JP6199197B2 - ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法 - Google Patents

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本発明は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法に関する。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの末端にカルボキシル基を有する化合物であり、化粧品、乳化剤、可溶化剤、分散剤、ゲル化剤、洗浄基剤等に有用な界面活性剤として知られている。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩は、pHを変化させることによりその性質を調整することができる。また、耐硬水性に優れ、その水溶液はアルミニウム等の各種多価金属イオンに対して安定であり、皮膚に対する作用が穏和であり、酵素阻害性も少ないため、各種用途に応用できる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法として、貴金属触媒の存在下でポリオキシアルキレンアルキルエーテルを酸素酸化させる方法が知られている。
特許文献1には、白金及び/又はパラジウムを触媒第一触媒成分とし、セレン、テルル、アンチモン、スズ、ビスマス及び鉛からなる群から選ばれる一種以上を触媒第二成分として含有する触媒を用い、ポリオキシエチレンアルキルエーテルの酸素酸化を行うポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法が開示されている。特許文献1には、触媒の担体として活性炭を用いる例が開示されているが、触媒または担体の細孔容量に関する記載はない。
特許文献2には、特定の撹拌条件で反応を行うことで、高収率・高選択率でポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸を得ることが開示されている。そこでは、Pd/Pt/Biが各々4/1/5質量%担持された活性炭を触媒として用いているが、細孔容量に関してはやはり記載がない。
特許文献3には、白金及びパラジウムを活性炭に担持した触媒を用いた、ポリエチレングリコールの酸素酸化によるポリエチレングリコール酸の製造方法が開示されている。特許文献3では、触媒担体としては1.0〜1.6cc/gの細孔容量のものがよいとされている。ポリエチレングリコールの分子量が大きい場合にエーテル酸素が触媒に配位して酸化分解するとの記載と併せ考えると、細孔容量の大きい触媒担体を使用するとエーテルの酸化分解反応が促進される恐れがあると言える。
非特許文献1によれば、通常の活性炭の細孔容量は0.5〜2.0ml/g程度である。
特開昭62−198641号公報 特開2012−149047号公報 特開昭53−141219号公報
活性炭工業、北川睦夫他著、重化学工業通信社、1974年、P44
貴金属触媒の存在下でポリオキシアルキレンアルキルエーテルを酸素酸化させる方法は、比較的多量の触媒を必要とするため、経済的に不利であり、より少量で反応できる触媒が求められる。特に反応の後半において速度が頭打ちになる場合があり、その改善が求められる。
すなわち、本発明の課題は、少量の触媒でポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩を高反応率で得る方法を提供することにある。
本発明は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを白金、パラジウム、ルテニウム及びロジウムから選ばれる1種以上の貴金属を活性炭に担持した固体触媒の存在下、酸素含有ガスで接触酸化するポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法であって、前記固体触媒の細孔容積が1.8mL/g以上3.0mL/g以下である、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法である。
本発明によれば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩を、効率良く製造できる。また、本発明の方法によれば、反応後の触媒除去工程における濾過速度が向上する。
<ポリオキシアルキレンアルキルエーテル>
本発明に用いられるポリオキシアルキレンアルキルエーテルは、下記一般式(I)で表される化合物が好ましい。
RO−(AO)n−H (I)
〔式中、Rは炭素数4〜30の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、nはAOの平均付加モル数であり、0.1〜100の数である。〕
式中の構造は、目的とするカルボン酸の性能、用途等に応じて適宜決定できる。Rの炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基が挙げられる。また、Rは直鎖でも分岐鎖でもよく、1級、2級でもよい。洗浄基剤としての性能の観点からは、Rの炭素数は8以上が好ましく、10以上がより好ましく、12以上が更に好ましく、また22以下が好ましく、18以下がより好ましく、14以下が更に好ましい。原料としての汎用性や経済性の観点からは、AOは炭素数2のエチレンオキシ基が好ましく、全AOのうち80モル%以上がエチレンオキシ基であることが好ましい。反応液中における流動性の観点からは、nは1以上が好ましく、2以上がより好ましく、2.5以上が更に好ましく、また20以下が好ましく、10以下がより好ましく、6以下が更に好ましい。
<活性炭>
活性炭は、金属成分の分散性を高めて反応活性を向上させる触媒担体であるが、反応基質の相互作用により、反応基質を触媒に引きつけ、酸化反応を促進する作用機能も有すると考えられる。活性炭は、公知のものを使用することができる。活性炭の原料としては、例えば、木材、鋸屑、木炭、素灰、ヤシ殻、及びくるみ殻等の果実殻、桃、及び梅等の果実種子、パルプ製造副生物、リグニン廃液、製糖廃物、廃糖蜜等の植物系原料;泥炭、草炭、亜炭、褐炭、瀝青炭、無煙炭、コークス、コールタール、石炭ピッチ、石油蒸留残留物、石油ピッチ等の鉱物系原料;海藻、レーヨン等の天然素材、フェノール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂等の合成素材等が挙げられる。これらの中でも、経済性、及び活性炭の構造制御の観点から、木材、鋸屑、木材乾留物、木炭が好ましい。
活性炭の賦活方法としては、特に限定されないが、例えば、水蒸気、炭酸ガス、燃焼ガス、空気等を利用したガス賦活法や、塩化亜鉛、リン酸、炭酸カリウム、塩化カルシウム等を用いた薬品賦活方法が挙げられる。活性炭の形態は特に制限されず、粉末状、粒状、繊維状、円柱状、ハニカム状等が挙げられるが、触媒調製時の作業性、及び反応溶液中における分散性の観点から、粉末状、粒状が好ましく、粉末状がより好ましい。
<固体触媒>
本発明で用いられる固体触媒は、白金、パラジウム、ルテニウム及びロジウムから選ばれる1種以上の貴金属(以下触媒第一成分とも言う)を活性炭に担持した活性炭担持金属触媒である。
担持される貴金属としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の収率と経済性の観点から、白金又はパラジウムを含有するものが好ましく、白金及びパラジウムを含有する物がより好ましい。担持される貴金属が白金及びパラジウムを含有する場合は、両者の比(Pt:Pd)はポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の収率と経済性の観点から、1:20〜20:1が好ましく、1:10〜10:1がより好ましく、1:5〜5:1が更に好ましく、1:5〜1:3が更により好ましい。
本発明で用いられる固体触媒は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の収率と、触媒の耐久性向上の観点から、さらにセレン、テルル、アンチモン、スズ、ビスマス及び鉛からなる群から選ばれる一種以上を触媒第二成分として含有することが好ましい。
触媒第二成分を用いる場合の、触媒第一成分と第二成分との比(触媒第二成分/触媒第一成分)は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の収率と、触媒の耐久性向上の観点から、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.5以上、より更に好ましくは1以上であり、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下、より更に好ましくは2以下である。
(金属の担持量)
本発明で用いられる固体触媒における、上記した貴金属を含む金属の担持量は、固体触媒固形分全体量に対して0.5質量%以上、25質量%以下である。担持量は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の収率向上と経済性を両立させる観点から、固体触媒固形分全体量に対して、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは3質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下である。
<固体触媒の調製方法>
本発明で用いられる活性炭担持金属触媒は、特開昭62−269746号公報等の公知の方法により調製することができる。例えば、貴金属の前駆体、必要に応じて他の金属成分の前駆体を活性炭に吸着させた後、還元処理を行う方法で製造できる。金属成分の前駆体としては、例えば、金属の塩化物、フッ化物、臭化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上を任意の割合で混合して用いることができる。例えば、白金の前駆体としては、塩化白金、臭化白金、ヘキサクロロ白金酸、亜硫酸白金、塩化テトラアンミン白金、水酸化テトラアンミン白金、硝酸テトラアンミン白金、ジニトロジアミン白金等が挙げられるが、白金の分散性及び経済性の観点から、ヘキサクロロ白金酸、塩化テトラアンミン白金が好ましい。
金属成分を活性炭に吸着させる方法としては、例えば、(i)金属成分の前駆体溶液に、活性炭を懸濁させた後、溶媒を留去する含浸法、(ii)前記前駆体溶液を沈殿剤と接触させて炭酸塩等の沈殿を生成させる沈殿法、(iii)活性炭の酸点や塩基点に金属イオンをイオン交換するイオン交換法、(iv)減圧状態で前記前駆体溶液を噴霧含浸するスプレー法、(v)活性炭を排気した後、前記前駆体溶液を少量ずつ加え、活性炭の細孔容積と同容積分を含浸するIncipient Wetness法等を用いることができる。これらの中でも、金属成分の分散性及び作業性の観点から、含浸法、沈殿法、イオン交換法が好ましく、含浸法、沈殿法がより好ましい。活性炭に複数の金属成分を担持する場合の担持順序については特に制限がなく、金属成分を同時に担持しても、各成分を個別に担持してもよい。
(還元処理)
上記の方法により活性炭に金属成分を担持した後、定法に従って還元処理して固体触媒を得ることができる。還元処理方法としては液相法、気相法のいずれも用いうるが、高反応性の触媒を得る観点から、液相還元法が好ましい。液相還元法に用いる還元剤としては、水素、ホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン等が挙げられる。液相反応の溶媒としては水が好ましく、その他の水と混和する溶媒を併用してもよい。還元温度としては室温〜100℃が好ましく、60〜90℃がより好ましい。
(触媒の細孔容積)
触媒の細孔容積は、金属成分の分散性を高めて、反応速度及び収率を向上させる観点、及び触媒耐久性を向上させる観点から、1.8mL/g以上であり、2.0mL/g以上が好ましく、2.2mL/g以上が更に好ましく、そして、3.0mL/g以下であり、2.8mL/g以下が好ましく、2.6mL/g以下が更に好ましい。細孔容積は、例えば活性炭焼成時の温度、圧力、周囲ガスによって調整することが可能であり、また、さらに水蒸気や塩化亜鉛等を用いて賦活化することにより、上記の好ましいものを得ることができる。細孔容積は、水銀圧入法により求めることができる。
<酸化反応>
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの酸素酸化は、反応器中の液相部で行われる。液相部は水を含むことが好ましい。液相部となる液体としては、水以外に、有機溶媒を含むこともできる。かかる有機溶媒としてはメタノール、エタノールイソプロピルアルコール等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類が挙げられる。水は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して、2〜100質量倍の量で用いるのが好ましく、3〜100質量倍の量で用いるのがより好ましい。
酸化反応は反応収率の観点から、アルカリ物質存在下に行うことが好ましい。かかるアルカリ物質の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。なかでも、アルカリ金属水酸化物が好ましい。アルカリ物質は、液相部のpHが10〜14となるような量で用いることが好ましい。
液相部の粘度は、反応率や温度によって変化し、かつ流体に与えるせん断速度を増加させると見かけ粘度が減少する擬塑性流体であるため、反応開始前の時点(酸素を供給する前の時点)での粘度が反応性すなわち反応終了時間に影響する。そのため、反応開始前の時点(酸素を供給する前の時点)で、粘度は1mPa・s以上、更に10mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上、また、上限値は10000mPa・s以下、更に5000mPa・s以下、より好ましくは1000mPa・s以下である。
<触媒の使用量>
本発明の製造方法に用いる固体触媒固形分の使用量は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して0.1質量%以上20質量%以下が好ましい。固体触媒固形分の使用量は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の収率向上と経済性を両立させる観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル質量に対して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは4質量%以下、より更に好ましくは3質量%以下である。
本発明においては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの酸素酸化を行う際の反応温度は、反応収率の観点から、20〜100℃、更に40〜90℃、更に50〜80℃が好ましい。また、反応圧力は、酸素の反応液への溶解度を高める観点及び装置の耐圧性の観点から、ゲージ圧力として0(標準気圧)〜1.0MPa、更に0(標準気圧)〜0.5MPa、より更に0(標準気圧)〜0.3MPaが好ましい。
本発明では、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、アルカリ物質、液相部、固体触媒は、それぞれ、連続的もしくは断続的に、攪拌槽型反応器に仕込むことができる。アルカリ物質は一般に水溶液として使用できるが、この仕込み方法としては、液相部のpHが所定の値を維持するよう、連続的又は断続的に仕込んでもよい。
本発明において、反応を速やかに進行させる為に、反応原料にポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩を予め仕込んでおくことができる。すなわち、本発明では、液相部にポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩を供給しておくことが好ましく、酸素を供給する前に、液相部にポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩を供給しておくことが好ましい。例えば、所定の攪拌槽型反応器に、固体触媒、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、及び、アルカリ物質を仕込んで液相部を調製し、該液相部に酸素を供給して前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを酸素酸化させてポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸及び/又はその塩を製造することができる。反応原料と共に液相部に仕込むポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩は、目的物を純度良く得る観点から、反応原料であるポリオキシアルキレンアルキルエーテルの酸化により得られるポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸の塩と同じ構造(アルキル基の種類、アルキレンオキサイドの種類及び平均付加モル数、塩の種類等)であるものが好ましい。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩供給量は、生成物の色相、反応速度等の観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の量として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して0.2質量倍以上、更に0.3質量倍以上、更に0.6質量倍以上であることが好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩を効率良く製造できる観点から、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の量として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して2.0質量倍以下、更に1.0質量倍以下、更に0.7質量倍以下であることが好ましい。
反応後、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸を含有する液相部には、固体触媒が含まれているので、該液相部からろ過等の方法で固体触媒を除去する。固体触媒を除いた液相部には、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸が塩の形で溶解しているので、pH調整をした後、そのまま界面活性剤溶液として使用するか、或いは、塩酸等の鉱酸で酸分解して抽出工程を経て、遊離のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸を得ることができる。
<細孔容積の測定>
細孔容積の測定はAutopore IV 9500(株式会社島津製作所社製)を用いて水銀圧入法で行った。
<濾過抵抗>
各個体触媒を固形分が1質量%になるように、ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル酢酸ナトリウムの20質量%水溶液に添加し、ホモミキサーを用いて8000rpmにて15分間分散させた。得られた懸濁液を、内径27mm、全長1000mm、ろ過面積573m2の加圧ろ過器に入れ、70℃、0.3MPa-Gでろ過した。このときの濾過面積をA(m)、t秒後の濾液量をV(m)とし、(V/A)に対し、t/(V/A)をプロットし(Ruthプロット)、直線領域の傾きから、濾過抵抗を求めた。この値が小さいほど、濾過性が良いことを示す。
実施例1
1L耐圧反応容器にポリオキシエチレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均付加モル数4)56.81g、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム塩水溶液180.00g(ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸水溶液中のポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム塩の濃度は21.7質量%)、48%水酸化ナトリウム水溶液12.84g、イオン交換水190.73g、担体の活性炭にPd(含有量4質量%)、Pt(含有量1質量%)、Bi(含有量5質量%)を担持した粉状の貴金属担持触媒(エボニックデグサ社製、固形分率41.7質量%、全細孔容積2.36mL/g、木質炭)2.16g(ポリオキシエチレンラウリルエーテルに対して1.6質量%)を仕込み、200rpmで撹拌させながら60℃まで昇温させた。内容物が60℃に到達した時点から窒素ガスを10mL/minで15分間供給し、その後、窒素ガスの供給を止めて、酸素ガスを用いて反応容器を0.1MPa-Gまで加圧した。反応容器内圧力が0.1MPa-Gに到達後、450rpmで撹拌させて反応を開始した。反応開始後、反応槽内圧力が0.1MPa-Gを維持できるように酸素ガスを供給し続けた。反応開始6時間後に酸素ガスの供給、撹拌を停止した。ろ過後の反応溶液をEPTON(METTLER TOLEDO社製)を用いて酸化物の濃度を測定し、反応率に換算したところ、86.4%であった。
実施例2〜3、比較例1
固体触媒を表1に示す細孔容積のものに変えた以外は実施例1と同様に反応を行い、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン酸塩を得た。
結果を表1に示す。
Figure 0006199197
参考例
比較例1で用いた触媒を用い、特許文献2の実施例1を追試した。結果を表2に示す。
Figure 0006199197
比較例1の触媒を用いて特許文献2の実施例1の手順を実行すると、反応率の経時変化はよく一致しており、特許文献2には細孔容量の記載はないが、比較例1の触媒と同様のものであったことが理解される。

Claims (6)

  1. ポリオキシアルキレンアルキルエーテルを白金、パラジウム、ルテニウム及びロジウムから選ばれる1種以上の貴金属を活性炭に担持した固体触媒の存在下、酸素含有ガスで接触酸化するポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法であって、
    前記固体触媒の細孔容積が1.8mL/g以上2.6mL/g以下である、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法。
  2. 前記貴金属を含む金属の担持量が、固体触媒固形分全体量に対して0.5質量%以上、25質量%以下である、請求項1に記載のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法。
  3. 前記固体触媒固形分の使用量が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに対して0.1質量%以上、20質量%以下である、請求項1又は2に記載のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法。
  4. ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの構造が、RO−(AO)−OHで表され、Rが炭素数4〜30の飽和、あるいは不飽和の炭化水素基、AOは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基、nはAOの平均付加モル数であり、0.1〜100の数である、請求項1〜3のいずれか1項記載のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法。
  5. 前記固体触媒の細孔容積が2.36mL/g以下である、請求項1〜4のいずれか1項記載のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法。
  6. 前記固体触媒の細孔容積が2.0mL/g以上である、請求項1〜5のいずれか1項記載のポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩の製造方法。
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