JP6024232B2 - 活性汚泥濃度制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は膜分離活性汚泥法における生物反応系の活性汚泥濃度の制御技術に関する。
下排水の処理方法として広く活性汚泥法が採用されている。活性汚泥法は微生物の作用により汚水中の有機物等を分解する方法で、標準活性汚泥法(以下、標準法)、オキシデーションディッチ法、回分式活性汚泥法、循環式硝化脱窒法、嫌気無酸素好気法等がある。そして、近年、活性汚泥混合液の固液分離の分離膜を利用した膜分離活性汚泥法(以下、MBR法)の普及が進んでいる。MBR法は活性汚泥を滞留させた好気槽内に分離膜を備えたことで重力濃縮型の固液分離施設を要することなく活性汚泥混合液から活性汚泥を分離することができる。
活性汚泥法では有機物等の分解に伴い微生物が増殖する。活性汚泥法において汚水処理系に供給される汚水の負荷量等に応じて汚泥量を適正範囲に保つことは安定した処理水質を得るということ、また、省エネルギーの観点からも重要である。適正な汚泥量の維持は一般的には増殖した余剰の汚泥を系外の汚泥処理系に移送することで行われている。
生物反応系の余剰汚泥引き抜き方法としては、タイマ制御により定期的に余剰汚泥を一定量(一定流量)引き抜く方法や、生物反応系のMLSS濃度(活性汚泥濃度)が一定となるように余剰汚泥の引き抜きを制御するMLSS制御法が知られている(特許文献1等)。または、生物反応系のSRT(sludge retention time,汚泥滞留時間)が一定となるように余剰汚泥の引き抜きを制御するSRT制御法が知られている(特許文献2、非特許文献1等)。尚、SRT(日)は以下の式で定義される。
SRT(日)=(MLSS濃度(mg/L)×生物反応系実効容積(m3))/生物反応系の汚泥引き抜き量(kg/日)
特に、SRT制御法は、流入負荷が上昇すると系内汚泥量も増大させる制御を行い、流入負荷に対する汚泥量の比が適正範囲に保持されるので、理想的な制御法である。
一方、MLSS制御法は、最終沈殿池からの返送汚泥の濃度変化により生物反応系のMLSS濃度の制御が難しいことや、MLSS計の検出面の汚損のために実際よりも高い値が示すことなどによる信頼性の懸念などから、生物反応系のMLSS濃度を適正範囲に制御することに適用されることは少ない。
したがって、標準法による処理施設では、一般的に、汚泥のMLSS濃度の値に関係なく定期的に汚泥を定量的に引き抜く方法や、SRTから算出される生物反応系の汚泥引き抜き量と平均的な引き抜き汚泥のMLSS濃度の値から算出した汚泥引き抜き量(m3/日)となるように汚泥引き抜きポンプを定期的に運転して汚泥を引く抜く方法が採られている。
一方、MBR法は、標準法の重力濃縮型の固液分離系に代えて、好気的生物反応系内で分離膜により固液分離を確実に行える処理法である。これにより、MBR法では、活性汚泥の沈降性を考慮することなく、前記反応系のMLSS濃度を標準法における好気的生物反応系のMLSS濃度よりも高く設定できる。
例えば、標準法における好気的生物反応系のMLSS濃度が1000〜3000mg/L程度であるのに対し、MBR法における好気的生物反応系のMLSS濃度は8000〜12000mg/L程度である。MBR法では、MLSS濃度を高くできるので、好気的生物反応系の槽容量を縮小できるメリットがある。
MBR法の処理施設は好気槽のMLSS濃度の値が標準法に比べて高い値で運転されるので、処理施設からの余剰汚泥の引き抜きは好気槽内の液相を直接引き抜くことで対応が可能となっている。
そして、MBR法の生物反応系の余剰汚泥引き抜き方法に関しても、MLSS制御法は標準法における処理施設の場合と同様にMLSS濃度の制御が難しいことやMLSS計の信頼性の懸念から適用されることが少ないため、余剰汚泥の引き抜き制御(A‐SRT制御)を利用することが多い(非特許文献2)。
A‐SRT制御とは、好気槽の実効容積をA‐SRT(aerated sludge retention time,1日当たりの好気時間で規定された好気槽の汚泥滞留時間)で除して算出される1日当たりの汚泥引き抜き量に基づく余剰汚泥の引き抜き制御である。そして、MBR法ではMLSS濃度を高く維持した運転が可能なことから、A‐SRT制御は比較的容易に行える。尚、A‐SRTは以下の式で定義される。
A‐SRT=(1日当たりの好気時間/24)×SRT
図3にMBR法における一般的な余剰汚泥の引き抜きの事例を示した。
図3(a)は基本型MBR施設30の汚泥引抜ポンプP1のタイムチャートを示す。MBR施設30は、被処理水WWが供給される好気槽31と、この槽31内に具備され槽31内液相を活性汚泥と処理水Wとに固液分離する分離膜を有する膜モジュール32と、前記液相の一部を余剰汚泥SLとして系外排出する汚泥引抜ポンプP1とを備える。被処理水WWが供給されている好気槽32内の液相は膜モジュール32によって固液分離処理される。この処理の間、汚泥引抜ポンプP1が図示のタイムチャートに基づき定期的に運転(ON)、停止(OFF)されることで好気槽32内液相の一部が定量的に引き抜かれる。
図3(b)は循環式消化脱窒型MBR施設40の循環汚泥ポンプP2,制御弁SV1,SV2のタイムチャートを示す。MBR施設40は、被処理水WWが供給される無酸素槽41と、この槽41内液相を受け入れる好気槽42と、この槽42内に具備されこの槽42内液相を活性汚泥と処理水Wとに固液分離する膜モジュール43とを備える。MBR施設40に具備された制御弁SV1,SV2は予め設定された図示のタイムチャートに基づき定期的に開(O)閉(S)動作する。被処理水WWは無酸素槽41を介して好気槽42に供される。好気槽42内液相は膜モジュール43によって固液分離処理される。この処理の時間帯において、前記液相の一部は循環汚泥ポンプP2の運転(ON)によって制御弁SV1を介して定期的に無酸素槽41に返送される。また、前記液相の一部は余剰汚泥(SL)として定期的に制御弁SV2を介して系外に排出される。
尚、通常、MBR法の処理施設は、膜モジュール(詳細図示略)、関連膜ろ過設備(図示略)、無酸素槽、無酸素槽攪拌機(図示略),好気槽,曝気用ブロワ(図示略),汚泥引き抜きポンプ又は循環汚泥ポンプからなる。
膜モジュール(詳細図示略)は、複数の膜エレメントを組み合わせ一体化したものである。この膜モジュールに加えて散気部(生物処理や攪拌・膜洗浄に必要な空気の供給を行う部分)や集水部(処理水を引き抜き集水する部分)等から構成されたものを膜ユニットと呼ばれる。
関連膜ろ過設備(図示略)は、ろ過ポンプ、逆洗ポンプ、処理水タンク、薬注ポンプ、薬注タンク、膜洗浄用ブロワ等から構成される。
日本下水道協会著,「下水道施設計画・設計指針と解説」,第2節 3.活性汚泥法の設計因子と操作因子,日本下水道協会出版,2009年10月,pp.26〜34 森田 美也,"JS技術開発情報メールNo.54 A‐SRT制御について",[online],2006年6月,地方共同法人日本下水道事業団,[2012年3月26日検索],インターネット<URL://www.jswa.go.jp/g/g5/g5m/im/pdf/i11.pdf>
特開平9−168791号公報 特開平4−166295号公報
図4は処理施設の生物反応系における余剰汚泥の引き抜き量と好気槽のMLSS濃度との関係を示す。余剰汚泥の引き抜き量は1日当たりの汚泥引き抜き量(m3/日)であり、その値は処理施設の規模とその処理方法や条件等により決定される。図4から、一般的な標準法で採用されるMLSS濃度の領域(例えば、1000〜3000mg/L程度)では、引き抜き量に多少の誤差があったとしても、その汚泥引き抜き量の誤差がMLSS濃度の変化に及ぼす影響は小さいことがわかる。これに対して、一般的なMBR法で採用されるようなMLSS濃度が高濃度となる領域(例えば、8000〜12000mg/L程度)では、引き抜き量の僅かな誤差がMLSS濃度の変化に大きく影響することがわかる。
MBR法では、生物反応系におけるMLSS濃度レベルは処理水の水質に密接に関わるのでMLSS濃度を適正な範囲に保つことが非常に重要である。
MBR法での余剰汚泥の引き抜きは設定したA‐SRTから導き出した1日当たりの汚泥引き抜き量(m3/日)を1日に1回から数回に分けて予め定められた前記タイムチャートに準じてポンプや制御弁を動作させている。
前記タイムチャートに基づくポンプや制御弁の制御による余剰汚泥の引き抜きはMBRの生物反応系のMLSS濃度の値やその経時的変化に関係なく実行されるので、過剰な汚泥の引き抜きにより、適正なMLSS濃度を確保できなくなる可能性がある。
図3のMBR法の処理施設において、汚泥引き抜きポンプP1や循環汚泥ポンプP2に用いられるポンプは、汚泥の移送が主目的であり一般的には汚泥ポンプを用いることが多い。汚泥ポンプは粘性の高い余剰汚泥の移送機能に優れており、例えば吸込スクリュー式汚泥ポンプなどである。このような汚泥ポンプでは、一般的にポンプの回転速度を制御することで流量制御を行い定量送液が可能である。しかしながら、前記タイムチャートに準じて各機器を動作させ汚泥引き抜きを行う場合、汚泥性状(水分、粘性等)の変動などの要因によってポンプの起動時毎に送液流量の変化が生じやすい。その結果、前記タイムチャ−トの各々のポンプ起動のタイミングで引き抜かれる汚泥量にばらつきが生じてしまうこととなる。
高いMLSS濃度に設定されたMBRの生物反応系では、汚泥の引き抜き量に誤差が生じて該反応系のMLSS濃度が大きく変化してしまうことで、当該反応系にとって適正なMLSS濃度の維持を図れなくなる。そのため、各々のポンプ起動のタイミングで引き抜かれる汚泥量を積算して誤差を解消させる方法もあるが複雑な制御となりまた設備コストも高価となるので実用的ではない。
そこで、請求項1の活性汚泥濃度制御方法は、1日当たりの好気時間で規定された膜分離活性汚泥法に基づく好気的生物反応系の汚泥滞留時間と予め設定された当該反応系の活性汚泥濃度とで規定された1日当たりの目標系外排出量に基づくスケジュールに準じて当該反応系の液相を系外排出する活性汚泥濃度制御方法において、前記スケジュールに準じた前記反応系の液相の系外排出工程が予め設定され、この系外排出工程の開始時における前記反応系の活性汚泥濃度の測定値が前記設定された濃度の値またはこの値に基づく上限値よりも高い場合には前記スケジュールに準じた系外排出を実行し、前記測定値が前記設定された値またはこの値に基づく下限値よりも低い場合には前記系外排出を実行しない。
請求項2の活性汚泥濃度制御方法は、前記反応系の活性汚泥濃度の測定値が前記設定された濃度の値またはこの値に基づく上限値よりも高い値が継続する場合には前記活性汚泥濃度の測定異常であると判断する。
請求項3の活性汚泥濃度制御方法は、請求項1または2の活性汚泥濃度制御方法において、MLSS濃度測定手段の保守工程終了後であっても前記反応系の活性汚泥濃度の測定値が前記設定された濃度の値またはこの値に基づく上限値よりも高い値が再び継続する場合には流入負荷状況の変化であると判断する。
以上の発明によれば好気的生物反応系の活性汚泥濃度を適正且つ安定に維持できる。
本発明の実施形態の概略構成図。 (a)はMLSS濃度の閾値が1つである場合の汚泥引抜のタイムチャート,(b)はMLSS濃度の閾値に上限,下限がある場合の汚泥引抜のタイムチャート。 (a)は基本型MBR施設における汚泥引抜ポンプの動作のタイムチャート,(b)は循環式消化脱窒型MBR施設における循環汚泥ポンプ,制御弁の動作のタイムチャート。 余剰汚泥の引き抜き量と好気槽のMLSS濃度との関係を示す特性図。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に例示された本実施形態の排水処理施設1はMBR法に基づく処理施設である。
排水処理施設1は、被処理水WWを受け入れる好気槽2と、この槽2内に設置される膜モジュール3と、好気槽2内液相を定期的に系外排出する排出装置4と、MLSS計5にて測定された前記液相のMLSS濃度に基づき排出装置4を制御する制御部6を備える。
膜モジュール3は吸引ポンプ7の吸引力によって好気槽2内の液相をろ過することにより活性汚泥と処理水Wとに固液分離する。分離された活性汚泥は好気槽2内に留まる一方で処理水Wは吸引ポンプ7によって系外に移送される。MLSS計5は一般的な排水処理施設にて適用されている周知の仕様のものを採用すればよい。排出装置4としては排水処理施設特に汚泥処理設備で適用されている周知な仕様の汚泥引抜ポンプや制御弁が挙げられる。
好気槽2内液相を定期的に系外排出することでMLSS濃度を制御するにあたり、制御部6は好気槽2の汚泥滞留時間と設定MLSS濃度とで規定された1日当たりの系外排出量に基づくスケジュールに準じて好気槽2の液相を系外排出するように排出装置4の動作を制御する。以降、MLSS濃度の制御の目標値をMLSS濃度の適正値と称する。
以下にA‐SRT制御について説明する。
[A‐SRT制御の定義]
A‐SRT制御モードは、好気槽2のA‐SRTと設定MLSS濃度とで規定された1日当たりの好気槽2の液相の目標系外排出量に基づくスケジュールに準じて排出装置4を動作させる制御である。
A‐SRTは、1日当たりの好気時間で規定された好気槽2の汚泥滞留時間を意味し、以下の式(1)で定義される。
A‐SRT=(1日当たりの好気時間/24)×(好気槽2のMLSS濃度の適正値×好気槽2の実効容積)/好気槽2の1日当たりの目標系外排出量 …(1)
[パラメータの設定]
A‐SRT制御の実行にあたり、予め、好気槽2のMLSS濃度の適正値及びこの適正値に基づくA‐SRT及びこのA‐SRTに規定された前記液相の1日当たりの目標系外排出量、排出時刻並びに排出時間が設定される。
先ず、好気槽2(実効容積(m3))への被処理水の流入負荷状況(被処理水の流入量(m3/日))及び好気槽2のMLSS濃度の適正値を達成できるA‐SRTを予め算出する。
A‐SRTは好気槽2内液相の系外排出を停止した状態で以下の演算により算出できる。すなわち、MLSS濃度の上昇速度から1日での到達MLSS濃度を算出し、この到達MLSS濃度と好気槽2の実効容積とを積算して増殖量を含む汚泥固形物量(X)を算出する。一方、実測される初期MLSS濃度と好気槽2の実効容積との積算から好気槽2内の初期の総汚泥固形物量(x)が算出できる。A‐SRTは(1日当たりの好気時間/24)×(X/(X−x))の計算により算出できる(非特許文献2)。
そして、このA‐SRTの算出値と1日当たりの好気時間,MLSS濃度の適正値,好気槽2の実効容積とを代入した式(1)の解として好気槽2内液相の1日当たりの目標系外排出量を算出する。
次いで、前記算出した目標系外排出量を1日当たりの排出回数(例えば1〜24回)で均等に配分し1回当たりの系外排出量を設定する。1回当たりの系外排出量は排出流量及び排出時間によって設定できる。尚、1回当たりの系外排出量ならびに前記系外排出の間隔は一定である必要はなく、目標系外排出量となる条件を満たせば可変であってもよい。
MLSS濃度の閾値は例えば図2(a)に示したようにMLSS濃度の適正値が設定される。または、図2(b)に例示したようMLSS濃度の適正値に基づく上限値,下限値に設定される。上限値は適正値から一定割合高い値に設定され、下限閾値は前記適正値から一定割合低い値に設定される。例えば、適正値が10000mg/Lである場合、上限値は当該適正値から5%高い値の10500mg/Lに設定され、下限値は当該適正値から5%低い値の99500mg/Lに設定される。
[具体的な制御例]
(MLSS濃度の閾値が1つである場合)
好気槽2内の液相は散気装置8によって曝気,攪拌された状態となっている。また、前記液相のMLSS濃度はMLSS計5によって常時計測される。被処理水WWが好気槽2に供給されている時間帯に吸引ポンプ7が動作して好気槽2内液相が膜モジュール3に供されて固液分離処理される。前記液相から分離された活性汚泥は好気槽2内に留まる一方で処理水Wは吸引ポンプ7の吸引力により系外に移送される。
前記液相のMLSS濃度の測定値が閾値(例えば10000mg/L)よりも高い場合、排出装置4は制御部6からの図2(a)に例示したタイムチャートに基づく運転指令により所定の排出時刻に設定時間だけ当該液相を余剰汚泥SLとして系外排出する。その後、前記測定値が前記閾値に達すると排出装置4は制御部6からの停止指令を受けて前記系外排出を停止する。図示の事例では点線で表示したタイムチャートが中止されたタイムチャートを意味する。以上のように好気槽2内液相のMLSS濃度の測定値が適正値付近に制御される。尚、図2(a)においては上記動作説明の便宜のためにMLSS濃度測定値の経時的変化が模式的に強調表示されている。
(MLSS濃度の閾値に上限,下限がある場合)
被処理水WWが好気槽2に供給されている時間帯は吸引ポンプ7が動作することにより好気槽2内液相が膜モジュール3に供されて固液分離処理される。
好気槽2内液相のMLSS濃度の測定値が上限閾値(例えば10500mg/L)に達すると排出装置4は制御部6からの図2(b)のタイムチャートに基づく運転指令により所定の排出時刻に設定時間だけ当該液相を余剰汚泥SLとして系外排出する。この系外排出は前記測定値が前記上限閾値から下限閾値(例えば99500mg/L)までの範囲で継続実行される。
そして、前記測定値が前記下限閾値に達すると排出装置4は制御部6からの停止指令を受けて前記系外排出を停止する。図2(b)の事例では点線で表示されたタイムチャートが中止されたチャートを意味する。
その後、前記測定値が前記上限閾値に達するまで前記係外排出は実行しない。そして、再び前記測定値が上昇して前記上限閾値に達すると前記タイムチャートに基づいた系外排出が実行される。
以上のように好気槽2内液相のMLSS濃度の測定値が適正値(例えば10000mg/L)付近の範囲(例えば99500〜10500mg/L)内に制御される。尚、図2(b)においても上記動作説明の便宜のためにMLSS濃度測定値の経時的変化が模式的に強調表示されている。
[本実施形態の効果]
以上のように排水処理施設1によれば、好気槽2のA‐SRTとMLSS濃度の適正値とで規定された1日当たりの好気槽2の液相の目標系外排出量に基づくタイムチャートに準じて排出装置4が制御されるので、好気槽2のMLSS濃度が適正且つ安定に維持できる。
具体的には、好気槽2のMLSS濃度の測定値が適正値またはこの値に基づく上限値よりも高い場合には前記タイムチャートに準じて当該液相を余剰汚泥SLとして系外排出する。一方、前記測定値が前記適正値またはこの値に基づく下限値よりも低い場合には前記系外排出を実行しない。このように好気槽2内液相のMLSS濃度の経時的な変化に応じて当該液相の系外排出を制御するとともに、MLSS濃度の計測値に誤差が生じた場合であっても、A-SRTの設定以上に余剰汚泥が引き抜かれることがなく過剰な余剰汚泥引き抜きを防止できる。したがって、当該MLSS濃度を適正且つ安定に維持できる。そして、これにより良好に安定した処理水の水質が得られる。
ところで、MLSS計5に測定誤差が生じると適正なMLSS濃度で制御することができないことがある。排水処理施設において適用されているMLSS計の多くは光学式のものである。光学式のMLSS計は光学的検出面に微生物膜が付着するなど汚損により、MLSS濃度の検出値が本来の正しい値よりも高くなることがある。つまり、正の誤差が生じることがある。そのため、MLSS濃度の測定値が閾値または上限閾値よりも高い値が継続する場合には、先に当該濃度の測定異常例えばMLSS計の汚損を想定する。
そして、前記測定異常への処置としてMLSS計の洗浄等の保守を実行しても上記MLSS濃度の測定値が再び高い状態となる場合には、流入負荷状況の変化を想定する。例えば、MLSS濃度の測定値が前記閾値または上限値よりも高い値が再び継続する場合には流入負荷の恒久的な上昇であると判断する。この判断を受けて、処理状況に応じてMLSS濃度の適正値を高めに設定変更するかまたは目標系外排出量を増加させることで対処することになる。
制御部6は、前記MLSS濃度の測定値が閾値または上限閾値よりも高い値が継続する場合には、前記活性汚泥濃度の測定異常であると判断してMLSS計5の測定異常の発生を検知及び発信する。そして、前記タイムチャートに準じた系外排出を実行するが、好気槽2からA-SRTの設定以上に余剰汚泥SLを排出することはない。
MLSS計5の測定異常の判断は、例えば、タイムチャートに基づく運転指令が中止されない条件でMLSS濃度の測定値が前記閾値または下限閾値へと所定時間内に到達するか否かにより行う。より具体的には、例えば、MLSS濃度の測定値の履歴データから算出した当該測定値の減少速度を予め設定された判断基準値と比較することにより前記測定異常が判断される。前記判断基準値は例えばMLSS濃度の測定値が正常(例えば前記閾値以下または前記下限閾値から前記上限閾値の範囲)である場合の系外排出における所定時間内でのMLSS濃度の減少量に基づき算出された減少速度の値と定めたものが挙げられる。
以上のように、MLSS濃度の測定値に基づき余剰汚泥SLの系外排出を継続でき、前記計測値に誤差が生じた場合であっても、A-SRTに基づく1日当たりの系外排出量を越えた過剰な余剰汚泥SLの系外移送を防止できる。そして、前記計測値の履歴データに基づき活性汚泥濃度の測定異常を判断できる。
1…排水処理施設
2…好気槽
3…膜モジュール
4…排出装置
5…MLSS計
6…制御部

Claims (3)

  1. 1日当たりの好気時間で規定された膜分離活性汚泥法に基づく好気的生物反応系の汚泥滞留時間と予め設定された当該反応系の活性汚泥濃度とで規定された1日当たりの目標系外排出量に基づくスケジュールに準じて当該反応系の液相を系外排出する活性汚泥濃度制御方法において、
    前記スケジュールに準じた前記反応系の液相の系外排出工程が予め設定され、
    この系外排出工程の開始時における前記反応系の活性汚泥濃度の測定値が前記設定された濃度の値またはこの値に基づく上限値よりも高い場合には前記スケジュールに準じた系外排出を実行し、
    前記測定値が前記設定された値またはこの値に基づく下限値よりも低い場合には前記系外排出を実行しないこと
    を特徴とする活性汚泥濃度制御方法。
  2. 前記反応系の活性汚泥濃度の測定値が前記設定された濃度の値またはこの値に基づく上限値よりも高い値が継続する場合には前記活性汚泥濃度の測定異常であると判断すること
    を特徴とする請求項1に記載の活性汚泥濃度制御方法。
  3. MLSS濃度測定手段の保守工程終了後であっても前記反応系の活性汚泥濃度の測定値が前記設定された濃度の値またはこの値に基づく上限値よりも高い値が再び継続する場合には流入負荷状況の変化であると判断すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の活性汚泥濃度制御方法。
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