JP6266092B2 - 粒子線治療装置 - Google Patents

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Description

この発明は、粒子線を患者の患部に照射して、がんなどを治療するための粒子線治療装置に関する。
粒子線治療は、患部組織に粒子線を照射してダメージを与えることで治療を行うものであり、広義の放射線治療のひとつである。陽子線や重イオン線等の粒子線は、γ線、X線といった他の放射線と異なり、粒子線のエネルギーによって線量付与の深さ方向の位置を調整することができ、患部の三次元形状に応じた線量付与が可能となる。所定のエネルギーの粒子線を発生させるために加速器が用いられる。
加速器は、周回軌道を形成するための偏向電磁石、高周波電界を使って粒子線を加速する加速空洞、および粒子線が通過するための通路となる真空ダクトなどから構成される。偏向電磁石の磁場は粒子線の加速(エネルギー増大)に伴い、予め設計およびビーム調整の結果を反映して定められた運転パターンに従って変化する。同時に粒子線の周回周波数も変化するため、安定に加速するためには上述した加速空洞に印加される高周波信号も定められた運転パターンによって周波数や振幅(強度)を制御する必要がある。これらの運転パターンは、出射する粒子線のエネルギーに対応して変更する必要がある。また、加速され所定のエネルギーに達した粒子線を加速器から出射させるための機器として、出射用電極および出射用電磁石が備えられている。出射用電極は、所定のエネルギーに達した粒子線を電界の作用により周回軌道から出射軌道に軌道変化させるもので、出射用電磁石は出射軌道の粒子線を偏向させて加速器外部に出射させるためのものである。これら出射用電極や出射用電磁石は、出射させる粒子線のエネルギーに応じて、その設定を変更する必要がある。
加速器から出射された粒子線は、輸送系を通って、患者に照射するための粒子線照射装置まで導かれる。輸送系には、粒子線の軌道を輸送系に沿って曲げるための偏向電磁石や、粒子線の発散や収束を制御するための電磁石などの機器が備えられている。また、粒子線照射装置にも電磁石やリッジフィルタといった機器が備えられている。これらの機器も出射用電極や出射用電磁石と同じく、出射される粒子線のエネルギーに応じて、その設定を変更する必要がある。
一方、粒子線治療の照射方式には、大きく分けて、照射対象である患者の患部全体に対して粒子線を一斉に照射するブロード照射法と、粒子線を走査して照射するスキャニング照射法とがある。ブロード照射法の場合は、照射する粒子線は一定のエネルギーを有する粒子線である。これに対し、スキャニング照射法の場合は、粒子線のエネルギーを変化させて深さ方向の広い範囲を照射する方法がとられる。粒子線のエネルギーを変えるのは、加速器の磁場および高周波の運転パターンを変えることにより行われる。したがって、スキャニング照射法の場合、エネルギーおよび強度毎に、エネルギーと強度に対応した加速器の運転パターンを設定する必要がある。
加速器の各機器の運転パラメータをまとめたファイルをオペレーションファイル(これ以降OPF)と呼ぶ。加速器はOPFを読み込むとその運転パターンを繰り返し行う。スキャニング照射法では、毎パルス(スピル毎に)、OPFを切替ながら運転を行う。これをパルストゥパルス運転(P to P運転と表記する)と呼ぶ。
P to P運転について、運転のパターンやタイミングなどを開示する文献として、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3などがある。
特開2001−176700号公報 特開2001−43999号公報 特開平8−298200号公報
P to Pで運転を行う場合には、各判定タイミングにおいて、各機器が準備を完了したかどうかを判定する必要がある。例えば,電極の電圧であれば電極の電圧が静定したことを確認して次のステップに進む必要がある。仮に静定がその判定タイミングまでに間に合わない場合には、次の判定タイミングまで待機して、静定してから次のステップに進む。しかし、次の判定タイミングまで待機することは、治療時間短縮化の観点から極力短くすることが望まれる。
一方、線量制御照射(ドーズドリブン)と呼ばれる線量を管理しながら照射線量を管理する方式では、治療計画から決まるある一定線量を照射したあとに次のステップに進む。ドーズドリブンの場合には、シンクロトロンで加速したのち、次の加速が必要になるタイミングで次のOPFに切り替える必要があるかどうかは、そのドーズドリブンの満了信号が来るまで判定ができない。
出射用電極や出射用電磁石などの出射機器は高い電圧や大きな励磁電流を必要とし、電圧などの印加、変更を開始してから設定が完了するまでに時間を要する。あるいは、時間を短くするためには非常に大きな電源が必要となるなど、装置およびコストが増大する。また、OPFを切り替えた場合、切替える前後の状態によって設定が完了するまでの時間が異なる。特許文献1〜3には、このような、設定まで時間を要する機器に着目したOPFの切り替えタイミングなどは記載が無い。
本発明は、設定まで比較的時間を要する遅い出射機器に着目し、出射機器の設定時間を多く確保でき、ひいては治療に要する時間を短くできる粒子線治療装置を提供することを目的とする。
本発明に係る粒子線治療装置は、入射された粒子線を周回軌道に沿って周回させながら加速して設定エネルギーの粒子線を得る運転サイクルとして、加速運転から出射運転を経て減速運転までの運転パターンで運転する加速機器群と、加速機器群が出射運転しているときに設定エネルギーの粒子線を出射軌道に導き出射させる出射機器とを備えた加速器と、加速器から出射された粒子線を輸送する粒子線輸送部と、加速機器群の各機器と、出射機器と粒子線輸送部の機器とを含む出射機器群の各機器を制御する機器制御器と、加速器の運転開始時点を与えるマスタークロックを発生するマスタークロック発生器と、照射対象に照射する粒子線の線量を測定する線量モニタを備え、粒子線輸送部により輸送された粒子線を照射対象に照射する粒子線照射装置と、を備えた粒子線治療装置において、機器制御器は、マスタークロックを受信した時点で加速機器群の運転準備が完了していることを確認して、設定エネルギーに対応した運転パターンで運転するように指令を出力し、粒子線が設定エネルギーに達したことを示す信号である出射可信号がオンになり、出射機器群の設定エネルギーに対する設定が完了していることを示す信号である出射機器群設定状態信号がオンのときに、加速機器群に対し出射運転するように指令を出力するようにしたものである。
この発明によれば、加速機器群のOPFの切り替え判定タイミングと、出射機器群の設定完了判定タイミングを異なるタイミングとしたので、出射機器の設定時間を多く確保でき、治療に要する時間を短くできる粒子線治療装置が得られる。
本発明による粒子線治療装置の概略構成を示すブロック図である。 スキャニング照射法を説明する模式図である。 加速機器群および出射機器群の動作を説明するためのタイムチャートである。 本発明の実施の形態1による粒子線治療装置の動作を示すタイムチャートである。 比較例による粒子線治療装置の動作を示すタイムチャートである。 本発明の粒子線治療装置の機器設定値メモリのデータの一例を示す図である。 本発明による粒子線治療装置の信号およびデータの流れを示すブロック図である。 本発明による粒子線治療装置の機器制御器のメモリの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による粒子線治療装置の動作を示すタイムチャートである。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による粒子線治療装置を示すブロック図である。入射器100のイオン源で発生したイオン(例えば水素イオン(陽子)、炭素イオン)の集合である粒子線は、入射器100の前段直線加速器によって予備加速を受け、所定の運動エネルギーにまで加速される。予備加速を受けた粒子線は入射器100から出射され、各種の電磁石によって偏向、収束と発散、軌道補正を受けながらシンクロトロンなどの主加速器10へと導かれる。主加速器10(以降、単に加速器10と称する)は粒子線が加速器10内で周回軌道を周回するように偏向電磁石12、軌道補正用電磁石、収束または発散用四極電磁石などの各種の電磁石を備えており、高周波加速空洞11が形成する加速電界を繰り返し受ける。粒子線は高周波加速空洞11の加速電界によって繰り返し加速され、その運動エネルギーが加速と共に高くなる。運動エネルギーが高くなるにつれ、粒子線の偏向などに必要な磁場強度が変化するため、加速器10を構成する各種の電磁石や高周波加速空洞11に加速電界を与えるための高周波源などは時間によって運転パラメータを変化させて運転、すなわちパターン運転させる必要がある。これらパターン運転させる機器を加速機器群1と称することにする。
加速器10中の粒子線が設定エネルギーにまで到達し、粒子線の取り出しが可能となったタイミングで、加速機器群1を出射運転パターンで運転することにより、出射用電極2aによって粒子線は出射軌道へと導かれる。出射軌道の粒子線は出射用電磁石2bで偏向され、加速器外の粒子線輸送部20へと送り出される。ここで、出射させる粒子線を出射軌道に導く出射用電極2aおよび出射軌道から粒子線輸送部20に向けて偏向させる出射用電磁石2bを出射機器と称することにする。この出射機器と粒子線輸送部20の各機器を含めて出射機器群2とする。これらの出射機器群2は、加速機器群1の各機器とは異なり、パターン運転するのではなく、出射させる粒子線のエネルギーに対応した設定値に設定される。加速機器群1の運転パターンや出射機器群2の設定値などのデータは、例えば粒子線のエネルギーに対応させて機器設定値メモリ7に格納されている。機器制御器4が、スキャニング計算機3と協働し、機器設定値メモリ7に格納されているデータを用いて加速機器群1の運転や出射機器群2の設定などを制御する。
粒子線輸送部20に導かれた粒子線は、偏向電磁石22などにより治療室の粒子線照射装置50へ誘導される。粒子線輸送部20が回転ガントリーを有する場合、回転ガントリーが所定の角度に設定され、粒子線が輸送される。粒子線輸送部20の偏向電磁石22などの各機器は、粒子線のエネルギーによって粒子線が輸送できるように、出射機器と同様、設定エネルギーに対応した設定にする必要がある。したがって前述のように粒子線輸送部20の各機器も含めて出射機器群2とする。粒子線照射装置50は、本願発明に関連する機器として粒子線の線量を計測する線量モニタ5を備えている。粒子線照射装置50は、スキャニング照射法の場合、走査器51を備えている。さらに、散乱体、リッジフィルタ、多葉コリメータ、ボーラスなどを備えることもある。粒子線照射装置50に輸送された粒子線は、粒子線照射装置50に備えられた各機器の作用による粒子線の進行軸に垂直な方向への走査、散乱、運動量の分散、コリメーション、補償などのプロセスを経て、患者台に固定された患者60の患部形状と一致する様に照射され、患者への線量投与に至る。患者へ投与される粒子線の量は線量モニタ5によって測定、測定値をスキャニング計算機3で処理し、投与線量が規定の線量値に到達するまで粒子線照射が行われる。
ここで、スキャニング照射法の動作を図2により簡単に説明する。図2において、粒子線照射装置50に備えられて、粒子線を偏向して走査する走査器51により粒子線を照射対象である患者の患部61に照射する。走査器51は粒子線を進行方向Zに垂直な2方向であるXYの2次元に走査できるように構成されている。深さ方向の照射位置は、粒子線のエネルギーによって決まる。よって、あるエネルギーの粒子線を走査器51により走査して照射することにより、そのエネルギーに対応した深さの患部の層状の位置に線量分布を形成することができる。照射対象の層状に線量分布が形成される部分を、ここではスライスと称する。図2においてスライスのイメージをスライスNO.1、スライスNO.2、スライスNO.3として示している。各スライスにおいて、走査器51により粒子線を移動と停留を繰り返しながら、各停留ごとに、線量モニタ5で計測される線量が、治療計画で決定したその照射位置における線量に達したら、粒子線を次の照射位置に移動させる。当該スライスの全ての照射位置に計画された線量を照射した後、次のスライスに対応したエネルギーの照射条件で同様の照射を行う。全てのスライスを照射することにより、患部61に治療計画で計画した線量分布を与えることができる。
以上の照射法は、スポットスキャニング照射法などと呼ばれている。本発明は、スポットスキャニング照射法のみならず、粒子線を停留させずに走査して照射するラスタースキャニング照射法あるいはラインスキャニング照射法と呼ばれている照射法や、例えば各スライスにおいて粒子線をワブラー電磁石によりXY2次元を回転移動させながら照射する積層原体照射法あるいはレイヤースキャニング照射法と呼ばれている照射法などにも適用できる。すなわち、本発明は、粒子線の設定エネルギーに対応した深さの患部の層状の照射部分であるスライス(レイヤーと呼ばれる場合もある)に線量分布を形成し、当該スライスにおける照射線量が計画線量に達したら、粒子線の設定エネルギーを次の設定エネルギーに変えて、次のスライスを照射する照射方法全般に適用できる。
次に、加速機器群1および出射機器群2の動作を、図3を用いて説明する。図3(a)は、加速機器群1の運転パターンのイメージを示す線図である。加速器10の動作の期間として、大きく、入射された粒子線を加速する加速運転をする加速運転期間A、加速された荷電粒子が設定エネルギーに達し出射可能な出射可期間B、出射可期間Bが終了し加速器中の粒子線を減速させる減速運転をする減速運転期間Cがある。加速器10の加速運転から減速運転までの運転を運転サイクルと呼ぶことにする。出射可期間Bには図3(b)に示すように、例えばスキャニング計算機3から出射可信号が出力される。出射可信号が出力されている間に、出射機器群2の設定が当該設定エネルギーの粒子線を出射できる設定になっているとき、加速機器群1を、出射運転パターンに従って出射運転させることで、出射機器群2の作用により粒子線が粒子線輸送部20に出射される。この出射される粒子線の出力強度を図3(c)の出射スピルとして示している。出射中に、当該設定エネルギーに対応するスライスの全ての照射位置において、線量モニタ5によって測定された線量が満了した場合、例えばスキャニング計算機3から線量満了信号を出力し、加速機器群1の出射運転を終了させる。出射させる期間を図3(c)においてB1で示しており、この間、加速機器群1を出射運転パターンに従って出射運転させることになる。出射が終了すると、図3(d)に示すように、出射機器群2の設定値を、次の設定エネルギーに対応した設定値に向けて設定する。出射機器群2の機器は、例えば電磁石を励磁する電磁石電源のように、設定値に設定が完了するまでに時間を要する。
スキャニング照射法など、スライスを順次照射する照射法においては、図3で示した加速器の運転サイクルの設定エネルギーを、各スライスにおける照射線量が満了するごとに順次変更して運転する。図2に示すスライスNO.1から順番に各スライスを照射する様子を図4に示す。まず時刻t0でマスタークロックが発生すると、機器制御器4は、加速機器群1の準備状態を示す図4(g)の加速機器群準備状態信号を確認してONの場合、加速機器群1に対して、スライスNO.1を照射するための粒子線の設定エネルギーに対応した運転パターンで運転するよう指示を出力する。設定エネルギーに到達後、時刻t1で出射可能となり、図4(h)で示す出射可信号がONとなる。時刻t1で、出射機器群の設定が完了している場合ONに設定される信号である出射機器群設定状態信号(図4(d))がONであれば、加速機器群1が出射運転パターンに従って出射運転するよう機器制御器4が指令を出力する。加速機器群1が出射運転する間、出射機器群2の設定は、このときの設定エネルギーの粒子線を出射軌道から粒子線輸送部20へ出射できる設定となっているため、粒子線は出射軌道から粒子線輸送部20へ出射され、図4(e)に示す時刻t1〜t2の間のような出射スピルで出射される。
時刻t2でスライスNO.1における照射線量が満了に達し、例えばスキャニング計算機3から機器制御器4に線量満了信号が出力され、加速機器群1の出射運転を終了する。これとともに、次のスライスNO.2を照射するための粒子線のエネルギーに対応した設定に向けて、出射機器群2の設定を開始する。出射機器群2の設定を開始すると、出射機器群設定状態信号は出射機器群2の設定が完了する時刻t4までOFFとなる。出射機器群2の設定が完了した時刻t4に出射機器群設定状態信号はONとなる。
時刻t4より前の時刻t3にマスタークロックが発生すると、機器制御器4は加速機器群1の準備状態を示す図4(g)の加速機器群準備状態信号を確認し、ONの場合、加速機器群1に対して、次の運転サイクルにおいて、次のスライスNO.2を照射するための粒子線の設定エネルギーに対応した運転パターンで運転するように指示を出力する。設定エネルギーに到達後、時刻t5で出射可能となり出射可信号がONとなる。時刻t5で、機器制御器4は出射機器群設定状態信号を確認し、ONであるので、加速機器群1が出射運転パターンに従って運転するよう指令を出す。加速機器群1が出射運転する間、出射機器群2の設定は、このときの設定エネルギーの粒子線を出射軌道から粒子線輸送部20へ出射できる設定となっているため、粒子線は出射軌道から粒子線輸送部20へ、図4(e)に示す時刻t5〜t6の間のような出射スピルで出射される。ここでは、出射可の間、粒子線を出射し続け、スライスNO.2の領域を照射しても、線量満了まで照射できなかった。加速器10はそのまま減速運転に入り、その運転サイクルの運転を終了する。線量満了まで達しなかったため、さらにスライスNO.2を照射するためのエネルギーの粒子線を照射する必要がある。よって、出射機器群2の設定は変更しない。また、出射機器群設定状態信号もONのままである。
次に時刻t7でマスタークロックが発生すると、加速機器群準備状態信号がONの場合、加速機器群1に対して、次の運転サイクルにおいて、引き続きスライスNO.2を照射するための粒子線の設定エネルギーに対応した運転パターンで運転するように機器制御器4が指示を出力する。加速機器群1によってその運転サイクルの運転が開始され、設定エネルギーに到達後、時刻t8で出射可能となり出射可信号がONとなる。時刻t8で、機器制御器4は出射機器群設定状態信号を確認し、ONであるので、加速機器群1が出射運転パターンに従って出射運転するよう指令する。加速機器群1が出射運転する間、出射機器群2の設定は、このときの設定エネルギーの粒子線を出射軌道から粒子線輸送部20へ出射できる設定となっているため、粒子線は出射軌道から粒子線輸送部20へ、図4(e)に示す時刻t8〜t9の間のような出射スピルで出射される。時刻t9でスライスNO.2における照射線量が満了に達し、線量満了信号が受信され、加速機器群1の出射運転を終了する。これとともに、次のスライスNO.3を照射するための粒子線のエネルギーに対応した設定に向けて、出射機器群2の設定を開始する。出射機器群2の設定を開始すると、出射機器群設定状態信号は出射機器群2の設定が完了する時刻t11までOFFとなる。時刻t11に出射機器群設定状態信号はONとなる。
時刻t10にマスタークロックが発生すると、加速機器群準備状態信号がONの場合、加速機器群1に対して、次のスライスNO.3を照射するための粒子線の設定エネルギーに対応した運転パターンで運転するように機器制御器4が指令を出力する。設定エネルギーに到達後、時刻t12で出射可能となり出射可信号がONとなる。時刻t12で、機器制御器4は出射機器群設定状態信号を確認し、ONであるので、加速機器群1が出射運転パターンに従って出射運転するよう指令を出す。加速機器群1が出射運転する間、出射機器群2の設定は、このときの設定エネルギーの粒子線を出射軌道から粒子線輸送部20へ出射できる設定となっているため、粒子線は出射軌道から粒子線輸送部20へ、図4(e)の時刻t12〜t13の間のような出射スピルで出射される。時刻t13でスライスNO.3における照射線量が満了に達し、線量満了信号が受信され、加速機器群1の出射運転を終了する。これとともに、次のスライスNO.4を照射するための粒子線のエネルギーに対応した設定に向けて、出射機器群2の設定を開始する。出射機器群2の設定を開始すると、出射機器群設定状態信号は出射機器群2の設定が完了する時刻までOFFとなる。
以上のような運転を繰り返して、全てのスライスに対応した粒子線の各設定エネルギーでの照射を、各スライスの照射線量満了まで行うことで、患部の全領域の照射を完了できる。なお、マスタークロックが発生した時点、例えば時刻t3において、加速機器群1の準備が完了せず、加速機器群準備状態信号がOFFの場合、次のマスタークロック発生時点であるt7まで加速機器群1の運転は止まることになる。また、出射可信号がONになった時点で、出射機器群2の設定が完了しておらず、出射機器群設定状態信号がOFFの状態である時は、加速機器群1の出射運転は行わない。従ってその場合は加速器10から粒子線は出射させないことになる。
以上のように、本発明の実施の形態1による粒子線治療装置の加速器においては、加速機器群1の設定エネルギーに向けての運転開始は、マスタークロック発生時点で加速機器群1の準備が完了しているかどうかで判断し、出射可になった時点で、出射機器群2の設定が完了しているかどうかで、粒子線を加速器から出射させるかどうかを判断するという、2段階で判断するようにした。この判断を、全てマスタークロック発生時点で行うと、出射機器群2の設定が、マスタークロック発生時点で完了していなければ、出射可時点で完了していても出射させないことになり、運転サイクル1回分、無駄時間が発生する。
図5に、比較例として無駄時間が発生する動作を示す。スライスNO.1の照射が線量満了信号により時刻t2で終了した後、出射機器群2を、次のスライスNO.2の粒子線の設定エネルギーに対応した設定値に設定開始する。設定が完了する前の時刻t3にマスタークロックが発生すると、この時点で、加速機器群1の準備状態と出射機器群2の設定状態を判定する。出射機器群2の設定が完了していないため、加速可信号がOFFとなり、次のマスタークロック発生時点である時刻t7まで、加速器10は加速運転を行わない、あるいは加速動作を行っても、この運転サイクルでは出射を行わないことになる。このように、加速機器群1の準備状態および出射機器群2の設定状態をマスタークロック発生時点のみで判定すると、この時点で出射機器群2の設定が完了していない場合、運転サイクル1回分、無駄時間が発生する。これに対して、図4で説明した本発明の実施の形態1による粒子線治療装置では、無駄時間の発生が低減される。ひいては、治療時間が短縮されることになる。
以上の本発明による粒子線治療装置の運転を行うための動作、特に機器制御器4の動作の例を中心により具体的に説明する。各機器の運転パラメータなどが、例えばスライス毎に機器設定値メモリ7に格納されている。機器設定値メモリ7に格納されているデータの例を図6に示す。格納されるデータとしては、スライス毎に、エネルギー、加速機器群1の各機器のパターン運転の運転パラメータ、出射機器群2の各機器の設定値、そのスライスにおける各照射位置の線量などである。スライスNO.1は、例えば図2の最下層のスライスであり、このスライスNO.1を照射するための運転パラメータなどが、図の最上段に例示されている。スライスNO.1を照射する粒子線のエネルギーが233MeVであり、このエネルギーの粒子線を加速器で加速するための加速機器群1の各機器A1
2、A3……の運転パラメータをA11、A21、A31……、このエネルギーの粒子線を
出射、輸送するための出射機器群の各機器B1、B2、B3……の設定値をB11、B21、
31……として示している。加速機器群1の各機器の運転パラメータは、加速器の加速
運転から減速運転までの運転パターンに応じたパターンのデータとなっている。また出射機器群2の各機器の設定値のデータとしては、出射用電極2aの電圧設定値、出射用電磁石2bの励磁電流値、粒子線輸送部20の偏向電磁石22の励磁電流値などになっている。
次に、機器制御器4が加速機器群1および出射機器群2にどのようにして指示するかを説明する。図7は、主にスキャニング計算機3および機器制御器4の間の信号の流れを含むブロック図であり、図8は機器制御器4が備えるメモリを示すブロック図である。図8に示すように、機器制御器4は、加速機器群1の運転メモリとして、加速機器群第一運転メモリ41と加速機器群第二運転メモリ42の二つの運転メモリ、および出射機器群の設定値メモリとして、出射機器群設定値スタンバイメモリ43を備えている。加速機器群第一運転メモリ41と加速機器群第二運転メモリ42は、一方が現在の運転サイクルの加速機器群1の運転パラメータを格納、すなわち現在運転メモリとなり、他方が次の運転サイクルの加速機器群1の運転パラメータを格納、すなわち次運転メモリとなるように動作させる。なお、加速機器群の準備状態を示す加速機器群準備状態信号および出射機器群の設定完了状態を示す出射機器群設定状態信号は、機器制御器4自身が発生しても良く、スキャニング計算機3が発生しても良い。これらの信号は、機器制御器4が確認できるようになっていればどの部分で発生するようにしても良い。
以下図4に示したのと同じ動作で、スライスNO.1から照射を始める場合を具体的に説明する。初期値として、加速機器群第一運転メモリ41および加速機器群第二運転メモリ42にはスライスNO.1の運転パラメータであるA1、A1、A1……を格納しておく。一方、出射機器群2は各機器の初期設定としてB1、B1、B1……に設定されている。また出射機器群設定値スタンバイメモリ43には、次のスライスNO.2に対応した各設定値B2、B2、B2……を格納しておく。マスタークロック発生器6からマスタークロックが出力され、マスタークロック割り込みが発生する。マスタークロック割り込みが発生した時刻t0で、加速機器群第一運転メモリ41に格納されている運転パラメータで加速機器群1の運転を開始する。すなわち、この時点では、加速機器群第一運転メモリ41が現在運転メモリとなり、加速機器群第二運転メモリ42が次運転メモリとなっている。
加速器内の粒子線のエネルギーが設定エネルギーに達し、出射準備ができた時刻t1でスキャニング計算機3から出射可信号ONが出力され、この時点で、機器制御器4が出射機器群設定状態信号を確認し、この信号がONとなっているため、加速機器群1を出射運転パターンに従って出射運転させる。この出射運転と出射機器群2の作用により設定エネルギーの粒子線が粒子線輸送部20から粒子線照射装置50に輸送され患者の患部のスライスNO.1の層部分に照射される。スライスNO.1の照射線量が満了するとスキャニング計算機3から線量満了信号が出力されて線量満了信号による割り込みが発生する。線量満了信号による割り込みが発生した時刻t2において、加速機器群1が出射運転動作を止めるよう機器制御器4が指令を出す。機器制御器4は、これと同時に、出射機器群設定値スタンバイメモリ43に格納されている設定値を出射機器群2に送り、出射機器群2のスライスNO.2に対応した設定を開始する。また、機器設定値メモリ7からその次に照射するスライスNO.3の出射機器群2の設定値データを取得して、出射機器群設定値スタンバイメモリ43のデータを更新する。さらにこれと同時に出射機器群設定状態信号をOFFに設定する。出射機器群2の設定が完了した時刻t4に出射機器群設定状態信号はONに設定する。また、線量満了信号による割り込みが発生した時刻tにおいて、加速機器群第二運転メモリ42に次のスライスNO.2の運転パラメータであるA12、A22、A32……を格納する。この時点で、次運転メモリには次のスライスNO.2に対応したエネルギーの運転パラメータが格納されていることになる。
次にマスタークロック割り込みが発生した時刻t3で、機器制御器4は、加速機器群準備状態信号がONであるかどうかを確認し、ONであるので、加速機器群第二運転メモリ42、すなわち次運転メモリに格納されているスライスNO.2の運転パラメータで加速機器群1の運転を開始させる。同時に、加速機器群第一運転メモリ41には、加速機器群第二運転メモリ42に格納されているのと同じスライスNO.2の運転パラメータを格納する。この時点で、加速機器群第二運転メモリ42が現在運転メモリとなり、加速機器群第一運転メモリ41が次運転メモリとなる。
この運転サイクルにおいては、出射可信号がONの時刻t5からt6の間粒子線を出射させ、患部のスライスNO.2の領域に照射をしたが、計画された線量まで満了しなかったため線量満了信号による割り込みが発生しなかった。このため、出射機器群2の設定値は変更させずに運転サイクルを終了する。すなわち、加速器の運転が減速運転まで終了して、時刻t7で次のマスタークロック割り込みが発生する。機器制御器4は、この時刻t7で、加速機器群準備状態信号を確認し、ONであるので、加速機器群第一運転メモリ41、すなわち次運転メモリに格納されているスライスNO.2の運転パラメータで加速機器群1の運転を開始させる。マスタークロック割り込みが発生した時刻t7で次運転メモリであった加速機器群第一運転メモリ41が現在運転メモリとなり、これまでの現在運転メモリであった加速機器群第二運転メモリ42が次運転メモリとなる。次運転メモリとなった加速機器群第二運転メモリ42のデータを、現在運転メモリとなった加速機器群第一運転メモリ41のデータに合わせる。この場合は、加速機器群第二運転メモリ42に格納されているデータはスライスNO.2のデータであるため、変化させなくても加速機器群第一運転メモリ41に格納されているのと同じ運転パターンデータが格納されていることになる。
加速器内の粒子線のエネルギーが設定エネルギーに達し、出射準備ができた時刻t8で出射可信号がONに設定され、この時点で、機器制御器4が出射機器群設定状態信号を確認する。機器制御器4は、出射機器群設定状態信号がONとなっているため、加速機器群1を出射運転パターンに従って出射運転さる。出射機器群2の作用により設定エネルギーの粒子線が出射され、引き続き患者の患部のスライスNO.2の層部分に照射される。スライスNO.2の照射線量が満了するとスキャニング計算機3から線量満了信号が出力されて線量満了信号による割り込みが発生する。機器制御器4は、線量満了信号による割り込みが発生した時刻t9において、加速機器群1が出射運転動作を止めるよう指示する。機器制御器4は、これと同時に、出射機器群設定値スタンバイメモリ43に格納されている設定値を出射機器群2に送り、出射機器群2のスライスNO.3に対応した設定を開始する。さらにこれと同時に出射機器群設定状態信号をOFFに設定する。出射機器群2の設定が完了した時刻t11に出射機器群設定状態信号はONに設定する。また、線量満了信号による割り込みが発生した時刻t9において、加速機器群第二運転メモリ42に次のスライスNO.4の加速機器群1の運転パラメータを格納する。加速機器群第二運転メモリ42へのデータの格納が完了した時点で、準備完了をスキャニング計算機3に連絡する。この時点で、次運転メモリには次のスライスNO.4に対応したエネルギーの運転パラメータが格納されていることになる。
以上のような運転を順次実行し、全てのスライスを照射することにより、患部61に治療計画で計画した線量分布を与えることができる。
以上の機器制御器4のシーケンスをまとめると、マスタークロック割り込みが発生した時点で、それまで加速機器群の次運転メモリであった運転メモリを現在運転メモリに役割を交代させ、この運転メモリに格納されている運転パターンデータにより加速機器群のパターン運転を開始させる。それとともに、次運転メモリとなった運転メモリのデータを現在運転メモリとなった運転メモリのデータと同じにする。すなわち、マスタークロック割り込みが発生する前、加速機器群第一運転メモリ41が現在運転メモリ、加速機器群第二運転メモリ42が次運転メモリであった場合は、マスタークロック割り込み発生後は加速機器群第二運転メモリが現在運転メモリ、加速機器群第一運転メモリ41が次運転メモリとなり、現在運転メモリに格納されている運転パターンデータに従って加速機器群1を運転する。この時点で次運転メモリである加速機器群第一運転メモリ41の格納データは現在運転メモリである加速機器群第二運転メモリ42の格納データと同じにする。出射機器群2は、マスタークロック割り込みが発生した時点では設定変更しない。
次に、加速器内の粒子線のエネルギーが設定エネルギーに達し、出射準備ができた時点で出射可信号がONに設定され、この時点で、機器制御器4が出射機器群設定状態信号を確認する。出射機器群設定状態信号がONとなっているとき、加速機器群1を出射運転パターンに従って運転させることにより出射機器群2の作用によって設定エネルギーの粒子線が粒子線輸送部20から粒子線照射装置50に輸送され、設定エネルギーに対応した患者の患部のスライスの層部分に照射される。照射中に照射線量が当該スライスの計画線量に達したら、スキャニング計算機3から線量満了信号が出力される。もし、この運転サイクル中に当該スライスの計画線量に達しなかったら、その運転サイクルは終了し、次のマスタークロックの発生を待つ。
もし出射可信号がONに設定された時点で出射機器群設定状態信号がOFFの場合は、加速機器群1を出射運転パターン運転させず、減速運転までパターン運転を継続し、その運転サイクルを終了する。
線量満了信号による割り込みが発生した場合、加速機器群1が出射運転動作を止めるよう機器制御器4が指令を出す。機器制御器4は、これと同時に、出射機器群設定値スタンバイメモリ43に格納されている設定値を出射機器群2に送り、次に照射するスライスに対応した設定エネルギーの粒子線を出射するための出射機器群2の設定を開始する。また、機器設定値メモリ7からその次に照射するスライスの出射機器群2の設定値データを取得して、出射機器群設定値スタンバイメモリ43のデータを更新する。さらにこれと同時に出射機器群設定状態信号をOFFに設定する。出射機器群設定状態信号は、出射機器群2の設定が完了した時刻にONに設定する。線量満了信号による割り込みが発生した場合、また、機器設定値メモリ7から次のスライスの加速機器群の運転パターンデータを取得して加速機器群第一運転メモリまたは加速機器群第二運転メモリのうち次運転メモリに設定されている運転メモリに格納する。この時点では、加速器の当該運転サイクルの運転は終了していないため、加速機器群1は現在運転メモリの運転パラメータでパターン運転を継続することになる。
以上のように動作させることで、前のスライスの照射が線量満了信号により完了した後出射機器群の各機器の設定を開始し、加速器が次のスライスの照射のための粒子線の設定エネルギーに達するまでの間に設定が完了すれば良く、設定に時間を要する出射機器群の機器の設定時間を長く確保できる。
なお、以上のメモリの構成などは一例であり、機器制御器4が、設定エネルギーに対応した加速機器群1の運転パターンのデータおよび出射機器群2の設定値データを所定の時点で取得できる構成であれば、どのような構成でも良い。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2による粒子線治療装置の動作を示すタイムチャートである。実施の形態1による粒子線治療装置では、加速器内の粒子線のエネルギーが設定エネルギーに達し、出射準備ができた時点で出射可信号がONに設定され、この時点で、機器制御器4が出射機器群設定状態信号を参照し、この信号がONとなっているとき、加速機器群1を出射運転パターンに従って運転させ、出射機器群2の作用により設定エネルギーの粒子線を出射させるようにした。本実施の形態2による粒子線治療装置では、出射可信号がオンになった時点では出射機器群の設定が完了していなくても、出射可信号がオンの間に出射機器群の設定が完了すると、粒子線を出射させるようにする。
図9の時刻t9までは、図4と同じ動作であるので説明を省略する。時刻t9でスライスNO.2における照射線量が満了に達し、線量満了信号が受信され、加速機器群1の出射運転を終了する。これとともに、次のスライスNO.3を照射するための粒子線のエネルギーに対応した設定に向けて、出射機器群2の設定を開始する。出射機器群2の設定を開始すると、出射機器群設定状態信号は出射機器群2の設定が完了する時刻t12までOFFとなり、時刻t12でONとなる。
時刻t10にマスタークロックが発生すると、加速機器群準備状態信号がONの場合、加速機器群1に対して、次のスライスNO.3を照射するための粒子線の設定エネルギーに対応した運転パターンで運転するように機器制御器4が指令を出力する。設定エネルギーに到達後、時刻t11で出射可能となり出射可信号がONとなる。しかし、時刻t11の時点では出射機器群設定状態信号がOFFであるので、加速器から粒子線を出射させることができない。このため、出射機器群設定状態信号がONになるのを待って、ONになった時点で、加速機器群1に対し出射運転パターンで運転するように指令を出し、加速機器群1が出射運転パターンに従って出射運転する。出射運転の間、出射機器群2の設定は、このときの設定エネルギーの粒子線を出射軌道から粒子線輸送部20へ出射できる設定となっているため、粒子線は出射軌道から粒子線輸送部20へ、図9(e)の時刻t12〜t13の間のような出射スピルで出射される。時刻t13でスライスNO.3における照射線量が満了に達し、線量満了信号が受信され、加速機器群1の出射運転パターンを終了する。これとともに、次のスライスNO.4を照射するための粒子線のエネルギーに対応した設定に向けて、出射機器群2の設定を開始する。出射機器群2の設定を開始すると、出射機器群設定状態信号は出射機器群2の設定が完了する時刻までOFFとなる。
以上のように、出射可信号がONになった時点では出射機器群2の設定が完了していなくても、出射可信号がONの間に出射機器群2の設定が完了した場合、それ以後、出射可信号がONの間、粒子線を加速器から出射させるようにしてもよい。
本実施の形態2による粒子線治療装置の動作によれば、出射機器群の各機器の設定時間が実施の形態1よりもさらに長く確保できることになる。
1 加速機器群、2 出射機器群、3 スキャニング計算機、
4 機器制御器、5 線量モニタ、6 マスタークロック発生器、
7 機器設定値メモリ、10 加速器、20 粒子線輸送部、
50 粒子線照射装置、51 走査器、61 照射対象(患者の患部)

Claims (2)

  1. 入射された粒子線を周回軌道に沿って周回させながら加速して設定エネルギーの粒子線を得る運転サイクルとして、加速運転から出射運転を経て減速運転までの運転パターンで運転する加速機器群と、前記加速機器群が前記出射運転しているときに前記設定エネルギーの粒子線を出射軌道に導き出射させる出射機器とを備えた加速器と、
    前記加速器から出射された前記粒子線を輸送する粒子線輸送部と、
    前記加速機器群の各機器と、前記出射機器と前記粒子線輸送部の機器とを含む出射機器群の各機器を制御する機器制御器と、
    前記加速器の運転開始時点を与えるマスタークロックを発生するマスタークロック発生器と、
    照射対象に照射する粒子線の線量を測定する線量モニタを備え、前記粒子線輸送部により輸送された前記粒子線を前記照射対象に照射する粒子線照射装置と、
    を備えた粒子線治療装置において、
    前記機器制御器は、前記マスタークロックを受信した時点で前記加速機器群の運転準備が完了していることを確認して、前記設定エネルギーに対応した前記運転パターンで運転するように指令を出力し、前記粒子線が設定エネルギーに達したことを示す信号である出射可信号がオンになり、前記出射機器群の前記設定エネルギーに対する設定が完了していることを示す信号である出射機器群設定状態信号がオンのときに、前記加速機器群に対し前記出射運転するように指令を出力することを特徴とする粒子線治療装置。
  2. 前記粒子線照射装置により前記粒子線を前記照射対象に照射することにより前記粒子線のエネルギーに対応した前記照射対象の深さ位置の層状の照射部分であるスライスに線量分布を形成し、前記線量モニタにより測定された、一つの前記スライスに対する照射線量が計画された線量に達した時点で前記機器制御器に対して線量満了信号を出力するスキャニング計算機を備え、
    前記機器制御器は、前記線量満了信号を受信した時点で、前記加速機器群に対して前記出射運転を止める指令を出力するとともに、前記出射機器群に対して、次に照射するスライスに線量分布を形成するエネルギーを前記設定エネルギーとして前記粒子線を出射させるための設定値に設定する指令を出力し、前記線量満了信号を受信した後にマスタークロックを受信した時点で、前記加速機器群の前記運転パターンを、次に照射するスライスに線量分布を形成するエネルギーを前記設定エネルギーとした前記粒子線を得る運転パターンに設定して前記加速機器群を運転することにより、前記粒子線の前記設定エネルギーを順次変更して、順次前記照射対象の異なる深さに前記スライスを形成することを特徴とする請求項1に記載の粒子線治療装置。
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