本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。図2は、パチンコ遊技機1の制御構成の一例を示すブロック図である。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。遊技盤2は、透明(あるいは半透明)なプラスチック等の合成樹脂で作られており、遊技盤の裏側を遊技者は視認可能になっている。この実施の形態では、遊技盤2の裏側に副画像表示装置51が設けられる。そして、副画像表示装置51における表示内容が透明な遊技盤2を通して遊技者が視認可能になっている。なお、遊技盤2は、全面が透明である必要はなく、副画像表示装置51に対応する部分のみが透明に構成されていてもよい。
図1に示すように、遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取り付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2は、ベニヤ板等の非透光性部材にて正面見略四角形状に構成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板にて構成されてもよい。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
画像表示装置5の下方であって、遊技盤2の背面側には副画像表示装置51が設けられている。副画像表示装置51は、例えば画像表示装置5よりも小型のLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。副画像表示装置51の表示領域では、画像表示装置5における可変表示や始動入賞と関連する各種演出(例えば予告演出)が実行される。この実施の形態では、副画像表示装置51は、図1に示す初期位置(待機位置)から画像表示装置5の前面側に重畳する位置(重畳位置)に動作(水平動作)可能になっている。また、副画像表示装置51は、画像表示装置5に対して表示面を傾斜させる傾斜動作が可能になっている。このような構成により、副画像表示装置51の表示領域における演出表示や、副画像表示装置51の動作を伴う予告演出を実行できるようになっている。なお、画像表示装置5をメイン液晶、副画像表示装置51をサブ液晶ともいう。
副画像表示装置51の表示領域には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
始動入賞記憶表示エリア5Hのおける保留記憶表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせる。この実施の形態では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の青色表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の赤色表示とする。なお、始動入賞記憶表示エリア5Hは、画像表示装置5に設けられていてもよい。始動入賞記憶表示エリア5Hを画像表示装置5に設ける場合、副画像表示装置51が動作して画像表示装置5の前面側に重畳する位置(重畳位置)に来たことにより、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示が視認できなくなった場合には、当該始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示に対応する表示を副画像表示装置51に表示するようにしてもよい。この場合、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける表示に対応する表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hと同様の丸型の表示であってもよいし、保留の数を数字や他のシンボルで表示するものであってもよい。このようにすることで、副画像表示装置51を動作したことによって、遊技者を困惑させてしまうことを防止できる。
なお、画像表示装置5、及び/または、副画像表示装置51は、LCDに限定されず有機EL等の他の表示装置で構成されてもよい。
図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば、図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。従って、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域10における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置(図示略)が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側から見て操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が、図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として「3」、「5」、「7」の数字を示す大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出球(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部または一部で演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、演出用LED9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として非確変大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄(「非確変図柄」ともいう)と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)の確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「非確変」(「通常大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「非確変」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「5」、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「5」または「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「5」及び「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」、「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御及び高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
パチンコ遊技機1には、例えば、図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び演出用LED9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、演出用LED9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、演出用LED9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドや、画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、演出用LED9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば画像表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
尚、演出図柄の変動表示中において実行される予告演出としては、例えば、可動部材が上昇する可動予告や、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作予告、所定の画像が段階的に切り替わるステップアップ予告、キャラクタが登場してセリフを喋るセリフ予告、所定の画像が割込み表示されるカットイン予告といった大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、擬似連になるか否かを予告する擬似連予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、可変表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
続いて、副画像表示装置51(サブ液晶)の構造や動作について説明する。図3はパチンコ遊技機1の側面の断面図である。図3に示すように、副画像表示装置51は、遊技盤2の背面であって、画像表示装置5の前面側の下方に設けられる。副画像表示装置51は、副画像表示装置51を上下に移動させるための移動部52、そして、副画像表示装置51の傾斜角度を変更する傾斜部54を備える。演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、演出状態に応じて、移動部52、傾斜部54を制御することで、副画像表示装置51の配置状態を変更する。
副画像表示装置51は、図3の実線で示す初期位置(待機位置)においては、画像表示装置5に対して表示面が傾いた状態となる。このように初期位置(待機位置)においては、遊技者は、開口2cから副画像表示装置51の一部を視認することが可能である。その際、副画像表示装置51を上向きに傾斜させておくことで、遊技者の視線に対して垂直に近くなるため、副画像表示装置51における表示の視認性を向上させることができる。なお、図3に示す初期位置において、前面側からみて副画像表示装置51の一部(上部)が画像表示装置5と重畳するようになっているが、初期位置においては重畳しないようにしてもよい。
副画像表示装置51は、移動部52の動作により、実線で示す初期位置から、水平移動(上下移動)することで、実線で示す重畳位置に移動することが可能である。演出制御基板12は、演出状態に応じて、移動部52を制御し、副画像表示装置51を初期位置から重畳位置に変更する。重畳位置では、遊技者は開口2cを通して、副画像表示装置51の全体を視認することが可能である。また、重畳位置では、傾斜部54を駆動することで、副画像表示装置51は、画像表示装置5と同様、遊技盤2に並行となるように、その傾斜角度を変更する。このように、重畳位置においても、副画像表示装置51の表示面を遊技者の視線に対して垂直に近づけ、副画像表示装置51における表示の視認性を向上させている。
移動部52、傾斜部54は、モータなどの駆動源、ギヤなどを有して構成される。本実施形態では、中継基板53を介して演出制御基板12に接続される。なお、この中継基板53には、副画像表示装置51に送信する圧縮映像信号の中継機能を備えている。中継基板53を通過した映像信号は、変換基板511で圧縮状態が解除され、副画像表示装置51に送信される。
図3のパチンコ遊技機1の側面の断面図には、主基板11、演出制御基板12等、各種制御構成の配置とその接続の様子が示されている。主基板11は、透明ボックス11a内に配置されている。この透明ボックス11aは、不正改造などを防止するために設けられた構成であり、封印が施され、外部から手が加えられないようになっている。なお、主基板11には、演出制御基板12など外部構成と電気的に接続するためのケーブルが接続されているが、この図での掲載は省略している。
演出制御基板12には、画像表示装置5に映像信号を出力するケーブル66がコネクタを介して接続されている。本実施形態では、画像表示装置5に出力する映像信号の形態としてRGB信号を使用している。演出制御基板12は、副画像表示装置51に対しても映像を出力する。本実施形態では、演出制御基板12の表示制御部123で圧縮された圧縮映像信号を出力する。圧縮の形態としては、V−by−One(登録商標)による映像圧縮を使用している。V−by−Oneは、映像信号をシリアル形態の圧縮映像信号に圧縮する圧縮方式である。V−by−Oneにて圧縮された信号は、1ペアの差動信号であるため、インピーダンスコントロールされた2本の電線で構成されたケーブルで取り回しが可能になる。このようなケーブルは、ツイストペア形態とすることで外来ノイズに対する耐性を持たせることが可能である。また、このようなケーブルは、厳重なシールドも必要ないため、細く柔軟なケーブルとすることが可能であり、パチンコ遊技機1における配線の自由度の向上を図ることが可能である。ただし、V−by−Oneでは、105M〜840Mbps(V−by−One HSでは、600M〜3.65Gbps)という高い周波数域を使用するため、外来ノイズに対する注意が必要となる。
演出制御基板12から出力された映像圧縮信号は、ケーブル61にて中継基板53に入力され、中継基板53を経由し、ケーブル64にて副画像表示装置51の裏面に配置された変換基板511に入力される。圧縮映像信号は、変換基板511にて圧縮が解除され映像信号(本実施形態では、RGB信号)に変換される。映像信号は、ケーブル65を介して副画像表示装置51に入力されて表示される。本実施形態では、副画像表示装置51が移動部52によって移動する構成を取っているため、副画像表示装置51に表示するための圧縮映像信号を、一旦、中継基板53で経由することが、配線の都合上、好ましい。さらに本実施形態の中継基板53には、移動部52、傾斜部54を駆動する駆動手段が配置されている。演出制御基板12は、ケーブル61にて、中継基板53上の駆動手段に、制御情報DAT、電源POWを出力する。中継基板53の駆動手段は、ケーブル62a、62bを使用して、移動部52、傾斜部54に制御信号を出力する。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普図表示結果判定用の乱数値MR4を用いて普通図柄の変動表示態様を決定し、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部に設けられた特図プロセスフラグの値に応じた処理のいずれかを選択して実行する。
始動入賞処理では、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bによる第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を抽出して、第1始動入賞である場合には、第1特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納し、第2始動入賞である場合には、第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納する。
特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。
変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。
特別図柄通常処理や変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄及び演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。また、特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。
大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L,8R、演出用LED9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部(図示略)に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「非確変大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「非確変大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。また、特定した大当り種別が「非確変大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし、以下の処理を実行する。
演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理)。このコマンド解析処理において演出制御用CPU120は、受信コマンドバッファに格納されている主基板11から送信されてきたコマンドの内容を確認する。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンドであるのか解析する。
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して画像表示装置5の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄判定用乱数などの演出用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する演出用乱数更新処理を実行し、その後、タイマ割込フラグの監視処理に移行する。
図4は、中継基板53の周辺の各種構成を示すブロック図である。図2で説明したように、演出制御基板12には、演出制御用CPU120、表示制御部123が設けられている。表示制御部123は、VDP123a(Video Display Processor)と、変換器123bを有している。演出制御用CPU120からの指令に基づいて、VDP123aは、ROM121、RAM122に記憶している画像情報を使用し、画像表示装置5用の映像信号と、副画像表示装置51用の映像信号(RGB信号)を形成する。画像表示装置5用の映像信号は、ケーブル66を介して画像表示装置5に出力され、表示される。一方、副画像表示装置51用の映像信号は、変換器123bにてV−by−Oneによる映像圧縮が施され、圧縮映像信号に変換される。副画像表示装置51用の圧縮映像信号は、中継基板53の信号ライン534を経由して、変換基板511に入力される。変換基板511では、V−by−One形態の圧縮映像信号を、映像信号(RGB信号)に変換する。圧縮が解除された映像信号は、ケーブル65を介して副画像表示装置51に入力され、表示される。
前述したように、中継基板53には、移動部52、傾斜部54を駆動するための駆動手段が設けられている。駆動手段は、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533を有して構成されている。シリアルパラレルIC531は、演出制御基板12から出力されるシリアル形態の制御情報DATが、ケーブル61を介して入力される。シリアルパラレルIC531は、シリアル形態の制御情報DATをパラレル形態に変換し、各モータ駆動部532、533に分配出力する。各モータ駆動部532、533は、分配された制御情報DATを使用して、移動部52、傾斜部54を駆動制御する。シリアルパラレルICは、このように入力される制御情報DATを、移動部52、傾斜部54に分配して出力する形態の他、分配せずに出力する形態としてもよい。その場合、制御情報DATには、モータ駆動部532、モータ駆動部533宛てのアドレス情報が付与され、モータ駆動部532、533は、自己宛のアドレス情報が付与された制御情報DATを抽出して使用する。なお、図示していないが、シリアルパラレルICには、この制御情報DATの他、同期を取るためのクロック信号も入力される。また、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533には、ケーブル61を使用して電源POWが供給される。ケーブル61は、制御情報DATを送信する信号線と、電源POWを伝送する電源線が束ねられて構成されている。
モータ駆動部532は、シリアルパラレルIC531から受信した制御情報DATと、供給される電源POWに基づき、移動部52の駆動源となる第1モータ521を駆動する駆動信号を出力する。また、モータ駆動部533は、シリアルパラレルIC531から受信した制御情報DATと、供給される電源POWに基づき、傾斜部54の駆動源となる第1モータ521を駆動する駆動信号を出力する。
このように、本実施形態の中継基板53は、圧縮映像信号を伝送する信号ライン534と、モータ駆動部532、533など、移動部52と傾斜部54を駆動する駆動手段が配置されている。圧縮映像信号、駆動手段ともに、副画像表示装置51に関連する信号、構成であるため、このように1つ中継基板53で取り扱うことで、配線を短くする、簡潔にするなど、配線の取り回し上の自由度向上を図ることが可能となっている。また、信号ライン534を通過する圧縮映像信号は、V−by−Oneによる圧縮により、高帯域の差動信号である。2本の電線を撚り合わせたツイストペアのケーブルを通過する際は、外来ノイズに対する耐性を有するものの、中継基板53上の信号ライン534を通過させる際には、外来ノイズに対する注意が必要となる。本実施形態では、この高帯域の圧縮映像信号のように、外来ノイズに注意が必要な信号ライン534について、積層基板内での構成に特徴を有している。
本実施形態の中継基板53は、6層の積層基板で構成されている。図5は、中継基板53の断面を示す模式図である。この図は、中継基板53に接続されたケーブル61〜64と、各層内での信号の様子を模式的に示した図であり、コネクタ536〜540、シリアルパラレルIC531など、実際の配置、縮尺は異なったものとなっている。
第1層(第1配線層)は、中継基板53の1表面を形成する層であり、露出する表面には、コネクタ536〜540が設けられている。コネクタ536〜540は、ケーブル61側のコネクタ(図示せず)と接続され、各構成と電気的に接続される。また、第1層の露出する表面には、コネクタ536〜540から導出された各種信号路を必要な位置に導出するための配線(図示せず)が設けられている。この配線は、エッチングなどによって形成された配線パターンとして形成されている。
第2層(1接地層)と第4層(第2接地層)は、信号ライン534を外来ノイズから保護するために設けられた層である。この第2層、第4層は、広い面積を有する電極(ベタパターン)を有して構成されている。これら電極は、ケーブル61などに含まれるグランド線と電気的に接続されており、本実施形態の第1接地ラインを形成する。
第3層(第2配線層)は、信号ライン534が設けられた層である。本実施形態では、第2層の第1接地ラインと、第4層の第2接地ラインとの間に挟まれることで、平面状の信号ライン534であっても外来ノイズに強い構成となっている。ケーブル63から入力された圧縮映像信号は、コネクタ537を介して中継基板53に入力される。中継基板53内では、圧縮映像信号は、第2層の第1接地ラインと、第3層の第2接地ラインで両面を保護された信号ライン534を通過し、コネクタ538を経由して、ケーブル64から変換基板511へ出力される。ケーブル63、64はツイストペア形態であって、圧縮映像信号は差動形態の信号であるため、ケーブル63、64を通過する際、圧縮映像信号の外来ノイズに対する耐久性は高い。しかしながら、中継基板53内で平面状に形成された信号ライン534を通過する際は、圧縮映像信号は、外来ノイズの影響を受けやすい状態となる。第2層、第4層に設けた接地ラインは、このように、中継基板53の信号ライン534における外来ノイズの影響抑制を図るために設けられている。本実施形態では、第3層に、信号ライン534の周囲にも接地ラインを設けたことで、更なる圧縮映像信号に対する外来ノイズの影響抑制が図られている。
第4層(電源層)は、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533に対して電源供給を供給するための電源ライン535を有している。コネクタ536から入力された電源POWは、第4層に形成された電源ライン535を通過して、第6層に設けられたシリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533に供給される。本実施形態の電源ライン535は、第2層(第1接地層)、第3層(第2配線層)、第4層(第2接地層)を挟んで、圧縮映像信号が入出力されるコネクタ537、538とは異なる側に配置されている。パチンコ遊技機1に供給される電源の変動などを原因として、電源ライン535を通過する電源POWに変動(揺れ)が生じることが考えられる。電源POWの変動は、信号ライン534を通過する圧縮映像信号の外来ノイズとなるが、信号ライン534は、特に、第4層(第2接地層)で遮蔽(シールド)されているため、電源POWに変動が生じた場合にも、信号ライン534を通過する圧縮映像信号への影響を抑制することが可能となる。
第5層(第3配線層)は、中継基板53の他の表面を形成する層であり、その表面には、駆動手段を構成するシリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533が配置されている。コネクタ536から入力された制御情報DATは、第1層(第1配線層)に設けられた配線、もしくは、第6層(第3配線層)に設けられた配線を介して、シリアルパラレルIC531に入力される。シリアルパラレルIC531でパラレル形態に変換された制御情報DATは、モータ駆動部532、533に入力され、駆動信号に変換される。モータ駆動部532から出力される駆動信号は、コネクタ539とケーブル62aを介して移動部52の第1モータ521へ出力される。モータ駆動部533から出力される駆動信号は、コネクタ540とケーブル62bを介して傾斜部54の第2モータ541へ出力される。
シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、モータ駆動部533で扱う制御情報DAT、駆動信号は時間的に変動を伴う信号であるため、圧縮映像信号の外来ノイズとなることが考えられる。特に、第1モータ521、第2モータ541を駆動する駆動信号は、大きい電流値の信号であるため、圧縮映像信号への影響は大きいことが予想される。本実施形態では、圧縮映像信号と異なる信号(制御情報DAT、駆動信号)を処理する処理部(シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533)を、中継基板53上、圧縮映像信号が入出力されるコネクタ537、538とは異なる側に配置している。このような配置を採用することで、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533で信号を処理する際、発生する外来ノイズが、コネクタ537、538、ケーブル63、64を通過する圧縮映像信号に影響することを抑制することが可能となる。特に、第2層(第1接地層)と第4層(第2接地層)で遮蔽(シールド)されているため、抑制の効果は大いに期待できる。
次に、中継基板53の各層の構成について図6〜図11を使用して説明する。図6は、中継基板53の第1層(第1配線層)の構成を示す図であり、図6(A)は、第1層の正面図を、図6(B)は、第1層の側面図を示している。図5で説明したように第1層には、コネクタ536〜540が設けられる。コネクタ536〜540は、ケーブル61〜64を接続するための手段であり、ケーブル61〜64側に設けられたコネクタ(図示せず)と接続することで各種構成と電気的に接続される。ケーブル61〜64に接続されたコネクタは、図面上、左右方向に向かってケーブルを延出させるサイド型、図面上、上方向にケーブルを演出させるトップ型が、配置形態などに応じて使用される。図6の例では、ケーブル61、63のコネクタにはサイド型が、ケーブル62a、62b、64のコネクタにはトップ型が使用されている。
コネクタ536〜540は、大きさ、使用するケーブルなどに応じて、ピン電極を有するコネクタ536、537、ピン電極の無いコネクタ538、539、540が使用される。各コネクタ536〜540は、対応するコネクタ電極536a〜540aに半田付けで固定されるが、ピン電極を有するコネクタ536、537のコネクタ電極536a、537aは、中継基板53を貫通する貫通孔とその周囲の電極で構成されている。この貫通孔にコネクタ536、537のピン電極を貫通させ、半田付けすることで、コネクタ536、537をしっかりと中継基板53上に固定することが可能となる。一方、ピン電極の無いコネクタ538、539、540は、第1層の表面に露出して形成されたコネクタ電極538a、539a、540a上に半田付けで固定される。また、ピン電極の無いコネクタ538、539、540は、他の層に対して導通させるため、比較的小さい貫通穴が設けられている。貫通孔の内壁に形成された電極を使用して他の層の配線と電気的に接続される。ピン電極を有するコネクタ、ピン電極の無いコネクタは、使用するコネクタや、ケーブルに応じて適宜決定することが可能である。なお、本実施形態では、図6〜図11を見ると分かるように、各コネクタ電極536a〜540aの貫通孔は、中継基板53の全ての層を貫通して設けられている。これは、中継基板53の製造を容易にするためである。例えば、コネクタ電極537a、538aは、第1層、第2層を貫通させることで足りるが、全層を貫通して形成することで容易に製造することを可能としている。なお、コネクタ電極537a、538aは、第1層、第2層のみを貫通して形成することで、遮蔽(シールド)性能を向上させることも可能である。なお、中継基板53には、図6〜図11で示すコネクタ電極536a〜540a部分以外に、異なる層の電極間を導通させる貫通孔が複数設けられているが、これら貫通孔の図示は省略している。
図7は、中継基板53の第2層(第1接地層)の正面図である。第2層には、斜線で示される第1接地ラインが配置されている。第2層中の第1接地ラインは、斜線で示すように、第2層中、略全域を占める面積を有する電極(ベタ基板)で形成される。この第1接地ラインは、コネクタ電極536a中、グランド線が接続されている右上の1電極と導通している。したがって、第1接地ライン全体はグランド線と同電位となる。図9に示す、第4層(第2接地層)も同様であり、斜線で示される第2接地ラインが形成されている。なお、第1接地ライン、第2接地ラインは、複数箇所でグランド線と接続されることが好ましい。例えば、第1モータ521、541での消費電流が大きい場合、接地を確実に行うべく、モータ駆動部532、533が電気的に接続されるコネクタ電極539a、540aには、グランド線が複数接続されている。第1接地ライン、第2接地ラインは、コネクタ電極536aのみならず、コネクタ電極539a、540aを使用して、複数のグランド線と電気的に接続することとしてもよい。第1接地ライン、第2接地ラインをより確実に接地することが可能となる。なお、第1接地ライン、第2接地ラインは、このように第2層、第4層の略全域を占めるように形成する以外に、第2層、第4層中、接地ラインを設けない領域を有する形態であってもよい。このような構成では、第2層、第4層中、接地ラインが設けられていない領域を配線などに使用することが可能である。
図8(A)は、中継基板53の第3層(第2配線層)の正面図であり、図8(B)は、図8(A)中、A−Bにおける中継基板53の断面図(第2〜第4層部分)である。第3層では、コネクタ電極537aとコネクタ電極538a間は、2本の単位信号線534uで構成された信号ライン534で電気的に接続されている。この2本の単位信号線534uを利用して、差動形態の圧縮映像信号が伝送される。2本の単位信号線534uが占める領域の上層(第2層)と下層(第4層)は、接地ラインで遮蔽(シールド)されているため、信号ライン534を通過する圧縮映像信号は、外来ノイズの影響を受けにくい構成となっている。さらに、本実施形態では、コネクタ電極537a、538aと、2本の単位信号線534uの周囲を斜線で示す接地ラインで囲うことで、さらに外来ノイズの影響を受けにくい構成となっている。第3層の接地ラインは、第2層、第4層と同様、グランド線が接続されている右上の1電極と導通している。本実施形態では、第3層の接地ラインを第3層中の略全域にわたって設けているが、第3層中、接地ラインを設けない領域を残しておき、当該領域を信号ライン534以外の配線に使用することとしてもよい。
図8(B)には、図8(A)に示すA−B間において、信号ライン534を電磁的に遮蔽(シールド)する様子が示されている。信号ライン534を構成する単位信号線534uは、上層(第2層)の接地ラインと下層(第4層)の接地ラインで電磁的に遮蔽(シールドされている)。単位信号線534uの側面から第3層の接地ラインまでの間隙Xは、信号ライン534全体において同じ距離となっている。この間隙Xは、信号ライン534が圧縮映像信号の使用帯域において所定の抵抗値を有するように決定される。間隙Xの決定に使用するパラメータとしては、圧縮映像信号の使用帯域、単位信号線534uの幅a、間隔b、厚さc、単位信号線534uを構成する材質、さらに、本実施形態では、上層(第2層)と下層(第4層)に接地ラインを設けているため、第3層の接地ラインから第2層(第4層)の接地ラインまでの間隔dを使用して決定される。これらのパラメータに基づき、計算機上でシミュレートすることで、最適な間隙Xが決定される。
図10は、中継基板53中、第5層(電源層)の正面図を示した図である。中継基板53中、黒塗りで示すラインが電源ライン535である。電源ライン535は、コネクタ電極536aから供給された電源POWを、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533へ供給する。
図11は、中継基板53中、第6層(第3配線層)の正面図を示した図である。第6層には、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532を構成するモータ駆動IC532a〜532d、モータ駆動部533を構成するモータ駆動IC533a〜533dが配置される。これら構成は、図5に示すように、中継基板53の露出する面(裏面)に配置されている。したがって、図11中、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532を構成するモータ駆動IC532a〜532d、モータ駆動部533を構成するモータ駆動IC533a〜533dは、第6層を透過してみたときの配置となっている。この第6層には、各構成を電気的に接続する電極による配線が設けられているが、ここでは図示していない。
以上、本実施形態の中継基板53は、多層基板で構成されており、所定の信号(圧縮映像信号)が通過する信号ライン534が配線された領域の少なくとも一部が、第2層に設けられた第1接地ラインと、第4層に設けられた第2接地ラインに挟まれているため、外来ノイズに対する耐性の向上が図られた構成となっている。
さらに本実施形態の中継基板53は、電源ライン535が配置された第5層(電源層)を、第2層〜第4層を挟んで、所定の信号が入力、出力されるコネクタ537、538が配置されている面(第1層)とは、異なる側に配置することで、第2層と第4層の接地ラインを電磁的な遮蔽体(シールド)として作用させ、電源POWに変動が生じた場合においても、圧縮映像信号に対する影響を抑制することが可能となっている。
さらに本実施形態の中継基板53は、第3層(第2配線層)において、信号ライン534の周囲を囲んだ接地ラインを有することで、信号ライン534に対する電磁的な遮蔽性能の向上を図ることが可能となっている。
さらに本実施形態の中継基板53は、信号ライン534と、第3層(第2配線層)の接地ラインとの間隙は、第3層(第2配線層)の接地ラインと第2層(第1接地層)の接地ラインの間隔d、及び、第3層(第2配線層)の接地ラインと第4層(第2接地層)の接地ラインとの間隔dに応じて設定されている。信号ライン534が配置されている第3層に対する上下の層(第2層と第4層)の間隔を考慮することで、信号ライン534を好適なインピーダンス特性とし、信号ライン内での反射を低減し、信号品質の向上、及び、ノイズ耐性の向上を図ることが可能となっている。
さらに本実施形態の所定の信号(圧縮映像信号)は、シリアル形態の映像信号であることとしている。映像信号をシリアル形態とした場合、情報量の多さを原因として、その使用帯域は高くなる(V−by−Oneでは、105M〜840Mbps、V−by−One HSでは、600M〜3.65Gbps)。このような高い周波数を有する信号では、外来ノイズの影響を受けやすくなるが、本実施形態の中継基板53の構成を採用することで、外来ノイズに対する耐性の向上が期待できる。
さらに本実施形態の所定の信号(圧縮映像信号)は、差動形態の映像信号であることとしている。映像信号を差動形態とした場合、伝送するケーブルにツイストペア形態のケーブルを使用することで、外来ノイズに対する耐性の向上を図ることが可能となる。また、ツイストペア形態のケーブルでは、ノイズ対策のために厳重なシールドを必要としないため、補足柔軟なケーブルを使用することが可能となり、パチンコ遊技機1での配線の自由度向上を図ることが可能となる。
図5などを使用して説明した前実施形態では、中継基板53中、第3層(第2配線層)中の信号ライン534を通過させることとしていた。中継基板53では、圧縮映像信号に対する各種処理を行うこととしてもよい。その際、圧縮映像信号に対する処理は、シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532など、駆動手段が配置された面とは異なる面、すなわち、圧縮映像信号が入出力されるコネクタ537、538が設けられた面で行うことが好ましい。中継基板53上、駆動手段が配置された面と異なる面で圧縮映像信号に対する処理を行うことで、駆動手段で発生する外来ノイズが、圧縮映像信号に影響することを抑制することが可能となる。特に、本実施形態では、第2層(第1接地層)と第3層(第4接地層)に接地ラインが、駆動手段で発生する外来ノイズの電磁的な遮蔽体として作用するため、圧縮映像信号の外来ノイズに対する耐性向上が図られている。
図12は、圧縮映像信号に対して各種処理を行う中継基板53の断面を示す模式図である。シリアルパラレルIC531、モータ駆動部532、533で構成された駆動手段に関する信号の到来は、図5と同じであるため、ここでの説明は省略する。本実施形態では、中継基板53上、駆動手段とは異なる面に映像用ICが設けられている点において異なっている。ケーブル63、コネクタ537を介して中継基板53に入力された圧縮映像信号は、第3層(第2配線層)に設けられた信号ライン534aを通過し、第1層(第1配線層)上に配置されている映像用ICに入力される。映像用ICは、入力された圧縮映像信号に対して各種処理を施す。映像用ICで処理された圧縮映像信号は、第3層(第2配線層)に設けられた信号ライン534bを通過し、コネクタ538、ケーブル64を通じて中継基板53の外部に出力される。
本実施形態においても、信号ライン534a、534bは、前述の実施形態と同様、その上層に位置する第2層(第1接地層)に配置された接地ラインと、その下層に位置する第4層(第2接地層)に配置された接地ラインに挟まれ、外来ノイズに対する耐性を有して構成される。また、第3層(第2配線層)中、信号ライン534a、534bの周囲にも接地ラインが設けられており、外来ノイズに対する耐性の向上が図られている。
図4で説明した実施形態では、1の副画像表示装置51に対して画像を表示する形態について説明したが、副画像表示装置51は、複数設けることも可能である。図13には、他の実施形態の中継基板53周りの各種構成を示すブロック図が示されている。本実施形態では、4つの副画像表示装置51a〜51dが設けられている。V−by−Oneを使用した映像信号の圧縮では、複数の映像信号を1のシリアル形態の信号に変換することが可能である。VDP123aは、副画像表示装置51a〜51d用に生成した映像信号を変換器123bに出力する。変換器123bは、V−by−Oneによる圧縮を施し、4つの映像信号を1の圧縮映像信号に変換する。この圧縮映像信号は、シリアル形態の差動信号である。圧縮映像信号は、4つの映像信号を圧縮した信号であるため、その情報量は大きくなり、使用帯域が高くなり、外来ノイズの影響を受けやすくなることが予想される。中継基板53に設けられた信号ライン534は、図5などで説明した優れた遮蔽性を有するため、使用帯域の高い圧縮映像信号が通過する場合においても、外来ノイズに対する耐性を有することが可能となっている。
中継基板53から出力された圧縮映像信号は、第1分配変換器561、第2分配変換器562a、562bを有する分岐基板56で、各副画像表示装置51a〜51dに表示するための圧縮映像信号に分けられる。各圧縮映像信号は、変換基板511a〜511dで映像信号に変換され、副画像表示装置51a〜51dで表示される。
前述した実施形態では、映像信号の表示対象として、液晶表示装置のような副画像表示装置51を想定していたが、映像信号の表示対象には、LEDが多数配列されて構成されたLED表示装置55a〜55dを使用することも可能である。図14には、他の実施形態の中継基板53周りの各種構成を示すブロック図が示されている。本実施形態では、映像信号の表示対象として、LED表示装置55a〜55dを使用している点において、図13の実施形態と異なっている。
VDP123aは、LED表示装置55a〜55d用に生成した映像信号を変換器123bに出力する。変換器123bは、V−by−Oneによる圧縮を施し、4つの映像信号を1の圧縮映像信号に変換する。圧縮映像信号は、中継基板53中、電磁的に遮蔽された信号ライン534を通過して分岐基板56に入力される。本実施形態の分岐基板56は、変換器563と、LED制御部564を有して構成されている。変換器563は、圧縮映像信号に施された圧縮を解除し、4つの映像信号に変換する。LED制御部564は、入力される4つの映像信号を対応するLED駆動基板551a〜551dに振り分ける。LED駆動基板551a〜551dは、LED表示装置55a〜55dに配列されているLEDの点灯状態を制御して映像を表示させる。
以上、図13、図14で説明したように、信号ライン534を通過する圧縮映像信号は、複数の映像信号を含んだ形態であってもよい。また、図14で説明したように、圧縮映像信号の表示対象は、液晶表示装置のような副画像表示装置のみならず、LED表示装置55a〜55dのような各種形態を採用することが可能である。
なお、本実施形態では、圧縮映像信号を例にとって説明したが、信号ライン534を通過させる信号は、圧縮映像信号に限られるものではなく、非圧縮の映像信号を使用することや、各種構成の動作に使用する制御信号に適用することが可能である。特に、外来ノイズの影響を受けやすい高帯域(0.5G〜3.0GHz)を含む信号を、本発明の適用対象とすることで、外来ノイズの影響抑制を十分に図ることができる。
なお、本実施形態では、図7、図9に示されるように、第2層、第4層中の大部分を接地ラインとして使用し、図8の第3層中の信号ラインが占める領域より大きな領域を有しているが、第2層、第4層は、接地ラインを設けない領域を有する形態であってもよい。第2層、第4層中、接地ラインが設けられていない領域を、配線などに使用し、中継基板53における配線の自由度向上を図ることが可能となる。また、第3層中の接地ラインについても、接地ラインを設けない領域を残しておき、当該領域を信号ライン以外の配線に使用してもよい。
また、本実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1に適用した例を説明したが、本発明は、例えば、遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置に表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該可変表示装置に導出された表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。