JP6027315B2 - ノルモルフィナンの調製のための方法および化合物 - Google Patents
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Description
本出願は、2008年5月27日に出願された仮特許出願第61/056,079号からの優先権を主張し、この出願は本明細書においてその全体を参照として援用される。
本発明は、一般に、ノルモルフィナンおよびノルモルフィナン誘導体の製造に有用な方法および中間体化合物に関する。
ノルオキシモルホンは、一連の半合成オピエートN−置換誘導体(即ち、「ナル」化合物)、例えばナルトレキソンおよびナロキソンを製造するための一般的な出発物質である。ノルオキシモルホンは、現在、ポピー由来オピエートから多段階法で製造されている。これらの半合成オピエート誘導体の需要が増加するのに伴って、ノルオキシモルホンをより効率的に、より高い純度で製造することが必要とされている。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
式21aを有する化合物:
[式中、
R 1 およびR 2 は、独立に、水素、OH、NH 2 、SH、CF 3 、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R 1 およびR 2 が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R 1 およびR 2 が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R 3 は、水素、ハロゲン、OH、NH 2 、CN、CF 3 、SO 2 R 8 、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R 4 およびR 5 は、独立に、−(CH 2 ) n CH 3 およびCH 3 から選択され;
R 8 は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
nは、1〜8の整数である]。
(項目2)
R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ水素であり;
R 4 およびR 5 は、それぞれCH 3 であり;
Xは、臭素であり;
Yは、−Si(CH 3 ) 3 、−COCH 3 、−CO 2 CH 2 CH 3 、および−SO 2 CH 3 から選択される、項目1に記載の化合物。
(項目3)
前記化合物の光学活性が(+)または(−)であり、該化合物のC−5、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RRR、RRS、RSR、RSS、SRR、SRS、SSRまたはSSSであってよく、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも分子のα面またはβ面のいずれかにある、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
式25を有する化合物:
R 1 およびR 2 は、独立に、水素、OH、NH 2 、SH、CF 3 、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R 1 およびR 2 が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R 1 およびR 2 が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R 3 は、水素、ハロゲン、OH、NH 2 、CN、CF 3 、SO 2 R 8 、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R 6 は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O) n R 7 から選択され;
R 7 は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
R 8 は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
(項目5)
R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ、水素であり;
R 6 は、水素、CH 3 、−COCH 3 および−CO 2 CH 2 CH 3 から選択され;
Xは、臭素である、項目4に記載の化合物。
(項目6)
前記化合物の光学活性が(+)または(−)であり、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、それぞれ、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSおよびSSSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにある、項目4または5に記載の化合物。
(項目7)
下記の反応式を有する化合物21の調製方法:
[式中、
R 1 およびR 2 は、独立に、水素、OH、NH 2 、SH、CF 3 、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R 1 およびR 2 が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R 1 およびR 2 が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R 3 は、水素、ハロゲン、OH、NH 2 、CN、CF 3 、SO 2 R 8 、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R 4 およびR 5 は、独立に、−(CH 2 ) n CH 3 およびCH 3 から選択され;
R 8 は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
YXは、R m SiX、POX 3 、(RCO) 2 O、RCOX、RSO 2 Xおよび(RSO 2 ) 2 Oから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
(項目8)
YXは、(CH 3 ) 3 SiCl、POCl 3 、(CH 3 CO) 2 O、CH 3 COCl、CH 3 SO 2 Cl、CH 3 CH 2 CO 2 Clおよび(CH 3 SO 2 ) 2 Oから選択され;
Yは、−Si(CH 3 ) 3 、−COCH 3 、−CO 2 CH 2 CH 3 、および−SO 2 CH 3 から選択され;
R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ水素であり;
R 4 およびR 5 は、それぞれCH 3 であり;
Xは、臭素であり;
化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1〜約1:50であり;
反応は、非プロトン性溶媒の存在下に行なわれ;
反応は、約0℃〜約80℃の温度で行なわれる、項目7に記載の方法。
(項目9)
下記の反応式を有する化合物24sの調製方法:
[式中、
R 1 およびR 2 は、独立に、水素、OH、NH 2 、SH、CF 3 、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R 1 およびR 2 が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R 1 およびR 2 が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R 3 は、水素、ハロゲン、OH、NH 2 、CN、CF 3 、SO 2 R 8 、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R 6 は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O) n R 7 から選択され;
R 7 は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
R 8 は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
(項目10)
R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ水素であり;
R 6 は、水素、CH 3 、−COCH 3 および−CO 2 CH 2 CH 3 から選択され;
Xは、臭素であり;
化合物23s/脱メチル化剤のモル/モル比は約1:5〜約1:20であり、該脱メチル化剤は、BBr 3 、BCl 3 、HBr、メチオニン/MeSO 3 H、臭化アルミニウムおよび塩化アルミニウムエタンチオールから選択され、反応は有機溶媒の存在下に行なわれ、反応は約−20℃〜約120℃の温度で行なわれ;
化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は約1:5〜約1:100であり、該プロトン受容体は約8より大きいpKaを有し、反応はプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応は約0℃〜約110℃の温度で行なわれる、項目9に記載の方法。
(項目11)
下記の反応式を有する化合物24の調製方法:
[式中、
R 1 およびR 2 は、独立に、水素、OH、NH 2 、SH、CF 3 、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R 1 およびR 2 が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R 1 およびR 2 が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R 3 は、水素、ハロゲン、OH、NH 2 、CN、CF 3 、SO 2 R 8 、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R 4 およびR 5 は、独立に、−(CH 2 ) n CH 3 およびCH 3 から選択され;
R 8 は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
X、X 1 およびX 2 は、独立に、ハロゲンであり;
YXは、R m SiX、POX 3 、(RCO) 2 O、RCOX、RSO 2 Xおよび(RSO 2 ) 2 Oから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
(項目12)
R 1 、R 2 およびR 3 は、それぞれ水素であり;
R 4 およびR 5 は、それぞれCH 3 であり;
Xは、臭素であり;
YXは、(CH 3 ) 3 SiCl、POCl 3 、(CH 3 CO) 2 O、CH 3 COCl、CH 3 SO 2 Cl、CH 3 CH 2 CO 2 Clおよび(CH 3 SO 2 ) 2 Oから選択される、項目11に記載の方法。
(項目13)
化合物13/HXのモル/モル比が、約1:2〜約1:20であり、化合物13とHXとの反応が、プロトン性溶媒の存在下に、約20℃〜約100℃の温度で行なわれ;
化合物14/X 2 /プロトン受容体のモル/モル/モル比が、約1:0.3:2〜約1:3:100であり、該プロトン受容体が約12より大きいpKaを有し、化合物14とX 2 との反応が、有機溶媒の存在下に、約−20℃〜約40℃の温度で行なわれ;
化合物16/X 2 /プロトン供与体のモル/モル/モル比が、約1:0.5:0.5〜約1:2:10であり、化合物16とX 2 との反応が、プロトン性溶媒、またはプロトン性溶媒と有機溶媒との混合物の存在下に、約30℃〜約100℃の温度で行なわれ;
化合物19/プロトン受容体のモル/モル比が、約1:1〜約1:10であり、該プロトン受容体が約12より大きいpKaを有し、化合物19とプロトン受容体との反応が、非プロトン性溶媒の存在下に、約20℃〜約100℃の温度で行なわれ;
化合物20/YXのモル/モル比が、約1:1〜約1:50であり、反応が、非プロトン性溶媒の存在下に、約0℃〜約80℃の温度で行なわれ、水溶液中における約0℃〜約100℃の温度での加水分解をさらに含み;
化合物21/酸化剤のモル/モル比が、約1:0.5〜約1:3であり、反応がプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応が約−5℃〜約50℃の温度で行なわれ;
化合物22/還元剤のモル/モル比が、約10,000:1〜約100:1であり、反応がプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応が約20℃〜約110℃の温度で行なわれ;化合物23/脱メチル化剤/プロトン受容体のモル/モル/モル比が、約1:5:5〜約1:20:100であり、該脱メチル化剤との接触が、有機溶媒の存在下に、約−20℃〜約120℃の温度で行なわれ、約8より大きいpKaを有するプロトン受容体との接触が、プロトン性溶媒の存在下に、約0℃〜約110℃の温度で行なわれる、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
化合物13および14の光学活性が(+)または(−)であり、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RR、RS、SRおよびSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにあり;
化合物16、19、20および21の光学活性が(+)または(−)であり、C−5、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RRR、RRS、RSR、RSS、SRR、SRS、SSRおよびSSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにあり;
化合物22、23および24の光学活性が(+)または(−)であり、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、それぞれ、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSおよびSSSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにある、項目11〜13のいずれか1つに記載の方法。
本発明は、ノルモルフィナン化合物を調製するための方法および化合物を提供する。本発明の種々の態様の1つは、式21aを有する化合物を提供することである:
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R4およびR5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
nは、1〜8の整数である]。
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R6は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)nR7から選択され;
R7は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R4およびR5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
YXは、RmSiX、POX3、(RCO)2O、RCOX、RSO2Xおよび(RSO2)2Oから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R6は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)nR7から選択され;
R7は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
R4およびR5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
X、X1およびX2は、独立に、ハロゲンであり;
YXは、RmSiX、POX3、(RCO)2O、RCOX、RSO2Xおよび(RSO2)2Oから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
ノルモルフィナン化合物、その誘導体および類似体を調製するための方法および化合物が見出された。特に、該化合物および該方法は、ノルオキシモルホン、ノルオキシモルホン類似体およびノルオキシモルホン誘導体の調製に使用しうる。本発明の方法は、現在使用されている合成経路より効率的であり、より高い収率を有し、望ましくない副生成物をより少なく生じる。
本発明の1つの態様は、ノルモルフィナン関連化合物の調製における中間体として使用しうる化合物を包含する。記述のために、モルフィナン化合物の環原子は、下記のように番号付けされる。コアモルフィナン化合物は4個のキラル炭素、即ち、C−5、C−13、C−14およびC−9を有しうる。
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
R4およびR5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から成る群から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から成る群から選択され;
nは、1〜8の整数である]。
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
R6は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)nR7から成る群から選択され;
R7は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から成る群から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
本発明の別の態様は、ノルモルフィナン、ノルモルフィナン類似体、およびそれらの誘導体の調製方法を提供する。例示のために、反応式1は、本発明の1つの態様による式24を有するノルモルフィナン化合物の調製を示す:
反応式1:
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
R4およびR5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から成る群から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
X、X1およびX2は、独立に、ハロゲンであり;
YXは、RmSiX、POX3、(RCO)2O、RCOX、RSO2Xおよび(RSO2)2Oから成る群から選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
R1、R2およびR3は、それぞれ水素であり;
R4およびR5は、それぞれCH3であり;
Xは、臭素であり;
YXは、(CH3)3SiCl、POCl3、(CH3CO)2O、CH3COCl、CH3SO2Cl、CH3CH2CO2Clおよび(CH3SO2)2Oから成る群から選択される。
反応式1の段階Aにおいて、化合物13をHXと接触させて、化合物14を生成する。一般に、HXは酸である。好適な酸は、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸を包含する。例示的実施形態において、HXは臭化水素酸であってよい。化合物13と接触させるHXの量は、変化しうる。一般的には、化合物13/HXのモル/モル比は、約1:2〜約1:20であってよい。好ましい実施形態において、化合物13/HXのモル/モル比は、約1:2.5〜約1:10であってよい。より好ましい実施形態において、化合物13/HXのモル/モル比は、約1:3〜約1:5であってよい。化合物13とHXとの接触は、ある時間にわたってゆっくり進みうる。例えば、1つの実施形態において、HXを少なくとも1時間にわたって滴下によって導入しうる。
反応式1の段階Bにおいて、化合物14をX2と接触させ、次に、プロトン受容体と接触させて、化合物16を生成する。X2は、臭素、塩素またはヨウ素であってよい。好ましい実施形態において、X2は臭素(Br2)であってよい。1つの実施形態において、化合物14/X2のモル/モル比は、約1:0.3〜約1:3であってよい。別の実施形態において、化合物14/X2のモル/モル比は、約1:0.5〜約1:2であってよい。好ましい実施形態において、化合物14/X2のモル/モル比は、約1:1〜約1:1.1であってよい。化合物14とX2との接触は、ある時間にわたってゆっくり進みうる。1つの実施形態において、例えば、X2を少なくとも30分間にわたって滴下によって導入しうる。反応は、一般に、周囲圧力下に行なわれる。
反応式1の段階Cは、化合物16をX2およびプロトン供与体と接触させて、化合物19を生成することを含む。X2は、(II)(b)で先に定義した通りである。一般に、化合物16/X2のモル/モル比は、約1:0.5〜約1:2であってよい。好ましい実施形態において、化合物16/X2のモル/モル比は、約1:0.9〜約1:1.1であってよい。典型的には、化合物16とX2との接触は、ある時間にわたってゆっくり進む。1つの実施形態において、例えば、X2を少なくとも30分間にわたって滴下によって導入しうる。
反応式1の段階Dにおいて、化合物19をプロトン受容体と接触させて、化合物20を生成する。典型的には、プロトン受容体は、約12より大きいpKaを有する。この特徴を有する好適なプロトン受容体の例は(II)(b)に示されている。好ましいプロトン供与体は、ブチルリチウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミドおよび(Me3Si)2NLiを包含する。例示的実施形態において、プロトン受容体は、カリウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドであってよい。化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、変化しうる。1つの実施形態において、化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:1〜約1:10であってよい。別の実施形態において、化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:2〜約1:8であってよい。好ましい実施形態において、化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:4〜約1:6であってよい。
反応式1の段階Eは、化合物20を試薬YXと接触させることを含む。試薬YXは、先に定義した通りである。好ましい実施形態において、YXは、(CH3)3SiCl、CH3COCl、CH3SO2ClまたはCH3CH2CO2Clであってよい。化合物20/YXのモル/モル比は変化しうる。1つの実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1〜約1:50であってよい。別の実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.2〜約1:15であってよい。好ましい実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.5〜約1:5であってよい。
反応式1の段階Fにおいて、化合物21を酸化剤と接触させて、化合物22を生成する。酸化剤は、RzCO3H、RzCO2H/H2O2およびRzCO2H/他の酸化剤から成る群から選択されてよく、ここで、Rzは、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから成る群から選択される。好ましい実施形態において、酸化剤は、過酸、例えば、過酢酸または3−クロロペルオキシ安息香酸であってよい。1つの実施形態において、化合物21/酸化剤のモル/モル比は、約1:0.5〜約1:3であってよい。別の実施形態において、化合物21/酸化剤のモル/モル比は、約1:0.8〜約1:2であってよい。好ましい実施形態において、化合物21/酸化剤のモル/モル比は、約1:1〜約1:1.2であってよい。
反応式1の段階Gは、化合物23を生成するために、化合物22の還元を含む。このために、化合物22を還元剤と接触させる。種々の還元法、例えば、化学還元、接触還元などを使用しうる。水素を用いる接触還元法に使用される代表的な還元剤は、一般的に使用される触媒、例えば、下記の触媒である:白金触媒(例えば、白金黒、コロイド白金、酸化白金、白金板、白金海綿、白金線など)、パラジウム触媒(例えば、パラジウム黒、炭酸バリウム上パラジウム、硫酸バリウム上パラジウム、コロイドパラジウム、炭素上パラジウム、炭素上水酸化パラジウム、酸化パラジウム、パラジウム海綿など)、ニッケル触媒(例えば、酸化ニッケル、ラネーニッケル、還元ニッケルなど)、コバルト触媒(例えば、ラネーコバルト、還元コバルトなど)、鉄触媒(例えば、ラネー鉄、還元鉄、ウルマン鉄など)など。好ましい実施形態において、化合物22を、加圧水素下に、炭素上パラジウム(Pd−C)によって触媒的に還元する。化合物22/還元剤のモル/モル比は、約10,000:1〜約100:1、またはより好ましくは約5000:1〜約1000:1であってよい。
反応式1の段階Hにおいて、化合物23を、先ず、脱メチル化剤と接触させ、次に、プロトン受容体と接触させて、化合物24を生成する。好適な脱メチル化剤の非限定的な例は、BBr3、BCl3、HBr、メチオニン/MeSO3H、臭化アルミニウムおよび塩化アルミニウムエタンチオールである。好ましい実施形態において、脱メチル化剤は、BBr3またはHBrであってよい。化合物23と接触させる脱メチル化剤の量は、変化しうる。1つの実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:5〜約1:20であってよい。別の実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:3〜約1:12であってよい。好ましい実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:2〜約1:4であってよい。
本発明のさらなる態様は、化合物21の調製方法を提供し、該方法において、式21aを有する中間体化合物を生成する。該方法は、化合物20をYXと接触させて化合物21aを生成し、次に、それを加水分解して化合物21を生成することを含む。例示のために、反応式2は、化合物21aおよび化合物21の調製を示す:
反応式2:
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
R4およびR5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から成る群から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から成る群から選択され;
YXは、RmSiX、POX3、(RCO)2O、RCOX、RSO2Xおよび(RSO2)2Oから成る群から選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
R1、R2およびR3は、それぞれ水素であり;
R4およびR5は、それぞれCH3であり;
YXは、(CH3)3SiCl、POCl3、(CH3CO)2O、CH3COCl、CH3SO2Cl、CH3CH2CO2Clおよび(CH3SO2)2Oから成る群から選択され;
Xは、臭素であり;
Yは、−Si(CH3)3、−COCH3、−CO2CH2CH3、および−SO2CH3から成る群から選択される。
反応式2の段階Aにおいて、化合物20をYXと接触させて、化合物21aを生成する。試薬YXは先に定義した通りである。好ましい実施形態において、YXは、(CH3)3SiCl、CH3COCl、CH3SO2ClまたはCH3CH2CO2Clであってよい。1つの例示的実施形態において、YXは(CH3)3SiClであってよく、Yは−Si(CH3)3であってよい。別の例示的実施形態において、YXはCH3COClであってよく、Yは−COCH3であってよい。さらなる例示的実施形態において、YXはCH3SO2Clであってよく、Yは−SO2CH3であってよい。さらに別の例示的実施形態において、YXはCH3CH2CO2Clであってよく、Yは−CO2CH2CH3であってよい。化合物20/YXのモル/モル比は、変化しうる。1つの実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1〜約1:50であってよい。別の実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.2〜約1:15であってよい。好ましい実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.5〜約1:5であってよい。
反応式2の段階Bは、化合物21を生成するために、化合物21aの加水分解を含む。具体的には、化合物21aを、水溶液との反応によって脱保護して、化合物21を生成する。好ましい実施形態において、水溶液は、水、または水酸化アンモニウムの溶液であってよい。一般に、水溶液のpHは、約pH7〜約pH12、またはより好ましくは約pH8〜約pH10であってよい。化合物21a/水溶液の重量/重量比は、約1:1〜約1:50、好ましくは約1:1.5〜約1:20、またはより好ましくは約1:2〜約1:8であってよい。
本発明のさらに別の態様は、化合物24sの調製方法を包含し、該方法において、式25sを有する中間体化合物を生成する。該方法は、反応式3に示されるように、化合物23sと脱メチル化剤とを接触させて化合物25sを生成し、次に、それをプロトン受容体と接触させて化合物24sを生成することを含む:
反応式3:
R1およびR2は、独立に、水素、OH、NH2、SH、CF3、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、R1およびR2が異なる場合、それらはエピマー対を形成し、R1およびR2が一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
R3は、水素、ハロゲン、OH、NH2、CN、CF3、SO2R8、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
R6は、水素、アルキル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)nR7から成る群から選択され;
R7は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から成る群から選択され;
R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
R1、R2およびR3は、それぞれ水素であり;
R6は、水素、CH3、−COCH3および−CO2CH2CH3から成る群から選択され;
Xは、臭素である。
反応式3の段階Aにおいて、化合物23sを、脱メチル化剤と接触させて、化合物25sを生成する。好適な脱メチル化剤の非限定的な例は、BBr3、BCl3、HBr、メチオニン/MeSO3H、臭化アルミニウムおよび塩化アルミニウムエタンチオールである。好ましい実施形態において、脱メチル化剤はBBr3またはHBrであってよい。一般に、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:5〜約1:20であってよい。好ましい実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:3〜約1:12であってよい。例示的実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:2〜約1:4であってよい。
反応式3の段階Bは、化合物25sをプロトン受容体と接触させて、化合物24sを生成することを含む。典型的には、プロトン受容体は、一般に約8より大きいpKaを有する。好適なプロトン受容体の例は、弱塩基、例えば、NH4OH、NaHCO3、KHCO3およびNa2CO3、ならびに前記(II)(b)に示されているプロトン受容体である。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、水酸化ナトリウム(NaOH)であってよい。言い換えれば、プロトン受容体の添加時に、反応混合物のpHは、約pH7〜約pH12、またはより好ましくは、約pH8〜約pH10であってよい。1つの実施形態において、化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:5〜約1:100であってよい。別の実施形態において、化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:10〜約1:50であってよい。好ましい実施形態において、化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:15〜約1:30であってよい。
反応式3の段階Bは、化合物25sへの化合物24sの変換も含む。このために、化合物24sを脱メチル化剤と接触させて、化合物25sを生成する。好適な脱メチル化剤の例は、前記(IV)(a)に示されている。化合物24s/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:5〜約1:20、好ましくは約1:3〜約1:12、またはより好ましくは約1:2〜約1:4であってよい。脱メチル化剤との接触は、有機溶媒の存在下に行なってよい。好適な有機溶媒の例は、前記(II)(b)に示されている。好ましい実施形態において、有機溶媒はクロロホルムであってよい。溶媒/化合物24sの重量/重量比は、約2:1〜約50:1、またはより好ましくは約5:1〜約15:1である。
化合物24に対応する化合物は、最終生成物自体、またはさらなるモルフィナン中間体または最終生成物を得るために1つまたはそれ以上の段階でさらに誘導体化しうる中間体であってよい。非限定的な例として、化合物24に対応する1つまたはそれ以上の化合物を、下記から成る群から選択される化合物を製造する工程に使用しうる:ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソンメトブロミド、3−O−メチルナルトレキソン、α−またはβ−ナルトレキソール、α−またはβ−ナロキソール、α−またはβ−ナルトレキサミン、ならびにそれらの塩、中間体および類似体。そのような商業的に価値のあるモルフィナンを調製するための一般的反応式は、特に、Riceの米国特許第4368326号に開示されており、その全開示は参照により本明細書に組み入れられる。さらに、いくつかの実施形態において、化合物24の6−ケトンを、6−α−OH、6−β−OH、6−α−NH2または6−β−NH2に還元しうる。
本発明の理解を助けるために、いくつかの用語を以下に定義する。
化合物13(107g;定量分析82%;実際量88g;0.224mol)およびメタノール(MeOH)(850mL)を合わし、約15分間撹拌した。不溶物質を除去するために濾過した後、固形物をメタノール(200mL)で洗浄した。合わした濾液および洗浄液を、窒素雰囲気下に2Lのフラスコに入れ、48%臭化水素酸(HBr)(88mL)を、40℃未満の温度に維持しながらゆっくり添加した。反応混合物を、ポット温度75℃に達するまで蒸留した。混合物を3〜5時間還流させた。HPLC分析により2%未満の化合物13が残留していることが示された際に、反応が終了したと決定した。水(850mL)を添加し、全ての固形物が溶解するまで混合物を約60〜70℃に加熱した。混合物を55〜60℃に冷却し、クロロホルムを添加した(150mL)。相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。水相にクロロホルム(50mL)を添加し、相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。水(82mL)、メタノール(18mL)および5滴の48%HBrを、合わしたクロロホルム抽出物に添加した。相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。クロロホルム相は、約8gm/Lの化合物14を含有していた。最後の2回の抽出からの水相を合わし、1〜2時間にわたって撹拌しながら0〜10℃に冷却した。固形物を濾過によって分離し、ケークを水(100mL)で洗浄した。固形物を、60℃において部分真空下に窒素スイープで乾燥させた。乾燥時間は約72時間であった。合わした液体は、約8g/Lの化合物14を含有していた。表1は、2つの反応の結果を示す。
化合物13(73.2g;0.19mol;96w/w%)および無水メタノール(250mL)を、機械撹拌器を取り付けた三口丸底フラスコに入れた。混合物を5℃に冷却し、48%臭化水素酸(150.2g;1.86mol)を1時間にわたって滴下した。添加漏斗を除去し、ショートプレース蒸留装置(a short place distillation set−up)と取り替えた。反応物をゆっくり加温して還流させた(設定値85℃、ポット温度75℃)。反応物を4時間還流させ、溶媒125mLを蒸留によって除去した。液体クロマトグラフィーにより、約1%の化合物13が残留していることが示された。
化合物14 HBr塩(50g;定量分析約95%;実際量47.5g;0.16mol)、クロロホルム(CHCl3)(1L)および48%HBr(3.5mL)を、ガラス反応器に入れた。混合物を撹拌し、−45〜−55℃に冷却した。臭素(20.2g;0.126mol)をクロロホルムで500mLに希釈し、その溶液を添加漏斗に入れた。臭素溶液(450mL)を、−50℃で30分間にわたって反応混合物に添加した。HPLCにより、9.8%の未反応化合物14が残留していることが示された。追加の臭素溶液(30mL)を反応混合物に添加した。HPLCにより、2.9%の未反応化合物14が残留しているが、過剰臭素化生成物が生じていることが示された。反応物を約10℃に温め、4N水酸化ナトリウム(1L)を添加した。混合物を15分間撹拌し、相を静置させ、次に、分離した。1N水酸化ナトリウム(1L)を添加し、相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。水(1L)を添加し、相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。3つの水性抽出物をHPLCによって試験し、16は検出されなかったが、溶液は望ましくない不純物を含有していなかった。次に、有機溶液を蒸発させて、乾燥16塩基を得た。結果を表2に示す。
酢酸とクロロホルムとの混合物の存在下に、化合物14をHBrと接触させる付加的反応を行なった。これらの実験は、有機溶媒への酢酸の添加時に、反応の温度を0℃〜5℃に上昇させうることを示した。さらに、化合物16のスループットも増加した。例えば、酢酸/クロロホルムの50:50混合物を使用した場合に、スループットが約4〜5倍増加した(表3参照)。100%酢酸は最高のスループットであったが、分離生成物は低収率であった(60%)。
125mLの三口フラスコに、温度計、臭素(Br2)添加用の滴下漏斗を取り付けた。冷却器の頂部につないだもう1つの滴下漏斗を使用して、蒸留溶媒を収集した。化合物16.HBr(5.50g)を、MeOH/CH(OMe)3(20mL/20mL)に室温で懸濁させた。硫酸(H2SO4、1.0mL)を添加した(pH=0〜0.5)。懸濁液を2分間にわたって加熱還流し、55℃で溶液を形成した。溶媒(約20mL)を、油浴において88℃で15分間の蒸留によって除去した。ジクロロエタン(沸点:83℃、20mL)を添加した。混合物を88℃の油浴で加熱して、10分間にわたって約10mLの溶媒を蒸留によって除去した。H2SO4(0.25mL)を添加した(pH=0〜1)。CHCl3中のBr2の溶液(0.70mmol/mL、19.6mL、1.1当量、CHCl3で40mLに希釈)を25分間にわたって滴下した。H2SO4(0.25mL)を添加した。50gの溶液を得、そのうち5gをもう1つの実験用に取り、反応混合物の残り(45g)を、次の19酸塩の分離のために室温に冷却した。
化合物19.H2SO4(4.9g)を、テトラヒドロフラン(THF)(50mL)に懸濁させた。窒素でのフラッシング後に、tert−ブトキシド(t−BuOK)(7.0g)を添加した。混合物を撹拌し、65℃で1.5時間加熱し、次に、室温に冷却した。水(200mL)を、窒素下に撹拌しながら3時間にわたって添加した。その後、沈殿物を濾過によって分離し、水(2x30mL)で洗浄した。湿った固形物を空気流で2時間乾燥させた。固形物をアセトニトリル(ACN)に懸濁させ、真空下に60℃で2時間にわたって濃縮乾固して、2.85gの化合物20を黄色固形物として得た(収率82%)。
化合物20(2.85g)を、Me3SiCl/ACN(8.5mL/20mL)に1時間懸濁させた。この懸濁液を、ACN(40mL)中のMe3SiCl(8.5mL)の溶液に添加して(各回1mL)、新しい溶液を形成した。懸濁液の各アリコートが、溶液への添加後2〜5分で溶解した。溶液を、さらに30分間、懸濁液の完全添加後に、撹拌した。次に、溶液を10%NH4OH(240mL)に添加し、CHCl3(2x50mL)で抽出した。有機層を水(2x100mL)で洗浄し、ポンプダウン乾固して、生成物21を2.93gの固形物として得た。
化合物21(約2.90g)を、29mLのHOAc/H2O(1:1)に溶解させて、溶液を形成した。溶液を5〜10℃に冷却し、32%過酢酸(CH3CO3H)(希HOAc中)を3回で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。Pd−C(炭素上5%Pd、0.3g)を添加し、20分間撹拌して、反応混合物を得た。混合物のHPLC分析により、化合物22が主生成物(>90%面積/面積)であることが示された。追加のPd−C(炭素上5%Pd、0.3g)を反応混合物に添加し、それを水素(60PSI)下に60℃で加熱し、2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、約10gのシリカゲルで濾過した。固形物をMeOH(50mL)中の1%HOAcで洗浄した。濾液を真空濃縮して、油状物を得、それをCHCl3(30mL)に溶解させた。水(60mL)を添加し、相を分離し、水相をCHCl3(30mL)で抽出した。合わした有機層を水(2x30mL)で洗浄し、蒸発させて、1.29gの生成物23を固形物として得た。
化合物23(1.29g固形物)をCHCl3に溶解させて、溶液13.0mLを形成した。前記溶液の一部(9.7mL、約0.98gの23を含有)をCHCl3(10mL)中のBBr3(2.82mL)の溶液に0〜5℃で添加して、懸濁液を形成した。懸濁液を室温で3時間撹拌し、混合物1mLを、ワークアップ前のHPLC試料用に取った。反応混合物を合計5時間撹拌し、次に、水(40mL)に添加した。大部分のCHCl3が蒸発によって除去されるまで、窒素をCHCl3層に泡立たせた。残留混合物をエーテル(3x40mL)で洗浄し、次に、4N NaOH(10mL)を抽出後の水層に添加した。形成された溶液をエーテル(3x40mL)で洗浄した。水層に、HOAcをpH=9になるまで添加した(最後に、c−NH4OHを添加することによって調節)。溶液を真空下に濃縮乾固して、粘着性固形物を得た。固形物を5%NH4OH溶液(20mL)に懸濁させ、30分間撹拌し、濾過した。固形物をMeOH/H2O(9mL/6mL)に再懸濁させた。HOAc(0.4mL)を添加して、溶液を形成した。pH=9へのc−NH4OHの添加時に、沈殿物が形成された。混合物を5℃で1時間撹拌し、固形物を濾過によって分離した。水で洗浄し、空気流で一晩乾燥した後に、灰色がかった白色の固形物0.61gが残った。固形物を高真空下に60℃で3時間乾燥させて、0.56gの生成物24を灰色がかった白色の固形物として得た。
Claims (4)
- 下記の反応式を有する化合物24の調製方法:
[式中、
R1およびR2は、水素であり;
R3は、水素であり;
R4 は、メチルであり、R5は、独立に、−(CH2)nCH3およびCH3から選択され;
X、X1およびX2は、独立に、ハロゲンであり;
Yは、トリメチルシリル基から選択され;
nは、1〜8の整数である]。 - R1、R2およびR3は、それぞれ水素であり;
R4およびR5は、それぞれCH3であり;
X 2 2 は、臭素であり;
YXは、(CH3)3SiClである、請求項1に記載の方法。 - 化合物13/HXのモル/モル比が、1:2〜1:20であり、化合物13とHXとの反応が、プロトン性溶媒の存在下に、20℃〜100℃の温度で行なわれ;
化合物14/X 2 2 /プロトン受容体のモル/モル/モル比が、1:0.3:2〜1:3:100であり、該プロトン受容体が12より大きいpKaを有し、化合物14とX 2 2 との反応が、有機溶媒の存在下に、−20℃〜40℃の温度で行なわれ;
化合物16/X 2 2 /プロトン供与体のモル/モル/モル比が、1:0.5:0.5〜1:2:10であり、化合物16とX 2 2 との反応が、プロトン性溶媒、またはプロトン性溶媒と有機溶媒との混合物の存在下に、30℃〜100℃の温度で行なわれ;
化合物19/プロトン受容体のモル/モル比が、1:1〜1:10であり、該プロトン受容体が12より大きいpKaを有し、化合物19とプロトン受容体との反応が、非プロトン性溶媒の存在下に、20℃〜100℃の温度で行なわれ;
化合物20/YXのモル/モル比が、1:1〜1:50であり、反応が、非プロトン性溶媒の存在下に、0℃〜80℃の温度で行なわれ、水溶液中における0℃〜100℃の温度での加水分解をさらに含み;
化合物21/酸化剤のモル/モル比が、1:0.5〜1:3であり、反応がプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応が−5℃〜50℃の温度で行なわれ;
化合物22/還元剤のモル/モル比が、10,000:1〜100:1であり、反応がプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応が20℃〜110℃の温度で行なわれ;化合物23/脱メチル化剤/プロトン受容体のモル/モル/モル比が、1:5:5〜1:20:100であり、該脱メチル化剤との接触が、有機溶媒の存在下に、−20℃〜120℃の温度で行なわれ、8より大きいpKaを有するプロトン受容体との接触が、プロトン性溶媒の存在下に、0℃〜110℃の温度で行なわれる、請求項1または2に記載の方法。 - 化合物13および14のC−13およびC−9の配置が、それぞれ、SRであり;
化合物16、19、20および21のC−5、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RSRであり;
化合物22、23および24のC−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、それぞれ、RSSRである、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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