本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。本実施形態のサンドイッチパネルSは、外壁パネルなどの建材として用いられる。
第一実施形態のサンドイッチパネルSは、図1に示すように、二枚の金属板1,2の間に芯材3を介在させ、この二枚の金属板1,2で芯材3を挟持することによって形成されている。二枚の金属板1,2はそれぞれ、接着剤を介して芯材3に取り付けられる。サンドイッチパネルSは、一方の端部に凸部5を設けると共に他方の端部に凹部6を設けたものである。この凸部5と凹部6とが嵌まることで隣接する2枚のサンドイッチパネルSは接続される。サンドイッチパネルSは、胴縁等の下地材100に固定されて、外壁等の壁を形成する。なお、サンドイッチパネルSは、凸部5と凹部6とを上下の端部に備えるものであってもよいし、あるいは、左右の端部に備えるものであってもよい。以下においては、凸部5と凹部6とを上下の端部に備えるサンドイッチパネルSを一例として説明する。そして、図1に示す状態を基準とし、下地材100に対してサンドイッチパネルSが配置される側を屋外側とし、その逆側を屋内側とし、上下方向をサンドイッチパネルSの幅方向とし、この幅方向に直交する方向をサンドイッチパネルSの長さ方向として説明を行う。
金属板1,2は、厚みが0.25〜1.6mm程度の薄板材である。金属板1,2としては、例えば、Al、Fe、Cu、ステンレス鋼等の各種金属板、アルミニウム−亜鉛合金メッキ鋼板、カラー鋼板、ホーロー鋼板、フッ素樹脂塗装鋼板、クラッド鋼板、サンドイッチ鋼板等の一種をプレス成形、押出成形、ロール成形等によって成形したものである。
サンドイッチパネルSの屋外側の金属板1(以下「屋外側金属板1」という)は、図1に示すように、長さ方向の略全長に亘って一定の断面形状を有するものである。屋外側金属板1は、平板状の化粧面部10と、化粧面部10の上端部に連設された凹段部12と、凹段部12の上端部に連設された屋外側折り返し部13と、化粧面部10の下端部に連設された折り返しスカート部11と、折り返しスカート部11に連設された凸部側壁部14とを備えている。凹段部12と屋外側折り返し部13は化粧面部10よりも屋内側に凹んでおり、凹段部12と屋外側折り返し部13の屋外側の空間は、折り返しスカート部11が収納される収納部15となっている。また、凹段部12の上部には、さらに屋内側へ凹んだ第二凹段部16が形成されており、この第二凹段部16の屋外側の空間は、ビスや釘等の固定具4の頭部40が収納される頭部収納凹部17となっている。
屋外側折り返し部13は、第二凹段部16の上端部から上方に向けて突出し、その先端を屋内側に折り曲げ、その先端を下方に向けて突出させた、折り返し形状のものである。この屋外側折り返し部13の屋内側の下部には、屋外側に凹んだ被係止用凹部8が形成されている。この屋外側折り返し部13の第二凹段部16と連続していない側の端縁からは、補強部18が屋内側に略水平に突出している。
折り返しスカート部11は、化粧面部10の下端から下方に向けて突出し、その先端を屋内側に折り曲げ、その先端を上方に向けて突出させた、上下方向に細長い断面略U字状のものである。この折り返しスカート部11には、屋内側に略水平に突出する略水平部72を介して凸部側壁部14が連設されている。凸部側壁部14は、屋内側ほど下方に位置するように傾斜させた傾斜部70と、傾斜部70の下端から屋外側に突出し、その先端を下側に折り曲げ、その先端を屋内側に向けて突出させた突出部71とを備えている。つまり、凸部側壁部14の下端部には、屋外側に突出する突出部71からなる係止用凸部7が形成されている。なお、この凸部側壁部14の略水平部72と連続していない側の端縁は、屋内側に略水平に突出する補強部19となっている。
サンドイッチパネルSの屋内側の金属板2(以下「屋内側金属板2」という)は、長さ方向の略全長に亘って一定の断面形状を有するものである。屋内側金属板2は、図1に示すように、平板部20と、平板部20の上端部に連設された屋内側折り返し部21と、屋内側折り返し部21に連設された補強部22と、平板部20の下端部に連設された凹段部23と、凹段部23に連接された補強部24とを備えて形成されている。凹段部23は平板部20よりも屋外側に凹んでおり、凹段部23の屋内側の空間は屋内側折り返し部21が収納される収納部25となっている。補強部22は屋内側折り返し部21の屋外側下端部から屋外側に略水平に突出しており、補強部24は、凹段部23の下端部から屋外側に略水平に突出している。屋内側折り返し部21は、屋外側折り返し部13と略同じ突出長さ(上下長さ)で形成されている。
芯材3としては、ロックウールやグラスウールやセラミックファイバーなどの無機繊維体及びウレタンフォームやフェノールフォームなどの樹脂発泡体等を例示することができる。特に、芯材3は断熱性能と共に耐火性能をも有するロックウールやグラスウールやフェノールフォームを用いるのが好ましい。また、芯材3は角材のようなブロック状に形成することができると共に芯材3は密度が通常20〜400kg/m3のものを用いることができるが、120〜200kg/m3のものを用いるのが好ましい。
芯材3のうち、凹部6の底部と凸部5に配置される端部芯材30としては、硬質であり、且つ耐火性を有する石膏ボードや珪酸カルシウム等の無機質材料が好適に用いられる。なお、端部芯材30は、上述した芯材3と同じものであってもよい。
本実施形態のサンドイッチパネルSを形成するにあたっては、屋外側金属板1の両端の略水平部(補強部18,19)と屋内側金属板2の両端の略水平部(補強部22,24)とを略同じ高さに位置合わせするようにして屋外側金属板1と屋内側金属板2とを対向配置する。次いで、第二凹段部16の下端と折り返しスカート部11の上端との間に芯材3を介装させるとともに、第二凹段部16の上端から下端の間と凸部側壁部14の上端から下端の間に端部芯材30を介装させる。屋外側金属板1と屋内側金属板2とを芯材3と端部芯材30とに接着することによって、屋外側金属板1と屋内側金属板2の間に芯材3と端部芯材30とを充填したサンドイッチパネルSが形成される。
以上のようにして形成されるサンドイッチパネルSの上端部には、屋外側折り返し部13を屋外側の側壁60とし、屋内側折り返し部21を屋内側の側壁61とする凹部6を備える。そして、サンドイッチパネルSの下端部には、屋外側金属板1の凸部側壁部14と屋内側金属板2の凹段部23とその間の端部芯材30とで構成される凸部5を備える。このサンドイッチパネルSでは、凹部6の屋外側の側壁60の屋内側に被係止用凹部8を備え、凸部5の屋外側に係止用凸部7を備える。ここで、凸部5に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、凸部5の強度を向上させることができ、これにより係止用凸部7の変形を抑制できる。また、凹部6の底部に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、この端部芯材30を土台とする屋外側折り返し部13と屋内側折り返し部21の強度を向上させて、凸部5と凹部6とが嵌まる際に変形しにくくすることができる。
上記のサンドイッチパネルSを施工するにあたっては、1枚のサンドイッチパネルSを胴縁等の下地材100の屋外側面に配置し、第二凹段部16の底面から釘やビス等の固定具4を打ち込んで、下地材100にまで貫通する。ここで、サンドイッチパネルSのうち固定具4を打ち込む箇所に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、サンドイッチパネルSを下地材100に対して強固に固定することができる。次に、取り付けたサンドイッチパネルSの上側から、他のサンドイッチパネルSを近づけ、上側のサンドイッチパネルSの凸部5を下側のサンドイッチパネルSの凹部6に嵌める。この時、上側のサンドイッチパネルSの折り返しスカート部11は下側のサンドイッチパネルSの収納部15に位置して収納され、下側のサンドイッチパネルSの屋内側折り返し部21は上側のサンドイッチパネルSの収納部25に位置して収納される。以上のようにして上下に隣接するサンドイッチパネルSを凸部5と凹部6とが嵌まることにより接続しながら複数枚のサンドイッチパネルSを縦横に並べて施工することで、外壁を形成できる。なお、固定具4の頭部40は、頭部収納凹部17内に納められると共にこの頭部40は収納部15に収納された折り返しスカート部11で覆われるため、屋外側から見えなくできる。また、図示は省略しているが、上側のサンドイッチパネルSの補強部19と下側のサンドイッチパネルSの補強部18の間、上側のサンドイッチパネルSの補強部24と下側のサンドイッチパネルSの補強部22の間、及び略水平部72と側壁60の上端面との間には、セラミックファイバー等の耐火材や防水パッキンが挟まれる。これにより接続部分の耐火性や水密性を高めることができる。なお、上側のサンドイッチパネルSの補強部19と下側のサンドイッチパネルSの補強部18の間と、上側のサンドイッチパネルSの補強部24と下側のサンドイッチパネルSの補強部22の間に挟まれる耐火材は、補強部19から補強部24に亘って設けられることが好ましい。
以上のようにして凸部5と凹部6とが嵌まることによって接続されたサンドイッチパネルSでは、凸部5の屋外側の係止用凸部7と、凹部6の屋外側の側壁60の屋内側の被係止用凹部8とが、パネル厚み方向に距離をおいて対向している。
この接続状態にあるサンドイッチパネルSでは、サンドイッチパネルSは、上端部は固定具4によって下地材100に固定されているものの、下端部は凸部5と凹部6とが嵌まることによってのみ保持されている。そのため、この接続状態にあるサンドイッチパネルSに負の風荷重が強くかかると、図2に示すように、上側のサンドイッチパネルSの下端部の凸部5が、下側のサンドイッチパネルSの上端部の凹部6に嵌まる位置から屋外側上方へとずれる場合がある。
このように上側のサンドイッチパネルSの下端部の凸部5が屋外側へとずれる場合に、本実施形態では、図2に示すように、凸部5に設けた係止用凸部7が、凹部6に設けた被係止用凹部8に係止される。これにより、本実施形態では、凸部5が凹部6の屋外側の側壁60を屋外側へと乗り越えることを抑制でき、接続状態にある2枚のサンドイッチパネルSの接続が外れてしまうことを抑制できる。なお、上述のように凸部5に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、被係止用凹部8に係止する際の係止用凸部7の変形を抑制できるため、被係止用凹部8に対して係止用凸部7をより確実に係止させることができる。
また、本実施形態においては、凹部6の屋外側の側壁60の屋内側のうち、上部ではなく下部に被係止用凹部8を設けたことで、ここに係止する係止用凸部7を下部に備えた凸部5が、接続状態にあるサンドイッチパネルSに負の風荷重が強くかかった場合に、上方へとずれにくい。そのため、凹部6の屋外側の側壁60のうち、凸部5によって屋外側へ押される箇所が、上方へとずれることを抑制でき、この側壁60を屋外側に倒す方向にかかるモーメントが大きくなることを抑えることができる。これにより、本実施形態では側壁60が屋外側へと倒れにくく、接続状態にある2枚のサンドイッチパネルSの接続がより外れにくくなっている。
なお、本実施形態では、係止用凸部7と被係止用凹部8とは、凸部5と凹部6とが嵌まる位置において、サンドイッチパネルSの厚み方向にずれて上下に重ならない位置関係となるように形成されている。そのため、鉛直下向きに凸部5を凹部6に嵌め込む際や、鉛直上向きに凹部6から凸部5を引き抜く際に、係止用凸部7が凹部6に引っ掛かりにくい。これにより、本実施形態では、隣接するサンドイッチパネルSの接続や、位置調整等のための隣接するサンドイッチパネルSの接続解除を、係止用凸部7に邪魔されることなく、簡単に行うことができる。
続いて、図3に示す第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造について説明する。第二実施形態では、補強片9を備えている点でのみ第一実施形態と異なる。なお、図3には、第一実施形態のサンドイッチパネルSと同じ構成には同じ符号をつけている。
補強片9は、図3(a)に示すように、凹部6の屋外側の側壁60の屋外側面62に配置されて、側壁60が屋外側に倒れることを防止する。詳しくは、補強片9は、図3(a)及び図3(b)に示すように、第二凹段部16の屋外側面(底面)に固定される固定板部90と、屋外側折り返し部13の屋外側面62に沿うように配置される抑え板部91とを備える。固定板部90と抑え板部91とは連続して一体に形成されており、固定板部90には固定具4が挿通される挿通孔92が設けられている。
補強片9は、固定具4によって固定板部90が第二凹段部16の屋外側面に固定されると、抑え板部91が屋外側折り返し部13の屋外側面62の屋外側に位置する。これにより、サンドイッチパネルSに負の風荷重がかかった際、この補強片9によって凹部6の屋外側の側壁60が凸部5に押されて屋外側へと倒れることを抑制できる。ここで、側壁60を屋外側へと倒れにくくしたことで、被係止用凹部8が変形しにくく、被係止用凹部8と係止用凸部7との係止強さを確保できる。また、側壁60を屋外側へと倒れにくくしたことで、側壁60が倒れて側壁60の上下長さが短くなることを防止できるため、凹部6と凸部5との嵌まる深さを確保できる。このように係止強さと嵌まる深さとを確保することで、本実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、負の風荷重によって、凸部5と凹部6とが嵌まることにより接続したサンドイッチパネルの接続が外れてしまうことをさらに抑制することができる。
続いて、図4に示す第三実施形態のサンドイッチパネルの接続構造について説明する。第一の実施形態と同じ構成については図中に同じ符号をつけ、異なる構成について詳しく説明する。
第三実施形態のサンドイッチパネルSでは、上端部に凸部5を備え、下端部に凹部6を備える。そして、凹部6の屋内側の側壁61の屋外側に係止用凸部7を備え、凸部5の屋内側に被係止用凹部8を備える。
詳しくは、屋外側金属板1は、平板状の化粧面部10と、化粧面部10の上端部に連設された凹段部12と、凹段部12の上端部に連設された凸部側壁部14と、化粧面部10の下端部に連設された折り返しスカート部11とを備えている。凹段部12と凸部側壁部14は、化粧面部10よりも屋内側に凹んでいる。凹段部12と凸部側壁部14の屋外側の空間は、折り返しスカート部11が収納される収納部15となっている。また、凹段部12の上部には、さらに屋内側に凹んだ第二凹段部16が形成されており、この第二凹段部16の屋外側の空間は、固定具4の頭部40が収納される頭部収納凹部17となっている。
凸部側壁部14の凹段部12と連続していない側の端部からは、補強部18が屋内側に略水平に突出している。また、折り返しスカート部11の化粧面部10と連続していない側の端部からは、補強部19が屋内側に略水平に突出している。
屋内側金属板2は、図4に示すように、平板部20と、平板部20の上端部に連設された凹段部23と、平板部20の下端部に連設された屋内側折り返し部21とを備えて形成されている。凹段部23は平板部20よりも屋外側に凹んでおり、凹段部23の屋内側の空間は屋内側折り返し部21が収納される収納部25となっている。
凹段部23の下部には、屋外側に凹んだ被係止用凹部8が形成されている。この凹段部23の平板部20と連続していない側の端部からは、補強部22が屋内側に略水平に突出している。
そして、屋内側折り返し部21は、平板部20の下端部から下方に向けて突出し、その先端を屋外側に折り曲げ、その先端を上方に向けて突出させた、折り返し形状のものである。屋内側折り返し部21は、屋内側ほど下方に位置するように傾斜させた傾斜部70と、傾斜部70の下端から屋外側へ突出し、その先端を下側に折り曲げ、その先端を屋内側に向けて突出させた突出部71とを備えている。つまり、屋内側折り返し部21の下端部には、屋外側に突出する突出部71からなる係止用凸部7が形成されている。なお、この屋内側折り返し部21の平板部20と連続していない側の端縁からは、屋外側に補強部24が略水平に突出している。
そして、本実施形態のサンドイッチパネルSを形成するにあたっては、屋外側金属板1の両端の略水平部(補強部18,19)と屋内側金属板2の両端の略水平部(補強部22,24)とを略同じ高さに位置合わせするようにして屋外側金属板1と屋内側金属板2とを対向配置する。そして、折り返しスカート部11の上端よりも上方の箇所Hと、第二凹段部16の下端との間に芯材3を介装させるとともに、凸部側壁部14の上端から第二凹段部16の下端までの間と、折り返しスカート部11の上端からその上方の箇所Hまでの間に、端部芯材30を介装させる。屋外側金属板1と屋内側金属板2とを芯材3と端部芯材30とに接着することによって、屋外側金属板1と屋内側金属板2の間に芯材3と端部芯材30とを充填したサンドイッチパネルSが形成される。
以上のようにして形成されるサンドイッチパネルSの上端部には、屋外側金属板1の凸部側壁部14と屋内側金属板2の凹段部23とその間の端部芯材30とで構成される凸部5が形成される。そして、サンドイッチパネルSの下端部には、屋外側金属板1の折り返しスカート部11を屋外側の側壁60とし、屋内側折り返し部21を屋内側の側壁61とする凹部6が形成される。このサンドイッチパネルSでは、凹部6の屋内側の側壁61の屋外側に係止用凸部7を備え、凸部5の屋内側に被係止用凹部8を備える。ここで、凸部5に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、凸部5の強度を向上させることができ、これにより被係止用凹部8の変形を抑制できる。また、凹部6の底部に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、この端部芯材30を土台とする折り返しスカート部11と屋内側折り返し部21の強度を向上させて、凸部5と凹部6とが嵌まる際に変形しにくくすることができる。
上記のサンドイッチパネルSを施工するにあたっては、1枚のサンドイッチパネルSを胴縁等の下地材100の屋外側面に配置し、第二凹段部16の底面から釘やビス等の固定具4を打ち込んで、下地材100にまで貫通する。次に、取り付けたサンドイッチパネルSの上側から、他のサンドイッチパネルSを近づけ、上側のサンドイッチパネルSの凹部6に下側のサンドイッチパネルSの凸部5を嵌める。この時、上側のサンドイッチパネルSの折り返しスカート部11は下側のサンドイッチパネルSの収納部15に位置して収納され、上側のサンドイッチパネルSの屋内側折り返し部21は下側のサンドイッチパネルSの収納部25に位置して収納される。以上のようにして上下に隣接するサンドイッチパネルSを凸部5と凹部6とが嵌まることにより接続しながら複数枚のサンドイッチパネルSを縦横に並べて施工することで、外壁を形成できる。なお、図示は省略しているが、上側のサンドイッチパネルSの補強部19と下側のサンドイッチパネルSの補強部18の間、上側のサンドイッチパネルSの補強部24と下側のサンドイッチパネルSの補強部22の間には、セラミックファイバー等の耐火材や防水パッキンが挟まれる。これにより接続部分の耐火性や水密性を高めることができる。なお、上側のサンドイッチパネルSの補強部19と下側のサンドイッチパネルSの補強部18の間と、上側のサンドイッチパネルSの補強部24と下側のサンドイッチパネルSの補強部22の間に挟まれる耐火材は、補強部19から補強部24に亘って設けられることが好ましい。
以上のようにして凸部5と凹部6とが嵌まることによって接続されたサンドイッチパネルSでは、凸部5の屋内側の被係止用凹部8と、凹部6の屋内側の側壁61の屋外側の係止用凸部7とが、サンドイッチパネルSの厚み方向に距離をおいて対向している。
この接続状態にあるサンドイッチパネルSでは、サンドイッチパネルSは、上端部は固定具4によって下地材100に固定されているものの、下端部は凸部5と凹部6とが嵌まることによってのみ保持されている。そのため、この接続状態にあるサンドイッチパネルSに負の風荷重が強くかかると、上側のサンドイッチパネルSの下端部の凹部6が、下側のサンドイッチパネルSの上端部の凸部5に嵌まる位置から屋外側上方へとずれる場合がある。
このように凹部6が屋外側へとずれる場合に、本実施形態では、凹部6の屋内側の側壁61の屋外側に設けた係止用凸部7が、凸部5の屋内側に設けた被係止用凹部8に係止される。これにより、本実施形態では、凹部6の屋内側の側壁61が凸部5を屋外側へと乗り越えることを抑制でき、接続状態にある2枚のサンドイッチパネルSの接続が外れてしまうことを抑制できる。なお、上述のように凸部5に充填する端部芯材30を硬質な芯材とすることで、係止用凸部7が被係止用凹部8に係止する際の被係止用凹部8の変形を抑制できるため、被係止用凹部8に対して係止用凸部7をより確実に係止させることができる。
本実施形態では、係止用凸部7と被係止用凹部8とは、凸部5と凹部6とが嵌まる位置において、パネル厚み方向にずれて上下に重ならない位置関係となるように形成されている。これにより、鉛直下向きに凹部6を凸部5に嵌め込む際や、鉛直上向きに凹部6を凸部5から引き抜く際に、係止用凸部7が凸部5に引っ掛かりにくい。したがって、本実施形態では、隣接するサンドイッチパネルSの接続や、位置調整等のための隣接するサンドイッチパネルSの接続解除を、係止用凸部7に邪魔されることなく、簡単に行うことができる。
以上まとめると、第一乃至第三実施形態のサンドイッチパネルの接続構造では、2枚の金属板1,2の間に芯材3を介装したサンドイッチパネルSの一方の端部に凸部5を設けると共に他方の端部に凹部6を設けている。隣接する2枚のサンドイッチパネルSを凸部5と凹部6とが嵌まることにより接続する。凸部5または凹部6が嵌まる位置から屋外側にずれた際に係止し合う係止用凸部7と被係止用凹部8のうち、一方を凸部5に設けると共に他方を凹部6に設けている。
このような構成とすることで、凸部5と凹部6とが嵌まることにより接続された2枚のサンドイッチパネルSに負の風荷重がかかった際に、凸部5または凹部6が嵌まる位置から屋外側にずれると、係止用凸部7と被係止用凹部8とが係止し合う。このように負の風荷重がかかった場合に凸部5と凹部6とが係止によって引っ掛かるようにしたことで、凸部5が凹部6を、もしくは凹部6が凸部5を屋外側に乗り越えることを抑制でき、凸部5と凹部6とが嵌まることによる接続が外れにくくなっている。
また、第二実施形態のサンドイッチパネルSの接続構造では、凹部6の屋外側の側壁60の屋外側面62に、この側壁60が屋外側に倒れることを防止するための補強片9を取り付けている。
このような構成とすることで、凸部5と凹部6とが嵌まることにより接続された隣接する2枚のサンドイッチパネルSに負の風荷重がかかった際に、凸部5が凹部6の屋外側の側壁60を屋外側に押し倒そうとした場合に、補強片9によって側壁60が屋外側に倒れることを防止できる。このように凹部6の屋外側の側壁60を屋外側へと倒れにくいようにすることで、凸部5と凹部6にそれぞれ設けた係止用凸部7と被係止用凹部8が、強く係止し合うことを促進できる。また、凹部6と凸部5との嵌まる深さが浅くなることも抑制できる。このように係止強さを確保するとともに凹部6と凸部5との嵌まる深さを確保することによって、第二実施形態のサンドイッチパネルの接続構造では、凸部5が凹部6の屋外側の側壁60を屋外側へと乗り越えることをより抑制できて、凸部5と凹部6とが嵌まることによる接続がさらに外れにくくなっている。
なお、係止構造(係止用凸部及び被係止用凹部)は、凸部と凹部とが嵌まることにより接続するサンドイッチパネルの凸部と凹部のうち、負の風荷重がかかった際に接触する箇所に設ければよく、凸部と凹部の形状に合わせて、係止構造を設ける箇所は多様に変更できる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。