JP7104258B1 - 樹脂組成物ならびにその用途および成形方法 - Google Patents

樹脂組成物ならびにその用途および成形方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶融成形性、透明性および機械的特性に優れた樹脂組成物を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂および糖エステルを含み、かつ溶融成形に供するための溶融成形用樹脂組成物を調製する。前記熱可塑性樹脂が、セルロースジアセテート(A)を含む。前記糖エステルは、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を含む。前記樹脂組成物のメルトフローレートが2~100g/10分である。前記糖アルカン酸エステル(B)はスクロースオクタアセテートであってもよい。前記糖アルカン酸エステル(B)の割合は、前記セルロースジアセテート100質量部に対して10~65質量部であってもよい。前記樹脂組成物は、射出成形に供するための樹脂組成物であってもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、セルロースジアセテートを含む樹脂組成物ならびにその用途および成形方法に関する。
セルロースアセテートは、透明性、耐熱性、機械的特性に優れる樹脂であるが、成形性が低いため、溶媒に溶解させてキャストすることにより成形する溶液流延法が汎用されている。例えば、特開2016-164669号公報(特許文献1)には、ポリエステルオリゴマーおよび糖エステル化合物を添加剤として溶液流延法で製造されたセルロースアセテートフィルムが開示されている。
一方、溶媒に溶解させた溶液流延法では、成形体の形状が限定されるため、溶融成形による成形方法も知られている。しかし、セルロースアセテートは、樹脂単体では溶融成形が困難であるため、溶融成形に際しては可塑剤が使用される。
特表2003-526694号公報(特許文献2)には、スクロースアセテートイソブチレートなどの機能性添加剤を酸と混合し、水などの水性沈殿剤と接触させて共沈させるセルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法が開示されている。
特開2021-109942号公報(特許文献3)には、セルロースナノファイバーを含む酢酸セルロースと、酢酸エチル、乳酸ブチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、リン酸トリオクチルなどの可塑剤とを押出機で混練して製造された複合材料が開示されている。
国際公開第2008/062610号(特許文献4)には、セルロースアセテートプロピオネートやセルロースアセテートブチレートなどのセルロースエステルと、アクリルポリマーと、グルコースペンタアセテート、スクロースオクタアセテート、スクロースオクタプロピオネート、スクロースオクタイソブチレート、スクロースオクタベンゾエート、マルトースオクタアセテートなどの糖エステル化合物とを含有する組成物を溶融流延してセルロースエステルフィルムを製造する方法が開示されている。
国際公開第2009/011228号(特許文献5)には、セルロースアセテートプロピオネートなどのセルロースエステルと、スクロースヘキサアセテート、スクロースヘキサプロピオネート、スクロースヘプタプロピオネート、スクロースヘキサベンゾエート、スクロースヘプタベンゾエートなどの部分エステル化糖と、グルコースペンタアセテート、グルコースペンタブチレート、スクロースオクタアセテート、スクロースオクタプロピオネート、スクロースオクタベンゾエートなどの完全エステル化糖とを含有する組成物を溶融流延してセルロースエステルフィルムを製造する方法が開示されている。
特開2016-164669号公報 特表2003-526694号公報 特開2021-109942号公報 国際公開第2008/062610号 国際公開第2009/011228号
しかし、特許文献2~5の組成物では、透明性に優れた成形体が得られるものの、溶融流動性が低い。そのため、特許文献2~5の組成物では、流動性、特に、溶融流動性が低いため、溶融成形性が低く、射出成形体などの高い溶融流動性を要求される成形に利用するのは困難であった。さらに従来の技術では、セルロースアセテートに可塑剤を配合して軟化させると、機械的特性は低下するため、流動性と機械的特性とはトレードオフの関係にあり、両立が困難な特性であった。
従って、本発明の目的は、溶融成形性、透明性および機械的特性に優れた樹脂組成物ならびにその用途および成形方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、セルロースジアセテート(A)を含む熱可塑性樹脂と、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物(B)を含む糖エステルとを組み合わせ、メルトフローレートを2~100g/10分に調整することにより、溶融成形性、透明性および機械的特性に優れた樹脂組成物を提供できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および糖エステルを含み、かつ溶融成形に供するための溶融成形用樹脂組成物であって、前記熱可塑性樹脂が、セルロースジアセテート(A)を含み、前記糖エステルが、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を含み、かつメルトフローレートが2~100g/10分である。前記セルロースジアセテート(A)の割合は前記熱可塑性樹脂中90質量%以上であってもよい。前記糖アルカン酸エステル(B)は、単糖または二糖のC2-4アルカン酸エステルであってもよい。前記糖アルカン酸エステル(B)は、二糖とC2-3アルカン酸との完全エステル化物であってもよい。前記糖アルカン酸エステル(B)はスクロースオクタアセテートであってもよい。前記スクロースオクタアセテートの割合は前記糖エステル中90質量%以上であってもよい。前記糖アルカン酸エステル(B)の割合は、前記セルロースジアセテート(A)100質量部に対して10~65質量部であってもよい。前記樹脂組成物は、射出成形に供するための樹脂組成物であってもよい。前記樹脂組成物は、セルローストリアセテート、(メタ)アクリル系樹脂およびポリエステルオリゴマーからなる群より選択された少なくとも一種を含まなくてもよい。
本発明には、前記樹脂組成物で形成された成形体も含まれる。
本発明には、前記樹脂組成物を溶融成形して成形体を製造する方法も含まれる。この方法において、前記樹脂組成物を射出成形して成形体を製造してもよい。
本発明には、セルロースジアセテート(A)の強度を向上させるための強度向上剤であって、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)で構成されている強度向上剤も含まれる。
本発明には、セルロースジアセテート(A)の溶融流動性を向上させるための流動性向上剤であって、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)で構成されている流動性向上剤も含まれる。
セルロースジアセテート(A)に単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を配合し、前記セルロースジアセテート(A)の溶融流動性および/または強度を向上する方法も含まれる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、置換基の炭素原子の数をC、C、C10などで示すことがある。例えば、「Cアルキル基」は炭素数が1のアルキル基を意味し、「C6-10アリール基」は炭素数が6~10のアリール基を意味する。
本発明では、セルロースジアセテート(A)を含む熱可塑性樹脂と、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を含む糖エステルとを組み合わせ、メルトフローレートが2~100g/10分に調整されているため、樹脂組成物の溶融成形性、透明性および機械的特性を向上できる。特に、特定の糖アルカン酸エステル(B)を所定の割合で配合することにより、射出成形に必要な溶融成形性を維持しながら、透明性、曲げ強度、曲げ弾性率および衝撃強度を向上できる。また、糖エステルとして、特定の糖アルカン酸エステル(B)を用いると、セルロースジアセテート(A)との組み合わせにおいて、高い生分解性を実現できる。
[熱可塑性樹脂]
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含み、溶融成形に供される樹脂組成物である。さらに、前記熱可塑性樹脂は、セルロースジアセテート(またはセルロースジアセテート樹脂)(A)を含むため、透明性および機械的特性に優れている。
セルロースジアセテート(A)は、汎用のセルロースジアセテートを利用できる。セルロースジアセテート(A)の酢化度は52~59%である。酢化度は、好ましくは53~58%、さらに好ましくは54~56%、より好ましくは54.5~55.5%である。セルロースジアセテート(A)の平均置換度(アセチル基総置換度)は2.2~2.7である。平均置換度は、好ましくは2.3~2.6、さらに好ましくは2.3~2.5である。アセチル基の置換度が小さすぎると、分子間の水素結合が強くなるため、樹脂組成物の成形性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、融点が上昇するため成形温度が高くなり、成形の際に熱分解が起こる虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、セルロースジアセテート(A)の酢化度および平均置換度は、ASTM-D-817-91(セルロースアセテート等の試験法)に準拠して測定できる。
セルロースジアセテート(A)の6%粘度(25℃)は、例えば30~200mPa・s、好ましくは40~150mPa・s、さらに好ましくは50~100mPa・s、より好ましくは60~80mPa・sである。6%粘度が小さすぎると、成形体の機械的特性が低下する虞があり、逆に大きすぎると、樹脂組成物の成形性が低下する虞がある。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、セルロースジアセテート(A)の6%粘度は、慣用の方法、例えば、セルロースジアセテートを95%アセトン水溶液に濃度6%(質量/体積%)で溶解させ、オストワルド粘度計を用いて流下時間を測定する方法で求めることができる。
熱可塑性樹脂は、セルロースジアセテート(A)に加えて、他の熱可塑性樹脂をさらに含んでいてもよい。
他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、フッ素樹脂、セルロースジアセテート(A)以外のセルロース誘導体などが挙げられる。これら他の熱可塑性樹脂は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
これら他の熱可塑性樹脂のうち、セルロースジアセテート(A)との相溶性に優れる点から、セルロース誘導体が好ましい。
セルロース誘導体としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、エチルメチルセルロース、プロピルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチルセルロースなどのアルキルセルロース;ベンジルセルロースなどのアラルキルセルロース;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロース;カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシアルキルセルロース;セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどのセルロースC3-4アシレート;セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートなどのセルロースアセテートC3-4アシレート;ニトロセルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロースなどのセルロース無機酸エステルなどが挙げられる。これらのうち、セルロースジアセテートとの相溶性に優れる点から、セルロースC2-4アシレートやセルロースアセテートC3-4アシレートなどのセルロースアシレートが好ましい。
他の熱可塑性樹脂の割合は、セルロースジアセテート(A)100質量部に対して、100質量部以下(例えば0.1~100質量部)であってもよく、好ましくは50質量部以下(例えば1~50質量部)、さらに好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、最も好ましくは1質量部以下である。他の熱可塑性樹脂の割合が多すぎると、後述する糖アルカン酸エステル(B)を配合する効果が低下することなどによって成形性や機械的特性が低下する虞がある。
熱可塑性樹脂は、セルロースジアセテート(A)を主成分として含むのが好ましい。セルロースジアセテート(A)の割合は、熱可塑性樹脂中50質量%以上であってもよいが、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。熱可塑性樹脂は、実質的にセルロースジアセテート(A)のみからなってもよく、セルロースジアセテート(A)のみからなるのが特に好ましい。
熱可塑性樹脂は、セルロースジアセテート(A)を主成分として含むのが好ましいため、セルロースジアセテート以外のセルロースアセテートを実質的に含まないのが好ましく、セルロースジアセテート以外のセルロースアセテートを含まないのが特に好ましい。
熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリル系樹脂を実質的に含まないのが好ましく、(メタ)アクリル系樹脂を含まないのが特に好ましい。
[糖エステル]
本発明の樹脂組成物は、セルロースジアセテート(A)を含む熱可塑性樹脂に加えて、糖エステルを含む。なお、本明細書および特許請求の範囲において、糖エステルは、エステル化糖、糖エステル化合物とも称される化合物であり、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種(低分子糖)と、カルボン酸とのエステル化物を意味する。
前記糖エステルは、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種と、C2-6アルカン酸(脂肪族モノカルボン酸)とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を含むため、樹脂組成物の溶融成形性を向上できる。従来の可塑剤では、セルロースジアセテート(A)の流動性を高度に向上させるのは困難であり、例えば、射出成形に必要な溶融流動性を実現するのは困難であった。これに対して、本発明では、糖アルカン酸エステル(B)を用いることにより、射出成形に必要な溶融流動性も実現できる。さらに、糖アルカン酸エステル(B)は溶融流動性を向上できるだけでなく、従来の可塑剤の配合では流動性に対してトレードオフの関係にあった機械的特性、特に、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度(特に、強度)も向上できる。さらに、セルロースジアセテート(A)と糖アルカン酸エステル(B)との組み合わせは、溶融流動性が高く、混練性に優れるため、セルロースジアセテート(A)の透明性も維持でき、樹脂組成物および成形体の透明性も向上できる。
単糖としては、例えば、アラビノース、キシロース、リボース、デオキシリボースなどのペントース;ブドウ糖(グルコース)、果糖(フルクトース)、ガラクトース、マンノース、ソルボース、フコース、ラムノース、ガラクチュロン酸、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルコサミンなどのヘキソースなどが挙げられる。
オリゴ糖は、二糖、三糖以上のオリゴ糖に大別できる。二糖としては、例えば、スクロース(ショ糖)、パラチノースなどのヘテロ二糖;セロビオース、乳糖(ラクトース)、異性化乳糖(ラクチュロース)、麦芽糖(マルトース)、イソマルトース、ゲンチオビオース、コージビオース、ラミナリビオース、メリビオース、ソホロース、トレハロースなどのホモ二糖などが挙げられる。三糖以上のオリゴ糖としては、例えば、メレチトース、ラフィノース、スタキオーズ、シクロデキストリンなどが挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、キシリトール、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、還元麦芽糖水飴(マルチトール)、還元澱粉糖化物、還元パラチノース、還元乳糖(ラクチトール)、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これらの低分子糖は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらの低分子糖のうち、単糖または二糖が好ましく、二糖がさらに好ましく、ヘテロ二糖がより好ましく、スクロースが最も好ましい。
2-6アルカン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、カプロン酸などの脂肪族モノカルボン酸などが挙げられる。これらのC2-6アルカン酸は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのC2-6アルカン酸のうち、C2-4アルカンカルボン酸が好ましく、C2-3アルカンカルボン酸がさらに好ましく、酢酸が最も好ましい。
糖アルカン酸エステル(B)は、低分子糖の水酸基のうち、一部の水酸基がエステル化した部分エステル化物であってもよいが、エステル化度は高い方が好ましく、全ての水酸基がエステル化した完全エステル化物が特に好ましい。
糖アルカン酸エステル(B)としては、単糖または二糖のC2-6アルカン酸エステル、特に、二糖のC2-6アルカン酸エステルが好ましい。
単糖のC2-6アルカン酸エステルとしては、例えば、グルコースアセテート、グルコースプロピオネート、グルコースブチレート、グルコースイソブチレート、グルコースアセテートプロピオネート、グルコースアセテートイソブチレートなどが挙げられる。
二糖のC2-6アルカン酸エステルとしては、例えば、スクロースアセテート、スクロースプロピオネート、スクロースブチレート、スクロースイソブチレート、スクロースアセテートプロピオネート、スクロースアセテートイソブチレートなどが挙げられる。
なかでも、糖アルカン酸エステル(B)としては、二糖のC2-4アルカン酸エステル、例えば、スクロースアセテート、スクロースプロピオネート、スクロースアセテートイソブチレートなどのヘテロ二糖とC2-4アルカン酸とのエステル化物が好ましく、スクローステトラアセテート、スクロースヘキサアセテート、スクロースオクタアセテートなどのスクローステトラ~オクタC2-4アルカン酸エステルがさらに好ましい。なかでも、スクロースとC2-3アルカン酸との完全エステル化物(オクタC2-3アルカン酸エステル)がより好ましく、スクロースオクタアセテートが最も好ましい。スクロースオクタアセテートなどの糖アルカン酸エステル(B)は、生分解性を有しているため、セルロースジアセテート(A)との組み合わせにおいて、地球環境的に優れた材料を実現できる。
糖エステルは、糖アルカン酸エステル(B)に加えて、他の糖エステルをさらに含んでいてもよい。
他の糖エステルとしては、例えば、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種と、C2-6アルカン酸以外の脂肪族カルボン酸、脂環族カルボン酸および芳香族カルボン酸からなる群より選択された少なくとも一種とのエステル化物などが挙げられる。単糖、オリゴ糖および糖アルコールとしては、前記糖アルカン酸エステル(B)を構成する低分子糖として例示された低分子糖などが挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などのC12-24アルカン酸などが挙げられる。脂環族カルボン酸としては、例えば、シクロヘキサンカルボン酸、テトラヒドロ安息香酸、ナフテン酸などが挙げられる。芳香族カルボン酸としては、安息香酸、メチル安息香酸などが挙げられる。
これら他の糖エステルは、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、ショ糖脂肪酸エステル(スクロースと、ステアリン酸、オレイン酸、パルミチン酸などのC12-24アルカン酸とのエステル)、スクロースベンゾエートなどのスクロースの芳香族カルボン酸エステルなどが汎用される。
他の糖エステルの割合は、糖アルカン酸エステル(B)100質量部に対して、100質量部以下(例えば0.1~100質量部)であってもよく、好ましくは50質量部以下(例えば1~50質量部)、さらに好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、最も好ましくは1質量部以下である。他の糖エステルの割合が多すぎると、糖アルカン酸エステル(B)を配合する効果が低下することなどによって成形性や機械的特性が低下する虞がある。
糖エステルは、糖アルカン酸エステル(B)を主成分として含むのが好ましい。糖アルカン酸エステル(B)の割合は、糖エステル中50質量%以上であってもよいが、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。糖エステルは、実質的に糖アルカン酸エステル(B)のみからなってもよく、糖アルカン酸エステル(B)のみからなるのが特に好ましい。
糖エステルは、特に、スクロースオクタアセテートを主成分として含むのが好ましい。スクロースオクタアセテートの割合は、糖エステル中50質量%以上であってもよいが、好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、最も好ましくは99質量%以上である。糖エステルは、実質的にスクロースオクタアセテートのみからなってもよく、スクロースオクタアセテートのみからなるのが特に好ましい。
糖エステルは、糖アルカン酸エステル(B)を主成分として含むのが好ましいため、他の糖エステルを実質的に含まないのが好ましく、他の糖エステルを含まないのが特に好ましい。
糖エステルの割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、例えば1~80質量部、好ましくは5~60質量部、さらに好ましくは10~50質量部である。糖エステルの割合が少なすぎると、成形性が低下する虞があり、逆に多すぎると、透明性および機械的特性が低下する虞がある。
糖アルカン酸エステル(B)(特に、スクロースオクタアセテート)の割合は、セルロースジアセテート(A)100質量部に対して5~70質量部程度の範囲から選択でき、例えば10~65質量部、好ましくは15~60質量部、さらに好ましくは20~50質量部、より好ましくは25~45質量部、最も好ましくは30~35質量部である。糖アルカン酸エステル(B)の割合が少なすぎると、溶融流動性および溶融成形性が低下する虞があり、逆に多すぎると、透明性および機械的特性(特に、衝撃強度)が低下する虞がある。
糖アルカン酸エステル(B)(特に、スクロースオクタアセテート)は、セルロースジアセテート(A)の溶融流動性(特に、射出成形に必要な溶融流動性)を向上できるため、セルロースジアセテート(A)の流動性向上剤(特に、射出成形の溶融流動性を向上させるための流動性向上剤)としても利用できる。
さらに、糖アルカン酸エステル(B)(特に、スクロースオクタアセテート)は、セルロースジアセテート(A)の流動性を向上できるだけでなく、同時に樹脂組成物で形成された成形体の強度も向上できるため、強度向上剤としても作用する。そのため、糖アルカン酸エステル(B)は、セルロースジアセテート(A)の強度向上剤としても利用できる。
[可塑剤]
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および糖エステルに加えて、可塑剤をさらに含んでいてもよい。可塑剤は、セルロースアセテートの可塑剤として汎用されている慣用の可塑剤であってもよい。
慣用の可塑剤としては、例えば、クエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、酒石酸ジブチルなどのヒドロキシ酸エステル;トリアセチン、トリプロピオニンなどのトリアシルグリセロール;2,2-ビス(4-ポリオキシエチレン-オキシフェニル)プロパンなどのポリエーテル;フタル酸ジメチル(DMP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジ-2-メトキシエチル、フタル酸ジアリル、o-ベンゾイル安息香酸エチル、エチルフタリル・エチルグリコレート(EPEG)、メチルフタリル・エチルグリコレート(MPEG)などの芳香族カルボン酸エステル;p-トルエンスルホン酸o-クレジルなどの芳香族スルホン酸エステル;N-エチルトルエンスルホンアミドなどの芳香族スルホンアミド;リン酸トリエチル(TEP)、リン酸トリフェニル(TPP)などのリン酸エステル;ポリエステルオリゴマー、ポリアミドオリゴマーなどの樹脂オリゴマーなどが挙げられる。
これら慣用の可塑剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、アセチルクエン酸トリブチルなどのヒドロキシ酸エステル、2,2-ビス(4-ポリオキシエチレン-オキシフェニル)プロパンなどのポリエーテルなどが汎用される。
可塑剤の割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、50質量部以下(例えば0.1~50質量部)であってもよく、好ましくは30質量部以下(例えば1~30質量部)、さらに好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下、最も好ましくは1質量部以下である。可塑剤の割合が多すぎると、透明性および機械的特性が低下する虞がある。
本発明の樹脂組成物は、前記糖エステルの配合によって溶融流動性を向上できるため、可塑剤を実質的に含まないのが好ましく、可塑剤を含まないのが最も好ましい。特に、本発明の樹脂組成物は、可塑剤の中でも、ポリエステルオリゴマーを実質的に含まないのが好ましく、ポリエステルオリゴマーを含まないのが特に好ましい。
[他の成分]
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂および糖エステルに加えて、他の成分として、セルロースアセテートに配合される慣用の添加剤をさらに含んでいてもよい。慣用の添加剤としては、例えば、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、耐光安定剤、熱安定化剤など)、酸補足剤、導電剤、帯電防止剤、難燃剤(リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤、無機系難燃剤など)、難燃助剤、耐衝撃改良剤、流動性改良剤、レベリング剤、消泡剤、補強材(ガラス繊維、炭素繊維、セルロース繊維などの繊維状補強材、タルク、炭酸カルシウムなどの充填剤など)、着色剤、滑剤、離型剤、色相改良剤、分散剤、抗菌剤、防腐剤、低応力化剤、核剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独でまたは二種以上組み合わせて使用できる。
他の成分の合計割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、例えば100質量部以下(例えば0.1~100質量部)であってもよく、好ましくは50質量部以下(例えば1~50質量部)、さらに好ましくは30質量部以下、より好ましくは10質量部以下、最も好ましくは5質量部以下である。
[樹脂組成物の特性]
本発明の樹脂組成物は、高い溶融流動性を有しており、メルトフローレートが2~100g/10分である。メルトフローレートが小さすぎると、溶融成形性が低下し、逆に大きすぎると、機械的特性(特に、衝撃強度)が低下し、溶融成形性と機械的特性とを両立できない。樹脂組成物のメルトフローレートの好ましい範囲としては、以下段階的に、3~80g/10分、5~50g/10分、8~40g/10分、10~35g/10分、12~30g/10分であり、最も好ましくは15~20g/10分である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、樹脂組成物のメルトフローレート(MFRまたはメルトフローインデックスMFI)は、ISO 1133に準じて、保持時間を5分として、温度250℃、荷重5kgfの条件で測定できる。
本発明の樹脂組成物は、機械的特性にも優れている。本発明の樹脂組成物の曲げ強さは、例えば100MPa以上であってもよく、例えば100~1000MPa、好ましくは130~500MPa、さらに好ましくは135~300MPa、より好ましくは140~200MPa、最も好ましくは145~160MPaである。
本発明の樹脂組成物の曲げ弾性率は、1000MPa以上であってもよく、例えば1000~10000MPa、好ましくは2000~8000MPa、さらに好ましくは3000~6000MPa、より好ましくは4000~5000MPaである。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、樹脂組成物の曲げ強さおよび曲げ弾性率は、ISO 178に準じて測定できる。
本発明の樹脂組成物のアイゾット(IZOD)衝撃強度(ノッチ付き)は1kJ/m以上であってもよく、例えば1~30kJ/m、好ましくは2~20kJ/m、さらに好ましくは3~10kJ/m、より好ましくは4~8kJ/m、最も好ましくは4.5~6kJ/mである。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、樹脂組成物のアイゾット衝撃強度は、ISO 180に準じて測定できる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と糖エステルと必要に応じて他の成分とを、乾式混合、溶融混練などの慣用の方法で混合することにより調製でき、樹脂組成物は、ペレットなどの形態であってもよい。溶融混練する場合、混練温度は、例えば200~280℃、好ましくは220~260℃、さらに好ましくは230~250℃である。溶融混練の方法としては、慣用の方法を利用でき、例えば、二軸押出混練機を利用してもよい。
[成形体]
本発明の成形体は、前記樹脂組成物を慣用の成形法で成形することにより製造できる。慣用の成形法としては、圧縮成形法、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法、トランスファー成形法、ブロー成形法、加圧成形法、キャスティング成形法などが挙げられる。本発明の樹脂組成物は、溶融流動性に優れるため、これらの成形方法のうち、高度な溶融流動性が要求される成形方法、例えば、射出成形法、射出圧縮成形法、押出成形法が好ましく、射出成形法が特に好ましい。
射出成形法において、シリンダー温度は、例えば230~300℃、好ましくは240~280℃、さらに好ましくは245~275℃、より好ましくは250~270℃、最も好ましくは255~265℃である。シリンダー温度が低すぎると、成形性が低下する虞があり、逆に高すぎると、成形体の機械的特性や透明性が低下する虞がある。
射出圧力は、例えば10~100MPa、好ましくは20~80MPa、さらに好ましくは40~60MPaである。
金型温度は、例えば100~200℃、好ましくは110~150℃、さらに好ましくは115~145℃、より好ましくは120~140℃、最も好ましくは125~135℃である。金型温度が低すぎると、生産性が低下する虞があり、逆に高すぎると、成形体の機械的特性や透明性が低下する虞がある。
本発明の成形体の形状は、特に限定されず、用途に応じて選択でき、線状または糸状などの一次元的構造体;フィルム状、シート状、板状などの二次元的構造体;ブロック状、棒状、管状またはチューブ状、中空状などの三次元的構造体などが挙げられる。特に、本発明の樹脂組成物は、射出成形によって高い生産性で成形体を製造できるため、従来のセルロースジアセテートでは成形が困難であった三次元的構造体であっても、高い生産性で製造できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。また、各種評価方法および使用した原料の略号および詳細を下記に示す。
[MFR]
ISO 1133に準じて、保持時間を5分とし、温度250℃および試験荷重5kgfの条件で測定した。
[曲げ強さおよび曲げ弾性率]
ISO 178に準じて測定した。
[アイゾット(IZOD)衝撃強度(ノッチ付き)]
ISO 180に準じて測定した。
[原料]
(セルロースジアセテート)
セルロースジアセテート(DAC):(株)ダイセル製「酢酸セルロース L-30」
(エステル化糖類)
スクロースオクタアセテート:東京化成工業(株)製
(比較化合物)
スクロース:東京化成工業(株)製
スクロースベンゾエート:東京化成工業(株)製
ショ糖脂肪酸エステル:東京化成工業(株)製(脂肪酸組成:パルミチン酸75.0%以上)
2,2-ビス(4-ポリオキシエチレン-オキシフェニル)プロパン(BA-10):日本乳化剤(株)製「BA-10グリコール」
アセチルクエン酸トリブチル(ATBC):東京化成工業(株)製。
(実施例1~5および比較例1~5)
表1に示す質量割合の各成分を二軸押出機(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「Process11」)を用いて、温度240℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量約500g/hで混練し、ペレット状の樹脂組成物を調製した。なお、混練物のストランド化とカットが安定的に実施できたものをペレット化「可」、熱劣化し実施できなかったものをペレット化「不可」とした。また、組成物が目視で透明であったものを「透明」、不透明であったものを「不透明」とした。得られた樹脂組成物を、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製「HAAKE MiniJet Pro」を用いて、シリンダー温度:260℃、金型温度:130℃の条件で射出成形し、短冊状試験片を得た。また、得られた樹脂組成物にてMFRを評価した。得られた試験片を用いて、曲げ強さ、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強度を評価した。配合割合および評価結果を表1に示す。
Figure 0007104258000001
表1の結果から明らかなように、実施例では、射出成形によって透明性および機械的特性に優れた成形体が得られた。
本発明の樹脂組成物は、透明性、生分解性および機械的特性に優れるため、種々の分野の樹脂成形品[例えば、自動車部品、電気・電子部品、建築資材(壁材など)、土木資材、農業資材、包装資材(容器、緩衝材など)、生活資材(日用品など)など]に利用でき、特に、機械強度に優れるため、自動車部品、電気・電子部品の成形体として好適である。また、透明性に優れるため、包装資材(透明容器など)や光学用途の成形体(光学用成形体または光学部材)として好適である。

Claims (14)

  1. 熱可塑性樹脂および糖エステルを含み、かつ溶融成形に供するための溶融成形用樹脂組成物であって、
    前記熱可塑性樹脂が、セルロースジアセテート(A)であり
    前記糖エステルが、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を含む樹脂組成物。
  2. 前記糖アルカン酸エステル(B)が、単糖または二糖のC2-4アルカン酸エステルである請求項記載の樹脂組成物。
  3. 前記糖アルカン酸エステル(B)が、二糖とC2-3アルカン酸との完全エステル化物である請求項1または2記載の樹脂組成物。
  4. 前記糖アルカン酸エステル(B)がスクロースオクタアセテートである請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記スクロースオクタアセテートの割合が前記糖エステル中90質量%以上である請求項記載の樹脂組成物。
  6. 前記糖アルカン酸エステル(B)の割合が、前記セルロースジアセテート(A)100質量部に対して10~65質量部である請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  7. 射出成形に供するための樹脂組成物である請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物で形成された成形体。
  9. 自動車部品、電気・電子部品、建築資材、土木資材、農業資材、包装資材、生活資材または光学部材である請求項8記載の成形体。
  10. 請求項1~のいずれか一項に記載の樹脂組成物を溶融成形して成形体を製造する方法。
  11. 前記樹脂組成物を射出成形して成形体を製造する請求項10記載の方法。
  12. セルロースジアセテート(A)の強度を向上させるための強度向上剤であって、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)で構成されている強度向上剤。
  13. セルロースジアセテート(A)の溶融流動性を向上させるための流動性向上剤であって、単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)で構成されている流動性向上剤。
  14. セルロースジアセテート(A)に単糖、オリゴ糖および糖アルコールからなる群より選択された少なくとも一種とC2-6アルカン酸とのエステル化物である糖アルカン酸エステル(B)を配合し、前記セルロースジアセテート(A)の溶融流動性および/または強度を向上する方法。
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