 賦形剤造粒物及びその製造方法、並びに錠剤 - Google Patents

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本発明は、賦形剤造粒物、及び錠剤に関する。
錠剤の製造方法としては、直接打錠法、顆粒圧縮法がある。前記直接打錠法は、前記顆粒圧縮法と比べて製造における工程が少なく、製造コストが抑えられるというメリットがある。
前記直接打錠法では、直打用賦形剤として、乳糖やD−マンニトールなどの糖や糖アルコールが用いられ、その流動性を改善するために造粒して用いられていることが多い。
前記直打用賦形剤として、例えば、80%以上が100μmより微細な乳糖を流動床の形でガス流中に懸濁せしめ、これに乳糖水溶液を結合剤として噴霧し、見掛比重0.4〜0.7、安息角45°以下に造粒することにより得られる乳糖顆粒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記提案によれば、流動性、圧縮成形性、結合性に優れた平均粒径が220μm程度の顆粒が得られる。
しかしながら、例えば、錠剤に含まれる活性成分の体積平均粒子径が微小な場合には、前記造粒した直打用賦形剤との混合均一性が十分とは言えず、実際には、活性成分を賦形剤や他の添加剤とともに造粒する顆粒圧縮法が選択される場合が多いのが現状である。
そこで、混合均一性を向上させるために、前記造粒した直打用賦形剤の体積平均粒子径を小さくすることが考えられる。
しかしながら、通常、造粒物の粒度を細かくすると流動性が悪くなり、打錠障害が生じやすくなり、成形性に劣るという問題がある。そのため、これまで市場に流通している多くの直打用賦形剤の体積平均粒子径は、80μm以上である。しかし、これらの賦形剤は流動性が良好ではあるものの、微小な活性成分と混合する際にはその粒度の違いから十分な混合均一性が得られないという問題は解消されていない。
また、近年、口腔内で崩壊して嚥下し易くした口腔内崩壊錠(OD錠)の使用が年々増加しており、錠剤の硬度のみならず、その崩壊性も重要となっている。
したがって、活性成分との混合均一性に優れ、かつ、流動性が良好であり、成形性が高く、更には、錠剤としたときに求められる硬度、及び崩壊性を得ることができる賦形剤造粒物の速やかな開発が求められているのが現状である。
特開昭51−144722号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、活性成分との混合均一性に優れ、かつ、流動性が良好であり、成形性が高く、更には、錠剤としたときに求められる硬度、及び崩壊性を得ることができる賦形剤造粒物、及び前記賦形剤造粒物を用いた錠剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 体積平均粒子径が35μm以下である糖及び/又は糖アルコールを含む粉体を流動層造粒装置内で流動させ、前記粉体に糖及び/又は糖アルコールを含有する液を噴霧して造粒することにより得られ、
前記造粒により得られる造粒物は、体積平均粒子径が80μm以下、かつ安息角が40°未満であることを特徴とする賦形剤造粒物である。
<2> 糖及び/又は糖アルコールを含有する液における糖及び/又は糖アルコールの含有量が、30質量%以上である前記<1>に記載の賦形剤造粒物である。
<3> 糖及び/又は糖アルコールを含む粉体における糖及び/又は糖アルコールと、糖及び/又は糖アルコールを含有する液における糖及び/又は糖アルコールとが、同じ物質である前記<1>から<2>のいずれかに記載の賦形剤造粒物である。
<4> 糖が乳糖である前記<1>から<3>のいずれかに記載の賦形剤造粒物である。
<5> 直接打錠用である前記<1>から<4>のいずれかに記載の賦形剤造粒物である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の賦形剤造粒物と、活性成分とを含むことを特徴とする錠剤である。
<7> 直接打錠により得られる前記<6>に記載の錠剤である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、活性成分との混合均一性に優れ、かつ、流動性が良好であり、成形性が高く、更には、錠剤としたときに求められる硬度、及び崩壊性を得ることができる賦形剤造粒物、及び前記賦形剤造粒物を用いた錠剤を提供することができる。
図1Aは、実施例1、及び比較例1から2で得られた錠剤の打錠圧と硬度との関係を示したグラフである。 図1Bは、実施例1、及び比較例1から2で得られた錠剤の硬度と崩壊時間との関係を示したグラフである。 図2は、試験例1におけるサンプリングを行った箇所を示した図である。 図3は、試験例1における混合時間と薬物含量RSDとの関係を示したグラフである。 図4Aは、実施例2、及び比較例3から4で得られた錠剤の打錠圧と硬度との関係を示したグラフである。 図4Bは、実施例2、及び比較例3から4で得られた錠剤の硬度と崩壊時間との関係を示したグラフである。
(賦形剤造粒物)
本発明の賦形剤造粒物は、糖及び/又は糖アルコールを含む。
以下、本発明の賦形剤造粒物について、その好適な製造方法と併せて説明する。
<賦形剤造粒物の製造方法>
前記賦形剤造粒物の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、糖及び/又は糖アルコールを含む粉体を流動層造粒装置内で流動させ、前記粉体に糖及び/又は糖アルコールを含有する液を噴霧して造粒する工程(以下、「造粒工程」と称することがある)を含み、必要に応じて更にその他の工程を含む方法が好ましい。
<<造粒工程>>
前記造粒工程は、体積平均粒子径が35μm以下である糖及び/又は糖アルコールを含む粉体を流動層造粒装置内で流動させ、前記粉体に糖及び/又は糖アルコールを含有する液を噴霧して造粒する工程であり、前記造粒により得られる造粒物は、体積平均粒子径が80μm以下、かつ安息角が40°未満である。
−流動層造粒装置−
前記流動層造粒装置は、流動化(浮遊流動)された前記粉体に前記糖及び/又は糖アルコールを含有する液を噴霧し、前記粉体を前記糖及び/又は糖アルコールを含有する液によりコーティングし、前記粉体の粒子間に液体架橋の凝集を起こさせて造粒する装置である。
前記流動層造粒装置としては、特に制限はなく、公知の流動層造粒装置を適宜選択することができ、例えば、フローコーター、スパイラフロー、グラニュレックス(いずれも、フロイント産業株式会社製)などが挙げられる。
−入口温度、風量−
前記流動の際の入口温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50℃〜100℃とすることができる。
前記流動の際の風量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−粉体−
前記粉体の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖のみからなる態様、糖アルコールのみからなる態様、糖及び糖アルコールのみからなる態様などが挙げられる。これらの中でも、糖のみからなる態様が好ましい。
−−糖及び/又は糖アルコール−−
前記糖及び/又は糖アルコールの体積平均粒子径としては、35μm以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm〜35μmが好ましい。前記体積平均粒子径が35μmを超えると、体積平均粒子径が80μm以下、かつ安息角が40°未満の造粒物が得られにくく、得られたとしても製品回収率は低いものとなる。一方、前記好ましい範囲であると、得られる造粒物の成形性、及び錠剤としたときの崩壊性にもより優れる点で、有利である。
前記体積平均粒子径は、公知の装置により測定することができ、例えば、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置(マイクロトラックHRA、日機装株式会社製)により測定することができる。
前記糖としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、蔗糖、乳糖、果糖などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吸湿性が低い点や、打錠障害が起きにくいなどの点で、乳糖が好ましい。
前記糖の態様としては、例えば、結晶を粉砕して篩下し所望の粒子径としたものや、噴霧乾燥により得られるものなどが挙げられる。
前記糖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マンニトール、キシリトール、エリスリトールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吸湿性が低い点や他成分との反応性が低い点で、マンニトールが好ましい。
前記糖アルコールの態様としては、例えば、結晶を粉砕して篩下し所望の粒子径としたものや、噴霧乾燥により得られるものなどが挙げられる。
−糖及び/又は糖アルコールを含有する液−
前記糖及び/又は糖アルコールを含有する液(以下、「結合液」と称することがある)の態様としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、糖のみからなる態様、糖アルコールのみからなる態様、糖及び糖アルコールのみからなる態様などが挙げられる。これらの中でも、前記粉体における糖及び/又は糖アルコールと同じ物質であることが好ましく、糖のみからなる態様が更に好ましい。
−−糖及び/又は糖アルコール−−
前記結合液における前記糖及び/又は糖アルコールの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%以上が好ましく、40質量%〜80質量%がより好ましい。前記結合液における含有量が30質量%未満であると、噴霧時間が長くなることがある。また、前記結合液における含有量が30質量%未満であると、得られた賦形剤造粒物を用いて打錠した際に高い錠剤硬度が得られないことがある。一方、前記好ましい範囲であると、噴霧時間を短くすることができ、また、打錠した際により高い錠剤硬度を得ることができる。
前記粉体における糖及び/又は糖アルコールの質量(A)と、前記糖及び/又は糖アルコールを含有する液における糖及び/又は糖アルコールの質量(B)との比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、A:Bが、8:2〜4:6が好ましい。前記好ましい範囲外であると、前記粉体における糖及び/又は糖アルコールの仕込み量が少なく造粒初期に正常な流動状態が得られにくくなったり、造粒時間が長くなったりすることがある。
前記糖としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粉体で記載したものと同様の糖が挙げられ、乳糖が好適に挙げられる。前記糖は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記糖アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記粉体で記載したものと同様の糖アルコールが挙げられ、マンニトールが好適に挙げられる。前記糖アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結合液に含有される溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水が好ましい。前記結合液における水の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記結合液の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の方法に従って調製することができ、例えば、前記糖及び/又は糖アルコール、前記糖及び/又は糖アルコール以外の添加成分を水と混合し、攪拌等する方法などが挙げられる。
−噴霧−
前記結合液の前記粉体への噴霧の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、使用する流動層造粒装置に設けられた噴霧手段、例えば、スプレーガン、噴霧ノズルなどから噴霧する方法などが好適に挙げられる。
なお、このとき、前記噴霧の条件としては、特に制限はなく、公知の条件を採用することができ、目的に応じてその噴霧量、噴霧する霧粒子(ミスト)の大きさ、噴霧時間などを適宜選択することができる。前記噴霧にスプレーガン等を使用する場合、そのスプレー空気圧としては、例えば、0.1MPa〜0.5MPa程度が好ましい。
−賦形剤造粒物−
以上の造粒工程により、本発明の体積平均粒子径が80μm以下、かつ安息角が40°未満の賦形剤造粒物が得られる。
なお、必要に応じて造粒工程の後に、造粒物を500μmのふるいで篩過する工程を行ってもよい。
前記賦形剤造粒物の体積平均粒子径としては、80μm以下であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、活性成分との混合均一性が向上するという点で、60μm〜70μmが好ましい。
前記体積平均粒子径は、上述と同様にして測定することができる。
前記賦形剤造粒物の安息角としては、40°未満であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、工程中におけるハンドリングや、他成分との混合性を考慮して、35°〜38°が好ましい。
前記安息角は、特開平6−205959号公報に記載されている野上・杉原法により測定することができる。
前記賦形剤造粒物のかさ密度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、流動性や他成分との混合性を考慮して、0.40g/mL〜0.55g/mLが好ましい。
前記かさ密度は、100mLのステンレス製測定容器(重量W)に前記賦形剤造粒物を軽く山盛りに入れた後、摺り切り秤量した重量Wbを秤量し、下記式1により求めることができる。
かさ密度(重量/mL)=(W−Wb)/100 ・・・ 式1
本発明の賦形剤造粒物は、体積平均粒子径が80μm以下と細かい造粒物であるにも関わらず、安息角が40°未満であると、通常の造粒条件で造粒したものに比べて優れた流動性を示す。そのため、微小な活性成分との混合均一性に優れるという利点がある。また、糖及び/又は糖アルコールを含む粉体として、体積平均粒子径が35μm以下である微小な原料粉末を用いていることから、体積平均粒子径35μm以上の粉末を原料に用いた場合に比べて、造粒物の比表面積が増大し、高い成形性や崩壊性が得られる点も有利である。
そのため、本発明の賦形剤造粒物は、直接打錠用として、特に好適に用いることができる。
(錠剤)
本発明の錠剤は、賦形剤造粒物と、活性成分とを含み、必要に応じて更にその他の成分を含む。
<賦形剤造粒物>
前記賦形剤造粒物は、上述した本発明の賦形剤造粒物である。
前記錠剤における前記賦形剤造粒物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、20質量%〜99.9質量%が挙げられる。
<活性成分>
前記活性成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高血圧薬、狭心薬、気管支拡張薬、向精神薬、抗不安薬、抗うつ薬、催眠鎮静薬、抗パーキンソン薬、アレルギー用薬、歯科口腔用薬、強心薬、解熱鎮痛消炎薬、抗ヒスタミン薬、鎮咳薬、制酸薬、生薬、降圧薬、抗生物質、抗菌剤、不整脈用薬、冠血管拡張薬、末梢血管拡張薬、高脂血症用薬、利胆薬、ホルモン薬、痛風治療薬、抗リウマチ薬、化学療法薬、糖尿病用薬、鎮吐薬、抗てんかん薬、交感神経興奮薬、骨粗鬆症用薬、抗悪性腫瘍薬、免疫抑制薬、泌尿器科用薬、胃腸薬、脳代謝改善薬、脳循環改善薬、呼吸促進薬、血管収縮薬、鎮暈薬、去痰薬、中枢神経作用用薬、潰瘍治療薬、胃粘膜修復薬、鎮痛鎮痙薬等に使用される活性成分などが挙げられ、具体的には、アセトアミノフェン、テモカプリル塩酸塩、カベルゴリン、ベシル酸アムロジピン、オメプラゾール、ランソプラゾール、ファモチジン、ラフチジン、エカベトナトリウム、クエン酸モサプリド、レバミピド、ボグリボース、リスペリドン、イミダプリル塩酸塩、メロキシカム、ミルナシプラン塩酸塩、レボフロキサシン、クラリスロマイシン、サルポグレラート塩酸塩、トスフロキサシントシル酸塩、タムスロシン塩酸塩、ミゾリビン、タクロリムス水和物、フルボキサミンマレイン酸塩、グリメピリド、ラモセトロン塩酸塩、ニコランジル、ドネペジル塩酸塩、酒石酸ゾルピデム、ピオグリタゾン塩酸塩、アレンドロン酸ナトリウム水和物、リセドロン酸ナトリウム水和物、アトルバスタチンカルシウム水和物、フルバスタチンナトリウム、ロラタジン、ロサルタンカリウム、パロキセチン塩酸塩水和物、ラベプラゾールナトリウム、リバビリン、コハク酸スマトリプタン、ペロスピロン塩酸塩水和物、フマル酸クエチアピン、オロパタジン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩、エバスチン、セフジトレンピボキシル、塩酸セフカペンピボキシル、バルサルタン、ビカルタミド、アカルボースなどが挙げられる。
前記活性成分の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60μm以下が好ましい。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、滑沢剤、流動化剤、甘味剤、吸湿剤、除湿剤、コーティング剤、色素、矯味矯臭剤、溶解補助剤などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記滑沢剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク、硬化油などが挙げられる。
前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、親水性シリカ、疎水性シリカ、ケイ酸カルシウム、アルキルホスフェイト(PAP)、水溶性高分子化合物、無水リン酸水素カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸、含水二酸化ケイ素、酸化マグネシウムなどが挙げられる。
前記甘味剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アスパルテーム、グルコース、ガラクトース、マンノース、リボース、アラビノース、マルトース、ラクトース、イソマルトース、セロビオース、ゲンチオビオース、パラチノースなどが挙げられる。
<錠剤の製造方法>
前記錠剤の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、直接打錠法が好適に挙げられる。この際、使用する混合機や打錠機などは一般的に用いられるものを使用することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。
(実施例1)
<賦形剤造粒物1>
乳糖粉末4,000g(乳糖一水和物、体積平均粒子径:29.8μm)を流動層造粒装置(商品名:フローコーター、フロイント産業株式会社製)に仕込み、乳糖40質量%水溶液2,500gを噴霧し造粒した。得られた造粒物を500μmのふるいで篩過し、体積平均粒子径66μm、安息角38゜、かさ密度0.52g/mLである乳糖造粒物(賦形剤造粒物1)を得た。なお、前記賦形剤造粒物1の体積平均粒子径、安息角、及びかさ密度は、以下のようにして測定した。
−体積平均粒子径の測定−
前記体積平均粒子径は、レーザー回析/散乱式粒度分布測定装置、マイクロトラックHRA(日機装株式会社製)により測定した。
−安息角−
前記安息角は、特開平6−205959号公報に記載されている野上・杉原法により測定した。
−かさ密度の測定−
前記かさ密度は、100mLのステンレス製測定容器(重量W)に前記賦形剤造粒物1を軽く山盛りに入れた後、摺り切り秤量した重量Wbを秤量し、下記式1により求めた。
かさ密度(重量/mL)=(W−Wb)/100 ・・・ 式1
<錠剤>
前記賦形剤造粒物1にステアリン酸マグネシウムを1.0質量%添加し、V型混合器(ミクロ形S−3透視式混合器、筒井理化学器械株式会社製)にて3分間混合した。得られた混合粉をロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製)にて直径8mm、10R、200mg/錠の錠剤を打錠圧8kN、10kN、12kNの条件で打錠したところ、スティッキングやキャッピングなどの打錠障害を起こすことなく打錠が可能であった。
前記各打錠圧で得られた錠剤の硬度を錠剤硬度計(フロイント産業株式会社製)にて測定した。結果を図1Aに示した。
また、日本薬局方に記載の方法にて前記各錠剤の崩壊時間を測定した。結果を図1Bに示した。
(比較例1)
<賦形剤造粒物2>
乳糖粉末4,000g(乳糖一水和物、体積平均粒子径:37.1μm)を流動層造粒装置(商品名:フローコーター、フロイント産業株式会社製)に仕込み、乳糖50質量%水溶液2,000gを噴霧し造粒した。得られた造粒物を500μmのふるいで篩過し、体積平均粒子径73μm、安息角40゜、かさ密度0.53g/mLである乳糖造粒物(賦形剤造粒物2)を得た。なお、前記体積平均粒子径、前記安息角、及び前記かさ密度は、実施例1と同様にして測定した。
<錠剤>
前記実施例1において賦形剤造粒物1を用いていた点を、前記賦形剤造粒物2に代えた以外は、実施例1と同様にして混合及び打錠を行い、錠剤を得た。
前記打錠において、スティッキングやキャッピングなどの打錠障害は見られなかったものの、流動性が多少劣る傾向であった。
前記錠剤の硬度及び崩壊時間を実施例1と同様にして測定した結果を図1A及び図1Bに示した。
(比較例2)
<賦形剤造粒物3>
乳糖粉末4,000g(乳糖一水和物、体積平均粒子径:37.1μm)を流動層造粒装置(商品名:フローコーター、フロイント産業株式会社製)に仕込み、乳糖20質量%水溶液5,000gを噴霧し造粒した。得られた造粒物を500μmのふるいで篩過し、体積平均粒子径95μm、安息角37゜、かさ密度0.53g/mLである乳糖造粒物(賦形剤造粒物3)を得た。なお、前記体積平均粒子径、前記安息角、及び前記かさ密度は、実施例1と同様にして測定した。
<錠剤>
前記実施例1において賦形剤造粒物1を用いていた点を、前記賦形剤造粒物3に代えた以外は、実施例1と同様にして混合及び打錠を行い、錠剤を得た。
前記打錠では、スティッキングやキャッピングなどの打錠障害を起こすことなく打錠が可能であった。
前記錠剤の硬度及び崩壊時間を実施例1と同様にして測定した結果を図1A及び図1Bに示した。
表1に、実施例1、及び比較例1から2における原料、造粒条件、及び粉体物性値を示した。また、図1A及び図1Bに錠剤物性を示した。
これらの結果から、実施例1で得られた賦形剤造粒物1は、比較例1に比べて流動性が良い傾向を示した。また、実施例1で得られた賦形剤造粒物1を用いて製造した錠剤の成形性、及び崩壊性は、いずれの比較例よりも優れていた。
(試験例1:混合均一性)
実施例1で得られた賦形剤造粒物1を4,995.0gと、活性成分であるアセトアミノフェン(体積平均粒子径:48μm)5.0gとをV型混合器(V−10、株式会社徳寿工作所製)にて30分間混合し、所定の時間(1分間、5分間、10分間、20分間、30分間)にて図2に示す場所(AからE)からサンプリングを行い、各時間にてサンプリングした粉体中のアセトアミノフェンの含量を測定し、混合均一性を評価した。混合開始より30分後の薬物含量RSD(相対標準偏差)が3.0%以下の値を示し、良好な混合均一性が得られていた。なお、図2中、灰色部分は、粉体を表す。
一方、比較例2で得られた賦形剤造粒物3を用いて上記と同様の試験を行ったところ、混合開始より30分後では、薬物含量RSDが6.2%であり、実施例1の賦形剤造粒物1の場合に比べて薬物含量のばらつきが高い傾向を示した。
上記試験の結果を図3に示した。
(実施例2)
<賦形剤造粒物4>
D−マンニトール粉末3,000g(体積平均粒子径:20.3μm)を流動層造粒装置(商品名:フローコーター、フロイント産業株式会社製)に仕込み、D−マンニトール50質量%水溶液6,000gを噴霧し造粒した。得られた造粒物を500μmのふるいで篩過し、体積平均粒子径68μm、安息角35゜、かさ密度0.57g/mLであるD−マンニトール造粒物(賦形剤造粒物4)を得た。なお、前記体積平均粒子径、前記安息角、及び前記かさ密度は、実施例1と同様にして測定した。
<錠剤>
前記賦形剤造粒物4にステアリン酸マグネシウムを1.0質量%添加し、V型混合器(ミクロ形S−3透視式混合器、筒井理化学器械株式会社製)にて3分間混合した。得られた混合粉をロータリー打錠機(株式会社菊水製作所製)にて直径8mm、10R、200mg/錠の錠剤を打錠圧8kN、10kN、12kN、14kNの条件で打錠したところ、スティッキングやキャッピングなどの打錠障害を起こすことなく打錠が可能であった。
前記錠剤の硬度及び崩壊時間を実施例1と同様にして測定した結果を図4A及び図4Bに示した。
(比較例3)
<賦形剤造粒物5>
D−マンニトール粉末3,000g(体積平均粒子径:56.3μm)を流動層造粒装置(商品名:フローコーター、フロイント産業株式会社製)に仕込み、D−マンニトール50質量%水溶液6,000gを噴霧し造粒した。得られた造粒物を500μmのふるいで篩過し、体積平均粒子径95μm、安息角36゜、かさ密度0.60g/mLであるD−マンニトール造粒物(賦形剤造粒物5)を得た。なお、前記体積平均粒子径、前記安息角、及び前記かさ密度は、実施例1と同様にして測定した。
<錠剤>
前記実施例2において賦形剤造粒物4を用いていた点を、前記賦形剤造粒物5に代え、打錠圧8kNの条件での打錠を行わなかった以外は、実施例2と同様にして混合及び打錠を行い、錠剤を得た。
前記打錠では、打錠圧14kNにて一部の錠剤にキャッピングが発生した。
前記錠剤の硬度及び崩壊時間を実施例1と同様にして測定した結果を図4A及び図4Bに示した。
(比較例4)
<賦形剤造粒物6>
D−マンニトール粉末3,000g(体積平均粒子径:56.3μm)を流動層造粒装置(商品名:フローコーター、フロイント産業株式会社製)に仕込み、D−マンニトール20質量%水溶液9,000gを噴霧し造粒した。得られた造粒物を500μmのふるいで篩過し、体積平均粒子径90μm、安息角38゜、かさ密度0.58g/mLであるD−マンニトール造粒物(賦形剤造粒物6)を得た。なお、前記体積平均粒子径、前記安息角、及び前記かさ密度は、実施例1と同様にして測定した。
<錠剤>
前記実施例2において賦形剤造粒物4を用いていた点を、前記賦形剤造粒物6に代え、打錠圧14kNの条件での打錠を行わなかった以外は、実施例2と同様にして混合及び打錠を行い、錠剤を得た。
前記打錠では、打錠圧12kNにて一部の錠剤にキャッピングが発生した。
前記錠剤の硬度及び崩壊時間を実施例1と同様にして測定した結果を図4A及び図4Bに示した。
表2に、実施例2、及び比較例3から4における原料、造粒条件、及び粉体物性値を示した。また、図4A及び図4Bに錠剤物性を示した。
これらの結果から、実施例2で得られた賦形剤造粒物4は、体積平均粒子径56.3μmの原料を用いて造粒した比較例3及び4に比べて成形性や崩壊性において優れていた。
本発明の賦形剤造粒物は、活性成分との混合均一性に優れ、かつ、流動性が良好であり、成形性が高く、更には、錠剤としたときに求められる硬度、及び崩壊性を得ることができるので、錠剤の製造に用いることができ、特に、体積平均粒子径が60μm以下の微小な活性成分を含む錠剤の直接打錠用として好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 体積平均粒子径が35μm以下である糖及び/又は糖アルコールを含む粉体が、糖及び/又は糖アルコールで結合された造粒物であって
    記造粒物は、体積平均粒子径が80μm以下、かつ安息角が40°未満であることを特徴とする賦形剤造粒物。
  2. 糖及び/又は糖アルコールを含む粉体における糖及び/又は糖アルコールと、結合に用いる糖及び/又は糖アルコールとが、同じ物質である請求項1に記載の賦形剤造粒物。
  3. 糖が乳糖である請求項1から2のいずれかに記載の賦形剤造粒物。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の賦形剤造粒物と、活性成分とを含むことを特徴とする錠剤。
  5. 体積平均粒子径が35μm以下である糖及び/又は糖アルコールを含む粉体を流動層造粒装置内で流動させ、前記粉体に糖及び/又は糖アルコールを含有する液を噴霧して造粒することにより得られ、
    前記造粒により得られる造粒物は、体積平均粒子径が80μm以下、かつ安息角が40°未満であることを特徴とする賦形剤造粒物の製造方法。
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