JP2016084364A - ノルモルフィナンの調製のための方法および化合物 - Google Patents

ノルモルフィナンの調製のための方法および化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】ノルモルフィナンおよびノルモルフィナン誘導体の製造に有用な方法および中間体化合物を提供すること。【解決手段】本発明は、一般に、ノルモルフィナンおよびノルモルフィナン誘導体の製造に有用な方法および中間体化合物を提供する。ノルモルフィナン化合物、その誘導体および類似体を調製するための方法および化合物が見出された。特に、該化合物および該方法は、ノルオキシモルホン、ノルオキシモルホン類似体およびノルオキシモルホン誘導体の調製に使用しうる。本発明の方法は、現在使用されている合成経路より効率的であり、より高い収率を有し、望ましくない副生成物をより少なく生じる。【選択図】なし

Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、2008年5月27日に出願された仮特許出願第61/056,079号からの優先権を主張し、この出願は本明細書においてその全体を参照として援用される。
(発明の分野)
本発明は、一般に、ノルモルフィナンおよびノルモルフィナン誘導体の製造に有用な方法および中間体化合物に関する。
(発明の背景)
ノルオキシモルホンは、一連の半合成オピエートN−置換誘導体(即ち、「ナル」化合物)、例えばナルトレキソンおよびナロキソンを製造するための一般的な出発物質である。ノルオキシモルホンは、現在、ポピー由来オピエートから多段階法で製造されている。これらの半合成オピエート誘導体の需要が増加するのに伴って、ノルオキシモルホンをより効率的に、より高い純度で製造することが必要とされている。
(発明の要旨)
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
式21aを有する化合物:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
nは、1〜8の整数である]。
(項目2)
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
およびRは、それぞれCHであり;
Xは、臭素であり;
Yは、−Si(CH、−COCH、−COCHCH、および−SOCHから選択される、項目1に記載の化合物。
(項目3)
前記化合物の光学活性が(+)または(−)であり、該化合物のC−5、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RRR、RRS、RSR、RSS、SRR、SRS、SSRまたはSSSであってよく、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも分子のα面またはβ面のいずれかにある、項目1または2に記載の化合物。
(項目4)
式25を有する化合物:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)から選択され;
は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
(項目5)
、RおよびRは、それぞれ、水素であり;
は、水素、CH、−COCHおよび−COCHCHから選択され;
Xは、臭素である、項目4に記載の化合物。
(項目6)
前記化合物の光学活性が(+)または(−)であり、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、それぞれ、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSおよびSSSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにある、項目4または5に記載の化合物。
(項目7)
下記の反応式を有する化合物21の調製方法:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
YXは、RSiX、POX、(RCO)O、RCOX、RSOXおよび(RSOOから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
(項目8)
YXは、(CHSiCl、POCl、(CHCO)O、CHCOCl、CHSOCl、CHCHCOClおよび(CHSOOから選択され;
Yは、−Si(CH、−COCH、−COCHCH、および−SOCHから選択され;
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
およびRは、それぞれCHであり;
Xは、臭素であり;
化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1〜約1:50であり;
反応は、非プロトン性溶媒の存在下に行なわれ;
反応は、約0℃〜約80℃の温度で行なわれる、項目7に記載の方法。
(項目9)
下記の反応式を有する化合物24sの調製方法:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)から選択され;
は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
(項目10)
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
は、水素、CH、−COCHおよび−COCHCHから選択され;
Xは、臭素であり;
化合物23s/脱メチル化剤のモル/モル比は約1:5〜約1:20であり、該脱メチル化剤は、BBr、BCl、HBr、メチオニン/MeSOH、臭化アルミニウムおよび塩化アルミニウムエタンチオールから選択され、反応は有機溶媒の存在下に行なわれ、反応は約−20℃〜約120℃の温度で行なわれ;
化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は約1:5〜約1:100であり、該プロトン受容体は約8より大きいpKaを有し、反応はプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応は約0℃〜約110℃の温度で行なわれる、項目9に記載の方法。
(項目11)
下記の反応式を有する化合物24の調製方法:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
X、XおよびXは、独立に、ハロゲンであり;
YXは、RSiX、POX、(RCO)O、RCOX、RSOXおよび(RSOOから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
(項目12)
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
およびRは、それぞれCHであり;
Xは、臭素であり;
YXは、(CHSiCl、POCl、(CHCO)O、CHCOCl、CHSOCl、CHCHCOClおよび(CHSOOから選択される、項目11に記載の方法。
(項目13)
化合物13/HXのモル/モル比が、約1:2〜約1:20であり、化合物13とHXとの反応が、プロトン性溶媒の存在下に、約20℃〜約100℃の温度で行なわれ;
化合物14/X/プロトン受容体のモル/モル/モル比が、約1:0.3:2〜約1:3:100であり、該プロトン受容体が約12より大きいpKaを有し、化合物14とXとの反応が、有機溶媒の存在下に、約−20℃〜約40℃の温度で行なわれ;
化合物16/X/プロトン供与体のモル/モル/モル比が、約1:0.5:0.5〜約1:2:10であり、化合物16とXとの反応が、プロトン性溶媒、またはプロトン性溶媒と有機溶媒との混合物の存在下に、約30℃〜約100℃の温度で行なわれ;
化合物19/プロトン受容体のモル/モル比が、約1:1〜約1:10であり、該プロトン受容体が約12より大きいpKaを有し、化合物19とプロトン受容体との反応が、非プロトン性溶媒の存在下に、約20℃〜約100℃の温度で行なわれ;
化合物20/YXのモル/モル比が、約1:1〜約1:50であり、反応が、非プロトン性溶媒の存在下に、約0℃〜約80℃の温度で行なわれ、水溶液中における約0℃〜約100℃の温度での加水分解をさらに含み;
化合物21/酸化剤のモル/モル比が、約1:0.5〜約1:3であり、反応がプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応が約−5℃〜約50℃の温度で行なわれ;
化合物22/還元剤のモル/モル比が、約10,000:1〜約100:1であり、反応がプロトン性溶媒の存在下に行なわれ、反応が約20℃〜約110℃の温度で行なわれ;化合物23/脱メチル化剤/プロトン受容体のモル/モル/モル比が、約1:5:5〜約1:20:100であり、該脱メチル化剤との接触が、有機溶媒の存在下に、約−20℃〜約120℃の温度で行なわれ、約8より大きいpKaを有するプロトン受容体との接触が、プロトン性溶媒の存在下に、約0℃〜約110℃の温度で行なわれる、項目11または12に記載の方法。
(項目14)
化合物13および14の光学活性が(+)または(−)であり、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RR、RS、SRおよびSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにあり;
化合物16、19、20および21の光学活性が(+)または(−)であり、C−5、C−13およびC−9の配置が、それぞれ、RRR、RRS、RSR、RSS、SRR、SRS、SSRおよびSSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにあり;
化合物22、23および24の光学活性が(+)または(−)であり、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置が、それぞれ、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSおよびSSSSから選択され、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにある、項目11〜13のいずれか1つに記載の方法。
本発明は、ノルモルフィナン化合物を調製するための方法および化合物を提供する。本発明の種々の態様の1つは、式21aを有する化合物を提供することである:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
nは、1〜8の整数である]。
本発明の別の態様は、式25を有する化合物を包含する:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)から選択され;
は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
さらに別の態様は、化合物21の調製方法を提供し、該方法は下記の反応式を有する:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から選択され;
YXは、RSiX、POX、(RCO)O、RCOX、RSOXおよび(RSOOから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
本発明のさらなる態様は、化合物24sの調製方法を包含し、該方法は下記の反応式を有する:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)から選択され;
は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
本発明のさらに別の態様は、化合物24の調製方法を提供し、該方法は下記の反応式を有する:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから選択され;
X、XおよびXは、独立に、ハロゲンであり;
YXは、RSiX、POX、(RCO)O、RCOX、RSOXおよび(RSOOから選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
本発明の他の態様および特徴は、以下にさらに詳しく記載される。
(詳細な説明)
ノルモルフィナン化合物、その誘導体および類似体を調製するための方法および化合物が見出された。特に、該化合物および該方法は、ノルオキシモルホン、ノルオキシモルホン類似体およびノルオキシモルホン誘導体の調製に使用しうる。本発明の方法は、現在使用されている合成経路より効率的であり、より高い収率を有し、望ましくない副生成物をより少なく生じる。
(I)ノルモルフィナン化合物
本発明の1つの態様は、ノルモルフィナン関連化合物の調製における中間体として使用しうる化合物を包含する。記述のために、モルフィナン化合物の環原子は、下記のように番号付けされる。コアモルフィナン化合物は4個のキラル炭素、即ち、C−5、C−13、C−14およびC−9を有しうる。

本発明の1つの実施形態において、ノルモルフィナン化合物は式21aを有する:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから成る群から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から成る群から選択され;
nは、1〜8の整数である]。
式21aを有する化合物の、偏光の回転に関する光学活性は(+)または(−)であってよい。さらに、化合物のキラル炭素、C−5、C−13およびC−9の配置は、それぞれ、RRR、RRS、RSR、RSS、SRR、SRS、SSRまたはSSSであってよく、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにある。
この実施形態の好ましい反復適用において、R、RおよびRは、それぞれ水素であり;RおよびRは、それぞれCHであり;Xは、臭素であり;Yは、−Si(CH、−COCH、−COCHCH、および−SOCHから成る群から選択される。表Aは、式21aを有する例示的化合物を示す。
別の実施形態において、ノルモルフィナン化合物は式25を有する:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
は、水素、アルキル基、アリル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)から成る群から選択され;
は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から成る群から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
式25を有する化合物の光学活性は、(+)または(−)であってよく、化合物のキラル炭素、C−5、C−13、C−14およびC−9の配置は、それぞれ、RRRR、RRSR、RRRS、RRSS、RSRR、RSSR、RSRS、RSSS、SRRR、SRSR、SRRS、SRSS、SSRR、SSSR、SSRSまたはSSSSであってよく、但し、C−15およびC−16炭素が両方とも、分子のα面またはβ面のいずれかにある。
この実施形態の好ましい反復適用において、R、RおよびRは、それぞれ水素であり;Rは、水素、メチル、−COCHおよび−COCHCHから成る群から選択され;Xは、臭素である。式25を有する例示的化合物を、表Bに示す。
(II)化合物24の調製方法
本発明の別の態様は、ノルモルフィナン、ノルモルフィナン類似体、およびそれらの誘導体の調製方法を提供する。例示のために、反応式1は、本発明の1つの態様による式24を有するノルモルフィナン化合物の調製を示す:
反応式1:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから成る群から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
X、XおよびXは、独立に、ハロゲンであり;
YXは、RSiX、POX、(RCO)O、RCOX、RSOXおよび(RSOOから成る群から選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
好ましい反復適用において、反応の成分は下記を含む:
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
およびRは、それぞれCHであり;
Xは、臭素であり;
YXは、(CHSiCl、POCl、(CHCO)O、CHCOCl、CHSOCl、CHCHCOClおよび(CHSOOから成る群から選択される。
反応式1は8つの段階(A〜H)を含み、各段階を以下に詳述する。
(a)段階A:化合物14への化合物13の変換
反応式1の段階Aにおいて、化合物13をHXと接触させて、化合物14を生成する。一般に、HXは酸である。好適な酸は、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸を包含する。例示的実施形態において、HXは臭化水素酸であってよい。化合物13と接触させるHXの量は、変化しうる。一般的には、化合物13/HXのモル/モル比は、約1:2〜約1:20であってよい。好ましい実施形態において、化合物13/HXのモル/モル比は、約1:2.5〜約1:10であってよい。より好ましい実施形態において、化合物13/HXのモル/モル比は、約1:3〜約1:5であってよい。化合物13とHXとの接触は、ある時間にわたってゆっくり進みうる。例えば、1つの実施形態において、HXを少なくとも1時間にわたって滴下によって導入しうる。
反応は、一般に、プロトン性溶媒の存在下に行なわれる。好適なプロトン性溶媒の非限定的な例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、n−ブタノール、蟻酸、酢酸、水およびそれらの組合せである。例示的実施形態において、反応に使用される溶媒はメタノールであってよい。一般に、溶媒/化合物13の重量/重量比は、約1:1〜約100:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物13の重量/重量比は、約2:1〜約25:1であってよい。より好ましい実施形態において、溶媒/化合物13の重量/重量比は、約5:1〜約10:1であってよい。
一般に、反応は、約20℃〜約100℃の温度で行なってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約50℃〜約90℃であってよい。より好ましい実施形態において、反応の温度は、約70℃〜約85℃であってよい。反応は、好ましくは周囲圧力下、および好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中で行なわれる。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。これに関して、「反応の終了」は、反応の開始時に存在していたそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の化合物13および有意に増加した量の化合物14を反応混合物が含有することを一般に意味する。典型的には、混合物に残留する化合物13の量は、約5%未満であってよい。
化合物14の収率は変化しうる。典型的には、化合物14の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物14の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物14の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物14の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(b)段階B:化合物16への化合物14の変換
反応式1の段階Bにおいて、化合物14をXと接触させ、次に、プロトン受容体と接触させて、化合物16を生成する。Xは、臭素、塩素またはヨウ素であってよい。好ましい実施形態において、Xは臭素(Br)であってよい。1つの実施形態において、化合物14/Xのモル/モル比は、約1:0.3〜約1:3であってよい。別の実施形態において、化合物14/Xのモル/モル比は、約1:0.5〜約1:2であってよい。好ましい実施形態において、化合物14/Xのモル/モル比は、約1:1〜約1:1.1であってよい。化合物14とXとの接触は、ある時間にわたってゆっくり進みうる。1つの実施形態において、例えば、Xを少なくとも30分間にわたって滴下によって導入しうる。反応は、一般に、周囲圧力下に行なわれる。
化合物14を、有機溶媒、またはより好ましくは有機溶媒と酸との混合物の存在下に、Xと接触させてよい。好適な有機溶媒の非限定的な例は、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、酢酸イソプロピル、メチルテトラヒドロフラン、酢酸ペンチル、酢酸n−プロピル、テトラヒドロフラン、トルエンおよびそれらの組合せである。好ましい実施形態において、溶媒はクロロホルムであってよい。特に好ましい実施形態において、クロロホルムを、酸、例えば、酢酸またはプロピオン酸と混合しうる。クロロホルム中の酸の濃度は、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%〜約90%であってよい。例示的実施形態において、クロロホルム中の酸の濃度は、約50%であってよい。
1つの実施形態において、溶媒/化合物14の重量/重量比は、約2:1〜約100:1であってよい。別の実施形態において、溶媒/化合物14の重量/重量比は、約5:1〜約80:1であってよい。さらに別の実施形態において、溶媒/化合物14の重量/重量比は、約10:1〜約60:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物14の重量/重量比は、約35:1〜約50:1であってよい。
反応は、プロトン受容体との接触をさらに含む。典型的には、プロトン受容体は、約12より大きいpKaを有する。この特徴を有する好適なプロトン受容体の非限定的な例は下記の物質である:アルカリ金属およびアルカリ土類金属の水酸化物(例えば、NaOH、KOHおよびCa(OH)等);カルバニオン、アミドおよび水素化物の1族塩(例えば、ブチルリチウム、ナトリウムアミド(NaNH)、水素化ナトリウム(NaH)等);アルカリ金属のアルコキシド(例えば、カリウムブトキシド、ナトリウムメトキシド等);および、約10より大きいpHを有する緩衝剤(例えば、NaPOまたはKPO)。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、NaOH、KOH、LiOH、Ca(OH)またはNaHであってよい。例示的実施形態において、プロトン受容体はNaOHであってよい。
化合物14/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:2〜約1:100であってよい。1つの実施形態において、化合物14/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:2.5〜約1:40であってよい。別の実施形態において、化合物14/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:3〜約1:15であってよい。好ましい実施形態において、化合物14/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:3〜約1:5であってよい。換言すれば、反応混合物の最終pHは、約pH10より大、好ましくは約pH12より大、より好ましくは約pH13より大であってよい。反応混合物とプロトン受容体との接触は、ゆっくり起こりうる。1つの実施形態において、プロトン受容体を、ある時間にわたって滴下によって反応混合物に導入しうる。好ましい実施形態において、反応混合物を、少なくとも1時間にわたって、滴下によってプロトン受容体に導入しうる。
反応は、約−20℃〜約40℃の温度で行なってよい。好ましい実施形態において、反応は約−10℃〜約10℃の温度で起こりうる。反応は、典型的には、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物14の量は、約5%未満であってよい。
化合物16の収率は、約60%〜約90%で変化しうる。1つの実施形態において、化合物16の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物16の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物16の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(c)段階C:化合物19への化合物16の変換
反応式1の段階Cは、化合物16をXおよびプロトン供与体と接触させて、化合物19を生成することを含む。Xは、(II)(b)で先に定義した通りである。一般に、化合物16/Xのモル/モル比は、約1:0.5〜約1:2であってよい。好ましい実施形態において、化合物16/Xのモル/モル比は、約1:0.9〜約1:1.1であってよい。典型的には、化合物16とXとの接触は、ある時間にわたってゆっくり進む。1つの実施形態において、例えば、Xを少なくとも30分間にわたって滴下によって導入しうる。
好適なプロトン供与体の非限定的な例は、HSO、HCl、HBr、HI、HPO、CFSOH、MeSOH、p−トルエンスルホン酸、HClO、HBrO、HIOおよびHIOである。好ましい実施形態において、プロトン供与体は、MeSOHまたはHSOであってよい。1つの実施形態において、化合物16/プロトン供与体のモル/モル比は、約1:0.5〜約1:10であってよい。別の実施形態において、化合物16/プロトン供与体のモル/モル比は、約1:0.8〜約1:5であってよい。好ましい実施形態において、化合物16/プロトン供与体のモル/モル比は、約1:1〜約1:2であってよい。
化合物16を、典型的には、プロトン性溶媒、またはより好ましくはプロトン性溶媒と有機溶媒との混合物の存在下に、Xおよびプロトン供与体と接触させる。好適なプロトン性溶媒は前記セクション(II)(a)に示され、好適な有機溶媒は前記(II)(b)に示されている。好ましい溶媒系は、メタノールとトリメチルオルトホルメートとの混合物、エタノールとトリエチルオルトホルメートとの混合物、またはn−プロパノールとトリプロピルオルトホルメートとの混合物を包含する。例示的実施形態において、溶媒系は、メタノールとトリメチルオルトホルメートとの混合物であってよい。1つの実施形態において、溶媒/化合物16の重量/重量比は、約2:1〜約100:1であってよい。別の実施形態において、溶媒/化合物16の重量/重量比は、約3:1〜約30:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物16の重量/重量比は、約5:1〜約10:1であってよい。
反応は、約30℃〜約100℃の温度で行なってよい。好ましくは、反応は、約40℃〜約70℃の温度で行なってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれるが、任意に、減圧下に行なってもよい。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められ、混合物に残留する化合物16の量は約5%未満であってよい。
化合物19の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物19の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物19の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物19の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(d)段階D:化合物20への化合物19の変換
反応式1の段階Dにおいて、化合物19をプロトン受容体と接触させて、化合物20を生成する。典型的には、プロトン受容体は、約12より大きいpKaを有する。この特徴を有する好適なプロトン受容体の例は(II)(b)に示されている。好ましいプロトン供与体は、ブチルリチウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミドおよび(MeSi)NLiを包含する。例示的実施形態において、プロトン受容体は、カリウムt−ブトキシドまたはナトリウムt−ブトキシドであってよい。化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、変化しうる。1つの実施形態において、化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:1〜約1:10であってよい。別の実施形態において、化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:2〜約1:8であってよい。好ましい実施形態において、化合物19/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:4〜約1:6であってよい。
反応は、非プロトン性溶媒の存在下に行なってよい。非プロトン性溶媒の非限定的な例は、下記の物質である:エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、酢酸エチル、蟻酸エチル、ホルムアミド、ヘキサメチルホスホラミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、塩化メチレン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、トルエン、トリクロロメタンおよびそれらの組合せ。好ましい実施形態において、非プロトン性溶媒はテトラヒドロフラン(THF)であってよい。1つの実施形態において、溶媒/化合物19の重量/重量比は、約2:1〜約100:1であってよい。別の実施形態において、溶媒/化合物19の重量/重量比は、約2.5:1〜約20:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物19の重量/重量比は、約3:1〜約8:1であってよい。
1つの実施形態において、反応は、約20℃〜約100℃の温度で行なってよい。別の実施形態において、反応は、約40℃〜約80℃の温度で行なってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約50℃〜約70℃であってよい。反応は、好ましくは周囲圧力下、および好ましくは不活性雰囲気(例えば、窒素またはアルゴン)中で行なわれる。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物19の量は、約5%未満であってよい。
化合物20の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物20の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物20の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物20の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(e)段階E:化合物21への化合物20の変換
反応式1の段階Eは、化合物20を試薬YXと接触させることを含む。試薬YXは、先に定義した通りである。好ましい実施形態において、YXは、(CHSiCl、CHCOCl、CHSOClまたはCHCHCOClであってよい。化合物20/YXのモル/モル比は変化しうる。1つの実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1〜約1:50であってよい。別の実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.2〜約1:15であってよい。好ましい実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.5〜約1:5であってよい。
反応は、非プロトン性溶媒の存在下に行なってよい。好適な非プロトン性溶媒の例は、前記(II)(d)に示されている。好ましい実施形態において、非プロトン性溶媒は、アセトニトリルであってよい。1つの実施形態において、溶媒/化合物20の重量/重量比は、約2:1〜約50:1であってよい。別の実施形態において、溶媒/化合物20の重量/重量比は、約3:1〜約40:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物20の重量/重量比は、約5:1〜約20:1であってよい。化合物20と試薬YXとの接触は、約0℃〜約80℃の温度で行なってよい。好ましくは、化合物20と試薬YXとの接触は、約15℃〜約35℃の温度で行なってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、化合物21を生成するために、水溶液の存在下の加水分解をさらに含む。好ましい実施形態において、水溶液は、水または水酸化アンモニウムの溶液であってよい。一般に、水溶液のpHは、約pH7〜約pH12、またはより好ましくは約pH8〜約pH10であってよい。化合物20/水溶液の重量/重量比は、1:1〜約1:50、またはより好ましくは約1:2〜約1:8であってよい。加水分解は、約0℃〜約100℃、またはより好ましくは約10℃〜約50℃の温度で行なってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物20の量は約5%未満であってよい。
化合物21の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物21の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物21の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物21の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(f)段階(F):化合物22への化合物21の変換
反応式1の段階Fにおいて、化合物21を酸化剤と接触させて、化合物22を生成する。酸化剤は、RCOH、RCOH/HおよびRCOH/他の酸化剤から成る群から選択されてよく、ここで、Rは、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから成る群から選択される。好ましい実施形態において、酸化剤は、過酸、例えば、過酢酸または3−クロロペルオキシ安息香酸であってよい。1つの実施形態において、化合物21/酸化剤のモル/モル比は、約1:0.5〜約1:3であってよい。別の実施形態において、化合物21/酸化剤のモル/モル比は、約1:0.8〜約1:2であってよい。好ましい実施形態において、化合物21/酸化剤のモル/モル比は、約1:1〜約1:1.2であってよい。
反応は、プロトン性溶媒の存在下に行なってよい。好適なプロトン性溶媒は、前記(II)(a)に示されている。好ましい実施形態において、プロトン性溶媒は、水と酢酸との組合せであってよい。溶媒系は、代替的または付加的に、他のプロトン性溶媒、例えば、アルコールまたは他の水混和性溶媒を含んで成ってよく、従って、例えば、プロトン性溶媒は、水、水/アルコール混合物、または水/水混和性溶媒混合物であってよい。水/アルコール混合物用の代表的アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコールおよびそれらの組合せである。水/水混和性溶媒混合物用の他の水混和性溶媒は、例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミドおよびそれらの混合物である。溶媒/化合物21の重量/重量比は、約2:1〜約50:1であってよい。好ましくは、溶媒/化合物21の重量/重量比は、約2:1〜約5:1であってよい。
反応は、約−5℃〜約50℃の温度で行なってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約5℃〜約35℃であってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物21の量は約5%未満であってよい。
化合物22の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物22の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物22の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物22の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(g)段階(G):化合物23への化合物22の変換
反応式1の段階Gは、化合物23を生成するために、化合物22の還元を含む。このために、化合物22を還元剤と接触させる。種々の還元法、例えば、化学還元、接触還元などを使用しうる。水素を用いる接触還元法に使用される代表的な還元剤は、一般的に使用される触媒、例えば、下記の触媒である:白金触媒(例えば、白金黒、コロイド白金、酸化白金、白金板、白金海綿、白金線など)、パラジウム触媒(例えば、パラジウム黒、炭酸バリウム上パラジウム、硫酸バリウム上パラジウム、コロイドパラジウム、炭素上パラジウム、炭素上水酸化パラジウム、酸化パラジウム、パラジウム海綿など)、ニッケル触媒(例えば、酸化ニッケル、ラネーニッケル、還元ニッケルなど)、コバルト触媒(例えば、ラネーコバルト、還元コバルトなど)、鉄触媒(例えば、ラネー鉄、還元鉄、ウルマン鉄など)など。好ましい実施形態において、化合物22を、加圧水素下に、炭素上パラジウム(Pd−C)によって触媒的に還元する。化合物22/還元剤のモル/モル比は、約10,000:1〜約100:1、またはより好ましくは約5000:1〜約1000:1であってよい。
反応は、プロトン性溶媒、例えば、水と酢酸との組合せの存在下に行なってよい。他の好適なプロトン性または水混和性溶媒は、前記(II)(f)に示されている。1つの実施形態において、溶媒/化合物22の重量/重量比は、約2:1〜約50:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物22の重量/重量比は、約2:1〜約5:1であってよい。
反応は、約20℃〜約110℃の温度で行なってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約35℃〜約85℃であってよい。反応は水素下に行なってよい。水素圧力は、約1psi〜約200psi、より好ましくは約20psi〜約80psiであってよい。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物22の量は、約5%未満であってよい。
化合物23の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物23の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物23の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物23の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(h)段階H:化合物24への化合物23の変換
反応式1の段階Hにおいて、化合物23を、先ず、脱メチル化剤と接触させ、次に、プロトン受容体と接触させて、化合物24を生成する。好適な脱メチル化剤の非限定的な例は、BBr、BCl、HBr、メチオニン/MeSOH、臭化アルミニウムおよび塩化アルミニウムエタンチオールである。好ましい実施形態において、脱メチル化剤は、BBrまたはHBrであってよい。化合物23と接触させる脱メチル化剤の量は、変化しうる。1つの実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:5〜約1:20であってよい。別の実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:3〜約1:12であってよい。好ましい実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:2〜約1:4であってよい。
脱メチル化剤との接触は、有機溶媒の存在下に行なってよい。好適な有機溶媒の例は、前記(II)(b)に示されている。好ましい実施形態において、有機溶媒はクロロホルムであってよい。一般に、溶媒/化合物23の重量/重量比は、約2:1〜約50:1であってよい。好ましくは、溶媒/化合物23の重量/重量比は、約5:1〜約15:1であってよい。反応は、約−20℃〜約120℃の温度で行なってよい。脱メチル化剤がBBrである実施形態において、反応の温度は、約0℃〜約30℃であってよい。脱メチル化剤がHBrである実施形態において、反応の温度は、約90℃〜約105℃であってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、プロトン受容体との接触をさらに含む。このために、プロトン性溶媒を反応混合物に添加してよく、それによって有機相および水相が形成される。好適なプロトン性溶媒は、前記(II)(a)に示されている。好ましい実施形態において、プロトン性溶媒は水であってよい。一般に、プロトン性溶媒/化合物23の重量/重量比は、約3:1〜約50:1、またはより好ましくは約5:1〜約20:1であってよい。混合物のpHが約pH7〜約pH12、またはより好ましくは約pH8〜約pH10になるように、プロトン受容体を反応混合物の水相に添加しうる。一般に、プロトン受容体は、一般に約8より大きいpKaを有する。好適なプロトン受容体の例は、弱塩基、例えば、NHOH、NaHCO、KHCOおよびNaCO、ならびに前記(II)(b)に示されているプロトン受容体である。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、水酸化ナトリウム(NaOH)であってよい。化合物23/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:5〜約1:100、またはより好ましくは約1:15〜約1:30であってよい。プロトン受容体との接触は、約0℃〜約110℃、またはより好ましくは約20℃〜約80℃の温度で行なってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。
化合物24の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物24の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物24の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物24の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(III) 化合物21aおよび化合物21の調製方法
本発明のさらなる態様は、化合物21の調製方法を提供し、該方法において、式21aを有する中間体化合物を生成する。該方法は、化合物20をYXと接触させて化合物21aを生成し、次に、それを加水分解して化合物21を生成することを含む。例示のために、反応式2は、化合物21aおよび化合物21の調製を示す:
反応式2:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
およびRは、独立に、−(CHCHおよびCHから成る群から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
Yは、アリール基、ベンジル基、アシル基、ホルミルエステル、アルコキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、アルキルアミドカルボニル基、トリアルキルシリル基、アルキルスルホニル基およびアリールスルホニル基から成る群から選択され;
YXは、RSiX、POX、(RCO)O、RCOX、RSOXおよび(RSOOから成る群から選択され;
mは、1〜3の整数であり;
nは、1〜8の整数である]。
この実施形態の好ましい反復適用において、反応の成分は下記を含む:
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
およびRは、それぞれCHであり;
YXは、(CHSiCl、POCl、(CHCO)O、CHCOCl、CHSOCl、CHCHCOClおよび(CHSOOから成る群から選択され;
Xは、臭素であり;
Yは、−Si(CH、−COCH、−COCHCH、および−SOCHから成る群から選択される。
(a)段階A:化合物21aへの化合物20の変換
反応式2の段階Aにおいて、化合物20をYXと接触させて、化合物21aを生成する。試薬YXは先に定義した通りである。好ましい実施形態において、YXは、(CHSiCl、CHCOCl、CHSOClまたはCHCHCOClであってよい。1つの例示的実施形態において、YXは(CHSiClであってよく、Yは−Si(CHであってよい。別の例示的実施形態において、YXはCHCOClであってよく、Yは−COCHであってよい。さらなる例示的実施形態において、YXはCHSOClであってよく、Yは−SOCHであってよい。さらに別の例示的実施形態において、YXはCHCHCOClであってよく、Yは−COCHCHであってよい。化合物20/YXのモル/モル比は、変化しうる。1つの実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1〜約1:50であってよい。別の実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.2〜約1:15であってよい。好ましい実施形態において、化合物20/YXのモル/モル比は、約1:1.5〜約1:5であってよい。
反応は、非プロトン性溶媒の存在下に行なってよい。好適な非プロトン性溶媒の例は、前記(II)(d)に示されている。好ましい実施形態において、非プロトン性溶媒はアセトニトリルである。1つの実施形態において、溶媒/化合物20の重量/重量比は、約2:1〜約50:1であってよい。別の実施形態において、溶媒/化合物20の重量/重量比は、約3:1〜約40:1であってよい。好ましい実施形態において、溶媒/化合物20の重量/重量比は、約5:1〜約20:1であってよい。
反応の温度は、約0℃〜約80℃であってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約15℃〜約35℃であってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
典型的には、反応は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められ、混合物に残留する化合物20の量は、約5%未満であってよい。
化合物21aの収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物21aの収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物21aの収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物21aの収率は、約80%〜約90%であってよい。
(b)段階B:化合物21への化合物21aの変換
反応式2の段階Bは、化合物21を生成するために、化合物21aの加水分解を含む。具体的には、化合物21aを、水溶液との反応によって脱保護して、化合物21を生成する。好ましい実施形態において、水溶液は、水、または水酸化アンモニウムの溶液であってよい。一般に、水溶液のpHは、約pH7〜約pH12、またはより好ましくは約pH8〜約pH10であってよい。化合物21a/水溶液の重量/重量比は、約1:1〜約1:50、好ましくは約1:1.5〜約1:20、またはより好ましくは約1:2〜約1:8であってよい。
反応は、約0℃〜約100℃の温度で行なってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約10℃〜約50℃であってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物21aの量は、約5%未満であってよい。
化合物21の収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物21の収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物21の収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物21の収率は、約80%〜約90%であってよい。
(IV) 化合物25sおよび化合物24sの調製方法
本発明のさらに別の態様は、化合物24sの調製方法を包含し、該方法において、式25sを有する中間体化合物を生成する。該方法は、反応式3に示されるように、化合物23sと脱メチル化剤とを接触させて化合物25sを生成し、次に、それをプロトン受容体と接触させて化合物24sを生成することを含む:
反応式3:

[式中、
およびRは、独立に、水素、OH、NH、SH、CF、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、アルキルケタール、アルキルチオールケタールおよびアルキルジチオールケタールから成る群から選択され、ここで、RおよびRが異なる場合、それらはエピマー対を形成し、RおよびRが一緒になって、=O、=S、シクロアルキルケタール、シクロアルキルチオールケタールおよびシクロアルキルジチオールケタールから成る群から選択される基を形成してもよく;
は、水素、ハロゲン、OH、NH、CN、CF、SO、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
は、水素、アルキル基、シクロアルキルメチル基、アリール基、ベンジル基およびC(O)から成る群から選択され;
は、アルキル基、アリール基およびベンジル基から成る群から選択され;
は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルから成る群から選択され;
Xは、ハロゲンであり;
nは、1〜2の整数である]。
好ましい反復適用において、反応の成分は下記を含む:
、RおよびRは、それぞれ水素であり;
は、水素、CH、−COCHおよび−COCHCHから成る群から選択され;
Xは、臭素である。
(a)段階A:化合物25sへの化合物23sの変換
反応式3の段階Aにおいて、化合物23sを、脱メチル化剤と接触させて、化合物25sを生成する。好適な脱メチル化剤の非限定的な例は、BBr、BCl、HBr、メチオニン/MeSOH、臭化アルミニウムおよび塩化アルミニウムエタンチオールである。好ましい実施形態において、脱メチル化剤はBBrまたはHBrであってよい。一般に、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:5〜約1:20であってよい。好ましい実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:3〜約1:12であってよい。例示的実施形態において、化合物23/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:2〜約1:4であってよい。
脱メチル化剤との接触は、有機溶媒の存在下に行なってよい。好適な有機溶媒の例は、前記(II)(b)に示されている。好ましい実施形態において、有機溶媒はクロロホルムであってよい。典型的には、溶媒/化合物23の重量/重量比は、約2:1〜約50:1である。好ましい実施形態において、溶媒/化合物23の重量/重量比は、約5:1〜約15:1である。
一般に、反応は、約−20℃〜約120℃の温度で行なってよい。脱メチル化剤がBBrである実施形態において、反応の温度は、約0℃〜約30℃であってよい。脱メチル化剤がHBrである実施形態において、反応の温度は、約90℃〜約105℃であってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物23sの量は、約5%未満であってよい。
化合物25sの収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物25sの収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物25sの収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物25sの収率は、約80%〜約90%であってよい。
(b)段階B 順方向:化合物24sへの化合物25sの変換
反応式3の段階Bは、化合物25sをプロトン受容体と接触させて、化合物24sを生成することを含む。典型的には、プロトン受容体は、一般に約8より大きいpKaを有する。好適なプロトン受容体の例は、弱塩基、例えば、NHOH、NaHCO、KHCOおよびNaCO、ならびに前記(II)(b)に示されているプロトン受容体である。好ましい実施形態において、プロトン受容体は、水酸化ナトリウム(NaOH)であってよい。言い換えれば、プロトン受容体の添加時に、反応混合物のpHは、約pH7〜約pH12、またはより好ましくは、約pH8〜約pH10であってよい。1つの実施形態において、化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:5〜約1:100であってよい。別の実施形態において、化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:10〜約1:50であってよい。好ましい実施形態において、化合物25s/プロトン受容体のモル/モル比は、約1:15〜約1:30であってよい。
反応は、プロトン性溶媒の存在下に行なってよい。好適なプロトン性溶媒は、前記(II)(a)に示されている。好ましい実施形態において、プロトン性溶媒は水であってよい。プロトン性溶媒/化合物25sの重量/重量比は、約3:1〜約50:1、またはより好ましくは約5:1〜約20:1であってよい。
反応の温度は、約0℃〜約110℃であってよい。好ましい実施形態において、反応の温度は、約20℃〜約80℃であってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。
反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物25sの量は、約5%未満であってよい。
化合物24sの収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物24sの収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物24sの収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物24sの収率は、約80%〜約90%であってよい。
(c)段階B 逆方向:化合物25sへの化合物24sの変換
反応式3の段階Bは、化合物25sへの化合物24sの変換も含む。このために、化合物24sを脱メチル化剤と接触させて、化合物25sを生成する。好適な脱メチル化剤の例は、前記(IV)(a)に示されている。化合物24s/脱メチル化剤のモル/モル比は、約1:5〜約1:20、好ましくは約1:3〜約1:12、またはより好ましくは約1:2〜約1:4であってよい。脱メチル化剤との接触は、有機溶媒の存在下に行なってよい。好適な有機溶媒の例は、前記(II)(b)に示されている。好ましい実施形態において、有機溶媒はクロロホルムであってよい。溶媒/化合物24sの重量/重量比は、約2:1〜約50:1、またはより好ましくは約5:1〜約15:1である。
反応は、約−20℃〜約120℃の温度で行なってよい。反応は、好ましくは、周囲圧力下に行なわれる。反応は、一般に、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって反応の終了が決定されるまで、充分な時間にわたって進められる。典型的には、混合物に残留する化合物24sの量は、約5%未満であってよい。
化合物25sの収率は、約60%〜約90%であってよい。1つの実施形態において、化合物25sの収率は、約60%〜約70%であってよい。別の実施形態において、化合物25sの収率は、約70%〜約80%であってよい。さらに別の実施形態において、化合物25sの収率は、約80%〜約90%であってよい。
(V) 化合物24から調製される化合物
化合物24に対応する化合物は、最終生成物自体、またはさらなるモルフィナン中間体または最終生成物を得るために1つまたはそれ以上の段階でさらに誘導体化しうる中間体であってよい。非限定的な例として、化合物24に対応する1つまたはそれ以上の化合物を、下記から成る群から選択される化合物を製造する工程に使用しうる:ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソンメトブロミド、3−O−メチルナルトレキソン、α−またはβ−ナルトレキソール、α−またはβ−ナロキソール、α−またはβ−ナルトレキサミン、ならびにそれらの塩、中間体および類似体。そのような商業的に価値のあるモルフィナンを調製するための一般的反応式は、特に、Riceの米国特許第4368326号に開示されており、その全開示は参照により本明細書に組み入れられる。さらに、いくつかの実施形態において、化合物24の6−ケトンを、6−α−OH、6−β−OH、6−α−NHまたは6−β−NHに還元しうる。
定義
本発明の理解を助けるために、いくつかの用語を以下に定義する。
本明細書において、単独で、または他の基の一部として使用される「アシル」という用語は、有機カルボン酸のCOOH基からヒドロキシ基を除去することによって形成される成分、例えばRC(O)を意味し、ここで、Rは、R、RO−、RN−またはRS−であり、Rは、ヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビルまたはヘテロシクロであり、Rは、水素、ヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。
本明細書において使用される「アルキル」という用語は、主鎖に1〜8個の炭素原子を有し、20個までの炭素原子を有する好ましくは低級アルキルである基を表わす。それらは、直鎖または分枝鎖または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル等を包含する。
本明細書において使用される「アルケニル」という用語は、主鎖に2〜8個の炭素原子を有し、20個までの炭素原子を有する好ましくは低級アルケニルである基を表わす。それらは、直鎖または分枝鎖または環状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニル等を包含する。「アリル」は、メチレン基に結合したビニル基を有するアルケニル基を意味する。
本明細書において使用される「アルキニル」という用語は、主鎖に2〜8個の炭素原子を有し、20個までの炭素原子を有する好ましくは低級アルキニルである基を表わす。それらは、直鎖または分枝鎖であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニル等を包含する。
本明細書において、単独で、または別の基の一部として使用される「芳香族」という用語は、任意に置換された単素−または複素環式芳香族基を意味する。これらの芳香族基は、好ましくは、環部分に6〜14個の原子を有する単環式、二環式または三環式基である。「芳香族」という用語は、下記に定義される「アリール」および「ヘテロアリール」基を包含する。
本明細書において、単独で、または別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、任意に置換された単素環式芳香族基、好ましくは、環部分に6〜12個の炭素原子を有する単環式または二環式基、例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニルまたは置換ナフチルを意味する。フェニルおよび置換フェニル(例えばベンジル基)は、より好ましいアリール基である。
本明細書において、単独で、または別の基の一部として使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素およびヨウ素を意味する。
「ヘテロ原子」は、炭素および水素以外の原子を意味する。
本明細書において、単独で、または別の基の一部として使用される「ヘテロシクロ」または「複素環式」という用語は、任意に置換された、完全飽和または不飽和の、単環式または二環式の、芳香族または非芳香族基であって、少なくとも1個の環に少なくとも1個のヘテロ原子を有し、好ましくは、各環に5または6個の原子を有する基を意味する。ヘテロシクロ基は、好ましくは、環に1または2個の酸素原子および/または1〜4個の窒素原子を有し、炭素原子またはヘテロ原子を介して分子の残り部分に結合している。例示的ヘテロシクロ基は、下記の複素環式芳香族基である。例示的置換基は、下記の基の1個またはそれ以上である:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。
本明細書において使用される「炭化水素」および「ヒドロカルビル」という用語は、炭素および水素元素のみから成る有機化合物または基を表わす。これらの成分は、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール成分を包含する。これらの成分は、他の脂肪族または環式炭化水素基で置換されたアルキル、アルケニル、アルキニルおよびアリール成分、例えば、アルカリール、アルケナリールおよびアルキナリールも包含する。他に指示しない限り、これらの成分は、好ましくは、1〜20個の炭素原子を有する。
本明細書において記載されている「置換ヒドロカルビル」成分は、炭素以外の少なくとも1個の原子で置換されたヒドロカルビル成分であって、炭素鎖原子が、ヘテロ元素、例えば、窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄またはハロゲン原子で置換された成分を包含する。これらの置換基は、ハロゲン、ヘテロシクロ、アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテルを包含する。
本発明またはその好ましい実施形態の要素を導入する場合、冠詞「ある、1つの(a)」、「ある、1つの(an)」、「1つの、前記(the)」および「前記、該(said)」は、1つまたはそれ以上の要素が存在することを意味するものである。「含む」、「包含する」および「有する」という用語は、包括的であり、記載されている要素以外の付加的要素も存在しうることを意味する。
本発明の範囲を逸脱せずに、種々の変更を前記の化合物および方法に加えることができるので、前記の説明および下記の実施例に含まれる全ての事柄は、例示的であって限定的な意味ではないと理解される。
以下の実施例は、下記の反応式に示されているノルオキシモルホンの合成を示す:

実施例1:化合物13からの化合物14の合成
化合物13(107g;定量分析82%;実際量88g;0.224mol)およびメタノール(MeOH)(850mL)を合わし、約15分間撹拌した。不溶物質を除去するために濾過した後、固形物をメタノール(200mL)で洗浄した。合わした濾液および洗浄液を、窒素雰囲気下に2Lのフラスコに入れ、48%臭化水素酸(HBr)(88mL)を、40℃未満の温度に維持しながらゆっくり添加した。反応混合物を、ポット温度75℃に達するまで蒸留した。混合物を3〜5時間還流させた。HPLC分析により2%未満の化合物13が残留していることが示された際に、反応が終了したと決定した。水(850mL)を添加し、全ての固形物が溶解するまで混合物を約60〜70℃に加熱した。混合物を55〜60℃に冷却し、クロロホルムを添加した(150mL)。相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。水相にクロロホルム(50mL)を添加し、相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。水(82mL)、メタノール(18mL)および5滴の48%HBrを、合わしたクロロホルム抽出物に添加した。相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。クロロホルム相は、約8gm/Lの化合物14を含有していた。最後の2回の抽出からの水相を合わし、1〜2時間にわたって撹拌しながら0〜10℃に冷却した。固形物を濾過によって分離し、ケークを水(100mL)で洗浄した。固形物を、60℃において部分真空下に窒素スイープで乾燥させた。乾燥時間は約72時間であった。合わした液体は、約8g/Lの化合物14を含有していた。表1は、2つの反応の結果を示す。

実施例1a:化合物13からの化合物14の別の合成
化合物13(73.2g;0.19mol;96w/w%)および無水メタノール(250mL)を、機械撹拌器を取り付けた三口丸底フラスコに入れた。混合物を5℃に冷却し、48%臭化水素酸(150.2g;1.86mol)を1時間にわたって滴下した。添加漏斗を除去し、ショートプレース蒸留装置(a short place distillation set−up)と取り替えた。反応物をゆっくり加温して還流させた(設定値85℃、ポット温度75℃)。反応物を4時間還流させ、溶媒125mLを蒸留によって除去した。液体クロマトグラフィーにより、約1%の化合物13が残留していることが示された。
反応物を50℃に冷却し、蒸留水125mLを添加した。5分間撹拌した後、水相を40℃〜50℃の温度においてクロロホルム(3x100mL)で抽出した。有機相を捨て、3mLの48%HBrを水相に添加した。混合物を、室温に達するまで撹拌し、次に、0℃に冷却した。0℃で2時間静置した後、結晶が形成された。結晶を濾過によって取り、冷水25mLで洗浄し、乾燥させた。濾液を再び0℃に冷却し、結晶を濾過し、水で洗浄した。この工程をさらに2回繰り返し、合計4回結晶を収集した。化合物14の重さ、55.6g;収率、81.8%;定量分析、97w/w%。
実施例2:化合物14からの化合物16の合成
化合物14 HBr塩(50g;定量分析約95%;実際量47.5g;0.16mol)、クロロホルム(CHCl)(1L)および48%HBr(3.5mL)を、ガラス反応器に入れた。混合物を撹拌し、−45〜−55℃に冷却した。臭素(20.2g;0.126mol)をクロロホルムで500mLに希釈し、その溶液を添加漏斗に入れた。臭素溶液(450mL)を、−50℃で30分間にわたって反応混合物に添加した。HPLCにより、9.8%の未反応化合物14が残留していることが示された。追加の臭素溶液(30mL)を反応混合物に添加した。HPLCにより、2.9%の未反応化合物14が残留しているが、過剰臭素化生成物が生じていることが示された。反応物を約10℃に温め、4N水酸化ナトリウム(1L)を添加した。混合物を15分間撹拌し、相を静置させ、次に、分離した。1N水酸化ナトリウム(1L)を添加し、相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。水(1L)を添加し、相を撹拌し、静置させ、次に、分離した。3つの水性抽出物をHPLCによって試験し、16は検出されなかったが、溶液は望ましくない不純物を含有していなかった。次に、有機溶液を蒸発させて、乾燥16塩基を得た。結果を表2に示す。

16の3つの試料を合わした。無水エタノール(1.25L)、水(0.25L)および48%HBr(55mL)を、試料に添加した。混合物を加熱して沸騰させ(78〜80℃)、1時間撹拌した。全固形物が溶解し、溶媒400mLを蒸留した。溶液を冷却して、結晶化を開始させた。スラリーを0〜10℃に冷却し、2時間撹拌した。固形物を濾過によって分離し、無水エタノール(100mL)で洗浄し、次に、部分真空下に60℃で乾燥させた。16 HBr塩の収量は62.7gであった。HPLC分析により、純度が既存標準より高いことが示された。濾液(即ち、母液および洗浄液)は、約12gの化合物16を含有していた。
16のHBr塩を調製するために、16の4つの追加試料(84.8gを含有)を2Lのフラスコ中で合わした。無水エタノール(1.25L)、水(100mL)および48% HBr(55mL)を添加した。混合物を加熱還流し、約400mLの溶媒を蒸留によって除去した。混合物を0〜5℃に冷却し、1時間撹拌した。スラリーを濾過し、ケークを無水エタノール(100mL)で洗浄し、固形物を真空炉において60℃で乾燥させた。収量62.7gの16.HBrを、99.4%面積のHPLC純度で得た。第二収集の7.5gの16.HBrを、濾液のワークアップから得た。99.3%面積のHPLCプロフィールが得られた。
実施例2a:化合物16の付加的合成
酢酸とクロロホルムとの混合物の存在下に、化合物14をHBrと接触させる付加的反応を行なった。これらの実験は、有機溶媒への酢酸の添加時に、反応の温度を0℃〜5℃に上昇させうることを示した。さらに、化合物16のスループットも増加した。例えば、酢酸/クロロホルムの50:50混合物を使用した場合に、スループットが約4〜5倍増加した(表3参照)。100%酢酸は最高のスループットであったが、分離生成物は低収率であった(60%)。

化合物14.HBr(2.09g;4.7mmol)、クロロホルム中50%氷酢酸(21mL)、および2滴の48%HBrを、三口丸底フラスコに入れた。混合物を0〜5℃に冷却し、臭素(0.376g;2.3mmol)を滴下した。反応物を0℃で50分間撹拌した。次に、臭素(0.376g;2.3mmol)を滴下し、反応物を5℃で15分間撹拌した。水酸化ナトリウム(12.0g、0.30mol)を、分離フラスコ中の蒸留水100mLに添加し、混合物を5℃に冷却した。反応混合物をNaOH溶液に1時間にわたって滴下し、温度を10℃未満に維持した。反応混合物を室温に温めた。混合物を分液漏斗に移し、クロロホルム(3x10mL)で抽出した。有機相を合わし、無水MgSO(2g)で乾燥し、濾過し、蒸発させた。精製化合物16(HBr塩、2.0g;収率81%、定量分析99w/w%)を、メタノール(5mL)、蒸留水(5mL)および1滴の48%HBrからの結晶化によって得た。結晶を濾過によって分離し、60℃で48時間乾燥させた。
実施例3:化合物16からの化合物19の合成
125mLの三口フラスコに、温度計、臭素(Br)添加用の滴下漏斗を取り付けた。冷却器の頂部につないだもう1つの滴下漏斗を使用して、蒸留溶媒を収集した。化合物16.HBr(5.50g)を、MeOH/CH(OMe)(20mL/20mL)に室温で懸濁させた。硫酸(HSO、1.0mL)を添加した(pH=0〜0.5)。懸濁液を2分間にわたって加熱還流し、55℃で溶液を形成した。溶媒(約20mL)を、油浴において88℃で15分間の蒸留によって除去した。ジクロロエタン(沸点:83℃、20mL)を添加した。混合物を88℃の油浴で加熱して、10分間にわたって約10mLの溶媒を蒸留によって除去した。HSO(0.25mL)を添加した(pH=0〜1)。CHCl中のBrの溶液(0.70mmol/mL、19.6mL、1.1当量、CHClで40mLに希釈)を25分間にわたって滴下した。HSO(0.25mL)を添加した。50gの溶液を得、そのうち5gをもう1つの実験用に取り、反応混合物の残り(45g)を、次の19酸塩の分離のために室温に冷却した。
反応混合物を、Buchiロータリーエバポレーターによって40℃で最大真空下に蒸発させた。クロロホルム(エタノール不含;50mL)および水(50mL)を残渣に添加した。この混合物を撹拌し、静置させ、相を分離した。水相をクロロホルム(エタノール不含;5mL)でさらに2回抽出した。全てのクロロホルム抽出物を合わし、前記Buchiで蒸発させた。アセトン(80mL)を蒸発残渣に添加し、撹拌混合物を45℃に加温した。白色沈殿物が約45秒間の撹拌後に形成した。混合物を0〜5℃に冷却し、30分間撹拌した。沈殿物を濾過し、固形物をアセトン(約5mL)で洗浄した。固形物を空気乾燥し、3.9gの19.HSOを、HPLCプロフィール95.3%面積で回収した。
実施例4:化合物19からの化合物20の合成
化合物19.HSO(4.9g)を、テトラヒドロフラン(THF)(50mL)に懸濁させた。窒素でのフラッシング後に、tert−ブトキシド(t−BuOK)(7.0g)を添加した。混合物を撹拌し、65℃で1.5時間加熱し、次に、室温に冷却した。水(200mL)を、窒素下に撹拌しながら3時間にわたって添加した。その後、沈殿物を濾過によって分離し、水(2x30mL)で洗浄した。湿った固形物を空気流で2時間乾燥させた。固形物をアセトニトリル(ACN)に懸濁させ、真空下に60℃で2時間にわたって濃縮乾固して、2.85gの化合物20を黄色固形物として得た(収率82%)。
実施例5:化合物20からの化合物21の合成
化合物20(2.85g)を、MeSiCl/ACN(8.5mL/20mL)に1時間懸濁させた。この懸濁液を、ACN(40mL)中のMeSiCl(8.5mL)の溶液に添加して(各回1mL)、新しい溶液を形成した。懸濁液の各アリコートが、溶液への添加後2〜5分で溶解した。溶液を、さらに30分間、懸濁液の完全添加後に、撹拌した。次に、溶液を10%NHOH(240mL)に添加し、CHCl(2x50mL)で抽出した。有機層を水(2x100mL)で洗浄し、ポンプダウン乾固して、生成物21を2.93gの固形物として得た。
実施例6:化合物21からの化合物23の合成
化合物21(約2.90g)を、29mLのHOAc/HO(1:1)に溶解させて、溶液を形成した。溶液を5〜10℃に冷却し、32%過酢酸(CHCOH)(希HOAc中)を3回で添加した。反応混合物を室温で30分間撹拌した。Pd−C(炭素上5%Pd、0.3g)を添加し、20分間撹拌して、反応混合物を得た。混合物のHPLC分析により、化合物22が主生成物(>90%面積/面積)であることが示された。追加のPd−C(炭素上5%Pd、0.3g)を反応混合物に添加し、それを水素(60PSI)下に60℃で加熱し、2時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、約10gのシリカゲルで濾過した。固形物をMeOH(50mL)中の1%HOAcで洗浄した。濾液を真空濃縮して、油状物を得、それをCHCl(30mL)に溶解させた。水(60mL)を添加し、相を分離し、水相をCHCl(30mL)で抽出した。合わした有機層を水(2x30mL)で洗浄し、蒸発させて、1.29gの生成物23を固形物として得た。
実施例7:化合物23からの化合物24の合成
化合物23(1.29g固形物)をCHClに溶解させて、溶液13.0mLを形成した。前記溶液の一部(9.7mL、約0.98gの23を含有)をCHCl(10mL)中のBBr(2.82mL)の溶液に0〜5℃で添加して、懸濁液を形成した。懸濁液を室温で3時間撹拌し、混合物1mLを、ワークアップ前のHPLC試料用に取った。反応混合物を合計5時間撹拌し、次に、水(40mL)に添加した。大部分のCHClが蒸発によって除去されるまで、窒素をCHCl層に泡立たせた。残留混合物をエーテル(3x40mL)で洗浄し、次に、4N NaOH(10mL)を抽出後の水層に添加した。形成された溶液をエーテル(3x40mL)で洗浄した。水層に、HOAcをpH=9になるまで添加した(最後に、c−NHOHを添加することによって調節)。溶液を真空下に濃縮乾固して、粘着性固形物を得た。固形物を5%NHOH溶液(20mL)に懸濁させ、30分間撹拌し、濾過した。固形物をMeOH/HO(9mL/6mL)に再懸濁させた。HOAc(0.4mL)を添加して、溶液を形成した。pH=9へのc−NHOHの添加時に、沈殿物が形成された。混合物を5℃で1時間撹拌し、固形物を濾過によって分離した。水で洗浄し、空気流で一晩乾燥した後に、灰色がかった白色の固形物0.61gが残った。固形物を高真空下に60℃で3時間乾燥させて、0.56gの生成物24を灰色がかった白色の固形物として得た。

Claims (1)

  1. 明細書に記載の発明。
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