以下に添付図面を参照して、本発明にかかるぱちんこ遊技機の好適な実施の形態を詳細に説明する。以下に示す実施の形態は、本発明にかかるぱちんこ遊技機を、旧第一種に属するぱちんこ遊技機(いわゆる「デジパチ」)に適用した例である。
(ぱちんこ遊技機の基本構成)
まず、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の基本構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態にかかるぱちんこ遊技機の一例を示す説明図である。図1に示すように、本実施の形態のぱちんこ遊技機100は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の下部位置には、発射部(図3中符号392参照)が配置されている。
発射部の駆動によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。また、遊技領域103において遊技球の落下途中となる位置には、遊技球の落下方向を変化させる風車や各種入賞口(始動口や大入賞口など)が配設されている。
遊技盤101の略中央部分には、画像表示部104が配置されている。画像表示部104としては液晶表示器(LCD:Liquid Crystal Display)などが用いられる。画像表示部104の下方には、第1始動口105と、第2始動口106とが配設されている。第1始動口105、第2始動口106は、始動入賞させるための入賞口である。
第2始動口106の近傍には、普通電動役物(後述する普通図柄抽選の抽選結果に基づき動作する役物)としての電動チューリップ107が設けられている。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口された状態)と、閉状態よりも入賞しやすくさせる開状態(開放された状態)とを有する。これらの状態の制御は、電動チューリップ107が備えるソレノイド(図3中符号331参照)によっておこなわれる。
電動チューリップ107は、画像表示部104の左側に配設されたゲート108を遊技球が通過したことによりおこなわれる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108は、画像表示部104の左側(図示の位置)に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。
第2始動口106の下方には、大入賞口109が設けられている。大入賞口109は、大当たり状態となったときに開放され、遊技球の入賞により所定個数(たとえば15個)の賞球を払い出すための入賞口である。
画像表示部104の側部や下方などには普通入賞口110が配設されている。普通入賞口110は、遊技球の入賞により所定個数(たとえば10個)の賞球を払い出すための入賞口である。普通入賞口110は、図示の位置に限らず、遊技領域103内の任意の位置に配設してよい。遊技領域103の最下部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には、特別図柄が表示される特別図柄表示部112が配置されている。特別図柄表示部112は、第1特別図柄が表示される第1特別図柄表示部(図3中符号112a参照)と、第2特別図柄が表示される第2特別図柄表示部(図3中符号112b参照)とを有する。
ここで、第1特別図柄は、遊技球が第1始動口105へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。第2特別図柄は、遊技球が第2始動口106へ入賞することによりおこなう大当たり抽選の抽選結果をあらわす図柄である。これらの大当たり抽選で大当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は大当たり遊技状態となる。
また、遊技盤101の右下部分には、普通図柄が表示される普通図柄表示部113が配置されている。ここで、普通図柄は、普通図柄抽選の抽選結果をあらわす図柄である。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、ぱちんこ遊技機100は、前述のように、所定期間、電動チューリップ107を開状態とする。特別図柄表示部112や普通図柄表示部113としては、7セグメントディスプレイなどを採用することができる。
特別図柄表示部112および普通図柄表示部113の左側には、特別図柄または普通図柄に対する保留球の数(以下「保留球数」という)を表示する保留球数表示部114が配置されている。たとえば、保留球数表示部114としてはLEDが用いられる。この保留球数表示部114としては、複数のLEDを備えるLED表示器などを採用することができる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材115が設けられている。枠部材115は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材115は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
枠部材115において遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部(枠ランプ)116が設けられている。演出ライト部116は、それぞれ複数のランプとモータ(不図示)とを有する。各ランプは、ぱちんこ遊技機100の正面にいる遊技者を照射する。また、各ランプは、モータの駆動により光の照射方向を上下方向・左右方向に変更することができる。また、各ランプは、ぱちんこ遊技機100の周囲を照射し、その照射位置がぱちんこ遊技機100を基準にして円をなすように、光の照射方向を回転させることもできる。
枠部材115の下部位置には、操作ハンドル117が配置されている。操作ハンドル117は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル117は、上記の枠部材115と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル117は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材118を備えている。発射指示部材118は、操作ハンドル117の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。公知の技術であるため詳細な説明を省略するが、操作ハンドル117には、遊技者が発射指示部材118を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。これにより、発射部は、発射指示部材118が遊技者によって直接操作されているときに遊技球を発射させる。
遊技領域103の下部には、演出ボタン(チャンスボタン)119、カーソルキー120が設けられている。演出ボタン119は、ぱちんこ遊技機100において遊技者からの操作を受け付ける操作受付部を構成している。また、突出部121の下部には、音声を出力するスピーカ(図3中符号354参照)が組み込まれている。
このほか、不図示であるが、遊技盤101の所定位置には、可動役物が配置されることもある。可動役物は、駆動モータなどの駆動部や駆動部によって役物の一部が移動する装飾可動体などを備えている。
(ぱちんこ遊技機の基本動作)
つぎに、本実施の形態のぱちんこ遊技機100の基本動作の一例について説明する。ぱちんこ遊技機100は、遊技球が第1始動口105や第2始動口106へ入賞すると、入賞した始動口に応じた大当たり抽選をおこなう。第1始動口105へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は、第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示する。第2始動口106へ遊技球が入賞して大当たり抽選をおこなうと、ぱちんこ遊技機100は、第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を変動表示する。
上記のように特別図柄表示部112にて特別図柄の変動表示を開始すると、これに合わせて、画像表示部104にて3つの装飾図柄(演出用図柄)の変動表示を開始する。その後、特別図柄の変動表示を開始して所定期間が経過したときには、ぱちんこ遊技機100は、変動表示開始時におこなった大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で、変動表示中の特別図柄を停止表示する。また、これに合わせて、3つの装飾図柄を大当たり抽選の抽選結果を示す組み合わせで停止表示する。たとえば、大当たりを示す組み合わせとしては、3つの装飾図柄が同一図柄を示す組み合わせ、いわゆる「ゾロ目」などがある。
大当たりを示す図柄で特別図柄を停止表示すると、ぱちんこ遊技機100は、遊技状態を大当たり遊技状態として、当選した大当たりに応じたラウンド数分(たとえば15ラウンド)、大入賞口109を開放する。この開放中に、遊技球が大入賞口109へ入賞すると、ぱちんこ遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。
(静電気除去の構成例1)
図2−1は、遊技盤の断面図である。図示のように、遊技盤101は、所定厚の木材からなる基板201上に、絶縁性のケント紙等のベースシート202、導電性を有するアルミ材等を薄厚形成した導電部材203と、透明で裏面(導電部材側)に装飾図柄等が印刷された装飾シート204が順次積層して構成される。
この図2−1には、ゲート108部分を示した。ゲート108は、通過孔108a部分を遊技球が通過する。このゲート108は、導電性のネジ108bを用いて基板201部分までねじ込まれ、遊技盤101に取り付けられる。ゲート108は、メッキ等で導電性の加工が施され、ネジ108bを介して導電部材203に導通接続される。
図2−2は、遊技盤上に設ける導電部材を説明する正面図である。遊技盤101上に設けられる各種部品のうち、遊技球に接触する部品としては、画像表示部104と、ゲート108と、第1始動口105,第2始動口106を備えた電動役物212と、普通入賞口110と、大入賞口109と、回収口111等がある(図中点線で記載)。画像表示部104は、画像の表示面は遊技球と直接接触しないが、画像表示部104を構成するユニットの枠が遊技球と接触する。これらの部品は、いずれも遊技球と接触する部分の全体あるいは一部が導電性を有するよう(たとえばメッキ加工)にされている。
この図2−2には、上記の各種部品を搭載する以前の盤面を示しており、導電部材203を主に記載してある。そして、遊技盤101に設ける導電部材203は、各種部品を互いに導通接続し、かつ、互いを最短距離で接続する形で設けられる。図示の構成例を、遊技盤101の上部位置から説明すると、ゲート108に最も近接する(遊技球に接触する)部品は、画像表示部104である。このため、ゲート108と画像表示部104との間には、これらの間を繋ぐ直線状の導電部材203aを設ける。この導電部材203aにより、ゲート108と、画像表示部104の枠の端部とは互いに導通接続される。画像表示部104の枠には、くさび等の突起を設けるか、あるいは導電性のネジを介して、遊技盤101の最も表面層に設けられている装飾シート204の下層に設けられた導電部材203aに導通接続される。
同様に、画像表示部104とその下部に位置する電動役物212との間には、これらを繋ぐ直線状の導電部材203bを設ける。また、電動役物212とその下部に位置する大入賞口109との間には導電部材203cを設け、大入賞口109と回収口111との間には導電部材203dを設ける。また、直線状に並んだ複数の普通入賞口110間には、それぞれを直線状に繋ぐ導電部材203eを設け、最も下端の普通入賞口110は、大入賞口109に近接しており、これらの間には直線状の導電部材203fを設ける。
上記構成により、複数の各部品は、導電部材203(203a〜203f)を介して互いに導通接続される。この導通接続とはアース接続であり、上記部品のうち、少なくともいずれか一つ、たとえば、画像表示部104を遊技盤101の背面に設けられたアース線等で接地することにより、上記の各部品をいずれもアース接続することができる。これにより、遊技球が接触する各種部品を、遊技球との接触時等に生じる静電気を要因とする突発的な電位変動を防ぎ、損傷や動作不良から保護することができる。
そして、上記の導電部材203(203a〜203f)は、いずれも隣接する部品間を直線状に最短距離で導通接続する構成であるため、アース接続経路を短くでき、アース性能を向上できるとともに、導電部材203cの面積を最小限にできるため、低コスト化できるようになる。
また、図2−2には、遊技盤101上のレール102a,102bは図示していないが、レール102a,102bは、あらかじめアース接続されている。アース接続は、遊技盤101の裏面でアース線を介して電源基板のアース端子に接続する方法が一般的である。したがって、上記の各種部品のうち、レール102a,102bに近接する部品(たとえば普通入賞口110)は、導電部材203を介してレール102a,102bに導通接続する構成としてもよい。
上記の導電部材203としては、導電性の塗料を塗布したり、導電フィルムを用いることができる。また、導電部材203として静電気除去シートを用いることもできる。導電部材203として、静電気除去シートを用いる場合には、遊技盤101全体の大きさの絶縁性のシートを用い、この絶縁性のシート上のうち、上記説明した直線状の導電部材203a〜203fの箇所に導電膜や導電フィルムを設けてなる。静電気除去シートを用いることにより、遊技盤101上に1枚のシートを貼るだけの簡単な作業で遊技球に接する各種部品を静電気の影響から防ぐことができるようになる。この静電気除去シートは、全面に導電膜(あるいは導電フィルム)を形成したものではなく、静電気の除去が必要な各種部品間に最短距離で直線状に形成したものであるから、不要な箇所にまで導電膜を設けておらず、低コスト化できるようになる。
ところで、遊技盤101上には複数の釘が設けられ、遊技球に接するが、これら釘は遊技球との接触面積が少なく、静電気の影響を受けにくいため、上記導電部材(導電膜)を介して放電させる必要はない。ただし、釘が一部密集した領域がある場合には、この領域単位で上記導電部材(導電膜)を介してアース接続させる構成としてもよい。
(ぱちんこ遊技機の内部構成)
つぎに、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機100の内部構成について説明する。図3は、本発明にかかる実施の形態のぱちんこ遊技機の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、ぱちんこ遊技機100の制御部300は、ぱちんこ遊技機100における遊技の進行を制御する主制御部301と、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の演出内容を制御する演出制御部302と、ぱちんこ遊技機100がおこなう賞球の払い出しを制御する賞球制御部303とを備えている。以下にそれぞれの制御部について詳細に説明する。
(1.主制御部)
主制御部301は、CPU(Central Processing Unit)311と、ROM(Read Only Memory)312と、RAM(Random Access Memory)313と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU311は、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行に関する各種プログラムを実行する。ROM312には、CPU311が上記の処理を実行するために必要となる各種プログラムや当該プログラム実行時に用いる各種テーブルなどが記憶されている。RAM313は、CPU311のワークエリアとして機能する。なお、CPU311が上記のプログラムを実行することによりRAM313に設定されたデータは、所定のタイミングで主制御部301に接続された各構成に対して送信される。
すなわち、主制御部301は、CPU311がRAM313をワークエリアとして使用しながら、ROM312に記憶された各種プログラムを実行することによって、ぱちんこ遊技機100の遊技の進行を制御するように機能する。たとえば、主制御部301は、主制御基板(公知の技術のため詳細な説明は省略する)によって実現される。
主制御部301には、遊技球を検出する検出手段として機能する各種スイッチ(SW)、大入賞口109などの電動役物を開閉動作させるためのソレノイド、上記の第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113、保留球数表示部114などが接続される。
具体的に、上記の各種SWとしては、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW321と、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW322と、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW323と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW324と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW325とが主制御部301に接続される。
それぞれのSW(321〜325)による検出結果は主制御部301へ入力される。これらのSWには、近接スイッチなどを用いることができる。なお、普通入賞口SW325は、普通入賞口110の配置位置別に複数個設けてもよい。
また、上記のソレノイドとしては、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド331と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド332とが主制御部301に接続される。主制御部301は、それぞれのソレノイド(331,332)に対する駆動を制御する。たとえば、主制御部301は、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて電動チューリップソレノイド331の駆動を、大当たり抽選の抽選結果に基づいて大入賞口ソレノイド332の駆動を、それぞれ制御する。
また、主制御部301は、大当たり抽選(第1大当たり抽選、第2大当たり抽選)、普通図柄抽選の抽選結果に基づいて、第1特別図柄表示部112a、第2特別図柄表示部112b、普通図柄表示部113の表示内容を制御する。たとえば、主制御部301は、第1大当たり抽選をおこなうと第1特別図柄表示部112aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、所定期間経過後に、第1大当たり抽選の抽選結果を示す図柄にて第1特別図柄を停止表示させる。
同様に、主制御部301は、第2大当たり抽選をおこなうと第2特別図柄表示部112bの第2特別図柄を、普通図柄抽選をおこなうと普通図柄表示部113の普通図柄を、変動/停止表示させる。
さらに、主制御部301は、演出制御部302および賞球制御部303にも接続され、それぞれに対して各種コマンドを送信する。たとえば、主制御部301は、大当たり抽選をおこなうと、演出制御部302に対して変動開始コマンドを送信する。ここで、変動開始コマンドには、大当たり抽選の抽選結果(停止表示させる特別図柄の種類)、現在の遊技状態、大当たり抽選の抽選結果を示すまでに特別図柄を変動表示させる時間(以下「変動時間」という)などを示す情報が含まれている。
また、主制御部301は、各入賞口(始動口105,106、大入賞口109、普通入賞口110)へ入賞した遊技球を検出すると、賞球制御部303に対して賞球コマンドを送信する。ここで、賞球コマンドには、払い出させる賞球の個数などを示す情報が含まれている。
(2.演出制御部)
演出制御部302は、演出統括部302aと、画像・音声制御部302bと、ランプ制御部302cとによって構成され、ぱちんこ遊技機100がおこなう演出の演出内容を制御する機能を有する。ここで、演出統括部302aは、主制御部301から受信したコマンド(たとえば変動開始コマンド)に基づいて演出制御部302全体を統括する機能を有している。画像・音声制御部302bは、演出統括部302aからの指示に基づき、画像および音声の制御をおこなう機能を有している。ランプ制御部302cは、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する機能を有している。
(2−1.演出統括部)
まず、演出統括部302aの構成について説明する。演出統括部302aは、CPU341と、ROM342と、RAM343と、リアルタイムクロック(以下「RTC」という)344と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU341は、ぱちんこ遊技機100において演出をおこなう演出制御部302全体を統括するための各種プログラムを実行する。ROM342には、CPU341が上記の処理を実行するために必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM343は、CPU341のワークエリアとして機能する。CPU341がプログラムを実行することによりRAM343にセットされたデータは、所定のタイミングで画像・音声制御部302bおよびランプ制御部302cに対して送信される。
すなわち、演出統括部302aは、CPU341がRAM343をワークエリアとして使用しながら、ROM342に記憶されたプログラムを実行することによって、演出制御部302全体を統括するように機能する。たとえば、演出統括部302aは、変動開始コマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて実行する演出を決定し、画像・音声制御部302b、ランプ制御部302cに所定の処理を実行するように指示出力して、演出制御部302全体を統括する。
RTC344は、実時間を計時出力する計時手段として機能する。RTC344は、ぱちんこ遊技機100の電源が遮断されてもバックアップ電源(不図示)により計時動作を継続する。なお、RTC344は、演出統括部302aなど演出制御部302内に配置する例に限らず、主制御部301内に配置してもよい。また、RTC344は、単独で配置して演出制御部302や主制御部301に対して実時間を計時出力してもよい。また、演出統括部302aには演出ボタン119などが接続されている。演出ボタン119は、操作されたボタンやキーに対応する信号を演出統括部302aへ入力する。
(2−2.画像・音声制御部)
つぎに、画像・音声制御部302bの構成について説明する。画像・音声制御部302bは、CPU351と、ROM352と、RAM353と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。
CPU351は、画像表示部104の表示制御に関する処理や、スピーカ354からの音声出力に関する処理をおこなうためのプログラムを実行する。また、CPU351は、有効期間を設定するためのプログラムを実行する。ROM352には、上記の処理をおこなうためのプログラム、該処理に必要となる背景画像・装飾図柄画像・キャラクタ画像などの画像データなどの演出用データが記憶されている。RAM353は、CPU351のワークエリアとして機能するとともに、画像表示部104に表示させる画像の表示データやスピーカ354から出力させる音声データが一時的に格納される。たとえば、RAM353には、画像表示部104に表示させる画像をあらわす画像データが一時的に格納されるVRAM(Video RAM)などが含まれる。
すなわち、画像・音声制御部302bは、CPU351がRAM353をワークエリアとして使用しながら、ROM352に記憶されたプログラムを実行することによって、演出統括部302aからの指示に基づき、画像表示部104に表示させる画像や、スピーカ354から出力させる音声の制御をおこなうように機能する。
たとえば、CPU351は、演出統括部302aから指示された指示内容に基づいて、画像表示部104に表示する表示内容を制御する表示制御処理(不図示)、スピーカ354から出力される音声内容を制御する音声制御処理(不図示)などを実行する。このときには、CPU351は、処理に必要な画像データおよび音声データをROM352から読み出してRAM353に書き込む。
RAM353に書き込まれた背景画像や装飾図柄などの画像データは、画像・音声制御部302bに接続された画像表示部104に対して出力され、画像表示部104の表示画面上において重畳表示される。すなわち、装飾図柄は、背景画像よりも手前に見えるように表示される。なお、同一位置に背景画像と装飾図柄が重なる場合などには、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像の表示データのZバッファのZ値を参照することで、装飾図柄を優先してRAM353に記憶させる。
また、RAM353に書き込まれた音声データは、画像・音声制御部302bに接続されたスピーカ354に対して出力され、音声データに基づく音声がスピーカ354から出力される。
(2−3.ランプ制御部)
つぎに、ランプ制御部302cの構成について説明する。ランプ制御部302cは、CPU361と、ROM362と、RAM363と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU361は、演出ライト部116や盤ランプ364などのランプの点灯を制御したり、不図示の可動役物の駆動を制御するための処理を実行する。ROM362には、上記の処理を実行するために必要となる各種プログラム、該処理に必要となるデータなどが記憶されている。RAM363は、CPU361のワークエリアとして機能する。
ランプ制御部302cは、演出ライト部(枠ランプ)116、盤ランプ364などに接続され、遊技盤101および枠部材115などに設けられたランプの点灯を制御する。このほか、不図示の可動役物の動作を制御する。
本実施の形態では、演出制御部302は、演出統括部302aと画像・音声制御部302bとランプ制御部302cとがそれぞれ異なる基板機能として設けられるが、これらは同じプリント基板上に組み込んで構成してもよい。ただし、同じプリント基板上に組み込まれた場合であってもそれぞれの機能は独立しているものとする。
(3.賞球制御部)
つぎに、賞球制御部303の構成について説明する。賞球制御部303は、CPU381と、ROM382と、RAM383と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU381は、払い出す賞球を制御する賞球制御処理を実行する。ROM382には、該処理に必要となるプログラムなどが記憶されている。RAM383は、CPU381のワークエリアとして機能する。
また、賞球制御部303は、払出部(払出駆動モータ)391と、発射部392と、定位置検出SW393と、払出球検出SW394と、球有り検出SW395と、満タン検出SW396と接続される。
賞球制御部303は、払出部391に対して入賞時の賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部391は、遊技球の貯留部から所定数を払い出すためのモータからなる。具体的には、賞球制御部303は、払出部391に対して各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。
また、賞球制御部303は、発射部392に対する遊技球の発射の操作を検出して遊技球の発射を制御する。発射部392は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部303は、発射部392のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を送り出す。
また、この賞球制御部303には、払い出す遊技球の状態を検出する各所の検出部が接続され、賞球のための払い出し状態を検出する。これらの検出部としては、定位置検出SW393、払出球検出SW394、球有り検出SW395、満タン検出SW396等がある。たとえば、賞球制御部303は、賞球制御基板によってその機能を実現する。
上記構成の主制御部301と、演出制御部302と、賞球制御部303は、それぞれ異なるプリント基板(主制御基板、演出制御基板、賞球制御基板)に設けられる。これに限らず、たとえば、賞球制御部303は、主制御部301と同一のプリント基板上に設けることもできる。
また、主制御部301には、盤用外部情報端子基板397が接続されており、主制御部301が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。賞球制御部303についても、枠用外部情報端子基板398が接続されており、賞球制御部303が実行処理した各種情報を外部に出力することができる。
図示しないが、電源ユニットは、上記主制御部301と、演出制御部302と、賞球制御部303の各制御基板に対して動作用の電源を供給する。この電源ユニットは、接地電位を有しており、上記のアース線を介して遊技盤101上に設けられた各種部品がアース接続されている。
(静電気除去の構成例2)
つぎに、静電気除去の他の構成例について説明する。図4は、遊技盤上に設ける導電部材の他の例を説明する正面図である。遊技球に接触し静電気の影響を除去する必要がある各種部品は、図1同様であり、画像表示部104と、ゲート108と、第1始動口105,第2始動口106を備えた電動役物212と、普通入賞口110と、大入賞口109と、回収口111等は、図1と同様に配置されているとする。
図4に示す構成例では、遊技盤101上に静電気除去シート401を設ける。この静電気除去シート401は、遊技盤101全体の大きさを有する。そして、静電気除去シート401上には、導電膜(あるいは導電フィルム)402が所定の領域を有して形成されている。この導電膜402は、各部品の配置位置を覆う所定の領域を有し、他の領域同士を接続した如く形成される。導電膜402は、その一部あるいは複数箇所がアース線を介して接地されている。たとえば、あらかじめ画像表示部104と、回収口111部分がそれぞれアース線でアース接続されており、導電膜402は、これら画像表示部104と、回収口111に導電接続される。
導電膜402の形成領域は、まず、画像表示部104を覆う大きさの領域Aを有する。この領域Aの側部には、ゲート108を覆う大きさの領域Bを有する。また、電動役物212と、大入賞口109と、回収口111を覆う大きさの領域Cを有する。さらに、複数の普通入賞口110を覆う大きさの領域Dを有する。これら領域A〜Dは、それぞれ遊技球に接触し静電気除去が必要な一つ一つの部品について、配置領域を中心として周囲に所定量広げた領域として形成したものである。Eは、各領域A〜Dの間に位置し、導電膜402が形成されない領域である。
そして、領域Aの画像表示部104は、遊技盤101がこの画像表示部104の大きさに対応した開口部aが形成されており、領域Aの導電膜402は、開口部aを除き略ロ字状に形成されている。同様に、領域Cにおいても、遊技盤101には、電動役物212、大入賞口109、回収口111部分でそれぞれ遊技球が背面に通過する開口部(図示略)が形成されており、領域Cの導電膜402は、開口部を除き形成されている。同様に、領域Dにおいても、遊技盤101には、普通入賞口110部分で遊技球が背面に通過する開口部(図示略)が形成されており、領域Dの導電膜402は、開口部を除き形成されている。
上記の静電気除去シート401は、遊技盤101全体の大きさの絶縁性のシートを用い、この絶縁性のシート上に、静電気除去が必要な一つ一つの部品について、配置領域を中心として周囲に所定量広げた領域A〜Dとして形成した導電膜402を設けたので、遊技盤101上に1枚のシートを貼るだけの簡単な作業で遊技球に接する各種部品を静電気の影響から防ぐことができるようになる。この静電気除去シート401は、全面に導電膜(あるいは導電フィルム)を形成したものではなく、静電気の除去が必要な各種部品の配置位置に対応した領域A〜Dとして形成し、かつ各領域A〜Dを相互に接続したものであるから、不要な箇所にまで導電膜402を設けておらず、低コスト化できるものである。
(静電気除去の構成例3)
図5は、遊技盤の他の構成例を示す図である。図示のように、遊技盤101の盤面配置としては、中央部に画像表示部104が配置され、および遊技盤101の下部に大入賞口109、回収口111が配置されている点は、上述した図1と同様である。また、大入賞口109の上部には、第2始動口106を備えた電動役物212が設けられている。第1始動口105は、画像表示部104の直下位置に設けられている。そして、図示の盤面配置では、ゲート108が中央の左右にそれぞれ設けられている。また、下部位置には、左右にそれぞれ普通入賞口110が設けられている。
図6は、図5の遊技盤上に設ける導電部材例を説明する正面図である。遊技球に接触する部品としては、画像表示部104と、ゲート108と、第2始動口106を備えた電動役物212と、普通入賞口110と、大入賞口109と、回収口111等がある(図中点線で記載)。
図6の盤面構成においても、遊技盤101上で各種部品を互いに導通接続し、かつ、互いを最短距離で接続する導電部材を設ける。図6の例では、遊技盤101上に1枚の静電気除去シート601を貼り付ける構成とした。静電気除去シート601は、上述したように、左右のゲート108と画像表示部104との間には、これらの間を繋ぐ直線状の導電膜603aを設ける。この導電膜603aにより、左右のゲート108と、画像表示部104の枠の端部とは互いに導通接続される。
同様に、画像表示部104とその下部に位置する電動役物212との間には、これらを繋ぐ直線状の導電膜603bを設ける。また、電動役物212とその下部に位置する大入賞口109との間には導電膜603cを設け、大入賞口109と回収口111との間には導電膜603dを設ける。また、左右の普通入賞口110は、それぞれ画像表示部104との間に導電膜603eを設ける。
上記構成により、複数の各部品は、導電膜603(603a〜603e)を介して互いに導通接続される。そして、各部品の一部、たとえば、画像表示部104を遊技盤101の背面に設けられたアース線等で接地することにより、上記の各部品をいずれもアース接続することができる。これにより、遊技球が接触する各種部品を、遊技球との接触時等に生じる静電気を要因とする突発的な電位変動を防ぎ、損傷や動作不良から保護することができる。そして、上記構成のように、遊技盤101上に配置される部品の位置に応じて導電膜603を配置すればよく、遊技盤101の盤面構成が異なるものに対しても対応できるようになる。
上記の静電気除去シート601を用いることにより、遊技盤101上に1枚のシートを貼るだけの簡単な作業で遊技球に接する各種部品を静電気の影響から防ぐことができるようになる。この静電気除去シート601は、全面に導電膜(あるいは導電フィルム)603を形成したものではなく、静電気の除去が必要な各種部品間に最短距離で直線状に形成したものであるから、不要な箇所にまで導電膜603を設けておらず、低コスト化できるようになる。
そして、上記構成の静電気除去シート601は、導電膜603(603a〜603e)が、画像表示部104を中心として、各部品に対し放射状に伸びる形で設けられており、中心に位置する画像表示部104をアース線を用いて接地することにより、画像表示部104の1箇所だけを接地しても、画像表示部104を中心とする各部品をいずれも短距離でアース接続することができる。また、導電膜603(603a〜603e)は、いずれも隣接する部品間を直線状に最短距離で導通接続する構成であるため、アース接続経路を短くでき、アース性能を向上できるとともに、導電膜603の面積を最小限にできるため、低コスト化できるようになる。
ところで、図6に記載した静電気除去シート601は、各種部品間を直線状に繋ぐ構成としたが、これに限らず図4に示したように、静電気除去シート601は、導電膜(あるいは導電フィルム)603が所定の領域を有して形成してもよい。すなわち、この導電膜603は、各部品の配置位置を覆う所定の領域を有し、他の領域同士を接続した如く形成することもできる。このような構成においても、静電気除去シート601は、全面に導電膜(あるいは導電フィルム)を形成したものではなく、静電気の除去が必要な各種部品の配置位置に対応して複数の領域を形成し、かつ各領域を相互に接続したものであるから、不要な箇所にまで導電膜603を設けておらず、低コスト化できる。
また、上述した導電部材(導電膜)を各種部品間で直線状に接続した構成(たとえば、図2−2,図6)では、各導電部材の幅は同様の幅としたが、これに限らない。たとえば、各部品をノードとし、導電部材をリンクとみなしたとき、アース接続箇所とされたノードに近いほど、導電部材の幅を幅広に形成し、導電性を高めても良い。また、導電部材の形状は、直線状に限らず遊技球に接触しない他の部品を回避するように弧状に迂回したり、折れ曲がる線状の構成とすることもできる。
以上説明したように、本発明にかかるぱちんこ遊技機によれば、遊技球が接触し、静電気の影響を受ける部品を互いに導通接続し、アース接続する構成としたので、遊技盤上での部品の配置構成の制約を受けず、低コスト、かつ簡単に静電気除去できるようになる。これにより、静電気を要因としたぱちんこ遊技機の部品の損傷や動作不良を防止できる。また、上記の実施の形態では、ぱちんこ遊技機を例に説明したが、静電気対策が必要な各種遊技機にも同様に適用できる。