JP6014432B2 - 特定物質検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、建築材などの部材(材料)が特定物質(例えばアスベスト)を含んでいるか否かを検出する特定物質(例えばアスベスト)検出装置及び方法に関する。より詳細には、例えば、既存建築物の解体現場において現地で廃棄物を撮影し、得られた画像に基づいて特定物質(例えばアスベスト)を含んでいるか否かを検出する装置及び方法に関する。
従来、アスベストの検出方法として、以下のようなものがある。
(1)近赤外分光光度計
光源から出た光を干渉計等によって干渉光とし、対象物にあて、透過または反射させる(図8)。透過光または反射光を検知器でとらえ、検出信号をA/D変換してコンピュータに取り込む。コンピュータで処理し、スペクトル波形を得る。こうして得られたスペクトルからアスベスト固有の吸収ピークを見つけることによってアスベスト検出を行う。図9のような携帯型の装置も知られている。
(2)X線回折分析法(XRD法)
粒度をそろえた粉末試料にX線をあて、回折された角度と強度を走査して回折パターン(材質に固有のピークが存在)を得る(図10)。アスベストの標準試料の回折パターンのピークと比較し、一致すればアスベストと判定する。
(3)位相差顕微鏡を用いた分散染色法
粉末にした試料を無塵水と混ぜ、スライドグラス上に滴下させて指定の屈折率の浸液を加える。こうして作成した標本を位相差・分散顕微鏡により観察し、分散色を示したアスペクト比(縦横比)3以上の繊維を計数し、一定以上の数に達したらアスベストが含有していると判定する。
特開2012−49867号公報 特開2011−33472号公報
(1)近赤外分光光度計
既存の装置では検知器が小さく、また対象物に密着させて計測しなければならないため、一度に判定できる対象物の面積が小さい(mmオーダー)。露出した/露出させた建築材料の断面中にアスベストが含有されていないかスクリーニング(ふるい分け)する場合、非常に多くの測定点が必要となり時間と手間が掛かるため、現場(アスベスト検出が必要な建築物内や解体作業現場)での使用にはあまり適さないといった実情がある。
(2)X線回折分析法(XRD法)
粉末試料を作成しなければならず、測定と分析に数時間を要するおそれがある。試料作成の手間及び所要時間から現場でのスクリーニングには適さないものと考えられる。また、X線装置を扱うため作業主任者の選任が必要な場合があり、簡便な装置とは言い難い面がある。
(3)位相差顕微鏡を用いた分散染色法
標本を作成し、位相差顕微鏡で見ながら該当する繊維を数える必要があり、標本作成の手間と多くの時間を要するため、現場でのスクリーニングには適さないものと考えられる。更に、顕微鏡の操作・計数にあたっては熟練と時間を必要とする。
なお、特許文献1、特許文献2には、アスベストを観察するシステム、位相差顕微鏡を用いてアスベスト繊維種を同定するシステムが記載されているが、何れも、検査対象物(アスベストを含有しているか否かを調べる対象)から試料を小さく切り出して顕微鏡システムにて観察するものであり、かかる手法の場合には、解体現場から離れた研究施設などにおいて試料が検査に供されることになるため、数日から週単位の時間を要することになり、その検査対象物(部材)にアスベストが含有していないと確認が取れるまで解体作業を中断しなければならず、解体作業の作業効率が極めて悪くなるおそれがあるといった実情がある。
すなわち、解体現場などにおいて、アスベストが含有されているか否か疑わしい部材から試料を小片に切り出したり粉末状に粉砕するなどの必要がなく、現場において直接的かつ短時間にアスベストが含有されているか否かを検出して、解体作業の作業効率を改善したいといった要請がある。
本発明は、上述したような実情に鑑みなされたもので、簡単かつ低コストな構成でありながら、検出対象物(検査対象物)が特定物質(例えばアスベスト)を含んでいるか否かを、検出対象物(検査対象物)から試料を抽出等して作成することなく、直接的かつ迅速に検出することができる特定物質検出方法を提供することを目的とする。
このため、本発明に係る特定物質検出方法は、
検出対象物に近赤外線領域を含む照明光を照射し、
特定物質に対応した所定波長の近赤外線光を通過させる近赤外分光フィルタを介して、検出対象物を撮影して画像データを取得し、
取得された画像データに基づいて、画素毎に前記所定波長の近赤外線光の反射強度データを取得し、
該取得した反射強度データから背景および特定物質以外の反射強度データを除外すると共に、残りの反射強度データそれぞれについて近赤外線吸収ピーク波長が特定物質の近赤外線吸収ピーク波長付近となっているか否かを判断し、
対応していると判断された反射強度データについてのみ前記取得した近赤外線吸収ピーク波長における吸収ピークレベル推定値を取得し、該取得した吸収ピークレベル推定値に基づいて、特定物質が含まれているか否かを検出することを特徴とする。
本発明において、前記特定物質が、アスベストであることを特徴とすることができる。
本発明において、前記吸収ピークレベルを推定する波長は、1.4μm、2.3μm、2.7μm付近であり、上記3つの波長から1つ若しくは2つ以上の波長を選択することを特徴とすることができる。
本発明は、簡単かつ低コストな構成でありながら、検出対象物(検査対象物)が特定物質(例えばアスベスト)を含んでいるか否かを、検出対象物(検査対象物)から試料を抽出等して作成することなく、直接的かつ迅速に検出することができるアスベスト検出方法を提供することができる。
本発明の一実施の形態に係るアスベスト検出装置の構成を説明するためのブロック図である。 同上実施の形態に係るアスベスト検出装置の具体的な構成例を示す斜視図である。 同上実施の形態に係るアスベストを含んでいるか否かの検出方法について説明するフロー(その1)である。 同上実施の形態に係るアスベストを含んでいるか否かの検出方法について説明するフロー(その2)である。 同上実施の形態に係るアスベスト検出装置における近赤外イメージングセンサ、近赤外分光フィルタ、照明等についての仕様の一例を説明する図である。 材質固有の近赤外線光の反射強度スペクトルを比較して示す図(横軸:波長)である。 同上実施の形態に係るアスベスト検出装置のパーソナルコンピュータ(PC)により表示されるスクリーン(画面)の一例を示す図である。 従来の近赤外分光光度計を利用したアスベスト検出装置の構成の一例を説明する図である。 従来の携帯式(ハンディタイプ)のアスベスト検出装置(近赤外分光光度計利用)の一例を示す斜視図である。 従来のX線回折分析法(XRD法)を利用したアスベスト検出装置を説明するための図である。
以下、本発明に係る一実施の形態を、添付の図面を参照しつつ説明する。なお、以下で説明する実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
ここで、アスベストには、近赤外領域を含む光を照射した際に、アスベスト種類に応じた固有の吸収ピーク波長が存在することが知られている(アスベスト以外の材質にもそれぞれ固有の吸収ピーク波長があり、これを利用して材質を推定可能である)。
本発明者等は、このアスベスト種類に応じた固有の吸収ピーク波長が存在するという特徴に着目し、熟練を要せず使い勝手が良く、比較的簡単で低コストな構成を実現しながら、検出対象物(検査対象物)の吸収ピーク波長レベルを検出して、検出対象物がアスベストを含むか否か判定する方法及び装置に想到した。
なお、ここでは、検出対象物にアスベストが含まれているか否かを検出する場合について説明するため、本発明に係る特定物質の一例としては、アスベストが相当することになる。但し、本発明において、特定物質はアスベストに限定されるものではない。
具体的には、本実施の形態に係るアスベスト検出装置(本発明に係る特定物質検出装置に相当)は、図1、図2に示すように、検出対象物100に近赤外線光領域を含む照明光を、照明装置200により、拡散板300を介して拡散させつつ照射する。なお、ある程度照度の均一性が保たれている照明であれば、拡散板300を省略することも可能である。
そして、アスベスト固有の吸収ピークに該当する波長と、その両側にある裾野部分に該当する波長(2点)と、ピーク波長と裾野の波長の中間の波長(2点)と、を切り替えながら通す近赤外分光フィルタ400を介して、近赤外イメージングセンサ500で近赤外線画像情報(データ)を取得(撮影)する。
ここにおいて、近赤外分光フィルタ400が本発明に係る近赤外分光フィルタに相当し、近赤外イメージングセンサ500が本発明に係る撮影手段に相当する。
パーソナルコンピュータ(PC)600では、近赤外分光フィルタ400を介して近赤外イメージングセンサ500により取得される近赤外線画像情報(データ)に基づいて、各画素における検出対象物100の反射光強度情報(反射強度データ)を測定(取得)する。
そして、パーソナルコンピュータ(PC)600では、測定データを演算処理して、背景や近赤外光の散乱・反射の影響を取り除き、画素毎に吸収ピークのレベルを推定し、吸収ピークレベル(吸収ピークレベル推定値)が設定した閾値以上であればアスベスト含有と判定し、その画素に色付けを行う(詳細フローは後述する)。
ここにおいて、近赤外分光フィルタ400が本発明に係る近赤外分光フィルタに相当し、近赤外イメージングセンサ500が本発明に係る撮影手段に相当し、パーソナルコンピュータ(PC)600が検出手段に相当する。
なお、画素毎にアスベストを含有しているか否かを示すように色付けされた画像は、パーソナルコンピュータ(PC)600のモニタースクリーンに表示され(図4(C)、図7(D)、図7(E)など)、可視化できるようになっている。
ところで、アスベストが含まれていると判断された場合には、警報音を鳴動させたり、モニタースクリーンに警告表示などを表示させることで、作業者等による見落としなどを抑制するように注意を促すように構成することも可能である。
ここで、本実施の形態において実行されるアスベスト(特定物質)検出処理(アスベスト含有判定処理)について、図3、図4などを用いて、以下に説明する。
<判定処理のフロー>
ステップ1では、パーソナルコンピュータ(PC)600は、近赤外分光フィルタ400を、アスベストに由来する近赤外線光吸収ピーク波長(例えば、図4(A)のA)と、近赤外線光吸収ピークの両側に存在する裾野に該当する2点の波長(例えば、図4(A)のAi−2kとAi+2k)と、近赤外線光吸収ピークと裾野の中間に該当する2点の波長(例えば、図4(A)のAi−kとAi+k)の合計5点の近赤外線光が通過するように切り換え、近赤外イメージングセンサ500では各波長における近赤外画像(データ)を撮影し、各画素の反射強度データを取得する。なお、初回は、検出対象物100を撮影ブースに置かずに背景のみを撮影する。
ステップ2(図3(A)参照)では、アスベストを含有しているか否かを検査(判定)したい検出対象物100を、近赤外イメージングセンサ500の前に置き(図2の撮影ブース等参照)、ステップ1と同様にして撮影を行う。
ステップ3では、近赤外イメージングセンサ500の各素子(各画素)出力(反射強度データ)の時間変化の影響を低減するため、ステップ2を複数回(指定可能)繰返し各波長・各画素に関して、それぞれ加算平均をとる。
ステップ4(図3(B)参照)では、各波長に関して撮影した近赤外画像情報(反射強度データ)から、ステップ1の計測結果から得られた撮影を行う環境や背景による各波長での近赤外線光の反射や散乱の値以下の画素を処理から除外する処理を行う。
ステップ5(図3(C)参照)では、検出対象物100の表面の凹凸による散乱や反射等の影響を低減するため、ステップ4で除外されずに残った画素の範囲(検出対象物範囲)を波長ごとに正規化する。こうして得られたデータには各材質固有の吸収ピークが含まれている。
ステップ6(図4(A)参照)では、予め設定した近赤外線光の吸収ピーク波長におけるステップ4、5で処理したデータと、ピークと裾野の中間に該当する2点のステップ4、5で処理したデータから一次微分処理(近似)を行い、3点を結ぶ2本の線の傾き(正負)をそれぞれ確認し、各画素に関して、アスベストに由来する近赤外線光吸収ピーク波長において近赤外線光吸収のピーク(頂点)となっているか否かを検出する。
すなわち、各画素について、アスベストに由来する近赤外線光吸収ピーク波長における値(例えば、図4(A)のA)が、該ピークと裾野の中間に該当する2点の波長における値(例えば、図4(A)のAi−kとAi+k)からみて、実際にピーク(頂点)となっているか否かを判断する。
ステップ7(図4(B)参照)では、ステップ6にて、アスベストに由来する近赤外線光吸収ピーク波長(例えば、図4(A)のA)が実際にピーク(頂点)として検出された画素について、近赤外の吸収ピーク波長における値(ステップ4、5で処理したデータ)と、ピークの裾野に該当する2点の値(ステップ4、5で処理したデータ)から二次微分処理(近似)を行い、ピーク波長における近赤外吸光の大きさ(吸収ピークレベル推定値)を求める。
すなわち、ステップ7では、アスベストに由来する近赤外線光吸収ピーク波長における値(例えば、図4(A)のA)が、実際にピークとして検出された画素については、アスベストを含む材料である可能性が高いので、その画素の近赤外吸光レベルを調べる。
ステップ8(図4(C)参照)では、ピーク波長における近赤外吸光の大きさが閾値以上である場合、その画素については、アスベストに由来する近赤外線光吸収ピーク(すなわち、アスベスト)を検出したとして、その画素に対して色付けを行う。
このように、本実施の形態では、検出対象物から試料を切り出したりすることなく、現場において、直接的に近赤外線光を含む光を検出対象物に照射し、特定物質(例えばアスベスト)の種類に応じた固有の近赤外線光吸収ピーク波長の近赤外線光を少なくとも通過させる近赤外分光フィルタ400を介して、近赤外イメージングセンサ500により検出対象物の画像情報を取得する。
そして、本実施の形態では、近赤外イメージングセンサにより取得された近赤外線光吸収ピーク波長の近赤外線光レベルを画素毎に測定することで、画素毎に特定物質(例えばアスベスト)が含まれているか否かを検出することができるように構成した。
これにより、本実施の形態によれば、特定物質(例えばアスベスト)の種類に応じた固有の吸収ピーク波長が存在するという特徴を利用することで、検出対象物から試料を切り出したりすることなく、また、熟練を要せず使い勝手が良く、比較的簡単で低コストな構成を実現しながら、検出対象物が特定物質(例えばアスベスト)を含むか否かを現場において検出(判定)することができる。
また、本実施の形態では、画素毎に特定物質(例えばアスベスト)を含有しているか否かを示すように色付けし、その結果を、パーソナルコンピュータ(PC)600のモニタースクリーンに表示させるようにしたので、作業者等に、検出対象物100に特定物質(例えばアスベスト)が含まれているか否かを可視化することができる。
ここで、本実施の形態に係るアスベスト(特定物質)検出装置及び方法における撮影方法、近赤外分光フィルタ400及び近赤外イメージングセンサ500などについて説明する。
(1)撮影・検出に使用する波長域について
ここでは、アスベスト含有材の一例であるアスベスト含有建材などに使用されている割合が高いクロシドライト、クリソタイル、アモサイトを判定(検出)の対象とするが、吸収ピーク波長が明らか、かつ、使用機器の仕様が合致すればこれに限らず、検出対象とすることができる。なお、他のアスベスト、例えば、アンソフィライト、トレモライト、アクチノライトなども対象とすることができる。
前述の3種のクロシドライト、クリソタイル、アモサイトは、それぞれについて、波長1.4μm、2.3μm、2.7μm前後に吸収ピーク(頂点)が存在するといった特徴がある(例えば、図6等参照)。
このうち、波長1.4μm付近の波長ピークは、他の二つの波長ピークに比べてピークの高さが若干低いものの、アスベスト以外の物質の吸収ピークと比較的干渉し難いと共に、近赤外領域のため熱による影響を受け難いといった特徴がある。また、イメージングセンサ及び近赤外分光フィルタの仕様の制限や入手容易性などの観点から、本実施の形態では、1.4μmの波長域を、アスベスト検出のための近赤外線光の波長として選択した。
しかしながら、他の2.3μm付近の波長、2.7μm付近の波長を、アスベスト検出のための波長として選択することもできる。また、1.4μm付近、2.3μm付近、2.7μm付近のうちの2つ以上の波長を、アスベスト検出のための近赤外線光の波長として選択することも可能である。
なお、クリソタイルの場合、あるサンプルでは、1.371μm(図4(A)のAi−2k)と、1.378μm(図4(A)のAi−k)、1.385μm(ピーク波長:図4(A)のA)、1.392μm(図4(A)のAi+k)、1.399μm(図4(A)のAi+2k)の5波長(0.007μmピッチ)で撮影すると比較的精度の高い検出結果が得られた。
例えば、本実施の形態では、ピーク波長を1.4μm付近(例えば、1.3〜1.5μmの範囲)に設定することができる。
(2)近赤外イメージングセンサ及び近赤外分光フィルタについて
本実施の形態においては、近赤外イメージングセンサ(近赤外線カメラ)は、波長1.4μm付近に高い感度を持ち、かつ、高解像度(画素数が大きい)であることが必要である。
また、赤外分光フィルタ400としては、波長1.4μm前後の光を通し、それ以外を大きく低減させることができることが要求される。
以上のことから、本実施の形態では、図5(A)、図5(B)に示したような仕様のものを採用した。ただし、この仕様に限るわけではない。
(3)照明の仕様、撮影距離などについて
照明の仕様、撮影距離の一例については、図5(C)に示す。ただし、この仕様に限るわけではない。
すなわち、本実施の形態に係る照明装置200としては、検出したいアスベストの種類に応じた固有の吸収ピーク波長を含む近赤外線光を少なくとも含む光を照射することができれば、ハロゲンランプ以外の光源や自然光などを利用することができる。
(4)アスベスト検出用のソフトウェアについて
本実施の形態に係る、検出対象物がアスベストを含有しているか否かを検出するための検出用ソフトウェアの一例を説明する。
初期画面(図7(A)参照)では、(a)近赤外分光フィルタ400を通過させる近赤外線光の中心波長(ピーク波長:図4のA)、及び(b)ピッチ(k)(すなわち、Ai−2k、Ai−k、Ai+k、Ai+2k)、(c)波長毎の撮影回数、(d)撮影範囲(数値を入力すると左の画面に枠が現れる)、(e)保存ファイル名等を入力する。
初回に背景を撮影するときは(図7(B)参照)、「平均・偏差演算」ラジオボタンが押されていることを確認し、「撮影」ボタンをクリックする。
これにより、各波長の平均値と偏差値が表示される(図7(C)参照)。また、同じ表示と内容がcsvファイルとして保存可能となっている。
次に、アスベストを含んでいるか否かを検出したい検出対象物100を撮影する際は、「As検出・画像出力」ラジオボタンを押し、「撮影」ボタンをクリックする。「画面の切り替え」が「合成」になっている場合は、中心波長における撮影画像に検出結果が重ね合わせて表示される(図7(D)参照)。
なお、本実施の形態では、アスベストが検出された場合には指定の色で該当するピクセル(画素)が着色される。同時にこの画像がbmp(ビットマップ)(図7(E)参照)ファイルとして保存される。「画面の切り替え」を「判定結果」にすると、アスベストが検出されたピクセルだけが着色されて浮かび上がって見えるように表示させることができる(図4(C)参照)。
以上説明したように、本実施の形態に係るアスベスト(特定物質)検出方法及び装置によれば、以下のような作用効果を奏することができる。
(1)検出対象物から粉末試料や標本などを作成するなどの事前準備が不要で、検出対象物を近赤外イメージングセンサの前に置いて撮影するだけでよいため、現場でのスクリーニングに適しており、迅速にアスベストを含有しているか否かの検出作業を実行することができる。
このため、アスベストを含んでいるか否かが疑わしい部材に対しては、アスベストを含んでいないと確認できるまで、アスベストの飛散等を考慮して解体作業等を中断しなければならない場合が想定されるが、本実施の形態では、このような中断時間を大幅に短縮することができ、以って解体作業等の作業効率の改善に貢献することができる。
(2)従来の近赤外分光光度計では対象物の数mm(角または円)の範囲しか検出できないが、本実施の形態では近赤外イメージングセンサによる撮像が可能なため、一度に大面積(例えば百数十mm角)の面を検出することが可能であり(例えば、1
回の検出作業(例えば10回撮影を加算平均した場合)あたり約4秒でアスベスト検出が可能であり)、検出作業の高効率化、検出洩れなどの低減に貢献することができる。
(3)本実施の形態によれば、検出対象物を置いてパーソナルコンピュータ(PC) を1クリックするだけで自動的に検出作業が行え、熟練や資格が不要であると共に、検出結果は撮影画像に色づけされて表示されるため、作業者にとってわかり易く、かつ、アスベスト含有箇所を明確に把握することができる。
(4)本実施の形態によれば、アスベストを含んでいるか否かの検出(検査)のための大型分析機が不要なため、外乱光を遮り対象物に照明を照射可能な小型ブースを用意すれば現場での検出が可能であり、省スペース化、低コスト化などに貢献可能である。
(5)本実施の形態によれば、建物解体時に発生する産業廃棄物の自動選別システムに当該検出装置を組み込むことにより、誤ってアスベスト含有建材が混入した場合、アスベストを検出し遮蔽隔離することで、作業員への暴露などを低減することができる。また、再生砕石にアスベスト含有建材が混入した場合にも、これを検出したり、検出情報をもとにアスベスト含有建材を除去する装置への応用も可能である。
上述した本実施の形態では、検出対象物を、例えば建設廃棄物などとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えばアスベストが含まれているか否かが不明な部材(材料)すべてを検出対象物とすることができるものである。
また、本実施の形態では、検出対象物がアスベストを含んでいるか否かを検出するアスベスト検出装置を代表的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アスベスト以外の特定物質(特定材料)であっても、近赤外領域を含む光を照射した際に、その特定物質(特定材料)の種類に応じた固有の吸収ピーク波長が存在するため、これを利用することで、アスベストを例に説明したと同様の方法により、検出対象物に含まれている特定物質(特定材料)を検出することが可能である。
また、本実施の形態では、全体画像を表示させる際に、特定物質(例えばアスベスト)であると検出された画素に対して着色表示させるが、これにより特定物質の検出と同時に、二次元的な位置を把握することができ、以って本発明は特定物質の検出と場所(位置)の特定とを行いたい場合に有益なものとなる。
以上で説明した本発明に係る実施の形態は、本発明を説明するための例示に過ぎず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。
100 検出対象物
200 照明装置(照明手段)
300 拡散板
400 近赤外分光フィルタ
500 近赤外イメージングセンサ(撮影手段)
600 パーソナルコンピュータ(PC)(検出手段)

Claims (3)

  1. 検出対象物に近赤外線領域を含む照明光を照射し、
    特定物質に対応した所定波長の近赤外線光を通過させる近赤外分光フィルタを介して、検出対象物を撮影して画像データを取得し、
    取得された画像データに基づいて、画素毎に前記所定波長の近赤外線光の反射強度データを取得し、
    該取得した反射強度データから背景および特定物質以外の反射強度データを除外すると共に、残りの反射強度データそれぞれについて近赤外線吸収ピーク波長が特定物質の近赤外線吸収ピーク波長付近となっているか否かを判断し、
    対応していると判断された反射強度データについてのみ前記取得した近赤外線吸収ピーク波長における吸収ピークレベル推定値を取得し、該取得した吸収ピークレベル推定値に基づいて、特定物質が含まれているか否かを検出することを特徴とする特定物質検出方法。
  2. 前記特定物質が、アスベストであることを特徴とする請求項に記載の特定物質検出方法。
  3. 前記吸収ピークレベルを推定する波長は、1.4μm、2.3μm、2.7μm付近であり、上記3つの波長から1つ若しくは2つ以上の波長を選択することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の特定物質検出方法。
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