JP2002020367A - ホモシスチンの精製方法 - Google Patents

ホモシスチンの精製方法

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JP2002020367A
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homocystine
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homocystin
acid
purifying
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Kenichi Sugimoto
賢一 杉本
Terumi Asahara
輝美 朝原
Yoshimitsu Tanaka
義光 田中
Naoki Noguchi
直樹 野口
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粗ホモシスチンから特に酸化不純物の減少し
た純度のよいホモシスチンを取得する方法を提供する。 【解決手段】 粗ホモシスチンのアルカリ性溶液に酸を
添加して中和し、ホモシスチンを晶析させるに際し、溶
液中の溶存酸素濃度を7mg/リットル以下に維持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホモシスチンのアル
カリ性溶液から、高純度のホモシスチンを晶析させる方
法に関するものである。特に本発明は粗ホモシスチンか
ら、酸化物の減少した精製されたホモシスチンを取得す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ホモシスチンの製造方法としては、メチ
オニンを硫酸中で脱メチル2量化する方法、メチオニン
をバーチ還元してホモシスティンとし、これを酸化2量
化する方法、メチオニンを硫酸及びハロゲン化水素と共
に加熱する方法、ホモシスティンの二ナトリウム塩を過
酸化水素で酸化するか又は重金属イオンの存在下に分子
状酸素により酸化する方法など、いくつかの方法が知ら
れている。また、これらの方法で得られた粗ホモシスチ
ンの精製法としては、粗ホモシスチンをアルカリ溶液に
溶解し、次いで酸で中和してホモシスチン結晶を晶析さ
せる方法が提案されている(特開平11−246517
号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このホモシスチンのア
ルカリ性溶液を中和してホモシスチンを晶析させる方法
は、有力な精製方法であるが、この方法により得られる
精製されたホモシスチンは、依然として種々の酸化不純
物を含んでいることが多い。従って本発明は酸化不純物
の含有量を著るしく低減させることのできるホモシスチ
ンの精製方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ホモシ
スチンのアルカリ性溶液を酸で中和してホモシスチンを
晶析させるに際し、液相中の溶存酸素濃度を7mg/リ
ットル以下に維持することにより、酸化不純物の含有量
の著るしく少ないホモシスチン結晶を取得することがで
きる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法により酸化不純物の含
有量の著るしく少ないホモシスチン結晶を取得するに
は、先ずホモシスチンのアルカリ性溶液を調製する。こ
の溶液は、メチオニンからホモシスチンを製造する過程
で得られるホモシスチン硫酸塩などの水溶液にアルカリ
を添加して調製することもできるが、粗ホモシスチンを
アルカリ溶液に溶解して調製するのが好ましい。アルカ
リ溶液としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の
水酸化物の水溶液でpH12以上のものを用いればよい
が、通常は水酸化ナトリウム水溶液を用いる。
【0006】溶解させる粗ホモシスチンはD−体、L−
体、DL−体のいずれであってもよい。また、粗ホモシ
スチン中には、通常は相当量のポリスルフィド類及びチ
オスルフィナートやチオスルホナート、スルフィニルス
ルホン、ジスルホンなどの、ホモシスチンの−S−S−
部分に酸素が反応して生成したと考えられる酸化不純物
が含有されているが、本発明方法によればこのような粗
ホモシスチンからも、これらの濃度が著るしく低減され
た生成されたホモシスチンを容易に取得することができ
る。従って本発明方法によれば、これらの酸化不純物を
1重量%以上含有する粗ホモシスチンも好適な原料とし
て用いることができる。
【0007】アルカリ溶液への粗ホモシスチンの溶解
は、溶解を促進するため撹拌下に行い、1時間以内に均
一透明な溶液が生成するようにするのが好ましい。溶液
中のホモシスチンの濃度は通常50g/リットル以上と
すべきであり、50〜300g/リットルとするのが好
ましい。生成したホモシスチンのアルカリ性溶液は、酸
で中和する前に0〜35℃で1〜8時間撹拌する精製処
理を行うのが好ましい。通常は0〜35℃のアルカリ水
溶液に粗ホモシスチンを溶解し、引続き0〜35℃で所
定時間撹拌する。これにより粗ホモシスチン中の酸化不
純物を還元して、後続する晶析工程でこれらがホモシス
チン結晶中に混入しないようにすることができる。この
精製処理の温度が高過ぎたり、時間が長過ぎると、ホモ
シスチンの収率が低下する。これはホモシスチンのS−
S結合が切断されて水溶性の化合物が生成するためと考
えられる。逆に温度が低過ぎたり、時間が短か過ぎる
と、酸化不純物が十分に還元されないおそれがある。
【0008】精製処理を経たホモシスチンのアルカリ性
溶液は、酸で中和してホモシスチンを晶析させるが、本
発明ではこの中和晶析を液相中の溶存酸素濃度を7mg
/リットル以下に維持しつつ行うことが必要である。液
相中の溶存酸素濃度は4mg/リットル以下が好まし
く、1mg/リットル以下であれば更に好ましい。この
ように溶存酸素濃度の低い溶液中からホモシスチンを晶
析させると、得られるホモシスチン結晶中の酸化不純物
の濃度が著るしく減少する。その理由の詳細は不明であ
るが、ホモシスチンは中和晶析の過程で溶存酸素と反応
して酸化不純物を生成するが、溶存酸素濃度が低いとこ
の酸化反応が進行し難いためと考えられる。
【0009】ホモシスチン溶液中の溶存酸素濃度を低下
させるには、溶液中に不活性ガスを吹き込めばよい。ま
た晶析装置の気相部に不活性ガスを導入してもよい。好
ましくは、溶存酸素濃度を低下させたアルカリ水溶液に
粗ホモシスチンを溶解し、引続き中和晶析が完了するま
で、溶液中又は晶析装置の気相部に不活性ガスを導入し
て、液相中の溶存酸素濃度を低く維持する。
【0010】中和晶析は塩酸、臭化水素酸などのハロゲ
ン化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸ガス、更には酢酸、クロ
ロ酢酸、蓚酸など任意の酸を用いて行うことができる
が、通常は塩酸を用いて行うのが好ましい。酸の添加に
より溶液のpHが11〜10まで低下すると晶析が始ま
って溶液が白濁するが、晶析を完了させるには引続き酸
を添加してpH8〜5まで中和する。中和晶析は20〜
40℃、特に20〜35℃で行うのが好ましい。低温で
晶析させると高いpH領域で晶析が始まり、生成する結
晶は細かい鱗片状となる。溶液の温度が高いほど低いp
Hになってから晶析が始まるようになり、かつ大きな球
状の凝集塊が形成されるようになる。しかし40℃を越
えると不純物の生成が多くなり、高純度の製品を得るの
が困難となる。高純度でかつ濾過性のよい凝集塊を生成
させる一つの方法は、低温で中和を開始し、溶液が白濁
してから液温を上昇させることである。すなわち少なく
とも晶析操作の後半を上記の温度範囲で行うと、濾過性
のよい凝集塊を生成させることができる。
【0011】中和晶析により得られたホモシスチン結晶
は、通常は鱗片状の1次粒子が平均粒径10μm程度の
球状の凝集体を形成しており、通常の濾過操作により容
易に濾過することができる。濾材としては、濾過漏れを
生じないように、平均孔径5μm以下のものを用いるの
が好ましい。濾取したホモシスチン結晶は、通常30〜
70重量%の水を含んでいる。ホモシスチンの分解温度
は270℃であるが、乾燥は150℃以下で行うのが好
ましい。100℃以下で減圧乾燥すると更に好ましい。
本発明方法によれば、酸化不純物の含有量が0.3重量
%以下のホモシスチンを容易に取得することができ、所
望ならば酸化不純物の含有量が0.1重量%以下のホモ
シスチンを取得することもできる。
【0012】
【実施例】以下に実施例により本発明を更に具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、測定は下記により行った。
【0013】ホモシスチンの分析:ダイセル化学(株)
製のパックドカラムCROWNPAK−CR(+)4m
mID×150mmLを備えた高速液体クロマトグラフ
を用いて分析した。溶離液としては、過塩素酸でpH2
に調整した10%含水メタノールを0.7ml/分で流
通させ、これに試料溶液5μlを注入し、210nmの
吸光度を測定した。試料溶液としては上記の溶離液50
mlにホモシスチン0.1gを溶解したものを用いた。
【0014】溶存酸素濃度の測定:セントラル科学
(株)製の携帯型溶存酸素濃度計UC−12型を用いて
測定した。測定に先立ち、20℃の水の飽和溶存酸素濃
度を8.84mg/リットルとして装置の校正を行った
【0015】結晶粒径の測定:セイシン企業(株)製の
レーザーミクロンサイザーLMS−24を用いて測定し
た。測定はホモシスチン0.5gを脱塩水300mlに
分散させた試料について行い、フラウンホーファー回折
法により平均粒径を測定した。
【0016】実施例1 撹拌機、溶存酸素濃度計、pH計、温度計及び窒素導入
管を備えた容量1200mlのガラス製セパラブルフラ
スコに、1規定の水酸化ナトリウム水溶液500mlを
仕込み、15℃で撹拌下これにL−ホモシスチンの粗結
晶50gを添加して溶解させた。気相部に窒素ガスを3
0ml/分の速度で導入しながら15℃で5時間撹拌し
たのち、この温度を維持しつつペリスターポンプを用い
て35%塩酸を28g/時間の速度で滴下して中和晶析
を行った。35%塩酸を約40g添加したところで溶液
が白濁した。このときのpHは約11で、液中の溶存酸
素濃度は0.6mg/リットルであった。次いで温度を
25℃に上昇させてpH7まで中和を行った。この間、
溶存酸素濃度に変化はなかった。生成したスラリーは、
通気度0.3ml/cm2/秒のポリプロピレン製濾布
を設置した容量1000mlの遠心分離機で、3000
rpmで濾過した。得られた精ホモシスチンの分析結果
を表−1に示す。
【0017】比較例1 気相部への窒素ガスの導入を行なわなかった以外は実施
例1と全く同様にしてホモシスチンの精製・中和・晶析
を行った。溶液が白濁した時点での液中の溶存酸素濃度
は8.6mg/リットルであり、中和が完了するまで溶
存酸素濃度は変化しなかった。結果を表−1に示す。
【0018】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 625 B01D 9/02 625C C07C 323/58 C07C 323/58 (72)発明者 田中 義光 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内 (72)発明者 野口 直樹 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AD15 BB31 BC14

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホモシスチンのアルカリ性溶液を酸で中
    和してホモシスチンを晶析させるに際し、液相中の溶存
    酸素濃度を7mg/リットル以下に維持することを特徴
    とするホモシスチンの精製方法。
  2. 【請求項2】 粗ホモシスチンを0〜35℃のアルカリ
    溶液に溶解し、この温度で1〜8時間撹拌したのち溶液
    を酸で中和してホモシスチンを晶析させるに際し、液相
    中の溶存酸素濃度を7mg/リットル以下に維持するこ
    とを特徴とするホモシスチンの精製方法。
  3. 【請求項3】 溶液中の溶存酸素濃度を4mg/リット
    ル以下に維持することを特徴とする請求項1又は2記載
    のホモシスチンの精製方法。
  4. 【請求項4】 晶析装置又はこれに収容されているホモ
    シスチンのアルカリ性溶液中に、不活性ガスを導入しな
    がら酸で中和することを特徴とする請求項1ないし3の
    いずれかに記載のホモシスチンの精製方法。
  5. 【請求項5】 中和操作の少なくとも後半を20〜40
    ℃で行うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    に記載のホモシスチンの精製方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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