JP6015469B2 - 光学フィルムのロール体、偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
光学フィルムのロール体、偏光板及び液晶表示装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6015469B2 JP6015469B2 JP2013016341A JP2013016341A JP6015469B2 JP 6015469 B2 JP6015469 B2 JP 6015469B2 JP 2013016341 A JP2013016341 A JP 2013016341A JP 2013016341 A JP2013016341 A JP 2013016341A JP 6015469 B2 JP6015469 B2 JP 6015469B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical film
- acid
- film
- formula
- range
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Polarising Elements (AREA)
- Liquid Crystal (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
式(2) 0≦Y≦1.5
式(3) 2.0≦X+Y≦3.0
(式中、Xはアセチル基置換度を表し、Yはプロピオニル基又はブチリル基置換度を表す
)
一般式(I):B−(G−A)n−G−B
(式中、Bは、脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基を表す。Gは、炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは1以上の整数を表す。)
一般式(II):B−G−B
(式中、Bは、一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと同一の脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基を表す。Gは一般式(I)で表されるポリエステルと同一のアルキレングリコール残基、アリールグリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基を表す。)
2.前記巻きの長さが、5000〜10000mの範囲内であることを特徴とする第1項に記載の光学フィルムのロール体。
式(i):Ro=(nx−ny)×d(nm)
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
〔式(i)及び式(ii)において、nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表す。nyは、フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。nzは、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。〕
4.前記糖エステルが、脂肪族アルキル基(AL)又は芳香族アルキル基(AR)の置換基を有し、当該脂肪族アルキル基の数が当該芳香族アルキル基の数より多いことを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体。
8.第1項から第7項までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体から繰り出した光学フィルムを、活性エネルギー線硬化性接着剤により偏光子と貼り合わせたことを特徴とする偏光板。
本発明の光学フィルムのロール体の製造方法は、アクリル系添加剤を含まず、アシル基置換度が前記式(1)〜(3)を満たすセルロースアシレートと、フラノース環又はピラノース環を1〜12個有する糖エステルと、一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと、一般式(II)で表される構造を有する多価アルコールエステルとを含有し、延伸後の厚さが10〜20μmの範囲内となるように搬送方向と直交する方向に、フィルムのガラス転移温度をTgとしたときに、(Tg+15)〜(Tg+50)℃の温度範囲で延伸することが好ましい。
本発明の光学フィルムは、セルロースアシレートを主成分として含有する。主成分とは、当該光学フィルム中のセルロースアシレートの含有比率が、55質量%以上、更に好ましくは60質量%以上であり、特に好ましくは70質量%以上であることをいう。
式(2) 0≦Y≦1.5
式(3) 2.0≦X+Y≦3.0
なかでも本発明に係るセルロースアシレートは、セルロース(ジ、トリ)アセテート(Y=0)、及びセルロースアセテートプロピオネート(Y;プロピオニル基、Y>0)が好ましい。セルロース(ジ、トリ)アセテートとしては2.4≦X≦2.95であることが好ましい。セルロースアセテートプロピオネートは、1.0≦X≦2.5であり、0.1≦Y≦1.5、2.4≦X+Y≦2.95であることが好ましい。
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いる。
本発明の光学フィルムは、セルロースアシレート以外の糖エステルを含有する。本発明に係る糖エステルとしては、ピラノース環又はフラノース環の少なくとも一種を1個以上12個以下有しその構造のOH基の全て若しくは一部をエステル化した糖エステルである。
1)LC部
装置:日本分光(株)製カラムオーブン(JASCO CO−965)、ディテクター(JASCO UV−970−240nm)、ポンプ(JASCO PU−980)、デガッサー(JASCO DG−980−50)
カラム:Inertsil ODS−3 粒子径5μm 4.6×250mm(ジーエルサイエンス(株)製)
カラム温度:40℃
流速:1ml/min
移動相:THF(1%酢酸):H2O(50:50)
注入量:3μl
2)MS部
装置:LCQ DECA(Thermo Quest(株)製)
イオン化法:エレクトロスプレーイオン化(ESI)法
Spray Voltage:5kV
Capillary温度:180℃
Vaporizer温度:450℃
〈一般式(I)で表される構造を有するポリエステル〉
本発明の光学フィルムは、上記糖エステル以外に、下記一般式(I)で表される構造を有するポリエステルを用いる。当該ポリエステルはその可塑的な効果から脆性を改善するために、光学フィルムに対して1〜20質量%の範囲で含有することが好ましく、2〜10質量%の範囲で含有することがより好ましい。
(式中、Bは、脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基を表す。Gは、炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは1以上の整数を表す。)
本発明に係るポリエステルは、ジカルボン酸とジオールを反応させて得られる繰り返し単位を含むポリエステルであり、Aはエステル中のカルボン酸残基を表し、Gはアルコール残基を表す。
エチレングリコール180g、無水フタル酸278g、アジピン酸91g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応のエチレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルP1を得た。酸価0.20、数平均分子量450であった。
1,2−プロピレングリコール251g、無水フタル酸244g、アジピン酸103g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルP2を得た。酸価0.10、数平均分子量450であった。
1,4−ブタンジオール330g、無水フタル酸244g、アジピン酸103g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,4−ブタンジオールを減圧留去することにより、ポリエステルP3を得た。酸価0.50、数平均分子量2000であった。
1,2−プロピレングリコール251g、テレフタル酸354g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルP4を得た。酸価0.10、数平均分子量400であった。
1,2−プロピレングリコール251g、テレフタル酸354g、p−トロイル酸680g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルP5を得た。酸価0.30、数平均分子量400であった。
180gの1,2−プロピレングリコール、292gのアジピン酸、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中200℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応の1,2−プロピレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルP6を得た。酸価0.10、数平均分子量400であった。
160gのエチレングリコール、292gのアジピン酸、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中200℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応のエチレングリコールを減圧留去することにより、〈ポリエステルP7〉を得た。酸価0.10、数平均分子量1000であった。
エチレングリコール251g、無水フタル酸244g、セバシン酸200g、安息香酸610g、エステル化触媒としてテトライソプロピルチタネート0.191gを、温度計、撹拌器、緩急冷却管を備えた2Lの四つ口フラスコに仕込み、窒素気流中230℃になるまで、撹拌しながら徐々に昇温する。重合度を観察しながら脱水縮合反応させた。反応終了後200℃で未反応のエチレングリコールを減圧留去することにより、ポリエステルP8を得た。酸価0.50、数平均分子量2000であった。
本発明の光学フィルムは、上記糖エステル及びポリエステル以外に、下記一般式(II)で表される構造を有する多価アルコールエステルを用いることが特徴である。
(式中、Bは、一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと同一の脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基を表す。Gは一般式(I)で表されるポリエステルと同一のアルキレングリコール残基、アリールグリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基を表す。)
当該一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと同一のB及びGで表される残基を有する一般式(II)で表される構造を有する多価アルコールエステルを、当該ポリエステルと対になるように用いることで、セルロースアシレート、糖エステル及び当該ポリエステルの三者間の相溶性を向上し、ヘイズ低下に寄与することができる。
本発明の光学フィルムには、上記糖エステル、ポリエステル、及び多価アルコールエステル以外に、分子量が10000以下の公知の可塑剤を効果を阻害しない範囲で用いることもできる。可塑剤として特に限定されないが、好ましくは、多価カルボン酸エステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤及び多価アルコールエステル系などから選択される。
本発明の光学フィルムは、液晶表示装置の表面側(視認側)に配置する光学フィルムとして用いる場合に、紫外線吸収剤を含有することが耐光性を向上する観点から好ましい。紫外線吸収剤は400nm以下の紫外線を吸収することで、耐光性を向上させることを目的としており、特に波長370nmでの透過率が10%以下であることが好ましく、より好ましくは5%以下、更に好ましくは2%以下である。
酸化防止剤は劣化防止剤ともいわれる。高湿高温の状態に液晶画像表示装置などが置かれた場合には、光学フィルムの劣化が起こる場合がある。
光学フィルムは、表面の滑り性を高めるため、必要に応じて微粒子(マット剤)をさらに含有してもよい。
本発明の光学フィルムの製造方法としては、通常のインフレーション法、T−ダイ法、カレンダー法、切削法、流延法、エマルジョン法、ホットプレス法等の製造法が使用できるが、着色抑制、異物欠点の抑制、ダイラインなどの光学欠点の抑制などの観点から製膜方法は、溶液流延製膜法と溶融流延製膜法が選択でき、特に溶液流延法であることが、均一な表面を得るために好ましい。
以下、本発明の光学フィルムを溶液流延法で製造する場合について説明する。
セルロースアシレートに対する良溶媒を主とする有機溶媒に、溶解釜中で当該セルロースアシレート、場合によって、本発明に係る糖エステル、ポリエステル、多価アルコールエステル、及び/又はその他の化合物を撹拌しながら溶解しドープを形成する工程、あるいは該セルロースアシレート溶液に、本発明に係る糖エステル、ポリエステル、多価アルコールエステル、及び/又はその他の化合物溶液を混合して主溶解液であるドープを形成する工程である。
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイ30に送液し、無限に移送する無端の金属ベルト31、例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等の金属支持体上の流延位置に、加圧ダイスリットからドープを流延する工程である。
ウェブ(流延用支持体上にドープを流延し、形成されたドープ膜をウェブと呼ぶ)を流延用支持体上で加熱し、溶媒を蒸発させる工程である。
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離されたウェブは次工程に送られる。
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、140℃で1時間の加熱処理を行うことを表す。
剥離後、ウェブを乾燥装置内に複数配置したローラーに交互に通して搬送する乾燥装置35、及び/又はクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター延伸装置34を用いて、ウェブを乾燥する。
・幅手方向に延伸→幅手方向に延伸→流延方向に延伸→流延方向に延伸
また、同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方を、張力を緩和して収縮させる場合も含まれる。同時二軸延伸の好ましい延伸倍率は幅手方向、長手方向ともに元幅に対して1.01〜1.5倍の範囲である。特に好ましくは、リターデーション値を小さくする観点から、幅手方向にフィルム元幅に対して1.01〜1.2倍の範囲で延伸することが好ましく、より好ましくは1.05〜1.1倍の範囲である。
本発明の光学フィルムは、膜の厚さが10〜30μmの範囲と薄膜であるため、光学フィルムをロール状に保管するときに巻ずれや光学品質の劣化の懸念があるが、エンボス加工することによって、それらを効果的に防止することができる。
これにより、巻取ったフィルム同士が完全に接着して、あるいは、部分的に接着してフィルムの表面の状態に影響を与え、故障を引き起こすのを防ぐ役割を果たす。
図2は、光学フィルムのエンボス部近傍の一例を示す断面図である。図2に示されるように、エンボス部51を構成する凸部51Aの高さD0は、好ましくは1〜20μmの範囲内であり、より好ましくは2〜15μmの範囲内である。凸部51Aの高さD0とは、フィルム面F(エンボスが形成されていない部分のフィルム面)から凸部51Aの頂点までの高さをいう。凸部51Aの高さが1μm未満であると、光学フィルム同士が密着しやすいため、好ましくない。一方、凸部51Aの高さが20μmを超えると、ロール体の幅手方向中央部がたわみやすく、光学フィルムとしての平面性が保ちにくい。エンボス部である凸部51Aは、光学フィルムの両端部からフィルム幅長の5%以内の領域に形成されることが、光学フィルムの有効面積を確保する観点から好ましい。
ウェブ中の残留溶媒量が2質量%以下となってから光学フィルムとして巻取り機37により巻取る工程であり、残留溶媒量を0.4質量%以下にすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。特に0.00〜0.10質量%の範囲で巻取ることが好ましい。
(リターデーション値)
本発明の光学フィルムは、温度23℃、相対湿度55%の環境下で、波長590nmで測定した、下記式(i)により定義される面内方向のリターデーション値(Ro)が0〜10nmの範囲内にあり、下記式(ii)により定義される厚さ方向のリターデーション値(Rt)が−20〜20nmの範囲内にあることが、IPSモード型液晶表示装置に用いる光学フィルムとして好ましい。好ましくは、Roが0〜5nmの範囲内であり、Rtが−10〜10nmの範囲内である。さらに、Rtは−5〜5nmの範囲内であることがより好ましい。
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
〔式(i)及び式(ii)において、nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表す。nyは、フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。nzは、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。〕
これらのリターデーション値は、自動複屈折計KOBRA−WPR(王子計測機器)を用いて測定することができる。
本発明の光学フィルムは、全ヘイズが、1%未満であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましく、0.2%以下であることがより好ましい。ヘイズが1%未満であれば、フィルムの透明性の低下が無く、光学フィルムとして十分に機能する。
本発明の光学フィルムは、その全光線透過率が90%以上であることが好ましく、より好ましくは93%以上である。また、現実的な上限としては、99%程度である。かかる全光線透過率にて表される優れた透明性を達成するには、可視光を吸収する添加剤や共重合成分を導入しないようにすることや、ポリマー中の異物を高精度濾過により除去し、フィルム内部の光の拡散や吸収を低減させることが有効である。また、製膜時のフィルム接触部(冷却ローラー、カレンダーローラー、ドラム、ベルト、溶液製膜における塗布基材、搬送ローラーなど)の表面粗さを小さくしてフィルム表面の表面粗さを小さくすることによりフィルム表面の光の拡散や反射を低減させることが有効である。
本発明の光学フィルム表面の算術平均粗さRaは、おおむね1.3〜4.0nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは1.6〜3.5nmの範囲内である。算術平均粗さRaは、JIS B0601−2001に準じた測定器、例えば、オリンパス(株)製、3Dレーザー顕微鏡LEXT OLS4000や、小坂研究所(株)製、サーフコーダー MODEL SE−3500などを用いて測定することができる。
本発明の光学フィルムを、液晶表示装置に具備した場合、使用する環境雰囲気、例えば、高湿環境下での吸湿による寸法変化により、ムラやリターデーション値の変化、及びコントラストの低下や色むらといった問題を発生させないために、本発明の光学フィルムの寸法変化率(%)は、0.5%未満であることが好ましく、更に、0.3%未満であることが好ましく、最も好ましくは0.1%未満である。かかる寸法変化率の範囲を達成するには、セルロースアシレートの種類、分子量、添加剤や可塑剤等の種類や配合量の調整、及び延伸条件の調整を行うことが有効である。
また、本発明の光学フィルムは、JIS−K7127−1999に準拠した測定において、少なくとも一方向(TD方向又はMD方向)の破断伸度が、4%以上であることが好ましく、より好ましくは10%以上である。
本発明の光学フィルムにはその用途により、帯電防止層、バックコート層、反射防止層、易滑性層、接着層、防眩層、及びバリアー層等の機能性層を設けることができる。
本発明の偏光板の製造方法は、本発明の光学フィルムの製造方法により光学フィルムを製造し、該光学フィルムを用いて活性エネルギー線硬化性接着剤により偏光子と貼り合わせることが好ましい。
偏光板の主たる構成要素である偏光子は、一定方向の偏波面の光だけを通す素子であり、現在知られている代表的な偏光子は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムである。ポリビニルアルコール系偏光フィルムには、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものとがある。
本発明の偏光板の製造方法においては、本発明の光学フィルムが配置されている面とは反対側の偏光子面に、本発明の光学フィルムと同様に、後述する活性エネルギー線硬化性接着剤を介して保護フィルムが積層されていてもよい。
前処理工程では、光学フィルムの、偏光子との接着面に易接着処理を行う。偏光子の両面にそれぞれ光学フィルムを接着させる場合は、それぞれの光学フィルムの、偏光子との接着面に易接着処理を行う。易接着処理としては、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
接着剤塗布工程では、偏光子と光学フィルムとの接着面のうち少なくとも一方に、上記活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布する。偏光子又は光学フィルムの表面に直接活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布する場合、その塗布方法に特別な限定はない。例えば、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーター等、種々の塗工方式が利用できる。また、偏光子と光学フィルムの間に、活性エネルギー線硬化性接着剤を流延させた後、ローラー等で加圧して均一に押し広げる方法も利用できる。
こうして活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布した後、貼合工程に供される。この貼合工程では、例えば、先の塗布工程で偏光子の表面に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布した場合、そこに光学フィルムが重ね合わされる。先の塗布工程で光学フィルムの表面に活性エネルギー線硬化性接着剤を塗布した場合は、そこに偏光子が重ね合わされる。また、偏光子と光学フィルムの間に活性エネルギー線硬化性接着剤を流延させた場合は、その状態で偏光子と光学フィルムとが重ね合わされる。偏光子の両面に光学フィルムを接着する場合であって、両面とも活性エネルギー線硬化性接着剤を用いる場合は、偏光子の両面にそれぞれ、活性エネルギー線硬化性接着剤を介して光学フィルムが重ね合わされる。そして通常は、この状態で両面(偏光子の片面に光学フィルムを重ね合わせた場合は、偏光子側と光学フィルム側、また偏光子の両面に光学フィルムを重ね合わせた場合は、その両面の光学フィルム側)からローラー等で挟んで加圧することになる。ローラーの材質は、金属やゴム等を用いることが可能である。両面に配置されるローラーは、同じ材質であってもよいし、異なる材質であってもよい。
硬化工程では、未硬化の活性エネルギー線硬化性接着剤に活性エネルギー線を照射して、エポキシ化合物やオキセタン化合物を含む接着剤層を硬化させる。それにより、活性エネルギー線硬化性接着剤を介して重ね合わせた偏光子と光学フィルムとを接着させる。偏光子の片面に光学フィルムを貼合する場合、活性エネルギー線は、偏光子側又は光学フィルム側のいずれから照射してもよい。また、偏光子の両面に光学フィルムを貼合する場合、偏光子の両面にそれぞれ活性エネルギー線硬化性接着剤を介して光学フィルムを重ね合わせた状態で、いずれか一方の光学フィルム側から活性エネルギー線を照射し、両面の活性エネルギー線硬化性接着剤を同時に硬化させるのが有利である。
本発明の液晶表示装置の製造方法は、前記本発明の偏光板を用いて当該液晶表示装置を製造することが好ましい。本発明の光学フィルムを具備した当該偏光板は、種々の液晶表示装置に用いることができる。
<実施例の光学フィルムに用いた材料>
(セルロースアシレート)
セルロースアシレートA:アセチル基置換度2.80である数平均分子量70000のセルローストリアセテート(表中TACと記載)
セルロースアシレートB:アセチル基置換度2.45である数平均分子量70000のセルロースジアセテート(表中DACと記載)
セルロースアシレートC:アセチル基置換度1.55、プロピオニル基置換度0.9、総アシル基置換度2.45、数平均分子量70000のセルロースアセテートプロピオネート(表中CAPと記載)
(糖エステル)
下記表2に記載の糖を用いて、脂肪族アルキル基(AL)及び芳香族アルキル基(AR)の置換基の種類と置換基数を変化させて、それぞれ糖エステルを前述の方法で合成した。
下記表3及び表4に示すように、一般式(I)で表されるポリエステルにおけるA、G及びBの構造に対して、一般式(II)で表される多価アルコールエステルにおけるG及びBの構造を対になるように変化させて、それぞれポリエステル及びそれと対になる多価アルコールエステルを前述の方法で合成した。表中の質量比率は、一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと、一般式(II)で表される構造を有する多価アルコールエステルの光学フィルムに含有される合計質量を100としたときの、それぞれの質量比率である。
特開2000−128911号公報に記載の重合方法により塊状重合を行った。すなわち、撹拌機、窒素ガス導入管、温度計、投入口及び還流冷却管を備えたフラスコにモノマーとして下記メチルアクリレート(MMA)を投入し、窒素ガスを導入してフラスコ内を窒素ガスで置換した。
(主ドープ1の調製)
下記組成の主ドープを調製した。まず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルAを撹拌しながら投入し、これを加熱し、撹拌しながら完全に溶解した。
表2記載の糖エステル 7質量部
表3記載のポリエステル 4質量部
表3記載の多価アルコールエステル 1質量部
マット剤:R812の12%エタノール分散液(日本アエロジル(株)製) 1.4質量部
メチレンクロライド 430質量部
エタノール 40質量部
更に上記添加剤成分を密閉容器に投入し、撹拌しながら溶解して、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ1を調製した。
上記調製した主ドープ1を、ベルト流延装置を用い、温度22℃、1.8m幅でステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体で、残留溶剤量が20%になるまで溶媒を蒸発させ、剥離張力162N/mでステンレスバンド支持体上から剥離した。
その後、120℃、140℃の乾燥ゾーンを多数のローラーで搬送させながら乾燥を終了させ、1.3m幅にスリットし、フィルム両端に幅10mm、高さ2.5μmのナーリング加工を施した後、コアに巻取り、本発明の光学フィルム1を作製した。膜厚は20μm、巻きの長さは5000mであった。
それぞれ主ドープを表5に記載の構成で作製し、表5に記載の延伸温度、延伸倍率及び膜厚となるように調整した以外は光学フィルム1と同様にして、光学フィルム2〜12を作製した。
上記作製した光学フィルム1〜12を用いて、偏光板1〜12を作製した。
厚さ45μmのポリビニルアルコールフィルムを、35℃の水で膨潤させた。得られたフィルムを、ヨウ素0.075g、ヨウ化カリウム5g及び水100gからなる水溶液に60秒間浸漬し、さらにヨウ化カリウム3g、ホウ酸7.5g及び水100gからなる45℃の水溶液に浸漬した。得られたフィルムを、延伸温度55℃、延伸倍率5倍の条件で一軸延伸した。この一軸延伸フィルムを、水洗した後、乾燥させて、厚さ15μmの偏光子を得た。
下記の各成分を混合した後、脱泡して、活性エネルギー線硬化性接着剤液を調製した。なお、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートは、50%プロピレンカーボネート溶液として配合し、下記にはトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの固形分量を表示した。
エポリードGT−301(ダイセル化学社製の脂環式エポキシ樹脂) 40質量部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル 15質量部
トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート 2.3質量部
9,10−ジブトキシアントラセン 0.1質量部
1,4−ジエトキシナフタレン 2.0質量部
(偏光板の作製)
下記の方法に従って、偏光板を作製した。
〈光学フィルムのTgの測定〉
光学フィルムのガラス転移温度Tgの測定方法は、JIS K7121に従って、セイコーインスツル(株)製の示差走査熱量計DSC220を用いて測定した。
光学フィルムのリターデーション値は、温度23℃、相対湿度55%の環境下で、波長590nmで、下記式(i)により定義される面内方向のリターデーション値(Ro)及び下記式(ii)により定義される厚さ方向のリターデーション値(Rt)を、自動複屈折計KOBRA−WPR(王子計測機器)を用いて測定した。
式(ii):Rt={(nx+ny)/2−nz}×d(nm)
〔式(i)及び式(ii)において、nxは、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表す。nyは、フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。nzは、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。〕
〈全ヘイズの測定〉
光学フィルムの全ヘイズは、JIS K−7136に準拠して、ヘーズメーターNDH−2000(日本電色工業株式会社製)にて測定した。ヘーズメーターの光源は、5V9Wのハロゲン球とし、受光部は、シリコンフォトセル(比視感度フィルター付き)とし、ヘイズの測定は、23℃・55%RHの条件下にて行った。
光学フィルムを80℃、90%RHの高温高湿雰囲気下に100時間放置後、フィルム表面にブリードアウトが発生しているかを目視評価した。
△:フィルム表面に部分的なブリードアウトが確認できる
×:フィルム表面に全面的なブリードアウトが確認できる。
各光学フィルムについて、日立製作所製の分光光度計U−3200と付属の彩度計算プログラム等を用いて、色の三刺激値X、Y、Zを求め、下式に従ってイエローインデックス値YIを求めた。
〈偏光板耐久性〉
上記作製した偏光板について23℃55%RHの雰囲気下24時間調湿した試料を、同条件下、先ず平行透過率と直交透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。その後各々の偏光板を60℃90%RHの条件下で1000時間の強制劣化後、再度平行透過率と直行透過率を測定し、下記式に従って偏光度を算出した。偏光度変化量を下記式により求めた。
偏光度変化量=P0−P1000
H0 :平行透過率
H90 :直交透過率
P0 :強制劣化前の偏光度
P1000:強制劣化1000時間後の偏光度
(評価基準)
○:偏光度変化率10%未満
△:偏光度変化率10%以上25%未満
×:偏光度変化率25%以上
以上の評価結果を下記表6に示した。
<光学フィルム13〜15の作製>
実施例1の光学フィルム1〜4の作製に対して、表7に記載の糖エステル、及び表8に記載の一般式(I)及び一般式(II)で表されるエステルを用いて、表9に記載の構成で主ドープをそれぞれ調製し、延伸温度、延伸倍率及び膜厚を調整して、光学フィルム13、14及び15を作製した。紫外線吸収剤であるチヌビン928は、BASFジャパン(株)製を用いた。
実施例1の光学フィルム1〜4、比較として光学フィルム11及び12、上記作製した光学フィルム13〜15、及びKC2UAフィルム(コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製)と、下記偏光子及び活性エネルギー線硬化型接着剤を用いて、表10の組み合わせで偏光板21〜33を作製した。
偏光子1:平均重合度2400、ケン化度99.9モル%の厚さ75μmのポリビニルアルコールフィルムを、30℃の温水中に60秒間浸漬し膨潤させた。次いで、得られたフィルムを、ヨウ素/ヨウ化カリウム(質量比=0.5/8)の濃度0.3%の水溶液に浸漬し、3.5倍まで延伸させながら染色した。その後、得られたフィルムを、65℃のホウ酸エステル水溶液中で、トータルの延伸倍率が6倍となるように延伸した。その後、得られたフィルムを、40℃のオーブンにて3分間乾燥して、厚さ25μmの偏光子を得た。
〈活性エネルギー線硬化型接着剤1の調製〉
HEAAを50質量部、HEAを50質量部、及びBASFジャパン(株)製IRGACURE819を3質量部混合して、50℃で1時間撹拌し、活性エネルギー線硬化型接着剤を得た。各成分は、以下のとおりである。
HEA :興人製 2−ヒドロキシエチルアクリレート
ACMO:興人製 アクリロイルモルホリン
HBA :日本化成製 4−ヒドロキシブチルアクリレート
セロキサイド2021P:ダイセル社製の下記式で表される脂環式エポキシ化合物(エポキシ当量128−140g/eq)
CPI−101A:サンアプロ社製 光カチオン重合開始剤
UVS−1221:サンアプロ社製 光増感剤
〈活性エネルギー線硬化性接着剤2の調製〉
下記の各成分を混合した後、脱泡して、接着剤液を調製した。なお、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートは、50%プロピレンカーボネート溶液として配合し、下記にはトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートの固形分量を表示した。
エポリードGT−301(ダイセル化学社製の脂環式エポキシ樹脂) 40質量部
1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル 15質量部
トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート 2.3質量部
9,10−ジブトキシアントラセン 0.1質量部
1,4−ジエトキシナフタレン 2.0質量部
(偏光板の作製)
まず、光学フィルム1〜4及び13〜15及びKC2UA(コニカミノルタアドバンストレイヤー(株)製)の表面にコロナ放電処理を施した。コロナ放電処理の条件は、コロナ出力強度2.0kW、ライン速度18m/分とした。次いで、前記フィルムのコロナ放電処理面に、前記のとおり調製した活性線硬化型接着剤1及び2から選んだものを、硬化後の膜厚が0.5μmとなるようにバーコーターで塗工した。前述のとおり作製した偏光子1〜3の両面に前記の接着剤塗工面を貼合して、偏光板保護フィルム(光学フィルム)/偏光子/偏光板保護フィルム(KC2UA)の積層体を得た。この積層体の両面側から、ベルトコンベヤ付き紫外線照射装置(ランプは、フュージョンUVシステムズ社製のDバルブを使用)を用いて、積算光量が750mJ/cm2となるように紫外線を照射し、接着剤層を硬化させた。
〈偏光板カール〉
偏光板を幅手方向35mm、搬送方向1mmに切り取ってカール測定用サンプルを作製した。これを25℃、55%RH雰囲気下で3日間放置した後、カール度の測定を行った。カール度は曲率半径の逆数を表すが、具体的にはJIS−K7619−1988のA法に準じて測定した。カール度に対する評価は以下のとおりである。以下の評価において、○が好ましい。
△:5〜30%
×:30%〜100%
〈液晶表示装置の画像ムラ〉
(液晶表示装置の作製)
上記作製した偏光板を含む液晶表示装置を作製した。具体的には、日立製IPSモード液晶テレビWooo W32−L7000を準備し、あらかじめ貼合されていたバックライト側の偏光板を剥がし、前記のとおり作製した偏光板を液晶セルのガラス面に貼合した。作製した偏光板の吸収軸が、あらかじめ貼合されていた偏光板の吸収軸と同一方向となるように貼り合わせた液晶表示装置を作製し、以下の方法によって画像ムラを評価した。
得られた液晶表示装置を、50℃、80%RHのチャンバ内で、72時間放置した。その後、チャンバから液晶表示装置を取り出して、常温で液晶表示装置を黒表示させた状態で、表示画面の4頂点付近の輝度と表示画面中央付近の輝度との差(画像ムラ)を目視観察した。以下の基準で光漏れを評価した。以下の評価において、○か◎が好ましい。
○:非常に細かく注意すると僅かに画像ムラが認められる
△:4頂点のうち1カ所で画像ムラが認められる
×:4頂点のうち3カ所以上で画像ムラが認められる
偏光板の構成及び評価結果を、表10に示す。
本発明の光学フィルム1〜7、13〜15、及び比較例の光学フィルム11、12を作製する過程において、巻きの長さ、及び下記エンボスつぶれ耐性率を、エンボスローラーの表面温度及びバックローラーの表面温度を適宜変化させて、表11のように調整した。
エンボスローラー:
材質:ステンレス製
ローラー径:30cm
表面温度:左右エンボスローラー 180℃
バックローラー:
材質:金属製(ステンレス製)
温度:60℃
フィルムの搬送速度:90m/分
搬送張力:120N/m
エンボスローラーとバックローラーとによるニップ圧:150Pa
(エンボスつぶれ耐性率の測定)
図3及び図4は、エンボス部の凸部のつぶれ耐性率(%)の測定方法を示す部分断面図である。
測定はエンボス部の場所を任意に変えて10回行い、つぶれ耐性率(%)の平均値を求めた。
3、6、12、15 濾過器
4、13 ストック釜
5、14 送液ポンプ
8、16 導管
10 紫外線吸収剤仕込釜
20 合流管
21 混合機
30 加圧ダイ
31 金属ベルト
32 ウェブ
33 剥離位置
34 テンター延伸装置
35 乾燥装置
41 仕込釜
42 ストック釜
43 ポンプ
44 濾過器
50 光学フィルム
50A サンプルフィルム
51 エンボス部(凸部)
52 ステージ
53A 円筒棒
53B 分銅
53 重り
F フィルム面
W エンボス部の幅
Claims (9)
- アクリル系添加剤を含まず、アシル基置換度が下記式(1)〜(3)を満たすセルロースアシレートと、フラノース環又はピラノース環を1〜12個有する糖エステルと、一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと、一般式(II)で表される構造を有する多価アルコールエステルとを含有し、光学フィルムの厚さが10〜20μmの範囲内であり、幅が1〜4mの範囲内であり、かつ、巻きの長さが5000m以上であることを特徴とする光学フィルムのロール体。
式(1) 1.0≦X≦3.0
式(2) 0≦Y≦1.5
式(3) 2.0≦X+Y≦3.0
(式中、Xはアセチル基置換度を表し、Yはプロピオニル基又はブチリル基置換度を表す)
一般式(I):B−(G−A)n−G−B
(式中、Bは、脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基を表す。Gは、炭素数2〜12のアルキレングリコール残基、炭素数6〜12のアリールグリコール残基又は炭素数が4〜12のオキシアルキレングリコール残基を表す。Aは、炭素数4〜12のアルキレンジカルボン酸残基又は炭素数6〜12のアリールジカルボン酸残基を表す。nは1以上の整数を表す。)
一般式(II):B−G−B
(式中、Bは、一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと同一の脂肪族又は芳香族モノカルボン酸残基を表す。Gは一般式(I)で表されるポリエステルと同一のアルキレングリコール残基、アリールグリコール残基又はオキシアルキレングリコール残基を表す。) - 前記巻きの長さが、5000〜10000mの範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムのロール体。
- 温度23℃、相対湿度55%の環境下で、波長590nmで測定した、下記式(i)により定義される面内方向のリターデーション値(Ro)が0〜10nmの範囲内にあり、下記式(ii)により定義される厚さ方向のリターデーション値(Rt)が−20〜20nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学フィルムのロール
体。
式(i):Ro=(n x −n y )×d(nm)
式(ii):Rt={(n x +n y )/2−n z }×d(nm)
〔式(i)及び式(ii)において、n x は、フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表す。n y は、フィルムの面内方向において、前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表す。n z は、フィルムの厚さ方向zにおける屈折率を表す。dは、フィルムの厚さ(nm)を表す。〕 - 前記糖エステルが、脂肪族アルキル基(AL)又は芳香族アルキル基(AR)の置換基を有し、当該脂肪族アルキル基の数が当該芳香族アルキル基の数より多いことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体。
- 前記一般式(I)で表される構造を有するポリエステルと前記一般式(II)で表される構造を有する多価アルコールエステルの含有質量比率が、70:30〜90:10の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体。
- さらに、紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体。
- フィルムの幅手方向の両端部からフィルム幅手の長さの5%以内の領域に、高さが1〜20μmの範囲内であるエンボス部を有し、23℃・55%RH下において、当該エンボス部の表面上の直径5mmの円領域に、1kgの荷重を加えた状態で10分間保存した後の当該エンボス部の凸部の高さをDとし、前記荷重を加える前の当該エンボス部の凸部の高さをDoとしたとき、下記式1で定義されるつぶれ耐性率(%)が、両端のエンボス部とも50%以上であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体。
(式1) つぶれ耐性率(%)=D/Do×100(%) - 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光学フィルムのロール体から繰り出した光学フィルムを、活性エネルギー線硬化性接着剤により偏光子と貼り合わせたことを特徴とする偏光板。
- 請求項8に記載の偏光板を具備したことを特徴とする液晶表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013016341A JP6015469B2 (ja) | 2013-01-31 | 2013-01-31 | 光学フィルムのロール体、偏光板及び液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013016341A JP6015469B2 (ja) | 2013-01-31 | 2013-01-31 | 光学フィルムのロール体、偏光板及び液晶表示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014149325A JP2014149325A (ja) | 2014-08-21 |
JP6015469B2 true JP6015469B2 (ja) | 2016-10-26 |
Family
ID=51572372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2013016341A Active JP6015469B2 (ja) | 2013-01-31 | 2013-01-31 | 光学フィルムのロール体、偏光板及び液晶表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6015469B2 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105916900B (zh) * | 2014-06-23 | 2018-09-21 | Dic株式会社 | 聚合性液晶组合物和使用该组合物制作的光学各向异性体、相位差膜、图案化相位差膜 |
JP6075424B2 (ja) * | 2014-09-30 | 2017-02-08 | 住友化学株式会社 | 偏光板、液晶表示装置及び有機エレクトロルミネッセンス表示装置 |
KR101793794B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-11-06 | 주식회사 효성 | 고온고습에서의 편광도 신뢰성이 우수한 셀룰로오스계 편광판 및 그의 제조방법 |
KR101807375B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-12-11 | 주식회사 효성 | 고온고습에서의 편광도 신뢰성이 우수한 셀룰로오스계 편광판 및 그의 제조방법 |
KR101793793B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-11-06 | 주식회사 효성 | 편광도 신뢰성이 우수한 셀룰로오스계 편광판 및 그의 제조방법 |
KR101793795B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-11-06 | 주식회사 효성 | 고온고습에서의 편광도 신뢰성이 우수한 셀룰로오스계 편광판 및 그의 제조방법 |
KR101793348B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-11-03 | 주식회사 효성 | 명암비의 신뢰성이 우수한 수직 배향형 액정 표시 장치 및 그의 제조방법 |
KR101791321B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-10-30 | 주식회사 효성 | 명암비의 신뢰성이 우수한 수직 배향형 액정 표시 장치 및 그의 제조방법 |
KR101791320B1 (ko) | 2015-12-31 | 2017-10-30 | 주식회사 효성 | 명암비의 신뢰성이 우수한 수직 배향형 액정 표시 장치 및 그의 제조방법 |
KR101807385B1 (ko) | 2016-01-21 | 2017-12-11 | 주식회사 효성 | 광학 신뢰성이 향상된 편광판 |
JP6969564B2 (ja) | 2016-09-20 | 2021-11-24 | コニカミノルタ株式会社 | 偏光板及び液晶表示装置 |
KR102483671B1 (ko) * | 2017-06-14 | 2023-01-03 | 디아이씨 가부시끼가이샤 | 광학 재료용 수지의 반가소화제, 셀룰로오스에스테르 수지 조성물, 광학 필름, 액정 표시 장치 및 에스테르 수지의 제조 방법 |
JP6614469B2 (ja) * | 2017-06-14 | 2019-12-04 | Dic株式会社 | エステル樹脂、反可塑化剤、セルロースエステル樹脂組成物、光学フィルム及び液晶表示装置 |
WO2021250904A1 (ja) * | 2020-06-12 | 2021-12-16 | コニカミノルタ株式会社 | フィルムおよびその製造方法、ロール体およびその製造方法 |
JP7104258B1 (ja) * | 2022-03-02 | 2022-07-20 | 大阪ガスケミカル株式会社 | 樹脂組成物ならびにその用途および成形方法 |
JP2023167428A (ja) | 2022-05-12 | 2023-11-24 | コニカミノルタ株式会社 | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2008044452A1 (ja) * | 2006-10-05 | 2010-02-04 | コニカミノルタオプト株式会社 | 横電界スイッチングモード型液晶表示装置 |
JP2010184408A (ja) * | 2009-02-12 | 2010-08-26 | Konica Minolta Opto Inc | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2010274615A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Konica Minolta Opto Inc | 光学フィルムの製造方法、光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置 |
JP5811431B2 (ja) * | 2009-09-11 | 2015-11-11 | 住友化学株式会社 | 偏光板および液晶表示装置 |
JP2011121327A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Fujifilm Corp | セルロースアシレートフィルム、その製造方法、偏光板および液晶表示装置 |
-
2013
- 2013-01-31 JP JP2013016341A patent/JP6015469B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2014149325A (ja) | 2014-08-21 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6015469B2 (ja) | 光学フィルムのロール体、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP5304929B2 (ja) | 位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP5725011B2 (ja) | 偏光板の製造方法、それを用いた偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP5440407B2 (ja) | 偏光板、液晶表示装置及びセルロースアセテートフィルムの製造方法 | |
JP6202009B2 (ja) | セルロースアシレートフィルムの製造方法 | |
WO2009119142A1 (ja) | セルロースエステルフィルム | |
JP2012018341A (ja) | 偏光板、及びそれを用いた液晶表示装置 | |
JP2011123401A (ja) | 偏光板とそれを用いた液晶表示装置 | |
JP5428045B2 (ja) | 液晶表示装置 | |
KR20130025881A (ko) | 셀룰로오스아세테이트 필름 및 그것을 사용한 편광판, 액정 표시 장치 | |
WO2012153612A1 (ja) | 延伸セルロースエステルフィルム、及びその製造方法 | |
JP5962002B2 (ja) | 偏光板およびこれを用いた表示装置 | |
WO2011114764A1 (ja) | 位相差フィルム及びそれが備えられた偏光板 | |
JP6791139B2 (ja) | 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 | |
WO2012165361A1 (ja) | 位相差フィルム、その製造方法、偏光板、及び液晶表示装置 | |
WO2015008741A1 (ja) | 偏光板および液晶表示装置 | |
JP2011246538A (ja) | セルロースエステルフィルムの製造方法、セルロースエステルフィルム、偏光板、及び液晶表示装置 | |
JP2015132661A (ja) | 偏光板保護フィルム、その製造方法、偏光板及び液晶表示装置 | |
WO2021246094A1 (ja) | 積層フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
WO2012111324A1 (ja) | 延伸セルロースエステルフィルム、及びその製造方法 | |
JP2017219767A (ja) | 偏光板保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
WO2012176546A1 (ja) | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、並びにこれを用いた偏光板および液晶表示装置 | |
JP5880016B2 (ja) | 垂直配向型液晶表示装置 | |
TW202346070A (zh) | 光學薄膜之製造方法、光學薄膜、偏光板及液晶顯示裝置 | |
JP2010159361A (ja) | セルロースエステルフィルム及び液晶表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150326 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160302 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160830 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160912 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6015469 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |