JP2017204622A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】SOI構造の包囲型ゲート電極を有する非対称MIS電界効果トランジスタの提供
【解決手段】導電体8で周囲を包囲された一対の第1の半導体層6と第1の半導体層6間に挟まれて設けられた第2の半導体層7をSOI基板とし、第2の半導体層7の周囲にゲート絶縁膜10を介して設けられた包囲型ゲート電極11と、包囲型ゲート電極11あるいは包囲型ゲート電極11のサイドウォール15に自己整合して第1の半導体層6の一方に設けられた低濃度あるいは高濃度の不純物からなるドレイン領域(13、14)と、包囲型ゲート電極11に自己整合して第1の半導体層6の他方に設けられた高濃度の不純物からなるソース領域12と、第2の半導体層7に設けられたチャネル領域と、を備えた非対称構造のMIS電界効果トランジスタが半導体基板1上に絶縁膜2を介して設けられたものである。
【選択図】図1

Description

本発明はSOI(Silicon On Insulator)構造の半導体集積回路に係り、特に半導体基板(バルクウエハー)に容易な製造プロセスにより、キャリアの移動度を増加させた極薄のSOI基板を形成し、この極薄のSOI基板に、高速、低電力、高性能、高信頼且つ高集積なショートチャネルのMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路を形成することに関する。
図41は従来の半導体装置の模式側断面図で、半導体層の選択エピタキシャル成長法を利用して形成したSOI構造のNチャネルのMIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、61はp型のシリコン基板、62はシリコン窒化膜、63はシリコン酸化膜、64は素子分離領域のシリコン窒化膜、65はp型のSiGe層、66はp型の歪みSi層、67はシリコン酸化膜、68はn型ソース領域、69はn型ソース領域、70はn型ドレイン領域、71はn型ドレイン領域、72はゲート酸化膜、73は包囲型ゲート電極、74はサイドウォール、75はPSG膜、76はシリコン窒化膜、77はバリアメタル、78は導電プラグ、79は層間絶縁膜、80はバリアメタル、81はCu配線、82はバリア絶縁膜を示している。
同図においては、p型のシリコン基板61上にシリコン窒化膜62が設けられ、シリコン窒化膜62上には、選択的にシリコン酸化膜63が設けられ、シリコン酸化膜63上に設けられたp型の一対のSiGe層65間に、シリコン酸化膜63が設けられていない部分上に設けられたp型の歪みSi層66が挟まれている構造からなる半導体層が島状に絶縁分離されて設けられている。p型の歪みSi層66の周囲にはゲート酸化膜72を介して包囲型ゲート電極73が設けられ、包囲型ゲート電極73の上面部の側壁にはサイドウォール74が設けられ、p型の一対のSiGe層65には、n型ソースドレイン領域(69、70)及びn型ソースドレイン領域(68、71)が設けられ、p型の歪みSi層66には、チャネル領域が設けられており、n型ソースドレイン領域(68、71)及び包囲型ゲート電極73には、それぞれバリアメタル77を有する導電プラグ78を介してバリアメタル80を有するCu配線81が接続されているLDD(Lightly Doped Drain)構造からなるNチャネルのMIS電界効果トランジスタが形成されている。
したがって、通常の安価な半導体基板を使用し、半導体層の選択エピタキシャル成長法を利用して、半導体基板上に絶縁膜を介して歪みSi層を左右から挟んだSiGe層を有する構造からなる完全空乏型の半導体層を設け、歪みSi層の周囲にゲート酸化膜を介して包囲型ゲート電極を設け、SiGe層にソースドレイン領域を設け、歪みSi層にチャネル領域を設けたSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成できるため、ソースドレイン領域の接合容量の低減、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減等が可能であった。
またゲート酸化膜を介して設けられた包囲型ゲート電極によりチャネル領域を形成する歪みSi層を包囲して形成できるため、SOI構造のMIS電界効果トランジスタに特有のバックチャネルリークを改善できる効果もあった。
また格子定数の小さなSi層を、左右から格子定数の大きなSiGe層により挟んだ構造の単結晶半導体層を形成できるため、左右のSiGe層から歪みSi層の格子間隔を広げることが可能で、キャリアの移動度を増加させることができることによる高速化も可能であった。
しかし完全空乏型の薄いSOI基板に不純物領域からなるソースドレイン領域を形成するため、ソースドレイン領域の抵抗の低減が難しくなってきた。
また薄膜のSOI基板に形成した不純物のソースドレイン領域に配線体との接続を取っているため、コンタクト抵抗の低減化が難しかった。
また均一な膜厚からなる極薄の半導体層の形成が難しく、キャリアの散乱を十分に抑制できなかった。
またホットキャリア効果を改善するために、ドレイン領域にLDD構造からなるNチャネルのMIS電界効果トランジスタを容易に形成することはできるが、同時に不必要なソース領域にも低濃度領域が形成されるため、ソース領域の抵抗を低減できず、高速化に難があった。
特開2012−142492 (特許第5592281号)
本願発明が解決しようとする課題は、SOI構造を形成するために、SIMOX法によりSOI基板を形成しても、貼り合わせSOIウエハーを使用しても、あるいは従来例に示されるように、半導体層の選択エピタキシャル成長法によりSOI基板を形成しても、
(1)ソースドレイン領域の抵抗を薄膜のSOI基板に形成した不純物からなるソースドレイン領域により確定していたため、さらなる低減化ができなかったこと。
(2)薄膜のSOI基板に形成した不純物からなるソースドレイン領域に配線体との接続を取っていたため、コンタクト抵抗の低減化が難しかったこと。
(3)キャリアの散乱を十分に抑制したチャネル領域を得るための均一な膜厚を有する極薄のSOI基板の形成が難しかったこと。
(4)ドレイン領域におけるホットキャリア効果を改善するために形成する低濃度領域が、不必要なソース領域にも形成され、ソース領域の抵抗を低減化できなかったこと。
等の問題が顕著になりつつあり、現状技術により微細なSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成しているだけでは、さらなる高速化、高性能化、低電力化及び高信頼性が困難になってきたことである。
上記課題は、半導体層の一部に設けられているチャネル領域が、ゲート絶縁膜を介して第1の導電体(包囲型ゲート電極)により周囲を包囲され、前記半導体層の残りの一方の部分に設けられている高濃度不純物からなるソース領域と、前記半導体層の残りの他方の部分に設けられている低濃度及び高濃度不純物からなるドレイン領域とが、第2の導電体により、それぞれ周囲を包囲されている構造の非対称MIS電界効果トランジスタが、絶縁膜を介して半導体基板上に設けられている本発明の半導体装置によって解決される。
以上説明のように本発明によれば、通常の安価な半導体基板を使用し、半導体層の選択エピタキシャル成長法を利用して、半導体基板上に絶縁膜を介して極薄半導体層(極薄の第2の半導体層)を左右から挟んだ一対の極薄半導体層(極薄の第1の半導体層)を有する構造からなる完全空乏型の半導体層(SOI基板)を設け、極薄の第2の半導体層の周囲にゲート酸化膜を介して包囲型ゲート電極を設け、包囲型導電体に周囲を包囲された極薄の第1の半導体層にソースドレイン領域を設け、極薄の第2の半導体層にチャネル領域を設けたSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成できるため、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減が可能である。
また極薄の第2の半導体層にチャネル領域を設けられるため、キャリアの散乱を防止し、移動度を向上させることができるので、高速化が可能である。
また包囲型導電体に周囲を包囲された極薄の第1の半導体層にソースドレイン領域を設けられるため、ソースドレイン領域の抵抗を低減できるので、高速化が可能である。
また低抵抗の包囲型導電体上で配線体との接続を形成できるため、ソースドレイン領域のコンタクト抵抗を低減できるので、高速化が可能である。
またドレイン領域はホットキャリア効果を改善したLDD構造に形成でき、ソース領域は不必要な低濃度領域が存在しない、高濃度ソース領域構造に自己整合して形成できるため、ソース領域の抵抗を低減でき、さらなる高速化を可能にすることもできる。
またゲート酸化膜を介して設けられた包囲型ゲート電極により極薄の第2の半導体層を包囲して形成できるため、チャネル以外の電流経路を遮断でき、バックチャネルリークを防止でき、完全なチャネル制御が可能であるばかりでなく、4面(上下面及びチャネル幅方向の2側面)にチャネルを形成できるため、表面(上面)の占有面積を増やすことなくチャネル幅を増加できるので、駆動電流を増加させることが可能で、より高速化が可能である。
また微細な極薄の第2の半導体層に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(低濃度及び高濃度のソースドレイン領域、ゲート酸化膜、包囲型ゲート電極、ソースドレイン領域包囲型導電体)を微細に形成することも可能である。
また下地の絶縁膜の影響のない結晶性が良好な極薄の第2の半導体層にのみチャネル領域を形成できるため、安定した特性を持つMIS電界効果トランジスタを形成することが可能である。
また格子定数の小さな歪み極薄Si層(極薄の第2の半導体層)を、左右から格子定数の大きな極薄SiGe層(極薄の第1の半導体層)により挟んだ構造の半導体層(SOI基板)を形成できるため、左右の極薄SiGe層(極薄の第1の半導体層)から歪み極薄Si層(極薄の第2の半導体層)の格子間隔を広げることが可能で、キャリアの移動度をさらに増加させることができることによる、さらなる高速化が可能である。
また非対称MIS電界効果トランジスタのドレイン領域直下に薄膜のシリコン酸化膜に包囲された空孔を設けることも可能で、ドレイン領域と半導体基板間の容量を、通常のシリコン酸化膜のみのSOI構造に比較し、大幅に低減することが可能(該当箇所では、空気とシリコン酸化膜(SiO)との誘電率の相違で約1/4になる)となり、さらなる高速化を達成することもできる。
またSOI構造の半導体層に形成したドレイン領域直下に放熱用の空孔を設けることにより、MIS電界効果トランジスタの高速化によって発生する熱による温度上昇を抑制し、高温での速度特性の劣化を改善することも可能である。
即ち、高速大容量通信、携帯情報端末、車載用機器、各種電子機械機器、宇宙関連機器等に対応可能な半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能、低電力及び高集積を併せ持つSOI構造の非対称MIS電界効果トランジスタを得ることができる。
本発明者は当該技術を、導電体により包囲された3領域を有する絶縁膜上の非対称MIS電界効果トランジスタ(ASymmetric MISFET with riple egions urrounded by onductor on insulator)と命名し、ASTRSC(エーエスティーアールエスシー)構造と略称する。
本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向、チャネル部) 本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向、ドレイン領域部) 本発明の半導体装置における第1の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向、ソース領域部) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第1の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第2の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向、ドレイン領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の模式側断面図(チャネル幅方向、ソース領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル幅方向、ドレイン領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル幅方向、ソース領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル幅方向、ドレイン領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル幅方向、ドレイン領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル長方向) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル幅方向、ドレイン領域部) 本発明の半導体装置における第3の実施例の製造方法の工程断面図(チャネル幅方向、ソース領域部) 本発明の半導体装置における第4の実施例の模式側断面図(チャネル長方向) 従来の半導体装置の模式側断面図(チャネル長方向)
本願発明は、特に、
(1)完全単結晶からなる半導体基板を核にした縦(垂直)方向あるいは横(水平)方向エピタキシャル半導体層の選択成長によるSOI基板の形成。
(2)下層導電体(下地絶縁膜との接触防止膜兼包囲型導電体の下層部)を使用したエピタキシャル成長による完全単結晶半導体層の成長。
(3)極薄半導体層を完全に包囲する包囲型導電体の形成。
(4)導電体で包囲された極薄半導体層の分割による導電体で包囲された一対の極薄の第1の半導体層の形成。
(5)一対の極薄の第1の半導体層間の横方向成長による極薄の第2の半導体層の形成。
(6)第2の半導体層にゲート絶縁膜を介した包囲型ゲート電極の形成。
(7)包囲型導電体と包囲型ゲート電極を絶縁する埋め込み絶縁膜の自己整合形成。
(8)包囲型ゲート電極に自己整合した低濃度ドレイン領域の形成。
(9)包囲型ゲート電極に自己整合したドレイン領域側のみのサイドウォールの形成。
(10)包囲型ゲート電極側壁のサイドウォールに自己整合した高濃度ドレイン領域及び包囲型ゲート電極に自己整合した高濃度ソース領域の形成。
(11)低濃度ドレイン領域及び高濃度ソースドレイン領域のRTP法による活性化及び深さ制御。
(12)高濃度ソースドレイン領域及び包囲型ゲート電極への配線体の形成。
等の技術を使用し、
導電体で周囲を包囲された一対の第1の半導体と第1の半導体層間に挟まれて設けられた第2の半導体層をSOI基板とし、第2の半導体層の周囲にゲート絶縁膜を介して設けられた包囲型ゲート電極と、包囲型ゲート電極あるいは包囲型ゲート電極側壁に形成されたサイドウォールに自己整合して第1の半導体層の一方に設けられた低濃度あるいは高濃度の不純物からなるドレイン領域と、包囲型ゲート電極に自己整合して第1の半導体層の他方に設けられた高濃度の不純物からなるソース領域と、第2の半導体層に設けられたチャネル領域と、高濃度ソースドレイン領域及び包囲型ゲート電極にそれぞれ設けられた配線体と、を備えた非対称構造のMIS電界効果トランジスタを半導体基板上に絶縁膜を介して形成したものである。
以下本発明を図示実施例により具体的に説明する。
全図を通じ同一対象物は同一符号で示す。ただし、側断面図における斜線は主要な絶縁膜のみに記載し、配線は若干の前後のずれを含んで描かれており、また発明の要部を示すため、水平方向及び垂直方向のサイズは正確な寸法を示していない。
図1〜図25は本発明の半導体装置における第1の実施例で、図1はチャネル長方向の模式側断面図、図2はチャネル幅方向のチャネル部の模式側断面図、図3はチャネル幅方向のドレイン領域部の模式側断面図、図4はチャネル幅方向のソース領域部の模式側断面図、図5〜図25は製造方法の工程断面図である。
図1〜図4はシリコン(Si)基板を使用し、ASTRSC構造に形成したNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1は1015cm−3程度のp型のシリコン(Si)基板、2は100nm程度のシリコン窒化膜(Si)、3は10nm程度のシリコン酸化膜(SiO)、4は90nm程度のシリコン窒化膜(Si)、5は190nm程度(一部は300nm程度)の素子分離領域のシリコン酸化膜(SiO)、6は濃度1017cm−3程度、膜厚15〜20nm程度のp型のエピタキシャルSi層(極薄の第1の半導体層、ソースドレイン領域形成部)、7は濃度1017cm−3程度、膜厚15〜20nm程度のp型のエピタキシャルSi層(極薄の第2の半導体層、チャネル領域形成部)、8は膜厚40nm程度のソースドレイン領域包囲型導電体(WSi)、8aは下層導電体(WSi)、8bは側面及び上層導電体(WSi)、9は長さ15nm程度の埋め込みシリコン酸化膜(SiO)、10は5nm程度のゲート酸化膜(SiO)、11はゲート長30nm程度、膜厚140nm程度の包囲型ゲート電極(WSi)、12は1020cm−3程度のn型ソース領域、13は5×1017cm−3程度のn型ドレイン領域、14は1020cm−3程度のn型ドレイン領域、15は20nm程度のサイドウォール(SiO)、16は400nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜、17は20nm程度のシリコン窒化膜(Si)、18は10nm程度のバリアメタル(TiN)、19は導電プラグ(W)、20は500nm程度の層間絶縁膜(SiOC)、21は10nm程度のバリアメタル(TaN)、22は500nm程度のCu配線(Cuシード層含む)、23は20nm程度のバリア絶縁膜(Si)を示している。
図1(チャネル長方向、チャネル部)においては、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2が設けられ、シリコン窒化膜(Si)2上には選択的に薄いシリコン酸化膜(SiO)3が設けられ、シリコン酸化膜(SiO)3上には選択的にシリコン窒化膜(Si)4が設けられ、シリコン窒化膜(Si)4上にはソースドレイン領域包囲型導電体(WSi)8に周囲を包囲されたp型の一対の極薄Si層6が設けられ、一対の極薄Si層6間に対向する側面をそれぞれ接してp型の極薄Si層7が設けられ、一対の極薄Si層6及び極薄Si層7からなる半導体層(SOI基板)が素子分離領域のシリコン酸化膜(SiO)5により島状に絶縁分離されている。極薄Si層7の周囲にはゲート酸化膜(SiO)10を介して包囲型ゲート電極(WSi)11がシリコン窒化膜(Si)2上に設けられ、包囲型ゲート電極11のドレイン領域側の上面部の側壁のみにサイドウォール15が設けられ、ドレイン領域側の極薄Si層6には、n型ドレイン領域13及びn型ドレイン領域14が設けられ、ソース領域側の極薄Si層6には、n型ソース領域12が設けられ、極薄Si層7には、チャネル領域が設けられ(実際にはn型ドレイン領域13及びn型ソース領域12が若干横方向拡散されている)、ソースドレイン領域包囲型導電体(WSi)8と包囲型ゲート電極(WSi)11間には埋め込みシリコン酸化膜(SiO)9が設けられて絶縁されており、n型ソースドレイン領域(12、14)には、それぞれバリアメタル(TiN)18を有する導電プラグ(W)19を介してバリアメタル(TaN)21を有するCu配線22が接続されているLDD構造からなるNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタのチャネル長方向の側断面図が示されている。
図2(チャネル幅方向、チャネル部)においては、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2が設けられ、シリコン窒化膜(Si)2上には極薄Si層7をゲート酸化膜(SiO)10を介して包囲している構造の包囲型ゲート電極(WSi)11が選択的に設けられ、包囲型ゲート電極(WSi)11の上面部の側壁にはサイドウォール15が設けられ、包囲型ゲート電極11にはバリアメタル(TiN)18を有する導電プラグ(W)19を介してバリアメタル(TaN)21を有するCu配線22が接続されているNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタの一部で、チャネル部のチャネル幅方向の側断面図が示されている。(ただし図2においてはソースドレイン領域が図示されていないので、非対称MIS電界効果トランジスタであるか否かはわからない。)
図3(チャネル幅方向、ドレイン領域部)においては、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2が設けられ、シリコン窒化膜(Si)2上には薄いシリコン酸化膜(SiO)3が設けられ、シリコン酸化膜(SiO)3上には選択的にシリコン窒化膜(Si)4が設けられ、シリコン窒化膜(Si)4上にはソースドレイン領域包囲型導電体(WSi)8に周囲を包囲された極薄Si層6が設けられ、極薄Si層6にはn型ドレイン領域14が設けられ、n型ドレイン領域14にはバリアメタル(TiN)18を有する導電プラグ(W)19を介してバリアメタル(TaN)21を有するCu配線22が接続されているNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタの一部で、ドレイン領域部のチャネル幅方向の側断面図が示されている。(ただし図3においても非対称MIS電界効果トランジスタであるか否かはわからない。)
図4(チャネル幅方向、ソース領域部)においては、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2が設けられ、シリコン窒化膜(Si)2上には薄いシリコン酸化膜(SiO)3が設けられ、シリコン酸化膜(SiO)3上には選択的にシリコン窒化膜(Si)4が設けられ、シリコン窒化膜(Si)4上にはソースドレイン領域包囲型導電体(WSi)8に周囲を包囲された極薄Si層6が設けられ、極薄Si層6にはn型ソース領域12が設けられ、n型ソース領域12にはバリアメタル(TiN)18を有する導電プラグ(W)19を介してバリアメタル(TaN)21を有するCu配線22が接続されているNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタの一部で、ソース領域部のチャネル幅方向の側断面図が示されている。(ただし図4においても非対称MIS電界効果トランジスタであるか否かはわからない。)
したがって、通常の安価な半導体基板を使用し、半導体層の選択エピタキシャル成長法を利用して、半導体基板上に絶縁膜を介して極薄半導体層(極薄の第2の半導体層)を左右から挟んだ一対の極薄半導体層(極薄の第1の半導体層)を有する構造からなる完全空乏型の半導体層(SOI基板)を設け、極薄の第2の半導体層の周囲にゲート酸化膜を介して包囲型ゲート電極を設け、包囲型導電体に周囲を包囲された極薄の第1の半導体層にソースドレイン領域を設け、極薄の第2の半導体層にチャネル領域を設けたSOI構造のMIS電界効果トランジスタを形成できるため、ソースドレイン領域の接合容量の低減(実質ゼロ)、空乏層容量の低減、ソースドレイン領域の耐圧改善及びサブスレッショルド特性を改善できることによる閾値電圧の低減が可能である。
また極薄の第2の半導体層にチャネル領域を設けられるため、キャリアの散乱を防止し、移動度を向上させることができるので、高速化が可能である。
また包囲型導電体に周囲を包囲された極薄の第1の半導体層にソースドレイン領域を設けられるため、ソースドレイン領域の抵抗を低減できるので、高速化が可能である。
また低抵抗の包囲型導電体上で配線体との接続を形成できるため、ソースドレイン領域のコンタクト抵抗を低減できるので、高速化が可能である。
またドレイン領域はホットキャリア効果を改善したLDD構造に形成でき、ソース領域は不必要な低濃度領域が存在しない、高濃度ソース領域構造に自己整合して形成できるため、ソース領域の抵抗を低減でき、高速化が可能である。
またゲート酸化膜を介して設けられた包囲型ゲート電極により極薄の第2の半導体層を包囲して形成できるため、チャネル以外の電流経路を遮断でき、バックチャネルリークを防止でき、完全なチャネル制御が可能であるばかりでなく、4面(上下面及びチャネル幅方向の2側面)にチャネルを形成できるため、表面(上面)の占有面積を増やすことなくチャネル幅を増加できるので、駆動電流を増加させることが可能で、より高速化が可能である。
また微細な極薄の第2の半導体層に自己整合して、MIS電界効果トランジスタの構成要素(低濃度及び高濃度のソースドレイン領域、ゲート酸化膜、包囲型ゲート電極、ソースドレイン領域包囲型導電体)を微細に形成することも可能である。
また下地の絶縁膜の影響のない結晶性が良好な極薄の第2の半導体層にのみチャネル領域を形成できるため、安定した特性を持つMIS電界効果トランジスタを形成することが可能である。
即ち、高速大容量通信、携帯情報端末、車載用機器、各種電子機械機器、宇宙関連機器等に対応可能な半導体集積回路の製造を可能とする、高速、高信頼、高性能、低電力及び高集積を併せ持つSOI構造の非対称MIS電界効果トランジスタを得ることができる。
次いで本発明に係る半導体装置における第1の実施例の製造方法について図1〜図25を参照して説明する。チャネル長方向を示す図面を用いて説明するが、主要な工程においてはチャネル幅方向を示す図面も適宜追加して説明する。ただし、ここでは本発明の半導体装置の形成に関する製造方法のみを記述し、一般の半導体集積回路に搭載される各種の素子(他のトランジスタ、抵抗、容量等)の形成に関する製造方法の記述は省略する。
図5(チャネル長方向)
化学気相成長により、p型のシリコン基板1上にシリコン窒化膜(Si)2を100nm程度成長する。次いで化学気相成長により、10nm程度のシリコン酸化膜(SiO)3を成長する。次いで化学気相成長により、90nm程度のシリコン窒化膜(Si)4を成長する。次いで化学気相成長により、40nm程度のタングステンシリサイド膜(WSi)8aを成長する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン窒化膜(Si)24を成長する。
図6(チャネル長方向)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)24、タングステンシリサイド膜(WSi)8a、シリコン窒化膜(Si)4、シリコン酸化膜(SiO)3及びシリコン窒化膜(Si)2を順次異方性ドライエッチングし、p型のシリコン基板1の一部を露出する開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図7(チャネル長方向)
次いで露出したp型のシリコン基板1上にp型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層25を成長する。次いで化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing 以後CMPと略称)し、シリコン窒化膜(Si)24の平坦面より突出したSi層25を平坦化する。次いで選択化学気相成長法により50nm程度のタングステン膜26を成長する。
図8(チャネル長方向)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)24を異方性ドライエッチングし、p型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層25の側面の一部を露出する開孔部を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図9(チャネル長方向)
次いで露出したSi層25の側面からp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層6(第1の半導体層)を成長し、開孔部を埋め込む。
図10(チャネル長方向)
次いで横(水平)方向エピタキシャルSi層6の表面を900℃程度で酸化し、10nm程度のシリコン酸化膜(SiO)27を成長する。次いでシリコン酸化膜(SiO)27をマスク層として、タングステン膜26、Si層25及びシリコン窒化膜(Si)24を順次異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際シリコン基板1の表面も若干エッチングされるが、特に問題はない。)
図11(チャネル長方向)
次いでシリコン酸化膜(SiO)27を異方性ドライエッチングする。次いで化学気相成長により、60nm程度のタングステンシリサイド膜(WSi)8bを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。
図12(チャネル長方向)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、タングステンシリサイド膜(WSi)(8b、8a)及びシリコン窒化膜(Si)4を順次異方性ドライエッチングする。次いでレジスト(図示せず)を除去する。こうして下層導電体8a、側面及び上層導電体8bによりSi層6を包囲した、タングステンシリサイド膜(WSi)からなる包囲型導電体8を形成する。
図13(チャネル長方向)
次いで化学気相成長により、200nm程度のシリコン酸化膜(SiO)5を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、包囲型導電体8の平坦面より上に成長したシリコン酸化膜(SiO)5を除去し、包囲型導電体8により包囲されたSi層6を平坦に埋め込み、素子分離領域のシリコン酸化膜(SiO)5を形成する。
図14(チャネル長方向)
次いで化学気相成長により、100nm程度のシリコン窒化膜(Si)28を成長する。
図15(チャネル長方向)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)28、タングステンシリサイド膜(WSi)8(8b)、Si層6、タングステンシリサイド膜(WSi)8(8a)、シリコン窒化膜(Si)4及びシリコン酸化膜(SiO)(5、3)を順次異方性ドライエッチングし、シリコン窒化膜(Si)2の一部を露出する開孔部を形成する。この際シリコン窒化膜(Si)2がエッチングのストッパー膜となる。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図16(チャネル長方向)
次いで開孔部に側面が露出したタングステンシリサイド膜(WSi)8を15nm程度等方性ドライエッチングし、横(水平)方向に微小な開孔部を形成する。
図17(チャネル長方向)
次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO)9を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングし、微小な開孔部にシリコン酸化膜(SiO)9を埋め込む。
図18(チャネル長方向)
次いで露出したSi層6の側面間にp型の横(水平)方向エピタキシャルSi層7を成長し、下部に空孔を有するSi層7を形成する。(この際、空孔直上は下地の影響が全くない極薄の単結晶シリコン層となる。)
図19(チャネル長方向)
次いで露出しているSi層7の全周囲を熱酸化し、5nm程度のゲート酸化膜(SiO)10を成長する。次いでSi層7に閾値電圧制御用の硼素のイオン注入をおこなう。次いで化学気相成長により、100nm程度のタングステンシリサイド膜(WSi)を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、シリコン窒化膜(Si)28上に成長したタングステンシリサイド膜(WSi)を除去し、開孔部を平坦に埋め込み、包囲型ゲート電極(WSi)11を形成する。
図20(チャネル長方向)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、右半分(ドレイン領域部)のシリコン窒化膜(Si)28をエッチング除去する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで包囲型ゲート電極(WSi)11及びシリコン窒化膜(Si)28をマスク層として、Si層6にn型ドレイン領域形成用の燐のイオン注入(図示せず)をおこなう。
図21(チャネル長方向)
次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO)を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングし、包囲型ゲート電極(WSi)11の上面部の右半分の側壁にのみサイドウォール(SiO)15を形成する。
図22(チャネル長方向)
次いで残された左半分(ソース領域部)のシリコン窒化膜(Si)28をエッチング除去する。次いでサイドウォール(SiO)15及び包囲型ゲート電極(WSi)11をマスク層として、n型ソースドレイン領域形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでRTP(Rapid Thermal Processing)法によりアニールをおこない、n型ドレイン領域13及びn型ソースドレイン領域(12、14)を形成する。
図23(チャネル長方向)
次いで化学気相成長により、400nm程度の燐珪酸ガラス(PSG)膜16を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、平坦化する。次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン窒化膜(Si)17を成長する。
図24
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、シリコン窒化膜(Si)17及びPSG膜16を順次異方性ドライエッチングし、ビアを形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図25
次いで化学気相成長によりにより、バリアメタルとなるTiN18を成長する。次いで化学気相成長により、タングステン(W)19を成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)により、ビアに平坦に埋め込み、バリアメタル(TiN)18を有する導電プラグ(W)19を形成する。
図1(チャネル長方向)、図2(チャネル幅方向、チャネル部)、図3(チャネル幅方向、ドレイン領域部)、図4(チャネル幅方向、ソース領域部)
次いで化学気相成長により、500nm程度の層間絶縁膜(SiOC)20を成長する。次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、層間絶縁膜(SiOC)20を異方性ドライエッチングし、開孔部を形成する。(この際、シリコン窒化膜(Si)17がエッチングストッパー膜となる。)次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで化学気相成長により、10nm程度のバリアメタル(TaN)21を成長する。次いでスパッタにより、Cuシード層を成長する。次いで電解メッキ法により500nm程度のCuを成長する。次いで化学的機械研磨(CMP)し、開孔部にCuを平坦に埋め込み、バリアメタル(TaN)21を有するCu配線22を形成する。次いで化学気相成長により、Cuのバリア絶縁膜となるシリコン窒化膜(Si)23を成長し、本願発明のASTRSC構造のNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタを完成する。
図26は本発明の半導体装置における第2の実施例の模式側断面図で、シリコン(Si)基板を使用し、ASTRSC構造に形成したNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜5、8〜23は図1と同じ物を、29はp型の横(水平)方向エピタキシャルSiGe層(極薄の第1の半導体層、ソースドレイン領域形成部)、30はp型の横(水平)方向エピタキシャル歪みSi層(極薄の第2の半導体層、チャネル領域形成部)を示している。
同図においては、チャネル領域を形成する第2の半導体層が極薄の歪みSi層30からなり、ソースドレイン領域を形成する第1の半導体層が極薄のSiGe層29からなっていること以外は図1とほぼ同じ構造のNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタが形成されている。
本実施例においても第1の実施例と同様の効果を得ることができ、製造方法はやや複雑になるが、格子定数の小さなSi層を、左右から格子定数の大きなSiGe層により挟んだ構造の単結晶半導体層を形成できるため、左右のSiGe層から歪みSi層に引っ張り応力を与えることにより、格子間隔を広げることが可能で、キャリアの移動度を増加させることができることにより、さらなる高速化が可能である。
図27〜図39は本発明の半導体装置における第3の実施例で、図27はチャネル長方向の模式側断面図、図28はチャネル幅方向のドレイン領域部の模式側断面図、図29はチャネル幅方向のソース領域部の模式側断面図、図30〜図39は製造方法の工程断面図の一部である。
図27〜図29はシリコン(Si)基板を使用し、ASTRSC構造に形成したNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜23は図1と同じ物を、31は空孔、32は空孔を包囲する薄膜のシリコン酸化膜(SiO)を示している。
同図においては、ドレイン領域のシリコン窒化膜(Si)4の替りに薄膜のシリコン酸化膜(SiO)32で包囲された空孔31が設けられていること以外は図1及び図3とほぼ同じ構造のNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタが形成されている。
本実施例においてもほぼ第1の実施例と同様の効果を得ることができ、さらにMIS電界効果トランジスタのドレイン領域直下に薄膜のシリコン酸化膜に包囲された空孔を設けることにより、ドレイン領域と半導体基板間の容量を、通常のシリコン酸化膜のみのSOI構造に比較し、大幅に低減することが可能(該当箇所では、空気とシリコン酸化膜(SiO)との誘電率の相違で約1/4になる)であること、ドレイン領域直下に放熱用の空孔を設けることにより、MIS電界効果トランジスタの高速化によって発生する熱による温度上昇を抑制し、高温での速度特性の劣化を改善することも可能である。
次いで本発明に係る半導体装置における第3の実施例の製造方法について図30〜図39及び図27〜図29を参照して説明する。
第1の実施例に示される図5〜図19の工程をおこなった後、図30の工程をおこなう。
図30(チャネル長方向)、図31(チャネル幅方向、ドレイン領域部)及び図32(チャネル幅方向、ソース領域部)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)をマスク層として、ドレイン領域部のシリコン窒化膜(Si)28をエッチング除去する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。次いで包囲型ゲート電極(WSi)11及びシリコン窒化膜(Si)28をマスク層として、Si層6にn型ドレイン領域形成用の燐のイオン注入(図示せず)をおこなう。
図33(チャネル長方向)及び図34(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いで露光描画装置による通常のリソグラフィー技術を利用し、レジスト(図示せず)及びシリコン酸化膜(SiO)5をマスク層として、タングステンシリサイド膜(WSi)8のチャネル幅方向の両端部を異方性ドライエッチングし、幅40nm程度の微細な開孔部を形成する。連続して残されたシリコン窒化膜(Si)4を等方性ドライエッチングして、包囲型導電体8により包囲されたSi層6の直下に空孔31を形成する。次いでレジスト(図示せず)を除去する。
図35(チャネル長方向)及び図36(チャネル幅方向、ドレイン領域部)
次いで化学気相成長により、20nm程度のシリコン酸化膜(SiO)を成長する。次いで全面異方性ドライエッチングし、微細な開孔部を塞ぎ、シリコン酸化膜(SiO)32により包囲された空孔31及びドレイン領域側の包囲型ゲート電極(WSi)11の上面部の側壁にのみサイドウォール(SiO)15を形成する。
図37(チャネル長方向)、図38(チャネル幅方向、ドレイン領域部)及び図39(チャネル幅方向、ソース領域部)
次いで残されたシリコン窒化膜(Si)28をエッチング除去する。次いでサイドウォール(SiO)15及び包囲型ゲート電極(WSi)11をマスク層として、n型ソースドレイン領域形成用の砒素のイオン注入をおこなう。次いでRTP法によりアニールをおこない、n型ドレイン領域13及びn型ソースドレイン領域(12、14)を形成する。
次いで第1の実施例に示される図23〜図25及び図1の工程をおこない、本願発明のASTRSC構造のNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタを完成する。(完成図、図27(チャネル長方向)、図28(チャネル幅方向のドレイン領域部)及び図29(チャネル幅方向のソース領域部)、チャネル幅方向のチャネル部は図2に同じ)
図40は本発明の半導体装置における第4の実施例の模式側断面図で、シリコン(Si)基板を使用し、ASTRSC構造に形成したNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタを含む半導体集積回路の一部を示しており、1〜8、10〜23は図1と同じ物を示している。
同図においては、埋め込みシリコン酸化膜(SiO)9が設けられていないこと及び上面を除き包囲型ゲート電極(WSi)11がゲート酸化膜(SiO)10により包囲される構造に形成されていること以外は図1とほぼ同じ構造のNチャネルの非対称MIS電界効果トランジスタが形成されている。
本実施例においてもほぼ第1の実施例と同様の効果を得ることができ、また化学気相成長によってゲート酸化膜(SiO)を形成することにより、包囲型ゲート電極(WSi)をゲート酸化膜(SiO)により包囲する構造に形成できるため、ソースドレイン包囲型導電体(WSi)と包囲型ゲート電極(WSi)を絶縁分離できるので、埋め込みシリコン酸化膜(SiO)を省略できることによる製造プロセスの簡略化が可能となる。
上記実施例においては、半導体層を成長させる場合に化学気相成長を使用しているが、これに限定されず、分子線成長法(MBE)によっても、有機金属気相成長法(MOCVD)によっても、原子層結晶成長法(ALE)によっても、また他のいかなる結晶成長法を利用してもよい。
上記実施例のすべては、NチャネルのMIS電界効果トランジスタを形成する場合について記載しているが、Nチャネル及びPチャネルのMIS電界効果トランジスタが共存するCMOSを形成しても本願発明は成立する。
また包囲型ゲート電極、ゲート酸化膜、ソースドレイン包囲型導電体、バリアメタル、導電プラグ、配線、絶縁膜等は上記実施例に限定されず、同様の特性を有する材料であればどのような材料を使用してもよい。
また上記実施例においては、極薄の半導体層として15nm〜20nm程度を使用しているが、これに限定されず、さらに薄い10nm以下の半導体層を使用することも可能である。
また上記実施例のすべてはエンハンスメント型のMIS電界効果トランジスタを形成する場合について記載しているが、デブリーション型のMIS電界効果トランジスタを形成してもよい。この場合は導電型が反対のエピタキシャル半導体層を成長するか、あるいはエピタキシャル半導体層を成長して後に反対導電型の不純物をイオン注入して導電型を変換したエピタキシャル半導体層を使用して同様構造のMIS電界効果トランジスタを形成すればよい。
また上記実施例においては、ドレイン領域と同じサイズでソース領域を形成しているが、サイドウォール(SiO)が形成されない分の微細化を計ってもよい。
また上記実施例においては、標準的な電源電圧で動作するMIS電界効果トランジスタを扱っているが、オフセット領域(高濃度ドレイン領域からゲート電極の端部までの距離、概略低濃度ドレイン領域の長さ)を長くとる高耐圧のMIS電界効果トランジスタに応用することも可能である。
本願発明は、特に極めて高速で、高信頼且つ高集積なMIS電界効果トランジスタを目指したものではあるが、高速に限らず、MIS電界効果トランジスタを搭載するすべての半導体集積回路に利用することは可能である。
また半導体集積回路ばかりでなく、単体の個別半導体素子としての利用も可能である。
またMIS電界効果トランジスタばかりでなく、他の電界効果トランジスタ等に利用できる可能性がある。
1 p型のシリコン(Si)基板
2 シリコン窒化膜(Si
3 シリコン酸化膜(SiO
4 シリコン窒化膜(Si
5 素子分離領域のシリコン酸化膜(SiO
6 p型のエピタキシャルSi層(極薄の第1の半導体層、ソースドレイン領域形成部)
7 p型のエピタキシャルSi層(極薄の第2の半導体層、チャネル領域形成部)
8 ソースドレイン領域包囲型導電体(WSi)
8a 下層導電体(WSi)
8b 側面及び上層導電体(WSi)
9 埋め込みシリコン酸化膜(SiO
10 ゲート酸化膜(SiO
11 包囲型ゲート電極(WSi)
12 n型ソース領域
13 n型ドレイン領域
14 n型ドレイン領域
15 サイドウォール(SiO
16 燐珪酸ガラス(PSG)膜
17 シリコン窒化膜(Si
18 バリアメタル(TiN)
19 導電プラグ(W)
20 層間絶縁膜(SiOC)
21 バリアメタル(TaN)
22 Cu配線(Cuシード層含む)
23 バリア絶縁膜(Si
24 シリコン窒化膜(Si
25 p型の縦(垂直)方向エピタキシャルSi層
26 選択化学気相成長導電膜(W)
27 シリコン酸化膜(SiO
28 シリコン窒化膜(Si
29 p型のエピタキシャルSiGe層(極薄の第1の半導体層、ソースドレイン領域形成部)
30 p型のエピタキシャル歪みSi層(極薄の第2の半導体層、チャネル領域形成部)
31 空孔
32 空孔を包囲する薄膜のシリコン酸化膜(SiO

Claims (5)

  1. 半導体層の一部に設けられているチャネル領域が、ゲート絶縁膜を介して第1の導電体(包囲型ゲート電極)により周囲を包囲され、前記半導体層の残りの一方の部分に設けられている高濃度不純物からなるソース領域と、前記半導体層の残りの他方の部分に設けられている低濃度及び高濃度不純物からなるドレイン領域とが、第2の導電体により、それぞれ周囲を包囲されている構造の非対称MIS電界効果トランジスタが、絶縁膜を介して半導体基板上に設けられていることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記半導体層は、ソース領域あるいはドレイン領域が設けられている一対の第1の半導体層と、チャネル領域が設けられている第2の半導体層からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記第1の半導体層の格子定数が、前記第2の半導体層の格子定数より大きいことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. ドレイン領域が設けられている前記第1の半導体層直下に空孔が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  5. 側面を素子分離絶縁膜により平坦に埋め込まれ、複数の下層絶縁膜を介して半導体基板上に設けられた、周囲を導電体に包囲された第1の半導体層において、前記導電体に包囲された第1の半導体層を含む全面に上層絶縁膜を形成する工程と、選択的に前記上層絶縁膜、直下の前記導電体に包囲された第1の半導体層、前記導電体に包囲された第1の半導体層の近傍の前記素子分離絶縁膜及び直下の前記下層絶縁膜の一部を順次異方性エッチング除去して開孔部を形成する工程と、側面が露出した前記導電体の一部を等方性エッチング除去して狭い間隙部を形成する工程と、前記間隙部に絶縁膜を埋め込む工程と、側面が露出した前記第1の半導体層間に第2の半導体層を横(水平)方向にエピタキシャル形成する工程と、前記第2の半導体層の露出面にゲート絶縁膜を形成する工程と、残された前記開孔部に包囲型ゲート電極を平坦に埋め込む工程と、選択的にドレイン領域側の前記上層絶縁膜をエッチング除去する工程と、ドレイン領域側の前記第1の半導体層に低濃度の不純物を導入する工程と、サイドウォール用絶縁膜を形成し、全面異方性エッチングしてドレイン領域側の前記包囲型ゲート電極の側壁にサイドウォールを形成する工程と、残された前記上層絶縁膜をエッチング除去する工程と、前記包囲型ゲート電極及び前記サイドウォールをマスク層として高濃度の不純物を導入する工程と、をおこない、ドレイン領域側の前記第1の半導体層には前記包囲型ゲート電極端の直下より離間し、低濃度ドレイン領域に接触した高濃度ドレイン領域を形成し、ソース領域側には前記包囲型ゲート電極端の直下に達した高濃度ソース領域を形成したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
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