JP2003526694A - セルロースエステルと機能性添加剤との共沈及びそれによって得られる組成物 - Google Patents

セルロースエステルと機能性添加剤との共沈及びそれによって得られる組成物

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JP2003526694A
JP2003526694A JP2000545930A JP2000545930A JP2003526694A JP 2003526694 A JP2003526694 A JP 2003526694A JP 2000545930 A JP2000545930 A JP 2000545930A JP 2000545930 A JP2000545930 A JP 2000545930A JP 2003526694 A JP2003526694 A JP 2003526694A
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cellulose ester
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ジョセフ エドガー,ケビン
ユージーン エルリー,エリック
ジョセフ オファーマン,リッキー
ジョンソン ブリューワー,リチャード
アンドリュー クレイマー,グレゴリー
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L1/00Compositions of cellulose, modified cellulose or cellulose derivatives
    • C08L1/08Cellulose derivatives
    • C08L1/10Esters of organic acids, i.e. acylates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N25/00Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests
    • A01N25/08Biocides, pest repellants or attractants, or plant growth regulators, characterised by their forms, or by their non-active ingredients or by their methods of application, e.g. seed treatment or sequential application; Substances for reducing the noxious effect of the active ingredients to organisms other than pests containing solids as carriers or diluents
    • A01N25/10Macromolecular compounds
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/1605Excipients; Inactive ingredients
    • A61K9/1629Organic macromolecular compounds
    • A61K9/1652Polysaccharides, e.g. alginate, cellulose derivatives; Cyclodextrin

Abstract

(57)【要約】 本出願は、(a)機能添加剤をセルロースエステル及び第1の酸と混合し;そして(b)この混合物を水生沈殿剤と接触させることによって、セルロースエステル及び機能添加剤を含むブレンドを共沈させることを含んでなる、セルロースエステルと機能添加剤とのブレンド方法に関する。本出願はさらに、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステルと(b)少なくとも1種の農芸添加剤または医薬添加剤との均質混合物からなる、農芸用添加剤または医薬添加剤のための放出制御マトリックス系の製造方法、ならびに該放出制御マトリックス系に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願に関するクロス・レファレンス 本出願は、1998年4月13日に出願された米国仮出願第60/081,6
08号に基づいて優先権を請求するものであり、これにより、この特許の内容全
体を参照することによって本明細書中に取り入れる。
【0002】発明の分野 本発明は、セルロースエステルと機能性添加剤とを組み合わせて、プラスチッ
クまたは放出制御(又は徐放性)マトリックス系を製造する新規方法、及び該放
出制御マトリックス系の使用方法に関する。
【0003】背景 乾燥粉末またはフレークとして沈澱されたセルロースエステルと他の材料との
配合は、これまで熱機械的方法によって行われていた。セルロースエステルと他
の添加剤との混合はまた、沈澱したエステルを溶剤中に溶解させ、得られたドー
プ中に添加剤を分散させ、そして溶剤を乾燥によって除去するか抽出することに
よって行うこともできる。
【0004】 一般的な方法の1つは、シグマブレードミキサー中でセルロースエステルを、
正確に量を量った可塑剤、染料または顔料ならびに酸及び/または紫外線安定剤
と混合することである。次に、得られた混合物は、加熱しながら二本ロール機上
で混練することによって、材料が配合されて均質混合物、配合セルロースプラス
チックが生成される。二本ロール機の代わりに、適当な供給装置が装着された一
軸スクリュー押出機バレルを用いることもできる。
【0005】 セルロースプラスチックを配合する別の選択肢は、二軸スクリュー押出機の使
用を伴う。二軸スクリュー押出機中において、粉末、フレークまたはペレットの
ようなセルロースエステルは、化学添加剤と共に押出機バレル中に供給される。
押出機中において、材料は、セルロースプラスチックの配合に必要な混合、混練
及び熱を提供する種々の段階を通って進む。モノマー可塑剤以外の材料は、二軸
スクリュー押出機を使用してセルロースエステルと配合できる。
【0006】 米国特許第一,910,948号(Dreyfus)は、セルロースアセテート粉末と
可塑剤及びセルロースアセテート用の非溶剤、例えば、ベンゼン、水及びアルコ
ールまたはこれらの混合物との混合物の使用による、成形用セルロース誘導体(
たとえば、セルロースアセテート)と普通のセルロースアセテート可塑剤、例え
ば、トリアセチン、アルキルスルホンアミド及びトリフェニルホスフェートとの
配合を教示している。非溶剤の目的は、セルロース可塑剤の分散を助けることに
ある。非溶剤は、可塑化粉末の成形前に乾燥によって除去された。この配合方法
では、配合時に加熱を行うことなく、均質な成形用混合物が形成された。
【0007】 米国特許第4,282,209号(Tocker)は、殺虫剤−ポリマー粒子の製造
方法を開示している。この方法は、ポリマー、殺虫剤及び有機溶剤を合して混合
物を生成し、そしてこの混合物を非溶剤に添加して、殺虫剤−ポリマー粒子を沈
澱させることを含む。好ましい有機溶剤はハロゲン化脂肪族炭化水素であり、好
ましい非溶剤は炭化水素である。
【0008】 コアを取り巻くマイクロカプセルシェルの製造技術は、多数報告されている。
例えば、英国特許第一,297,476号は、疎水性または親水性コアとポリマ
ーシェル材料を含むマイクロカプセルの製造方法を開示している。この方法は、
セルロースエステル、コア材料及びグリコールを混合し、そして得られた混合物
を水に添加することによって、封入コア材料の液滴を生成することを含む。
【0009】 米国特許第3,796,669号は、封入剤として、溶液として形成された尿
素−ホルムアルデヒドポリマーを使用して、目的材料を封入することを報告して
いる。米国特許第5,225,278号及び同第5,277,979号(Kielba
nia, Jr.ら)は、分子あたり少なくとも2個の活性メチレン官能基を含む反応性
化合物を、メチレン反応性架橋部位を含む化合物と重合させることによって、コ
ア相の周囲にポリマーシェルを形成することによる材料の封入技術を記載してい
る。
【0010】 Loは、米国特許第5,725,869号において、乳化剤を含む水溶液か
ら得られるポリマー、有機溶剤及び可塑剤のエマルジョンから有機溶剤を蒸発さ
せることによる、エチルセルロースからの微小球(マイクロスフェア)の製造を
記載している。Loによって記載された微小球は、それまでに報告された硬質ポ
リマーシェルとは異なり、スポンジ状で、多孔質であることが報告された。これ
らの微小球は、製造時に遅放性材料を含むこともできるし、あるいは後で活性物
質を吸収するのに使用できる「ブランク」球として製造することもできる。
【0011】 WO99/00013号パンフレットは、微小粒子の形態の農芸活性物質のポ
リマーマトリックスへの混和及びそれに続く、作物への制御された放出を記載し
ている。記載された微小粒子は、ポリマーシェルが、活性物質を含む液体または
固体コアを取り囲んでいる「ミクロカプセル」とは異なることが報告されている
。粒子は全体が固体であり、活性成分はマトリックス材料の全体に分布している
ということである。
【0012】 先行技術はまた、粒子の加水分解崩壊または熱崩壊によって添加剤が放出され
る放出制御粒子を開示している。ヨーロッパ特許出願第0 126 827号(L
ewisら)は、水生植物に対する生物学的添加剤を含む放出制御粒子を開示してい
る。
【0013】 先行技術はまた、セルロースエステルの空隙または気孔に添加剤を取り入れる
ことを開示している。米国特許第4,106,926号(Thomas)は多孔質セル
ロースエステルキャリヤーを除草剤溶液と接触させることを含む、放出制御組成
物の製造方法を開示している。米国特許第4,997,599号(Domeshekら)
は、外面気孔のセルロースアセテート及びそれらの誘導体中に添加剤を詰め込む
ことを開示している。
【0014】 溶剤配合の一例は、セルロースアセテート繊維のアセトン紡糸である。セルロ
ースアセテートをアセトン中に溶解させ、染料もしくは顔料または織物改質剤を
添加する。次いで、溶液を紡糸し、得られた繊維からアセトン溶剤を乾燥させる
かまたはアセトンと水補助溶剤との混合物によって抽出する。
【0015】 従って、機能性添加剤を含むセルロースエステルブレンドの効率のよい製造方
法へのニーズが依然としてある。さらに、機能性添加剤、特に農芸用添加剤また
は医薬添加剤を放出できる放出制御(徐放性)マトリックス系へのニーズがある
【0016】発明の要約 本発明の目的によれば、本明細書中で具体化され且つ一般的に記載されている
ように、1つの側面において、本発明は、 (a)機能性添加剤をセルロースエステル及び第一の酸と混合し;そして (b)該混合物を水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステル
及び機能性添加剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなるセルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法に関する
【0017】 さらに、本発明は、 (a)i)可塑剤、別のポリマー、紫外線安定剤、染料、顔料、酸安定剤、難
燃剤、農薬、生物活性化合物またはそれらの混合物からなる機能性添加剤、 ii)セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースア
セテートブチレート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、セル
ロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチルセルロースアセテート、カ
ルボキシメチルセルロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチルセルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートブチレートスクシネートまた
はそれらの混合物からなるセルロースエステル、 iii)酢酸、プロピオン酸、酪酸またはそれらの混合物からなる第一の酸 を混合し;そして (b)この混合物を、水、酢酸、プロピオン酸、酪酸またはそれらの混合物か
らなる水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステル及び機能性添
加剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなる、セルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法に関す
る。
【0018】 本発明はまた、 (a)機能性添加剤をセルロースエステル及び第一の酸と混合し; (b)工程(a)の混合物をペレッター中に堆積(deposit)させ; (c)混合物をペレッターから押出; (d)工程(c)の直後にまたは工程(c)と同時に、押出混合物を沈澱剤と
接触させてセルロースエステル/機能性添加剤を沈澱させることによって、セル
ロースエステル/機能性添加剤のブレンドの押出品を生成せしめ;そして (e)沈澱した押出品を切断してペレットにする ことを含んでなる、セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドの製造方法に
関する。
【0019】 本発明はさらに、 (a)農芸用添加剤または医薬添加剤を生分解性セルロースエステル及び第一
の酸と混合し;そして (b)この混合物を水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステ
ル及び農芸用または医薬添加剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなる、放出制御マトリックス系の製造方法であって、該ブレンドが
放出制御マトリックス系である方法に関する。
【0020】 さらに、本発明は、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステル;及
び(b)少なくとも1種の農芸用添加剤をさらに含む放出制御マトリックス系を
、該添加剤の標的の近傍において、生分解を受け且つ添加剤を放出するのに十分
な時間、投与することを含んでなる農芸用添加剤の放出制御方法であって、成分
(a)及び(b)が放出制御マトリックス系を形成する方法に関する。
【0021】 本発明はまた、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステル;及び(
b)少なくとも1種の医薬添加剤を含む放出制御マトリックス系を、該添加剤の
標的の近傍において、生分解を受け且つ添加剤を放出するのに十分な時間、投与
することを含んでなる、医薬添加剤の、その標的の近傍における放出制御方法で
あって、成分(a)及び(b)が放出制御マトリックス系を形成する方法に関す
る。
【0022】 さらにまた、本発明は、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステル
と(b)少なくとも1種の農芸用添加剤または医薬添加剤との均質混合物を含ん
でなる放出制御マトリックス系(成分(a)及び(b)が放出制御マトリックス
系を形成する)に関する。
【0023】 本発明はさらに、本質的に、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエス
テルと(b)少なくとも1種の農芸用添加剤または医薬添加剤との均質混合物か
らなる放出制御マトリックス系(成分(a)及び(b)が放出制御マトリックス
系を形成する)に関する。
【0024】 本発明は、機能性添加剤を含むセルロースエステルブレンドの効率のよい製造
方法に関する。本発明はまた、機能性添加剤を放出することができる放出制御マ
トリックス系を提供する。
【0025】 本発明の別の利点は、一部は以下の説明に記載されており、一部は以下の説明
から明らかであり、または本発明の実施によって修得できる。本発明の利点は、
請求の範囲において具体的に示された要素及び組み合わせによって実現及び達成
されるであろう。前述の一般的説明及び以下の詳細な説明はいずれも、単に代表
的及び説明的なものであって、請求の範囲に記載された本発明を限定するもので
はないことを理解されたい。
【0026】発明の詳細な説明 本発明の物質組成、生成物及び方法を開示及び説明する前に、本発明は特定の
合成方法または特定の製剤に限定されず、変化し得ることは言うまでもないこと
を理解されたい。また、本明細書中で使用する専門用語は、具体的な実施態様を
単に説明するためのものであり、限定的な意味合いはないことを理解されたい。
【0027】 本明細書及び請求の範囲中で使用する「単数1(a)」を表す表現は、それが
使用される文脈によっては「1またはそれ以上」を表すことが出来る。
【0028】 本明細書及び請求の範囲中において、以下の意味を有すると定義される多数の
用語に言及するであろう。
【0029】 本明細書中で使用する用語「機能性添加剤」は、セルロースプラスチック改質
剤を意味する。これらの改質剤は、可塑剤、他のポリマー、紫外線安定剤、染料
及び顔料、酸安定剤、農薬ならびに生物活性化合物を含むことができるが、これ
らに限定されない。
【0030】 溶融及び/又は固相重縮合後に、ポリエステルは、約0.65〜約1.2dL/
g、好ましくは0.75dL/g(重量比60/40のフェノール/テトラクロロ
エタン中で25℃において測定)のインヘレント粘度(I.V.)を有する。
【0031】 「他のポリマー」または「別のポリマー」は、本明細書中に列挙したその他の
機能性添加剤の1つとして含まれないポリマーと定義される。本発明のポリマー
は好ましくはポリエステルである。本発明のポリエステルは、公知の任意のポリ
エステルであることができ、好ましくは脂肪族ポリエステルまたは芳香族−脂肪
族コポリエステル、より好ましくは脂肪族ポリエステルであることができる。本
発明のポリエステルは、ここに記載したセルロースエステルと混和性、部分混和
性、いくつかの組み合わせまたは組成物においては不混和性であることができる
。本発明のポリエステルは、テトラクロロエタン/フェノール〔40:60〕中
0.5重量%の濃度で測定した時にインヘレント粘度が0.40dL/gより大き
く、好ましくは0.40〜1.60dL/gであることができる。本発明のポリエ
ステルは、公知のポリエステル生成条件に従って製造できる。反応は、エステル
化及び重縮合を起こす温度で行わなければならない。例えば、1種またはそれ以
上の芳香族または脂肪族ジカルボン酸、好ましくは脂肪族ジカルボン酸またはそ
のエステル形成性誘導体と1種またはそれ以上のジオールとの混合物を、エステ
ル化及び/またはエステル交換触媒の存在下において、約150〜300℃、よ
り好ましくは約200〜270℃の範囲の温度において加熱することができる。
通常、ジカルボン酸は窒素下に温度200〜270℃及び高圧においてジオール
によってエステル化する。次いで、混合物から過剰のジオールを除去しながら、
温度を上昇させ且つ圧力を低下させることによって重縮合を行う。本発明の脂肪
族ポリエステルは、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸及びセバシン酸(または
エステル)のような二酸(または二エステル)から製造できる。脂肪族−芳香族
コポリエステルは、前記二酸(またはジエステル)と芳香族ジエステル、例えば
、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル及び2,6−ナフタレンジカル
ボン酸ジメチルから製造できる。これらの二酸及びジエステルは、いくつかのジ
オール、例えば、エチレングリコール、ブタンジオール、ジエチレングリコール
、ヘキサンジオール及びポリエチレングリコールと重合されることができる。本
発明に適当なポリエステルの例は次の通りである:ポリ(エチレングルタレート
)、ポリ(テトラメチレングルタレート)、ポリ(テトラメチレンアジペート)
、ポリ(ヘキサメチレングルタレート)、ポリ(ジエチレングルタレート)、ポ
リ(エチレングルタレート−コ−テレフタレート)〔85/15〕、ポリ(エチ
レングルタレート−コ−テレフタレート)〔70/30〕、ポリ(テトラメチレ
ングルタレート−コ−テレフタレート)〔85/15〕、ポリ(テトラメチレン
アジペート−コ−テレフタレート)〔85/15〕、ポリ(テトラメチレンアジ
ペート−コ−テレフタレート)〔70/30〕、ポリ(テトラメチレングルタレ
ート−コ−テレフタレート)〔70/30〕、ポリ(テトラメチレン−コ−エチ
レングルタレート−コ−テレフタレート)〔50/50;85/15〕)、ポリ
(テトラメチレン−コ−エチレングルタレート−コ−テレフタレート)〔50/
50;70/30〕、ポリ(ヘキサメチレングルタレート−コ−テレフタレート
)〔75/25〕、ポリ(ヘキサメチレングルタレート−コ−テレフタレート)
〔70/30〕、ポリ(エチレン−コ−ポリエチレングルタレート)〔91/9
〕、ポリ(エチレン−コ−ポリエチレングルタレート−コ−テレフタレート)〔
91/9;70/30〕。本発明のポリエステルは、生物学的に製造されたもの
、例えばポリヒドロキシブチレートまたはポリヒドロキシブチレートとポリヒド
ロキシバレレートとのコポリマーであることができる。
【0032】 本発明のポリエステルは、公知のポリエステル形成条件に従って製造できる。
反応は、エステル化及び重縮合を起こす温度で行わなければならない。例えば、
1種またはそれ以上のジカルボン酸、好ましくは芳香族ジカルボン酸またはエス
テル形成性誘導体と1種またはそれ以上のジオールとの混合物を、エステル化及
び/またはエステル交換触媒の存在下において、約150〜約300℃、好まし
くは約200〜約300℃、さらに好ましくは約260〜約300℃の範囲の温
度及び大気圧〜約0.2mmHgの圧力で加熱することができる。通常、ジカルボン
酸は高圧及び約240〜約270℃の温度においてジオールによってエステル化
する。次いで、過剰のジオールを混合物から除去しながら、温度を上昇させ且つ
圧力を低下させることによって重縮合を行う。
【0033】 本明細書中で使用する用語「置換度」は、アンヒドログルコース単位あたりの
置換基の数を表し、最大DS/AGUは3である。用語「置換度」は、本出願全
体において「DS」または「DS/AGU」とも表すものとする。
【0034】共沈によるセルロースエステル/機能性添加剤のブレンドの製造 本発明の目的によれば、本明細書中で具体化され且つ一般的に記載されている
ように、1つの側面において、本発明は、 (a)機能性添加剤をセルロースエステル及び第一の酸と混合し;そして (b)該混合物を水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステル
及び機能性添加剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなるセルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法に関する
【0035】 さらに、本発明は、 (a)i)可塑剤、別のポリマー、紫外線安定剤、染料、顔料、酸安定剤、難
燃剤、農薬、生物活性化合物またはそれらの混合物からなる機能性添加剤、 ii)セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースア
セテートブチレート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、セル
ロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチルセルロースアセテート、カ
ルボキシメチルセルロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチルセルロ
ースアセテートブチレート、セルロースアセテートブチレートスクシネートまた
はそれらの混合物からなるセルロースエステル、及び iii)酢酸、プロピオン酸、酪酸またはそれらの混合物からなる第一の酸 を混合し;そして (b)この混合物を、水、酢酸、プロピオン酸、酪酸またはそれらの混合物か
らなる水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステル及び機能性添
加剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなる、セルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法に関す
る。
【0036】 本発明は、カルボン酸ドープから水またはカルボン酸の水溶液中に共沈させる
ことによる、セルロースエステルと機能性添加剤とのブレンドの製造方法に関す
る。本明細書中において使用する用語「共沈」は、目的とする化学物質または化
合物がより多く、得られる沈澱物相中に取り入れられるように沈澱剤を添加する
ことによって、溶剤または溶剤混合物の存在下において混合物の溶液または懸濁
液中の2種またはそれ以上の化学物質または化合物を沈澱させることを意味する
【0037】 一実施態様において、機能性添加剤を沈澱セルロースエステルブレンド中に混
和することもできる。具体的な実施態様において、機能性添加剤は可塑剤、別の
ポリマー、紫外線安定剤、例えば、公知の有機ホスフィット、染料または顔料、
酸安定剤、難燃剤、農薬(すなわち、病虫害防除剤、除草剤、肥料、微量無機質
)、生物活性化合物(すなわち、医薬品)、またはそれらの混合物であることが
できる。より好ましい実施態様において、機能性添加剤は可塑剤、紫外線安定剤
、染料またはそれらの混合物である。
【0038】 本発明に適当な可塑剤の例としては以下のものがあげられるがこれに限定され
ない:アジピン酸ジオクチル、トリエチレングリコール−2−エチルヘキサノエ
ート、ポリエチレングルタレート、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジエチル、ブ
チルベンジルフタレート、トリエチルシトレート、トリプロピノイン、ポリプロ
ピレングリコールジベンゾエート、ポリエチレンスクシネート、スクロースアセ
テートイソブチレート、トリフェニルホスフェート、ポリアルキルグリコシド、
トリエチルホスフェート、ジエチルフタレート、2,2,4−トリメチル−1,
3−ペンタン−ジオールジイソブチレート、脂肪族エポキシドで末端がキャップ
されたフタル酸、1,3−ブタンジオール及び1,4−ブタンジオールのコポリ
マー、またはそれらの混合物。
【0039】 本発明に適当な紫外線安定剤及び酸化防止剤の例としては、鉱油及び天然油の
エポキシド、有機ホスフィットまたはそれらの混合物があげられるが、これらに
限定されない。
【0040】 本発明に適当な有機染料の例としては、C.I. Solvent Violet 13, C.I. Pigme
nt Blue 15, C.I. Pigment Blue 28, C.I. Dispersion Violet 8及びC.I. Pigme
nt Red 122があげられるが、これらに限定されない。好ましい染料は、C.I. Sol
vent Violet 13である。
【0041】 本発明においては種々の農芸用添加剤を使用することができる。一実施態様に
おいて、農芸用添加剤は、殺虫剤、除草剤、病虫害防除剤、肥料、微量無機質、
またはそれらの混合物からなる。
【0042】 別の実施態様において、農芸用添加剤は、有機塩素化合物、有機燐酸化合物、
アリール化合物、複素環式化合物、有機硫黄化合物、カルバメート化合物、ホル
ムアミジン化合物、ジニトロフェノール化合物、有機錫化合物、ピレトロイド化
合物、アシルウレア化合物、植物性化合物、抗生物質、燻蒸化合物、防虫化合物
、無機化合物またはそれらの混合物を含んでなる殺虫剤である。
【0043】 別の実施態様において、有機塩素化合物は、ジフェニル脂肪族化合物;ヘキサ
クロロシクロヘキサン;シクロジエン;またはポリクロロテルペンを含んでなる
。一実施態様において、ジフェニル脂肪族化合物は、1,1−ジクロロ−2,2
−ビス(p−クロロフェニル)エタン;1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス
(p−クロロフェニル)エタン;ジコホール(dicofol);エチラン(ethylan);
クロロベンジレート(chlorbenzilate);またはメトキシクロル(methoxychlor
)を含んでなる。別の実施態様において、シクロジエンは、クロルデン(chlord
ane);アルドリン(aldrin);ディルドリン(dieldrin);ヘプタクロル(hept
achlor);エンドリン(endrin);マイレックス(mirex);エンドスルファン(
endosulfan);またはクロルデコン(chlordecone)を含んでなる。別の実施態様
において、ポリクロロテルペンは、トキサフェン(toxaphene)またはストロバン
(strobane)を含んでなる。別の実施態様において、有機燐酸エステルは、脂肪
族ホスフェート化合物、アリールホスフェート化合物;または複素環ホスフェー
ト化合物を含んでなる。脂肪族化合物の例としては、マラチオン(malathion);
トリクロロホン(trichlorofon);モノクロトホス(monocrotophos);ジメトエ
ート(dimethoate);オキシデメトンメチル(oxydemetonmethyl);ジクロトホ
ス(dicrotophos);ジスルホトン(disulfoton);ジクロルボス(dichlorvos)
;メビンホス(mevinphos);メタミドホス(methamidopos);またはアセフェー
ト(acephate)が挙げられるが、これらに限定されない。フェニル化合物の例と
しては、エチルパラチオン(ethyl parathion);メチルパラチオン(methyl par
athion);プロフェノホス(profenofos);スルプロホス(sulprofos);イソフ
ェンホス(isofenphos);フェニトロチオン(fenitrothion);フェンチオン(
fenthion);またはファンファー(famphur)が挙げられるがこれらに限定されな
い。複素環化合物の例としては、ジアジノン(diazinon)、アジンホス−メチル
(azinphos-methyl);クロルピリホス(chlorpyrifos);メチダチオン(methid
athion);ホスメット(phosmet);イサゾホス(isazophos);クロルピリホス−
メチル(chlorpyrifos-methyl);またはアジンホス−エチル(azinphos-ethyl)
が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施態様において、有機硫黄化合物
は、テトラジホン(tetradifon);プロパルギット(propargite)またはオベッ
クス(ovex)を含む。別の実施態様において、カルバメートは、カルバリール(
carbaryl);メソミル(methomyl);カルボフラン(carbofuran);アルジカル
ブ(aldicarb);オキサミル(oxamyl);チオジカルブ(thiodicarb);メチオ
カルブ(methiocarb);プロポクスル(propoxur);ベンダイオカルブ(bendio
carb);カルボスルファン(carbosulfan);アルドキシカルブ(aldoxycarb);
トリメタカルブ(trimethacarb);プロメカルブ(promecarb);またはフェノキ
シカルブ(fenoxycarb)を含む。別の実施態様において、ホルムアミジンは、ク
ロルジメホルム(chlordimeform);ホルメタネート(formetanate);またはアミ
トラズ(amitraz)を含む。別の実施態様において、ジニトロフェノール化合物は
、ビナパクリル(binapacryl)またはジノカップ(dinocap)を含む。別の実施態
様において、有機錫化合物は、シヘキサ錫またはフェンブタ錫−オキシドを含む
。別の実施態様において、ピレトロイドは、アレスリン(allethrin);テトラメ
トリン(tetramethrin);ビオレスメトリン(bioresmethrin);ビオアレスリン
(bioallethrin);フォノトリン(phonothrin);フェンバレレート(fenvaler
ate);ペルメトリン(permethrin);ビフェントリン(bifenthrin);ラムダシ
ハロトリン(lambda cyhalothrin);シペルメトリン(cypermethrin);シフル
トリン(cyfluthrin);デルタメトリンエスフェンバレレート(delta methrin
esfenvalerate);フェンプロパトリン(fenpropathrin);フルシトリネート(fl
ucythrinate);フルバリネート(fluvalinate);プラレトリン(prallethrin);
またはトラロメトリン(tralomethrin)を含む。別の実施態様において、アシル
ウレアは、トリフルムロン(triflumuron);クロルフルアズロン(chlorfluazur
on);テフルベンズロン(teflubenzuron);ヘキサフルムロン(hexaflumuron)
;フルフェノクスロン(flufenoxuron);フルシクロクスロン(flucycloxuron)
;またはノバルロン(novaluron)を含む。別の実施態様において、植物性化合物
は、ピレトラン(pyrethrum);ニコチン;樟脳;ターペンタイン(turpentine)
;ロテノン(rotenone);リモネン;またはニーム油を含む。別の実施態様にお
いて、抗生物質は、アベルメクチン(avermectin)を含む。別の実施態様におい
て、燻蒸剤は臭化メチル;二塩化エチレン;フッ化スルフリン;クロロテン(ch
lorothene);ナフタレン;またはパラジクロロベンゼンを含む。別の実施態様に
おいて、防虫化合物はフタル酸ジメチル;フタル酸ジブチル;安息香酸ベンジル
;N−ブチルアセトアニリド;ジメチルカルベート;またはジエチルトルアミド
を含む。別の実施態様において、無機化合物は、イオウ;水銀;タリウム;アン
チモン;ヒ酸銅;無機フッ化物;ホウ酸;八ホウ酸二ナトリウム;またはシリカ
ゲルを含む。
【0044】 別の実施態様において、農芸用添加剤は、ALSase阻害剤、芳香族カルボ
ン酸、クロロアセトアミド、トリアジン、ESPSase阻害剤、ACCase
阻害剤、ジニトロアニリン化合物、ベンタゾン、ハロヒドロキシベンゾニトリル
、ジフェニルエーテル、イソキサゾリドン、パラコート(paraquat)、またはそ
れらの混合物を含んでなる除草剤である。
【0045】 別の実施態様において、ALSase阻害剤は、スルホニルウレア、イミダゾ
リノンまたはトリアゾロピリミジンスルホニルアニリドを含む。スルホニルウレ
アの例としては、クロルスルフロン(chlorsulfuron);クロルイムロン−エチル
(chlorimuron-ethyl);ニコスルフロン(nicosulfuron);プリミスルフロン(
primisulfuron);チフェンスルフロン(thifensulfuron);メトスルフロン(me
tsulfuron);スルホメツロン−メチル(sulfometuron-methyl);またはベンスル
フロン−メチル(bensulfuron-methyl)が挙げられるがこれらに限定されない。
イミダゾリノンの例としては、イマザキン(imazaquin);イマゼタピル(imazet
hapyr);イマザピル(imazapyr);またはイマザメタベンズ(imazamethabenz)
が挙げられるがこれらに限定されない。トリアゾロピリミジンスルホニルアニリ
ドの例としては、フルメトスラン(flumetsulam)が挙げられるがこれに限定され
ない。別の実施態様において、芳香族カルボン酸はフェノキシ酢酸、安息香酸ま
たはアリールオキシフェノキシプロピオネートを含む。フェノキシ酢酸の例とし
ては、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D);または2,4,5−ト
リクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)が挙げられるがこれらに限定されな
い。安息香酸の例としては、クロランベン(chloramben)が挙げられるがこれに
限定されない。アリールオキシフェノキシプロピオネートの例としてはジクロホ
ップ−メチル(diclofop-methyl);フルアジホップ−ブチル(fluazifop-butyl)
;またはキザロホップ−エチル(quizalafop-ethyl)が挙げられるがこれらに限
定されない。別の実施態様において、クロロアセトアミドは、アラクロール(al
achlor);メトラクロール(metolachlor);プロパクロール(propachlor);ブ
タクロール(butachlor);ジフェンアミド(diphenamide);ナプロパミド(napr
opamide);プロナミド(pronamide);プロパニル(propanil);またはアセトク
ロール(acetochlor)を含んでなる。別の実施態様において、トリアジンは、塩
素化s−トリアジン;メトキシs−トリアジン;メチルチオs−トリアジン;ま
たは不斉トリアジンを含む。塩素化s−トリアジンの例としては、アトラジン(
atrazine);シアナジン(cyanazine);シプロジン(cyprozine);シマジン(si
mazine);プロシアジン(procyazine);またはプロパジン(propazine)が挙げ
られるがこれらに限定されない。メトキシs−トリアジンの例としては、アトラ
トン(atraton);プロメトン(prometon);セクブメトン(secbumeton);また
はシメトン(simeton);が挙げられるがこれらに限定されない。メチルチオs−
トリアジンの例としては、アメトリン(ametryn);プロメトリン(prometryn);
テルブトリン(terbutryn);シメトリン(simetryn);またはデスメトリン(de
smetryn)が挙げられるがこれらに限定されない。不斉トリアジンの例としては、
メトリブジン(Metribuzin)が挙げられるがこれに限定されない。ESPSas
e阻害剤の例としては、グリホスフェート(glyphosphate)が挙げられるがこれ
らに限定されない。別の実施態様において、ACCase阻害剤はアリールオキ
シフェノキシプロピオネートまたはシクロヘキセノンを含む。アリールオキシフ
ェノキシプロピオネートの例としては、ジクロホップ−メチル(diclofop-methy
l);フルアジホップ−ブチル(fluazifop-butyl);またはキザロホップ−エチル
(quizalafop-ethyl)が挙げられるがこれらに限定されない。シクロヘキセノン
の例としては、セトキシジム(sethoxydim);クレトジム(clethodim);アロキ
シジム(alloxydim);またはシクロキシジム(cycloxydim)が挙げられるがこれ
らに限定されない。別の実施態様において、ジニトロアニリン化合物は、メチル
アニリン除草剤またはスルホニルアニリンを含む。メチルアニリン除草剤の例と
しては、トリフルラリン(trifluralin);ペンディメタリン(pendimethalin);
ベネフィン(benefin);ジニトラミン(dinitramine);フルクロラリン(fluchl
oralin);またはプロフルラリン(profluralin)が挙げられるがこれらに限定さ
れない。スルホニルアニリン化合物の例としては、オリザリン(oryzalin)また
はニトラリン(nitralin)が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施態様
において、ハロヒドロキシベンゾニトリルは、ブロモキシニル(bromoxynil)ま
たはイオキシニル(ioxynil)を含む。別の実施態様において、イソキサゾリドン
はクロマゾン(clomazone)を含む。
【0046】 本発明の利点は、個々の用途によって異なる。セルロースプラスチックの製造
においては、本発明を適用することにより、セルロースプラスチック材料の製造
における熱履歴が比較的少ないことに加えて、加工工程が比較的少ないという経
済的利益が得られる。さらに、本発明の方法によれば、セルロースエステル中に
材料をより均質に分布させることによってより多量の機能性添加剤を包含させる
ことが可能になる。
【0047】 農薬に関する本発明の別の利点は、時間調節及び持続放出特性を有し、機能性
添加剤のダスチングの減少及び封入により取り扱い毒性が比較的低く且つ敏感な
材料の紫外線安定性または加水分解安定性が増大した粒状材料の製造を含む。
【0048】 本発明の方法はまた、機能性添加剤の放出速度が制御可能なセルロースエステ
ルブレンドを製造することができる。本発明の方法によって製造されるセルロー
スエステルブレンドは、医薬品及び他の薬剤の送達に使用できる。
【0049】 本発明の方法は、適当な機能性添加剤または添加剤パッケージを第一のカルボ
ン酸及びセルロースエステルの溶液に添加することを含む。一実施態様において
、セルロースエステルは、セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレ
ート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレート、セルロースプ
ロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネー
トブチレート、カルボキシメチルセルロースアセテート、カルボキシメチルセル
ロースアセテートプロピオネート、カルボキシメチルセルロースアセテートブチ
レート、セルロースアセテートブチレートスクシネートまたはそれらの混合物で
あることができる。好ましい実施態様において、セルロースエステルは、セルロ
ースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、またはそれらの混合物
である。一実施態様において、セルロースアセテートの置換度は、0.5〜3.
0、好ましくは1.5〜2.8、より好ましくは1.8〜2.2である。別の実
施態様において、セルロースアセテートプロピオネートはプロピオニルの置換度
が0.1〜3.0、好ましくは1.5〜2.0である。アセチルの置換度は0.
01〜1.0、好ましくは0.05〜0.5である。
【0050】 第一の酸の選択は、得られるセルロースエステルブレンドの最終用途によって
異なることができる。セルロースエステル及び機能性添加剤を溶解させるために
はカルボン酸と水との混合物が選ばれる。一実施態様において、第一の酸はカル
ボン酸である。別の実施態様において、第一の酸はカルボン酸水溶液である。好
ましい実施態様において、第一の酸は酢酸、プロピオン酸、酪酸またはそれらの
混合物であり、場合によってはさらに、セルロース及び機能性添加剤を溶解する
のに十分な量の水を含む。好ましくは、第一の酸は、工程(a)の混合物の60
〜90重量%の量で存在し、水は2〜15重量%の量で存在する。
【0051】 より好ましくは、第一の酸は、水30重量%に対してプロピオン酸または酪酸
10〜90重量%の量で存在する。
【0052】 機能性添加剤は、工程(a)のセルロースエステルの1〜50、好ましくは1
〜20重量%の量で存在する。
【0053】 一実施態様においては、機能性添加剤をセルロースエステル及び第一のカルボ
ン酸の溶液に添加した後、混合物を撹拌して機能性添加剤を溶解させることによ
って均質溶液を作成する。前述のように、好ましい機能性添加剤としては、可塑
剤、紫外線安定剤及び染料が挙げられる。一実施態様において、可塑剤の量は工
程(a)のセルロースエステルの1〜40重量%、好ましくは15〜25重量%
である。好ましい実施態様において、機能性添加剤は可塑剤である。
【0054】 セルロースエステル及び機能性添加剤を溶解させたら、混合物を水性沈澱剤と
接触させて、セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを共沈させる。用語
「水性沈澱剤」は、水及び場合によっては1種またはそれ以上の成分を含んでな
る溶液と定義される。一実施態様において、水性沈澱剤は水である。別の実施態
様において、水性沈澱剤は第二の酸及び水である。第二の酸は水に可溶であるの
が好ましい。一実施態様において、第二の酸はカルボン酸、好ましくは酢酸、プ
ロピオン酸、酪酸またはそれらの混合物である。本発明において、第一の酸と第
二の酸とは同一であってもよいし、異なってもよい。第二の酸の選択は、使用す
るセルロースエステルによって異なり得る。沈澱剤は、カルボン酸と混和性で且
つセルロースエステル及び機能性添加剤に対する溶解度が極めて小さい任意の溶
剤であることができる。
【0055】 一実施態様において、第二の酸は水性沈澱剤の20〜35重量%、好ましくは
10〜30重量%である。好ましい実施態様において、第二の酸は酢酸1〜39
重量%、好ましくは0〜15重量%、より好ましくは10〜15重量%、プロピ
オン酸39〜1重量%、好ましくは15〜0重量%、より好ましくは15〜10
重量%である。
【0056】 水性沈澱剤の量は、混合物中の第一の酸の濃度を希釈して、セルロースエステ
ル/機能性添加剤のブレンドを共沈させるのに十分なものである。一実施態様に
おいて、接触工程(b)の前には、工程(a)の第一の酸の濃度は工程(b)の
水性沈澱剤中の第二の酸の濃度よりも大きい。混合物が第一の酸中で次第に薄く
なるにつれて、相分散及び沈澱が起こる。得られる沈澱物は、添加された機能性
添加剤をほとんど全て含むカルボン酸/水で湿ったセルロースエステルの固体相
と、ごく少量の機能性添加剤を含む薄いカルボン酸/水の相である。使用する沈
澱剤の量は、使用するセルロースエステル及び機能性添加剤の型ならびに共沈が
起こる温度によって異なるであろう。沈澱剤の温度は−10〜25℃である。ま
た、工程(b)の前においては、工程(a)の混合物の温度は−5〜−25℃に
調整されるのが好ましい。
【0057】 別の実施態様において、第一の酸及び/または第二の酸はセルロースエステル
のエステル基の共役酸である。一実施態様において、第一の酸と第二の酸は同一
である。一実施態様において、セルロースアセテートを使用する場合には、第一
の酸と第二の酸は酢酸である。一実施態様において、第一の酸と第二の酸は同一
ではない。別の実施態様においては、第二の酸は酢酸、プロピオン酸及び酪酸の
2種またはそれ以上の混合物を含む。
【0058】 別の実施態様においては、共沈の前に、機能性添加剤を溶解させるためにセル
ロースエステル、機能性添加剤及び第一の酸を含む混合物を撹拌する。機能性添
加剤が溶解されたら、水性沈澱剤を添加して共沈を起こすことができる。
【0059】 共沈が起こる温度は、使用する機能性添加剤の種類によって異なり得る。
【0060】 沈澱が完了したら、沈澱物を沈澱液から分離する。得られた沈澱物は、酸含量
を減少させるために水洗することができる。
【0061】 沈澱物は、公知方法によって安定剤を添加することによって熱崩壊または着色
に対してさらに安定化させることができる。有用な安定剤の例としては、クエン
酸二水素カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カルシウム、乳酸ナトリウム
、乳酸カルシウム、ナトリウムオキシレート(sodium oxylate)、酢酸カルシウ
ム及びマレイン酸ナトリウムが挙げられるがこれらに限定されない。
【0062】 沈澱物が安定化されたら、残留水を遠心分離によって沈澱物から除去すること
ができる。次いで、セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを従来の技術
によって乾燥させる。
【0063】 本発明はさらに、 (a)機能性添加剤をセルロースエステル及び第一の酸と混合し; (b)工程(a)の混合物をペレッター中で堆積させ; (c)混合物をペレッターから押出し; (d)工程(c)の直後に又は工程(c)と同時に、押出された混合物を沈澱
剤と接触させてセルロースエステル/機能性添加剤を沈澱させることによって、
セルロースエステル/機能性添加剤ブレンドの押出品を生成し;そして (e)沈澱した押出品を切断してペレットにする ことを含んでなる、セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドの製造方法に
関する。
【0064】 前述の通り、セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを共沈させるため
に、セルロースエステル、機能性添加剤及び第一の酸からなる混合物を、沈澱剤
を含む浴に添加する。本発明の別の実施態様においては、工程(a)の混合物を
ペレッターに加えてから、混合物を沈澱剤と接触させることができる。本発明に
おいて使用できるペレッターは公知である。別の実施態様においては、工程(a
)の混合物をペレッターに加える前に、混合物及びペレッターを加熱する。一実
施態様において、混合物は5〜60℃、好ましくは5〜15℃であり、ペレッタ
ーは5〜60℃、好ましくは5〜15である。一実施態様においては、工程(c
)の前にペレッターの温度を−5〜25℃に調整する。
【0065】 一実施態様においては、工程(a)の混合物を含むペレッターを沈澱剤と接触
させる。別の実施態様においては、ペレッターのカッター端を、沈澱剤を含む浴
中に浸漬する。一実施態様において、沈澱剤は水である。別の実施態様において
、沈澱剤は第二の酸を含む。ペレッターが沈澱剤を含む浴中に工程(a)の混合
物を押し出したら、セルロースエステル/機能性添加剤を含むペレットが生成さ
れる。一実施態様において、沈澱剤は接触工程前に0〜23℃に加熱される。
【0066】 セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドのペレットが生成されたら、ペ
レットは水洗し、安定剤で処理し、そして粉末法に関して記載したのと同様にし
て乾燥によって残留水を除去する。
【0067】放出制御マトリックス系の製造 本発明の目的によれば、本明細書中で具体化され且つ一般的に記載されている
ように、本発明は、農芸用添加剤の放出制御方法、好ましくは、(a)少なくと
も1種の生分解性セルロースエステル;及び(b)少なくとも1種の農芸用添加
剤を含む放出制御マトリックス系(成分(a)及び(b)が放出制御マトリック
ス系を形成する)を、該添加剤の標的の近傍において、生分解を受け且つ添加剤
を放出するのに十分な時間、投与することを含んでなる農芸用添加剤の放出制御
方法に関する。
【0068】 本発明はさらに、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステル;及び
(b)少なくとも1種の医薬添加剤を含む放出制御マトリックス系(成分(a)
及び(b)が放出制御マトリックス系を形成する)を、好ましくは該添加剤の標
的の近傍において、生分解を受け且つ添加剤を放出するのに十分な時間、投与す
ることを含んでなる、医薬添加剤の、その標的の近傍における放出制御方法に関
する。
【0069】 一実施態様において、共沈によってセルロースエステル/機能性添加剤のブレ
ンドを製造するための前記操作は、放出制御マトリックス系の製造に使用できる
。別の実施態様においては、放出制御マトリックス系の製造に公知の技術を使用
することができる。本発明の放出制御マトリックス系は、マイクロカプセル化、
溶融ブレンド、フィルム形成、または噴霧乾燥によって製造できる。これらの技
術による放出制御マトリックス系の製造操作は、以下に記載した実施例に示して
ある。
【0070】 放出制御マトリックス系は、生分解性セルロースエステル及び農芸用添加剤ま
たは医薬添加剤の均質混合物である。用語「均質混合物」は、セルロースエステ
ルと農芸用添加剤または医薬添加剤とがよく混じった混合物と定義される。本発
明において、セルロースエステル及び添加剤は一緒に混合する。一実施態様にお
いては、混合物を加熱し、材料を溶融ブレンドする。サンプルが溶融し始める温
度は、セルロースエステル、添加剤またはセルロースエステルと添加剤との組み
合わせの物理的性質(すなわち、融点、ガラス転移温度)に左右される。溶剤の
除去と同時に、セルロースエステルはマトリックスを形成し、添加剤はマトリッ
クス全体に分散される。添加剤はセルロースエステルに化学的には(すなわち、
共有結合またはイオン結合によっては)結合せず、これが先行技術の放出制御粒
子の特徴である。さらに、添加剤はマトリックス系の外面気孔には充填もされな
いし取り込まれもしない。これらの系において、気孔が加水分解崩壊または熱崩
壊を受けると、添加剤は気孔から拡散または浸出する。これらのマトリックス系
は、前述の均質混合物ではない。この系は、酢酸、プロピオン酸またはそれらの
混合物を含む残留溶剤を含むことができる。残留溶剤はマトリックス系の0.0
05〜0.5重量%でこれらの系中に存在できる。
【0071】 本発明の放出制御マトリックス系は、生分解性セルロースエステル及び農芸用
添加剤または医薬添加剤の選択及び量に応じて種々の速度で農芸用添加剤または
医薬添加剤を放出できる。セルロースエステルの分子量及びDSは添加剤の放出
速度に影響を与えることもある。本明細書中に使用する用語「生分解性」は、微
生物による基質の同化を促進する条件下に対象物(すなわち、セルロース)が微
生物に暴露された時に、少なくとも1種の微生物及び/またはその酵素によって
分解されることと定義される。セルロースは、自然環境において嫌気性微生物及
び好気性微生物の両者によって分解される。この微生物による分解の代表的な最
終製品としては、細胞バイオマス、メタン(嫌気性のみ)、二酸化炭素、水及び
他の発酵製品が挙げられる。究極の最終製品は、環境の型及び存在する微生物の
固体群の型によって決まる。生分解性に関して詳しく解説するために、米国特許
第5,594,068号;同第5,580,911号;及び同第5,559,1
71号を参照することによって本明細書中に取り入れる。生分解性はまた、真菌
類の使用によっても可能である。
【0072】 堆積化環境におけるセルロースエステルの生分解は証明された。分解速度に影
響を与える因子は、セルロースの置換基の型(すなわち、アセテート、プロピオ
ネートまたはブチレート)及びセルロースの置換度である。一般に、DSの低い
材料ほど、DSの高い材料より速く分解し、置換基が小さいほど(アセテート)
大きい置換基よりも速く分解する。
【0073】 多数のセルロースエステルを、14C−標的アセテートから合成し、堆肥化環境
に暴露した。材料の分解によって生成された14CO2 の放出を監視し、エステル
結合の分解指標として使用した。以下の図から示されるように、14CO2 の生成
によって示されるDS1.85のセルロースアセテート分解は速く、材料の大部
分は1週間以内に分解する。置換度の比較的高いセルロースアセテートは、分解
にはるかに長い期間を必要とする。例えば、DS2.5を有するセルロースアセ
テートは、2週間後には一部分しか分解されない。
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】 生分解が起こっていない時に(すなわち、寒い冬の月に)系を投与でき、土壌
温度が暖かくなって微生物の活動が始まる春の間に放出が始まるであろう。
【0077】 前述の通り、添加剤は、生分解性セルロースエステルに化学的には結合してい
ない。従って、放出制御マトリックス系の生分解時に、マトリックス系は壊れて
バラバラになり、添加剤を放出できる。本発明においては、セルロースエステル
の生分解が起こる。いくつかの先行技術の放出制御系においては、添加剤とポリ
マー支持体材料の間の化学結合の加水分解が機能性添加剤の放出を制御する。セ
ルロースエステルが生分解する速度及び使用する添加剤の型が、添加剤の放出速
度に影響を与える。
【0078】 前述の通り、生分解性セルロースエステルの選択は農芸用及び医薬添加剤の放
出に影響を与える。一実施態様において、生分解性セルロースエステルは、セル
ロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートブ
チレート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、セルロースアセ
テートプロピオネート、セルロースプロピオネートブチレート、カルボキシメチ
ルセルロースアセテート、カルボキシメチルセルロースアセテートプロピオネー
ト、カルボキシメチルセルロースアセテートブチレート、セルロースアセテート
ブチレートスクシネート、またはそれらの混合物からなる。好ましい実施態様に
おいて、生分解性セルロースエステルはセルロースアセテート、セルロースアセ
テートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートまたはそれらの混合物
からなる。
【0079】 一実施態様において、生分解性セルロースエステルは置換度が1.0〜3.0
である。別の実施態様において、生分解性セルロースエステルは、置換度が1.
5〜2.5、好ましくは1.8〜2.2のセルロースアセテートである。別の実
施態様において、生分解性セルロースエステルは、置換度がアセチル0.1〜0
.5及びプロピオニル1.6〜2.0のセルロースアセテートプロピオネートで
ある。
【0080】 放出制御マトリックス系中の生分解性セルロースエステルの量は、添加剤の放
出速度にも影響を与える。一実施態様において、生分解性セルロースエステルは
、マトリックス系の50〜99.9重量%、好ましくは70〜99重量%である
【0081】 種々の農芸用添加剤を本発明に使用できる。一実施態様において、農芸用添加
剤は、殺虫剤、除草剤、病虫害防除剤、肥料、微量無機質、またはそれらの混合
物を含む。
【0082】 別の実施態様において、農芸用添加剤は、有機塩素化合物、有機燐酸化合物、
アリール化合物、複素環式化合物、有機硫黄化合物、カルバメート化合物、ホル
ムアミジン化合物、ジニトロフェノール化合物、有機錫化合物、ピレトロイド化
合物、アシルウレア化合物、植物性化合物、抗生物質、燻蒸化合物、防虫化合物
、無機化合物またはそれらの混合物を含んでなる殺虫剤である。
【0083】 別の実施態様において、有機塩素化合物は、ジフェニル脂肪族化合物;ヘキサ
クロロシクロヘキサン;シクロジエン;またはポリクロロテルペンを含む。一実
施態様において、ジフェニル脂肪族化合物は、1,1−ジクロロ−2,2−ビス
(p−クロロフェニル)エタン;1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(p−
クロロフェニル)エタン;ジコホール(dicofol);エチラン(ethylan);クロロ
ベンジレート(chlorbenzilate);またはメトキシクロル(methoxychlor);を
含む。別の実施態様において、シクロジエンは、クロルデン(chlordane);アル
ドリン(aldrin);ディルドリン(dieldrin);ヘプタクロル(heptachlor);
エンドリン(endrin);マイレックス(mirex);エンドスルファン(endosulfan
);またはクロルデコン(chlordecone);を含む。別の実施態様において、ポリ
クロロテルペンは、トキサフェン(toxaphene)またはストロバン(strobane)を
含んでなる。別の実施態様において、有機燐酸エステルは、脂肪族化合物、フェ
ニル化合物;または複素環化合物を含む。脂肪族化合物の例としては、マラチオ
ン(malathion);トリクロロホン(trichlorofon);モノクロロホス(monocrot
ophos);ジメトエート(dimethoate);オキシデメトンメチル(oxydemetonmeth
yl);ジクロトホス(dicrotophos);ジスルホトン(disulfoton);ジクロルボ
ス(dichlorvos);メビンホス(mevinphos);メタミドホス(methamidophos);
またはアセフェート(acephate)が挙げられるが、これらに限定されない。フェ
ニル化合物の例としては、エチルパラチオン(ethyl parathion);メチルパラチ
オン(methyl parathion);プロフェノホス(profenofos);スルプロホス(su
lprofos);イソフェンホス(isofenphos);フェニトロチオン(fenitrothion)
;フェンチオン(fenthion);またはファンファー(famphur)が挙げられるがこ
れらに限定されない。複素環式化合物の例としては、ジアジノン(diazinon)、
アジンホス−メチル(azinphos-methyl);クロルピリホス(chlorpyrifos);メ
チダチオン(methidathion);ホスメット(phosmet);イサゾホス(isazophos)
;クロルピリホス−メチル(chlorpyrifos-methyl);またはアジンホス−エチル
(azinphos-ethyl)が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施態様におい
て、有機硫黄化合物は、テトラジホン(tetradifon);プロパルギット(propar
gite)またはオベックス(ovex)を含む。別の実施態様において、カルバメート
は、カルバリール(carbaryl);メソミル(methomyl);カルボフラン(carbof
uran);アルジカルブ(aldicarb);オキサミル(oxamyl);チオジカルブ(th
iodicarb);メチオカルブ(methiocarb);プロポクスル(propoxur);ベンダ
イオカルブ(bendiocarb);カルボスルファン(carbosulfan);アルドキシカル
ブ(aldoxycarb);トリメタカルブ(trimethacarb);プロメカルブ(promecar
b);またはフェノキシカルブ(fenoxycarb)を含む。別の実施態様において、ホ
ルムアミジンは、クロルジメホルム(chlordimeform);ホルメタネート(formet
anate);またはアミトラズ(amitraz)を含む。別の実施態様において、ジニトロ
フェノール化合物は、ビナパクリル(binapacryl)またはジノカップ(dinocap)
を含む。別の実施態様において、有機錫化合物は、シヘキサ錫またはフェンブタ
錫−オキシドを含む。別の実施態様において、ピレトロイドは、アレスリン(al
lethrin);テトラメトリン(tetramethrin);ビオレスメトリン(bioresmethri
n);ビオアレスリン(bioallethrin);フォノトリン(phonothrin);フェンバ
レレート(fenvalerate);ペルメトリン(permethirn);ビフェントリン(bife
nthrin);ラムダシハロトリン(lambda cyhalothrin);シペルメトリン(cype
rmethrin);シフルトリン(cyfluthrin);デルタメトリンエスフェンバレレー
ト(delta methrin esfenvalerate);フェンプロパトリン(fenpropathrin);フ
ルシトリネート(flucythrinate);フルバリネート(fluvalinate);プラレトリ
ン(prallethrin);またはトラロメトリン(tralomethrin)を含む。別の実施態
様において、アシルウレアは、トリフルムロン(triflumuron);クロルフルアズ
ロン(chlorfluazuron);テフルベンズロン(teflubenzuron);ヘキサフルムロ
ン(hexaflumuron);フルフェノクスロン(flufenoxuron);フルシクロクスロ
ン(flucycloxuron);またはノバルロン(novalurom)を含む。別の実施態様にお
いて、植物性化合物は、ピレトラン(pyrethrun);ニコチン;樟脳;ターペンタ
イン(turpentine);ロテノン(rotenone);リモネン;またはニーム油を含む
。別の実施態様において、抗生物質は、アベルメクチン(avermectin)を含む。
別の実施態様において、燻蒸剤は臭化メチル;二塩化エチレン;シアン化水素;
フッ化スルフリル;クロロテン(chlorothene);酸化エチレン;ナフタレン;ま
たはパラジクロロベンゼンを含む。別の実施態様において、防虫化合物はフタル
酸ジメチル;フタル酸ジブチル;安息香酸ベンジル;N−ブチルアセトアニリド
;ジメチルカルベート;またはジエチルトルアミドを含む。別の実施態様におい
て、無機化合物は、イオウ;水銀;タリウム;アンチモン;ヒ酸銅;無機フッ化
物;ホウ酸;八ホウ酸二ナトリウム;またはシリカゲルを含む。
【0084】 別の実施態様において、農芸用添加剤は、ALSase阻害剤、芳香族カルボ
ン酸、クロロアセトアミド、トリアジン、ESPSase阻害剤、ACCase
阻害剤、ジニトロアニリン化合物、ベンタゾン、ハロヒドロキシベンゾニトリル
、ジフェニルエーテル、イソキサゾリドン、パラコート(paraquat)、またはそ
れらの混合物を含んでなる除草剤である。
【0085】 別の実施態様において、ALSase阻害剤は、スルホニルウレア、イミダゾ
リノンまたはトリアゾロピリミジンスルホニルアニリドを含む。スルホニルウレ
アの例としては、クロルスルフロン(chlorsulfuron);クロルイムロン−エチル
(chlorimuron-ethl);ニコスルフロン(nicosulfuron);プリミスルフロン(
primisulfuron);チフェンスルフロン(thifensulfuron);メトスルフロン(me
tsulfuron);スルホメツロン−メチル(sulfoneturon-methyl);またはベンスル
フロン−メチル(bensulfuron-methyl)が挙げられるがこれらに限定されない。
イミダゾリノンの例としては、イマザキン(imazaquin);イマゼタピル(imazet
hapyr);イマザピル(imazapyr);またはイマザメタベンズ(imazamethabenz)
が挙げられるがこれらに限定されない。トリアゾロピリミジンスルホニルアニリ
ドの例としては、フルメトスラン(flumetsulam)が挙げられるがこれに限定され
ない。別の実施態様において、芳香族カルボン酸はフェノキシ酢酸、安息香酸ま
たはアリールオキシフェノキシプロピオネートを含む。フェノキシ酢酸の例とし
ては、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4−D);または2,4,5−ト
リクロロフェノキシ酢酸(2,4,5−T)が挙げられるがこれらに限定されな
い。安息香酸の例としては、ジカンバ(dicamba)またはクロランベン(chloramb
en)が挙げられるがこれらに限定されない。アリールオキシフェノキシプロピオ
ネートの例としてはジクロホップ−メチル(diclofop-methyl);フルアジホップ
−ブチル(fluazifop-butyl);またはキザロホップ−エチル(quizalafop-ethyl
)が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施態様において、クロロアセト
アミドは、アラクロール(alachlor);メトラクロール(metolachlor);プロパ
クロール(propachlor);ブタクロール(butachlor);ジフェンアミド(diphen
amide);ナプロパミド(napropamide);プロナミド(pronamide);プロパニル(
propanil);またはアセトクロール(acetochlor)を含む。別の実施態様におい
て、トリアジンは、塩素化s−トリアジン;メトキシs−トリアジン;メチルチ
オs−トリアジン;または不斉トリアジンを含む。塩素化s−トリアジンの例と
しては、アトラジン(atrazine);シアナジン(cyanazine);シプロジン(cypr
ozine);シマジン(simazine);プロシアジン(procyazine);またはプロパジ
ン(propazine)が挙げられるがこれらに限定されない。メトキシs−トリアジン
の例としては、アトラトン(atraton);プロメトン(prometon);セクブメトン
(secbumeton);またはシメトン(simeton)が挙げられるがこれらに限定されな
い。メチルチオs−トリアジンの例としては、アメトリン(ametryn);プロメト
リン(prometryn);テルブトリン(terbutryn);シメトリン(simetryn);また
はデスメトリン(desmetryn)が挙げられるがこれらに限定されない。不斉トリア
ジンの例としては、メトリブジン(Metribuzin)が挙げられるがこれに限定され
ない。ESPSase阻害剤の例としては、グリホスフェート(glyphosphate)
が挙げられるがこれに限定されない。別の実施態様において、ACCase阻害
剤はアリールオキシフェノキシプロピオネートまたはシクロヘキセノンを含んで
なる。アリールオキシフェノキシプロピオネートの例としては、ジクロホップ−
メチル(diclofop-methyl);フルアジホップ−ブチル(fluazifop-butyl);また
はキザロホップ−エチル(quizalafop-ethyl)が挙げられるがこれらに限定され
ない。シクロヘキセノンの例としては、セトキシジム(sethoxydim);クレトジ
ム(clethodim);アロキシジム(alloxydim);またはシクロキシジム(cycloxyd
im)が挙げられるがこれらに限定されない。別の実施態様において、ジニトロア
ニリン化合物は、メチルアニリン除草剤またはスルホニルアニリンを含む。メチ
ルアニリン除草剤の例としては、トリフルラリン(trifluralin);ペンディメタ
リン(pendimethalin);ベネフィン(benefin);ジニトラミン(dinitramine);
フルクロラリン(fluchloralin);またはプロフルラリン(profluralin)が挙げ
られるがこれらに限定されない。スルホニルアニリン化合物の例としては、オリ
ザリン(oryzalin)またはニトラリン(nitralin)が挙げられるがこれらに限定
されない。別の実施態様において、ハロヒドロキシベンゾニトリルは、ブロモキ
シニル(bromoxynil)またはイオキシニル(ioxynil)を含む。別の実施態様にお
いて、イソキサゾリドンはクロマゾン(clomazone)を含む。
【0086】 マトリックス系に取り入れることができる農芸用添加剤の量は、農芸用添加剤
及び添加剤の放出速度によって異なり得る。一実施態様において、農芸用添加剤
は、マトリックス系の0.1〜50重量%、好ましくは0.1〜30重量%、よ
り好ましくは0.1〜20重量%を構成する。
【0087】 農芸用添加剤を含む放出制御マトリックス系は、農芸、園芸または芝生用薬品
の投与のための公知技術によって配置することができる。用語「投与する」は、
本発明の放出制御マトリックス系を標的に接触させるまたは投与する方法と定義
される。一実施態様において、標的は植物または土壌であることができる。別の
実施態様において、植物は農芸植物、栽培植物または芝生である。
【0088】 「生分解を受け且つ添加剤を放出するのに十分な時間」とは、添加剤の放出の
開始に必要な時間を意味する。放出制御マトリックス系からの添加剤の放出時間
は、使用する生分解性セルロースエステル及び添加剤によって異なり得る。添加
剤の最初の放出が起きてからの、添加剤の放出持続時間も使用するセルロースエ
ステル及び添加剤によって代わり得る。用語「放出持続時間」は、添加剤の実質
的に全てが放出制御マトリックス系から排出されるのに必要な時間と定義される
。放出持続時間は、数日〜数年であることができる。
【0089】 本発明者らはまた、医薬添加剤を放出制御マトリックス系中に取り入れること
ができることを発見した。生分解性セルロースエステルと混和性の任意の医薬添
加剤を本発明において使用できる。本発明において使用できる医薬添加剤は、Ph
ysician's Desk Referenceに開示されており、これを参照することによって本明
細書中に取り入れる。
【0090】 意図する投与様式に応じて、医薬添加剤を含む放出制御マトリックス系は、個
体、半固体または液体の投与形態、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル剤、散
剤、液剤、懸濁剤、ローション剤、乳剤、ゲルなどの剤形の、好ましくは正確な
投与量を一度に投与するのに適当な単位投与量の形態の医薬組成物中に含ませる
ことができる。さらに、放出制御マトリックス系は、他の薬剤、調合薬、キャリ
ヤー、補助薬、希釈剤なども含むことができる。
【0091】 経口投与のためには、微細な散剤または顆粒剤は希釈剤、分散助剤及び/また
は界面活性剤を含むことができ、水もしくはシロップ、乾燥状態のカプセル剤ま
たはサシェイ、または沈澱防止剤を含む場合もある非水溶液または懸濁液、結合
剤及び滑沢剤を含む場合もある錠剤、または水もしくはシロップ中懸濁液で与え
ることができる。所望ならばまたは必要ならば、矯味矯臭剤、保存剤、沈澱防止
剤、増粘剤または乳化剤を含ませることができる。錠剤及び顆粒剤が好ましい経
口投与剤形であり、これらはコーチングすることもできる。
【0092】 非経口投与は、使用する場合には、一般に注射が特徴である。注入可能医薬品
は、通常の形態で溶液もしくは懸濁液として、注射の前に液体中に溶解または懸
濁させるのに適当な固体の形態で、または乳剤として調製できる。
【0093】 医薬添加剤の正確な量は、患者の人種、年齢、体重及び全身状態;治療中また
は予防中の疾病、感染もしくは状態のひどさ、使用される個々の医薬添加剤、投
与形式などによって患者毎に異なるであろう。従って、正確な量を明記するのは
不可能である。しかし、当業界において通常の技術を有する者ならば、以下の教
示が与えられれば、日常実験のみを用いて適量を求めることができる。一実施態
様においては、医薬添加剤は放出制御マトリックス系の0.1〜50重量%、好
ましくは0.1〜20重量%である。
【0094】 本発明の一実施態様において、医薬添加剤を含む放出制御マトリックス系を患
者に投与することができる。本発明の別の実施態様において、患者は哺乳類、爬
虫類及び両生類、鳥類または魚類である。別の実施態様において、患者はヒトま
たは別の動物であることができ、この動物は詳細には、家畜、食品生産用動物ま
たは野生動物であることができる。家畜の例としては、犬、ネコ、馬または鳥が
挙げられるが、これらに限定されない。食品生産用動物の例としては、乳牛、豚
、鳥または羊が挙げられるがこれらに限定されない。野生動物の例としては、ラ
イオン、トラ、ゾウ、サルまたはクマが挙げられるがこれらに限定されない。
【0095】 放出制御マトリックス系の寸法及び形状は、マトリックス系の製造に使用する
技術によって異なり得る。一実施態様において、マトリックス系はマイクロカプ
セルまたは微小球(マイクロスフェア)であることができる。一実施態様におい
て、微小球は直径が0.1〜500im、好ましくは0.1〜100im、より好ま
しくは0.5〜5imである。別の実施態様において、マトリックス系はフィルム
であることができ、フィルムの厚さは3〜250mm、または0.01〜10mil
である。別の実施態様において、マトリックス系は繊維またはグラニュールであ
ることができる。別の実施態様においては、マトリックス系は、繊維織物もしく
は紡績繊維または球状ペレットもしくはグラニュールであることができる。
【0096】 本発明はさらに、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステルと(b
)少なくとも1種の農芸用添加剤または医薬添加剤との均質混合物を含んでなる
放出制御マトリックス系(該成分(a)及び(b)が放出制御マトリックス系を
形成する)に関する。
【0097】 本発明はさらに、本質的に(a)すくなくとも1種の生分解性セルロースエス
テルと(b)少なくとも1種の農芸用添加剤または医薬添加剤との均質混合物か
らなる放出制御マトリックス系(該成分(a)及び(b)が放出制御マトリック
ス系を形成する)に関する。
【0098】 別の実施態様においては、少量の残留可塑剤または界面活性剤が放出制御マト
リックス系に混和されていてもよい。
【0099】 以下の実施例は、請求する化合物の製造方法及び評価方法を、当業界における
通常の技術を有する者に対して充分に開示及び説明するために記載するものであ
る。これらは、本発明の単なる代表例であって、本発明者らが自身の発明とみな
すものの範囲を限定するものではない。数値(例えば、量、温度など)に関して
精度を保証するために努力したが、若干の誤差及び偏差を明らかにしなければな
らない。特に断らない限り、部は重量部であり、温度は℃で表されるか室温であ
り、圧力は大気圧かまたはほぼ大気圧である。
【0100】 実施例 一般的方法 実施例中で使用したセルロースエステル材料は、通常の製造によって沈澱の直
前に最終製品または溶液としてサンプリングした、得られたものである。
【0101】 実施例全体を通じて、以下の用語を使用するものとする: 曇り点(hase point)は、セルロースエステルの酸ドープが二相化し始める点
と定義する。ブレークポイント(break point)は、セルロースエステル固体相が
出現する点である。曇り点及びブレークポイントは、沈澱混合物のセルロースエ
ステルの型、ヒドロキシル含量、温度、酸パーセント及び水パーセントに左右さ
れる。実施例中に使用するPZは、可塑剤を表す。ドープは、溶剤に溶解された
セルロースエステルと定義する。
【0102】 「DS/AGU」または単に「DS」は、アンヒドログルコース単位あたりの
置換基の数を表し、最大DS/AGUは3である。 「AMU」は、原子質量単位を表す。
【0103】 セルロースエステルの型を、以下の表に記載する:
【0104】
【表3】
【0105】方法(A)−実験室規模の粉末沈澱 機能性添加剤が混和された、実験室規模の粉末沈澱セルロースエステルブレン
ドを製造するために、以下の手順を踏んだ:(1)セルロースエステルドープサ
ンプルを入手し、固形分、酸パーセント、酸比及び水パーセントを測定した。(
2)機能性添加剤または添加剤パッケージを、ボトルローラー上で回転させるか
または撹拌機及び櫂形ミキサーを用いて撹拌することによって、エステルドープ
に添加及び混和した。(3)ドープ混合物を、サーモスタットの付いた浴に入れ
て、目的温度に平衡させた。(4)3枚の均等に配置された垂直フィンが撹拌溶
液の混合物及び乱れを促進するように配列されたステンレス鋼ビーカー(ターボ
)中で機械的に撹拌することによって、ドープ混合物を沈澱させた。ターボは、
実験室用フード中におかれたサーモスタット付き浴中に入れた。(5)沈澱には
全て、沈澱剤として稀酢酸水溶液、または稀混合カルボン酸水溶液を用いた。(
6)沈澱した材料を、タップ−ウォッシュ(tap-wash)フィルターバッグを24
〜33℃の温度の脱イオン水と共に用いて洗浄した。(7)次いで、適正な量の
0.15重量%クエン酸二水素カリウム水溶液を噴霧びんを用いてバッグ中の湿
潤エステルを噴霧することによって、0.01重量%のクエン酸二水素カリウム
を添加した。(8)洗浄し且つ安定化させた材料を、強制空気循環炉中で乾燥さ
せた。
【0106】方法(B)−実験室規模のペレット沈澱 機能性添加剤が混和された、実験室規模のペレット沈澱セルロースエステルブ
レンドを製造するために、以下の手順を踏んだ;(1)エステルサンプルを入手
し、固形分、酸パーセント、酸比及び水パーセントを測定した。(2)機能性添
加剤または添加剤パッケージを、ボトルローラー上で回転させるかまたは撹拌機
及び櫂形ミキサーを用いて撹拌することによって、エステルドープに添加及び混
和した。(3)ドープ混合物を、サーモスタットの付いた浴に入れて、目的温度
に平衡させ、ペレッターを実験室用強制空気循環炉中に入れて目的温度に平衡化
させた。(4)できるだけ速く、炉からペレット製造機を取り出し、ペレット製
造機にドープを添加し、ペレット製造機の残りの部品を組み立てた。(5)ペレ
ッターのカッター端が沈澱浴中に浸漬されるようにペレッターを置き、空気圧及
びカッター駆動装置を設定し、そしてペレットを形成した。ペレットを水または
稀酢酸水溶液中に沈澱させた。(6)ペレット沈澱材料を洗浄した。(7)洗浄
したペレットを0.06重量%クエン酸二水素カリウム水溶液中に浸漬し且つ過
剰の溶液を排出させることによって、ペレットを安定化させた。(8)洗浄した
ペレット及び安定剤を、強制空気循環炉中で乾燥させた。
【0107】セルロースエステル微小球中への農芸用または医薬添加剤の封入方法(表14及 び例10参照) セルロースエステルの溶液は、所望のセルロースエステルを適当な水不混和性
有機溶剤中に溶解させることによって調製する。有機溶剤は、多数の有機溶剤の
うちの任意の1つであることができ、好ましくは、セルロースエステル及び農芸
用もしくは医薬添加剤を溶解し、水溶性があまりなく且つ水と低沸点共沸混合物
を形成するものである。セルロースエステルの水溶液に所望の量の添加剤を添加
する。活性材料が完全に溶解するまで、溶液を撹拌する。
【0108】 最終製品中の活性材料の百分率は、活性材料の重量を、活性材料の重量とセル
ロースエステルの重量の合計で除することによって計算される。セルロースエス
テル中の添加剤の百分率は0.1から50重量%まで変化することができる。セ
ルロースエステル中に混和される活性材料の最大重量%は、活性材料が別の相を
形成し始めるまで、混合物中の活性材料の重量%を増大させ得ることによって実
験的に測定できる。
【0109】 第二ビーカーに既知量の界面活性剤を秤取し、水を添加して、界面活性剤の水
溶液を調製する。高剪断ミキサー中で撹拌しながら調製した界面活性剤水溶液に
セルロースエステル/添加剤/有機溶剤混合物を添加する。溶液を撹拌して、有
機相が水相中に分散されたエマルジョンを形成する。ミキサーは、大きさがミク
ロン以下〜500ミクロン未満の範囲の液滴を形成するのに充分な「剪断応力」
を有するものでなければならない。サンプルを鏡検法によって除去及び検査して
、粒度が目的レベルに達する時点を求める。
【0110】 熱源、撹拌機及び蒸留装置を装着した容器にエマルジョンを移す。エマルジョ
ンを加熱して、有機溶剤/水共沸混合物を溶液から蒸留させる。留出物の相分離
が起こったら、水層を除去して、容器に戻す。エマルジョンから有機溶剤を蒸留
すると、容器の温度が上昇し始める。容器の温度が上昇し始めたら、容器の加熱
をやめて装置を再構成して、真空下で蒸留を続け、容器の内容物の温度を維持す
るためにフラスコを加熱し、留出物が水のみとなるまで蒸留を続ける。真空を開
放し、容器の加熱を止める。容器内容物(水中に懸濁されたセルロースエステル
/添加剤−微小球)を室温まで冷却させる。
【0111】 セルロースエステル/添加剤粒子は、遠心分離または減圧濾過を含む多くの技
術によって回収できる。微小球は真空オーブン中で、粒子から残留水は除去する
が粒子を溶融または分解させない温度において乾燥させることができる。
【0112】セルロースエステル及び農芸用または医薬添加剤の溶融ブレンド方法 セルロースエステル、添加剤及び場合によっては可塑剤を広口壜中で混合した
。混合物を溶融ブレンダーに移した。溶融ブレンダーの温度を上昇させ、サンプ
ルが均質になるまで混合物を撹拌する。サンプルが溶融し始める温度は、個々の
材料及び材料のブレンドの物理的性質(融点、Tg)ならびに溶融ブレンダーの
温度及び溶融ブレンダー中に入れられた材料の量によって決まる。
【0113】 計器が、サンプルを混合するのに必要なトルクが最小に達し且つ一定であるこ
とを示したら、ブレンドをやめる。サンプルは、硬化し始めたらすぐにミキサー
から排出する。
【0114】セルロースエステル及び農芸用または医薬添加剤のフィルムまたは繊維の製造方 セルロースエステル、添加剤及び場合によっては可塑剤を溶融ブレンドしたも
のもしくはそれらの混合物を用いて、例えば、フィルムダイを具備する押出機上
で熱押出することによって、またはプレス板上で圧縮と加熱を同時に行うことに
よって、フィルムを調製できる。
【0115】セルロースエステルを含む材料の噴霧乾燥方法 セルロースエステル及び添加剤を適当な有機または水性溶剤中に溶解または懸
濁させる、溶剤は、対象となっているセルロースエステル及び生物活性材料の両
者を溶解または懸濁できるものでなければならない。次いで、噴霧乾燥の技術に
熟練した者に知られている方法を用いて、噴霧乾燥機中で溶液を噴霧し、乾燥さ
せた。
【0116】例1 実験室規模の粉末沈澱による製造 可塑剤の保持率に対するドープ固形分、沈澱剤酸濃度及び撹拌機速度の影響を
調べるための実験において、11個のバッチを方法(A)によって製造した。
【0117】 全てのサンプルの可塑剤含量を、 1HNMRによって測定した。NMRはまた
、DSプロピオニルの測定にも用いた。分子量(重量平均−Mw)を、サイズ・
エクスクルージョンクロマトグラフィーによって測定した。結果をポリスチレン
相当分子量として報告する。この例に使用した可塑剤は、アジピン酸ジオクチル
(DOA)90重量%およびトリエチレングリコール−2−エチルヘキサノエー
ト10重量%である。沈澱した粉末は、脱イオン水で45分間洗浄し、強制空気
循環炉中で60℃において16時間乾燥させた。保持率値100+%という高い
数字は、ドープ固形分の測定の偏りによるものと考えられた。沈澱粉末から分離
された液体中の濾過可能な固形分は、0.001〜0.008重量%であり、溶
解固形分は0.030〜0.097重量%であった。GC分析によれば、濾液は
酢酸20〜22重量%及びプロピオン酸10〜11重量%であった。これらの粉
末は安定化しなかったが、15〜20gの粉末を各々、直径70mmの金型中に入
れ、160〜170℃の温度範囲で175psigにおいて10分間プレスした時に
、わずかに黄色で透明なディスクに成形された。PPTはここでは沈澱物または
沈澱と定義する。
【0118】
【表4】
【0119】
【表5】
【0120】例2 CAP482−20(セルロースアセテートプロピオネート)及びDOAを用
いた5要因配置実験において、方法(A)によって22個のバッチを製造した。
要因は表III に記載し、結果は、濾液中に残っているDOA量(ppm)と共に表IV
に示す。洗浄及び乾燥条件は例1と同様である。沈澱混合物をブレークポイント
まで下げるのに使用した酸濃度、ブレークポイント後に沈澱液酸濃度を低下させ
るのに使用した酸濃度、撹拌機速度、添加剤の量及びブレークポイントまで酸濃
度を低下させるための時間がDOAの保持率に対して与える影響を調べるために
実験を計画した。この実験の結果から、保持率に関するモデルは変数、添加剤量
に支配されることがわかった。DOAの高保持率が得られ、GCおよびNMRに
よるDOA測定値は相関しており、r2 は0.9792であった。沈澱液のGC
分析から、DOAの量が3〜72ppm であることがわかった。
【0121】
【表6】
【0122】
【表7】
【0123】例3 CAP482−20及びA2ポリエステル(ポリエチレンスクシネート−数平
均分子量2.4596×104 ;IV 0.553dL/g)を用いて方法(A)
によってバッチを製造した。これらの数個のバッチは、A2ポリエステルをCA
P482−20と共沈させると中程度の保持率を示した。条件及び結果を表Vに
示す。
【0124】 サンプルC1〜4は、酢酸21重量%、プロピオン酸11重量%を含む脱イオ
ン水を用いて60℃及び撹拌機速度1000rpm において沈澱させた。ブレーク
ポイント濃度に達した後にターボに脱イオン水を添加することによって、最終濾
液の酸濃度を酢酸として概ね34〜36重量%に調整した。希酸の添加時間は6
.5〜7.5分間であった。溶解している固形分を蒸発によって濾液酸から分離
し、サンプルDとしてNMR分析のために送った。この分析から、A2ポリエス
テルのみが存在することがわかった。サンプルE1〜4は、脱イオン水中13.
4重量%の酢酸及び6.6重量%のプロピオン酸を用いて沈澱させた。ブレーク
ポイント濃度に達した後にターボに脱イオン水を添加することによって、最終濾
液の酸濃度を酢酸として概ね25〜30重量%に調整した。希酸の添加時間は6
.5〜7.5分間であった。サンプルを洗浄し、乾燥させた。この例から成形し
たサンプルは、硬質の、濁りを帯びた透明の(hazy clear)白色プラスチックデ
ィスクを生じた。A2ポリエステルはCAPとは混和性でないが、成形されたデ
ィスクは、ポリエステルがCAPブレンド中に均等に分散されたことを示してい
る。
【0125】
【表8】
【0126】例4 ポリエステル可塑剤を用いて方法(A)によって4個のバッチを製造した。バ
ッチ1〜3、すなわち、サンプルF1〜3は、Huls America製のAdmex 523(商標
)可塑剤(脂肪族エポキシドで末端がキャップされたフタル酸、1,3−ブタン
ジオール及び1,4−ブタンジオールのコポリマーとして記載されている)と共
に共沈させられたCAP482−20であった。バッチ4、すなわち、サンプル
Gは、Henkel Corp.製のPlastolein 9765(商標)(フタル酸、1,2−プロパンジ
オール及び別の二酸のコポリマーとして記載されている)と共に共沈させられた
CAP482−20であった。保持率データは、種々の量のこれらの可塑剤が各
々混合されたCAP482−20の2つの検量線を作ることによって得られた。
可塑剤の重量%に対する、芳香族プロトン対主鎖プロトンの比から、Plastolein
9765 に関してはr2(相関係数) 0.99266 及びAdmex 523 に関してはr2 0.9994
5 の直線状の検量線が得られた。最終沈澱液の酸濃度は25〜28重量%(酢酸
として)であった。
【0127】 これらのバッチから、柔らかい粉末沈澱物が収率90〜95%(エステル固形
分及び可塑剤の重量に基づく)で得られ、次いで、20gを直径7cmの金型中で
170℃において175〜200psigにプレスした。得られたディスクは透明で
あり、表面は無色、硬質、平滑であった。
【0128】 バッチ4の組成はPlastolein 9765 が9.7重量%であったが、NMRにより
測定ではPlastolein 9765 は18.6%であることがわかった。このバッチの沈
澱の間に、多量の糸状沈澱繊維が撹拌機の周囲に集まった。サンプルF1〜3か
らの粉末と同様な極めて微細な沈澱粉末はあまり多く生成されなかった。20g
を直径7cmの金型中で175psig及び169.5℃においてプレスした時、得ら
れた成形ディスクは硬質で透明であったが、色が黄色かった。
【0129】
【表9】
【0130】例5 CAP482−20の2つのバッチを、F2ポリエステル(ポリエチレングル
タレート、IV:0.5)と共に共沈させた。バッチ1は、以下の点を除いて例4
と同様な条件下に方法(A)によって沈澱させた:CAP482−20ドープは
、溶解しているCAP482−20粉末が11.4重量%であり、水が26.6
重量%、酢酸が41.4重量%及びプロピオン酸が20.6重量%を含む(人工
ドープ)。このドープに、F2ポリエステルを添加し、49℃とした。混合物を
ボトルローラー上で1時間回転させて、人口CAPドープ中にF2ポリエステル
を分布させた。この混合物はF2ポリエステルが13.3重量%であった(エス
テル固形分重量及びF2重量に基づく)。この材料の沈澱により、収率91.3
%の粉末と非常に透明な沈澱液が得られた。
【0131】 バッチ2は、ドープバケットターボ中で方法(A)によって沈澱させた。プロ
ピオン酸12重量%に対して酢酸24重量%を含む水溶液を用いて43℃におい
てCAP482−20ドープ(CAP12重量%とF2ポリエステル15重量%
)を沈澱させた。沈澱物を脱イオン水で洗浄した。粉末生成物の収率は74.7
%であった。乾燥沈澱物1kgをペレット化させた。ペレットは透明でわずかに黄
色であった。この共沈材料のNMR分析から、F2ポリエステルが10.1重量
%であることがわかった。これは67.3%の保持率である。沈澱物をウォッシ
ュバッグに移した後に、撹拌機翼及びドープバケットの側面にF2ポリエステル
が残っていた。これは、低い保持率値の原因となっていた。
【0132】例6 CAP482−20の4個のバッチ、すなわち、サンプルH2〜4及びサンプ
ルI−1を、プラスチック特性の比較試験のために、方法(A)と同様な方法に
よってシングルブレードミキサー中でアジピン酸ジオクチル可塑剤と共に共沈さ
せた。ドープ混合物を35重量%の混合酢酸/プロピオン酸(酸比2:1)によ
ってブレークポイントまで持っていき、次いで10重量%の混合酸を用いて、酸
濃度をさらに低下させた。得られた粉末を10時間水洗し、遠心分離し、減圧乾
燥させた。これらのバッチをペレット化した。サンプルH−1は、二軸スクリュ
ー押出機中におけるCAP482−20と12重量%のDOA可塑剤との標準熱
ブレンドから得られた比較サンプルである。物理的特性値は、DOAと熱配合さ
れたCAP482−20の値よりも優れている。
【0133】
【表10】
【0134】
【表11】
【0135】例7 方法(A)によって実験室規模のバッチを沈澱させた。CA398−30を用
いて、以下の可塑剤をスクリーニングした:フタル酸ジオクチル(DOP)、フ
タル酸ジエチル(DEP)、Monsanto Santicizer 160(商標)(ブチルベンジルフ
タレート(BBP))、Ademex 523、クエン酸トリエチル(TEC)、トリプロピ
ノイン、Benzoflex 400(商標)(ポリプロピレングリコールジベンゾエート)、A
2ポリエステル、F2ポリエステル、スクロールアセテートイソブチレート(S
AIB)、燐酸トリフェニル(TPP)、ポリアルキルグリコシド(Glucopon 6
00(商標))、燐酸トリエチル、ならびにフタル酸ジエチル72重量%、フタル酸
ジメチル22重量%及び2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ
イソブチレート6重量%を含むEastman 240(商標)可塑剤。
【0136】 表IXは、優れた可塑剤保持率を示すが熱可塑化が劣るバッチからのデータを含
む。これらは、共沈粉末20gを直径7cmの金型上で175psigにおいてプレス
し且つ10分間で150℃〜168℃に加熱した時に可塑化及び成形の徴候を示
さなかった。サンプルバッチは全て透明な沈澱液を生成し、これは、CAP48
2−20を用いた研究を基準にすると、セルロースエステルによる添加剤の高い
保持率を示している。乾燥粉末の収率(%)は、セルロースエステルと添加剤の
総重量に基づき89〜98%の収率を示した。サンプルL−4は、BBP保持率
に関するNMRスペクトル分析法によって分析し、保持率が125重量%である
ことがわかった。サンプルL−4はまた、最大収率98%を有し、優れた保持率
を示した。
【0137】 表XIは、優れた可塑剤保持率を示すが熱可塑化が劣るバッチからのデータを含
む。これらは、共沈粉末20gを直径7cmの金型上で175psigにおいてプレス
し且つ10分間で150℃〜168℃に加熱した時に可塑化及び成形の徴候を示
さなかった。サンプルバッチは全て、曇った沈澱液を生成し、これは、CAP4
82−20を用いた研究を基準にすると、添加剤または溶解エステル固形分の保
持率が低い可能性があることを示している。乾燥粉末の収率(%)は、エステル
固形分と添加剤の総重量に基づいて計算した。DOP及びSAIBのみが高収率
を示し、このことは添加剤の保持率が優れていることを示した。例7のバッチは
、TECの保持率がゼロであることによって示されるように共沈機能性添加剤の
水溶性が、添加剤の保持率に対して重要な影響を有することを示している。添加
剤水溶性の重要性の他の徴候は、DEP、燐酸トリエチル及びEastman 240 の場
合には収率パーセントが低いことによって示される(水溶性に関しては表10を
参照)。フタル酸ジエチル(DEP)及びフタル酸ジメチル(DMP)は、水と
の共沸混合物を有することが示され、乾燥時の共沸混合物の減少がDEP及びEa
stman 240 の保持率の低さの理由である可能性がある。Eastman 240 における低
保持率の別の理由はフタル酸ジメチルの溶解性にある可能性がある。また、DE
P及びDMPに関するHildebrand溶解度パラメーター(ae-cal/cm3)1/2)は各々
、10.0及び10.7であり、両者とも中程度のH−結合指数(H-bond index
)を有している。ここに示した例は、Hildebrand溶解度パラメーターが10.0
未満の可塑剤または添加剤が共沈のための比較的良い候補であることを示してい
ると考えられる。アジピン酸ジオクチル(DOA)及びフタル酸ジオクチル(D
OP)は共に、共沈試験において高い保持率を有し、それらのHildebrand溶解度
パラメーターは各々、8.7及び7.9である。DOA及びDOPは共に中程度
のH−結合指数を有する。燐酸トリフェニルはCAP482−20と共に共沈す
るであろう。配合生成物(エステル及び可塑剤)収率は90重量%であり、可塑
剤の保持率は86.7重量%(13重量%のTPPが濾液中に失われた)であっ
た。TTPは9.0のHildebrand溶解度パラメーターを有し、水溶性ではない、
CA398−30と共沈させられた場合には水混和性である燐酸トリエチルは収
率が68.7%であり、計算された保持率がゼロ%であった(収率に基づく)。
この例は、セルロースアセテートに関して一定の範囲の溶解度を有する添加剤の
保持率を示している。
【0138】
【表12】
【0139】
【表13】
【0140】
【表14】
【0141】例8 BBP可塑剤及びC.I.Solvent Violet 13 Dye を含むセルロースアセテートC
A398−30を方法(A)によって共沈させた。 2つのセルロースアセテートバッチR1及びR3を7cmの円形金型中で硬質で
平滑な不透明のディスクに成形した。セルロースアセテートプロピオネートバッ
チS1は、洗浄及び乾燥後でさえ、軟質で粘着性であった。バッチS1は160
℃の場合にのみ、非常によく成形された。ディスクは曇っているが、均等に青く
、極めて柔軟であり、2週間の取り扱い及び室温貯蔵の後にその重量を保持して
いた。この例は、セルロースアセテート中における染料の共沈を示し、さらに、
共沈によって形成されたセルロースアセテートマトリックス中における不混和性
添加剤の保持率を示している。この例はまた、高配合の添加剤の保持率を示して
いる。
【0142】
【表15】
【0143】例9 この例は、方法(B)による、CA398−30及びCA394−110セル
ロースアセテート酸ドープのペレットとしての共沈の結果を説明する。前記例中
において記載したセルロースアセテートを用いた試験において、充分に保持され
た添加剤は必ずしもセルロースアセテートを可塑化しなかった。セルロースアセ
テートを可塑化する可塑剤は、前記例においては、過剰な水溶性のため、粉末沈
澱物中に適当なレベルまで保持されることは示されていない。これらの試験の目
的は2つある。第一に、アセロースアセテート−機能性添加剤製品をペレットの
形態で共沈できることを証明することである。第二に、可塑化セルロースアセテ
ート製品を製造できる、比較的水溶性、比較的極性の可塑剤と共にセルロースア
セテートを共沈できることを証明し、比較的水溶性の添加剤の、セルロースエス
テルへの保持率を増大できることを証明することである。ペレット沈澱が選ばれ
たのは、ペレットは粉末よりも容量あたりの表面積が小さいために、粒子の表面
積が減り、マトリックスからの添加剤の拡散に使用できる面積が限定されるから
である。
【0144】 サンプルT−1及びサンプルV−1からのサンプルディスクは、例7に記載し
た条件において7cmの円形金型中で成形した。サンプルT−1及びサンプルV−
1は共に透明で硬質であるが極めて黄色いディスクに成形された。保持された酢
酸及び塩により、サンプルT−1はサンプルV−1よりも黄色かった。これらの
バッチは、比較的水溶性の添加剤の保持率を増大できること及びペレットを共沈
できることを示した。
【0145】
【表16】
【0146】例10 生物活性物質を含むセルロースエステル微小球の一般的形成方法 所望のセルロースエステルを適当な水不混和性有機溶剤に溶解させることによ
って、セルロースエステルの溶液を調製する。セルロースエステルは、種々の置
換度及び種々の分子量のセルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
トまたはセルロースアセテートプロピオネートを含む多数のセルロースエステル
の任意の1つであることができる。有機溶剤は、多数の有機溶剤の任意の1つで
あることができ、好ましくは、選択されたセルロースエステルを溶解し、選ばれ
た生物活性物質を溶解し且つ水との低沸点共沸混合物を形成するものである。
【0147】 既知量のセルロースエステル/有機溶剤溶液を秤取する。所望の量の活性物質
を、この有機溶剤中に溶解されたセルロースエステルに添加する。活性物質は、
完全に溶解するまで撹拌する。
【0148】 最終製品中の活性物質の比率は、活性物質の重量を、活性物質の重量とセルロ
ースエステルの重量の合計で除することによって計算する。活性物質のセルロー
スエステル中の比率は、低レベル(すなわち、1重量%未満)からはるかに高レ
ベル(すなわち、50重量%)まで変化し得る。セルロースエステル中に混和さ
れる活性物質の最大重量%は、活性物質が混合物から分離し始めるまで、混合物
中の活性物質の重量%を増すことによって実験的に求められる。
【0149】 一定量の界面活性剤を、第二のビーカー中に量り入れ、水を添加して、界面活
性剤の水溶液を作る。界面活性剤は、任意の数の市販水溶性界面活性剤であるこ
とができる。界面活性剤は、液滴を融合させたり相分離を起こしたりせずに水性
媒体中有機相の液滴を安定化できることを示さなければならない。界面活性剤は
アルキルポリグリコシドとして知られる材料の部類に属するのが好ましい。
【0150】 セルロースエステル/活性物質/有機溶剤を、高剪断ミキサーによって撹拌し
ながら界面活性剤水溶液に添加する。添加の間じゅう、溶液を撹拌して、水相に
有機相が分散されたエマルジョンを形成する。ミキサーは、大きさがミクロン以
下〜100ミクロン未満の範囲の液滴を形成するのに充分な「剪断応力」を有さ
なければならない。
【0151】 添加の完了後、容器の内容物を加熱し、有機溶剤/水共沸混合物を溶液から蒸
留させる。共沸混合物から分離する水は全て容器に戻す。蒸留は所望ならば減圧
下で行うこともできる。留出物が水しか含まなくなるまで、蒸留を続ける。蒸留
完了時に、容器の内容物(水に懸濁されたセルロースエステル/活性物質−微小
球)を室温まで冷却させる。これらの例に関しては、表XIV を参照されたい。
【0152】 セルロースエステル/活性物質粒子は、遠心分離または減圧濾過を含む多くの
方法によって回収できる。微小球は真空オーブン中で、粒子から残留水を除去す
るが粒子を溶融または分解させない温度において乾燥させることができる。
【0153】生物活性物質を含むセルロースエステル微小球の形成の具体例。CAP482− 0.5微小球への2,4−ジニトロフェノールの混和方法 CAP482−0.5の酢酸イソプロピル中10%溶液を調製する。既知量の
セルロースエステル/有機溶剤溶液を秤取する。2,4−ジニトロフェノールを
、活性物質が1〜30重量%(CAP482−0.5の重量に基づく)の範囲の
量となるように、この場合には10%でセルロースエステル/イソプロピルアセ
テート溶液に添加し、ジニトロフェノールが溶解するまで混合物を撹拌する。界
面活性剤を第二のビーカーに量り入れ、水を添加して、界面活性剤の水溶液を調
製する。
【0154】 高剪断ミキサーを用いて撹拌しながら、調製した界面活性剤の水溶液にセルロ
ースエステル/活性物質/有機溶剤を添加する。添加の間、溶液を拡販して、水
相に有機相が分散されたエマルジョンを形成する。容器の内容物を加熱し、有機
溶剤/水共沸混合物を溶液から蒸留させる。蒸留後に共沸混合物から分離する水
は容器に戻す。共沸混合物が完全に除去され且つ容器中に残る溶剤が水のみとな
るまで蒸留を続ける。
【0155】 蒸留の完了時に、容器の内容物を室温まで冷却する。セルロースエステル/活
性物質粒子は、遠心分離または減圧濾過を含む多くの方法で回収できる。
【0156】例11 セルロースエステルマトリックスへの生物活性物質の共沈の一般例 セルロースエステル、酢酸、プロピオン酸及び水を、商業的に製造されるドー
プによく似た比率で合することによって、合成ドープを調製した。この混合物に
生物活性物質を添加した。活性物質が溶解するまで、混合物を加熱及び撹拌した
。混合物に酢酸と水の溶液を添加することによって生成物を沈澱させた。溶液は
酢酸を次第に薄くしていき、最後は水のみを添加した。
【0157】 生成物を濾過によって単離し、濾液のpHが中性となるまで生成物を水洗した。
生成物を減圧乾燥し、活性物質の存在に関して分析した。例A〜Hに関しては表
XIV を参照されたい。
【0158】CAP482−0.5への2,4−ジニトロフェノールの共沈の具体例 CAP482−0.5を13%、水を16%、酢酸を42%及びプロピオン酸
を29%を含むCAP482−0.5ドープを調製した。2,4−ジニトロフェ
ノールを20%(対CAP482−0.5)添加し、2,4−ジニトロフェノー
ルが溶解するまで混合物を撹拌した。次いで、35%酸(酢酸対プロピオン酸の
比2:1)、10%の酸(酢酸対プロピオン酸の比2:1)及び水の逐次溶液の
添加によって生成物を沈澱させた。生成物を濾過によって単離し、濾液が中性と
なるまで水洗した。サンプルを減圧乾燥させて、生成物を得た。2,4−ジニト
ロフェノールの回収率は28%であった。
【0159】
【表17】
【0160】 本発明の範囲または精神から逸脱しない限りにおいて、本発明において種々の
変更及び変形が可能なことは、当業者には明らかであろう。本発明のほかの実施
態様については、明細書及び明細書内に開示した本発明の実施を考察すれば当業
者には明らかであろう。明細書及び実施例は単に代表例と考えて記載したのであ
って、本発明の真の範囲及び精神は請求の範囲に示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP (72)発明者 オファーマン,リッキー ジョセフ アメリカ合衆国,テネシー 37664,キン グスポート,ウエスト バリー ドライブ 729 (72)発明者 ブリューワー,リチャード ジョンソン アメリカ合衆国,テネシー 37664,キン グスポート,チョチャイズ トレイル 5633 (72)発明者 クレイマー,グレゴリー アンドリュー アメリカ合衆国,テネシー 37664,キン グスポート,ミル クリーク ロード 494 Fターム(参考) 4C076 AA31 AA51 AA61 EE33 FF02 FF31 GG01 4C090 AA07 BA25 BB12 BB36 BB52 BB97 CA18 CA19 DA11 DA23 DA31 4H011 AB01 AC01 BA01 BB03 BB04 BB06 BB09 BB10 BB13 BB14 BB15 BB17 BC06 BC08 BC17 BC18 BC19 DA02 DA03 DA16 DF06 DH02 DH03 DH10 DH19 4J002 AB021 CH022 CH052 DA047 DA117 DD007 DE187 DF027 DJ017 DK007 EA067 EB047 EB127 EH046 EH096 EH127 EH146 EH147 EL027 EP017 EW046 FD022 FD026 FD050 FD098 FD130 FD187

Claims (76)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)機能性添加剤をセルロースエステル及び第一の酸と混
    合し;そして (b)この混合物を水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステ
    ル及び機能性添加剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなるセルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法。
  2. 【請求項2】 前記方法が工程(b)の前において第一の酸と、第一の酸が
    可溶な、選択された溶剤とを混合させることを更に含んでなる請求項1に記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 前記溶剤が水である請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記機能性添加剤が可塑剤、別のポリマー、紫外線安定剤、
    染料、顔料、酸安定剤、難燃剤、農薬、生物活性化合物またはそれらの混合物を
    含む請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記機能性添加剤が可塑剤、紫外線安定剤、染料又はそれら
    の混合物を含む請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記添加剤が、殺虫剤、病虫害防除剤、除草剤、肥料、微量
    ミネラル又はそれらの混合物を含む農薬を含む請求項4に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記添加剤が、アジピン酸ジオクチル、トリエチレングリコ
    ール−2−エチルヘキサノエート、ポリエチレングルタレート、フタル酸ジオク
    チル、フタル酸ジエチル、ブチルベンジルフタレート、クエン酸トリエチル、ト
    リプロピノイン、ポリプロピレングリコールジベンゾエート、ポリエチレンスク
    シネート、スクロースアセテートイソブチレート、トリフェニルホスフェート、
    ポリアルキルグリコシド、トリエチルホスフェート、ジエチルフタレート、2,
    2,4−トリメチル−1,3−ペンタン−ジオールジイソ−ブチレート、脂肪族
    エポキシドで末端がキャップされたフタル酸、1,3−ブタンジオール及び1,
    4−ブタンジオールのコポリマー又はそれらの混合物を含む可塑剤を含んでなる
    請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記セルロースエステルがセルロースアセテート、セルロー
    スアセテートフタレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチレ
    ート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セル
    ロースプロピオネートブチレート又はそれらの混合物を含む請求項1に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記セルロースエステルがセルロースアセテート、セルロー
    スアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート又はそれらの混
    合物を含む請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記セルロースエステルの置換度が1.0〜3.0である
    請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記セルロースエステルがセルロースアセテートを含み且
    つ前記セルロースアセテートの置換度が1.5〜2.5である請求項1に記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 前記セルロースエステルがセルロースアセテートを含み且
    つ前記セルロースアセテートの置換度が1.8〜2.2である請求項1に記載の
    方法。
  13. 【請求項13】 前記セルロースエステルがセルロースアセテートプロピオ
    ネートを含み且つ前記セルロースアセテートプロピオネートの置換度がプロピオ
    ニル1.6〜2.0であり且つアセチル0.1〜0.5である請求項1に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 前記の第一の酸がカルボン酸を含む請求項1に記載の方法
  15. 【請求項15】 前記の第一の酸が酢酸、プロピオン酸、酪酸又はそれらの
    混合物からなる請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記の第一の酸が工程(a)の混合物の60〜90重量%
    であり且つ水が2〜15重量%である請求項3に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記の第一の酸が酢酸10〜90重量%及びプロピオン酸
    10〜90重量%並びに水0〜30重量%である請求項3に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記の第一の酸が酢酸10〜90重量%及び酪酸10〜9
    0重量%ならびに水0〜30重量%である請求項3に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記機能性添加剤が工程(a)のセルロースエステルの1
    〜50重量%である請求項1に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記機能性添加剤が工程(a)のセルロースエステルの1
    〜20重量%である請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 工程(a)の混合物を、沈澱剤と接触させる前に5〜60
    ℃に加熱することを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  22. 【請求項22】 工程(a)の混合物を、沈澱剤と接触させる前に撹拌して
    機能性添加剤を分散させることを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  23. 【請求項23】 沈澱したセルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを
    沈澱液から分離することを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  24. 【請求項24】 共沈したセルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを
    水と接触させることを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  25. 【請求項25】 ブレンドを水と接触させた後に沈澱物を遠心分離すること
    をさらに含んでなる請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記ブレンドを、クエン酸二水素カリウム、クエン酸ナト
    リウム、クエン酸カルシウム、乳酸ナトリウム、ナトリウムオキシレート、酢酸
    カルシウム及びマレイン酸ナトリウムの1種またはそれ以上を含む安定剤と接触
    させることを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記安定剤がクエン酸二水素カリウムを含む請求項26に
    記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記安定剤が、沈澱したセルロースエステル/機能性添加
    剤のブレンドの0.01〜1.0重量%である請求項26に記載の方法。
  29. 【請求項29】 沈澱したセルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを
    、加熱によって乾燥させることを更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  30. 【請求項30】 沈澱していない機能性添加剤を沈澱液から回収することを
    更に含んでなる請求項1に記載の方法。
  31. 【請求項31】 沈澱したセルロースエステル/機能性添加剤のブレンドが
    粉末である請求項1に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記水性沈澱剤が水である請求項1に記載の方法。
  33. 【請求項33】 水性沈澱剤が水及び第二の酸を含む請求項1に記載の方法
  34. 【請求項34】 第一の酸、第二の酸または両者が、セルロースエステルの
    エステル基の共役酸である請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記第二の酸が水に可溶である請求項33に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記第二の酸がカルボン酸を含む請求項33に記載の方法
  37. 【請求項37】 前記の第一の酸と第二の酸が同一である請求項33に記載
    の方法。
  38. 【請求項38】 前記の第一の酸と第二の酸が同一でない請求項33に記載
    の方法。
  39. 【請求項39】 前記接触工程(b)の前において、工程(a)の第一の酸
    の濃度が、前記工程(b)の水性沈澱剤中の第二の酸の濃度よりも高い請求項3
    3に記載の方法。
  40. 【請求項40】 水性沈澱剤の量が、混合物中の第一の酸の濃度を希釈する
    ことによってセルロースエステル/機能性添加剤のブレンドを共沈させるのに十
    分である請求項1に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記の第二の酸が、水性沈澱剤の総重量の10〜40重量
    %である請求項33に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記の第二の酸が、水性沈澱剤の総重量の20〜35重量
    %である請求項33に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記の第二の酸が、水性沈澱剤の総重量の1〜39重量%
    の酢酸及び39〜1重量%のプロピオン酸である請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記の第二の酸が、酢酸、プロピオン酸及び酪酸の2種ま
    たはそれ以上の混合物を含む請求項41に記載の方法。
  45. 【請求項45】 (a)i)可塑剤、別のポリマー、紫外線安定剤、染料、
    顔料、酸安定剤、難燃剤、農薬、生物活性化合物またはそれらの混合物からなる
    機能性添加剤、 ii)セルロースアセテート、セルロースアセテートフタレート、セルロースア
    セテートブチレート、セルロースブチレート、セルロースプロピオネート、セル
    ロースアセテートプロピオネート又はそれらの混合物からなるセルロースエステ
    ル、及び iii)酢酸、プロピオン酸、酪酸又はそれらの混合物からなる第一の酸 を混合し;そして (b)この混合物を、水、酢酸、プロピオン酸、酪酸又はそれらの混合物から
    なる水性沈澱剤と接触させることによって、セルロースエステル及び機能性添加
    剤を含むブレンドを共沈させる ことを含んでなる、セルロースエステルと機能性添加剤とのブレンド方法。
  46. 【請求項46】 (a)機能性添加剤をセルロースエステル及び第一の酸と
    混合し; (b)工程(a)の混合物をペレッター中に堆積させ; (c)混合物をペレッターから押出し; (d)工程(c)の直後にまたは工程(c)と同時に、押出混合物を沈澱剤と
    接触させてセルロースエステル/機能性添加剤を沈澱させることによって、セル
    ロースエステル/機能性添加剤のブレンドの押出品を生成せしめ;そして (e)沈澱した押出品を切断してペレットにする ことを含んでなる、セルロースエステル/機能性添加剤のブレンドの製造方法。
  47. 【請求項47】 工程(b)の前に、工程(a)の混合物の温度を−5〜2
    5℃に調整する請求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 工程(c)の前に、ペレッターの温度を−5〜25℃に調
    整する請求項46に記載の方法。
  49. 【請求項49】 沈澱剤が水である請求項46に記載の方法。
  50. 【請求項50】 沈澱剤が水及び第二の酸を含む請求項46に記載の方法。
  51. 【請求項51】 沈澱剤が−10〜25℃の温度である請求項46に記載の
    方法。
  52. 【請求項52】 (a)農芸用添加剤または医薬添加剤を生分解性セルロー
    スエステル及び第一の酸と混合し;そして (b)この混合物を水性沈澱剤と接触させ、それによって、セルロースエステ
    ル及び農芸用または医薬添加剤を含む、放出制御マトリックス系であるブレンド
    を共沈させる ことを含んでなる放出制御マトリックス系の製造方法。
  53. 【請求項53】 請求項52に記載の方法によって製造される製品。
  54. 【請求項54】 (a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステル;及
    び(b)少なくとも1種の農芸用添加剤を更に含む放出制御マトリックス系(成
    分(a)及び(b)が放出制御マトリックス系を形成する)を、該添加剤の標的
    の近傍において、生分解を受け且つ添加剤を放出するのに十分な時間、投与する
    ことを含んでなる農芸用添加剤の放出制御方法。
  55. 【請求項55】 前記セルロースエステルがセルロースアセテート、セルロ
    ースアセテートフタレート、セルロースアセテートブチレート、セルロースブチ
    レート、セルロースプロピオネート、セルロースアセテートプロピオネート、セ
    ルロースプロピオネートブチレート又はそれらの混合物を含む請求項54に記載
    の方法。
  56. 【請求項56】 前記セルロースエステルがセルロースアセテート、セルロ
    ースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート又はそれらの
    混合物を含む請求項54に記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記セルロースエステルの置換度が1.0〜3.0である
    請求項54に記載の方法。
  58. 【請求項58】 前記セルロースエステルが置換度1.5〜2.5のセルロ
    ースアセテートである請求項54に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記セルロースエステルが置換度1.8〜2.2のセルロ
    ースアセテートである請求項54に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記セルロースエステルが、アセチル0.1〜0.5およ
    びプロピオニル1.6〜2.0の置換度を有するセルロースアセテートプロピオ
    ネートである請求項54に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記セルロースエステルがマトリックス系の70〜99重
    量%である請求項54に記載の方法。
  62. 【請求項62】 農芸用添加剤が、殺虫剤、除草剤、病虫害防除剤、肥料、
    微量ミネラル又はそれらの混合物を含んでなる請求項54に記載の方法。
  63. 【請求項63】 前記農芸用添加剤が殺虫剤を含んでなり、該殺虫剤が、有
    機塩素化合物、有機燐酸化合物、アリール化合物、複素環式化合物、有機硫黄化
    合物、カルバメート化合物、ホルムアミジン化合物、ジニトロフェノール化合物
    、有機錫化合物、ピレトロイド化合物、アシルウレア化合物、植物性化合物、抗
    生物質、燻蒸化合物、防虫化合物、無機化合物又はそれらの混合物を含む請求項
    62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記農芸用添加剤が除草剤を含み、前記除草剤がALSa
    se阻害剤、芳香族カルボン酸、クロロアセトアミド、トリアジン、ESPSa
    se阻害剤、ACCase阻害剤、ジニトロアニリン化合物、ベンタゾン、ハロ
    ヒドロキシベンゾニトリル、ジフェニルエーテル、イソキサゾリドン、パラコー
    ト又はそれらの混合物を含む請求項62に記載の方法。
  65. 【請求項65】 前記農芸用添加剤がマトリックス系の0.1〜50重量%
    である請求項54に記載の方法。
  66. 【請求項66】 前記農芸用添加剤がマトリックス系の1〜30重量%であ
    る請求項54に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記マトリックス系が均質である請求項54に記載の方法
  68. 【請求項68】 前記標的が植物または土壌である請求項54に記載の方法
  69. 【請求項69】 前記マトリックス系がマイクロカプセル、微小球、フィル
    ム、繊維またはグラニュールである請求項54に記載の方法。
  70. 【請求項70】 前記マトリックス系が0.1〜500imの微小球である請
    求項54に記載の方法。
  71. 【請求項71】 前記マトリックス系が厚さ0.01〜10mil のフィルム
    である請求項54に記載の方法。
  72. 【請求項72】 医薬添加剤の、その標的の近傍における放出制御方法であ
    って、(a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステル;及び(b)少なく
    とも1種の医薬添加剤からなる放出制御マトリックス系(成分(a)及び(b)
    が放出制御マトリックス系を形成する)を、該添加剤の標的の近傍において、生
    分解を受け且つ添加剤を放出するのに十分な時間、投与することを含んでなる方
    法。
  73. 【請求項73】 (a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステルと(
    b)少なくとも1種の農芸用添加剤または医薬添加剤との均質混合物を含んでな
    る放出制御マトリックス系(該成分(a)及び(b)が放出マトリックス系を形
    成する)。
  74. 【請求項74】 系が残留溶剤を更に含んでなり、該残留溶剤が酢酸、プロ
    ピオン酸またはそれらの混合物を含む請求項73に記載のマトリックス系。
  75. 【請求項75】 前記残留溶剤がマトリックス系の0.005〜0.5重量
    %である請求項74に記載のマトリックス系。
  76. 【請求項76】 (a)少なくとも1種の生分解性セルロースエステルと(
    b)少なくとも1種の農芸用添加剤または医薬添加剤との均質混合物から本質的
    になる放出制御マトリックス系(成分(a)及び(b)が放出制御マトリックス
    系を形成する)。
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