JP6022781B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はSOI(Silicon On Insulator)構造の半導体集積回路に係り、特に半導体基板(バルクウエハー)に容易な製造プロセスにより、単結晶シリコンからなる低コストの多層のSOI基板を形成し、これらのSOI基板に、高集積、高速、低電力、高性能且つ高信頼なショートチャネルのMIS電界効果トランスタを含む半導体集積回路を形成することに関する。
図34は従来の半導体装置の模式側断面図で、貼り合わせSOIウエハーを使用して形成したSOI構造のNチャネルのMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、61はp型のシリコン(Si)基板、62は絶縁膜、63は素子分離領域の埋め込み絶縁膜、64はp型のSOI基板(張り合わせSi基板)、65はn型ソース領域、66はn型ソース領域、67はn型ドレイン領域、68はn型ドレイン領域、69はゲート酸化膜、70はゲート電極、71はサイドウォール、72はPSG膜、73は絶縁膜、74はバリアメタル、75は導電プラグ、76は層間絶縁膜、77はバリアメタル、78はCu配線、79はバリア絶縁膜を示している。
同図においては、p型のシリコン基板61上に絶縁膜62を介して貼り合わせられ、素子分離領域形成用トレンチ及び埋め込み絶縁膜63により島状に絶縁分離された薄膜のp型のSOI基板64が形成され、このp型のSOI基板64上にはゲート酸化膜69を介してゲート電極70が設けられ、ゲート電極70の側壁にサイドウォール71が設けられ、p型のSOI基板64には、ゲート電極70に自己整合してn型ソースドレイン領域(66、67)及びサイドウォール71に自己整合してn型ソースドレイン領域(65、68)が設けられ、n型ソースドレイン領域(65、68)にはそれぞれバリアメタル74を有する導電プラグ75を介してバリアメタル77を有するCu配線78が接続されている慣例的なLDD(Lightly Doped Drain)構造からなるNチャネルのMIS電界効果トランジスタが形成されている。
したがって、周囲を絶縁膜で囲まれたソースドレイン領域を形成できることによる接合容量の低減、SOI板を完全空乏化できることによる空乏層容量の低減及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減、SOI基板へのコンタクト領域の除去等により通常のバルクウエハーに形成するMIS電界効果トランジスタからなる半導体集積回路に比較し、高速化、低電力化及び高集積化が可能となる。
しかし、このようなSOI構造をつくるために、市販されている、貼り合わせSOIウエハーを購入しなければならず、ウエハーメーカーの低コスト化技術に頼ったとしても、量産段階においてバルクウエハーの3倍程度と極めてコスト高であるという欠点があった。
また大口径ウエハーにおけるSOI基板の安定した薄膜化が難しく、完全空乏型のSOI基板の形成が難しいため、高速特性の安定性に問題があった。
またSOI構造をつくる別の手段として、バルクウエハーを利用し、酸素イオンを注入して高温の熱処理によりバルクウエハー内部にシリコン酸化膜を形成する、いわゆるSIMOX(Separation by Implanted Oxygen)法によるSOI基板の形成を使用しても、極めて高価な高ドーズのイオン注入マシンを購入しなければならないこと及び高ドーズ量の酸素をイオン注入するために長時間の製造工程を要することによるコスト高の問題、シリコン酸化膜厚の制御が難しく、完全空乏型のSOI基板の形成が難しいこと、あるいは10インチ〜12インチの大口径ウエハーの使用における酸素イオン注入による結晶欠陥のダメージ修復による特性の不安定性等の欠点があった。
またSOI基板下の導電体(半導体基板又は下層配線)に、ゲート電極に印加される電圧と異なる電圧が印加された場合、SOI基板底部に生ずる微小なバックチャネルリークを防止できなかったことによる高信頼性が達成されていないという欠点もあった。
また貼り合わせSOI基板を使用しても、SIMOXによるSOI基板を使用しても、いずれも高温の熱処理が必要で、単結晶シリコンからなるSOI基板を多層化することが不可能であり、3次元の半導体集積回路を形成することができなかった。
また化学気相成長により成長した多結晶シリコン層を、レーザーアニールにより再結晶化させ、単結晶シリコン層に変換させる試みは、以前さかんに試みられたが、結晶粒界が存在し、完全な単結晶シリコン層が得られず、極めてリーク電流が多いため実用化できず、多層のSOI基板に関しては、実現の可能性が全く見出されていなかった。
電子情報通信学会技術研究報告、CPM、電子部品材料、97(61)47〜52、1997−05−23
本発明が解決しょうとする課題は、従来例に示されるように、SOI構造を形成するために、SIMOX法によりSOI基板を形成しても、あるいは、貼り合わせSOIウエハーを使用しても、
(1)かなりのコスト高になり、付加価値の高い特殊用途の製品にしか使用できず、廉価な汎用品に適用できる技術に乏しかったこと。
(2)大口径ウエハーにおけるSOI基板の薄膜化の制御性が難しいため、完全空乏化させたSOI基板の形成が難しく、内蔵する多数のMIS電界効果トランジスタの特性の安定性が得られにくかったこと。
(3)SOI構造に形成したMIS電界効果トランジスタのSOI基板下に導電体(半導体基板又は下層配線)が存在した場合、ゲート電極に印加される電圧と異なる電圧が印加された場合(特にオン電圧が印加された場合)、SOI基板底部に生ずる微小なバックチャネルリークを防止できなかったこと。
(4)SOI基板を形成する際、高温処理が必要であり、多層のSOI基板を形成し、それぞれのSOI基板にMIS電界効果トランジスタを形成することが不可能であったこと。
等の問題が顕著になりつつあり、現状技術により微細なSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成しているだけでは、さらなる高集積化を達成する3次元化が実現できなかったことである。
上記課題は、半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた複数層からなる第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜に平坦に埋め込まれて選択的に設けられた単結晶の第1の半導体層と、少なくとも前記第1の半導体層及び前記第1の層間絶縁膜により側面を包囲されて設けられた第1の埋め込み絶縁膜と、前記第1の半導体層に設けられた第1のMIS電界効果トランジスタと、前記第1の半導体層上に設けられた複数層からなる第2の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜に平坦に埋め込まれて選択的に設けられた単結晶の第2の半導体層と、少なくとも前記第2の半導体層及び前記第2の層間絶縁膜により側面を包囲されて設けられた第2の埋め込み絶縁膜と、前記第2の半導体層に設けられた第2のMIS電界効果トランジスタとを備え、且つ前記第1及び第2のMIS電界効果トランジスタは、それぞれ前記第1あるいは第2の半導体層の一部の周囲を第1あるいは第2のゲート絶縁膜を介して包囲する構造に設けられた全周囲等しいゲート長を有する第1あるいは第2の包囲型ゲート電極と、前記第1あるいは第2の包囲型ゲート電極に自己整合して前記第1あるいは第2の半導体層に設けられたソースドレイン領域と、を有している本発明の半導体装置によって解決される。
以上説明のように本発明によれば、通常の安価な半導体基板を使用して、エピタキシャル成長技術を利用して、それぞれ絶縁膜上に積層した単結晶シリコンからなる第1層目及び第2層目の半導体層(SOI基板)を設け、それぞれのSOI基板において、SOI基板の一部の周囲にゲート酸化膜を介して包囲型ゲート電極を設け、チャネル領域を形成し、概略残りのSOI基板にソースドレイン領域を設けたSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成できるため、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減が可能である。
また成長するシリコン窒化膜(Si)の膜厚により、第1層目及び第2層目の半導体層(SOI基板)の膜厚を決定できるため、大口径ウエハーによる製造にも対応できる、完全空乏型のSOI構造の半導体層を容易に形成することが可能である。
また第1層目及び第2層目の半導体層(SOI基板)を形成するために必要な、第1及び第2の縦(垂直)方向エピタキシャル半導体層を自己整合して素子分離領域の一部を形成する第1及び第2の埋め込み絶縁膜に変換できることにより、高信頼性及び高集積化を可能にすることができる。
また下地の絶縁膜の影響のない結晶性が極めて良好な半導体層の箇所にのみチャネル領域を形成できるため(第1層目及び第2層目の半導体層共)、安定した特性を持つMSOI構造(呼称の詳細は後述)のMIS電界効果トランジスタを形成することが可能である。
またゲート酸化膜を介して設けられた包囲型ゲート電極によりチャネル領域を完全に包囲して形成できるため、チャネル以外の電流経路を遮断でき、完全なチャネル制御が可能であり、バックチャネルリークを改善するばかりでなく、4面(上下面及びチャネル幅方向の2側面)にチャネルを形成できるため、表面(上面)の占有面積を増やすことなくチャネル幅を増加できるため、駆動電流を増加させることが可能である。
また微細な、結晶性が極めて良好な半導体層の一部(チャネル領域形成箇所)に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(低濃度及び高濃度のソースドレイン領域、ゲート酸化膜及び包囲型ゲート電極)を微細に形成することも可能である。
また容易な製造プロセスにより、複数層の単結晶半導体層を形成でき、且つそれぞれの単結晶半導体層にMIS電界効果トランジスタを形成できるため、極めて高集積化及び大規模化が可能である。
また格子定数の小さなSi層を、左右から格子定数の大きなSiGe層により挟んだ構造の単結晶半導体層を形成することも可能で、左右のSiGe層から歪みSi層の格子定数を広げることができるので、キャリアの移動度を増加させることができることにより、さらなる高速化が可能である。
即ち、高速大容量通信、携帯情報端末、各種電子機械機器、宇宙関連機器等に対応可能な大規模半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能及び高集積を併せ持つ半導体装置を得ることができる。
本発明者は当該技術を、絶縁膜上の多層単結晶半導体層(ultilayer emiconductor nsulator)構造と命名し、MSOI(エムソイ)と略称する。
本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法の工程断面図 本発明の半導体装置における第2の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第2の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第4の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第5の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 従来の半導体装置の模式側断面図(チャネル長方向)
本願発明は、
(1)Si基板上に複数層からなる第1の層間絶縁膜を形成し、選択的に開孔し、第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を成長させる。
(2)縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の側面の一部から絶縁膜上に横(水平)方向エピタキシャルSi層を成長させる。(第1のMIS電界効果トランジスタのソースドレイン領域形成用半導体層)
(3)第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を除去し、形成された開孔部に第1の埋め込み絶縁膜を平坦に形成する。(第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を第1の埋め込み絶縁膜に置換する。)
(4)チャネル部に相当する箇所のSi層及びその周囲の絶縁膜を除去する開孔部を形成する。
(5)露出したSi層の側面間にチャネル領域形成用のSi層を成長する。(第1のMIS電界効果トランジスタのチャネル領域形成用半導体層、(2)及び(5)の半導体層により第1層目の半導体層形成)
(6)チャネル領域形成用のSi層の周囲にゲート絶縁膜を介して包囲型ゲート電極を平坦に埋め込む。(第1のMIS電界効果トランジスタのゲート酸化膜及び包囲型ゲート電極形成)
(7)包囲型ゲート電極に自己整合して第1のMIS電界効果トランジスタのソースドレイン領域を形成する。
(8)第1のMIS電界効果トランジスタが形成された第1層目の半導体層上に複数層からなる第2の層間絶縁膜を平坦に形成する。
(9)第2の層間絶縁膜を選択的に開孔し、第1層目の半導体層の一部の側面を露出する。
(10)露出した第1層目の半導体層の一部の側面から横(水平)方向エピタキシャルSi層及び第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を成長させる。
(11)第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の側面の一部から絶縁膜上に横(水平)方向エピタキシャルSi層を成長させる。(第2のMIS電界効果トランジスタのソースドレイン領域形成用半導体層)
(12)第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を除去し、形成された開孔部に第2の埋め込み絶縁膜を平坦に形成する。(横(水平)方向エピタキシャルSi層及び第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を第2の埋め込み絶縁膜に置換する。)
(13)チャネル部に相当する箇所のSi層及びその周囲の絶縁膜を除去する開孔部を形成する。
(14)露出したSi層の側面間にチャネル領域形成用のSi層を成長する。(第2のMIS電界効果トランジスタのチャネル領域形成用半導体層、(11)及び(14)の半導体層により第2層目の半導体層形成)
(15)チャネル領域形成用のSi層の周囲にゲート絶縁膜を介して包囲型ゲート電極を平坦に埋め込む。(第2のMIS電界効果トランジスタのゲート酸化膜及び包囲型ゲート電極形成)
(16)包囲型ゲート電極に自己整合して第2のMIS電界効果トランジスタのソースドレイン領域を形成する。
(17)配線を形成し、第1及び第2のMIS電界効果トランジスタを適宜接続する。
等の技術を使用して、
多層のSOI基板を形成する点として、特に重要視される、第1層目の半導体層にソースドレイン領域形成用の不純物をイオン注入後のプロセスの低温化、
1)ECRプラズマCVDによるエピタキシャル成長半導体層の低温化
2)第2層目の半導体層のゲート絶縁膜の低温化
3)第1層目及び第2層目の半導体層に形成するソースドレイン領域の活性化及び深さ制御用アニールの一本化(同時アニール)
等を十分考慮して、
半導体基板上に複数層からなる第1の層間絶縁膜を介して設けられた第1層目の半導体層を第1のSOI基板とし、第1層目の半導体層の一部の周囲にゲート絶縁膜を介して包囲する構造に設けられたゲート電極を有し、ゲート電極に自己整合してソースドレイン領域が第1層目の半導体層に設けられた構造を有する第1のMIS電界効果トランジスタが第1層目の半導体層に形成され、さらに積層された複数層からなる第2の層間絶縁膜を介して設けられた第2層目の半導体層を第2のSOI基板とし、第2層目の半導体層の一部の周囲にゲート絶縁膜を介して包囲する構造に設けられたゲート電極を有し、ゲート電極に自己整合してソースドレイン領域が第2層目の半導体層に設けられた構造を有する第2のMIS電界効果トランジスタが第2層目の半導体層に形成された半導体装置を形成したものである。
以下本発明を図示実施例により具体的に説明する。
全図を通じ同一対象物は同一符号で示す。ただし、側断面図における斜線は主要な絶縁膜のみに記載し、配線は若干の前後のずれを含んで描かれており、また発明の要部を示すため、水平方向及び垂直方向のサイズは正確な寸法を示していない。
図1〜図25は本発明の半導体装置における第1の実施例で、図1はチャネル長方向の模式側断面図、図2はチャネル幅方向の模式側断面図、図3〜図25は製造方法の工程断面図である。
図1及び図2はシリコン(Si)基板を使用し、MSOI構造に形成したショートチャネルのNチャネルMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1は1015cm−3程度のp型のシリコン(Si)基板、2は100nm程度のシリコン窒化膜(Si)、3は100nm程度のシリコン酸化膜(SiO)、4は50nm程度の素子分離領域のシリコン窒化膜(Si)、5は1017cm−3程度のp型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第1層目の半導体層)、6は1017cm−3程度のp型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第1層目の半導体層)、7は第1の埋め込み絶縁膜(Si)、8は1020cm−3程度のn型ソース領域、9は5×1017cm−3程度のn型ソース領域、10は5×1017cm−3程度のn型ドレイン領域、11は1020cm−3程度のn型ドレイン領域、12は5nm程度のゲート酸化膜(SiO)、13は長さ35nm程度、厚さ100nm程度の包囲型ゲート電極(WSi/polySi)、14は25nm程度のサイドウォール(SiO)、15は300nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜、16は100nm程度のシリコン窒化膜(Si)、17は100nm程度のシリコン酸化膜(SiO)、18は50nm程度の素子分離領域のシリコン窒化膜(Si)、19は1017cm−3程度のp型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)、20は1017cm−3程度のp型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)、21は第2の埋め込み絶縁膜(Si)、22は1020cm−3程度のn型ソース領域、23は5×1017cm−3程度のn型ソース領域、24は5×1017cm−3程度のn型ドレイン領域、25は1020cm−3程度のn型ドレイン領域、26は5nm程度のゲート酸化膜(SiO)、27は長さ35nm程度、厚さ100nm程度の包囲型ゲート電極(WSi/polySi)、28は25nm程度のサイドウォール(SiO)、29は400nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜、30は20nm程度のシリコン窒化膜(Si)、31は10nm程度のバリアメタル(TiN)、32は導電プラグ(W)、33は500nm程度の絶縁膜(SiOC)、34は10nm程度のバリアメタル(TaN)、35は500nm程度のCu配線(Cuシード層含む)、36は20nm程度のバリア絶縁膜(Si)を示している。
同図においては、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2が設けられ、シリコン窒化膜(Si)2上には、選択的にシリコン酸化膜(SiO)3が設けられ、シリコン酸化膜(SiO)3上に設けられたp型のSi層5間に、シリコン酸化膜(SiO)3が設けられていない部分上に設けられたp型のSi層6が挟まれている構造からなる第1層目の半導体層が素子分離領域のシリコン窒化膜(Si)4及び第1の埋め込み絶縁膜7(一部は第2の埋め込み絶縁膜21)により島状に絶縁分離されて設けられている。Si層6の周囲にはゲート酸化膜(SiO)12を介して包囲型ゲート電極(WSi/polySi)13が設けられ、包囲型ゲート電極13の上面部の側壁にはサイドウォール14が設けられ、Si層5には、概略n型ソースドレイン領域(9、10)及びn型ソースドレイン領域(8、11)が設けられ、Si層6には、概略チャネル領域が設けられている(実際にはn型ソースドレイン領域(9、10)が若干横方向拡散されている)LDD構造からなるNチャネルのMIS電界効果トランジスタが第1層目の半導体層に形成されている。第1層目の半導体層に設けられたMIS電界効果トランジスタ上には燐珪酸ガラス(PSG)膜15が平坦化されて設けられ、燐珪酸ガラス(PSG)膜15上にはシリコン窒化膜(Si)16が設けられ、シリコン窒化膜(Si)16上には、選択的にシリコン酸化膜(SiO)17が設けられ、シリコン酸化膜(SiO)17上に設けられたp型のSi層19間に、シリコン酸化膜(SiO)17が設けられていない部分上に設けられたp型のSi層20が挟まれている構造からなる第2層目の半導体層が素子分離領域のシリコン窒化膜(Si)18及び第2の埋め込み絶縁膜21により島状に絶縁分離されて設けられている。Si層20の周囲にはゲート酸化膜(SiO)26を介して包囲型ゲート電極(WSi/polySi)27が設けられ、包囲型ゲート電極27の上面部の側壁にはサイドウォール28が設けられ、Si層19には、概略n型ソースドレイン領域(23、24)及びn型ソースドレイン領域(22、25)が設けられ、Si層20には、概略チャネル領域が設けられている(実際にはn型ソースドレイン領域(23、24)が若干横方向拡散されている)LDD構造からなるNチャネルのMIS電界効果トランジスタが第2層目の半導体層に形成されている。また、n型ソースドレイン領域(8、11、22、25)及び包囲型ゲート電極(13、27)には、それぞれバリアメタル(TiN)31を有する導電プラグ(W)32を介してバリアメタル(TaN)34を有するCu配線35が接続されている。
したがって、通常の安価な半導体基板を使用して、エピタキシャル成長技術を利用して(製造方法については別途詳述)それぞれ絶縁膜上に積層した単結晶シリコンからなる第1層目及び第2層目の半導体層(SOI基板)を設け、それぞれのSOI基板において、SOI基板の一部の周囲にゲート酸化膜を介して包囲型ゲート電極を設け、チャネル領域を形成し、概略残りのSOI基板にソースドレイン領域を設けたSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成できるため、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減が可能である。
また成長するシリコン窒化膜(Si)の膜厚により、第1層目及び第2層目の半導体層(SOI基板)の膜厚を決定できるため、大口径ウエハーによる製造にも対応できる、完全空乏型のSOI構造の半導体層を容易に形成することが可能である。
また第1層目及び第2層目の半導体層(SOI基板)を形成するために必要な、第1及び第2の縦(垂直)方向エピタキシャル半導体層を自己整合して素子分離領域の一部を形成する第1及び第2の埋め込み絶縁膜に変換できることによる高信頼性及び高集積化を可能にすることができる。
また下地の絶縁膜の影響のない結晶性が極めて良好な半導体層の箇所にのみチャネル領域を形成できるため(第1層目及び第2層目の半導体層共)、安定した特性を持つMSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成することが可能である。
またゲート酸化膜を介して設けられた包囲型ゲート電極によりチャネル領域を完全に包囲して形成できるため、チャネル以外の電流経路を遮断でき、完全なチャネル制御が可能であり、バックチャネルリークを改善するばかりでなく、4面(上下面及びチャネル幅方向の2側面)にチャネルを形成できるため、表面(上面)の占有面積を増やすことなくチャネル幅を増加できるため、駆動電流を増加させることが可能である。
また微細な、結晶性が極めて良好な半導体層の一部(チャネル領域形成箇所)に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(低濃度及び高濃度のソースドレイン領域、ゲート酸化膜及び包囲型ゲート電極)を微細に形成することも可能である。
また容易な製造プロセスにより、複数層の単結晶半導体層を形成でき、且つそれぞれの単結晶半導体層にMIS電界効果トランジスタを形成できるため、極めて高集積化及び大規模化が可能である。
即ち、高速大容量通信、携帯情報端末、各種電子機械機器、宇宙関連機器等に対応可能な大規模半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能及び高集積を併せ持つ半導体装置を得ることができる。
次いで本発明に係る半導体装置における第1の実施例の第1の製造方法について図1〜図25を参照し、チャネル長方向を示す図面を用いて説明する。ただし、ここでは本発明の半導体装置の形成に関する製造方法のみを記述し、一般の半導体集積回路に搭載される各種の素子(他のトランジスタ、抵抗、容量等)の形成に関する製造方法の記述は省略する。
図3
化学気相成長により、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2を100nm程度成長する。次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO)3を成長する。次いで化学気相成長により、シリコン窒化膜(Si)4を50nm程度成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)4、シリコン酸化膜(SiO)3及びシリコン窒化膜(Si)2を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(開孔部幅は100nm程度)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図4
次いで露出したp型のシリコン基板1上にp型の第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層37を成長する。次いで化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing 以後CMPと略称)し、シリコン窒化膜(Si)4の平坦面より突出した第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層37を平坦化する。次いで選択化学気相成長法により50nm程度のタングステン膜38を成長する。
図5
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)4を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図6
次いで露出した第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層37の側面にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層5を成長し、シリコン窒化膜(Si)4の開孔部を埋め込む。ここで残されたシリコン窒化膜(Si)4は素子分離領域となる。次いでp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層5の表面を900℃程度で酸化し、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を成長する。
図7
次いで熱酸化したシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)及びシリコン窒化膜(Si)4をマスク層として、タングステン膜38及び第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層37を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。
図8
次いで化学気相成長により、60nm程度のシリコン窒化膜(Si)7を成長する。(開孔部の径は100nm程度なので十分埋め込み可能である。)次いでシリコン窒化膜(Si)4及びp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層5の平坦面上のシリコン窒化膜(Si)7及び熱酸化したシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si)7を開孔部に平坦に埋め込む。(この領域が第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層37を置換させた第1の埋め込み絶縁膜7となり、素子分離領域の一部となる。)
図9
次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO)39を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン酸化膜(SiO)39、Si層5、シリコン窒化膜(Si)4(Si層5の両側面に存在)及びシリコン酸化膜(SiO)3を選択的に順次異方性ドライエッチングし、シリコン窒化膜(Si)2の一部を露出する開孔部を形成する。この際シリコン窒化膜(Si)2がエッチングのストッパー膜となる。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図10
次いで露出したSi層5の側面間にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層6を成長し、一部の下部に空孔を有する第1層目の半導体層(5、6)を形成する。(この際、空孔直上は下地の影響が全くない単結晶シリコン層となる。)
図11
次いで露出しているSi層6の全周囲を酸化し、5nm程度のゲート酸化膜(SiO)12を成長する。次いでSi層6に閾値電圧制御用の硼素のイオン注入をおこなう。次いで化学気相成長により、ゲート酸化膜(SiO)12の全周囲を含む全面に10nm程度の多結晶シリコン膜(polySi)を成長する。次いで少なくとも残された開孔部を完全に埋め込むように100nm程度のタングステンシリサイド膜(WSi)を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン酸化膜(SiO)39上に成長した多結晶シリコン膜(polySi)及びタングステンシリサイド膜(WSi)を除去し、平坦化する。こうして開孔部に平坦に埋め込まれた包囲型ゲート電極(WSi/polySi)13が形成される。
図12
次いでシリコン酸化膜(SiO)39をエッチング除去する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いで包囲型ゲート電極(WSi/polySi)13をマスク層として、n型ソースドレイン領域(9、10)形成用の燐のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いで化学気相成長により、25nm程度のシリコン酸化膜(SiO)を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングし、包囲型ゲート電極(WSi/polySi)13の上面部の側壁にのみサイドウォール(SiO)14を形成する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いでサイドウォール(SiO)14及び包囲型ゲート電極(WSi/polySi)13をマスク層として、n型ソースドレイン領域(8、11)形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。(ここではソースドレイン領域の活性化及び深さ制御用の熱処理工程は行わないが、ソースドレイン領域は図示しておく。)
図13
次いで化学気相成長により、300nm程度のPSG膜15を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン窒化膜(Si)16を成長する。次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO)17を成長する。次いで化学気相成長により、シリコン窒化膜(Si)18を50nm程度成長する。
図14
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)18、シリコン酸化膜(SiO)17、シリコン窒化膜(Si)16、PSG膜15、シリコン窒化膜(Si)4及びシリコン酸化膜(SiO)3の一部を順次異方性ドライエッチングし、Si層5の側面を露出する開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図15
次いで低温成長(500℃以下)が可能なECRプラズマCVD装置(electron coupling resonance plasma enhanced chemical vapor deposition system)により、露出したSi層5の側面に、p型の横(水平)方向エピタキシャルSi層を成長し、連続してp型の第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層40を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si)18の平坦面より突出した第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層40を平坦化する。この際、横(水平)方向エピタキシャルSi層兼第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層40直下部とシリコン酸化膜(SiO)3直上部間には空孔41が形成される。次いで選択化学気相成長法により、Si層40上に50nm程度のタングステン膜42を成長する。
図16
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)18を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図17
次いで低温成長(500℃以下)が可能なECRプラズマCVD装置により、露出したSi層40の側面にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層19を成長し、シリコン窒化膜(Si)18の開孔部を埋め込む。ここで残されたシリコン窒化膜(Si)18は素子分離領域となる。次いでSi層19の表面を750℃程度で酸化し、10nm程度のシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を成長する。
図18
次いで熱酸化したシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)及びシリコン窒化膜(Si)18をマスク層として、タングステン膜42及びSi層40を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(開孔部幅は100nm程度)
図19
次いで化学気相成長により、60nm程度のシリコン窒化膜(Si)21を成長する。次いでシリコン窒化膜(Si)18及びSi層19の平坦面上のシリコン窒化膜(Si)21及び熱酸化したシリコン酸化膜(SiO)(図示せず)を化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si)21を開孔部に平坦に埋め込む。(この領域が第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層40を置換させた第2の埋め込み絶縁膜21となり、素子分離領域の一部となる。)
図20
次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン酸化膜(SiO)43を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン酸化膜(SiO)43、Si層19、シリコン窒化膜(Si)18(Si層19の両側面に存在)及びシリコン酸化膜(SiO)17を選択的に順次異方性ドライエッチングし、シリコン窒化膜(Si)16の一部を露出する開孔部を形成する。この際シリコン窒化膜(Si)16がエッチングのストッパー膜となる。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図21
次いで低温成長(500℃以下)が可能なECRプラズマCVD装置により、露出したSi層19の側面間にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層20を成長し、一部の下部に空孔を有する第2層目の半導体層(19、20)を形成する。(この際、空孔直上は下地の影響が全くない単結晶シリコン層となる。)
図22
次いで露出しているSi層20の全周囲を750℃程度で酸化し、5nm程度のゲート酸化膜(SiO)26を成長する。次いでSi層20に閾値電圧制御用の硼素のイオン注入をおこなう。次いで化学気相成長により、ゲート酸化膜(SiO)26の全周囲を含む全面に5nm程度の多結晶シリコン膜(polySi)を成長する。次いで少なくとも残された開孔部を完全に埋め込むように100nm程度のタングステンシリサイド膜(WSi)を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン酸化膜(SiO)43上に成長した多結晶シリコン膜(polySi)及びタングステンシリサイド膜(WSi)を除去し、平坦化する。こうして開孔部に平坦に埋め込まれた包囲型ゲート電極(WSi/polySi)27が形成される。
図23
次いでシリコン酸化膜(SiO)43をエッチング除去する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いで包囲型ゲート電極(WSi/polySi)27をマスク層として、n型ソースドレイン領域(23、24)形成用の燐のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いで化学気相成長により、25nm程度のシリコン酸化膜(SiO)を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングし、包囲型ゲート電極(WSi/polySi)27の上面部の側壁にのみサイドウォール(SiO)28を形成する。次いで化学気相成長により、5nm程度のイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)を成長する。次いでサイドウォール(SiO)28及び包囲型ゲート電極(WSi/polySi)27をマスク層として、n型ソースドレイン領域(22、25)形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでイオン注入用のシリコン酸化膜(SiO、図示せず)をエッチング除去する。次いでRTP(Rapid Thermal Processing)法により活性化及び深さ制御用のアニールをおこない、第1層目の半導体層(5、6)にn型ソースドレイン領域(9、10)及びn型ソースドレイン領域(8、9)を、第2層目の半導体層(19、20)にn型ソースドレイン領域(23、24)及びn型ソースドレイン領域(22、25)を形成する。
図24
次いで化学気相成長により、400nm程度のPSG膜29を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン窒化膜(Si)30を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)30、PSG膜29、シリコン窒化膜(Si)18、シリコン酸化膜(SiO)17、シリコン窒化膜(Si)16及びPSG膜15を順次異方性ドライエッチングし、ビアを形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いでスパッタにより、バリアメタルとなるTiN31を成長する。次いで化学気相成長により、タングステン(W)32を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)により、ビアに平坦に埋め込み、バリアメタル(TiN)31を有する導電プラグ(W)32を形成する。
図1(チャネル長方向)図2(チャネル幅方向)
次いで化学気相成長により、500nm程度の配線層絶縁膜(SiOC)33を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、SiOC膜33を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si)30がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)34を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)34を有するCu配線35を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si)36を成長し、本願発明のMSOI構造の半導体装置を完成する。
図25は第1の実施例の第1の製造方法において、第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層と第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を同じ位置、即ち横(水平)方向エピタキシャルSi層兼第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層40を第1の埋め込み絶縁膜7(第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層が存在した箇所)直上に形成したもので、これを置換させて第2の埋め込み絶縁膜を、第1の埋め込み絶縁膜直上に形成したものであり、第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層の成長個所は、第1の半導体層の一部の側面であれば自由に選んで差し支えない。
次いで本発明に係る半導体装置における第1の実施例の第2の製造方法について図26〜図28を参照し、チャネル長方向を示す図面を用いて説明する。
図3〜図13の工程をおこなった後、図26の工程をおこなう。ただし左側のMIS電界効果トランジスタを形成した第1層目の半導体層(5、6)の側面に接した左側の第1の埋め込み絶縁膜7(第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を置換させ形成した領域)と、右側のMIS電界効果トランジスタを形成した第1層目の半導体層(5、6)の側面に接した右側の第1の埋め込み絶縁膜7(第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層を置換させ形成した領域)との間に、第1層目の半導体層の一部5が設けられている。
図26
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)18、シリコン酸化膜(SiO)17、シリコン窒化膜(Si)16及びPSG膜15を順次異方性ドライエッチングし、Si層5の表面を露出する開孔部を形成する。(開孔部の径は、Si層5の径より位置合わせ余裕を含んで若干広めとする。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図27
次いで低温成長(500℃以下)が可能なECRプラズマCVD装置により、露出したSi層5上にp型の第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層44を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si)18の平坦面より突出した第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層44を平坦化する。次いで選択化学気相成長法によりSi層44上に50nm程度のタングステン膜42を成長する。
次いで図16〜図24の工程をおこなった後、図28の工程をおこなう。(ただしエピタキシャル成長Si層(19、20)はECRプラズマCVD装置による低温成長(500℃以下)とする。)
図28
次いで化学気相成長により、500nm程度の配線層絶縁膜(SiOC)33を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、SiOC膜33を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si)30がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)34を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)34を有するCu配線35を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si)36を成長し、本願発明のMSOI構造の半導体装置を完成する。
図29及び図30は本発明の半導体装置における第2の実施例の模式側断面図(図29はチャネル長方向、図30はチャネル幅方向)で、シリコン(Si)基板を使用し、MSOI構造に形成したショートチャネルのNチャネルMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜11、14〜36は図1と同じ物を、45は上面ゲート酸化膜(SiO)、46は上面ゲート電極(WSi/polySi)、47は空孔を示している。
同図においては、第1層目の半導体層に形成されたMIS電界効果トランジスタが包囲型ゲート電極を有さず、上面のみにゲート電極が形成されていること及び第1層目の半導体層のゲート電極直下部に空孔が形成されていること以外は図1とほぼ同じ構造の半導体装置が形成されている。
本実施例においては、第1層目の半導体層の上面にしかチャネルを形成できず、やや高速性に劣るが、半導体基板にNチャネルMIS電界効果トランジスタのオフ電圧を印加することにより、バックチャネルリークを抑えることができ、それ以外はほぼ第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
図31は本発明の半導体装置における第3の実施例で、シリコン(Si)基板を使用し、MSOI構造に形成したショートチャネルのNチャネルMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜4、7〜18、21〜36は図1と同じ物を、48はp型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層(第1層目の半導体層)、49はp型の第2の横(水平)方向エピタキシャル歪みSi層(第1層目の半導体層)、50はp型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層(第2層目の半導体層)、51はp型の第2の横(水平)方向エピタキシャル歪みSi層(第2層目の半導体層)を示している。
同図においては、第1層目の半導体層(Si層)及び第2層目の半導体層(Si層)共に一対のSiGe層間に歪みSi層が挟まれた構造からなる半導体層が形成されていること以外は図1とほぼ同じ構造の半導体装置が形成されている。
本実施例においても第1の実施例と同様の効果を得ることができ、製造方法はやや複雑になるが、格子定数の小さなSi層を、左右から格子定数の大きなSiGe層により挟んだ構造の単結晶半導体層を形成できるため、左右のSiGe層から歪みSi層の格子定数を広げることが可能で、キャリアの移動度を増加させることができることにより、さらなる高速化が可能である。
図32は本発明の半導体装置における第4の実施例で、シリコン(Si)基板を使用し、MSOI構造に形成したショートチャネルのNチャネルMIS電界効果トランジスタ及びPチャネルMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜21、26〜36は図1と同じ物を、52はn型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)、53はn型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)、54はp型ソース領域、55はp型ドレイン領域を示している。
同図においては、第2層目の半導体層において、NチャネルMIS電界効果トランジスタの替りにPチャネルMIS電界効果トランジスタが形成されていること以外は図1とほぼ同じ構造の半導体装置が形成されている。
本実施例においてはCMOSを形成することも可能で、第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
図33は本発明の半導体装置における第5の実施例で、シリコン(Si)基板を使用し、MSOI構造に形成したショートチャネルのNチャネルMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜36は図1と同じ物を、56はバリアメタル(TiN)、57は導電プラグ(W)、58は下層配線(W)、59は燐珪酸ガラス(PSG)膜を示している。
同図においては、第1層目の半導体層に形成されたMIS電界効果トランジスタ用の下層配線が形成されていること以外は図1とほぼ同じ構造の半導体装置が形成されている。
本実施例においては製造方法がやや複雑になるが、配線の自由度が増すことにより、さらなる高集積化が可能で、それ以外は第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
上記実施例においては、半導体層を成長させる場合に化学気相成長を使用しているが、これに限定されず、分子線成長法(MBE)によっても、有機金属気相成長法(MOCVD)によっても、原子層結晶成長法(ALE)によっても、また他のいかなる結晶成長法を利用してもよい。
上記実施例においては、NチャネルのMIS電界効果トランジスタを形成する場合について記載しているが、PチャネルのMIS電界効果トランジスタを形成してもよい。
またゲート電極、ゲート酸化膜、バリアメタル、導電プラグ、配線、絶縁膜等は上記実施例に限定されず、同様の特性を有する材料であればどのような材料を使用してもよい。
また上記実施例のすべてはエンハンスメント型のMIS電界効果トランジスタを形成する場合について記載しているが、デブリーション型のMIS電界効果トランジスタを形成してもよい。この場合は導電型が反対のエピタキシャル半導体層を成長するか、あるいはエピタキシャル半導体層を成長して後に反対導電型の不純物をイオン注入して導電型を変換したエピタキシャル半導体層を使用して同様構造のMIS電界効果トランジスタを形成すればよい。
また上記実施例においては、2層のSOI基板を形成する場合を説明しているが、3層以上のSOI基板を形成する場合にも本願発明を利用すれば製造は容易である。
本願発明は、特に極めて高集積、高速且つ高信頼な半導体装置を目指したものではあるが、高速に限らず、MIS電界効果トランジスタを搭載するすべての半導体集積回路に利用することは可能である。
またMIS電界効果トランジスタばかりでなく、他の電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ等からなる半導体集積回路に利用できる可能性がある。
1 p型のシリコン(Si)基板
2 シリコン窒化膜(Si
3 シリコン酸化膜(SiO
4 素子分離領域のシリコン窒化膜(Si
5 p型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第1層目の半導体層)
6 p型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第1層目の半導体層)
7 第1の埋め込み絶縁膜(Si
8 n型ソース領域
9 n型ソース領域
10 n型ドレイン領域
11 n型ドレイン領域
12 ゲート酸化膜(SiO
13 ゲート電極(WSi/polySi)(第1層目の包囲型ゲート電極)
14 サイドウォール(SiO
15 燐珪酸ガラス(PSG)膜
16 シリコン窒化膜(Si
17 シリコン酸化膜(SiO
18 シリコン窒化膜(Si
19 p型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)
20 p型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)
21 第2の埋め込み絶縁膜(Si
22 n型ソース領域
23 n型ソース領域
24 n型ドレイン領域
25 n型ドレイン領域
26 ゲート酸化膜(SiO
27 ゲート電極(WSi/polySi)(第2層目の包囲型ゲート電極)
28 サイドウォール(SiO
29 燐珪酸ガラス(PSG)膜
30 シリコン窒化膜(Si
31 バリアメタル(TiN)
32 導電プラグ(W)
33 SiOC膜
34 バリアメタル(TaN)
35 Cu配線(Cuシード層含む)
36 バリア絶縁膜(Si
37 p型の第1の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層
38 選択化学気相成長導電膜(W)
39 シリコン酸化膜(SiO
40 p型の第3の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第1層目の半導体層)兼第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層
41 空孔
42 選択化学気相成長導電膜(W)
43 シリコン酸化膜(SiO
44 第2の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層
45 上面ゲート酸化膜(SiO
46 上面ゲート電極(WSi/polySi)
47 空孔
48 p型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層(第1層目の半導体層)
49 p型の第2の横(水平)方向エピタキシャル歪みSi層(第1層目の半導体層)
50 p型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層(第2層目の半導体層)
51 p型の第2の横(水平)方向エピタキシャル歪みSi層(第2層目の半導体層)
52 n型の第1の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)
53 n型の第2の横(水平)方向エピタキシャルSi層(第2層目の半導体層)
54 p型ソース領域
55 p型ドレイン領域
56 バリアメタル(TiN)
57 導電プラグ(W)
58 下層配線(W)
59 燐珪酸ガラス(PSG)膜

Claims (3)

  1. 半導体基板と、前記半導体基板上に設けられた複数層からなる第1の層間絶縁膜と、前記第1の層間絶縁膜に平坦に埋め込まれて選択的に設けられた単結晶の第1の半導体層と、少なくとも前記第1の半導体層及び前記第1の層間絶縁膜により側面を包囲されて設けられた第1の埋め込み絶縁膜と、前記第1の半導体層に設けられた第1のMIS電界効果トランジスタと、前記第1の半導体層上に設けられた複数層からなる第2の層間絶縁膜と、前記第2の層間絶縁膜に平坦に埋め込まれて選択的に設けられた単結晶の第2の半導体層と、少なくとも前記第2の半導体層及び前記第2の層間絶縁膜により側面を包囲されて設けられた第2の埋め込み絶縁膜と、前記第2の半導体層に設けられた第2のMIS電界効果トランジスタとを備え、且つ前記第1及び第2のMIS電界効果トランジスタは、それぞれ前記第1あるいは第2の半導体層の一部の周囲を第1あるいは第2のゲート絶縁膜を介して包囲する構造に設けられた全周囲等しいゲート長を有する第1あるいは第2の包囲型ゲート電極と、前記第1あるいは第2の包囲型ゲート電極に自己整合して前記第1あるいは第2の半導体層に設けられたソースドレイン領域と、を有していることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第1の半導体層は、ソースドレイン領域が設けられた箇所の半導体層と、チャネル領域が設けられた箇所の半導体層との2つの半導体層からなり、前記第2の半導体層は、ソースドレイン領域が設けられた箇所の半導体層と、チャネル領域が設けられた箇所の半導体層との2つの半導体層からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1のMIS電界効果トランジスタの第1の包囲型ゲート電極は、前記第1の半導体層のチャネル領域相当箇所及び前記第1の半導体層のチャネル領域相当箇所の周囲の絶縁膜を異方性エッチングし、第1の開孔部を形成する工程と、露出した側面間に横(水平)方向エピタキシャル半導体層を成長し、チャネル領域相当箇所が復元された第1の半導体層を再形成する工程と、前記第1の半導体層のチャネル領域相当箇所の周囲に第1のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第1のゲート絶縁膜を介して前記第1の開孔部に導電膜を埋め込む工程と、により形成され、前記第2のMIS電界効果トランジスタの第2の包囲型ゲート電極は、前記第2の半導体層のチャネル領域相当箇所及び前記第2の半導体層のチャネル領域相当箇所の周囲の絶縁膜を異方性エッチングし、第2の開孔部を形成する工程と、露出した側面間に横(水平)方向エピタキシャル半導体層を成長し、チャネル領域相当箇所が復元された第2の半導体層を再形成する工程と、前記第2の半導体層のチャネル領域相当箇所の周囲に第2のゲート絶縁膜を形成する工程と、前記第2のゲート絶縁膜を介して前記第2の開孔部に導電膜を埋め込む工程と、により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
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