JP6009670B2 - ビーム輸送系及び粒子線治療装置 - Google Patents
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Description
本発明は、陽子や重粒子などの荷電粒子からなる荷電粒子ビームを輸送するビーム輸送系及び、輸送された荷電粒子ビームを物体、人体等の被照射体に照射する粒子線治療装置に関するものである。
一般に、粒子線治療装置は、荷電粒子ビームを発生するビーム発生装置と、ビーム発生装置につながれ、発生した荷電粒子ビームを加速する加速器と、加速器で設定されたエネルギーまで加速された後に出射される荷電粒子ビームを輸送する荷電粒子ビーム輸送系と、ビーム輸送系の下流側に設置され、荷電粒子ビームを照射対象に照射するための粒子線照射装置とを備える。
一般に、ビーム輸送系は、加速器のビーム軌道上の1点と、ビーム照射位置(アイソセンタ)とに2つの基準点を設定して、光学パラメータを設計している。加速器のビーム軌道上の1点は、光学パラメータ設計の始点となり、ビーム照射位置、特にその中心であるアイソセンタは光学パラメータ設計の終点となる。具体的には、ビーム輸送系は、加速器と当該ビーム輸送系(高エネルギービーム輸送装系(HEBT系))との取り合い点(始点)でのビーム初期条件を設計値として、当該ビーム輸送系の電磁石の強度を計算し、電磁石にその強度(励磁電流)を設定し、照射位置にビームが到達するように、ビームを運んでいた。
加速器が小型医療用のシクロトロンである場合、シンクロトロンの初期値が理想値(設計値)であっても、シンクロトロンの電磁石類の想定していない磁場(工作誤差などで発生する磁場)のため、六極電磁石を適切に配置してもHardtの条件を満たさず、セパラトリクスの出射枝がエネルギーにより異なることがあった。このため、エネルギー値により前記取り合い点でのビームの角度(傾き)や位置が異なる現象(色収差)があり、加速器のビーム出射法によっては、照射位置でのビームの位置が動いたり、ビーム径が大きくなったりする現象が発生していた。
ビームの角度(傾き)や位置が異なる現象である色収差が発生する理由を説明する。図15は位相空間における始点でのビームの動きを説明する図であり、図16はビーム軌道を説明する図である。図15の横軸はビーム軌道中心軸に垂直なx方向の距離ΔXであり、縦軸はΔXのビーム軌道中心軸に対する傾きΔX’である。図16の横軸はビームの進行方向に延伸するs軸であり、縦軸はx方向の距離ΔXである。図16に、ビーム軌道変更に関わる偏向電磁石63と四極電磁石64の位置、始点S、終点Tを示した。図16の上側にはビーム出射が理想的な場合を示し、図16の下側にはビーム出射が理想からずれた場合を示した。
従来、始点Sでのビームは動きが無いとして、図15の楕円62で示した想定位相空間分布を有するビームと仮定して、ビーム輸送系のビーム光学系を設計していた。しかし、実際のビームは、時間によって位相空間分布が61a、61b、61cのように変化している位相空間分布60を有している。実際のビームは、図5に示すように断続的に電流値がゼロとゼロ以外の値とを繰り返しており、時刻t1、t2、t3でビームの位相空間分布が異なっている。例えば、ビームの位相空間分布は、時刻t1(スピル始め)の場合は位相空間分布61aであり、時刻t2(スピル中央)の場合は位相空間分布61bであり、時刻t3(スピル終わり)の場合は位相空間分布61cである。
ビーム出射が理想的な場合は、図16の上側に示すように、始点Sでの位相空間におけるビームは動きが無くても、上流側ではビーム軌道65a、65b、65cのように変動するが、下流側では偏向電磁石63と四極電磁石64の励磁電流の調整により、ビーム軌道がビーム軸(s軸)に一致し、終点Tにおいて色収差が発生しないように調整可能である。しかしながら、ビーム出射が理想的な状態からずれた場合、すなわち位相空間分布が時間的に変動する場合は、図16の下側に示すように、下流側においてもビーム軌道66a、66b、66cのように変動し、照射位置である終点Tにおいて色収差が発生する。例えば、ビーム軌道66aは位相空間分布61aに対応する軌道であり、ビーム軌道66bは位相空間分布61bに対応する軌道であり、ビーム軌道66cは位相空間分布61cに対応する軌道である。ビーム出射が理想的な状態からずれた場合は、終点Tにおいて色収差が発生するので、ビーム径が広がり、ビーム位置(重心位置)がビーム軸(s軸)から離れた位置になる。
実際のビーム輸送系では、始点Sでのビームの位相空間分布の時間変動があり、このビームの位相空間分布の時間変動を考慮しない場合は、上述したように終点Tにおいて色収差が発生してしまうので、終点Tにおいて色収差をゼロにするためには始点Sでのビームの位相空間分布の時間変動を考慮する必要がある。
特許文献1には、ビームサイズの調整を容易にするために、ビームサイズ調整の自動化を実現する手法が記載されている。特許文献1の荷電粒子ビーム輸送装置は、加速器の出口から照射装置の入口までの間に設置された複数のプロファイルモニタで測定されたビームサイズとビームプロファイルに基づいて、四極電磁石等のビーム収束装置の収束力に対するビームサイズの関係を示す感度行列を算出する感度計算装置と、設定されたビームサイズの調整目標値から感度行列を用いてビームの収束力を算出する励磁電流補正量計算装置を備えており、励磁電流補正量計算装置で計算した励磁電流によりビーム収束装置を制御している。特許文献1のビームサイズの調整方法は、ビーム輸送の荒調整後にプロファイルモニタにより測定したビームサイズとビームプロファイルから感度行列を求め、感度行列を用いて各ビーム収束装置の励磁電流を算出し、この励磁電流で各ビーム収束装置を励磁する調整を行い、ビームサイズが所望値に十分に近づくまで、繰り返していた。
特許文献1の荷電粒子ビーム輸送装置(ビーム輸送系に相当)は、ビームサイズが所望値に十分に近づくように、プロファイルモニタで測定したビームサイズの感度行列を用いて、各ビーム収束装置の励磁電流を算出し、この励磁電流で各ビーム収束装置を励磁する調整を繰り返すことで、ビームサイズの調整を行っていた。しかしながら、特許文献1の荷電粒子ビーム輸送装置は、光学パラメータ設計の始点及び終点において色収差を考慮していないので、ビーム輸送経路上のプロファイルモニタで測定したビームサイズが所望値にできたとしても、照射位置でのビームの色収差をほぼゼロにすることはできない。また、小型化されたシンクロトロンの場合は、上述したようにビーム輸送系の光学パラメータ設計の始点において色収差をゼロにすることは困難なので、特許文献1のビームサイズの調整方法を小型化されたシンクロトロンに適用すると、ビーム調整の繰り返し回数が増加する。特許文献1のビームサイズの調整方法では、ビーム調整はできたとしても、やはり照射位置でのビームの色収差をほぼゼロにすることはできない問題があった。
小型化のシンクロトロンの場合に、ビーム輸送系の光学パラメータ設計の始点において色収差をゼロにしようとすると、高性能な偏向電磁石や四極電磁石や六極電磁石を用いることが必要になり、加速器やビーム輸送系の大型や複雑化を招き、加速器やビーム輸送系が高額になってしまう問題あった。
本発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、小型化のシンクロトロンから出射されるビームであっても、ビームの照射位置においてビームの色収差をほぼゼロにできるビーム輸送系を得ることを目的にする。
本発明に係るビーム輸送系は、荷電粒子ビームを偏向する、少なくとも1つの偏向電磁石と、荷電粒子ビームを収束または発散させる、少なくとも2つの四極電磁石と、荷電粒子ビームのプロファイルデータを検出する、少なくとも1つのビームプロファイルモニタと、プロファイルデータに基づいて、ビームプロファイルモニタにおける、ビーム位置の時間変動量またはビーム径であるビーム時間変動関連量を計算するビーム解析装置と、ビーム輸送系の光学パラメータを計算する光学パラメータ計算装置と、光学パラメータ計算装置により計算された光学パラメータに基づいて、偏向電磁石及び四極電磁石の励磁電流を設定する電磁石電源と、を備える。本発明に係るビーム輸送系の光学パラメータ計算装置は、ビーム時間変動関連量に基づいて、加速器のビーム軌道上に設定されたビーム輸送系の設計始点における荷電粒子ビームの運動量分散関数である始点運動量分散関数を計算し、始点運動量分散関数と、プロファイルデータを検出した際の照射位置における当初条件とを初期条件とした光学パラメータを計算することを特徴とする。
本発明に係るビーム輸送系によれば、ビーム時間変動関連量に基づいた設計始点における荷電粒子ビームの始点運動量分散関数と、プロファイルデータを検出した際の照射位置における当初条件とを初期条件として計算された光学パラメータに基づいて、偏向電磁石及び四極電磁石の励磁電流を設定するので、小型化のシンクロトロンから出射されるビームであっても、ビームの照射位置においてビームの色収差をほぼゼロにできる。
実施の形態1.
図1は本発明による粒子線治療装置の概略構成図であり、図2は本発明による粒子線照射装置の構成を示す図である。粒子線治療装置20は、入射系1と、加速器3と、ビーム輸送系4と、粒子線照射装置58を備える。入射系1は、入射器2と、四極電磁石6a、6bを有する。加速器3は、複数の偏向電磁石5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5i、5j、5k、5l、5mと、複数の四極電磁石6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、6j、6k、6l、6m、6nと、加速空洞9と、x方向キック電極10と、RF加速電源12と、RFキック電源13と、機器制御装置16とを備える。ビーム輸送系4は、複数の偏向電磁石7a、7bと、複数の四極電磁石8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8hと、ビームプロファイルモニタ11a、11bと、ビーム解析装置14と、電磁石電源15と、光学パラメータ計算装置17とを有する。入射系1及び加速器3の四極電磁石の符号は、総括的に6を用い、区別して説明する場合に6a乃至6nを用いる。加速器3の偏向電磁石の符号は、総括的に5を用い、区別して説明する場合に5a乃至5mを用いる。ビーム輸送系4の偏向電磁石の符号は、総括的に7を用い、区別して説明する場合に7a、7bを用いる。ビーム輸送系4の四極電磁石の符号は、総括的に8を用い、区別して説明する場合に8a乃至8hを用いる。ビームプロファイルモニタの符号は、総括的に11を用い、区別して説明する場合に11a、11bを用いる。
図1は本発明による粒子線治療装置の概略構成図であり、図2は本発明による粒子線照射装置の構成を示す図である。粒子線治療装置20は、入射系1と、加速器3と、ビーム輸送系4と、粒子線照射装置58を備える。入射系1は、入射器2と、四極電磁石6a、6bを有する。加速器3は、複数の偏向電磁石5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h、5i、5j、5k、5l、5mと、複数の四極電磁石6c、6d、6e、6f、6g、6h、6i、6j、6k、6l、6m、6nと、加速空洞9と、x方向キック電極10と、RF加速電源12と、RFキック電源13と、機器制御装置16とを備える。ビーム輸送系4は、複数の偏向電磁石7a、7bと、複数の四極電磁石8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8hと、ビームプロファイルモニタ11a、11bと、ビーム解析装置14と、電磁石電源15と、光学パラメータ計算装置17とを有する。入射系1及び加速器3の四極電磁石の符号は、総括的に6を用い、区別して説明する場合に6a乃至6nを用いる。加速器3の偏向電磁石の符号は、総括的に5を用い、区別して説明する場合に5a乃至5mを用いる。ビーム輸送系4の偏向電磁石の符号は、総括的に7を用い、区別して説明する場合に7a、7bを用いる。ビーム輸送系4の四極電磁石の符号は、総括的に8を用い、区別して説明する場合に8a乃至8hを用いる。ビームプロファイルモニタの符号は、総括的に11を用い、区別して説明する場合に11a、11bを用いる。
偏向電磁石5、7は荷電粒子ビームを偏向し、四極電磁石6、8は、荷電粒子ビームを収束または発散させる。荷電粒子ビームのビーム座標系は、荷電粒子ビームの進行方向(s方向)の軸をs軸、s軸に垂直で、加速器3の周回軌道面の外に広がる方向であるx方向の軸をx軸、s軸及びx軸に垂直なy方向の軸をy軸と呼ぶことにする。加速空洞9は加速器3内を周回する荷電粒子ビームを加速する。x方向キック電極10は、ビーム輸送系4に荷電粒子ビームを出射するために、周回方向から外周側(x方向)へ電場で押す電極である。ビームプロファイルモニタ11は荷電粒子ビームのビーム位置やビームの大きさ等を計算するためのビームプロファイルデータを検出する。ビーム輸送系4は、荷電粒子ビームを、粒子線照射装置58を経由して照射位置Tまで輸送する。
入射器2のイオン源で発生した陽子線等の粒子線である荷電粒子ビームは、入射器2の前段加速器で加速され、四極電磁石6a、6bにより荷電粒子ビームを収束または発散させて加速器3に入射される。ここでは、加速器3は、シンクロトロンを例に説明する。荷電粒子ビームは、所定のエネルギーまで加速される。荷電粒子ビームは、加速器3に設置された偏向電磁石7aからビーム輸送系4に入り、粒子線照射装置58を経由して照射位置Tまで輸送され、患者の照射対象45(図2参照)である患部に照射される。粒子線照射装置58は荷電粒子ビームを所望の照射野を形成するように、ビームを拡大したり、ビームを走査したりして照射対象45(図2参照)に照射する。
図2において、粒子線照射装置58は、荷電粒子ビーム31に垂直な方向であるX方向及びY方向に荷電粒子ビーム31を走査するX方向走査電磁石32及びY方向走査電磁石33と、位置モニタ34と、線量モニタ35と、線量データ変換器36と、ビームデータ処理装置41と、走査電磁石電源37と、粒子線照射装置58を制御する照射管理装置38とを備える。照射管理装置38は、照射制御計算機39と照射制御装置40とを備える。線量データ変換器36は、トリガ生成部42と、スポットカウンタ43と、スポット間カウンタ44とを備える。なお、図2において荷電粒子ビーム31の進行方向は−Z方向である。なお、−Z方向は、ビーム座標系のs方向であるが、図2におけるX方向、Y方向は、ビーム座標系のx方向、y方向とは必ずしも一致しない。
X方向走査電磁石32は荷電粒子ビーム31をX方向に走査する走査電磁石であり、Y方向走査電磁石33は荷電粒子ビーム31をY方向に走査する走査電磁石である。位置モニタ34は、X方向走査電磁石32及びY方向走査電磁石33で走査された荷電粒子ビーム31が通過するビームにおける通過位置(重心位置)やサイズを演算するためのビーム情報を検出する。ビームデータ処理装置41は、位置モニタ34が検出した複数のアナログ信号(ビーム情報)からなるビーム情報に基づいて荷電粒子ビーム31の通過位置(重心位置)やサイズを演算する。また、ビームデータ処理装置41は、荷電粒子ビーム31の位置異常やサイズ異常を示す異常検出信号を生成し、この異常検出信号を照射管理装置38に出力する。
線量モニタ35は、荷電粒子ビーム31の線量を検出する。照射管理装置38は、図示しない治療計画装置で作成された治療計画データに基づいて、照射対象45における荷電粒子ビーム31の照射位置を制御し、線量モニタ35で測定され、線量データ変換器36でデジタルデータに変換された線量が目標線量に達すると荷電粒子ビーム31を次の照射位置へ移動する。走査電磁石電源37は、照射管理装置38から出力されたX方向走査電磁石32及びY方向走査電磁石33への制御入力(指令)に基づいてX方向走査電磁石32及びY方向走査電磁石33の設定電流を変化させる。
ここでは、粒子線照射装置58のスキャニング照射方式を、ハイブリッドスキャニング照射方式(ビーム照射位置(スポット)を変更する場合にビームを停止しない方式)、具体的には、荷電粒子ビーム31の照射位置を変えるときに荷電粒子ビーム31を停止させないラスタースキャニング照射方式のように行い、スポットスキャニング照射方式のようにビーム照射位置がスポット位置間を次々と移動していく方式として説明する。スポットカウンタ43は、荷電粒子ビーム31のビーム照射位置が停留している間の照射線量を計測するものである。スポット間カウンタ44は、荷電粒子ビーム31のビーム照射位置が移動している間の照射線量を計測するものである。トリガ生成部42は、ビーム照射位置における荷電粒子ビーム31の線量が目標照射線量に達した場合に、線量満了信号を生成するものである。
荷電粒子ビーム31をRFスイープ法にて加速器3からビーム出射させる場合のビーム輸送系4を示す。図1の粒子線治療装置20の入射系1、加速器(シンクロトロン)3、ビーム輸送系4において、後述する手順で、照射位置Tにおいてほぼ色収差がない(ビームが動かない)光学系を得る。図3は本発明の実施の形態1によるビーム輸送系における補正前のビーム軌道を示す図である。図3では、ビーム輸送系4の光学系を設計する始点Sから終点(照射位置)Tまでを、直線状にして表示してある。図3の横軸は荷電粒子ビーム31の進行方向の軸であるs軸であり、縦軸はx方向の距離ΔXである。図5は、本発明の実施の形態1によるビーム輸送系に出射されるビーム電流を説明する図である。図6は、本発明の実施の形態1によるビーム輸送系の始点における位相空間分布を示す図である。図6の横軸はビーム軌道中心軸に垂直なx方向の距離ΔXであり、縦軸はΔXのビーム軌道中心軸に対する傾きΔX’である。
前述したように、実際の荷電粒子ビーム31は、断続的に電流値がゼロとゼロ以外の値とを繰り返しており、時刻t1、t2、t3で荷電粒子ビーム31の位相空間分布が異なっている。例えば、荷電粒子ビーム31の位相空間分布23は、時刻t1(スピル始め)の場合は位相空間分布24aであり、時刻t2(スピル中央)の場合は位相空間分布24bであり、時刻t3(スピル終わり)の場合は位相空間分布24cである。図3のビーム軌道21aは、時刻t1(スピル始め)の場合のビーム軌道であり、位相空間分布24aに対応したビーム軌道である。ビーム軌道21bは、時刻t2(スピル中央)の場合のビーム軌道であり、位相空間分布24bに対応したビーム軌道である。ビーム軌道21cは、時刻t3(スピル終わり)の場合のビーム軌道であり、位相空間分布24cに対応したビーム軌道である。
ステップS1にて、シンクロトロン(加速器3)が理想状態である場合の光学パラメータを、光学パラメータ計算装置17で算出する。その光学パラメータは、機器制御装置16に出力され、機器制御装置16は、光学パラメータに基づいて、各電磁石の電流値を計算し、電磁石電源15に電流値を送付する。電磁石電源15が、ビーム輸送系4の電磁石(偏向電磁石7、四極電磁石8)の電流を設定する。なお、電磁石電源15は、入射系1と加速器3の電磁石(偏向電磁石5、四極電磁石6)の電流も設定する。
ステップS2にて、機器制御装置16により、加速器3の光学パラメータに対応した指令値をRF加速電源12、電磁石電源15に送り、それらの指令値に従い、各装置(偏向電磁石5、四極電磁石6、加速空洞9)を駆動し、荷電粒子ビーム31を加速、出射させる。なお、ここではRFスイープ法なので、出射時には、RF加速電源12のRF周波数を適切に挿引するが、RFキック電源13は駆動させない。図1ではx方向キック電極10、RFキック電源13を記載しているが、RFスイープ法ではこれらは使用しないので、加速器3から削除しても構わない。
ステップS3にて、ビームプロファイルモニタ11a、11bで、加速器3から出射された荷電粒子ビーム31の各時間でのプロファイルデータを取得し、ビーム解析装置14で、ビーム位置を解析する。プロファイルデータを取得する時間は、出射始めから出射終わりまでの時間であり、図5の時刻t1からt3までの時間である。
ステップS4にて、プロファイルデータの位置変動情報から、式(1)、式(2)で表せる運動量分散関数ηa、ηbを算出する。pは運動量であり、Δpは基準となる時刻t0における運動量との運動量差分であり、Δxは基準となる時刻t0におけるx方向の位置との位置差分である。なお、添え字aは、ビームプロファイルモニタ11aにおける数値であることを示しており、添え字bは、ビームプロファイルモニタ11bにおける数値であることを示している。
ステップS5にて、始点Sにおける運動量分散関数(ηx,ηx’)、(ηy,ηy’)及び光学パラメータを算出し、機器制御装置16に出力する。ビームプロファイルモニタ11a、11bでの運動量分散関数は、それぞれ式(3)、式(4)で表せる。なお、右辺の添え字iは入力を示しており、すなわち始点Sを示している。式(3)、式(4)における、Ma、Mbは始点Sからビームプロファイルモニタ11a、11bまでのビーム輸送行列であり、式(5)、式(6)で表せる。
光学パラメータ計算装置17にて、式(3)、式(4)より始点Sの運動量分散化関数(ηx,ηx’)、(ηy,ηy’)を算出する。例えば、図6の位相空間分布23となるような運動量分散化関数(ηx,ηx’)、(ηy,ηy’)を算出する。終点Tである照射位置での運動量分散関数が(0,0)となる(条件1)光学パラメータを、式(7)から算出し、機器制御装置16に出力する。この条件1は、ビームプロファイルモニタ11によるプロファイルデータを検出した際の照射位置(終点T)における当初条件である。
ステップS6にて、再度、機器制御装置16が、電磁石電源15に条件1となる光学パラメータに基づいた電流値を転送し、各電磁石に所定の電流を設定する。
各電磁石がステップS6の電流値に設定された場合は、図4、図9、図10に示すように照射位置(終点T)でビームが動かなくなり、図7、図8に示すように色収差がほぼゼロ(実質的にゼロ)になる。図4は、本発明の実施の形態1によるビーム輸送系における補正後のビーム軌道を示す図である。図7は本発明の実施の形態1によるビーム輸送系の終点における補正前の位相空間分布を示す図であり、図8は本発明の実施の形態1によるビーム輸送系の終点における補正後の位相空間分布を示す図である。図9は本発明の実施の形態1によるビーム輸送系の終点における補正前のビームスポット配置を示す図であり、図10は本発明の実施の形態1によるビーム輸送系の終点における補正後のビームスポット配置を示す図である。
図4のビーム軌道22aは、時刻t1(スピル始め)の場合の補正後のビーム軌道であり、図3のビーム軌道21aが補正されたビーム軌道である。ビーム軌道22bは、時刻t2(スピル中央)の場合の補正後のビーム軌道であり、図3のビーム軌道21bが補正されたビーム軌道である。ビーム軌道22cは、時刻t3(スピル終わり)の場合の補正後のビーム軌道であり、図3のビーム軌道21cが補正されたビーム軌道である。なお、図4のビーム軌道22bは、補正後でも図3のビーム軌道21bと同じく、s軸上に載っている。
図7、図8の横軸はビーム軌道中心軸に垂直なx方向の距離ΔXであり、縦軸はΔXのビーム軌道中心軸に対する傾きΔX’である。図9、図10の横軸は前述したビーム座標系のx軸であり、縦軸はビーム座標系のy軸である。図7に示すように、ビーム輸送系4の終点Tにおける補正前の位相空間分布は、位相空間分布25であり、時刻t1(スピル始め)の場合は位相空間分布26aであり、時刻t2(スピル中央)の場合は位相空間分布26bであり、時刻t3(スピル終わり)の場合は位相空間分布26cである。図8に示すように、ビーム輸送系4の終点Tにおける補正後の位相空間分布は、位相空間分布27であり、時刻t1(スピル始め)の場合は位相空間分布28aであり、時刻t2(スピル中央)の場合は位相空間分布28bであり、時刻t3(スピル終わり)の場合は位相空間分布28cである。図8では、分かり易くするために、位相空間分布28a、28b、28cが多少ずれているように記載しているが、色収差がほぼゼロ(実質的にゼロ)になっている。色収差がほぼゼロ(実質的にゼロ)の場合は、位相空間上のビーム位置は時間によらず一定である。このように、実施の形態1のビーム輸送系4の終点Tにおける補正前の位相空間分布25は色収差が大きいが、補正後の位相空間分布27は色収差がほぼゼロ(実質的にゼロ)になっている。
補正前の位相空間分布25は、ΔXが−4.2mmから4.1mmであり、補正後の位相空間分布27は、ΔXが−2.0mmから2.0mmである。図3に示したように、補正前では終点Tにおいてビーム軌道の変動があり、ビームサイズは計画値からずれて広くなっている。なお、ビームサイズは位相分布におけるΔXの下限から上限までの幅値とは異なるが、ΔXの幅値が大きいほどビームサイズは大きくなる。図4に示したように、補正後のビーム軌道は、ビームプロファイルモニタ11bの設置位置以降では、ビーム軌道22a、22b、22cのいずれもs軸上に載っている。終点Tにおける補正後のビーム軌道は変動がないので、終点Tにおけるビームサイズは計画通りのビームサイズになっており、すなわち終点Tにおけるビームサイズが計画値からずれて大きくなってはいない。
図9、図10を用いて、スキャニング照射のスポット配置と均一照射の線量分布について説明する。荷電粒子ビーム31のスポット配置のずれが見易くなるように、図9、図10に破線の格子を追加した。破線の格子の角が計画されたスポット位置である。図9に示すように、x方向の色収差がある補正前の場合は、広がりのあるビームの重心(図9、図10の各円の中心)が、x方向の位置においてずれている。これに対して、図10に示すように、x方向の色収差がない補正後の場合は、広がりのあるビームの重心が、破線の格子の角に一致しており、x方向の位置が計画通りになっている。スポット位置が計画からずれている場合は、均一照射に照射しようとしても、計画した照射スポットに対する照射線量が異なるので、実際の線量分布に凹凸が生じてしまう。実施の形態1のビーム輸送系4は、終点Tにおいて色収差がほぼゼロ(実質的にゼロ)にでき、スャニング照射のスポット位置を計画通りにすることができる。
実施の形態1のビーム輸送系4は、粒子線照射装置58を動作させない照射位置(終点T)、すなわちアイソセンタにおいて、荷電粒子ビーム31の色収差をゼロにでき、スャニング照射のスポット位置を計画通りにすることができる。荷電粒子ビーム31は、粒子線照射装置58で広い照射野を形成するように走査されるが、走査された照射位置ではビームの色収差がゼロでなくても、ビームの照射位置が許容範囲となっていれば高精度な粒子線治療はできるので、照射位置の許容範囲となるようなゼロではない色収差であってもよい。したがって、上記のように設計された実施の形態1のビーム輸送系4は、荷電粒子ビーム31の照射位置においてビームの色収差をほぼゼロ(実質的にゼロ)にでき、スャニング照射のスポット位置を高精度に計画通りにすることができる。
実施の形態1のビーム輸送系4は、小型化のシンクロトロンの場合であっても、高性能な偏向電磁石や四極電磁石や六極電磁石を用いて、ビーム輸送系4の光学パラメータ設計の始点Sにおいて色収差をゼロにしなくても、荷電粒子ビーム31の照射位置においてビームの色収差をほぼゼロ(実質的にゼロ)にできる。したがって、実施の形態1のビーム輸送系4は、小型化のシンクロトロンの場合であっても、加速器やビーム輸送系の大型や複雑化を招くことなく、加速器やビーム輸送系を著しく高額になることを抑制することができる。
実施の形態1で示したビーム輸送系4の設計方法は、理想的磁場条件で設定したビーム輸送系において、ビームプロファイルモニタ11で検出されたプロファイルデータを用いてビーム輸送系4の途中のビーム位置を測定し、ビームプロファイルモニタ11におけるビーム位置の時間変動量であるビーム時間変動関連量を計算することにより、ビーム取り合い点(始点S)における初期条件の一部であるx方向運動量分散関数ηx、ηx’及びy方向運動量分散関数ηy、ηy’を始点運動量分散関数として算出し、プロファイルデータを検出した際の照射位置(終点T)における当初条件である前記条件1と、始点運動量分散関数とを初期条件にして、ビーム輸送系4の新たな光学パラメータを設定するものである。この設計方法を適用することで、設置現場でも調整が容易になり、従来のように何度も調整しなければならないものとは異なり、ビーム輸送系の調整時間を従来に比べて短縮することができる。
ビーム輸送系4における偏向電磁石7及び四極電磁石8の台数について説明する。照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がx方向に動かないようにする場合は、x方向に偏向する偏向電磁石7を1台以上配置し、当該偏向電磁石7の上流にx方向の収束発散を制御する四極電磁石8を2台以上配置する。図3、図4では、偏向電磁石7bと四極電磁石8a、8bが必要最小限の偏向電磁石7及び四極電磁石8である。また、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がy方向に動かないようにする場合は、y方向に偏向する偏向電磁石7を1台以上配置し、当該偏向電磁石7の上流にy方向の収束発散を制御する四極電磁石8を2台以上配置する。
図1、図3、図4では、ビーム輸送系4において、y方向に偏向する偏向電磁石7は記載していないが、例えば偏向電磁石7bより下流側に配置し、このy方向に偏向する偏向電磁石7の上流の四極電磁石8の2台をy方向の収束発散を制御する四極電磁石とすればよい。図1の例では、周回中の荷電粒子ビーム31をx方向に動かしてビーム輸送系4に導入するので、始点Sにおけるy方向の色収差は加速器3に配置された偏向電磁石5及び四極電磁石6により十分小さくすることができる。したがって、始点Sにおけるy方向の色収差が大きい場合に、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がy方向に動かないようにするy方向用の偏向電磁石7及び四極電磁石8を配置すればよい。
以上のように、実施の形態1のビーム輸送系4によれば、荷電粒子ビーム31を偏向する、少なくとも1つの偏向電磁石7と、荷電粒子ビーム31を収束または発散させる、少なくとも2つの四極電磁石8と、荷電粒子ビーム31のプロファイルデータを検出する、少なくとも1つのビームプロファイルモニタ11と、プロファイルデータに基づいて、ビームプロファイルモニタ11における、ビーム位置の時間変動量またはビーム径であるビーム時間変動関連量を計算するビーム解析装置14と、ビーム輸送系4の光学パラメータを計算する光学パラメータ計算装置17と、光学パラメータ計算装置17により計算された光学パラメータに基づいて、偏向電磁石7及び四極電磁石8の励磁電流を設定する電磁石電源15と、を備える。実施の形態1のビーム輸送系4の光学パラメータ計算装置17は、ビーム時間変動関連量に基づいて、加速器3のビーム軌道上に設定されたビーム輸送系4の設計始点(始点S)における荷電粒子ビーム31の運動量分散関数η、η’である始点運動量分散関数を計算し、始点運動量分散関数と、プロファイルデータを検出した際の照射位置(終点T)における当初条件とを初期条件とした光学パラメータを計算することを特徴とするので、小型化のシンクロトロンから出射されるビームであっても、ビームの照射位置(終点T)においてビームの色収差をほぼゼロにできる。
実施の形態1の粒子線治療装置20によれば、荷電粒子ビーム31を加速する加速器3と、加速器3から出射された荷電粒子ビーム31を照射位置(終点T)へ輸送するビーム輸送系4と、ビーム輸送系4の下流側に配置され、荷電粒子ビーム31を所望の照射野を形成するように、照射対象45に照射する粒子線照射装置58と、を備える。実施の形態1の粒子線治療装置20によれば、ビーム輸送系4が、荷電粒子ビーム31を偏向する、少なくとも1つの偏向電磁石7と、荷電粒子ビーム31を収束または発散させる、少なくとも2つの四極電磁石8と、荷電粒子ビーム31のプロファイルデータを検出する、少なくとも1つのビームプロファイルモニタ11と、プロファイルデータに基づいて、ビームプロファイルモニタ11における、ビーム位置の時間変動量またはビーム径であるビーム時間変動関連量を計算するビーム解析装置14と、ビーム輸送系4の光学パラメータを計算する光学パラメータ計算装置17と、光学パラメータ計算装置17により計算された光学パラメータに基づいて、偏向電磁石7及び四極電磁石8の励磁電流を設定する電磁石電源15と、を備える。実施の形態1の粒子線治療装置20によれば、光学パラメータ計算装置17は、ビーム時間変動関連量に基づいて、加速器3のビーム軌道上に設定されたビーム輸送系4の設計始点(始点S)における荷電粒子ビーム31の運動量分散関数η、η’である始点運動量分散関数を計算し、始点運動量分散関数と、プロファイルデータを検出した際の照射位置(終点T)における当初条件とを初期条件とした光学パラメータを計算することを特徴とするので、小型化のシンクロトロンから出射されるビームであっても、ビームの照射位置(終点T)においてビームの色収差をほぼゼロにでき、ビームの照射位置(終点T)を高精度に制御することができる。
実施の形態2.
実施の形態1では、荷電粒子ビーム31をRFスイープ法にて加速器3からビーム出射させる場合のビーム輸送系4を説明した。実施の形態2では、荷電粒子ビーム31をRFノックアウト法にて加速器3からビーム出射させる場合のビーム輸送系4を説明する。図1の粒子線治療装置20の入射系1、加速器(シンクロトロン)3、ビーム輸送系4において、後述する手順で、照射位置Tにおいてほぼ色収差がなく(ビームを動かなく)、さらにビーム径が大きくならない光学系を得る。RFノックアウト法は、シンクロトロン出射点で、ある時刻に様々なエネルギーの粒子を混在させた出射方法である。このためRFノックアウト法は、ビーム輸送系4の光学系を設計する始点Sにおける運動量分散関数(ηx,ηx’)、(ηy,ηy’)や、ツイス(twiss)パラメータ(αx、βx)、(αy、βy)が不明な状況で、ビームを輸送させることになる。したがって、図11のように、照射位置(終点T)において色収差のためビーム径が大きく観測される。これを実施の形態2の設計方法で修正することにより、図12のように、照射位置(終点T)において小さな径のビームを得ることができる。
実施の形態1では、荷電粒子ビーム31をRFスイープ法にて加速器3からビーム出射させる場合のビーム輸送系4を説明した。実施の形態2では、荷電粒子ビーム31をRFノックアウト法にて加速器3からビーム出射させる場合のビーム輸送系4を説明する。図1の粒子線治療装置20の入射系1、加速器(シンクロトロン)3、ビーム輸送系4において、後述する手順で、照射位置Tにおいてほぼ色収差がなく(ビームを動かなく)、さらにビーム径が大きくならない光学系を得る。RFノックアウト法は、シンクロトロン出射点で、ある時刻に様々なエネルギーの粒子を混在させた出射方法である。このためRFノックアウト法は、ビーム輸送系4の光学系を設計する始点Sにおける運動量分散関数(ηx,ηx’)、(ηy,ηy’)や、ツイス(twiss)パラメータ(αx、βx)、(αy、βy)が不明な状況で、ビームを輸送させることになる。したがって、図11のように、照射位置(終点T)において色収差のためビーム径が大きく観測される。これを実施の形態2の設計方法で修正することにより、図12のように、照射位置(終点T)において小さな径のビームを得ることができる。
図11は本発明の実施の形態2によるビーム輸送系における補正前のビーム軌道及びビーム径を示す図であり、図12は本発明の実施の形態2によるビーム輸送系における補正後のビーム軌道及びビーム径を示す図である。図11、図12の上側では、ビーム輸送系4の光学系を設計する始点Sから終点(照射位置)Tまでを、直線状にして表示してある。図11、図12の下側では、上側から引いた破線で示したs軸上の位置に対するビーム径を模式的に円で示した。図11のビーム軌道46aは、式(1)、式(2)のΔp/p>0の場合のビーム軌道である。図11のビーム軌道46bは、式(1)、式(2)のΔp/p=0の場合のビーム軌道であり、図11のビーム軌道46cは、式(1)、式(2)のΔp/p<0の場合のビーム軌道である。始点Sにおけるビーム径は符号47aで示した円の直径であり、終点Tにおけるビーム径は符号47gで示した円の直径である。始点Sから終点Tの間に、5つのビーム径を符号47b、47c、47d、47e、47fの円の直径で示した。
図11と同様に、図12のビーム軌道48aは、式(1)、式(2)のΔp/p>0の場合のビーム軌道である。図12のビーム軌道48bは、式(1)、式(2)のΔp/p=0の場合のビーム軌道であり、図12のビーム軌道48cは、式(1)、式(2)のΔp/p<0の場合のビーム軌道である。始点Sにおけるビーム径は符号49aで示した円の直径であり、終点Tにおけるビーム径は符号49gで示した円の直径である。始点Sから終点Tの間に、5つのビーム径を符号49b、49c、49d、49e、49fの円の直径で示した。
ステップS11にて、シンクロトロン(加速器3)が理想状態である場合の光学パラメータを、光学パラメータ計算装置17で算出する。その光学パラメータは、機器制御装置16に出力され、機器制御装置16は、光学パラメータに基づいて、各電磁石の電流値を計算し、電磁石電源15に電流値を送付する。電磁石電源15が、ビーム輸送系4の電磁石(偏向電磁石7、四極電磁石8)の電流を設定する。なお、電磁石電源15は、入射系1と加速器3の電磁石(偏向電磁石5、四極電磁石6)の電流も設定する。
ステップS12にて、機器制御装置16により、加速器3の光学パラメータに対応した指令値をRF加速電源12、電磁石電源15に送り、それらの指令値に従い、各装置(偏向電磁石5、四極電磁石6、加速空洞9、x方向キック電極10)を駆動し、荷電粒子ビーム31を加速、出射させる。なお、ここではRFノックアウト法なので、出射時には、RF加速電源12のRF周波数を変化させず、RFキック電源13を駆動させ、横方向(x方向)のエミッタンスを増加させることで、荷電粒子ビーム31を出射させる。なお、エミッタンスは、ビームの位相空間上の面積に相当するものである。
ステップS13にて、ビームプロファイルモニタ11a、11bで、加速器3から出射された荷電粒子ビーム31の各時間でのプロファイルデータを取得し、ビーム解析装置14で、ビーム径を解析する。プロファイルデータを取得する時間は、出射始めから出射終わりまでの時間であり、図5の時刻t1からt3までの時間である。RFノックアウト法では、ある運動量幅をもった荷電粒子ビーム31が同時に加速器3から出射される。そこで、ビーム径は、式(11)、式(12)、式(13)を用いて計算する。
一般に、式(11)の行列で表せる輸送行列Mで、ビームを輸送する場合、ビームのツイスパラメータα、β、γは式(12)のように輸送される。また、輸送されたところのビーム径rは、式(13)で表せる。式(12)の右辺におけるツイスパラメータα、β、γは、輸送行列Mで輸送前のものであり、式(12)の左辺におけるツイスパラメータα、β、γは、輸送行列Mで輸送後のものである。式(12)のツイスパラメータの輸送行列Mtの各要素は、式(11)の輸送行列Mにおける要素m11、m12、m13、m21、m22、m23を用いて記載されている。式(13)において、rxはx方向のビーム径であり、εxはx方向のエミッタンスであり、βxはx方向のツイスパラメータβであり、ηxはx方向の運動量分散関数である。
ステップS14にて、ビームプロファイルモニタ11a、11bでの荷電粒子の光学式を求める。ビームプロファイルモニタ11aでの荷電粒子の光学式は、式(14)、式(17)、式(20)で表される。ビームプロファイルモニタ11bでの荷電粒子の光学式は、式(23)、式(26)、式(29)で表される。まず、ビームプロファイルモニタ11aでの荷電粒子の光学式について説明する。なお、以下に示す式における添え字iは入力を示しており、すなわち始点Sを示している。以下に示す式における添え字aは、ビームプロファイルモニタ11aにおける数値であることを示しており、添え字bは、ビームプロファイルモニタ11bにおける数値であることを示している。添え字xは、該当する変数がx方向の値であることを示している。
式(14)は、始点Sにおけるx方向のツイスパラメータαx、βx、γxが、それぞれツイスパラメータの輸送行列Mtaによってαxa、βxa、γxaのように輸送されることを示している。ツイスパラメータの輸送行列Mtaは、式(14)の添え字aが付された行列である。四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Ma1、Ma2を用いると、すなわちツイスパラメータの輸送行列Mta1、Mta2を用いると、x方向のビームのツイスパラメータαx、βx、γxは、式(15)、式(16)のように輸送される。輸送行列Mta1、Mta2は、輸送行列Mtaと同様の形になる。なお、添え字a1は、輸送行列Ma1や輸送行列Mta1によって輸送された場合のビームプロファイルモニタ11aにおける数値であることを示しており、添え字a2は、輸送行列Ma2や輸送行列Mta2によって輸送された場合のビームプロファイルモニタ11aにおける数値であることを示している。
ビームプロファイルモニタ11aにおける輸送行列が、式(11)と同様の各要素を有している場合に、ビームのツイスパラメータα、β、γは式(14)のように輸送される。ビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向のビーム径rxaは、式(17)のように表せる。βxaはビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向のツイスパラメータβであり、ηxaはビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向の運動量分散関数である。x方向の運動量分散関数ηxaは、式(20)に示すように、始点Sにおけるx方向の運動量分散関数ηxが、輸送行列Maによってηxaに輸送されたものである。
四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Ma1を用いると、式(17)と同様に、ビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向のビーム径rxa1は、式(18)のように表せる。また、四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Ma2を用いると、式(17)と同様に、ビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向のビーム径rxa2は、式(19)のように表せる。βxa1は、輸送行列Mta1で輸送されたビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向のツイスパラメータβであり、ηxa1は、輸送行列Ma1で輸送されたビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向の運動量分散関数である。βxa2は、輸送行列Mta2で輸送されたビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向のツイスパラメータβであり、ηxa2は、輸送行列Ma2で輸送されたビームプロファイルモニタ11aにおけるx方向の運動量分散関数である。
式(20)は、始点Sにおけるx方向の運動量分散関数ηxと、そのs方向に対する傾きであるηx’が、それぞれ輸送行列Maによってηxaとηxa’に輸送されることを示している。四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Ma1、Ma2を用いると、x方向の運動量分散関数ηxとs方向に対する傾きであるηx’は、式(21)、式(22)のように輸送される。
次に、ビームプロファイルモニタ11bでの荷電粒子の光学式について説明する。ビームプロファイルモニタ11bでの荷電粒子の光学式も、ビームプロファイルモニタ11aでの荷電粒子の光学式と同様である。
式(23)は、始点Sにおけるx方向のツイスパラメータαx、βx、γxが、それぞれ輸送行列Mtbによってαxb、βxb、γxbのように輸送されることを示している。四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Ma1、Ma2を用いると、すなわちツイスパラメータの輸送行列Mtb1、Mtb2を用いると、x方向のツイスパラメータαx、βx、γxは、式(24)、式(25)のように輸送される。なお、輸送行列Mtbは、式(23)の添え字bが付された行列である。添え字b1は、輸送行列Mb1や輸送行列Mtb1によって輸送された場合のビームプロファイルモニタ11bにおける数値であることを示しており、添え字b2は、輸送行列Mb2や輸送行列Mtb2によって輸送された場合のビームプロファイルモニタ11bにおける数値であることを示している。
ビームプロファイルモニタ11bにおける輸送行列Mbが、式(11)と同様の各要素を有している場合に、ビームのツイスパラメータα、β、γは式(23)のように輸送される。ビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向のビーム径rxbは、式(26)のように表せる。βxbはビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向のツイスパラメータβであり、ηxbはビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向の運動量分散関数である。x方向の運動量分散関数ηxbは、式(29)に示すように、始点Sにおけるx方向の運動量分散関数ηxが、輸送行列Mbによってηxbに輸送されたものである。
四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Mb1を用いると、式(26)と同様に、ビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向のビーム径rxb1は、式(27)のように表せる。また、四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Mb2を用いると、式(26)と同様に、ビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向のビーム径rxb2は、式(28)のように表せる。βxb1は、輸送行列Mtb1で輸送されたビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向のツイスパラメータβであり、ηxb1は、輸送行列Mb1で輸送されたビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向の運動量分散関数である。βxb2は、輸送行列Mtb2で輸送されたビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向のツイスパラメータβであり、ηxb2は、輸送行列Mb2で輸送されたビームプロファイルモニタ11bにおけるx方向の運動量分散関数である。
式(29)は、始点Sにおけるx方向の運動量分散関数ηxと、そのs方向に対する傾きであるηx’が、それぞれ輸送行列Mbによってηxbとηxb’に輸送されることを示している。四極電磁石6や四極電磁石8の励磁を変化させた輸送行列Mb1、Mb2を用いると、x方向の運動量分散関数ηxとs方向に対する傾きであるηx’は、式(30)、式(31)のように輸送される。
ステップS14にて、上記に示したビームプロファイルモニタ11a、11bでの荷電粒子の光学式と、式(32)から始点Sのツイスパラメータ(αxi,βxi,γxi)運動量分散関数(ηxi,ηxi’)を算出する。これらの初期条件より、終点Tにおけるビーム径が大きくならない、すなわち、ビームプロファイルモニタ11によるプロファイルデータを検出した際の照射位置(終点T)におけるビーム径と同一となる光学条件(条件2)の光学パラメータを、光学パラメータ計算装置17で算出する。この条件2を満たす光学パラメータを、機器制御装置16に出力する。
ステップS15にて、再度、機器制御装置16が、電磁石電源15に条件2となる光学パラメータに基づいた電流値を転送し、各電磁石に所定の電流を設定する。
各電磁石がステップS15の電流値に設定された場合は、図11、図12に示すように照射位置(終点T)でビーム径が小さくなる。終点Tにおける色収差をほぼゼロにする補正をしない状態では、ビームプロファイルモニタ11bより下流側でもビーム径は円47d、47f、47gのように始点Sのビーム径(円47a)よりも大きなっている。しかし、終点Tにおける色収差をほぼゼロにする補正をした後には、ビームプロファイルモニタ11bより下流側で、ビーム径は円49dから49gのように始点Sのビーム径(円49a)とほぼ同じであり、照射位置(終点T)でビーム径が補正前よりも小さくなっている。
実施の形態2のビーム輸送系4は、ビームの照射位置(終点T)においてビームの色収差をほぼゼロにでき、荷電粒子ビームをRFノックアウト法にて加速器3からビーム出射させる場合に、色収差のためビーム径が大きくなることを抑制でき、照射位置(終点T)において小さな径のビームを得ることができる。
実施の形態2のビーム輸送系4は、小型化のシンクロトロンの場合であっても、高性能な偏向電磁石や四極電磁石や六極電磁石を用いて、ビーム輸送系4の光学パラメータ設計の始点Sにおいて色収差をゼロにしなくても、荷電粒子ビーム31の照射位置においてビームの色収差をほぼゼロ(実質的にゼロ)にできる。したがって、実施の形態2のビーム輸送系4は、小型化のシンクロトロンの場合であっても、加速器やビーム輸送系の大型や複雑化を招くことなく、加速器やビーム輸送系を著しく高額になることを抑制することができる。
実施の形態2で示したビーム輸送系4の設計方法は、電粒子ビームをRFノックアウト法にて加速器3からビーム出射させる場合の理想的磁場条件で設定したビーム輸送系において、ビームプロファイルモニタ11で検出されたプロファイルデータを用いてビーム輸送系4の途中のビームの大きさ(ビーム径)を測定することにより、ビーム取り合い点(始点S)における初期条件の一部であるx方向運動量分散関数ηx、ηx’及びy方向運動量分散関数ηy、ηy’を始点運動量分散関数として算出し、プロファイルデータを検出した際の照射位置(終点T)における当初条件である前記条件2と、始点運動量分散関数とを初期条件にして、ビーム輸送系4の新たな光学パラメータを設定するものである。この設計方法を適用することで、設置現場でも調整が容易になり、従来のように何度も調整しなければならないものとは異なり、ビーム輸送系の調整時間を従来に比べて短縮することができる。
照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにし、ビームサイズの増大を抑制する場合は、x方向に偏向する偏向電磁石7を1台以上配置し、当該偏向電磁石7の上流にx方向の収束発散を制御する四極電磁石8を2台以上配置する。図11、図12では、偏向電磁石7bと四極電磁石8a、8bが必要最小限の偏向電磁石7及び四極電磁石8である。また、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるy方向の色収差をほぼゼロにし、ビームサイズの増大を抑制する場合は、y方向に偏向する偏向電磁石7を1台以上配置し、当該偏向電磁石7の上流にy方向の収束発散を制御する四極電磁石8を2台以上配置する。
図1、図11、図12では、ビーム輸送系4において、y方向に偏向する偏向電磁石7は記載していないが、例えば偏向電磁石7bより下流側に配置し、このy方向に偏向する偏向電磁石7の上流の四極電磁石8の2台をy方向の収束発散を制御する四極電磁石とすればよい。図1の例では、周回中の荷電粒子ビーム31をx方向に動かしてビーム輸送系4に導入するので、始点Sにおけるy方向の色収差は加速器3に配置された偏向電磁石5及び四極電磁石6により十分小さくすることができる。したがって、始点Sにおけるy方向の色収差が大きい場合に、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるy方向の色収差をほぼゼロにし、ビームサイズの増大を抑制するy方向用の偏向電磁石7及び四極電磁石8を配置すればよい。
実施の形態3.
実施の形態1及び実施の形態2では、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにしていた。実施の形態3では、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにしなくても照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がx方向に動かないようにするビーム輸送系4を説明する。図13は本発明の実施の形態3によるビーム輸送系における補正前のビーム軌道を示す図であり、図14は本発明の実施の形態3によるビーム輸送系における補正後のビーム軌道を示す図である。図13は、図4の偏向電磁石5g、7aを偏向電磁石5n、7cのように傾けて配置し、ステアリング電磁石18a、18bを追加したものである。図14は、図4の偏向電磁石5g、7aを偏向電磁石5n、7cのように傾けて配置し、ステアリング電磁石18a、18bを追加したものである。なお、図13、14において、偏向電磁石5g、7aは破線で示した。図13、図14で斜めに配置された偏向電磁石5n、7cは、設計時の配置からずれた電磁石配置誤差が生じていることを示している。
実施の形態1及び実施の形態2では、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにしていた。実施の形態3では、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにしなくても照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がx方向に動かないようにするビーム輸送系4を説明する。図13は本発明の実施の形態3によるビーム輸送系における補正前のビーム軌道を示す図であり、図14は本発明の実施の形態3によるビーム輸送系における補正後のビーム軌道を示す図である。図13は、図4の偏向電磁石5g、7aを偏向電磁石5n、7cのように傾けて配置し、ステアリング電磁石18a、18bを追加したものである。図14は、図4の偏向電磁石5g、7aを偏向電磁石5n、7cのように傾けて配置し、ステアリング電磁石18a、18bを追加したものである。なお、図13、14において、偏向電磁石5g、7aは破線で示した。図13、図14で斜めに配置された偏向電磁石5n、7cは、設計時の配置からずれた電磁石配置誤差が生じていることを示している。
偏向電磁石5n、7cにおいて配置誤差があると、実施の形態1のビーム輸送系4の設計方法や実施の形態2のビーム輸送系4の設計方法を適用したビーム輸送系4でも、図13のビーム軌道29aのようになり、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がずれた位置にきてしまう。実施の形態3では、ステアリング電磁石18a、18bを追加することで、ビーム輸送系4の偏向電磁石の配置誤差を補正でき、図14のビーム軌道29bのようにすることができ、照射位置(終点T)でのビーム位置を、粒子線照射装置58を動作させない照射位置(アイソセンタ)に正確に合わすことができる。この場合は、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにできる。なお、ビーム軌道29cは、破線で示した偏向電磁石5g、7aの場合における、補正前のビーム軌道である。ビーム軌道29dは、破線で示した偏向電磁石5g、7aの場合における、補正後のビーム軌道である。
ビーム輸送系4の偏向電磁石5n、7cに配置誤差があっても、図14のビーム軌道29bのようにすることがでるということは、偏向電磁石5n、7cにおいて配置誤差がなく、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差が多少大きくても、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がx方向に動かないようにできることを示している。したがって、実施の形態3のビーム輸送系4は、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差をほぼゼロにしなくても照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31がx方向に動かないようにできるので、照射位置(終点T)で荷電粒子ビーム31におけるx方向の色収差の調整が困難な場合に有効である。
なお、実施の形態3のビーム輸送系4を適用した粒子線治療装置20は、図1においてステアリング電磁石18a、18bを図13、図14に示した位置に追加される。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
3…加速器、4…ビーム輸送系、7、7a、7b…偏向電磁石、
8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h…四極電磁石、
9…加速空洞、10…x方向キック電極、
11、11a、11b…ビームプロファイルモニタ、
14…ビーム解析装置、15…電磁石電源、
17…光学パラメータ計算装置、
18a、18b…ステアリング電磁石、20…粒子線治療装置、
31…荷電粒子ビーム、45…照射対象、58…粒子線照射装置、
S…始点(設計始点)、T…終点(照射位置)、
η、η’、ηx、ηx’、ηy、ηy’…運動量分散関数。
8、8a、8b、8c、8d、8e、8f、8g、8h…四極電磁石、
9…加速空洞、10…x方向キック電極、
11、11a、11b…ビームプロファイルモニタ、
14…ビーム解析装置、15…電磁石電源、
17…光学パラメータ計算装置、
18a、18b…ステアリング電磁石、20…粒子線治療装置、
31…荷電粒子ビーム、45…照射対象、58…粒子線照射装置、
S…始点(設計始点)、T…終点(照射位置)、
η、η’、ηx、ηx’、ηy、ηy’…運動量分散関数。
Claims (7)
- 加速器から出射された荷電粒子ビームを照射位置へ輸送するビーム輸送系であって、
前記荷電粒子ビームを偏向する、少なくとも1つの偏向電磁石と、
前記荷電粒子ビームを収束または発散させる、少なくとも2つの四極電磁石と、
前記荷電粒子ビームのプロファイルデータを検出する、少なくとも1つのビームプロファイルモニタと、
前記プロファイルデータに基づいて、前記ビームプロファイルモニタにおける、ビーム位置の時間変動量またはビーム径であるビーム時間変動関連量を計算するビーム解析装置と、
前記ビーム輸送系の光学パラメータを計算する光学パラメータ計算装置と、
前記光学パラメータ計算装置により計算された前記光学パラメータに基づいて、前記偏向電磁石及び前記四極電磁石の励磁電流を設定する電磁石電源と、を備え、
前記光学パラメータ計算装置は、
前記ビーム時間変動関連量に基づいて、前記加速器のビーム軌道上に設定された前記ビーム輸送系の設計始点における前記荷電粒子ビームの運動量分散関数である始点運動量分散関数を計算し、
前記始点運動量分散関数と、前記プロファイルデータを検出した際の前記照射位置における当初条件とを初期条件とした前記光学パラメータを計算することを特徴とするビーム輸送系。 - 前記加速器はシンクロトロンであり、
前記加速器に設置された加速空洞に供給する高周波電力がスイープされることにより、前記荷電粒子ビームが前記加速器から出射される場合に、
前記ビーム解析装置は、前記ビーム時間変動関連量として、前記ビームプロファイルモニタにおける前記ビーム位置の時間変動量を計算することを特徴とする請求項1記載のビーム輸送系。 - 前記当初条件は、前記照射位置における前記荷電粒子ビームの運動量分散関数である終点運動量分散関数がゼロであるとの条件を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のビーム輸送系。
- 前記加速器はシンクロトロンであり、
前記加速器に設置されたキック電極に高周波電力を供給し、前記荷電粒子ビームの周回面上であって、前記荷電粒子ビームの進行方向に垂直な方向のエミッタンスが大きくされることにより、前記荷電粒子ビームが前記加速器から出射される場合に、
前記ビーム解析装置は、前記ビーム時間変動関連量として、前記ビームプロファイルモニタにおける前記ビーム径を計算することを特徴とする請求項1記載のビーム輸送系。 - 前記当初条件は、前記照射位置における前記荷電粒子ビームの前記ビーム径の設定条件を含むことを特徴とする請求項1または4に記載のビーム輸送系。
- 前記偏向電磁石の配置誤差を修正するステアリング電磁石を備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のビーム輸送系。
- 荷電粒子ビームを加速する加速器と、
前記加速器から出射された前記荷電粒子ビームを照射位置へ輸送するビーム輸送系と、
前記ビーム輸送系の下流側に配置され、前記荷電粒子ビームを所望の照射野を形成するように、照射対象に照射する粒子線照射装置と、を備え、
前記ビーム輸送系は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のビーム輸送系であることを特徴とする粒子線治療装置。
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