JP6013298B2 - 高周波伝送線路 - Google Patents

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本発明は、高周波伝送技術に関し、特に入力された高周波信号を、多層配線基板の最上層から最下層まで貫通して伝搬させるための高周波伝送線路に関する。
従来、多層基板を垂直貫通する高周波伝送線路の構造として、高い特性インピーダンスを備えた擬似同軸線路構造を、多層基板上面に備えた高周波信号線路と接続する手法が記述されている。そこでは、互いの接続部での特性インピーダンスの不整合を抑制するため、高周波信号線路をあらかじめ高いインピーダンスにする手法が、非特許文献1で提案されている。
Wei-Da Guo, et. al., "Design of Wideband Impedance Matching for Through-Hole Via Transition Using Ellipse-Shaped Anti-Pad", 2006 Electrical Performance of Electronic Packaging Conference, Oct. 2006.
図29Aは、従来の高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図29Bは、図29AのI−I断面図である。図29Cは、図29Aの左側面図である。図29Dは、図29BのII−II断面図である。
非特許文献1では、具体的には、図29A〜図29Dに示すように、導体と絶縁体を交互に積層した多層基板の上面において、領域Aに高周波信号線路としてマイクロストリップ線路が形成されている場合、領域Bでは高周波信号線路の直下に形成されたグランドプレーンを選択的に削除し、高周波信号線路の特性インピーダンスを高くしている。
一般的に、特性インピーダンスは高周波信号線路が備えるインダクタンスと電気容量の商のルートに比例する。グランドプレーンの削除による電気容量の削減は、先に示した特性インピーダンスと電気容量の関係から、特性インピーダンスの上昇をもたらす。これにより、高い特性インピーダンスを備える擬似同軸線路構造と高周波信号線路の特性インピーダンスを接合部で一致させることが可能となり、接合部での反射損失が低減可能としている。この手法では、DCから5GHzの周波数帯域で高周波反射損失の低減効果が示されている。しかしながら、5GH以上の周波数帯域では高周波反射損失の上昇が見え始めているとの記述も非特許文献1に同時に見られる。
楕円形状のアンチパッド領域の直上に位置する表層に形成された高周波信号線路は、その真下にはグランドプレーンが無い。よって、この領域内においては、グランドに対する高周波信号線路の電気的な容量は急激に低下する。図29Bに記載した領域Bでこの現象が発生する。高周波信号線路の特性インピーダンスを上昇させることで、高周波信号ビアとの特性インピーダンスが整合するが、アンチパッド領域上部以外に位置する高周波信号線路の特性インピーダンスは低いままである。よって、表層に備えられている高周波信号線路の中で、反射損失が生じることが容易に想定できる。
さらに、アンチパッド領域上部に位置する高周波信号線路の特性インピーダンスを容量の低下によって増加させているが、擬似同軸線路構造における特性インピーダンスの上昇の寄与はインダクタンスの上昇分からもたらされており、特定の周波数帯域では特性インピーダンスを揃えることは出来るものの、広い範囲の周波数帯域で特性インピーダンスを整合させることは困難である。
実際、非特許文献1に記載されているFigure9の青実線で描かれたTDRグラフ特性から明らかなように、64milのクリアランスを備えた最適とされる楕円形状のアンチパッド領域を導入した場合でも、ある特定の立ち上がり時間を持つステップ波形に対して、最初にアンチパッド領域上部に位置する高周波信号線路において特性インピーダンスが上昇し、それ以降一定の値にならず、バウンドするグラフ特性が得られている。このようなTDRグラフ特性は、広い周波数帯域で特性インピーダンスを整合できないことを物語っている。実際、先に示したように、5GH以上の周波数帯域では高周波反射損失の上昇が見え始めているとの記述も非特許文献1にはあり、5GHzまでしか実用的でないことを示している。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、10GHz以上の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬させることができる高周波伝送線路を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる高周波伝送線路は、グランドプレーンと絶縁体、あるいはグランドプレーンと半導体とが交互に積層された多層配線基板と、前記グランドプレーンが選択的に除去されたアンチパッド領域を、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された高周波信号ビアと、前記アンチパッド領域の外側に前記高周波信号ビアを囲うように点在配置されて、前記各グランドプレーンと接続するとともに、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された複数のグランドビアと、前記最上層に線状に形成されて、先端が前記高周波信号ビアの上端と接続された高周波信号線路とを備え、前記グランドプレーンのうち前記最上層の直下に形成された直下グランドプレーンは、前記アンチパッド領域のうち前記高周波信号ビアと接触しない範囲で、前記高周波信号線路が前記アンチパッド領域の外周縁と交差する交点から前記高周波信号ビアに向けて、当該直下グランドプレーンの端部が拡張された拡張部を有し、前記拡張部のうち前記アンチパッド領域との境界となる端縁は、前記高周波信号ビアに向けて凸となる凸形状に形成されているものである。
また、本発明にかかる他の高周波伝送線路は、グランドプレーンと絶縁体、あるいはグランドプレーンと半導体とが交互に積層された多層配線基板と、前記グランドプレーンが選択的に除去されたアンチパッド領域を、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された高周波信号ビアと、前記アンチパッド領域の外側に前記高周波信号ビアを囲うように点在配置されて、前記各グランドプレーンと接続するとともに、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された複数のグランドビアと、前記最上層に線状に形成されて、先端が前記高周波信号ビアの上端と接続された高周波信号線路とを備え、前記グランドプレーンのうち前記最上層の直下に形成された直下グランドプレーンは、前記アンチパッド領域のうち前記高周波信号ビアと接触しない範囲で、前記高周波信号線路が前記アンチパッド領域の外周縁と交差する交点から前記高周波信号ビアに向けて、当該直下グランドプレーンの端部が拡張された拡張部を有し、前記アンチパッド領域は、前記拡張部のうち前記アンチパッド領域との境界となる端縁は、前記高周波信号ビアと距離をおいて離間する凹部を有するものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の一構成例は、前記凹部の端縁が、前記高周波信号ビアを囲うように、前記高周波信号線路の伸延方向に沿って前記高周波信号ビアの先端位置まで拡張されているものである。
また、本発明にかかる上記高周波伝送線路の一構成例は、前記高周波信号線路が、マイクロストリップ線路、または、グランデッドコプレーナ線路からなるものである。
本発明によれば、高周波信号線路に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域の電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路と高周波信号ビアとの接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図1AのI−I断面図である。 図1Aの左側面図である。 図1BのII−II断面図である。 図1BのIII−III断面図である。 第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図2AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図2AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図2DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図2DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図3AのI−I断面図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図3CのII−II断面図である。 第1の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。 第1の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。 第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図5AのI−I断面図である。 図5Aの左側面図である。 図5BのII−II断面図である。 図5BのIII−III断面図である。 第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図6AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図6AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図6DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図6DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図7AのI−I断面図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図7CのII−II断面図である。 第2の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。 第2の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。 第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図9AのI−I断面図である。 図9Aの左側面図である。 図9BのII−II断面図である。 図9BのIII−III断面図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。 第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図11AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図11AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図11DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図11DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図12AのI−I断面図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図12CのII−II断面図である。 第3の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。 第3の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。 第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図14AのI−I断面図である。 図14Aの左側面図である。 図14BのII−II断面図である。 図14BのIII−III断面図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。 第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図16AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図16AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図16DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図16DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図17AのI−I断面図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図17CのII−II断面図である。 第4の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。 第4の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。 第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図19AのI−I断面図である。 図19Aの左側面図である。 図19BのII−II断面図である。 図19BのIII−III断面図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。 第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図21AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図21AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図21DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図21DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図22AのI−I断面図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図22CのII−II断面図である。 第5の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。 第5の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである 第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図24AのI−I断面図である。 図24Aの左側面図である。 図24BのII−II断面図である。 図24BのIII−III断面図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。 高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。 第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図26AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図26AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図26DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。 図26DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。 第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図27AのI−I断面図である。 直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。 図27CのII−II断面図である。 第6の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。 第6実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。 従来の高周波伝送線路の構成を示す上面図である。 図29AのI−I断面図である。 図29Aの左側面図である。 図29BのII−II断面図である。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、本発明にかかる各実施の形態においては、導体層やビアを銅箔、絶縁体を代表的なFR4を使用して図示しているが、決してこれに限ることはない。例えば、導体層やビアを金、絶縁体をセラミックやガラス、あるいは絶縁体の代替として半導体であるSiやSiGe、GaAs、InP等の材料にも適用可能であり、決してこれらに限るこがないことは言うまでもない。
[第1の実施の形態]
まず、図1A〜図1Eを参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図1Aは、第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図1Bは、図1AのI−I断面図である。図1Cは、図1Aの左側面図である。図1Dは、図1BのII−II断面図である。図1Eは、図1BのIII−III断面図である。
本実施の形態にかかる高周波伝送線路10は、接地電位に接続された導体層である接地導体からなるグランドプレーン11Gと絶縁体あるいは半導体からなる絶縁層11Pとが交互に積層された多層配線基板11において、基板平面に沿って入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げて、最上層(基板上面)から最下層(基板底面)まで垂直方向に伝搬させるための高周波伝送線路である。この高周波伝送線路10は、例えば、10GHz〜100GHz以下の高速電気信号が多層配線基板11内を伝搬する電子機器や電子部品などに好適である。
図1A〜図1Eに示すように、高周波伝送線路10は、主に、多層配線基板11、高周波信号線路12、高周波信号ビア14、グランドビア15から構成されている。
高周波信号線路12は、金属などの導体からなり、多層配線基板11の最上層に線状に形成されて、先端が高周波信号ビア14の上端と接続されたマイクロストリップ線路である。
高周波信号ビア14は、金属などの導体からなり、多層配線基板11のうち、接地導体からなるグランドプレーン11Gが平面視略円形状に選択的に除去されたアンチパッド領域16の略中央を、多層配線基板11の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成されたビアである。
グランドビア15は、金属などの導体からなり、多層配線基板11のうち、アンチパッド領域16の外側に高周波信号ビア14を囲うように略円周状に複数点在配置されて、各グランドプレーン11Gと接続するとともに、多層配線基板11の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成されたビアである。
これら高周波信号ビア14、グランドビア15、グランドプレーン11Gにより、擬似同軸線路構造が構成されている。
本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち、高周波信号線路12の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を形成したものである。
具体的には、図1Aに示したように、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁が、高周波信号線路12の伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って、平面視略直線状に形成されている。
この拡張部13により、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域において、高周波信号線路12と接地電位との間の電気容量を高くさせ、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間での電界密度を上昇させている。
図2Aは、第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図2Bは、図2AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図2Cは、図2AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。図2Dは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図2Eは、図2DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図2Fは、図2DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。
図2Cと図2Fとを比較して明らかなように、直下グランドプレーン11Gの拡張部13の有無によって電界強度分布の広がりが大きく異なり、図2Fの電界強度分布の方が広く、電界密度が低いことが分かる。
よって、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間における電気容量の大小も図2Fの方が小さいことも分かる。
高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現される。ここで、Lは高周波信号線路のインダクタンス、Cは電気容量である。今、電気容量について注目すると、図2Fの電気容量が小さいことから、高周波伝送線路の特性インピーダンスが上昇することが分かる。
本実施の形態では、高周波信号線路12と擬似同軸線路構造とのそれぞれの特性インピーダンスはZ0で等しくなっていることから、互いの接続部の近傍においても特性インピーダンスをZ0にすることが望ましいことは言うまでもない。これは、接続部における電界強度分布の安定性の有無として現れる。
図3Aは、第1の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図3Bは、図3AのI−I断面図である。図3Cは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図3Dは、図3CのII−II断面図である。
図3Aおよび図3Bにおける電界強度分布31は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けた場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示しており、図3Cおよび図3Dにおける電界強度分布32は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示している。
本実施の形態は、拡張部13を設けたことにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ内側領域21と折り曲げ外側領域22とでは電気容量が異なり、折り曲げ内側領域21の電気容量の方が大きくなるという特徴を備えている。これにより、高周波信号線路12で生じる電界強度分布と同様に、折り曲げ内側領域21で電界強度分布の閉じ込めが比較的強くなる。
よって、図3Aおよび図3Bの電界強度分布31に示されているように、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号線路12から高周波信号ビア14に向かう高周波信号の反射や放射が比較的低くなり、安定した伝搬特性が得られる。
一方、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合、高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続部の近傍では特性インピーダンスの上昇が生じており、さらに基板平面方向から垂直方向への屈曲構造を備えている。このため、図3Cおよび図3Dの電界強度分布32に示されているように、高周波信号は高周波信号ビア14方向に伝搬し難くなり、屈曲部において大きな放射や反射が生じる。
図4Aは、第1の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。図4Bは、第1の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。図4A,4Bにおいて、特性L1は、図3Cに示した拡張部を持たない高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示し、特性L2は、図3Aに示した拡張部を持つ本実施の形態にかかる高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示している。
したがって、図4A,図4Bから明らかなように、信号周波数10GHz以上において、反射損失および通過損失のいずれにおいても損失が改善されており、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、少なくとも信号周波数が10GHz〜60GHzの範囲の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬できていることが分かる。
[第1の実施形態の効果]
このように、本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を設けたものである。
具体的には、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁を、高周波信号線路12の伸延方向Xと直交する直交方向Yに沿って、平面視略直線状に形成したものである。
これにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域22では電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域21では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、図5A〜図5Eを参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図5Aは、第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図5Bは、図5AのI−I断面図である。図5Cは、図5Aの左側面図である。図5Dは、図5BのII−II断面図である。図5Eは、図5BのIII−III断面図である。
第1の実施の形態では、高周波信号線路12がマイクロストリップ線路からなる場合を例として説明した。本実施の形態では、高周波信号線路12がグランデッドコプレーナ線路からなる場合について説明する。
本実施の形態において、高周波信号線路12は、多層配線基板11の最上層に線状に形成された金属などの導体と、絶縁層11Pを介して最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gからなる底面グランドとを有する、特性インピーダンスZ0のグランデッドコプレーナ線路から構成されている。
また、多層配線基板11の最上層には、上部グランドプレーン17が形成されている。この上部グランドプレーン17は、接地電位に接続された金属などの導体層からなり、当該導体層が高周波信号ビア14を中心として平面視略円環状に選択除去されてなる上部アンチパッド領域16を挟んで、高周波信号ビア14および高周波信号線路12の周囲に形成された接地導体である。
本実施の形態にかかるその他の構造については、第1の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を形成したものである。
この拡張部13により、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域において、高周波信号線路12と接地電位との間の電気容量を高くさせ、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間での電界密度を上昇させている。
図6Aは、第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図6Bは、図6AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図6Cは、図6AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。図6Dは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図6Eは、図6DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図6Fは、図6DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。
図6Cと図6Fとを比較して明らかなように、直下グランドプレーン11Gの拡張部13の有無によって電界強度分布の広がりが大きく異なり、図6Fの電界強度分布の方が広く、電界密度が低いことが分かる。
よって、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間における電気容量の大小も図6Fの方が小さいことも分かる。
高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現される。ここで、Lは高周波信号線路のインダクタンス、Cは電気容量である。今、電気容量について注目すると、図6Fの電気容量が小さいことから、高周波伝送線路の特性インピーダンスが上昇することが分かる。
本実施の形態では、高周波信号線路12と擬似同軸線路構造とのそれぞれの特性インピーダンスはZ0で等しくなっていることから、互いの接続部の近傍においても特性インピーダンスをZ0にすることが望ましいことは言うまでもない。これは、接続部における電界強度分布の安定性の有無として現れる。
図7Aは、第2の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図7Bは、図7AのI−I断面図である。図7Cは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図7Dは、図7CのII−II断面図である。
図7Aおよび図7Bにおける電界強度分布31は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けた場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示しており、図7Cおよび図7Dにおける電界強度分布32は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示している。
本実施の形態は、拡張部13を設けたことにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ内側領域21と折り曲げ外側領域22とでは電気容量が異なり、折り曲げ内側領域21の電気容量の方が大きくなるという特徴を備えている。これにより、高周波信号線路12で生じる電界強度分布と同様に、折り曲げ内側領域21で電界強度分布の閉じ込めが比較的強くなる。
よって、図7Aおよび図7Bの電界強度分布31に示されているように、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号線路12から高周波信号ビア14に向かう高周波信号の反射や放射が比較的低くなり、安定した伝搬特性が得られる。
一方、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合、高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続部の近傍では特性インピーダンスの上昇が生じており、さらに基板平面方向から垂直方向への屈曲構造を備えている。このため、図7Cおよび図7Dの電界強度分布32に示されているように、高周波信号は高周波信号ビア14方向に伝搬し難くなり、屈曲部において大きな放射や反射が生じる。
図8Aは、第2の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。図8Bは、第2の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。図8A,図8Bにおいて、特性L1は、図7Cに示した拡張部を持たない高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示し、特性L2は、図7Aに示した拡張部を持つ本実施の形態にかかる高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示している。
したがって、図8A,図8Bから明らかなように、信号周波数10GHz以上において、反射損失および通過損失のいずれにおいても損失が改善されており、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、少なくとも信号周波数が10GHz〜60GHzの範囲の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬できていることが分かる。
[第2の実施形態の効果]
このように、本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を設けたものである。
これにより、高周波信号線路12がグランデッドコプレーナ線路からなる場合であっても、入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域22の電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域21では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、図9A〜図9Eを参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図9Aは、第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図9Bは、図9AのI−I断面図である。図9Cは、図9Aの左側面図である。図9Dは、図9BのII−II断面図である。図9Eは、図9BのIII−III断面図である。
本実施の形態では、第1の実施の形態において、多層配線基板11の最上層に接する絶縁層11Pの厚さが、多層配線基板11の内層に位置する絶縁層11Pより小さい場合について説明する。
すなわち、図9Bに示すように、本実施の形態において、多層配線基板11の最上層の直下に位置する直下絶縁層11Pの厚さH1が、多層配線基板11の内層に位置する内層絶縁層11Pの厚さH2より小さくなるよう形成されている。
一般的には、高周波信号線路12とグランドプレーン11Gとの間で形成される電気容量Cは、直下絶縁層11Pの厚さが薄くなるほど上昇する傾向がある。したがって、高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現されるため、電気容量Cの上昇によって特性インピーダンスが低下してしまうことになる。この一連の現象を避けるため、本実施の形態では高周波信号線路12の線幅を狭くすることで、電気容量Cの上昇を抑制させ、高周波信号線路12の特性インピーダンスを擬似同軸線路構造の特性インピーダンスZ0に整合させている。
図10Aは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。図10Bは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。
両者を比較して明らかなように、本実施の形態のように絶縁層が薄い場合には電界分布の広がりが狭く、電界密度が比較的高くなる。よって、高周波信号線路12の直下に位置する直下グランドプレーン11Gの面積を小さく形成することが可能であることが容易にわかる。
この際、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域では、高周波信号線路12とグランドプレーン11Gとの間の距離が離れて、電気容量Cが小さくなる。このため、特性インピーダンスが許容範囲を超えて上昇する場合がある。
本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち、高周波信号線路12の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を形成したものである。
また、拡張部13に与える形状として、図9Aに示したように、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁に、高周波信号線路12の伸延方向Xに向けて凸となる凸形状、具体的には放物線状に形成したものである。
この拡張部13により、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域において、高周波信号線路12と接地電位との間の電気容量を高くさせ、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間での電界密度を上昇させている。
図11Aは、第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図11Bは、図11AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図11Cは、図11AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。図11Dは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図11Eは、図11DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図11Fは、図11DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。
図11Cと図11Fとを比較して明らかなように、直下グランドプレーン11Gの拡張部13の有無によって電界強度分布の広がりが大きく異なり、図11Fの電界強度分布の方が広く、電界密度が低いことが分かる。
よって、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間における電気容量の大小も図11Fの方が小さいことも分かる。
高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現される。ここで、Lは高周波信号線路のインダクタンス、Cは電気容量である。今、電気容量について注目すると、図11Fの電気容量が小さいことから、高周波伝送線路の特性インピーダンスが上昇することが分かる。
本実施の形態では、高周波信号線路12と擬似同軸線路構造とのそれぞれの特性インピーダンスはZ0で等しくなっていることから、互いの接続部の近傍においても特性インピーダンスをZ0にすることが望ましいことは言うまでもない。これは、接続部における電界強度分布の安定性の有無として現れる。
図12Aは、第3の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図12Bは、図12AのI−I断面図である。図12Cは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図12Dは、図12CのII−II断面図である。
図12Aおよび図12Bにおける電界強度分布31は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けた場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示しており、図12Cおよび図12Dにおける電界強度分布32は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示している。
本実施の形態は、拡張部13を設けたことにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ内側領域21と折り曲げ外側領域22とでは電気容量が異なり、折り曲げ内側領域21の電気容量の方が大きくなるという特徴を備えている。これにより、高周波信号線路12で生じる電界強度分布と同様に、折り曲げ内側領域21で電界強度分布の閉じ込めが比較的強くなる。
よって、図12Aおよび図12Bの電界強度分布31に示されているように、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号線路12から高周波信号ビア14に向かう高周波信号の反射や放射が比較的低くなり、安定した伝搬特性が得られる。
一方、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合、高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続部の近傍では特性インピーダンスの上昇が生じており、さらに基板平面方向から垂直方向への屈曲構造を備えている。このため、図12Cおよび図12Dの電界強度分布32に示されているように、高周波信号は高周波信号ビア14方向に伝搬し難くなり、屈曲部において大きな放射や反射が生じる。
図13Aは、第3の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。図13Bは、第3の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。図4A,4Bにおいて、特性L1は、図12Cに示した拡張部を持たない高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示し、特性L2は、図12Aに示した拡張部を持つ本実施の形態にかかる高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示している。
したがって、図13A,図13Bから明らかなように、信号周波数10GHz以上において、反射損失および通過損失のいずれにおいても損失が改善されており、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、少なくとも信号周波数が10GHz〜60GHzの範囲の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬できていることが分かる。
[第3の実施形態の効果]
このように、本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を設けたものである。
具体的には、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁を、高周波信号ビア14に向けて凸となる凸形状に形成したものである。
これにより、多層配線基板11の最上層に接する絶縁層11Pの厚さが、多層配線基板11の内層に位置する絶縁層11Pより小さい場合であっても、入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域22の電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域21では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、図14A〜図14Eを参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図14Aは、第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図14Bは、図14AのI−I断面図である。図14Cは、図14Aの左側面図である。図14Dは、図14BのII−II断面図である。図14Eは、図14BのIII−III断面図である。
本実施の形態では、第3の実施の形態において、高周波信号線路12がグランデッドコプレーナ線路からなる場合について説明する。
本実施の形態において、高周波信号線路12は、第2の実施の形態と同様、多層配線基板11の最上層に線状に形成された金属などの導体と、絶縁層11Pを介して最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gからなる底面グランドとを有する、特性インピーダンスZ0のグランデッドコプレーナ線路から構成されている。
本実施の形態にかかるその他の構造については、第3の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、図14Bに示すように、多層配線基板11の最上層の直下に位置する直下絶縁層11Pの厚さH1が、多層配線基板11の内層に位置する内層絶縁層11Pの厚さH2より小さくなるよう形成されている。
一般的には、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間で形成される電気容量Cは、直下絶縁層11Pの厚さが薄くなるほど上昇する傾向がある。したがって、高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現されるため、電気容量Cの上昇によって特性インピーダンスが低下してしまうことになる。この一連の現象を避けるため、本実施の形態では高周波信号線路の線幅を狭くすることで、電気容量Cの上昇を抑制させ、高周波信号線路12の特性インピーダンスを擬似同軸線路構造の特性インピーダンスZ0に整合させている。
図15Aは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。図15Bは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。
両者を比較して明らかなように、本実施の形態のように絶縁層が薄い場合には電界分布の広がりが狭く、電界密度が比較的高くなる。よって、高周波信号線路12の直下に位置する直下グランドプレーン11Gの面積を小さく形成することが可能であることが容易にわかる。
この際、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域では、高周波信号線路12とグランドプレーン11Gとの間の距離が離れて、電気容量Cが小さくなる。このため、特性インピーダンスが許容範囲を超えて上昇する場合がある。
本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち、高周波信号線路12の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を形成したものである。
また、拡張部13に与える形状として、図14Aに示したように、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁を、高周波信号線路12の伸延方向Xに向けて凸となる放物線状に形成したものである。
この拡張部13により、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域において、高周波信号線路12と接地電位との間の電気容量を高くさせ、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間での電界密度を上昇させている。
図16Aは、第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図16Bは、図16AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図16Cは、図16AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。図16Dは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図16Eは、図16DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図16Fは、図16DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。
図16Cと図16Fとを比較して明らかなように、直下グランドプレーン16Gの拡張部13の有無によって電界強度分布の広がりが大きく異なり、図16Fの電界強度分布の方が広く、電界密度が低いことが分かる。
よって、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間における電気容量の大小も図16Fの方が小さいことも分かる。
高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現される。ここで、Lは高周波信号線路のインダクタンス、Cは電気容量である。今、電気容量について注目すると、図16Fの電気容量が小さいことから、高周波伝送線路の特性インピーダンスが上昇することが分かる。
本実施の形態では、高周波信号線路12と擬似同軸線路構造とのそれぞれの特性インピーダンスはZ0で等しくなっていることから、互いの接続部の近傍においても特性インピーダンスをZ0にすることが望ましいことは言うまでもない。これは、接続部における電界強度分布の安定性の有無として現れる。
図17Aは、第4の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図17Bは、図17AのI−I断面図である。図17Cは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図17Dは、図17CのII−II断面図である。
図17Aおよび図17Bにおける電界強度分布31は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けた場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示しており、図17Cおよび図17Dにおける電界強度分布32は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示している。
本実施の形態は、拡張部13を設けたことにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ内側領域21と折り曲げ外側領域22とでは電気容量が異なり、折り曲げ内側領域21の電気容量の方が大きくなるという特徴を備えている。これにより、高周波信号線路12で生じる電界強度分布と同様に、折り曲げ内側領域21で電界強度分布の閉じ込めが比較的強くなる。
よって、図17Aおよび図17Bの電界強度分布31に示されているように、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号線路12から高周波信号ビア14に向かう高周波信号の反射や放射が比較的低くなり、安定した伝搬特性が得られる。
一方、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合、高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続部の近傍では特性インピーダンスの上昇が生じており、さらに基板平面方向から垂直方向への屈曲構造を備えている。このため、図17Cおよび図17Dの電界強度分布32に示されているように、高周波信号は高周波信号ビア14方向に伝搬し難くなり、屈曲部において大きな放射や反射が生じる。
図18Aは、第4の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。図18Bは、第4の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。図18A,図18Bにおいて、特性L1は、図17Cに示した拡張部を持たない高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示し、特性L2は、図17Aに示した拡張部を持つ本実施の形態にかかる高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示している。
したがって、図18A,図18Bから明らかなように、信号周波数10GHz以上において、反射損失および通過損失のいずれにおいても損失が改善されており、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、少なくとも信号周波数が10GHz〜60GHzの範囲の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬できていることが分かる。
[第4の実施形態の効果]
このように、本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を設けたものである。
具体的には、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁を、高周波信号線路12の伸延方向Xに向けて凸となる放物線状に形成したものである。
これにより、第3の実施の形態において、高周波信号線路12がグランデッドコプレーナ線路からなる場合であっても、入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域22の電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域21では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
[第5の実施の形態]
次に、図19A〜図19Eを参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図19Aは、第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図19Bは、図19AのI−I断面図である。図19Cは、図19Aの左側面図である。図19Dは、図19BのII−II断面図である。図19Eは、図19BのIII−III断面図である。
本実施の形態では、第3の実施の形態において、直下グランドプレーン11Gに形成した拡張部13の具体的形状として、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁に、高周波信号ビア14と距離をおいて離間する凹部13Aを形成した場合について説明する。
本実施の形態にかかるその他の構造については、第3の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、図19Bに示すように、多層配線基板11の最上層の直下に位置する直下絶縁層11Pの厚さH1が、多層配線基板11の内層に位置する内層絶縁層11Pの厚さH2より小さくなるよう形成されている。
一般的には、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間で形成される電気容量Cは、直下絶縁層11Pの厚さが薄くなるほど上昇する傾向がある。したがって、高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現されるため、電気容量Cの上昇によって特性インピーダンスが低下してしまうことになる。この一連の現象を避けるため、本実施の形態では高周波信号線路の線幅を狭くすることで、電気容量Cの上昇を抑制させ、高周波信号線路12の特性インピーダンスを擬似同軸線路構造の特性インピーダンスZ0に整合させている。
図20Aは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。図20Bは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。
両者を比較して明らかなように、本実施の形態のように絶縁層が薄い場合には電界分布の広がりが狭く、電界密度が比較的高くなる。よって、高周波信号線路12の直下に位置する直下グランドプレーン11Gの面積を小さく形成することが可能であることが容易にわかる。
この際、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域では、高周波信号線路12とグランドプレーン11Gとの間の距離が離れて、電気容量Cが小さくなる。このため、特性インピーダンスが許容範囲を超えて上昇する場合がある。
本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち、高周波信号線路12の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を形成したものである。
また、図19Aに示すように、直下グランドプレーン11Gに形成した拡張部13の具体的形状として、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁に、高周波信号ビア14と距離をおいて離間する凹部13Aを形成したものである。
この凹部13Aにより、アンチパッド領域16のうち直交方向Yに高周波信号ビア14を挟んで位置する領域まで、拡張部13の端縁を拡張することができ、効率よく拡張部13の面積を増大させることができる。これにより、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域において、高周波信号線路12と接地電位との間の電気容量を高くさせ、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間での電界密度を上昇させている。
なお、本実施の形態では、拡張部13の端縁が、高周波信号線路12の伸延方向Xにおける先端位置まで、拡張されている場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。実際には、伸延方向Xにおいて、拡張部13の端縁が、高周波信号ビア14との間に電気的特性を維持するための一定の距離だけ離間した位置から、上記先端位置よりもさらに伸延方向Xに突出しない範囲内であれば、いずれの位置の拡張部13の端縁があってもよく、端縁の形状が直線形状のほか、放物線形状など、他の形状であってもよい。
図21Aは、第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図21Bは、図21AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図21Cは、図21AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。図21Dは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図21Eは、図21DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図21Fは、図21DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。
図21Cと図21Fとを比較して明らかなように、直下グランドプレーン16Gの拡張部13の有無によって電界強度分布の広がりが大きく異なり、図21Fの電界強度分布の方が広く、電界密度が低いことが分かる。
よって、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間における電気容量の大小も図21Fの方が小さいことも分かる。
高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現される。ここで、Lは高周波信号線路のインダクタンス、Cは電気容量である。今、電気容量について注目すると、図21Fの電気容量が小さいことから、高周波伝送線路の特性インピーダンスが上昇することが分かる。
本実施の形態では、高周波信号線路12と擬似同軸線路構造とのそれぞれの特性インピーダンスはZ0で等しくなっていることから、互いの接続部の近傍においても特性インピーダンスをZ0にすることが望ましいことは言うまでもない。これは、接続部における電界強度分布の安定性の有無として現れる。
図22Aは、第5の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図22Bは、図22AのI−I断面図である。図22Cは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図22Dは、図22CのII−II断面図である。
図22Aおよび図22Bにおける電界強度分布31は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けた場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示しており、図22Cおよび図22Dにおける電界強度分布32は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示している。
本実施の形態は、拡張部13を設けたことにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ内側領域21と折り曲げ外側領域22とでは電気容量が異なり、折り曲げ内側領域21の電気容量の方が大きくなるという特徴を備えている。これにより、高周波信号線路12で生じる電界強度分布と同様に、折り曲げ内側領域21で電界強度分布の閉じ込めが比較的強くなる。
よって、図22Aおよび図22Bの電界強度分布31に示されているように、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号線路12から高周波信号ビア14に向かう高周波信号の反射や放射が比較的低くなり、安定した伝搬特性が得られる。
一方、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合、高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続部の近傍では特性インピーダンスの上昇が生じており、さらに基板平面方向から垂直方向への屈曲構造を備えている。このため、図22Cおよび図22Dの電界強度分布32に示されているように、高周波信号は高周波信号ビア14方向に伝搬し難くなり、屈曲部において大きな放射や反射が生じる。
図23Aは、第5の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。図23Bは、第5の実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。図23A,図23Bにおいて、特性L1は、図22Cに示した拡張部を持たない高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示し、特性L2は、図22Aに示した拡張部を持つ本実施の形態にかかる高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示している。
したがって、図23A,図23Bから明らかなように、信号周波数10GHz以上において、反射損失および通過損失のいずれにおいても損失が改善されており、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、少なくとも信号周波数が10GHz〜60GHzの範囲の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬できていることが分かる。
[第5の実施形態の効果]
このように、本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を設けたものである。
具体的には、拡張部13の具体的形状として、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁に、高周波信号ビア14と距離をおいて離間する凹部13Aを形成したものである。
これにより、第1の実施の形態において、多層配線基板11の最上層に接する絶縁層11Pの厚さが、多層配線基板11の内層に位置する絶縁層11Pより小さい場合であっても、入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域22の電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域21では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
[第6の実施の形態]
次に、図24A〜図24Eを参照して、本発明の第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路10について説明する。図24Aは、第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図24Bは、図24AのI−I断面図である。図24Cは、図24Aの左側面図である。図24Dは、図24BのII−II断面図である。図24Eは、図24BのIII−III断面図である。
本実施の形態では、第5の実施の形態において、高周波信号線路12がグランデッドコプレーナ線路からなる場合について説明する。
本実施の形態において、高周波信号線路12は、第2の実施の形態と同様、多層配線基板11の最上層に線状に形成された金属などの導体と、絶縁層11Pを介して最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gからなる底面グランドとを有する、特性インピーダンスZ0のグランデッドコプレーナ線路から構成されている。
本実施の形態にかかるその他の構造については、第5の実施の形態と同様であり、本実施の形態においても、図24Bに示すように、多層配線基板11の最上層の直下に位置する直下絶縁層11Pの厚さH1が、多層配線基板11の内層に位置する内層絶縁層11Pの厚さH2より小さくなるよう形成されている。
一般的には、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間で形成される電気容量Cは、直下絶縁層11Pの厚さが薄くなるほど上昇する傾向がある。したがって、高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現されるため、電気容量Cの上昇によって特性インピーダンスが低下してしまうことになる。この一連の現象を避けるため、本実施の形態では高周波信号線路の線幅を狭くすることで、電気容量Cの上昇を抑制させ、高周波信号線路12の特性インピーダンスを擬似同軸線路構造の特性インピーダンスZ0に整合させている。
図25Aは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が薄い場合)を示す説明図である。図25Bは、高周波信号線路とグランドプレーンとの間で形成される電気力線分布(絶縁層が厚い場合)を示す説明図である。
両者を比較して明らかなように、本実施の形態のように絶縁層が薄い場合には電界分布の広がりが狭く、電界密度が比較的高くなる。よって、高周波信号線路12の直下に位置する直下グランドプレーン11Gの面積を小さく形成することが可能であることが容易にわかる。
この際、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域では、高周波信号線路12とグランドプレーン11Gとの間の距離が離れて、電気容量Cが小さくなる。このため、特性インピーダンスが許容範囲を超えて上昇する場合がある。
本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち、高周波信号線路12の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を形成したものである。
また、図24Aに示すように、直下グランドプレーン11Gに形成した拡張部13の具体的形状として、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁に、高周波信号ビア14と距離をおいて離間する凹部13Aを形成したものである。
この凹部13Aにより、アンチパッド領域16のうち直交方向Yに高周波信号ビア14を挟んで位置する領域まで、拡張部13の端縁を拡張することができ、効率よく拡張部13の面積を増大させることができる。これにより、アンチパッド領域16のうち高周波信号線路12が高周波信号ビア14に接続されるまでの接続領域において、高周波信号線路12と接地電位との間の電気容量を高くさせ、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間での電界密度を上昇させている。
なお、本実施の形態では、拡張部13の端縁が、高周波信号線路12の伸延方向Xにおける先端位置まで、拡張されている場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。実際には、伸延方向Xにおいて、拡張部13の端縁が、高周波信号ビア14との間に電気的特性を維持するための一定の距離だけ離間した位置から、上記先端位置よりもさらに伸延方向Xに突出しない範囲内であれば、いずれの位置の拡張部13の端縁があってもよく、端縁の形状が直線形状のほか、放物線形状など、他の形状であってもよい。
図26Aは、第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図26Bは、図26AのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図26Cは、図26AのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。図26Dは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の構成を示す上面図である。図26Eは、図26DのI−I断面図における電界強度分布を示す説明図である。図26Fは、図26DのII−II断面図における電界強度分布を示す説明図である。
図26Cと図26Fとを比較して明らかなように、直下グランドプレーン16Gの拡張部13の有無によって電界強度分布の広がりが大きく異なり、図26Fの電界強度分布の方が広く、電界密度が低いことが分かる。
よって、高周波信号線路12と直下グランドプレーン11Gとの間における電気容量の大小も図26Fの方が小さいことも分かる。
高周波信号線路の特性インピーダンスZは、Z=√(L/C)として一般的に表現される。ここで、Lは高周波信号線路のインダクタンス、Cは電気容量である。今、電気容量について注目すると、図26Fの電気容量が小さいことから、高周波伝送線路の特性インピーダンスが上昇することが分かる。
本実施の形態では、高周波信号線路12と擬似同軸線路構造とのそれぞれの特性インピーダンスはZ0で等しくなっていることから、互いの接続部の近傍においても特性インピーダンスをZ0にすることが望ましいことは言うまでもない。これは、接続部における電界強度分布の安定性の有無として現れる。
図27Aは、第6の実施の形態にかかる高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図27Bは、図27AのI−I断面図である。図27Cは、直下グランドプレーンに拡張部を持たない高周波伝送線路の電界強度分布を示す上面図である。図27Dは、図27CのII−II断面図である。
図27Aおよび図27Bにおける電界強度分布31は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けた場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示しており、図27Cおよび図27Dにおける電界強度分布32は、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合の電界強度分布(シミュレーション結果)を示している。
本実施の形態は、拡張部13を設けたことにより、高周波信号線路12に入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ内側領域21と折り曲げ外側領域22とでは電気容量が異なり、折り曲げ内側領域21の電気容量の方が大きくなるという特徴を備えている。これにより、高周波信号線路12で生じる電界強度分布と同様に、折り曲げ内側領域21で電界強度分布の閉じ込めが比較的強くなる。
よって、図27Aおよび図27Bの電界強度分布31に示されているように、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、高周波信号線路12から高周波信号ビア14に向かう高周波信号の反射や放射が比較的低くなり、安定した伝搬特性が得られる。
一方、直下グランドプレーン11Gに拡張部13を設けていない場合、高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続部の近傍では特性インピーダンスの上昇が生じており、さらに基板平面方向から垂直方向への屈曲構造を備えている。このため、図27Cおよび図27Dの電界強度分布32に示されているように、高周波信号は高周波信号ビア14方向に伝搬し難くなり、屈曲部において大きな放射や反射が生じる。
図28Aは、第6の実施の形態で得られる反射損失の周波数特性を示すグラフである。図28Bは、第6実施の形態で得られる通過損失の周波数特性を示すグラフである。図28A,図28Bにおいて、特性L1は、図27Cに示した拡張部を持たない高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示し、特性L2は、図27Aに示した拡張部を持つ本実施の形態にかかる高周波伝送線路構造による3次元電磁界シミュレーション結果を示している。
したがって、図28A,図28Bから明らかなように、信号周波数10GHz以上において、反射損失および通過損失のいずれにおいても損失が改善されており、基板平面方向から垂直方向への屈曲部において、少なくとも信号周波数が10GHz〜60GHzの範囲の高周波信号を少ない通過損失および反射損失で伝搬できていることが分かる。
[第6の実施形態の効果]
このように、本実施の形態は、多層配線基板11を構成するグランドプレーン11Gのうち最上層の直下に形成された直下グランドプレーン11Gに、アンチパッド領域16のうち高周波信号ビア14と接触しない範囲で、高周波信号線路12がアンチパッド領域16の外周縁と平面視において交差する交点Pから高周波信号ビア14に向けて、直下グランドプレーン11Gの端部が拡張された拡張部13を設けたものである。
具体的には、拡張部13の具体的形状として、拡張部13のうちアンチパッド領域16との境界となる端縁に、高周波信号ビア14と距離をおいて離間する凹部13Aを形成したものである。
これにより、第5の実施の形態において、高周波信号線路12がグランデッドコプレーナ線路からなる場合であっても、入力された高周波信号を、基板平面方向から垂直方向に折り曲げる際、折り曲げ外側領域22の電気容量が低減されて電界密度分布が低くなり、折り曲げ内側領域21では電気容量が高くなって電界密度分布が上昇する。したがって、高周波信号が折り曲がる高周波信号線路12と高周波信号ビア14との接続点において、より効果的に、高周波信号の反射や空間中への放射を抑制することができ、10GHz以上の高周波信号を、少ない通過損失および反射損失で伝搬させることが可能となる。
[実施の形態の拡張]
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。また、各実施形態については、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することができる。
10…高周波伝送線路、11…多層配線基板、11G…グランドプレーン、11P…絶縁層、12…高周波信号線路、13…拡張部、13A…凹部、14…高周波信号ビア、15…グランドビア、16…アンチパッド領域、17…上部グランドプレーン、21…折り曲げ内側領域、22…折り曲げ外側領域、H1…厚さ(直下絶縁層)、H2…厚さ(層内絶縁層)、P…交点、X…伸延方向、Y…直交方向、Z…垂直方向。

Claims (4)

  1. グランドプレーンと絶縁体、あるいはグランドプレーンと半導体とが交互に積層された多層配線基板と、
    前記グランドプレーンが選択的に除去されたアンチパッド領域を、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された高周波信号ビアと、
    前記アンチパッド領域の外側に前記高周波信号ビアを囲うように点在配置されて、前記各グランドプレーンと接続するとともに、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された複数のグランドビアと、
    前記最上層に線状に形成されて、先端が前記高周波信号ビアの上端と接続された高周波信号線路とを備え、
    前記グランドプレーンのうち前記最上層の直下に形成された直下グランドプレーンは、前記アンチパッド領域のうち前記高周波信号ビアと接触しない範囲で、前記高周波信号線路が前記アンチパッド領域の外周縁と交差する交点から前記高周波信号ビアに向けて、当該直下グランドプレーンの端部が拡張された拡張部を有し、
    前記拡張部のうち前記アンチパッド領域との境界となる端縁は、前記高周波信号ビアに向けて凸となる凸形状に形成されている
    ことを特徴とする高周波伝送線路。
  2. グランドプレーンと絶縁体、あるいはグランドプレーンと半導体とが交互に積層された多層配線基板と、
    前記グランドプレーンが選択的に除去されたアンチパッド領域を、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された高周波信号ビアと、
    前記アンチパッド領域の外側に前記高周波信号ビアを囲うように点在配置されて、前記各グランドプレーンと接続するとともに、前記多層配線基板の最上層から最下層まで垂直方向に貫通して形成された複数のグランドビアと、
    前記最上層に線状に形成されて、先端が前記高周波信号ビアの上端と接続された高周波信号線路とを備え、
    前記グランドプレーンのうち前記最上層の直下に形成された直下グランドプレーンは、前記アンチパッド領域のうち前記高周波信号ビアと接触しない範囲で、前記高周波信号線路が前記アンチパッド領域の外周縁と交差する交点から前記高周波信号ビアに向けて、当該直下グランドプレーンの端部が拡張された拡張部を有し、
    前記拡張部のうち前記アンチパッド領域との境界となる端縁は、前記高周波信号ビアと距離をおいて離間する凹部を有する
    ことを特徴とする高周波伝送線路。
  3. 請求項に記載の高周波伝送線路において、
    前記凹部の端縁は、前記高周波信号ビアを囲うように、前記高周波信号線路の伸延方向に沿って前記高周波信号ビアの先端位置まで拡張されていることを特徴とする高周波伝送線路。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の高周波伝送線路において、
    前記高周波信号線路は、マイクロストリップ線路、または、グランデッドコプレーナ線路からなることを特徴とする高周波伝送線路。
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