JP6026334B2 - ヒューム除去方法、鋼板の塗装方法及び製造方法 - Google Patents
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Description
前記キレート剤としてクエン酸を用い、前記溶媒のpHを3〜6の範囲とするものである。
また、上述のヒューム除去方法においては、キレート剤のキレート安定度定数が大きくなる範囲に前記溶媒のpHを調整してもよい。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態1にかかるヒューム除去方法は、カルボキシメチル基を有するキレート剤を添加した溶媒に、ヒュームが付着した亜鉛めっき鋼板を浸漬させ、ヒュームを溶媒に溶解させて除去するものである。
また、溶媒としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液を用いることが好ましい。
図1に従って、本発明の実施の形態1にかかる鋼板の製造方法を説明する。まず、亜鉛めっき鋼板を溶接する(溶接工程S11)。次に、溶接した亜鉛めっき鋼板を、キレート剤を添加した溶媒に浸漬させることにより、溶接後の鋼板表面からヒュームを除去する(ヒューム除去工程S12)。最後に、ヒューム除去後の前記亜鉛めっき鋼板を塗装する(塗装工程S13)。これにより、本発明の実施の形態にかかる鋼板が製造される。
実施例1〜6及び比較例1〜5においては、濃度が0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液にキレート剤を添加したものを、溶媒として用いた。また、実施例1〜6及び比較例1〜5において、ヒュームが付着した亜鉛めっき鋼板を、液温40℃とした溶媒中に2分間浸漬した。
実施例1では、溶媒である水酸化ナトリウム水溶液に、EDTAを、濃度が10mmol/Lとなるまで添加した。さらに、炭酸ガス又は水酸化ナトリウムを溶媒に添加することにより、溶媒のpHが9となるよう調整を行った。炭酸ガスを溶媒に添加するとpHは小さくなり、水酸化ナトリウムを溶媒に添加するとpHは大きくなる。
〈実施例1におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:EDTA
・キレート剤濃度:10mmol/L
・溶媒のpH:9
〈実施例2におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:EDTA
・キレート剤濃度:50mmol/L
・溶媒のpH:9
〈実施例3におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:DTPA
・キレート剤濃度:10mmol/L
・溶媒のpH:9
〈実施例4におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:DTPA
・キレート剤濃度:50mmol/L
・溶媒のpH:9
〈実施例5におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:クエン酸
・キレート剤濃度:10mmol/L
・溶媒のpH:5
〈実施例6におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:クエン酸
・キレート剤濃度:50mmol/L
・溶媒のpH:5
比較例1は、実施例1のEDTA濃度を10mmol/Lから2mmol/Lに変更したものである。
〈比較例1におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:EDTA
・キレート剤濃度:2mmol/L
・溶媒のpH:9
〈比較例2におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:DTPA
・キレート剤濃度:2mmol/L
・溶媒のpH:9
〈比較例3におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:クエン酸
・キレート剤濃度:2mmol/L
・溶媒のpH:5
〈比較例4におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:アジピン酸
・キレート剤濃度:50mmol/L
・溶媒のpH:9
〈比較例5におけるヒューム除去方法の実施条件〉
・キレート剤:EDTA
・キレート剤濃度:50mmol/L
・溶媒のpH:9
亜鉛めっき鋼板に付着しているヒューム量に対して、キレート剤の絶対量が足りないと、ヒュームが十分に除去できないと推察される。キレート剤は、1:1の比率で金属イオンと反応して錯塩を形成することで、ヒュームを溶解していると考えられるからである。
また、実施例3〜6の評価結果から、キレート剤としてDTPA又はクエン酸を用いた場合も同様に、濃度は10〜50mmol/Lが好ましいと考えられる。
鋼板に付着したヒューム量が本実施例よりも少ない場合には、本実施例よりも低いキレート剤濃度でも、ヒュームを十分に除去できると考えられる。それに対して、鋼板に付着したヒューム量が本実施例よりも多い場合には、本実施例よりも高いキレート剤濃度であっても、ヒュームを十分に除去できないことがあると考えられる。
EDTA又はDTPAを添加した溶媒のpHは、8〜11とするのが好ましく、さらには、9〜10とするのがより好適である。キレート安定度定数は、pHが8〜11の範囲で大きくなり、pHが9〜10の範囲でさらに大きくなるからである。
EDTA、DTPA、クエン酸はカルボキシメチル基を持っているのに対して、アジピン酸やアミノヘキサン酸はカルボキシメチル基を持たない。カチオン帯電している亜鉛イオンとキレート錯体を形成するためには、少なくとも一つのカルボキシメチル基が必要だと推察される。
このCCT−C試験を90サイクル繰り返した後に、試験片の腐食面積率と最大浸食深さを測定する。
本発明にかかるヒューム除去方法でヒュームを除去した後に、塗装を施した鋼板は防錆性能が向上する。鋼板表面が滑らかになり、塗装が均一に塗布されるからである。均一に塗布された塗料ははがれにくいため、鋼板の防錆性能が向上する。
Claims (5)
- カルボキシメチル基を有するキレート剤を添加した溶媒に、ヒュームが付着した亜鉛めっき鋼板を浸漬させる、ヒューム除去方法であって、
前記キレート剤としてクエン酸を用い、前記溶媒のpHを3〜6の範囲とするヒューム除去方法。 - 前記亜鉛めっき鋼板は溶接部を有することを特徴とする、請求項1に記載のヒューム除去方法。
- 前記キレート剤のキレート安定度定数が大きくなる範囲に前記溶媒のpHを調整することを特徴とする、請求項1又は2に記載のヒューム除去方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒューム除去方法により、亜鉛めっき鋼板からヒュームを除去する工程と、
ヒュームを除去した後、前記亜鉛めっき鋼板に塗装を施す工程と、
を有する、鋼板の塗装方法。 - 亜鉛めっき鋼板を溶接する工程と、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のヒューム除去方法により、溶接後の前記亜鉛めっき鋼板からヒュームを除去する工程と、
ヒュームを除去した後、前記亜鉛めっき鋼板を塗装する工程と、
を有する、鋼板の製造方法。
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JP2013063820A JP6026334B2 (ja) | 2013-03-26 | 2013-03-26 | ヒューム除去方法、鋼板の塗装方法及び製造方法 |
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