JP6024142B2 - ポリアミド樹脂組成物および成形品 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物および成形品 Download PDF

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Description

本発明はポリアミド樹脂組成物およびこれを用いた成形品に関する。
近年、発光ダイオード(LED)、有機ELなどの新しい光源が、低電力、高寿命などのメリットを活かして、照明、表示素子などとして需要を拡大しつつある。特にLEDは、携帯電話などの移動通信機器、ディスプレイ、自動車コンソールパネル、信号器、その他の家電用品など種々の用途に使用されている。このような電気電子機器製品においては、意匠性、携帯性等の要求のために、ますます軽薄短小化が進んでいる。
このような軽薄短小化を実現するための鍵となる技術として、表面実装技術(SMT)が普及し、多くの電気電子機器製品に使用されている。これにより電子基板の実装密度が飛躍的に向上し、従来では実現できなかったような軽薄短小化が達成されている。
SMTが適用される場合には、電子基板上に実装された部品全体を加熱・ハンダ付けするために、ハンダ付けの温度(230〜240℃)に耐えられる材料でなければ使用できない。このような用途に使用できる材料として、ポリアミド樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献1)。
特開2004−075994号公報
LEDにおいても例外ではなく、SMTに耐える耐熱性が要求されている。LEDは一般に、発光する半導体部、リード線、ハウジングを兼ねたリフレクタ、半導体を封止する透明な封止剤から構成されている。このうち、リフレクタ部分についてはセラミックや耐熱プラスチックなど種々の材料で製品化されているが、セラミックでは生産性が、耐熱プラスチックでは射出成形工程、封止剤の熱硬化工程や実際の使用環境下において、変色による光反射率の低下が問題とされている。
本願発明は、かかる従来の問題点を解決するものであって、SMTに耐える耐熱性を有し、優れた反射率を有する成形品を与えるポリアミド樹脂組成物を提供することにある。
かかる状況のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂に、無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種と、白色顔料等を特定量配合することにより、上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、下記手段<1>により、好ましくは<2>〜<11>により、上記課題は解決された。
<1>(A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、
(B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、
(C)白色顔料10〜100重量部と、
(D)酸化防止剤0.1〜15重量部を含むポリアミド樹脂組成物。
<2>(A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、
(B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、
(C)白色顔料10〜100重量部と、
(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物から選択される少なくとも1種0.1〜20重量部を含むポリアミド樹脂組成物。
<3>(A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、
(B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、
(C)白色顔料10〜100重量部と、
(D)酸化防止剤0.1〜15重量部と、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物から選択される少なくとも1種0.1〜20重量部を含むポリアミド樹脂組成物。
<4>(B)無機充填材および補強材が、ガラス繊維、ワラストナイト、炭酸カルシウム、タルクおよびマイカから選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<3>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<5>(C)白色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化バリウムおよびチタン酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む、<1>〜<4>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<6>(D)酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびイミダゾール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種を含む、<1>および<3>〜<5>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<7>(C)白色顔料が、無機材料および/または有機材料で表面処理された酸化チタンである<1>〜<6>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<8>(D)酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、およびイミダゾール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種である、<1>、<3>〜<5>および<7>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<9>(D)酸化防止剤の少なくとも1種が、フェノール系酸化防止剤である、<1>および<3>〜<8>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<10>(D)酸化防止剤の少なくとも1種が、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)である、<1>および<3>〜<8>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<11>(A)ポリアミド樹脂の融点が280℃以上である、<1>〜<10>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<12>(A)ポリアミド樹脂のジカルボン酸単位がセバシン酸である、<1>〜<11>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
<13><1>〜<12>のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
<14>発光ダイオード用である、<13>に記載の成形品。
本発明により、半田耐熱性に優れ、エージング前後において優れた反射率を有する成形品を与えるポリアミド樹脂組成物を提供可能になった。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。本発明における反射率は特に述べない限り、波長450nmにおける反射率をいう。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、(B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、(C)白色顔料10〜100重量部を含み、さらに、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、(D)酸化防止剤0.1〜15重量部、ならびに/または、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物から選択される少なくとも1種を0.1〜20重量部を含むことが好ましい。
以下、これらの成分について、詳細に説明する。
<(A)ポリアミド樹脂>
本発明で用いるポリアミド樹脂は、パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなることを特徴とする。(A)ポリアミド樹脂は、1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
(A)ポリアミド樹脂に用いる原料のジカルボン酸成分は、炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上含むものであり、さらには80モル%以上が好ましく、90モル%以上が特に好ましく、100モル%が最も好ましい。炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸を70モル%以上とすることで得られるポリアミド樹脂は溶融加工時の流動性、高い結晶性、低吸水率を示し、耐熱性、耐薬品性、成型加工性、寸法安定性に優れるポリアミド樹脂として種々の用途に好適に用いることが可能となる。原料ジカルボン酸成分中の炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸濃度が70モル%未満の場合、耐熱性、耐薬品性、成型加工性が低下するため好ましくない。
炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸としては、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ヘキサデカン二酸などが例示できる。中でもアゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸が好ましく、より好ましいのはセバシン酸、アゼライン酸であり、特に好ましいのはセバシン酸である。これらの代わりに炭素数が5以下の脂肪族ジカルボン酸を使用した場合、ジカルボン酸の融点、沸点が低いために重縮合反応時に反応系外に留出してジアミンとジカルボン酸の反応モル比が崩れ、得られるポリアミド樹脂の機械物性や熱安定性が低くなるため好ましくない。また、炭素数が19以上の脂肪族ジカルボン酸を使用した場合は性状の安定したポリアミド樹脂は得られるが、融点が大きく低下し、耐熱性が得られなくなるため好ましくない。
炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸以外の原料ジカルボン酸としてはマロン酸、コハク酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、2,4−ジメチルグルタル酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、あるいはこれらの混合物が例示できるが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂は、ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として使用できる。しかしながら、これらの成分は全体の3モル%以下であることが好ましい。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂は、融点が280℃以上であることが好ましく、280 〜320℃であることがさらに好ましい。このような範囲とすることにより、耐熱性が向上し、さらに、加熱処理後の反射率が向上する傾向にある。
融点は、示差走査熱量測定装置を用いて、1分間当り20℃の昇温速度で、試料を予測される融点以上の温度に加熱し、次に試料を1分間当り10℃の速度で降温し、20℃まで冷却し、そのまま約1分間放置した後、再び1分間当り20℃の速度で加熱昇温することにより測定することができる。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂の数平均分子量は、10,000〜50,000であることが好ましく、14,000〜30,000であることがより好ましい。
本発明で用いる(A)ポリアミド樹脂の合成方法等は、特開2011−057931号公報の段落番号0020〜0030の記載を参酌することができ、該公報の内容は本願明細書に組み込まれる。
本発明のポリアミド樹脂組成物中における(A)ポリアミド樹脂の配合量は、50〜90重量%であることが好ましく、60〜80重量%であることがより好ましい。
<(B)無機充填材および補強材>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種を含む。すなわち、無機充填材および補強材は1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(B)無機充填材および補強材の配合量はこれらの合計が、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、15〜100重量部であり、好ましくは15〜80重量部であり、より好ましくは15〜50重量部であり、さらに好ましくは18〜30重量部である。無機充填材の配合量15重量部未満では補強効果が不十分であり、100重量部を超えると反射率が劣るものとなってしまう。
(B)無機充填材および補強材は、ガラス繊維、ワラストナイト、炭酸カルシウム、タルクおよびマイカから選択される少なくとも1種であることが好ましく、ガラス繊維およびタルクがより好ましく、ガラス繊維がさらに好ましい。
本発明で使用するガラス繊維は、Aガラス、Cガラス、Eガラス、Sガラス等のガラス組成からなり、特に、Eガラス(無アルカリガラス)がポリカーボネートに悪影響を及ぼさない点で好ましい。また断面の形状は、一般的な真円状の他に、真円状の繊維を平行に重ね合わせたものに代表される各種の異形断面形状のものを使用しても良い。かかるガラス繊維は、平均繊維径が1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。かかるガラス繊維は、連続的に巻き取った「ガラスロービング」や長さ1〜10mmに切りそろえた「チョップドストランド」、長さ10〜500μm程度に粉砕した「ミルドファイバー」を用いることができ、これらを併用することもできる。ガラス繊維としては、旭ファイバーグラス社より、「グラスロンチョップドストランド」や「グラスロンミルドファイバー」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。また、ガラスビーズとは、外径10〜100μmの球状のものであり、例えば、東芝バロティーニ社より、商品名「EGB731」として市販されており、容易に入手可能である。ガラスフレークとは、厚さ1〜20μm、一辺の長さ0.05〜1.0mmの鱗片状のものであり、例えば、日本板硝子社より、「フレカ」の商品名で市販されており、容易に入手可能である。また、これらガラス系充填材は、本発明の組成物の特性を損なわない限りにおいて、樹脂との親和性を増すために、表面処理、例えばシラン処理、エポキシ処理、ウレタン処理、酸化処理等が施されていても良い。
<(C)白色顔料>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(C)白色顔料を少なくとも1種を含む。すなわち、白色顔料は1種類のみであってもよいし、2種類以上であってもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(C)白色顔料の配合量は合計で、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、10〜100重量部であり、好ましくは15〜70重量部であり、さらに好ましくは15〜60重量部であり、特に好ましくは18〜35重量部である。白色顔料の配合量10重量部未満では、加熱処理後の反射率が劣る。
白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化バリウムおよびチタン酸カリウムから選択される少なくとも1種であることが好ましく、酸化チタン、硫化亜鉛およびチタン酸カリウムがより好ましく、酸化チタンがさらに好ましい。
酸化チタンとしては、一般に市販されているもののなかで白色度と隠蔽性の点で、酸化チタンを80重量%以上含有するものを用いるのが好ましい。
本発明で使用する酸化チタンとしては、例えば、一酸化チタン(TiO)、三酸化ニチタン(Ti23)、二酸化チタン(TiO2)などが挙げられ、これらのいずれを使用してもよいが、二酸化チタンが好ましい。また、酸化チタンとしては、通常、ルチル型の結晶構造を有するものが使用される。
酸化チタンの平均粒径は、0.1〜0.5μmの範囲内であることが好ましく、0.15〜0.4μmの範囲内であることがより好ましく、0.2〜0.3μmの範囲内であることがさらに好ましい。酸化チタンの平均粒径をこのような範囲とし、配合量を上記の範囲内とすることにより、白色度が高く、反射率の高い成形品を与えるポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
酸化チタンとして、表面処理を施したものを使用してもよい。表面処理剤としては、無機材料および/または有機材料が好ましい。具体的には、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛等の金属酸化物;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機材料などが挙げられる。
また、酸化チタンとして、市販されているものを使用することができる。さらには、塊状のものや平均粒径が大きなものを適宜粉砕し、必要に応じて篩い等によって分級して、上記した平均粒径となるようにしたものを使用してもよい。
<その他の成分>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、さらに、(D)酸化防止剤、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。すなわち、(D)酸化防止剤、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物のいずれかのみを含んでいてもよいし、(D)酸化防止剤および(E)アルカリ金属水酸化物の両方、(D)酸化防止剤および(F)アルカリ土類金属水酸化物の両方等に例示されるように、(D)酸化防止剤、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物のいずれか2種以上を含んでいてもよい。当然に、(D)酸化防止剤を2種類以上含む等の態様も本発明に含まれる趣旨である。
<(D)酸化防止剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(D)酸化防止剤を少なくとも1種を含むことが好ましい。すなわち、(D)酸化防止剤を2種類以上含んでいてもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(D)酸化防止剤の配合量は合計で、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.1〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10重量部であり、さらに好ましくは、0.3〜8重量部であり、特に好ましくは、0.3〜5重量部である。
酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびイミダゾール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種が好ましく、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびイミダゾール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種がより好ましく、少なくともフェノール系酸化防止剤を含むことがさらに好ましい。2種以上併用する場合、フェノール系酸化防止剤と他の酸化防止剤の組み合わせが好ましく、フェノール系酸化防止剤と、リン系酸化防止剤または硫黄系酸化防止剤の組み合わせがより好ましい。
フェノール系酸化防止剤の具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N'−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3',3'',5,5',5''−ヘキサ−tert−ブチル−a,a',a''−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
リン系酸化防止剤としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、ジラウリルハイドロジェンホスファイト、トリエチルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリス(トリデシル)ホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジフェニルモノデシルホスファイト、モノフェニルジデシルホスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)ホスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト、水添ビスフェノールAフェノールホスファイトポリマー、ジフェニルハイドロジェンホスファイト、4,4'−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニルジ(トリデシル)ホスファイト)、テトラ(トリデシル)4,4'−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジラウリルペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(4−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、水添ビスフェノールAペンタエリスリトールホスファイトポリマー、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4,4'−ビフェニレンホスフォナイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、エチルジエチルホスホノアセテート、メチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、ブトキシエチルアシッドホスフェート、オクチルアシッドホスフェート、デシルアシッドホスフェート、ラウリルアシッドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、ベヘニルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート、シクロヘキシルアシッドホスフェート、フェノキシエチルアシッドホスフェート、アルコキシポリエチレングリコールアシッドホスフェート、ビスフェノールAアシッドホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジラウリルホスフェート、ジステアリルホスフェート、ジフェニルホスフェート、ビスノニルフェニルホスフェート、ヘキサメチルホスホリックトリアミド等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
芳香族アミン系酸化防止剤の具体例としては、フェニルナフチルアミン、4,4’−ジメトキシジフェニルアミン、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、および4−イソプロポキシジフェニルアミンなどが挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジドデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ドデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−テトタデシルチオプロピオネート)、ペンタエリスリチルテトラキス(3−トリデシルチオプロピオネート)等が挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
イミダゾール系酸化防止剤としては、例えば、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミダゾール等挙げられる。これらは、単独で使用しても2種以上を混合して使用してもよい。
<(E)アルカリ金属水酸化物、(F)アルカリ土類金属水酸化物>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物を少なくとも1種を含むことが好ましい。すなわち、(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属は、それぞれ、2種類以上含んでいてもよい。
(E)アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが例示される。 (F)アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムが例示される。
かかるアルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物は、(A)ポリアミド樹脂との密着性および分散性を向上させるために表面処理を施したものを使用してもよい。表面処理剤としては、例えば、アミノシラン、エポキシシランなどのシランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機酸、ポリオール、シリコーン等の有機物などが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物の平均粒径は、0.05〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物における(E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属の配合量は合計で、(A)ポリアミド樹脂100重量部に対し、0.1〜15重量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜12重量部であり、さらに好ましくは、0.3〜10重量部である。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、離型剤、紫外線吸収剤、高分子光安定剤(HALS)、上記以外の難燃剤、染顔料、蛍光増白剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。
また、これらの成分は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
<離型剤>
本発明のポリアミド樹脂組成物は、離型剤を含んでいてもよい。離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族又は脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、脂肪族炭化水素の数平均分子量は好ましくは5,000以下である。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
離型剤の含有量は、ポリアミド樹脂100重量部に対して、好ましくは0.001〜2重量部、より好ましくは0.01〜1重量部である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
本発明のポリアミド樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)ポリアミド樹脂以外のポリアミド樹脂やポリエステル樹脂のような熱可塑性樹脂をブレンドしてもよい。
本発明のポリアミド樹脂組成物の好ましい態様として、以下の態様が挙げられる。
(1)ポリアミド樹脂と、ガラス繊維と、酸化チタンと、酸化防止剤を含む態様。
(2)ポリアミド樹脂と、ガラス繊維と、酸化チタンと、酸化防止剤と、離型剤を含む態様。
(3)上記(1)または(2)において、ポリアミド樹脂が、パラキシリレンジアミンとセバシン酸からなるポリアミド樹脂である態様。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、酸化チタンが二酸化チタンである態様。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤(特に、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)である)である態様。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤の組み合わせである態様。
(7)上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤の組み合わせである態様。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、水酸化マグネシウムを含む態様。
(9)上記(1)〜(7)のいずれかにおいて、水酸化カルシウムを含む態様。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、上記した各構成成分を、公知の方法に従って配合することによって調製することができる。例えば、ポリアミド樹脂の重縮合反応時に各成分を添加する方法、ポリアミド樹脂とその他の成分をドライブレンドする方法、押出機を用いて各構成成分を溶融混練する方法などが挙げられる。これらのなかでも操作が容易であること、均一な組成物が得られることなどから、押出機を用いて各構成成分を溶融混練する方法が有利である。この際に用いられる押出機は2軸スクリュー型のものが好ましく、溶融混練温度としてはポリアミドの融点より5℃高い温度以上から350℃以下の範囲内であることが好ましい。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、目的とする成形品の種類、用途、形状などに応じて、射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレンダー成形、流延成形などの一般に熱可塑性樹脂組成物に対して用いられる成形方法により、各種の成形品とすることができる。また上記の成形方法を組み合わせた成形方法を採用することもできる。特に、成形の容易さ、量産性、コストなどの面で射出成形が好ましい。
また、本発明のポリアミド樹脂組成物と他のポリマーとを複合成形することもできる。さらに、本発明のポリアミド樹脂組成物を、金属からなる成形体や布帛などと複合化することも可能である。
本発明のポリアミド樹脂組成物から得られる成形品は、例えば、コネクタ、スイッチ、リレー、プリント配線板等の電子部品、ランプリフレクタ等の反射鏡、ギヤ、カム等のような摺動部品、エアインテークマニホールドなどの自動車部品、流し台などの水回り部品、種々の装飾部品、あるいは、フィルム、シート、繊維などの種々の用途に用いることができる。
本発明のポリアミド樹脂組成物は、成形方法にもよるが、白色度が高く、反射率に優れた成形品を与える。本発明のポリアミド樹脂組成物から得られる成形品の白色度(ハンター式)は、通常92以上、好ましくは94以上である。また、本発明のポリアミド樹脂組成物から得られる成形品は、耐熱性に優れるとともに、実際の使用環境下での光安定性に優れている。従って、本発明のポリアミド樹脂組成物から得られる成形品は、光を反射する機能を有する部品、例えば、LED、照明器具などのリフレクタとして好適に使用することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<製造例1(ポリパラキシリレンセバカミド(PXD10)の合成)>
攪拌機、分縮器、冷却器、温度計、滴下装置及び窒素導入管、ストランドダイを備えた反応容器に、精秤したセバシン酸(伊藤製油製、TAグレード)8950g(44mol)、次亜リン酸ナトリウム一水和物13.7401g(ポリアミド樹脂中のリン原子濃度として300ppm)、酢酸ナトリウム10.6340gを秤量して仕込んだ。なお、次亜リン酸ナトリウムと酢酸ナトリウムのモル比は1.0である。反応容器内を十分に窒素置換した後、窒素で0.3MPaに加圧し、攪拌しながら160℃に昇温してセバシン酸を均一に溶融した。
次いでパラキシリレンジアミン(PXDA)6026g(44mol)を攪拌下で170分を要して滴下した。この間、内温は281℃まで連続的に上昇させた。滴下工程では圧力を0.5MPaに制御し、生成水は分縮器及び冷却器を通して系外に除いた。分縮器の温度は145〜147℃の範囲に制御した。パラキシリレンジアミン滴下終了後、0.4MPa/hrの速度で降圧し、60分間で常圧まで降圧した。この間に内温は299℃まで昇温した。その後0.002MPa/minの速度で降圧し、20分間で0.08MPaまで降圧した。その後攪拌装置のトルクが所定の値となるまで0.08MPaで反応を継続した。0.08MPaでの反応時間は10分であった。その後、系内を窒素で加圧し、ストランドダイからポリマーを取り出してこれをペレット化しポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミド樹脂PXD10の融点は290℃、ガラス転移点は75℃であった。数平均分子量は16,000であった。
以下、このポリアミド樹脂を、「PXD10」という。
<製造例2>(ポリアミド(MP6)の合成)
アジピン酸を窒素雰囲気下の反応缶内で加熱溶解した後、内容物を攪拌しながら、パラキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)とメタキシリレンジアミン(三菱瓦斯化学(株)製)のモル比が3:7の混合ジアミンを、加圧(0.35Mpa)下でジアミンとアジピン酸(ローディア社製)とのモル比が約1:1になるように徐々に滴下しながら、温度を270℃まで上昇させた。滴下終了後、滴下終了後、0.06MPaまで減圧し10分間反応を続け分子量1,000以下の成分量を調整した。その後、内容物をストランド状に取り出し、ペレタイザーにてペレット化し、ポリアミドを得た。得られたポリアミド樹脂MP6の融点は254℃、ガラス転移点は85℃であった。数平均分子量は15,000であった。
以下、このポリアミド樹脂を、「MP6」という。
(A)ポリアミド樹脂
ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6):三菱瓦斯化学製、商品名「MXナイロン6000」、
融点240℃、ガラス転移点85℃、数平均分子量15000を用いた。以下、このポリアミド樹脂を、「MXD6」という。
(B)無機充填材および補強材
ガラス繊維:03T−296GH、日本電気硝子製
(C)白色顔料
二酸化チタン:石原産業製、CR‐63
(D)酸化防止剤
Irganox1098:フェノール系酸化防止剤、BASF製
HostanoxO3:フェノール系酸化防止剤、クラリアントジャパン製
SumilizerGP:フェノール系酸化防止剤、住友化学製
PEP36:リン系酸化防止剤、アデカ製
PEP−Q:リン系酸化防止剤、アデカ製
ノクラックCD:芳香族アミン系酸化防止剤、大内新興化学工業製
SumilizerTPM:硫黄系酸化防止剤、住友化学製
ノクラックMBZ:硫黄系酸化防止剤、大内新興化学工業製
(F)アルカリ土類金属水酸化物
水酸化マグネシウム:キスマー5E、協和化学製
離型剤
405MP:三井化学製(ポリエチレンワックス)
<コンパウンド>
後述する表に示す組成となるように、各成分をそれぞれ秤量し、ガラス繊維を除く成分をタンブラーにてブレンドし、二軸押出機(東芝機械社製、TEM26SS)の根元から投入し、溶融した後で、ガラス繊維をサイドフィードして樹脂ペレットを作成した。押出機の温度設定は、PXD10は300℃とし、MXD6およびMP6は280℃とした。
<反射率(450nm)>
射出成形により、60mm×60mm×2mmtの試験片を作製した。可視紫外分光器、島津製作所製、UV−3100PCを用いて、波長450nmにおける反射率を測定した。450nmは青色発光ダイオードの波長領域である。成形品の初期反射率50%以上であるものは、良好な反射率であると判断され、反射率が要求される用途に使用できる可能性があると判断できる。
<反射保持率>
射出成形により、60mm×60mm×2mmtの試験片を作製した。上記試験片を170℃、100時間熱風オーブンで保持し、熱老化試験を実施した。かかる試験後に、上記と同様に反射率を測定した。該反射率が35%以上ある物は長期での使用が期待できる。
<ハンダ耐熱性>
上記プレート試験片(0.8mmt)の試験片を作製し、240℃のハンダ浴を用い、試験片を3分間浸漬し、変形の度合いを目視にて確認した。以下の通り評価した。
○:3分間の浸漬においても変形がなく良好な外観である
△:3分以内に若干試験片の角に変形が見られる
×:3分以内に試験片が確実に変形した
Figure 0006024142
上記表から明らかなとおり、本発明のポリアミド樹脂組成物を用いた場合、反射率がエージング前後にかかわらず優れており、かつ、半田耐熱試験に優れたものが得られた。
また、実施例1において、Irganox1098を同量のキスマー5Eに置き換えた場合、実施例1において、反射率がエージング前後にかかわらず優れており、かつ、半田耐熱試験に優れたものが得られた。
実施例1において、Irganox1098をキスマー5Eに置き換え、スキマー5Eの配合量を1.5重量部とした場合、反射率がエージング前後にかかわらず優れており、かつ、半田耐熱試験に優れたものが得られた。
実施例1において、Irganox1098をPEP36に置き換え、PEP36の配合量を0.4重量部とした場合、反射率がエージング前後にかかわらず優れており、かつ、半田耐熱試験に優れたものが得られた。

Claims (14)

  1. (A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、
    (B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、
    (C)白色顔料10〜100重量部と、
    (D)酸化防止剤0.1〜15重量部を含み、
    前記酸化防止剤は、フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤の少なくとも1種を含むポリアミド樹脂組成物。
  2. (A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、
    (B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、
    (C)白色顔料10〜100重量部と、
    (D)酸化防止剤0.1〜15重量部と、
    (E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物から選択される少なくとも1種0.1〜20重量部を含むポリアミド樹脂組成物。
  3. (D)酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、芳香族アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤およびイミダゾール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  4. (D)酸化防止剤が、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、およびイミダゾール系酸化防止剤から選択される少なくとも1種である、請求項2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  5. (D)酸化防止剤の少なくとも1種が、フェノール系酸化防止剤である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  6. (D)酸化防止剤の少なくとも1種が、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)である、請求項1または2に記載のポリアミド樹脂組成物。
  7. (A)パラキシリレンジアミンからなるジアミン単位と炭素数6〜18の直鎖脂肪族ジカルボン酸70モル%以上を含むジカルボン酸単位からなるポリアミド樹脂100重量部と、
    (B)無機充填材および補強材から選択される少なくとも1種15〜100重量部と、
    (C)白色顔料10〜100重量部と、
    (E)アルカリ金属水酸化物および(F)アルカリ土類金属水酸化物から選択される少なくとも1種0.1〜20重量部を含むポリアミド樹脂組成物。
  8. (B)無機充填材および補強材が、ガラス繊維、ワラストナイト、炭酸カルシウム、タルクおよびマイカから選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  9. (C)白色顔料が、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫化バリウムおよびチタン酸カリウムから選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  10. (C)白色顔料が、無機材料および/または有機材料で表面処理された酸化チタンである請求項1〜8のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  11. (A)ポリアミド樹脂の融点が280℃以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  12. (A)ポリアミド樹脂のジカルボン酸単位がセバシン酸である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂組成物を成形してなる成形品。
  14. 発光ダイオード用である、請求項13に記載の成形品。
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