遊技盤ユニット及び遊技機に関する。
パチンコ機においては、弾球された遊技球が遊技領域(遊技盤面上又はその近傍に形成された領域であって、遊技球の流下による遊技や演出を実現するための領域。)を流下して、その流下の過程で遊技球が遊技領域内の遊技釘や風車に衝突しつつ転回して流下方向が変化する。その結果、遊技領域上に配置された各種入賞口に遊技球が入賞すれば所定の景品球(賞球)払出しがされ、一方いずれの入賞口にも入賞せずアウト口に球が流入すれば景品球払出しはされない。遊技者は、弾球における自らの技量を発揮して、又は遊技球の流下における偶然性を利用しつつ遊技球の入賞及び景品球払出しを期待し、遊技を楽しむのである。
このパチンコ機の遊技領域に配置される遊技部品としては、遊技釘等の流路変更部材、遊技球が流入可能な各種入賞口、遊技球の通過を検出する通過ゲート、画像演出を実行する画像表示手段等があり、これらの遊技部品が遊技盤に配置されている。
従来、遊技盤の材質として、木製の合板が多用されていたが、近年は、透明な樹脂製の遊技盤を用いた遊技機が提供されている。例えば、特許文献1には樹脂製の透明板を備えた遊技機が開示されている。ところが、木製合板の表面に化粧板を貼着した遊技盤に比して、樹脂製の遊技盤は、遊技球との摩擦により発生する静電気が遊技盤に帯電し易く、遊技盤に帯電した静電気の放電による遊技盤に配置された各種電気部品への悪影響が生じることがあり、簡便で有効な除電対策が望まれている。特許文献1には照明ユニットの装飾部材を利用した透明遊技盤の除電構造が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されている遊技機の除電構造は、複雑で部品点数が多く、遊技機の組立作業が煩瑣であるという課題がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、部品点数が少なく、簡単な構造で組立作業性が良好であり、効果的な除電が行える透明遊技盤を備えた遊技盤ユニット及び遊技機を提供することを例示的課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、板状の透明な遊技盤と、遊技盤上に立設され遊技盤の遊技領域に遊技球を導く導電性の外レール部材と、遊技盤の端面の一部に当接して取付けられる導電性の板金部材と、両端部に接続端子を有する導電ケーブルと、を備えた遊技盤ユニットであって、導電ケーブルの一端部の接続端子が外レール部材の下端部に直接接続されると共に、導電ケーブルの他端部の接続端子が板金部材に接続される。
外レール部材は、遊技球発射ユニットから遊技盤に形成された遊技領域へ向けて発射された遊技球を遊技領域に導く部材であり、帯状の導電性の金属板金等で構成され、遊技盤の上部では略円弧状に湾曲整形されて遊技盤面上に立設して配置される。この構成により、遊技盤の左側から上部にかけての広範な領域において遊技盤の表面に当接する。したがって、遊技盤面に滞留した静電気を効率よく除電することができる。
外レール部材の下端部には、例えば丸端子ハーネス等の導電ケーブルの一方の接続端子が、例えば、ねじ止め又は半田付け等の手段により直接電気的及び機械的に接続される。そして、導電ケーブルの他方の接続端子は、遊技盤の一部の端面に当接して取付けられた導電性の板金部材に電気的に接続される。
導電ケーブルは、遊技盤の裏面側に配線することができる。このように構成することにより、簡単な作業で外レール部材と板金部材の電気的接続を確保することができると共に、遊技者に視認されないように構成することができる。
板金部材は、例えば、導電性の金属板を整形加工して形成することができるものであり、遊技盤の一部の端面に当接するように取付けられる。板金部材は、断面がコ字状になるように整形加工することができる。このように形成された板金部材は、対向する2つの対向面によって遊技盤の表面及び裏面を弾性的に挟持するように容易に遊技盤に取付けることができる。このとき、対向面同士を連結している面が遊技盤の端面に当接するように取付けることができる。
本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、遊技盤が遊技領域に配置される遊技部品を取付ける取付孔を備え、表面に導電性の鍍金加工が施された遊技部品が導通する鍍金部を遊技盤の表面側及び裏面側に露出するように遊技盤を貫通して取付孔に取付けられ、遊技盤に取付けられた遊技部品の遊技盤の裏面側に露出した鍍金部と板金部材が導電ケーブルにより接続されるように構成することができる。
遊技盤には、例えば、普通入賞口や始動入賞口等の遊技部品を取付けるための取付孔を形成することができる。これらの遊技部品は、略全面に導電性の鍍金加工を施すことができ、遊技盤の取付孔に遊技盤を貫通するように取付けることができるものである。これらの遊技部品は、例えば、遊技領域を流下する遊技球を遊技盤の表面(前面)側から受容して、遊技盤の裏面(後面)側へ導く球流路として機能する。遊技盤の裏面側に露出した遊技部品の鍍金部は遊技盤の表面側の鍍金部と導通している。この裏面側に露出した鍍金部と板金部材とを導電ケーブルによって接続するように構成することができる。したがって、遊技部品が取付けられた近傍の遊技盤面(表面)に滞留した静電気を、遊技部品の鍍金部を通じて遊技盤の裏面から板金部材に導くことができる。
なお、遊技盤上に取付けられる全ての遊技部品と板金部材とを接続するように構成してもよいし、特定の遊技部品のみを板金部材に接続するように構成してもよい。更に、近接配置された複数個の遊技部品同士を導線で接続した後、いずれかの遊技部品と板金部材を接続するように構成してもよい。また、複数個の遊技部品が当接可能な導体板を用いてこの導体板を板金部材に接続するように構成すれば、配線を簡便にすることができる。
また、本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、遊技盤が遊技領域に配置される遊技部品を取付ける取付孔を備え、表面に導電性の鍍金加工が施された遊技部品が導通する鍍金部を遊技盤の表面側及び裏面側に露出するように遊技盤を貫通して取付孔に取付けられ、遊技盤に取付けられた遊技部品の遊技盤の裏面側に露出した鍍金部の近傍に導電性部材を備え、この導電性部材と板金部材が導電ケーブルにより接続されるように構成することができる。
上記遊技部品の遊技盤の裏面側に露出した鍍金部の近傍に導電性部材を近接配置して、その導電性部材を板金部材に導電ケーブルにより電気的に接続するように構成することにより、裏面側に露出した鍍金部に帯電した静電気により放電された電荷を、避雷針のように導電性部材が受電して板金部材に導くことができる。この構成によれば、複数個の遊技部品に対して1つの導電性部材を近接配置させることができるので、簡単な構造で効果的な除電を行うことができる遊技盤ユニットを提供することができる。
また、本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、遊技盤上に配置される表面に導電性の鍍金加工が施された装飾部品と、その装飾部品を遊技盤に固定する導電性の固定部材を備え、固定部材が遊技盤の表面側で装飾部品の鍍金部に当接し、かつ、遊技盤を貫通して装飾部品を遊技盤に固定すると共に、遊技盤の裏面側に露出した固定部材と板金部材とが導電ケーブルにより接続されるように構成することができる。
遊技盤には表面に導電性の鍍金加工が施された、例えば、可動役物やランプ、レンズ等の装飾部品を配置することができる。これらの装飾部品を遊技盤に固定するための固定部材として、例えば、ねじ、ボルトとナット、ハトメ等の固定部材を使用することができる。
装飾部品を遊技盤に固定するときに、遊技盤の表面側で装飾部品の鍍金部と固定部材を当接させ、かつ、固定部材が遊技盤を貫通するように構成すると共に、遊技盤の裏面側に露出した固定部材と板金部材とを導電ケーブルで接続するように構成することができるので、簡単な構造で効果的な除電を行うことができる遊技盤ユニットを提供することができる。なお、複数の近接する固定部材を遊技盤の裏面で導通させる導通板を用いて、この導通板と板金部材とを導電ケーブルで接続するように構成してもよい。この構成によれば、遊技盤の裏面の配線をより簡便にすることができる。
また、本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、遊技盤上に配置される表面に導電性の鍍金加工が施された装飾部品と、その装飾部品を遊技盤に固定する導電性の固定部材を備え、固定部材が遊技盤の表面側で装飾部品の鍍金部に当接し、かつ、遊技盤を貫通して装飾部品を遊技盤に固定すると共に、遊技盤の裏面側に露出した固定部材の近傍に導電性部材を備え、この導電性部材と板金部材が導電ケーブルにより接続されるように構成することができる。
上記装飾部品を遊技盤に固定する固定部材の遊技盤の裏面側に露出した部位の近傍に導電性部材を近接配置して、その導電性部材を板金部材に導電ケーブルにより電気的に接続するように構成することにより、裏面側に露出した固定部材に帯電した静電気により放電された電荷を、避雷針のように導電性部材が受電して板金部材に導くことができる。この構成によれば、複数個の固定部材に対して1つの導電性部材を近接配置させることができるので、簡単な構造で効果的な除電を行うことができる遊技盤ユニットを提供することができる。
また、本発明の例示的側面としての遊技盤ユニットは、遊技盤に遊技釘が配置され、遊技盤は遊技釘と導通する導通手段を備え、その導通手段と板金部材が導電ケーブルで接続されるように構成することができる。
例えば、透明な導電性フィルムを2枚の遊技盤で挟み込み、複数本の遊技釘を少なくとも挟み込まれた導電性フィルムを貫通又は当接するように遊技盤に植立して、この導電性フィルムを導通手段として板金部材に接続するように構成してもよい。また、導電性フィルムの代わりに透明な両面接着シートを用いることもできる。更に、遊技釘の後端部が遊技盤の裏面側に露出する構成としてもよい。
このように構成することにより、遊技釘が植立される遊技盤の広範な領域に滞留する静電気を、簡単な構造で効果的に除電することができる遊技盤ユニットを提供することができる。なお、全ての遊技釘を導通手段と導通させるように構成してもよいし、特定の領域に植立された遊技釘を導通手段と導通させるように構成してもよい。なお、遊技釘には風車34の軸となる釘等も含まれる。
上記遊技盤ユニットに備えられた板金部材を接地電位に接続するように構成することができる。接地電位として、遊技盤ユニットに接地(アース)電極が備えられている場合はその接地電極に板金部材を接続するように構成してもよいし、遊技盤ユニットが組み込まれる遊技盤ユニット以外の構造体に設けられた接地電位に板金部材を接続するように構成してもよい。
本発明の例示的側面としての遊技機は、上記いずれかの遊技盤ユニットと、遊技盤ユニットを保持する前枠と、透明板を備え遊技盤ユニットの前面側から前枠に着脱可能に取付けられるガラス枠と、遊技球を遊技盤ユニットの遊技領域に向けて発射する発射ユニットと、を備えた遊技機であって、遊技盤ユニットに取り付けられた板金部材はガラス枠に向けて延設された縁状片を備え、ガラス枠は前枠に向けて露出する導電性のガラス枠側板金を備え、前枠にガラス枠を取付けたとき、縁状片とガラス枠側板金とが当接し互いに電気的に接続される。
上記構成によれば、遊技盤ユニットを保持する前枠にガラス枠を取付ける作業において板金部材とガラス枠側板金とが当接して互いに電気的に接続されるので、簡単な構造で組立作業性が良好であり、透明遊技盤の効果的な除電が行える遊技機を提供することができる。
また、板金部材から延設される縁状片は弾性変形可能な形状に成型加工することができるので、前枠にガラス枠を取付ける際に、ガラス枠側板金に対して板金部材の縁状片が弾性的に当接するように構成することができる。この構造により、板金部材とガラス枠側板金との接続をより良好なものとすることができる。
また、ガラス枠側板金を接地電位に接続するように構成することができる。接地電位として、ガラス枠に接地(アース)電極が備えられている場合はその接地電極にガラス枠側板金を接続するように構成してもよいし、ガラス枠以外の構造体に設けられた接地電位にガラス枠側板金を接続するように構成してもよい。
部品点数が少なく、簡単な構造で組立作業性が良好であり、効果的な除電が行える透明遊技盤を備えた遊技盤ユニット及び遊技機を提供することができる。
実施の形態に係る遊技機としてのパチンコ機の正面図である。
図1に示すパチンコ機の背面図である。
実施の形態に係る遊技盤ユニットを示す斜視図である。
図3に示す遊技盤ユニットの背面図である。
実施の形態に係る板金部材の斜視図及び断面図である。
実施の形態に係る遊技部品を示す斜視図及び断面図である。
実施の形態に係る装飾部品を示す正面図及び断面図である。
実施の形態に係る固定部材と板金部材の接続態様を説明するための図である。
実施の形態に係る遊技部品と導電部材の配置及び導電部材と板金部材の接続態様を説明するための図である。
実施の形態に係る装飾部品の固定部材と導電部材の配置及び導電部材と板金部材の接続態様を説明するための図である。
実施の形態に係る遊技釘と導通手段の接続態様及び導通手段と板金部材の接続態様を説明するための図である。
実施の形態に係る遊技機のガラス枠を示す背面側斜視図である。
実施の形態に係る遊技機のガラス枠側板金と板金部材の当接(接続)態様を説明するための図である。
実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る遊技機としてのパチンコ機2の正面図である。このパチンコ機2は、遊技機枠3、遊技盤ユニット5、ガラス10、発射ユニット(図示せず)、球皿14を有している。発射ユニットは、1個ずつ遊技球23を遊技盤ユニット5に構成される遊技領域16に向けて発射可能である。
パチンコ機2は、アレンジボール機、雀遊技球機等の組合せ式パチンコ機、いわゆるデジパチタイプ(1種タイプ)やハネモノタイプ(2種タイプ)のパチンコ機等のあらゆるパチンコ機が概念できるが、本実施の形態においては、デジパチ遊技(1種遊技、図柄変動遊技ともいう。)を実現するいわゆる1種タイプのパチンコ機について例示説明する。図柄変動遊技については後述する。
パチンコ機2の遊技機枠3は、後述する遊技盤ユニット5を保持するためのもので、このパチンコ機2の周囲及び前方又はそれに加えて後方を囲むように構成される。遊技機枠3の内部には、遊技盤ユニット5の他にも各種電子基板や遊技球用の経路等各種機構部品が配置され、遊技機枠3によって周囲側面及び前面又はそれに加えて後方からのパチンコ機2内部への不正アクセスが防止されるようになっている。
例えば、パチンコ機2の周囲を囲む外枠4、その内側にヒンジ22によって前方開閉可能に揺動支持されて遊技盤ユニット5を保持する前枠9、前枠9の前方にヒンジ22によって前方開閉可能に揺動支持されてガラス10とその周囲を装飾する装飾部材32とを保持するガラス枠12とを有して遊技機枠3が構成される。
ガラス10は、遊技盤6に対して一定距離以上離間して配置され、パチンコ機2の前方を覆い、内部に保持された遊技盤6を前方から遊技者が視認することができるようにするための透明部材である。ガラス10は2枚の透明平板ガラスで形成されてガラス枠12の裏面側に保持され、遊技盤6との間に遊技球23が流下する流下空間を形成する機能、遊技者がガラス10を通して遊技盤6を視認できるように視認性を確保する機能、遊技者が遊技盤6に不正にアクセス(接触)できないように不正アクセスを防止する機能、を発揮する。
球皿14は、遊技者の持ち球を貯留するためにパチンコ機2の前面に配置された皿部材であって、本実施の形態においては上球皿14aと下球皿14bとを有している。上球皿14aは、球抜き部材14cを有して遊技盤6の下方、すなわちガラス枠12の下方部分に配置され、下球皿14bは、その上球皿14aの更に下方に配置されている。
発射ユニットは、遊技球供給装置(図示せず)によって球皿14の一部としての上球皿14aから発射位置に送り出された遊技球23を、遊技領域16の上部に向けて発射(弾球)するためのものである。発射ユニットは、例えば発射位置の遊技球23を弾球する発射杆、その発射杆を駆動する発射モータ、発射杆を付勢して弾球力を発生させる発射バネ等を有してユニット構成され、前枠9に取り付けられている。その発射ユニットによる球発射のため、遊技者の操作に基づいて球発射のオンオフ及びその発射強度調整を実現する発射装置ハンドル15がパチンコ機2の前面下方に設けられている。
遊技盤ユニット5は、表面側の略中央にセンター役物7が配置された遊技盤6を有しており、その遊技盤6には多数の遊技釘27も配置されている。遊技盤6は、その表面側に遊技球23の流下による遊技を実現するための遊技領域16を構成するための盤状部材であり、遊技盤6を前方から遊技者にとって視認可能となるように遊技機枠3(本実施の形態においては、遊技機枠3の一部としての前枠9。)に保持されている。その遊技盤6の表面には略円形状に周囲を囲むようにレール飾り26が取り付けられており、レール飾り26の外レール部材26aが遊技盤に対して立設するように配置されている。そして、レール飾り26の外レール部材26aによって画定され、外レール部材26aに面した略円形状の領域が遊技領域16となっている。
本実施の形態において、遊技盤6は透明な樹脂、例えば、アクリル樹脂等を板状に成形した部材を採用している。これにより、遊技者は、遊技盤6を透過して遊技盤6の後方に配置された意匠パネルや演出装置を視認することができるように構成されている。なお、遊技盤6の材質は樹脂に限らず、透明なガラスその他のセラミックス等の素材を用いてもよい。
遊技釘27は、遊技領域16を流下する遊技球23と衝突してその流下方向を変更させる流下変更部材であり、多数が遊技領域16内に配置されている。また、遊技領域16には、普通入賞口28、始動入賞口29、大入賞口31等の入球部材及びアウト口30が配置されている。更に、遊技領域16には、ゲート33、風車34等が配置されており、流下する遊技球23が各入球部材に流入したり、ゲート33を通過したり、風車34を回転させたりすることによって、遊技球23による流下遊技を楽しむことができるようになっている。
センター役物7は、図柄変動遊技を実現するものである。センター役物7は、遊技盤6の表側に配置される表ユニット7eと、遊技盤6の裏側に配置される裏ユニット7fと、によって構成されており、表ユニット7eと裏ユニット7fによって前後方向において遊技盤6を挟んで配置される。表ユニット7eは、装飾効果を発揮する装飾部分から構成されており、裏ユニット7fには、可動物ユニット40等各種遊技部分が配置されている。
センター役物7の中央部には、演出表示装置7aが配置されるとともに、この演出表示装置7aの表示部7bを露出させるための表示開口部7dが形成されている。表示開口部7dの中央上部には、可動物ユニット40が設けられている。
演出表示装置7aは、例えば、液晶表示装置・有機ELディスプレイ・LED等により構成されて遊技者が遊技盤面6a側から視認可能となるように配置され、その表示部7b上に映像表示を行うものである。この演出表示装置7aの表示部7bには、始動入賞口29への入球を契機として実行される抽選結果を視覚的に演出するための表示図柄が表示される。また、例えば、キャラクター等によるストーリー仕立ての映像としての演出映像も表示部7b上に表示されるようになっている。演出表示装置7aには、遊技制御手段としての演出制御基板が中継基板を介して電気的に接続されており、演出制御基板によって画像表示が制御される。
図2は図1に示すパチンコ機2の背面図である。遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の全体の制御を行う遊技制御手段としての主制御基板(図示せず)を収容した主制御基板ケース35と、演出表示装置7aの画像表示や可動物ユニット40の駆動制御等の演出制御を行う演出制御基板(図示せず)を収容した演出制御基板ケース36と、賞球の払出しを制御する払出制御基板(図示せず)を収容した払出制御基板ケース37と、電源基板(図示せず)を収容した電源基板ケース38と、が配置されている。この各制御基板ケースに収容された各制御基板によって遊技の制御が実現される。更に、遊技盤6の裏面側には、パチンコ機2の遊技状態等の遊技情報を外部に出力するための外部出力端子板39が設けられている。
図示しない球発射装置により遊技球23が発射されると、遊技球23はレール飾り26の外レール部材26aに沿いつつ進行して遊技領域16内の上部に至る。その後、遊技球23は、複数の通過軌跡に沿って移動し、あるものはレール飾り26の外レール部材26aに沿って右側に移動し、あるものは遊技釘27に衝突しつつ遊技領域16内を下方に流下し、あるものは普通入賞口28に流入して一定数の賞球の払出契機となり、あるものはいずれの入球装置にも流入せずに遊技領域16内最下部に位置するアウト口30に流入してアウト球としてパチンコ機2の外部側へと排出される。
図柄変動遊技中に遊技球23が始動入賞口29に流入すると、その流入に起因して演出表示装置7aの表示図柄7cが回転表示(第1の特別遊技の抽選)を開始し、その表示図柄7cが所定の図柄(例えば、「7・7・7」。)で停止表示すれば、図柄変動遊技における大当り(第1の特別遊技。以下、図柄変動大当りという。)が発生する。そして、大入賞口31が開放して多量の入賞球を受け入れ、多量の賞球が球皿14へと払い出されるようになっている。
次いで、図3ないし図10の図面を参照して、本実施の形態に係る遊技盤ユニット5の構成について説明する。
図3(a)は、本実施の形態に係る遊技盤ユニット5を示す斜視図であり、図3(b)は、図3(a)のA部を拡大して示す部分拡大図である。図4は図3の遊技盤ユニット5の背面図である。
図3及び図4に示す遊技盤6は、透明な樹脂を板状に成形した部材であり、本実施の形態では、透明なアクリル樹脂を用いている。従来、遊技盤6の材質としては、木製の合板が使用されており、その表面に、様々な意匠やキャラクタが描かれた化粧版を貼着して構成されていた。その場合、遊技盤面6aに描かれる意匠やキャラクタは、静止している状態であるので、パチンコ機2の大きな領域を占める遊技盤6に対する遊技者の興趣を、長時間にわたり惹起することが困難であるという課題があった。そこで、本実施の形態に係る遊技盤ユニット5のように、透明な遊技盤6を採用することにより、遊技盤6と遊技盤6の背面側に備えられた支持部材により、遊技盤6の背面側に空間を作り、この空間内に、動画像の表示装置や照明演出装置、及び可動的に取り付けられた役物等を配置することにより、遊技盤6を透過して遊技の進行に応じた多彩な演出を遊技者が視認できるように構成している。
本実施の形態に係る遊技盤ユニット5には、遊技盤6の左側から上部にかけて略円弧状に湾曲形成された外レール部材26aが立設配置されている。外レール部材26aは、発射ユニットから遊技盤6に形成された遊技領域16へ向けて発射された遊技球23を遊技領域16に導く部材であり、帯状の導電性の金属板金等で構成されている。外レール部材26aの下端部26bは略直角に屈曲整形されている。この下端部26bには、導電ケーブルとしての丸端子ハーネス45の一方の接続端子45aがねじ47にて固定され直接電気的及び機械的に接続されている。なお、外レール部材26aの下端部26bと導電ケーブルとの接続手段は、例えば半田付け等の手段を用いてもよい。
遊技盤6の下側端面6bには、導電性の金属板を成型加工して形成された板金部材50が取付けられている。図4に示されるように本実施の形態においては、遊技盤6の裏面側において上記丸端子ハーネスの他方の接続端子45bが板金部材50に電気的に接続されている。このように構成することにより、簡単な作業で外レール部材26aと板金部材50の電気的接続を確保することができると共に、遊技者に視認されないように簡潔に配線を行うことができる。
図5は本実施の形態に係る板金部材を示す図であり、図5(a)は板金部材の斜視図であり、図5(b)は板金部材50を遊技盤6の一部と共に示す断面図である。板金部材50は、導電性の金属薄板を成型加工して形成される。なお、板金部材50としては、樹脂成型によって形成した基材の表面に導電性の物質によって、鍍金や蒸着等の手法により導電層を形成したものであってもよい。
板金部材50は、一対の対向面51,52と、これらの対向面51,52の一端部側を連結する連結面53と、を有しており、図5に示されるように断面が略コ字状になるように屈曲成型されている。この対向面51,52は対向方向の弾性を備えており、この一対の対向面51,52によって、遊技盤6の端部を弾性的に挟持して、板金部材50が遊技盤6に取り付けられる。このとき、板金部材50の連結面53は遊技盤6の端面6bに当接されている。板金部材50は、前方側の対向面52の上端面から前面側に向けて延設された縁状片54を備えている。縁状片54は、水平方向よりも下方に向けて形成されており、縁状片54の端面部には上方に向けて延設された掬い面54aが形成されている。これら縁状片54及び掬い面54aの機能については後述する。
図6(a)は、実施の形態に係る遊技部品65を示す斜視図及び断面図である。図において、遊技部品65として普通入賞口28を形成する部品を例示している。遊技部品65は、遊技球23を受容する普通入賞口28を備え、普通入賞口28に入賞した遊技球23を遊技盤6の表面側から裏面側へと導く樋状に形成されている。遊技部品65の略全表面には、外観部品としての美観を高めるために導電性の鍍金が施されている。
遊技部品65は、図6(b)に示されるように、遊技盤6に穿設形成された取付孔61に遊技盤6の表面側から挿通されて一部が遊技盤6を貫通して遊技盤6の裏面側に露出する。遊技部品65の表面には鍍金加工が施されているので、この鍍金部65aの一部が遊技盤6の裏面側への露出部65a1として露出する。したがって、遊技盤6の表面に帯電した静電気は鍍金部65aを通じて露出部65a1へ導かれる。この露出部65a1に導電ケーブル46の一方の接続端子46aが接続され、他方の接続端子46bが板金部材50に接続される。これにより、簡単な構成で遊技部品65の近傍に帯電した静電気は板金部材50へ導かれる。
なお、遊技盤6上に取付けられる全ての遊技部品65と板金部材50とを接続するように構成してもよいし、特定の遊技領域16に配置された遊技部品65のみを板金部材50に接続するように構成してもよい。更に、近接配置された複数個の遊技部品65同士を導線等で接続した後、いずれかの遊技部品65と板金部材50を接続するように構成してもよい。また、複数個の遊技部品65が当接可能な導体板等を用いてこの導体板等を板金部材50に接続するように構成すれば、配線を簡便にすることができる。
図7(a)は、実施の形態に係る装飾部品70の一例としてセンター役物7の表ユニット7eを示す正面図である。装飾部品70の略全表面には、外観部品としての美観を高めるために導電性の鍍金が施されている。遊技盤面6a上に配置される装飾部品70の鍍金部70aは、遊技盤6の比較的広範な領域で遊技盤面6aと当接している。したがって、装飾部品70の表面に形成された鍍金部70aには遊技盤6の表面に帯電した静電気が導かれる。
本実施の形態において装飾部品70を遊技盤6に固定するための固定部材であるボルト71は、図7(b)に示されるように、遊技盤6の表面側で装飾部品70の鍍金部70aと当接し、遊技盤6を貫通して遊技盤6の裏面側でナット72と締結して装飾部材70を遊技盤6に固定している。遊技盤6の裏面側に露出した露出部71a(ボルト71の先端部)又はナット72に導電ケーブル46の一方の接続端子46aが接続され、他方の接続端子46bが板金部材50に接続される。これにより、簡単な構成で装飾部品70の近傍に帯電した静電気は板金部材50へ導かれる。
図8は、固定部材の露出部71a又はナット72と板金部材50との接続態様を示す遊技盤6の一部の背面図である。図8(a)は、個々の露出部71aと板金部材50の接続部50aを接続した例を示している。図8(b)は、近接する3つの固定部材(露出部71aとナット72)を導電部材73で導通させた後、導電部材73の接続部73aと板金部材50の接続部50aとを接続した例を示している。
図9(a),(b)は、図6に示した実施の形態における遊技部品65の遊技盤6の裏面側に露出した露出部65a1の近傍に導電部材74を配置し、この導電部材74に導電ケーブル46の一方の接続端子46aが接続され、他方の接続端子46bが板金部材50に接続される例を示した図である。この構成によれば、露出部65a1に導かれた静電気が大気中に放電されるとき、近接配置された導電部材74が避雷針のように放電された電荷を受電して板金部材50に導くことができる。また、図9(c)に示されるように、複数の遊技部品65に対して1つの導電部材75を近接配置して、導電部材75の接続部75aと板金部材50の接続部50aとを導電ケーブル46で接続するように構成してもよい。これにより、簡単な構成で遊技部品65の近傍に帯電した静電気は板金部材50へ導かれる。
図10(a),(b)は、図7に示した実施の形態における装飾部品70を遊技盤6に固定するボルト71の裏面側に露出した露出部71aの近傍に導電部材74を配置し、この導電部材74に導電ケーブル46の一方の接続端子46aが接続され、他方の接続端子46bが板金部材50に接続される例を示した図である。この構成によれば、露出部71aに導かれた静電気が大気中に放電されるとき、近接配置された導電部材74が避雷針のように放電された電荷を受電して板金部材50に導くことができる。また、図10(c)に示されるように、複数のボルト71の露出部71aに対して1つの導電部材76を近接配置して、導電部材76の接続部76aと板金部材50の接続部50aとを導電ケーブル46で接続するように構成してもよい。これにより、簡単な構成で装飾部品70の近傍に帯電した静電気は板金部材50へ導かれる。
図11は、実施の形態に係る遊技釘27と導通手段77,78,79の接続態様及び導通手段77,78,79と板金部材50との接続態様を説明するための図である。
図11(a)において、遊技盤6は透明な第1の遊技盤6cと第2の遊技盤6dとにより透明な導電性フィルム79を挟むようにして構成されている。遊技釘27は、導電性フィルム79を貫通するように遊技盤6に植立される。導電性フィルム79は、第2の遊技盤6dの所定の位置に接続部79aが形成され、この接続部79aに導電ケーブル46の一方の接続端子46aが接続され、他方の接続端子46bが板金部材50に接続されている。
このように構成することにより、遊技釘27が植立される遊技盤6の広範な領域に滞留する静電気を、簡単な構造で効果的に除電することができる遊技盤ユニット5を提供することができる。なお、全ての遊技釘27を導電性フィルム(導通手段)79と導通させるように構成してもよいし、特定の領域に植立された遊技釘27を導電性フィルム79と導通させるように構成してもよい。なお、遊技釘27には風車34の軸となる釘等も含まれる。また、遊技釘27は必ずしも導電性フィルム79を貫通する必要はなく、遊技釘27の先端部が導電性フィルム79に当接するように構成してもよい。
図11(b)は、遊技釘27が植立された遊技盤6の裏面側に遊技釘27の先端部が露出する孔部6e,6fを設け、それぞれ対応する形状の接続電極77,78を遊技釘27に当接させて、それら接続電極77,78に導電ケーブル46の一方の接続端子46aを接続し、他方の接続端子46bを板金部材に接続した態様を示している。遊技盤6に穿設された孔部6eと接続電極77又は孔部6fと接続電極78は本実施の形態における導通手段である。本実施の形態においても、近接する複数本の遊技釘27を導通させた後まとめて板金部材50と導電ケーブル46にて接続するように構成してもよい。
板金部材50は、遊技盤6のあらゆる領域に帯電する静電気を集約する中継基板として機能する。したがって、板金部材50は、接地(アース)電位に接続されることが好ましい。遊技盤ユニット5に接地電極が備えられている場合はその接地電極に板金部材50を接続するように構成してもよいし、遊技盤ユニット5が組み込まれる遊技盤ユニット5以外の構造体に設けられた接地電位に板金部材50を接続するように構成してもよい。
図12は、本実施の形態に係るパチンコ機2のガラス枠12を示す背面側斜視図である。ガラス枠12の背面側下部には、ガラス枠12の強度確保のため、また、パチンコ機2の内部への不正器具等の侵入防止のために堅牢なガラス枠側板金80が取付けられている。ガラス枠側板金80の上端部から後方(遊技盤ユニット5が位置する方向)に向けて縁状片81が屈曲形成されている。本実施の形態において、遊技盤ユニット5を保持する前枠9にガラス枠12が取付けられるとき、すなわち、ガラス枠12が前枠9に対して閉じられたとき、遊技盤ユニット5に取付けられた板金部材50の縁状片54とガラス枠側板金80の縁状片81とが当接して互いに電気的に接続されるように構成されている。
図13は、前枠9にガラス枠12が取付けられたときの板金部材50の縁状片54とガラス枠側板金80の縁状片81との位置関係を示す部分断面図である。図13に示されるように、板金部材50の縁状片54は掬い面54aにてガラス枠側板金80の縁状片81により上方に付勢されて弾性的に当接する。この構造により、板金部材50とガラス枠側板金80との接続をより良好なものとすることができる。
本実施の形態において、ガラス枠側板金80はガラス枠12に備えられた接地(アース)電極に接続されている。なお、接地電位として、ガラス枠12に接地(アース)電極が備えられている場合はその接地電極にガラス枠側板金80を接続するように構成してもよいし、ガラス枠12以外の構造体に設けられた接地電位にガラス枠側板金80を接続するように構成してもよい。
本実施の形態に係る遊技盤ユニット5によれば、部品点数が少なく組立作業性が良好で、効果的に除電が行われる遊技盤ユニット5及び遊技機2を提供することができる。
以上、実施の形態を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、その要旨の範囲内で様々な変形や変更が可能である。
2:パチンコ機(遊技機)
3:遊技機枠
4:外枠(遊技機枠の一部)
5:遊技盤ユニット
6:遊技盤(遊技装置体)
6a:遊技盤面
6b:端面
6c:第1の遊技盤
6d:第2の遊技盤
6e,6f:孔部
7:センター役物
7a:演出表示装置(画像表示手段)
7b:表示部
7c:表示図柄
7d:表示開口部
7e:表ユニット
7f:裏ユニット
9:前枠(遊技機枠の一部)
10:ガラス
12:ガラス枠
14:球皿
14a:上球皿
14b:下球皿
14c:球抜き部材
15:発射装置ハンドル
16:遊技領域
22:ヒンジ
23:遊技球
26:レール飾り
26a:外レール部材
26b:下端部
27:遊技釘
28:普通入賞口
29:始動入賞口
30:アウト口
31:大入賞口
32:装飾部材
33:ゲート
34:風車
35:主制御基板ケース
36:演出制御基板ケース
37:払出制御基板ケース
38:電源基板ケース
39:外部出力端子板
40:可動物ユニット
45:丸端子ハーネス(導電ケーブル)
45a,45b:接続端子
46:導電ケーブル
46a:接続端子
46b:接続端子
47:ねじ
50:板金部材
50a:接続部
51,52:対向面
53:連結面
54:縁状片
54a:掬い面
61,62,63:取付孔
65:遊技部品(入賞口)
65a:鍍金部
65a1:露出部
70:装飾部品
70a:鍍金部
71:ボルト(固定部材)
71a:露出部
72:ナット(固定部材)
73:導電部材
73a:接続部
74:導電部材
75:導電部材
75a:接続部
76:導電部材
76a:接続部
77:接続電極(導通手段)
78:接続電極(導通手段)
79:導電性フィルム(導通手段)
79a:接続部
80:ガラス枠側板金
81:縁状片