JP6026898B2 - セラミック配線基板 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラスなどの接合強化材を含有する導体層を表面に有するセラミック配線基板に関する。
配線基板は、通常、絶縁基体の表面や内部に金属を主成分とする導体層が設けられている。こうした導体層のうち、他の電子部品の端子(あるいは、他の電子部品と接続するためのピン)が接合される部分は、四角形状や円形状のパッドとして形成されており、電気信号の入出力用ピンやハンダバンプの取り付けに備えて、パッドの表面には金属のめっき膜が形成されている。
この場合、導体層には、通常、絶縁基体との接合性を高めるために、絶縁基体に含まれる成分と同様の無機成分を接合強化材として含ませるようにしているが、無機成分の量が多い場合には、絶縁基体との接合強度を高めることができるものの、導体層上への入出力用ピンやハンダバンプの取り付けが困難になるという問題がある。これは導体層中に含まれる無機成分の量が多くなると、導体層の表面に無機成分が露出しやすくなるため、導体層の表面にめっき膜を形成することが困難になるからである。
このため、導体層の絶縁基体との接合性および導体層と他の電子部品の端子との接合性を両立させるためにこれまで種々の検討が行われている。例えば、特許文献1には、絶縁基体の表面に無機成分を含む第1導体層と無機成分を含まない第2導体層とをこの順に形成することが提案されている。この場合、導体層の最表面側を無機成分を含まないようにしたことで、導体層の表面にめっき膜が形成されやすくなり、入出力用ピンやハンダバンプとの接合性を強化できるとされている。
一方、近年、配線基板の小型化や導体層間の間隔の狭ピッチ化に伴い、導体層の面積が小さくなってきており、導体層の面積の減少に伴う接合強度の低下も問題となっている。
このような問題に対して、本出願人は、以前、絶縁基体の表面に形成した導体層の周縁部上からその周囲の絶縁基体の表面にかけてセラミックス製の保護層を設けることを提案した(特許文献2を参照)。
特許文献2に開示した発明は、図6に示すように、セラミック絶縁基板101の表面に形成した導体層103の周縁部103aa上および導体層103の周囲のそれぞれに組成の異なる保護層105a、105bが隣接するように形成したものである。この場合、導体層103の周縁部103aa上には焼結性の高い保護層(内側保護層)105aが設けられており、一方、周囲側には内側保護層105aよりも焼結性の低い保護層が外側保護層105bとして設けられている。
特開平8−181441号公報 特開2011−176188号公報
保護層105a、105bを導体層103の周縁部103aa上およびその周囲に内側
保護層105aおよび外側保護層105bとしてそれぞれ隣接させた構造では、これら内側導体層105aおよび外側導体層105bのうち外側保護層105bがセラミック絶縁基体101の表面に接着するように形成され、その外側保護層105bが導体層103の周縁部103aa上に形成された内側保護層105aと接着しているものの、焼結性が高いとされる内側保護層105aが導体層103の周縁部103aa上だけにあり、その周囲のセラミック絶縁基体101に接着されていない構造であるため、導体層103のセラミック絶縁基体101に対する接着力を内側保護層105aを介して強化し難く、保護層105a、105bとセラミック絶縁基体101との間で十分な接着強度を得ることができないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、セラミック絶縁基体の表面に無機成分量の異なる上下2層の導体層を設けた場合に、めっき欠けの不良が無く、導体層が十分な接着強度を有するセラミック配線基板を提供することを目的とする。
本発明の配線基板は、セラミック絶縁基体の表面上に、金属を主成分とし接合強化材を含有する第1導体層と、金属を主成分とし、接合強化材の割合が前記第1導体層よりも少ない第2導体層とが、前記表面から順に設けられており、前記第1導体層の周縁部上からその周囲に位置する前記セラミック絶縁基体の表面に第1保護層が設けられているとともに、前記第2導体層の周縁部上から前記第1保護層上に該第1保護層よりも気孔率の高い第2保護層が設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、絶縁基体の表面に無機成分量の異なる上下2層の導体層を設けた場合にも、めっき欠けの不良が無く、導体層が十分な接着強度を有するセラミック配線基板を得ることができる。
本発明のセラミック配線基板の一実施形態の概略断面図である。 図1に示す破線で囲まれる領域Aの拡大図である。 図1に示す破線で囲まれる領域Aの断面図であり、第2保護層が第1保護層上からその周囲のセラミック絶縁基体上に及ぶように設けられている構造を示すものである。 2層の導体層の周縁部上からセラミック絶縁基体上にかけて第1保護層と同じ組成の保護層のみを設けたものである。 2層の導体層の周縁部上からセラミック絶縁基体上にかけて第2保護層と同じ組成の保護層のみを設けたものである。 従来のセラミック配線基板を示すものであり、導体層の周縁部上および周囲にそれぞれ異なる組成の保護層が横方向に隣接されている状態を示す断面図である。
以下、本発明のセラミック配線基板の一実施形態を図面に基いて説明する。
図1は、本実施形態のセラミック配線基板の概略断面図である。図2は、図1に示す破線で囲まれる領域Aの拡大図である。
図1に示すように、本実施形態のセラミック配線基板は、セラミック絶縁基体1の表面1a上に、導体層3とこれを部分的に覆っている保護層5とを備えている。
このセラミック配線基板を構成する導体層3は2層構造になっており、セラミック絶縁
基体1側に設けられた第1導体層3aとこの第1導体層3aの表面に設けられた第2導体層3bとは含まれる接合強化剤の割合が異なるものとなっている。この場合、第2導体層3bは第1導体層3aよりも接合強化材の含有割合が少ないものである。
また、第1導体層3aおよび第2導体層3bの表面には、それぞれ組成の異なる第1保護層5aおよび第2保護層5bが設けられている。
例えば、図2に示すように、第1導体層3aの周縁部3aa上からその周囲に位置するセラミック絶縁基体1の表面1aにかけて第1保護層5aが設けられており、また、第2導体層3bの周縁部3bb上から第1保護層5a上に第2保護層5bが設けられている。このとき第1保護層5aは第1導体層3aと第2導体層3bとの層間に途中まで入り込んだ構造である。
そして、第1保護層5aと第2保護層5bとは気孔率が異なっており、第2保護層5bの方が第1保護層5aよりも気孔率が高いものとなっている。
本実施形態の配線基板によれば、セラミック絶縁基体1の表面に導体層を第1、第2の導体層(3a、3b)のように2層積層させて形成したときに、これらの2層の導体層3a、3bのそれぞれの周縁部3aa、3bb上を覆い、また、その周囲にも及ぶ保護層を第1、第2の保護層(5a、5b)として設けたことにより、保護層5を設けない場合に比較して導体層3のセラミック絶縁基体1に対する接着強度を高めることができる。
この場合、気孔率の低い第1保護層5aをセラミック絶縁基体1に直接接している方の第1導体層3a側に設けているために、第1導体層3aとセラミック絶縁基体1との間の隙間をより密に塞ぐことができるとともに接着強度を高めることができる。第1導体層3aとセラミック絶縁基体1との間の隙間をより密に塞ぐことができることから湿中環境下における信頼性も高めることができる。
また、金属成分の含有割合の高い第2導体層3bの表面側に気孔率の高い第2保護層5bを設けているために第2保護層5b自体、剛性が低くなっており、このため第2導体層3bと第2保護層5bとの層間で熱膨張係数の違いにより応力が発生しても第2保護層5b自体で吸収し緩和することができ、第2保護層5bの破壊や剥がれを防止することができる。
さらに、第1保護層5aの上部側に設けられた第2保護層5bが第1保護層5aに接着させてあるために、第2保護層5bも第1保護層5aを介したかたちでセラミック絶縁基体1に接着された状態にある。これにより第1導体層3aおよび第2導体層3bの両方のセラミック絶縁基体1への接着力を高めることが可能となる。
また、本実施形態のセラミック配線基板は、セラミック絶縁基体1に接着される第1導体層3aの表面に第1導体層3aよりも接合強化材の含有量の少ない導体層をさらに第2導体層3bとして設けているために、導体層3の最表面に設けられている第2導体層3bの表面にはめっき膜が形成されやすいため、めっき欠け不良を防止することができる。
なお、図2に示しているように、第2導体層3bの表面に設けられている第2保護層5bが第1保護層5a上までの範囲になるように設けられた構造の場合には、保護層5を含めた導体層3の面積を小さくできるために、保護層5の形成された導体層3間の間隔を狭くすることができ、配線ピッチのより狭いセラミック配線基板を得ることができる。
本実施形態のセラミック配線基板を構成しているセラミック絶縁基体1は、例えば、図
1に示すように、複数のセラミック絶縁層11、12、13、14(以下、11〜14と記す場合がある。)が積層され、これらの層間を接続する貫通導体4を有するものにも適用できる。この場合も導体層3はセラミック絶縁基体1の主面に設けられる。なお、セラミック絶縁基体1の主面とは、このセラミック絶縁基体1における最も広い面積の面であって図1に示す上面および下面のことをいう。
セラミック絶縁層11〜14としては、主結晶としてクォーツを含むガラスセラミックスを適用することが望ましい。セラミック絶縁層11〜14に上記のガラスセラミックスを適用すると、セラミック絶縁層11〜14の熱膨張係数を13×10−6/℃〜15×10−6/℃にすることができることからプリント配線基板(マザーボード)との二次実装信頼性を高めることが可能になる。
また、クォーツは室温付近における比誘電率が低いことから、高周波領域における伝送信号の減衰を抑制でき、信号遅延による伝送ロスを少なくすることもできるという利点を有していることから、本実施形態のセラミック配線基板は高周波用としても好適なものとなる。この場合、セラミック絶縁層11〜14の材料には、所定の誘電特性や高周波特性を満たす範囲であれば、クォーツの他、セルジアンやエンスタタイトなどの他の結晶を含んでいてもよい。
第1導体層3aおよび第2導体層3bの材料としては、導電率が高く、セラミック絶縁基体1との同時焼成を可能とする金属が好適であり、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)から選ばれる1種の金属が望ましい。
第1導体層3aおよび第2導体層3bは、いずれも金属成分の含有量が94質量%以上であり、残部に接合強化材を0〜6質量%程度含んでいるのがよい。
この場合、第1導体層3aと第2導体層3bとは、これらに含まれる接合強化材の含有量が異なるものとなっており、第1導体層3aに含まれる接合強化材の含有量が3〜6質量%であるときに、第2導体層3bに含まれる接合強化材の割合は0〜2質量%であることが好ましい。接合強化材としてはSi、Al、Mg、CaおよびBなどを成分として含むガラスが好ましい。
次に、第1保護層5aおよび第2保護層5bは、金属成分を含まず、セラミックフィラーとガラスとの複合材料により形成されているものが望ましく、この場合、第1保護層5aおよび第2保護層5bの気孔率はガラス組成の違いにより変化させてあるのが好ましい。セラミックフィラーおよびガラスに同じ材料を用いてセラミックフィラーとガラスとの混合割合を異なるものを用いた場合には、焼成時の収縮速度が大きく異なってくるために、セラミック絶縁基体1の表面に形成される第1導体層3aおよび第2導体層3bの寸法が大きく異なってくるおそれがあるからである。
第1保護層5aおよび第2保護層5bの材料に好適なセラミックフィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナおよびジルコニアから選ばれる少なくとも1種が好ましい。
第1保護層5aを構成しているガラスとしては、SiがSiO換算で28〜31質量%、AlがAl換算で5〜7質量%、MgがMgO換算で13〜16質量%、CaがCaO換算で1〜2質量%、BaがBaO換算で14〜16質量%、SrがSrO換算で0〜2質量%の組成を有するものがよい。
また、第2導体層3bを構成しているガラスとしては、SiがSiO換算で32〜34質量%、AlがAl換算で6〜9質量%、MgがMgO換算で0〜2質量%、C
aがCaO換算で9〜12質量%、BaがBaO換算で15〜18質量%、SrがSrO換算で1〜3質量%の組成を有するものがよい。
第1保護層5aおよび第2保護層5bに含まれる各成分の割合が上記の範囲であると、第1保護層5aと第2保護層5bとの間の収縮挙動を近づけることができ、セラミック絶縁基体1の主面での凹凸を抑制できるという利点がある。
また、第2導体層3bの表面に適度にガラスが存在する状態となることから、第2導体層3bの表面の酸化が抑えられ、酸化膜(酸化銅)の生成が抑制される。これより、例えば、第2導体層3bに含まれる金属成分をエッチングした後に形成されるめっき膜も良好なものとなる。
以上説明した導体層3(第1導体層3a、第2導体層3b)および保護層5(第1保護層5a、第2保護層5b)によれば、導体層3のメタライズ強度が5kgf/mm以上、平坦度が80μm以下であり、セラミック絶縁基体1の表面に形成された導体層3の周縁部を覆う保護層5側において、変色による斑点が無く、また、セラミック絶縁基体1の表面を被覆している保護層5の表面への焼成用セッターの成分の付着もほとんど無いセラミック配線基板を得ることができる。
また、この実施形態のセラミック配線基板では、導体層3に被覆されている保護層5に含まれるガラスの組成が上記の範囲であると、例えば、導体層3に含まれる金属成分の拡散による保護層5の焼結性の低下を抑制することができ、ガラスエッチング液や銅エッチングの侵食を防ぐことができめっき性を高めることが可能になる。
これに対し、セラミック絶縁基体1の表面に重ねて形成した2層の導体層3a、3bに保護層を設けない場合、保護層を設けても組成が1種である場合、または、上述した特許文献2に示された構造のようにセラミック絶縁基体1の表面上に組成の異なる2つの保護層を横の方向に並列に並べたような構造の場合には、セラミック絶縁基体1に対する導体層3の接合強度が低くなるか、めっき性が劣化するか、焼成用セッター材の付着が起こるおそれがある。
ここで、保護層5の組成については、例えば、分析する試料を切断してこの断面を研磨し、走査型電子顕微鏡(SEM)による画像を解析し、まず、組織上でガラスとセラミックフィラーを分離し面積比を求めることで算出できる。また、ガラスに含まれる各成分の含有量は、ガラスの一部についてスポット的にエネルギー分散型X線分光分析(EDS)を行うことにより算出できる。
また、導体層3の組成についても、同様の方法によって求める。この場合、まず、組織観察した画面上において金属成分と接合強化材とを分離し面積比を求める。また、接合強化材に含まれる各成分の含有量は、接合強化材の一部についてスポット的にエネルギー分散型X線分光分析(EDS)を行って求める。
図3は、図1に示す破線で囲まれる領域Aの断面図であり、第2保護層が第1保護層上からその周囲のセラミック絶縁基体上に及ぶように設けられている構造を示すものである。
図3では、第2導体層5bの周縁部5bb上から第1保護層5a側に伸びた第2保護層5bが第1保護層5aの側面に接着されているとともに、セラミック絶縁基板1の表面1aにも接着するように形成されているために、第2保護層5bのセラミック絶縁基体1に対する接着強度をさらに高めることができ、結果として、セラミック絶縁基体1に対する
導体層3の接着強度を向上させることができる。
保護層5における気孔率は、焼成後のセラミック配線基板を断面研磨し、走査型電子顕微鏡を用いて断面写真を撮り、撮影した写真から単位面積当たりに存在する気孔の面積を求める。例えば、評価に用いる面積としては、500〜10000μmが良い。第1保護層3aと第2保護層5bとの間で気孔率に3%以上の差が認められる場合に気孔率に差を有するものとする。
導体層3の接着強度は強度測定用パターン上に、Cu製のピンを共晶半田を用いて接合し、引張試験機(「MODEL-1310DW」Aiko ENGINEERING製)を用いて引っ張りによる破壊強度を測定して求める。
次に、本実施形態のセラミック配線基板の製造方法について説明する。
まず、セラミックグリーンシートを作製するためのガラス粉末およびセラミックフィラーを用意し、これらに適当な有機バインダおよび有機溶剤を混合してスラリーを得る。得られたスラリーから、所望の成形手段、例えばドクターブレード法、カレンダーロール法、圧延法等によりセラミックグリーンシートを作製する。
また、所望のセラミックグリーンシート上に、銅粉末を主成分として含む導体ペーストをスクリーン印刷法やグラビア印刷法にて形成する。
なお、多層のセラミック配線基板を作製する場合には、得られたセラミックグリーンシートにパンチングやレーザー加工法などにより貫通孔を形成し、この貫通孔に導体ペーストを充填するとともに、表面に配線となる導体パターンを形成する。
次に、導体層3用の導体パターンの周縁部に保護層用のペーストを用いてスクリーン印刷法により保護層用のパターンを形成する。この場合、第1導体層用の導体パターン、第1保護層用のパターン、第2導体層用の導体パターンおよび第2保護層用のパターンをこの順に形成する。
第2導体層用の導体パターンを形成するための導体ペーストは、第1導体層用の導体パターンよりも接合強化材を少なくしたものを用いるのがよく、また、第2保護層用のパターンを形成するためのセラミックペーストは、第1導体層用の導体パターンよりも軟化温度の高いガラスを添加したものを用いるのがよい。
次に、導体層用の導体パターンおよび保護層用のパターンが形成されたセラミックグリーンシートの下側に無垢のセラミックグリーンシートを複数枚積層し、これを熱圧着法または積層助剤を用いて加圧積層する方法により積層体を作製する。
次に、得られた積層体を焼成する。焼成は窒素雰囲中700〜750℃の温度で1〜5時間保持することにより脱脂した後、窒素雰囲気中850℃〜900℃の温度で1〜2時間の条件で行う。
次に、焼成により得られたセラミック配線基板の素体を、例えば、過硫酸アンモニウムおよびフッ化アンモニウムを用いて表面処理を行った後、第2導体層上にめっき処理を行い、Pdめっき膜、Niめっき膜およびAuめっき膜を形成する。なお、それぞれの浸漬工程の間に、水洗、アルカリ脱脂および酸処理などを適宜行う。以上説明した製造方法により、本実施形態のセラミック配線基板を得ることができる。
まず、ガラス粉末とセラミックフィラーとしてSiO粉末とを混合し、次いで、この混合物に、イソブチルメタクリレートにトルエンを含む有機バインダを添加し、有機溶剤としてジブチルフタレートを添加してスラリーを作製した後、ドクターブレード法により厚み125μmのセラミックグリーンシートを作製した。このとき用いたガラス粉末の組成は、SiO:40質量%、B:8質量%、Al:8質量%、MgO:20質量%、CaO:2質量%、BaO20質量%、SrO:1質量%、ZrO:1質量%であった。
次に、得られたセラミックグリーンシートの表面に導体層用の導体パターンおよび保護装用のパターンを図2〜図6に示す断面構造になるように形成した。なお、図4は、図2と同様の2層の導体層の周縁部上からその外側のセラミック絶縁基体上に第1保護層と同様の組成の保護層のみを設けたものであり、図5は、図2と同様の2層の導体層の周縁部上からその外側のセラミック絶縁基体上に第2保護層と同様の組成の保護層のみを設けたものである。
第1、第2導体層は焼成後の直径が0.6mmに、第1保護層は焼成後の内径が0.5mm、外形が0.8mmになる円形の導体パターンを形成した。第2保護層は焼成後の内径が0.5mmに、外形が0.8〜1.0mmになるようにドーナツ状のパターンを形成した。第1、第2導体層の平均厚みは焼成後に20μmに、また、第1、第2保護層の平均厚みは焼成後に10μmになるように印刷した。焼成後のセラミック配線基板の表面には、第1導体層、第1保護層、第2導体層および第2保護層がこの順に形成されたメタライズ層が10×10個(計100個)並ぶようにした。
ここで、第1導体層の導体パターンを形成するための導体ペーストとしては、固形分で銅粉末を95質量%およびガラス粉末を5質量%含むものを用いた。第2導体層を形成するための導体ペーストは固形分として銅粉末100質量%含むものを用いた。
第1保護層用のセラミックペーストとしては、シリカのフィラーを30質量%含み、残部にSiOを30質量%、Alを5.5質量%、CaOを1質量%、BaOを16質量%、MgOを16質量%、SrOを1質量%およびZrOを0.5質量%含有するガラス粉末を含むものとした。
第2保護層用のペーストとしては、シリカのフィラーは同量とし、ガラス粉末として、SiOを33質量%、Alを8質量%、CaOを12質量%、BaOを16質量%およびSrOを1質量%含有するものを用いた。
こうして作製した導体パターンおよび保護装用のパターンが形成されたセラミックグリーンシートに無垢のセラミックグリーンシート熱圧着により20層積層して積層体を作製した。
次に、得られた積層体をアルミナ材の焼成用セッターで挟み、水蒸気を含む窒素雰囲気中にて、温度を725℃、保持時間を3時間とした条件で脱脂を行った後、窒素雰囲気にて、最高温度を860℃、保持時間を1時間とした条件で本焼成を行ない、縦45mm、横45mm、厚みが約2mmの大きさのセラミック配線基板の素体を作製した。
次に、得られたセラミック配線基板の素体を過硫酸アンモニウムおよびフッ化アンモニウムを用いて表面処理を行った後、セラミック配線基板の素体の表面に形成された第2導体層上に、順に、Pdめっき膜、Niめっき膜およびAuめっき膜を形成して、セラミック配線基板を完成させた。
上記の方法で得られたセラミック配線基板に対して、セラミック絶縁基体の表面上に形成された保護層の気孔率を測定した。
保護層における気孔率は、焼成後のセラミック配線基板を断面研磨し、走査型電子顕微鏡を用いて断面写真を撮り、撮影した写真から単位面積当たりに存在する気孔の面積を求めた。このとき評価した導体層は1つのセラミック配線基板において3つとし、平均値を求めた。作製した試料の第1保護層には気孔がほとんど見られず、第2保護層側との間の気孔率の差はいずれも3%であった。
導体層の接着強度は強度測定用パターン上に、Cu製のピンを共晶半田を用いて接合し、引張試験機(「MODEL-1310DW」Aiko ENGINEERING製)を用いて引っ張り(引張速度:83μm/秒)による破壊強度を測定して求めた。1枚のセラミック配線基板の試料について10箇所の測定を行い、平均値を求めた。
めっき欠けの不良は、第2導体層の表面に形成しためっき膜中に見られる最大径が20μm以上の空隙部分の個数を数えることによって判定した。試料としてのセラミック配線基板の数は2個とし、そのセラミック配線基板の中央部にある5個のパッドを抽出した。表1には、1つのパッドに見られた最大径が20μm以上の空隙の最大個数を示した。この場合、最大径が20μm以上の空隙が1個でも見られた試料を不良とした。
また、焼成後のセラミック配線基板の第2保護層の表面を観察し、焼成用セッター材の付着の有無を調べた。焼成用セッター材の付着が見られたものは不良とした。
Figure 0006026898
表1の結果から明らかなように、作製した試料のうち、図2の構造の場合の接着強度は2.7kgf/mm2、図3の構造の場合は4.2kgf/mm2であった。また、これらの試料はいずれもめっき欠けおよびセッター材の付着も見られなかった。
これに対し、第1保護層および第2保護層をセラミック絶縁基体上に並列させた図6の構造の場合の接着強度は1.8kgf/mm2と、図2および図3の構造に比べて低かった。
また、図2と同様に2層の導体層を形成しても保護層を設けなかった試料の接着強度は0.8kgf/mm2であった。
また、図2と同様に2層の導体層を形成しても、第1保護層の材料のみで保護層を形成
した試料(図4)の場合には、接着強度は4.1kgf/mm2と高かったが、第1保護層の材
料から溶出したガラスのためにめっき欠けおよびセッター材の付着が見られた。
また、図2と同様に2層の導体層に第2保護層の材料のみで保護層を形成した試料(図5)の場合には、接着強度が2.1kgf/mm2と低かった。
1、101・・・・・・・・・セラミック絶縁基体
1a・・・・・・・・・・・・セラミック絶縁基体の表面
11、12、13、14・・・セラミック絶縁層
3、103・・・・・・・・・導体層
3a、103a・・・・・・・第1導体層
3aa・・・・・・・・・・・第1導体層の周縁部
3b、103b・・・・・・・第2導体層
3bb・・・・・・・・・・・第2導体層の周縁部
5・・・・・・・・・・・・・保護層
5a・・・・・・・・・・・・第1保護層
5b・・・・・・・・・・・・第2保護層

Claims (3)

  1. セラミック絶縁基体の表面上に、金属を主成分とし接合強化材を含有する第1導体層と、金属を主成分とし、接合強化材の割合が前記第1導体層よりも少ない第2導体層とが、前記表面から順に設けられており、前記第1導体層の周縁部上からその周囲に位置する前記セラミック絶縁基体の表面に第1保護層が設けられているとともに、前記第2導体層の周縁部上から前記第1保護層上に該第1保護層よりも気孔率の高い第2保護層が設けられていることを特徴とするセラミック配線基板。
  2. 前記第2保護層が、前記第1保護層上までの範囲に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板。
  3. 前記第2保護層が前記第1保護層上からその周囲の前記セラミック絶縁基体上に及ぶように設けられていることを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板。
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