JP5520089B2 - エーテルカルボキシレートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、エーテルカルボキシレートの製造方法に関する。
エーテルカルボキシレートは、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどの末端をカルボン酸で置換した化合物であり、化粧品、乳化剤、可溶化剤、分散剤、ゲル化剤、洗浄基剤等に使用することができる界面活性剤として知られている。エーテルカルボキシレートは、pHを変化させることによりその性質を調整することができる。耐硬水性に優れ、水溶液はアルミニウム等の各種多価金属イオンに対して安定であり、皮膚に対する作用が穏和であるため、各種用途での応用が期待される。
エーテルカルボキシレートの製造方法は種々知られているが、その一つに、貴金属触媒の存在下でポリオキシアルキレンアルキルエーテルを接触酸化させる方法がある。特許文献1には、特定のアルコキシアルカノールを、パラジウム触媒の存在下、酸化剤である過酸化水素と反応させる方法が記載されている。特許文献2には、特定のポリオキシエチレンアルキルエーテルを、特定の貴金属触媒の存在下、特定の条件で酸化させる方法が記載されている。特許文献3には、ヒドロキシ化合物又はアルデヒド化合物を酸化してカルボキシル化合物又はケトン化合物を製造する際に用いる、特定の3成分を含有する酸化反応用触媒組成物が記載されている。
特開昭56−169644号公報 特開昭62−198641号公報 特開昭62−269746号公報
一般に、貴金属触媒の存在下でポリオキシアルキレンアルキルエーテルを接触酸化させる方法では、特に反応初期の反応速度が遅く、ある程度の転化率(例えば60%程度)を得るために比較的長時間を要する。
また、貴金属触媒は高価であるため、工業的規模の製造方法においては、できるだけ使用量を低減することが望ましいが、使用量を低減した場合には、同じ転化率を得るための反応時間はより長くなり、生産効率は低下する。
本発明の課題は、反応時間を短縮できるエーテルカルボキシレートの製造方法を提供することである。
本発明は、末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルと貴金属触媒とアルカリ物質とを含有する液相に、酸素を供給して前記ポリオキシアルキレンエーテルを接触酸化させてカルボン酸を製造する、エーテルカルボキシレートの製造方法であって、液相中の溶存酸素量を0〜1ppmにした後、酸素の供給を開始する、エーテルカルボキシレートの製造方法に関する。
本発明によれば、反応時間を短縮できるエーテルカルボキシレートの製造方法が提供される。本発明の製造方法は、触媒の使用量を低減した場合でも、短時間で所定の転化率を達成できるため、工業的に極めて有利な方法となる。
本発明に用いられる末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基の他に、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基等を含むが、以下、便宜上「末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテル」を「ポリオキシアルキレンアルキルエーテル」と言う。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
RO−(AO)n−H (I)
〔式中、Rは炭素数1〜36の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、nはAOの平均付加モル数であり、0.1〜100の数である。〕
式中の構造は、目的とするカルボン酸の性能、用途等に応じて適宜決定できる。一般式(I)において、Rは、炭素数が1〜36の炭化水素基であるが、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜22の炭化水素基である。Rの炭化水素基としては、飽和又は不飽和の直鎖状、分岐状又は環状構造を有する脂肪族炭化水素基が挙げられ、直鎖又は分岐鎖のアルキル基、またはアルケニル基が好ましい。
このRの直鎖状若しくは分岐状のアルキル基としては、各種のメチル基、エチル基、プロピル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられ、直鎖状若しくは分岐状のアルケニル基としては、各種のビニル基、プロペニル基、テトラニル基、ペンタニル基、ヘキセニル基、ヘプタニル基、オクテニル基、ノネル基、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセネル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセネルル基、オクタデセニル基、ノナデセネルル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基等が挙げられる。また、環状構造を有する脂肪族炭化水素基としては、シクロオクチル基、シクロデシル基、シクロドデシル基、シクロオクテニル基、シクロデセニル基、シクロドデセニル基、2−(シクロヘキシル)エチル基、3−(シクロヘキシル)プロピル基、2−(シクロヘキセニル)エチル基、3−(シクロヘキセニル)プロピル基等が挙げられる。
一般式(I)中、AOで表される炭素数2〜4のアルキレンオキシ基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基が挙げられるが、炭素数2〜3のアルキレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基、又はエチレンオキシ基とプロピレンオキシ基(プロパン−1,2−ジイルオキシ基)の混合物が更に好ましい。また、接触酸化反応にてカルボン酸とするために、末端水酸基は1級であることが好ましい。更に、Rからみた末端に位置するAO基はエチレンオキシ基であることが好ましい。また、アルキレンオキシ基の平均付加モル数は、起泡性や使用感の観点から、0.1〜50が好ましく、0.1〜20が更に好ましく、0.1〜10が特に好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして、一般式(I)で表される化合物を用いた場合、本発明の製造方法で得られるエーテルカルボキシレートの構造は、下記一般式(II)で表すことができる。
{RO−(AO)n-1−A’−COO}mM (II)
〔式中、R、AO、nは、一般式(I)と同じ意味を表し、A’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは陽イオンであり、mはMの価数である。〕
一般式(II)におけるR、AO及びnの好ましい様態は、一般式(I)におけるものと同じである。陽イオンであるMとしては、水素イオン、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンなどが挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなどが挙げられる。アルカリ土類金属イオンとしては、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどが挙げられる。A’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、一般式(I)の末端−AO−が酸化して−A’−COO−の構造となることから、A’の炭素数は一般式(I)のおける末端−AO−の炭素数から1つ少ないものとなる。
製造時の混合物の粘度の観点から、Mは水素イオン、またはアルカリ金属イオンであることが好ましく、製造工程の簡便さからアルカリ金属イオンであることがより好ましい。アルカリ金属イオンの内、製造コストの観点から、Mはナトリウムイオンまたはカリウムイオンであることが好ましい。
なかでも、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとして、一般式(I)で表される化合物であって、AOが炭素数2のアルキレンオキシ基(エチレンオキシ基)である化合物を用いた場合、本発明の製造方法で得られるエーテルカルボキシレートの構造は、下記一般式(II−1)で表すことができる。
{RO−(CH2CH2O)n-1−CH2−COO}mM (II−1)
〔式中、R、nは、一般式(I)と同じ意味を表し、Mは陽イオンであり、mはMの価数である。〕
接触酸化反応開始時の液相中のポリオキシアルキレンアルキルエーテルの濃度は、1〜100重量%、更に5〜80重量%が好ましく、10〜40重量%が特に好ましい。
本発明に用いられる貴金属触媒は、白金族元素から選ばれる1種以上の元素を含有することが好ましい。具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金からなる群から選ばれる1種以上の元素を含有することが好ましく、パラジウム及び白金からなる群から選ばれる1種以上の元素を含有することがより好ましい。
また、貴金属触媒が、白金族元素から選ばれる1種以上の元素(以下、触媒第1成分という)を含有する場合、更に、触媒成分として、スズ、ビスマス、セレン、テルル及びアンチモンからなる群から選ばれる1種以上の元素(以下、触媒第2成分という)を含有することが好ましい。
更に、貴金属触媒が、触媒第1成分及び触媒第2成分を含有する場合、更に、触媒成分として、希土類元素から選ばれる1種以上の元素(以下、触媒第3成分という)を含有することができる。
触媒第1成分と触媒第2成分の比率は、モル比で、触媒第2成分/触媒第1成分=0.001〜10、更に0.005〜7、更に0.01〜6が好ましい。また、触媒第1成分と触媒第3成分の比率は、モル比で、触媒第3成分/触媒第1成分=0.01〜5が好ましい。
貴金属触媒は、担体に担持させた担持触媒であることが好ましい。担体は無機担体が好ましく、例えば、活性炭、アルミナ、シリカゲル、活性白土、珪藻土等が挙げられる。なかでも活性炭が好ましい。触媒第1成分の担持量は、担持触媒全体の0.1〜20重量%、更に1〜15重量%、更に2〜13重量%であることが好ましい。触媒第1成分として複数の元素を用いる場合は、それらの量の合計が、前記担持量の範囲になることが好ましい。触媒第2成分の担持量は、担持触媒全体の0.001〜20重量%、更に0.01〜15重量%、更に0.05〜10重量%であることが好ましい。触媒第3成分の担持量は、担持触媒全体の0.01〜20重量%、更に0.05〜15重量%、更に0.1〜5重量%が好ましい。触媒第2成分、第3成分についても、それぞれ複数の元素を用いる場合は、それらの合計が、それぞれ、触媒第2成分の担時量の好ましい範囲、触媒第3成分の好ましい範囲であることが好ましい。
本発明に用いられる貴金属触媒は、特開昭62−269746号公報4ページ第1カラムに記載の方法等、公知の方法で製造することができる。例えば、触媒第1成分の元素を含む化合物(塩化パラジウム、塩化白金酸等)の水溶液、触媒第2成分の元素を含む化合物(塩化ビスマス、五塩化アンチモン等)の水溶液、必要に応じて触媒第3成分の元素を含む化合物(塩化セリウム、塩化ランタン等)の水溶液を一括又は分割で、水中で、活性炭等の担体に吸着させた後、触媒成分の還元処理を行う方法で製造できる。
貴金属触媒は、貴金属触媒中の触媒第1成分の量がポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して0.001〜2.0重量%となる様用いることが好ましく、0.01〜1.5重量%となる様用いることがより好ましく、0.02〜1.3重量%となる様用いることが特に好ましい。触媒第1成分として複数の元素を用いる場合は、それらの量の合計が、前記使用量の範囲になることが好ましい。
また、貴金属触媒が、触媒第1成分、触媒第2成分を含む場合、触媒第1成分と触媒第2成分との合計が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して0.001〜4重量%、更に0.01〜3重量%であることが好ましい。
貴金属触媒が、触媒第1成分、触媒第2成分及び触媒第3成分を含む場合、触媒第1成分、触媒第2成分と触媒第3成分の量の合計が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して0.001〜6重量%、更に0.01〜4重量%であることが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの接触酸化は、アルカリ物質を含有する液相で行われる。アルカリ物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩及び炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属水酸化物が好ましい。液相は水を含むことが好ましく、アルカリ物質は、反応速度及び生成するエーテルカルボキシレートの色相の観点から、液相のpHが7.5以上、好ましくはpH8〜11となるような量で用いることが好ましい。接触酸化反応の進行と共に反応系のpHが低下するため、反応開始前に必要量のアルカリを一括添加しても良いが、上記好ましいpH範囲を維持しながらアルカリを連続又は断続的に仕込み、接触酸化反応を進行させることが好ましい。接触酸化反応においては、生成物であるエーテルカルボキシレートがアルカリを消費するため、反応を上記好ましいpH範囲の中で実施するためには、アルカリの使用量は、原料として用いる末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルに対して当量以上あることが好ましい。アルカリの使用量が生成したエーテルカルボキシレートに対し、当量未満の量であった場合、生成したエーテルカルボキシレートの一部は、一般式(II)におけるMが水素イオンである酸型で存在する。
本発明の製造方法においては、特に溶媒は必要ないが、系の粘度を低減し、攪拌効率を改善する目的で溶媒を用いることができる。溶媒としては、水が好ましく、有機溶媒を使用することもできる。本発明の製造方法においては水が生成するため、水の濃度は反応の進行と共に変化するが、接触酸化反応開始時において液相中の水の濃度は、通常0〜99重量%であり、20〜95重量%が好ましく、更に60〜90重量%が好ましい。
本発明では、液相中の溶存酸素量を0〜1ppmにした後、酸素の供給を開始する。この場合、酸素の供給とは、実質的にポリオキシアルキレンアルキルエーテルの接触酸化を開始するために、液相が所定の反応温度(反応設定温度)に達した後に、最初に供給するものいう。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの接触酸化を開始するために最初に酸素を供給した後も、反応を継続して進行させるために液相への酸素の供給を継続的に行う。本発明では、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの接触酸化を開始するために液相に酸素を供給する前に、液相中の溶存酸素量を0〜1ppmにするものである。
一般に、原料であるポリオキシアルキレンアルキルエーテル中には、1ppmを越える溶存酸素が存在する。よって酸素の供給を開始する前に液相中の溶存酸素量を0〜1ppmにするためには、溶存酸素量を低減する必要がある。その方法としては、下記の方法が挙げられ、操作性、安全性の観点から(1)の方法が好ましい。
(1)液相中に不活性ガスを流通させる。ここで、不活性ガスとは、本発明の接触酸化に影響を与えないガスであり、ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素等やメタン、エタン、プロパン等の炭化水素等が挙げられ、窒素ガス又は窒素ガスを含む混合ガスが好ましい。
(2)酸素と反応する添加剤、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、水素等を液相に添加する。
上記(1)の液相中に、本発明における不活性ガスを流通させることによる溶存酸素量の低減は、減圧下に行なうこともでき、また、減圧と液相への不活性ガスの導入とを交互に行なって、溶存酸素量の低減を行なうこともできる。この場合、該不活性ガスの導入時、常圧を越える圧力になるまで該不活性ガスを導入することで、より効率的に溶存酸素を低減できる。また、液相を所定の反応温度(反応設定温度)に到達させるために昇温する場合、液相の昇温下に、本発明における不活性ガスの流通、又は減圧と液相への不活性ガスの導入の繰り返しによる溶存酸素量の低減を行うことができる。
酸素の供給を開始する前の液相中の溶存酸素量が0〜1ppmの範囲であれば反応初期においても速やかに反応は進行し、反応時間を短縮することができる。この観点から0〜0.8ppmが好ましく、更に0〜0.5ppmが好ましい。
本発明では、液相への酸素の供給は、液相中の溶存酸素量が前記範囲となった後に行う。液相への酸素の供給は、液相への酸素ガスもしくは酸素含有混合ガス(空気等)の吹き込みによって行うことができる。酸素含有混合ガスを用いる場合、併用するガスの具体例としては、本発明の不活性ガスとして挙げたものと同じである。また吹き込まれるガス中の酸素濃度は、10体積%以上が好ましく、20体積%以上がより好ましいが、特に酸素単独で吹き込むことが好ましい。
本発明においては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの接触酸化を行う際の反応温度は30〜100℃、更に40〜90℃が好ましく、より好ましくは50〜80℃であり、反応圧力は常圧でも良いが、通常0.03〜0.5MPa(ゲージ圧力。以下単に「G」とも言う)、好ましくは0.05〜0.4MPa(G)、より好ましくは0.07〜0.3MPa(G)である。
本発明においては、液相を撹拌しながらポリオキシアルキレンアルキルエーテルの接触酸化を行うことが好ましい。液相の撹拌は、例えば三枚後退翼、フルゾーン翼、タービン翼、マックスブレンド翼等の攪拌翼を備えた攪拌機により行うことができる。
本発明では、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルカリ物質、液相、貴金属触媒は、一括もしくは分割で、また、連続的もしくは断続的に、反応容器に仕込むことができる。
反応終了後、液相からろ過等の方法で触媒を除去する。触媒を除いた液相には、エーテルカルボキシレートがアルカリ物質との塩の形で溶解しているので、必要であればpH調整をした後、そのまま界面活性剤溶液として使用するか、或いは、塩酸等の鉱酸で酸型化して、遊離のエーテルカルボキシレートを得ることもできるし、更にアルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、またはアンモニアや低級アルカノールアミンなどで中和して、所望のエーテルカルボキシレートの塩を得る事ができる。
以下において、特に断りの無い限り「%」は重量%を示す。また、反応混合物中のポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム含量は、以下の条件でガスクロマトグラフィ(GC)により測定した。
(GC条件)
GC機器;アジレントテクノロジー社製 6850シリーズII
カラム;アジレントテクノロジー社製 HP−ULTRA1(25m)
検出器;FID
キャリア;ヘリウムガス、1mL/min
昇温;100℃から300℃まで10℃/minで昇温。その後120分間300℃を保持
実施例1
攪拌翼(三日月型)、酸素ガス導入管、溶存酸素測定計((株)堀場製作所 OM-51)及び温度計を取り付けた反応装置に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(一般式(I)において、R=ラウリル基、AO=エチレンオキシ基、n=6の化合物)90.3g(0.2モル)、48%水酸化ナトリウム水溶液16.7g(水酸化ナトリウムとして0.2モル)、パラジウム−白金−ビスマス系触媒(活性炭にパラジウム4%、白金1%及びビスマス5%を担持、含水率50%)0.9g、水494.4gをそれぞれ仕込んだ。液相を350rpmで撹拌し、反応液(液相)の温度が30分で70℃に達するように昇温した。その際、窒素ガスを20ml/分の割合で液相中を流通させた。70℃に達した時点での液相中の溶存酸素量は0ppmであった。次いで酸素を27モル%(対ポリオキシエチレンアルキルエーテル/時間)の割合で吹き込み、70℃で5時間接触酸化反応を行った。
反応終了後、反応液から触媒を濾別し、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム(一般式(II)においてR=ラウリル基、AO=エチレンオキシ基、n=6、A’=メチレン基、M=ナトリウムイオンの化合物)の水溶液を得た。本実施例の反応条件等について表1にまとめた。表1では、前記ポリオキシエチレンラウリルエーテルを「AE」と表記した。
比較例1
反応液(液相)の昇温中の窒素ガスの流通を行わなかった点、及び接触酸化反応を7時間行った点を除き、実施例1と同様にして、実施例1と同じ構造のポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウムの水溶液を得た。70℃に達した時点での液相中の溶存酸素量は3ppmであった。
Figure 0005520089

Claims (9)

  1. 末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルと貴金属触媒とアルカリ物質とを含有する液相に、酸素を供給して前記末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルを接触酸化させてエーテルカルボキシレートを製造する方法であって、液相中の溶存酸素量を0〜1ppmにした後、酸素の供給を開始する、エーテルカルボキシレートの製造方法。
  2. 酸素の供給を開始する前に、液相中に不活性ガスを流通して溶存酸素量を0〜1ppmにする、請求項1記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
  3. 液相の昇温下に不活性ガスを液相中に流通させる、請求項2記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
  4. 末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルが、下記一般式(I)で表される化合物であり、エーテルカルボキシレートが一般式(II)で表される化合物である、請求項1〜3の何れか1項記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
    RO−(AO)n−H (I)
    〔式中、Rは炭素数1〜36の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、nはAOの平均付加モル数であり、0.1〜100の数である。〕
    {RO−(AO)n-1−A’−COO}mM (II)
    〔式中、R、AO、nは、一般式(I)と同じ意味を表し、A’は炭素数1〜3のアルキレン基であり、Mは陽イオンであり、mはMの価数である。〕
  5. 貴金属触媒が、白金族元素から選ばれる1種以上の元素を含有する、請求項1〜4の何れか1項記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
  6. 貴金属触媒中の白金族元素から選ばれる1種以上の元素の量が、末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルに対して0.001〜2.0%(重量比)になる量貴金属触媒を用いる、請求項1〜5の何れか1項記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
  7. アルカリ物質が、アルカリ金属水酸化物、及びアルカリ金属炭酸塩から選ばれる化合物である、請求項1〜6の何れか1項記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
  8. 末端に炭化水素基を有するポリオキシアルキレンエーテルの接触酸化を30〜100℃で行う、請求項1〜7の何れか1項記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
  9. 液相が水を含む、請求項1〜8の何れか1項記載のエーテルカルボキシレートの製造方法。
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