JP6024846B1 - ペルフルオロポリエーテルの還元方法 - Google Patents

ペルフルオロポリエーテルの還元方法 Download PDF

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Abstract

【課題】安価でリサクルが容易な従来の触媒を用いた場合であっても、フッ化水素による触媒被毒を低減し、効率良くペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することができる方法の提供。【解決手段】遷移金属触媒存在下、水素を用いてペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元する方法であって、触媒活性低下防止剤の存在下で行われることを特徴とする方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ペルフルオロポリエーテルの還元方法および本発明の還元方法を含むペルフルオロポリエーテルアルキルエステルの製造方法に関する。
ペルフルオロポリエーテル化合物は、優れた物性を有し、例えば潤滑剤、撥水撥油剤、防汚剤、離型剤等として幅広い用途に用いられている。特に、ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルは、それ自体も有用であるが、様々なペルフルオロポリエーテル化合物を合成するための中間体としても有用である。このペルフルオロポリエーテルアルキルエステルは、例えばペルオキシペルフルオロポリエーテル(即ち、−O−O−結合を含むペルフルオロポリエーテル化合物)を還元する工程を経て製造できることが知られている。
従来、上記のペルオキシペルフルオロポリエーテルの還元は、遷移金属触媒、例えば炭素に担持された遷移金属触媒(例えば、Pd/C等)の存在下、水素原子と接触させることにより行われてきた。この還元反応は下記スキーム1で表される。
スキーム1
Figure 0006024846
[式中、Rfは、任意のペルフルオロ基である。]
上記スキームに示されるように、この還元反応においては、副生成物としてフッ化水素が生成する。このフッ化水素により触媒が被毒し、触媒活性が低下するという問題がある。
上記の問題に対して、フッ化水素の存在下であっても長時間触媒活性を維持する触媒の研究がなされており、このような触媒として、例えば特許文献1には、金属フッ化物に担持された遷移金属(Pd、Pt、Rh等)が開示されており、また、特許文献2は、黒鉛状材料上に担持された第8族金属が開示されている。
特開2004−67683号公報 特表2010−523617号公報
特許文献1に記載の金属フッ化物に担持された遷移金属触媒、および特許文献2に記載の黒鉛状材料上に担持された第8族金属触媒等は、ある程度の期間触媒活性を持続することができるが、従来のPd/Cのような炭素担持触媒と比較して、高価であり、リサイクルが困難であるという問題がある。従って、より安価で効率的なペルオキシペルフルオロポリエーテルの還元方法が求められている。
そこで、本発明は、安価でリサクルが容易な従来の触媒を用いた場合であっても、フッ化水素による触媒被毒を低減し、効率良くペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題について鋭意検討した結果、触媒を改良するのではなく、反応系の設計に着目し、ペルオキシペルフルオロポリエーテルの還元反応を、触媒活性低下防止剤の存在下で行うことにより、フッ化水素による触媒被毒を抑制することができることを見出し、本発明に至った。
本発明の第1の要旨によれば、遷移金属触媒存在下、水素を用いてペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元する方法であって、触媒活性低下防止剤の存在下で行われることを特徴とする方法が提供される。
本発明の第2の要旨によれば、上記本発明の方法によりペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することを含む、ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルの製造方法が提供される。
本発明の第3の要旨によれば、本発明の上記還元方法により、ペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することを含む、HCF−基を末端に有するフルオロポリエーテルアシルフロライドを、フルオロポリエーテルアシルフロライド全体に対して、5.00〜30.00mol%含む、フルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物の製造方法が提供される。
本発明の第4の要旨によれば、HCF−基を末端に有するフルオロポリエーテルアシルフロライドを、フルオロポリエーテルアシルフロライド全体に対して、5.00〜30.00mol%含む、フルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物が提供される。
本発明によれば、触媒活性低下防止剤を用いることにより、ペルオキシペルフルオロポリエーテルの還元反応において、従来のPd/Cのような触媒を用いた場合であっても、フッ化水素による触媒の被毒を抑制し、良好にペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することが可能になる。
以下、本発明の方法を説明する。
本発明の方法は、遷移金属触媒存在下、水素を用いてペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元する方法であって、触媒活性低下防止剤の存在下で行われることを特徴とする。
本発明において、「触媒活性低下防止剤」とは、触媒活性の低下を防止できる化合物を意味し、例えば触媒を被毒するフッ化水素を補足する化合物、触媒とフッ化水素の接触を阻害する化合物等を含む。
本発明の方法において用いられる触媒活性低下防止剤の量は、特に限定されないが、ペルオキシペルフルオロポリエーテルに対して、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜20質量%であり得る。
好ましい態様において、触媒活性低下防止剤は、オルトエステル、フッ化ナトリウムまたはフッ化カリウムであり、好ましくはオルトエステルである。
オルトエステルの例としては、下記式:
Figure 0006024846
で表される化合物が挙げられる。
上記式中、Rは、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。炭素数1〜6のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
は、それぞれ独立して、炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
好ましい態様において、Rは水素原子であり、即ち、上記オルトエステルはギ酸トリアルキルである。
さらに好ましい態様において、Rは水素原子であり、Rはメチル基であり、即ち、上記オルトエステルは、オルトギ酸トリメチルである。
本発明はいかなる理論にも拘束されないが、上記オルトエステルがフッ化水素による被毒を抑制するメカニズムは以下のように考えられる。上記オルトエステルは、ペルオキシペルフルオロポリエーテルの還元反応で生じたフッ化水素と反応し、フッ化水素を消費することにより、フッ化水素による触媒被毒を抑制することができると考えられる。オルトエステルとフッ化水素の反応は、下記スキーム2に示されるように生じると考えられる。
スキーム2
Figure 0006024846
また、還元反応はフルオラス層で起こり、触媒はフルオラス層に存在するが、フッ化水素はオルトエステル層への溶解性が高く、フルオラス層から除外されるため、フッ化水素と触媒の接触が阻害され、触媒の非毒が抑制されるとも考えられる。
フッ化ナトリウムおよびフッ化カリウムは、共にフッ化水素を吸着することにより触媒の被毒を抑制すると考えられる。潮解性の観点からフッ化ナトリウムがより好ましい。
本発明で用いられる遷移金属触媒は、特に限定されない。上記したように本発明の方法では、触媒活性低下防止剤を用いており、その効果により触媒の被毒が抑制されるので、炭素に担持したPd等の従来の遷移金属触媒であっても、良好に用いることができる。
遷移金属触媒に用いられる遷移金属としては、特に限定されないが、第8族の金属、例えばPd、Pt、Rh、Ru等が挙げられ、好ましくはPd、Rh、Ruである。遷移金属触媒は、1種のみであっても、2種以上の混合物であってもよい。
本発明の方法において用いられる遷移金属触媒の使用量は、特に限定されないが、ペルオキシペルフルオロポリエーテルに対して、例えば、0.01〜15質量%、好ましくは0.1〜10.0質量%、より好ましくは1.0〜10.0質量%、例えば1.0〜5.0質量%である。
上記の遷移金属触媒は、好ましくは担体に担持されている。担体としては、例えば炭素、アルミナ(Al)、金属フッ化物、アルカリ土類金属の硫酸塩または硝酸塩、フィブリル、エチレンジアミン複合体、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
上記担体としての炭素は、種々の炭素担体を用いることができ、活性炭、不定形炭素、グラファイトおよびダイヤモンド等を用いることができる。
上記金属フッ化物としては、例えば、CaF、SrF、BaF、MgF、AlF等が挙げられる。
上記アルカリ土類金属の硫酸塩または硝酸塩としては、例えばCaSO、Ca(NO、SrSO、Sr(NO、BaSO、Ba(NO等が挙げられる。
再利用の容易さの観点からは、活性炭などの一般的な炭素担体、アルカリ土類金属の硫酸塩または炭酸塩が好ましい。また、触媒活性の大きさ、フッ化水素耐性の観点からは、グラファイトまたは金属フッ化物が好ましい。
本発明で用いられる遷移金属担持触媒における遷移金属の量は、特に限定されないが、遷移金属担持触媒に対して、好ましくは0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜5質量%である。
本発明の方法に用いられる水素は、好ましくは気体である。
本発明の方法に用いることができるペルオキシペルフルオロポリエーテルは、分子内に少なくとも1つの−O−O−結合を有するペルフルオロポリエーテル化合物であれば特に限定されない。
一の態様において、本発明で用いられるペルオキシペルフルオロポリエーテル化合物は、下記の構造(IV)を含む。
−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−(C−O−O)−(C−O−O)−(C−O−O)−(CF−O−O)
上記式中、a、b、c、d、p、q、rおよびsは、それぞれ独立して0または1以上の整数であって、a、b、cおよびdの和が少なくとも1であり、p、q、rおよびsの和が少なくとも1であれば特に限定されるものではない。好ましくは、a、b、c、d、p、q、rおよびsは、それぞれ独立して0以上200以下の整数、例えば1以上200以下の整数であり、より好ましくは、それぞれ独立して0以上100以下の整数、例えば1以上100以下の整数である。添字a、b、c、d、p、q、rまたはsを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
一の態様において、aおよびbは、それぞれ独立して0以上30以下、例えば1以上20以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、
pおよびqは、それぞれ独立して0以上30以下、例えば1以上20以下の整数であり、rおよびsは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数である。
上記の繰り返し単位のうち、−(CO)−は、−(CFCFCFCFO)−、−(CF(CF)CFCFO)−、−(CFCF(CF)CFO)−、−(CFCFCF(CF)O)−、−(C(CFCFO)−、−(CFC(CFO)−、−(CF(CF)CF(CF)O)−、−(CF(C)CFO)−および−(CFCF(C)O)−のいずれであってもよいが、好ましくは−(CFCFCFCFO)−である。−(CO)−は、−(CFCFCFO)−、−(CF(CF)CFO)−および−(CFCF(CF)O)−のいずれであってもよいが、好ましくは−(CFCFCFO)−である。また、−(CO)−は、−(CFCFO)−および−(CF(CF)O)−のいずれであってもよいが、好ましくは−(CFCFO)−である。
一の態様において、上記ペルオキシペルフルオロポリエーテル化合物は、
−(CFCFO)−(CFO)−(CFCF−O−O)−(CF−O−O)
で表される構造を含む。
別の態様において、上記ペルオキシペルフルオロポリエーテル化合物は、
−(OC−R11n’−(O)n”
(式中、R11は、OC、OCおよびOCから選択される基であるか、あるいは、これらの基から独立して選択される2または3つの基の組み合わせであり、
n’は、2〜100の整数、好ましくは2〜50の整数であり、
n”は、1〜50の整数、好ましくは2〜30の整数であり、より好ましくは2〜10の整数であり、
n’またはn’を付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。)
で表される構造を含む。上記OC、OCおよびOCから独立して選択される2または3つの基の組み合わせとしては、特に限定されないが、例えば−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、−OCOCOC−、および−OCOCOC−等が挙げられる。上記式中、OC、OCおよびOCは、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、好ましくは直鎖である。
一の態様において、上記ペルオキシペルフルオロポリエーテル化合物の末端基は、−(CF−Rであり得る。式中、Rは、−F、−COF、−CF3−mClであり、mは1〜3の整数であり、lは、0〜4の整数、例えば1〜4の整数である。尚、lが0の場合、Rは、直接上記ペルフルオロポリエーテル構造に結合する。
上記ペルオキシペルフルオロポリエーテル化合物は、特に限定されないが、例えば、テトラフルオロエチレンまたはヘキサフルオロプロペンを酸素の存在下で重合させることにより製造することができる。かかる反応は、例えば米国特許第3,442,942号明細書、米国特許第3,650,928号明細書、または米国特許第3,665,041号明細書に記載されている。
ペルオキシペルフルオロポリエーテル中の−O−O−結合の量は、酸化力(PO)により表すことができる。
POとは、ペルオキシペルフルオロポリエーテル100gあたりの活性酸素グラムを意味する。活性酸素グラムは、当業者によく知られた方法、具体的には酸化還元滴定(例えば、チオ硫酸塩による酸化還元滴定)または19F−NMRにより測定することができる。
本発明において、PO値は、好ましくは0.1〜5.0、0.3〜2.0、より好ましくは0.5〜1.0であり得る。
本発明に用いられるペルオキシペルフルオロポリエーテルの数平均分子量は、特に限定されないが、例えば200〜100,000、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは2,000〜30,000、さらに好ましくは3,000〜20,000であり得る。
本発明における反応温度は、特に限定されないが、例えば15℃〜200℃、好ましくは50℃〜150℃、より好ましくは80℃〜150℃の範囲内である。
本発明における反応圧力は、特に限定されないが、例えば1〜50気圧の間、好ましくは1〜10気圧の間である。
本発明のペルオキシペルフルオロポリエーテルの還元により、ペルフルオロポリエーテルアシルフロライドが得られる(例えば、上記スキーム1を参照)。
一の態様において、本発明の還元反応により得られるペルフルオロポリエーテルアシルフロライドは、下記式(II):
X−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−Y
[式中:
a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0または1以上の整数であり、好ましくは0以上200以下の整数、例えば1以上200以下の整数であり、より好ましくは、0以上100以下の整数、例えば1以上100以下の整数であり、a、b、cおよびdの和が少なくとも1であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
Xは、
−Rであり、
は、−F、−COF、−CF3−mClであり、
mは1〜3の整数であり、
Yは、−(CF−COFであり、
nは、0〜3の整数、例えば1〜3の整数である。]
で表される。
好ましい態様において、aおよびbは、それぞれ独立して0以上30以下、例えば1以上20以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
ペルフルオロポリエーテルアシルフロライドの分子量は、例えば100〜100,000、好ましくは500〜30,000、より好ましくは2,000〜20,000、さらに好ましくは3,000〜20,000であり得る。
また、本発明の方法においては、上記のペルフルオロポリエーテルアシルフロライドを含む組成物が得られるが、この組成物は、HCF−基を有するフルオロポリエーテルアシルフロライドを含み得る。即ち、本発明の方法を用いてペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元する場合、HCF−基を末端に有するフルオロポリエーテルアシルフロライドを含む組成物を得ることができる。
従って、本発明は、上記の還元方法により、ペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することを含む、HCF−基を末端に有するフルオロポリエーテルアシルフロライドを、フルオロポリエーテルアシルフロライド全体に対して、5.00〜30.00mol%含む、フルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物の製造方法を提供する。
上記のHCF−基を末端に有するフルオロポリエーテルアシルフロライドは、好ましくは、下記式(III):
X”−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−Y
[式中:
aおよびbは、それぞれ独立して0以上30以下であり、
cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下であり、
添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
X”は、−Rであり、
は、−CHFであり、
mは1〜3の整数であり、
Yは、−(CF−COFであり、
nは、0〜3の整数である。]
で表されるフルオロポリエーテルアシルフロライドであり得る。
HCF−基を有するフルオロポリエーテルアシルフロライドの含有量は、フルオロポリエーテルアシルフロライド全体に対して、好ましくは5.00〜30.00mol%、より好ましくは5.00mol%を超え30.00mol%以下、例えば8.00〜25.00mol%であり得る。
組成物中のHCF−基を有するフルオロポリエーテルアシルフロライドの含有量は、用いる触媒活性低下剤の濃度を変更することにより調整することができる。
HCF−基を有するフルオロポリエーテルアシルフロライドは、塩基と反応させることにより、任意の官能基を導入することが可能になる。従って、フルオロポリエーテルアシルフロライドを数%オーダーで末端変性することができる。
従って、本発明はまた、フルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物であって、HCF−基を有するフルオロポリエーテルアシルフロライドが、組成物中のフルオロポリエーテルアシルフロライド全体に対して、5.00〜30.00mol%含まれている、フルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物を提供する。
一の態様において、上記のフルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物は、上記した本発明の製造方法により得ることができる。
組成物に含まれる、HCF−基を有するフルオロポリエーテルアシルフロライド以外のフルオロポリエーテルアシルフロライドは、主に上記したX−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−Yで表されるペルフルオロポリエーテルアシルフロライドであり得る。このペルフルオロポリエーテルアシルフロライドの含有量は、好ましくは70〜90.0mol%であり得る。
また、別のフルオロポリエーテルアシルフロライドとしては、末端にカルボキシ基(−COOH)を有するペルフルオロポリエーテルアシルフロライドが挙げられる。このペルフルオロポリエーテルアシルフロライドの含有量は、好ましくは0〜10.0mol%、より好ましくは1.0〜7.0mol%であり得る。
本発明は、上記の方法によりペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することを含む、ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルの製造方法を提供する。
ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルは、上記で得られたペルフルオロポリエーテルアシルフロライドを、アルコールまたはオルトエステルと反応させてエステル化することにより得ることができる。
好ましい態様において、触媒活性低下防止剤としてオルトエステルを用いることにより、上記還元反応と、エステル化を同時に行うことができる。この場合、還元反応により得られたペルフルオロポリエーテルアシルフロライドと、系内に存在するオルトエステルおよび/またはオルトエステルがフッ化水素を補足することにより生じたアルコールとが反応し、ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルが得られる。
一の態様において、本発明の方法により得られるペルフルオロポリエーテルアルキルエステルは、下記式(I):
X’−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−Y’
[式中:
a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0または1以上の整数であり、好ましくは0以上200以下の整数、例えば1以上200以下の整数であり、より好ましくは、0以上100以下の整数、例えば1以上100以下の整数であり、a、b、cおよびdの和が少なくとも1であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
X’は、−Rであり、
は、−F、−COOR、−CF3−mClであり、
mは1〜3の整数であり、
Y’は、−(CF−COORであり、
nは、0〜3の整数、例えば1〜3の整数であり、
は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。]
で表される。
好ましい態様において、aおよびbは、それぞれ独立して0以上30以下、例えば1以上20以下の整数であり、cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下、好ましくは5以上200以下、より好ましくは10以上200以下の整数であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。
以上、本発明の方法について説明したが、本発明は上記に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
実施例1
オートクレーブに、ペルオキシペルフルオロポリエーテル(100g、数平均分子量=15600、PO=0.83)、Pd/C触媒(2.12g、エヌ・イーケムキャット(株)製、触媒重量に対して5wt%のPdを含む)、オルトギ酸トリメチル(18.86g)および水素ガス(0.36g)を導入した。
120℃で12時間撹拌した後、オートクレーブを開放した。得られた反応液を濾過し、揮発分を留去することで目的とするペルフルオロポリエーテルメチルエステル含有物(82.35g)を得た。
得られたペルフルオロポリエーテルメチルエステル含有物を19F−NMRで分析した。その結果、ペルオキシ結合に隣接するフッ素置換基のシグナルは観測されず、メチルエステル末端が70.8%、カルボン酸末端が7.2%、−CHF末端が22.0%であった。
反応器内をパージした気体をGC/MSを用いて分析したところ、CHFのシグナルが確認された。
200mLガラス製反応容器に、先程の操作で得られたペルフルオロポリエーテルメチルエステル含有物(82.35g)およびメタノール(15.84g)を導入し、メタノールの還流温度で4時間撹拌した後、揮発分を留去した。
上の操作で得られたペルフルオロポリエーテルメチルエステル含有物を19F−NMRで分析したところ、メチルエステル末端が76.4%、カルボン酸末端が1.6%、−CHF末端が22.0%であった。これにより、ペルオキシペルフルオロポリエーテルが、高転化率で、ペルフルオロポリエーテルメチルエステルに変換されていることが確認された。
比較例1
オートクレーブに、ペルオキシペルフルオロポリエーテル(100g、数平均分子量=15600、PO=0.83)、Pd/C触媒(2.12g、エヌ・イーケムキャット(株)製、触媒重量に対して5wt%のPdを含む)、炭酸水素ナトリウム(17.79g)および水素ガス(0.36g)を導入した。
120℃で12時間撹拌した後、オートクレーブを開放した。得られた反応液を濾過し、揮発分を留去することで目的とするペルフルオロポリエーテルメチルエステル含有物を得た。
得られたペルフルオロポリエーテルメチルエステル含有物を19F−NMRで分析した。その結果、ペルオキシ結合に隣接するフッ素置換基のシグナルが観測され、反応の転化率は28.9%であった。
本発明は、ペルフルオロポリエーテル化合物の製造において好適に用いることができる。

Claims (13)

  1. 遷移金属触媒存在下、水素を用いてペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元する方法であって、オルトエステルの存在下で行われることを特徴とする方法。
  2. オルトエステルが、オルトギ酸トリアルキルである、請求項に記載の方法。
  3. オルトギ酸トリアルキルが、オルトギ酸トリメチルである、請求項に記載の方法。
  4. ペルオキシペルフルオロポリエーテル化合物が、下記の構造(IV):
    −(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−(C−O−O)−(C−O−O)−(C−O−O)−(CF−O−O)
    [式中:
    a、b、c、d、p、q、rおよびsは、それぞれ独立して0または1以上の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、p、q、rおよびsの和は少なくとも1であり、
    添字a、b、c、d、p、q、rまたはsを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意である。]
    を含むことを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 遷移金属が、Pd、Pt、Rh、Ruおよびそれらの混合物から選択される、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  6. 遷移金属触媒の使用量が、ペルオキシペルフルオロポリエーテルに対して、0.1〜10.0質量%の範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  7. 遷移金属触媒の使用量が、ペルオキシペルフルオロポリエーテルに対して、1.0〜10.0質量%の範囲である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 還元反応の温度が、15〜200℃である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 還元反応の温度が、50〜150℃である、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の方法によりペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することを含む、ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルの製造方法。
  11. ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルが、下記式(I):
    X’−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−Y’
    [式中:
    a、b、cおよびdは、それぞれ独立して0または1以上の整数であって、a、b、cおよびdの和は少なくとも1であり、添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    X’は、−Rであり、
    は、−F、−COOR、−CF3−mClであり、
    mは1〜3の整数であり、
    Y’は、−(CF−COORであり、
    nは、0〜3の整数であり、
    は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。]
    で表される化合物であることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. ペルフルオロポリエーテルアルキルエステルが、下記式(I’):
    X’−(CO)−(CO)−(CO)−(CFO)−Y’
    [式中:
    aおよびbは、それぞれ独立して0以上30以下であり、
    cおよびdは、それぞれ独立して1以上200以下であり、
    添字a、b、cまたはdを付して括弧でくくられた各繰り返し単位の存在順序は式中において任意であり、
    X’は、−Rであり、
    は、−F、−COOR、−CF3−mClであり、
    mは1〜3の整数であり、
    Y’は、−(CF−COORであり、
    nは、0〜3の整数であり、
    は、それぞれ独立して、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である。]
    で表される化合物であることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
  13. 請求項1〜のいずれかに記載の方法により、ペルオキシペルフルオロポリエーテルを還元することを含む、HCF−基を末端に有するフルオロポリエーテルアシルフロライドを、フルオロポリエーテルアシルフロライド全体に対して、5.00〜30.00mol%含む、フルオロポリエーテルアシルフロライド含有組成物の製造方法。
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