JP2022187088A - セルロースエステル組成物 - Google Patents

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Yukiko Matsuo
匡章 楠本
Masaaki Kusumoto
貴史 川崎
Takashi Kawasaki
暁浩 樋口
Akihiro Higuchi
秀樹 山本
Hideki Yamamoto
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Abstract

【課題】相溶性の高い可塑剤を含むセルロースエステル組成物及びその製造方法。【解決手段】セルロースエステル組成物は、セルロースエステルと可塑剤とを含む。セルロースエステルの溶解度パラメータ及び可塑剤の溶解度パラメータは、(a)又は(b)のいずれかを満たす。(a)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。(b)座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、セルロースエステル組成物及びその製造方法に関する。
多くのセルロースエステルは、分子鎖中に残存する水酸基に起因する水素結合により、熱溶融性が乏しい。特に、セルロースエステルの置換度が低いほど、溶融温度が高くなる傾向にある。また、セルロースエステルの置換度を高くすると、その結晶性が高くなるため、溶解性及び溶融性が低下する傾向にある。従来、セルロースエステルに可塑剤を添加して溶融温度を低下することで、加工性を向上させる工夫がなされている。
例えば、中国特許出願公開第111138721号明細書(特許文献1)には、アセチルセルロースと可塑剤とを含む生分解性フィルムが開示されている。特許第5865195号(特許文献2)には、特定構造のリン酸エステルを含む可塑剤を含有するセルロースエステル組成物が開示されている.
特開2019-26699号公報(特許文献3)には、セルロースアシレートと、分子内に1以上の炭素-炭素不飽和結合(但し、芳香族基を除く)を有するポリエーテル誘導体と、を含む樹脂組成物が開示されている。特許第6626894号(特許文献4)には、アセチル総置換度が0.4-1.4である酢酸セルロースと、ケン化度が50モル%以上であるポリビニルアルコールとを含む水溶性酢酸セルロース系樹脂組成物が開示されている。
中国特許出願公開第111138721号明細書 特許第5865195号 特開2019-26699号公報 特許第6626894号
セルロースアセテート等のセルロースエステルは、機械的特性や光学特性に優れた材料であり、種々の技術分野で用いられている。近年、各種用途に応じた特性向上や、さらなる新規用途開発に向けて、セルロースエステルが有する置換基の種類、置換度、重合度等の変更が試みられている。これらのセルロースエステルの熱成形を容易にするため、可塑剤の配合による可塑化が望まれている。しかし、従来既知の可塑剤は、経験則から得られるものに限定されており、置換度、重合度等を変更した種々のセルロースエステルに適用することが困難であった。
用途・性能に応じて置換度等を変更したセルロースエステルに適した可塑剤を選択する場合、選択対象となる可塑剤又はその組み合わせの種類は膨大である。特に、2種以上の可塑剤を配合する場合には、多大な試行錯誤を要する。所望の特性を有するセルロースエステルと可塑剤とが相溶した組成物を効率的に得る技術は、未だ提案されていない。
本開示の目的は、相溶性の高い可塑剤を含むセルロースエステル組成物及びその製造方法の提供にある。
ハンセン溶解度パラメータ(HSP)は、異なる材料間の親和性を評価する指標であり、一般的に、分散力項δd、双極子間力項δp、水素結合力項δhの3次元に分割して表記される。本開示者らは、鋭意検討の結果、所望のセルロースエステルについて、ハンセン溶解球法により求めたハンセン溶解度パラメータに基づいて、膨大な種類の物質の中から、効率的に最適な可塑剤又はその組み合わせを選択することができることを見出し、本開示を完成した。
即ち、本開示に係るセルロースエステル組成物は、セルロースエステルと可塑剤とを含む。この組成物では、セルロースエステルの溶解度パラメータ及び可塑剤の溶解度パラメータが、下記(a)又は(b)のいずれかを満たす。
(a)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。
(b)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。
好ましくは、この組成物では、セルロースエステルと可塑剤とが相溶している。可塑剤は、2種以上の可塑剤の混合物であってよい。
好ましくは、可塑剤の含有量は5重量%以上40重量%以下である。
好ましくは、セルロースエステルはセルロースアセテートである。
本開示の成形品は、前述したいずれかのセルロースエステル組成物から形成される。
本開示のセルロースエステル組成物の製造方法は、ハンセン溶解球法により、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項を得る第一の工程と、下記(a)又は(b)のいずれかを満たす可塑剤を選択して、上記セルロースエステルと混合する第二の工程と、を有している。
(a)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。
(b)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。
この製造方法において、可塑剤は2種以上の可塑剤の混合物であってよい。
本開示に係るセルロースエステル組成物は、セルロースエステルの種類に応じて最適の可塑剤を含む。本開示の製造方法によれば、セルロースエステル及び可塑剤の溶解度パラメータに基づいて、最適な可塑剤を効率よく選択して、熱成形に適したセルロースエステル組成物を得ることができる。
図1は、本開示の一実施形態に係るセルロースエステル組成物について、ハンセン空間におけるセルロースエステルと可塑剤との関係が示された概念図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本開示が詳細に説明される。各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は、一例であって、本開示の主旨から逸脱しない範囲内で、適宜、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本開示は、実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。また、本明細書に開示された各々の態様は、本明細書に開示された他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。
なお、本願明細書において、範囲を示す「X~Y」は「X以上Y以下」の意味であり、特に注釈のない限り、試験温度は全て室温(20℃±5℃)である。
[セルロースエステル組成物]
本開示に係るセルロースエステル組成物は、セルロースエステルと可塑剤とを含む。このセルロースエステル組成物では、セルロースエステルの溶解度パラメータ及び可塑剤の溶解度パラメータが、下記(a)又は(b)のいずれかを満たす。
(a)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。
(b)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。
セルロースエステルと可塑剤とのハンセン溶解度パラメータ(HSP)の座標間距離Raは、下記式により算出される。
Ra={(δd-δd+(δp-δp+(δh-δh1/2
式中、δd、δp及びδhは、順に、セルロースエステルのハンセン溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項であり、δd、δp及びδhは、順に、可塑剤のハンセン溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項である。この分散力項、双極子間力項及び水素結合力項から、下記式により、セルロースエステルの溶解度パラメータδt(1)及び可塑剤の溶解度パラメータδt(2)が、算出される。
δt(1)=(δd +δp +δh 1/2
δt(2)=(δd +δp +δh 1/2
図1は、HSPの分散力項δd、双極子間力項δp及び水素結合力項δhを軸とする三次元空間(ハンセン空間)を示す概念図である。本願明細書における距離Raは、このハンセン空間上にプロットされたセルロースエステル(δd、δp、δh)と有機溶媒(δd、δp、δh)との座標間距離であり、図1中、両矢印Raとして示されている。以下、座標間距離Raが、単に「距離Ra」と称される場合がある。
セルロースエステル及び可塑剤が、(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下であり、かつ、δt(2)が22.0以上、のいずれかを満たす本開示のセルロースエステル組成物では、セルロースエステルの置換度等によらず、可塑剤がセルロースエステルと相溶している。このセルロースエステル組成物では、可塑剤によって、セルロースエステルに良好な可塑性が付与される。このセルロースエステル組成物は、熱成形に適している。
なお、本開示において、「相溶している」とは、セルロースエステルと可塑剤とが親和性を有し、可塑剤がセルロースエステル中に略均一に分散している状態を意味する。具体的には、セルロースエステル及び可塑剤の溶融混合物を目視により観察して、白濁又は曇りが認められないことを意味する。
本開示のセルロースエステル組成物において、セルロースエステルの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項は、ハンセン溶解球法により求めることができる。具体的には、分散力項、双極子間力項及び水素結合力項が既知である複数の有機溶媒に、セルロースエステルを投入して、溶解性を評価した後、ハンセン空間上に、使用した全有機溶媒の分散力項、双極子間力項及び水素結合力項をプロットして、セルロースエステルを溶解した有機溶媒のプロットを含み、セルロースエステルを溶解しない有機溶媒のプロットを含まない、球体(ハンセン球)を求め、その中心座標をセルロースエステルの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項とする。なお、このハンセン球の半径は、相互作用半径Rと称される。
[セルロースエステル]
セルロースエステルは、置換基としてアシル基を有している。アシル基の例として、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、カルボキシル基、カルボキシメチル基、2-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシプロピル基、メチル基等が挙げられる。高い生分解性が求められる用途では、セルロースエステルの置換基は、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が好ましく、アセチル基がより好ましい。セルロースエステルが2種以上のアシル基を有してもよい。本開示の効果が阻害されない範囲で、セルロースエステルがアシル基以外の置換基を含んでもよい。
本開示のセルロースエステル組成物に含まれるセルロースエステルの具体例としては、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等が挙げられる。本開示において、セルロースエステルが、セルロースアセテートであってよい。
(総置換度)
本開示のセルロースエステル組成物において、セルロースエステルの総置換度DSは特に限定されない。用途に応じて所望の総置換度を選択することができる。例えば、良好な生分解性が得られるとの観点から、セルロースエステルの総置換度は、2.6以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.4以下がより好ましく、特に2.3以下が好ましい。機械的特性に優れるとの観点から、セルロースエステルの総置換度は、1.9以上が好ましく、2.0以上がさらに好ましく、2.1以上が特に好ましい。
セルロースエステルの置換度は、以下の方法により測定することができる。例えば、手塚(Tezuka, Carbonydr. Res. 273, 83(1995))の方法に従いNMR法で測定できる。即ち、セルロースエステルの遊離水酸基をピリジン中でカルボン酸無水物によりアシル化する。ここで使用するカルボン酸無水物の種類は分析目的に応じて選択すべきであり、例えば、セルロースアセテートのブアセチル置換度を分析する場合は、無水酪酸がよく、セルロースブチレートのブチリル置換度を分析する場合は無水酢酸がよい。得られた試料を重クロロホルムに溶解し、13C-NMRスペクトルを測定する。置換基がアセチル基である場合を例に挙げれば、アセチル基の炭素シグナルは169ppmから171ppmの領域に高磁場から2位、3位、6位の順序で現れる。他の例を挙げれば、プロピオニル基を有するセルロースエステル、又は、プロピオニル基を有しないセルロースエステルを無水プロピオン酸で処理してプロピオニル置換度を分析する場合、プロピオニル基のカルボニル炭素のシグナルは、172ppmから174ppmの領域に同じ順序で現れる。手塚の方法やそれに準じる方法により無水カルボン酸で処理したセルロースエステルの総置換度は3.0なので、セルロースエステルがもともと有するアシル基のカルボニル炭素シグナルと、無水カルボン酸処理で導入したアシル基のカルボニルシグナルの面積の総和を3.0と規格化し、それぞれ対応する位置での各アシル基の存在比(言い換えれば、各シグナルの面積比)を求めれば、これをセルロースエステルにおけるグルコース環の2位、3位、6位の各アシル置換度とできる。なお、言うまでもなく、この方法で分析できるアシル基を含む置換基は、分析目的の処理に用いる無水カルボン酸に対応しない置換基のみである。また、13C-NMRのほか、H-NMRで分析することもできる。
(セルロースエステルの数平均分子量、重量平均分子量及び分子量分布)
本開示のセルロースエステル組成物において、セルロースエステルの数平均分子量Mn、重量平均分子量Mw及び分子量分布Mw/Mnは特に限定されず、用途に応じて所望の分子量及び分子量分布を選択することができる。例えば、優れた引張特性を有する成形品が得られるとの観点から、100,000以上が好ましく、120,000以上がより好ましい。適正な溶融粘度が得られるとの観点から、セルロースエステルの重量平均分子量は1,500,000以下が好ましく、1,200,000以下がより好ましい。良好な生分解性が得られるとの観点から、重量平均分子量は1,000,000以下が好ましく、800,000以下がより好ましく、500,000以下がさらに好ましい。耐久性が高いとの観点から、分子量分布は1.0~5.0が好ましく、1.3~4.0がより好ましく、1.5~3.0が特に好ましい。
セルロースエステルの数平均分子量、重量平均分子量及び分子量分布は、公知の方法で求めることができる。詳細には、以下の装置及び条件でサイズ排除クロマトグラフィー(GPC)測定をおこなうことにより決定される(GPC-光散乱法)。
装置:Shodex製 GPC 「SYSTEM-21H」
溶媒:アセトン
カラム:GMHxl(東ソー)2本、ガードカラム(東ソー製TSKgel guardcolumn HXL-H)
流速:0.8ml/min
温度:29℃
試料濃度:0.25%(wt/vol)
注入量:100μl
検出:MALLS(多角度光散乱検出器)(Wyatt製、「DAWN-EOS」)
MALLS補正用標準物質:PMMA(分子量27600)
[可塑剤]
本明細書において、「可塑剤」とはセルロースエステルの可塑性又は溶融流動性を高める化合物を意味する。本開示のセルロースエステル組成物において、可塑剤の種類は特に限定されない。所望の置換度及び重合度を有するセルロースエステルに対し、(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータδt(2)が22.0以上、のいずれかを満たす可塑剤が、適宜選択されて用いられうる。
可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項は、既知のデータベースを参照して得ることができる。また、可塑剤の化学構造に基づいて、市販のソフトウェアにより溶解度パラメータの各項を推算することも可能である。
所望のセルロースエステルに対し、(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータδt(2)が22.0以上、のいずれかを満たす限り、セルロースエステル組成物に含まれる可塑剤が、2種以上の混合物であってもよい。2種以上の可塑剤を含む場合、その溶解度パラメータδt(2)は、それぞれの可塑剤のHSPの加重平均により算出される。
本開示のセルロースエステル組成物に含まれる可塑剤は、例えば、エステル系化合物、エーテル系化合物類、エポキシ系化合物、糖類等から選択されてよい。選択される可塑剤は、脂肪族化合物であってもよく、芳香族化合物であってもよい。また、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよく、環式であってもよい。可塑剤が、水酸基、ハロゲン基、アルキル基、アルコキシル基、アミノ基等の置換基を有していてもよい。
可塑剤の具体例としては、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、トリメリット酸とリス(2-エチルヘキシル)、メチル-O-アセチルリシノレート、トリアセチン、ジアセチン、モノアセチン、ポリカプロラクトントリオール、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールジアセテート、ポリエチレングリコールジベンゾエート、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、オクタアセチルスクロース、ソルビトール等が挙げられる。本開示の効果が得られる限り、セルロースエステル組成物が、本明細書に明記されない他の可塑剤を含んでもよい。
(可塑剤の含有量)
熱成形が容易であるとの観点から、本開示のセルロースエステル組成物中の可塑剤の量は、5重量%以上が好ましく、10重量%以上がより好ましく、15重量%以上が特に好ましい。附形性に優れるとの観点から、可塑剤の量は40重量%以下が好ましく、35重量%以下がより好ましく、30重量%以下が特に好ましい。2種以上の可塑剤を併用する場合、その合計量が前述の範囲となるように調整される。
[その他添加剤]
本開示の効果が阻害されない範囲で、セルロースエステル組成物が着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、光学特性調整剤、蛍光増白剤、難燃剤、滑剤、加水分解抑制剤、撥水剤等の添加剤をさらに含んでもよい。
[セルロースエステル組成物の製造方法]
本開示のセルロースエステル組成物の製造方法は、ハンセン溶解球法により、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項を得る第一の工程、及び、下記(a)又は(b)のいずれかを満たす可塑剤を選択して、セルロースエステルと混合する第二の工程を有している。
(a)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。
(b)ハンセン空間に、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。
(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが22.0以上、のいずれかを満たす可塑剤を選択することにより、所望の置換度及び重合度を有するセルロースエステルと相溶する可塑剤を得ることができる。この製造方法により、相溶性の高い可塑剤を含み、熱成形に適した本開示のセルロースエステル組成物が得られる。本開示の効果を損なわない範囲で、セルロースエステル組成物に、さらに他の添加剤を配合してもよい。
本開示の製造方法によれば、第一の工程において、従来知られていなかったセルロースエステルについて、溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項が求められる。このセルロースエステルの溶解度パラメータを用いて、第二の工程で、(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下、かつ、可塑剤の溶解度パラメータが22.0以上、のいずれかを満たす可塑剤を選択することにより、セルロースエステルの種類によることなく、また、多大な試行錯誤を要することなく、当該セルロースエステルに相溶する最適な可塑剤を効率よく得ることができる。
本開示の製造方法によれば、従来、可塑剤の種類が限定されていて選択できなかった置換度、重合度等のセルロースエステルについても、相溶性に優れた可塑剤を含むセルロースエステル組成物を得ることができる。これにより、用途に応じて所望の特性が得られるように、セルロースエステルの種類を変更することが可能になり、開発の自由度が向上する。
(第一の工程)
第一の工程は、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項を、ハンセン溶解球法を用いて算出する工程である。
具体的には、始めに、溶解試験をおこなって、試験対象であるセルロースエステルを、分散力項、双極子間力項及び水素結合力項が既知の複数の有機溶媒に投入して、セルロースエステルが溶解した有機溶媒と、セルロースエステルが溶解しなかった有機溶媒とを分類する。次に、δd、δp及びδhを軸とする三次元空間(ハンセン空間)に、溶解試験に使用した全有機溶媒の分散力項、双極子間力項及び水素結合力項をプロットする。そして、セルロースエステルを溶解した有機溶媒を含み、セルロースエステルを溶解しない有機溶媒を含まない、球体(ハンセン球)を求める。このハンセン球の半径が相互作用半径Rであり、その中心座標がセルロースエステルの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項である。
第一の工程において、セルロースエステルの溶解性は、目視観察により、有機溶媒中に沈殿物が確認できない又は白濁が認められない場合を「溶解」とし、沈殿物が確認できる又は白濁が認められる場合を「不溶」として評価される。また、ハンセン球の算出には、市販のソフトウェアが用いられうる。有機溶媒の分散力項、双極子間力項及び水素結合力項として、既知のデータベースの値が用いられてよい。また、有機溶媒の化学構造から、市販のソフトウェアを用いて分散力項、双極子間力項及び水素結合力項を算出してもよい。
(第二の工程)
第二の工程は、ハンセン空間におけるセルロースエステルと可塑剤との座標間距離Raと、可塑剤の溶解度パラメータとを指標にして、可塑剤を選択し、この可塑剤とセルロースエステルとを混合する工程である。
セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項が(δd、δp、δh)であり、可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項(δd、δp、δh)であるとき、この座標間距離Raは、以下の式により求められる。
Ra={(δd-δd+(δp-δp+(δh-δh1/2
可塑剤の溶解度パラメータδt(2)は、下記式により算出される。
δt(2)=(δd +δp +δh 1/2
式中、δd、δp及びδh は、それぞれ、可塑剤の分散力項、双極子間力項及び水素結合力項である。可塑剤の分散力項、双極子間力項及び水素結合力項には、既知のデータベースの値が用いられてよい。また、可塑剤の化学構造から、市販のソフトウェアを用いて分散力項、双極子間力項及び水素結合力項を算出してもよい。
この製造方法では、座標間距離Ra及び可塑剤の溶解度パラメータδt(2)について、(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下、かつ、δt(2)が22.0以上、のいずれかを満たす可塑剤を選択する。この可塑剤は、所望の物性を有するセルロースエステルに対する相溶性に優れている。この製造方法によれば、座標間距離Ra及び可塑剤の溶解度パラメータδt(2)を指標とすることにより、相溶性の高い可塑剤を効率的に選択することができる。
第二の工程において、2種以上の可塑剤が、セルロースエステルと混合されてもよい。2種以上の可塑剤を含む混合物の溶解度パラメータは、それぞれの可塑剤の溶解度パラメータの加重平均により算出される。この混合物の溶解度パラメータ及び座標間距離Raについて、(a)距離Raが8.5未満、又は(b)距離Raが8.5以上12.7以下、かつ、混合物の溶解度パラメータが22.0以上、のいずれかを満たすように、複数の可塑剤を組み合わせることにより、所望のセルロースエステルと相溶する可塑剤の組み合わせを、容易に、かつ、効率的に得ることができる。
本開示の効果が得られる限り、第二の工程において、セルロースエステルと可塑剤とを混合する方法は特に限定されない。例えば、セルロースエステルと選択した可塑剤とを溶融混練することにより、本開示のセルロースエステル組成物を得てもよい。セルロースエステルと可塑剤とを混合した後、溶融混練してもよい。溶融混練前の混合により、可塑剤とセルロースエステルとがより均一に、また短時間で馴染むことで、均質化されたセルロースエステル組成物を効率的に得ることができる。
セルロースエステル及び可塑剤の混合には、ヘンシェルミキサー等の既知の混合機が用いられうる。乾式混合でもよく、湿式混合でもよい。ヘンシェルミキサー等の混合機を用いる場合、混合機内の温度は、セルロースエステルが溶融しない温度、例えば、20℃以上200℃未満が好ましい。
セルロースエステル及び可塑剤の溶融混練には、二軸押出機等の押出機等が用いられる。混練物の均一性及び加熱劣化抑制の観点から、押出機による混練温度(シリンダー温度)は170℃以上230℃以下が好ましい。二軸押出機を用いて溶融混練する場合、混練温度(シリンダー温度とも称する)は200℃であってもよい。二軸押出機の先端に取り付けたダイスから混練物をストランド状に押出した後、ホットカットしてペレットにしてもよい。このときダイス温度は、220℃程度であってよい。
本開示のセルロースエステル組成物に配合される可塑剤の量は、5重量%以上40重量%以下が好ましい。2種以上の可塑剤を配合する場合、その合計量が10重量%以上40重量%以下となるように調整することが好ましい。
本発明の効果を阻害しない範囲で、このセルロースエステル組成物に、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、光学特性調整剤、蛍光増白剤、難燃剤、滑剤、加水分解抑制剤、撥水剤等既知の添加剤を配合してもよい。その場合、セルロースエステル組成物中における、セルロースエステル及び可塑剤の合計含有量が、90重量%以上となるように配合することが好ましい。
[用途]
本開示のセルロースエステル組成物では、所望のセルロースエステルと可塑剤とが相溶している。本開示のセルロースエステル組成物は、熱成形に適した可塑性を有するため、比較的低い温度で溶融成形が可能である。本開示のセルロースエステル組成物は、溶融時に適度な流動性を有することから、射出成形にも好適に適用されうる。このセルロースエステル組成物から、セルロースエステルを含む成形品が得られる。好ましい成形品として、フィルム及びシートが挙げられる。本開示のセルロースエステル組成物は、例えば、射出成型及び溶融製膜によるフィルム又はシートの製造に適用することができる。さらには、溶融押出後の延伸又はインフレーション成形により、薄膜化したフィルムとすることができる。
本開示に係るセルロースエステル組成物は、例えば、食器類、包装容器、トレー類、農業用資材、漁業用資材、OA用部品、建築用資材、医療用部品、家電部品、自動車用部材、日用雑貨類、文房具類、メガネフレーム等の材料として好適に用いられ得る。
以下、実施例によって本開示の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本開示が限定的に解釈されるべきではない。
[試験1]
試験1では、ハンセン溶解球法を用いてセルロースエステルのHSPを算出した。具体的には、表1に示されるセルロースエステル(酢酸セルロース)及び表2に示されるHSP既知の有機溶媒を準備した。セルロースエステルの置換度、数平均分子量、重量平均分子量及び分子量分布が、DS、Mn、Mw及びMw/Mnとして表1に示されている。有機溶媒のハンセン溶解度パラメータδt(1)が表2に示されている。
始めに、酢酸セルロースCA1(総置換度2.9、数平均分子量105,930、重量平均分子量274,854、分子量分布2.59)0.5gを採取して105℃で2時間乾燥させた後、デシケータ中で室温まで放冷した。その後、アセトン50mlに投入して、スターラーで3時間撹拌した後、溶解性を評価した。溶解していない場合、さらに3時間撹拌して、再度溶解性を評価した。溶解性は、目視にて観察し、沈殿物がなく、液が透明な場合を溶解(スコア1)、液が白濁又は沈殿物が認められる場合を不溶(スコア0)と評価した。
表2に示された有機溶媒について、それぞれ同様に溶解性を評価した後、スコア1の溶媒のHSPと、スコア0の溶媒のHSPとを、全てハンセン空間上にプロットした。プロットされた各溶媒のHSPに基づいて、溶解性を示した溶媒のHSPを包含し、溶解性を示さなかった溶媒のHSPを包含しない仮想の球体(ハンセン球)を求め、ハンセン球の中心座標(δd、δp、δh)を算出し、下記式により、この酢酸セルロースのハンセン溶解度パラメータδt(1)を求めた。
δt(1)=(δd +δp +δh 1/2
表1に示されたセルロースエステルCA2及びCA3について、同様に、相互作用半径R及びHSP(δd、δp、δh)を算出して、ハンセン溶解度パラメータδt(1)を求めた。得られた結果が表3に示されている。表3中、Rは、セルロースエステルの相互作用半径(ハンセン球の半径)である。
Figure 2022187088000002
Figure 2022187088000003
Figure 2022187088000004
[試験2]
試験2では、セルロースエステル及び可塑剤のハンセン溶解度パラメータに基づいて、セルロースエステルの可塑剤を選択してセルロースエステル組成物を製造した。
具体的には、置換度2.9、HSP(δd=18.8、δp=12.6、δh=8.1、δt(1)=24.0)である酢酸セルロース(CA1)を105℃で2時間乾燥させた後、デシケータ中で室温まで放冷した。その後、表4に示される可塑剤と、重量比1:1でドライブレンドして、80℃で3時間以上乾燥させ、さらに、ヘンシェルミキサーを用いて攪拌混合することにより、セルロースアセテートと可塑剤との混合物を得た。得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製、商品名「PCM30」、シリンダー温度:200℃、ダイ温度:220℃)に供給して溶融混練して押し出すことによりセルロースエステル組成物を得た。得られたセルロースエステル組成物について、酢酸セルロース(CA1)と可塑剤との相溶性を、後述する評価方法により評価した。評価結果が、表4に示されている。
同様に、置換度2.4、HSP(δd=18.9、δp=10.4、δh=7.7、δt(1)=22.9)である酢酸セルロース(CA2)、及び、置換度2.2、HSP(δd=18.9、δp=12.6、δh=7.9、δt(1)=24.2)である酢酸セルロース(CA3)を用いて、セルロースエステル組成物を製造し、可塑剤との相溶性を評価した。得られた結果が表4に示されている。
表4中、Rは次式により算出した、ハンセン空間における酢酸セルロースの溶解度パラメータ(δd、δp、δh)と可塑剤の溶解度パラメータ(δd、δp、δh)との距離である。
={(δd-δd+(δp-δp+(δh-δh1/2
なお、可塑剤のHSP(δd、δp、δh)は、非特許文献Araki, S., et.al., H., Journal of Membrane Science, 2016, 514, 458-466に記載されたJKU-HSP法により算出した。また、下記式により、δt(2)を算出した。
δt(2)=(δd +δp +δh 1/2
[相溶性評価方法]
ヘンシェルミキサーを用いて酢酸セルロースと可塑剤とを固体状態で混合し、ブラベンダーを用いて210℃で溶融混錬をおこなって、セルロースエステル組成物の相溶性を評価した。溶融混練後、冷却して透明性のある塊状になった場合が相溶性有り(スコア1)、溶融混練後も固まらず粉体のままの場合が相溶性無し(スコア0)として表4に示されている。
Figure 2022187088000005
表4に示されるように、Raが8.5未満であるフタル酸ジエチル及びオクタアセチルスクロースは、セルロースエステルと相溶する。また、Raが8.5以上12.7以下であり、かつ、δt(2)が22.0以上であるクエン酸トリエチル、ポリカプロラクトントリオール(分子量550及び300)、ポリエチレングリコール(PEG200及びPEG400)、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル200並びにトリエチレングリコールモノメチルエーテルは、セルロースエステルと相溶する。
表4の結果は、セルロースエステルの置換度、分子量によらず、(a)Raが8.5未満、又は(b)Raが8.5以上12.7以下、かつ、δt(2)が22.0以上、のいずれかを満たす可塑剤とセルロースエステルとの組み合わせが、相溶性に優れることを示している。この評価結果から、本開示の優位性は明らかである。
以上説明されたセルロースエステル組成物及びその製造方法は、酢酸セルロース以外のセルロースエステルにも適用されうる。

Claims (8)

  1. セルロースエステルと可塑剤とを含み、
    上記セルロースエステルの溶解度パラメータ及び上記可塑剤の溶解度パラメータが、下記(a)又は(b)のいずれかを満たす、セルロースエステル組成物。
    (a)ハンセン空間に、上記セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、上記可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。
    (b)ハンセン空間に、上記セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、上記可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、上記可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。
  2. 上記セルロースエステルと上記可塑剤とが相溶している、請求項1に記載のセルロースエステル組成物。
  3. 上記可塑剤の含有量が5重量%以上40重量%以下である、請求項1又は2に記載のセルロースエステル組成物。
  4. 上記可塑剤が、2種以上の可塑剤の混合物である、請求項1から3のいずれかに記載のセルロースエステル組成物。
  5. 上記セルロースエステルがセルロースアセテートである、請求項1から4のいずれかに記載のセルロースエステル組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のセルロースエステル組成物から形成される、成形品。
  7. ハンセン溶解球法により、セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項を得る第一の工程と、
    下記(a)又は(b)のいずれかを満たす可塑剤を選択して、上記セルロースエステルと混合する第二の工程と、
    を有している、セルロースエステル組成物の製造方法。
    (a)ハンセン空間に、上記セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、上記可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5未満である。
    (b)ハンセン空間に、上記セルロースエステルの溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、上記可塑剤の溶解度パラメータの分散力項、双極子間力項及び水素結合力項と、をプロットして得られる座標間距離Raが、8.5以上12.7以下であり、かつ、上記可塑剤の溶解度パラメータが、22.0以上である。
  8. 上記可塑剤が2種以上の可塑剤の混合物である、請求項7に記載のセルロースエステル組成物の製造方法。
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