JP6008439B2 - ダブルスキンを利用した自然換気システム - Google Patents

ダブルスキンを利用した自然換気システム Download PDF

Info

Publication number
JP6008439B2
JP6008439B2 JP2012092245A JP2012092245A JP6008439B2 JP 6008439 B2 JP6008439 B2 JP 6008439B2 JP 2012092245 A JP2012092245 A JP 2012092245A JP 2012092245 A JP2012092245 A JP 2012092245A JP 6008439 B2 JP6008439 B2 JP 6008439B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
humidity control
flow path
control mechanism
floor
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012092245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013221277A (ja
Inventor
敦 粕谷
敦 粕谷
康介 西端
康介 西端
弘高 小西
弘高 小西
一樹 和田
一樹 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takenaka Corp
Original Assignee
Takenaka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takenaka Corp filed Critical Takenaka Corp
Priority to JP2012092245A priority Critical patent/JP6008439B2/ja
Publication of JP2013221277A publication Critical patent/JP2013221277A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6008439B2 publication Critical patent/JP6008439B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Load-Bearing And Curtain Walls (AREA)
  • Ventilation (AREA)

Description

本発明は、ダブルスキンを利用した自然換気システム、特に収着ブロックなどの調湿手段を含むダブルスキンを利用した自然換気システムに関する。
この種のシステムとして、建物の外壁の各階毎に固定された縦横一対の枠材からなる枠体の各先部にガラス面材を嵌合させたカーテンウォールと、各枠体の下側の横枠材に第1開口を、また枠体の下側の横枠材に第2開口を設けるとともに、第1開口から第2開口へ至る縦流路の途中から分岐する横流路の先部に第3開口を開き、その分岐点に流路切換手段を形成した流路機構と、各枠体内部から空調機へ空気を引き込むための引込ダクトとを具備するものが知られている(特許文献1)。
このシステムは、カーテンウォールダブルスキンの内部を含む換気用流路を適宜切り替えて空気を引き込むことを提案するが、空気の調湿に関しては具体的に言及していない。上記空調機の機能として外気を除湿・加湿することは周知の技術であるが、除湿・加湿のために空調エネルギーを必要とする。
これに対して吸放湿性に優れた調湿材料を換気路に組み込むとともに放湿のエネルギーとして太陽エネルギーを利用することも提案されている(特許文献2〜3)。
特許文献2の換気システムは、天井裏の調湿材料入りの調湿器から室内空間を通って当該調湿器に還る循環流路の一部に送風ファンを設けて循環空気を除湿させ、調湿材料の吸水量が飽和すると循環流路から調湿器を遮断するとともに、屋外に配置した太陽熱交換器から温風を調湿器に送り、水分を加熱放出するものである。
特許文献3のシステムは、建物の外面から、第1調湿器付き管路、給気路、室内空間、太陽熱交換器付きの排気路、第2調湿器付き管路を経て建物の外面に戻る換気路の途中に、2つの管路に対する給気路及び排気路の接続を切り変える流路切替機構を設けることで、2つの調湿器の一方の吸湿中に他方を放湿・再生することが可能に構成している。
また特許文献4は調温換気機構に調湿機能を付加したシステムとして、床下空間を横切る主流路の途中に調湿部と相変化型蓄熱部とを順次設け、蓄熱部の下流側から室内へ至る給気路と室内から調湿部の上流側へ至る換気路とに送風ファンを設けたものを提案する。
特開2003−105880 特開2005−188793 特開2010−065936 特開2003−329270
特許文献2〜3の換気システムは、機械換気システムに調湿機能を付加しており、自然換気での実現ができない。また特許文献2は吸着した湿分を加熱放出する太陽熱交換機が大掛かりなものとなり、経済性が低いとともに、外観デザイン性を損なうおそれがある。
特許文献4の換気システムも機械換気を前提とするものである。すなわち特許文献4は、外気を取り込む際に相変化蓄熱材と接触させて調湿する。この技術は常温空気において相変化される蓄熱材の温度コントロールが必要であり、自然通風との組み合わせでは効果が表れにくい。
自然通風により室内湿度のコントロールを行うときには、(イ)自然通風は外気の湿度が高い時期には利用できない、或いはエネルギー削減効果が少ない、(ロ)一般的な居室では冷房時の湿度コントロールができない、(ハ)冬期に加湿する場合にはエネルギーを多く必要とする、という問題点がある。
本発明の第1の目的は、調湿材料を設置したダブルスキンを利用して自然換気を効率的に行うことで省エネルギー効果を高めたシステムを提案することである。
本発明の第2の目的は、調湿材料を設置したダブルスキンを換気路とすることで自然換気可能な時間・期間を拡大することである。
本発明の第3の目的は、調湿材料の再生エネルギーとしてダブルスキン内の熱効果を利用することで、エネルギー効率を向上させることである。
本発明の第4の目的は、ダブルスキンの内部を縦方向の複数の空気通路に分割することで各階に対して並行して除湿作用を実現することである。
第1の手段は、
複数階の建物の一面に形成した内側スキン及び外側スキンからなり、下端部側に下側主開口部を、また上端部側に上側主開口部を有するダブルスキンと、
このダブルスキン内に上記建物の各階に対応させて下から上へ複数並置され、対応する階の内スキン部分の床寄りに開口する下側通気孔及び天井寄りに開口する上側通気孔を、それぞれ開閉用ダンパーで閉塞するとともに、下側通気孔及び流路切替部の間に空気の湿度に応じて吸湿乃至放湿を行う調湿手段を設置してなる調湿機構と、
各調湿機構の間に設けられ、上記外側スキンに開口させた途中開口部と流路切替手段とを含む流路切替部と、
上記流路切替手段及び開閉用ダンパーを制御する制御部と、
を具備し、
上記流路切替手段は、下側の調湿機構から上側の調湿機構に至る直進用流路と下側の調湿機構から中途開口部へ至る排気用流路と中途開口部から上側の調湿機構に至る給気用流路のうちで少なくとも一つの流路を開とし他の流路を閉とするように流路を切り替えることが可能に形成し、
最下位の調湿機構にあっては下側主開口部を、それ以外の調湿機構にあってはこの調湿機構のすぐ下の流路切替部に形成する給気用流路を、この調湿機構への給気路として、また最上位の調湿機構にあっては上側主開口部を、それ以外の調湿機構にあってはこの調湿機構のすぐ上の流路切替部に形成する排気用流路を、この調湿機構からの排気路として、それぞれ各調湿機構の内部に対する空気の出入りを可能としている。
本手段では、図1に示すように下側主開口部12及び上側主開口部14を有するダブルスキン4の内部に、建物の各階層に対応する調湿機構20と、各調湿機構20の間に形成した流路切替部30とを設けることを提案する。各調湿機構20は、内側スキンに開口する下側通気孔22L及び上側通気孔22Uと、調湿手段26とを有している。下側主開口部又は途中開口部から導入された外気は調湿手段26を通過することで除湿されるので、外界が高湿度の時期でも自然通風が可能となる。
本手段の「自然換気システム」とは、自然通風を取り入れるのに適したシステムという意味であり、機械換気を併用するものを排除するものではない。
第2の手段は、第1の手段を有し、かつ
上記制御部は、少なくとも一部の調湿機構について、
この調湿機構の上側通気孔及び下側通気孔の各開閉用ダンパーを開とし、この調湿機構の給気路から下側通気孔を経由して各階の内部へ外気を導入し、かつ各階の内部の空気を上側通気孔からダブルスキン内へ導く換気用モードと、
この調湿機構の上側通気孔及び下側通気孔の各開閉用ダンパーを閉とするとともに、この調湿機構の下側の流路切替部を通る流路を直進用流路として、この直進用流路を通過する下層階からの排気を、この調湿機構の排気路から排出する排気用モードと、
を切り替えることが可能とし、
所定の時間毎に換気用モードと排気用モードとを繰り返すことができるように構成した。
本手段は、ダブルスキンの内部で各階層の調湿機構の排気用モードを実行することを提案する。この排気用モードでは、当該階層より一つ下の階層の内部から流出する空気が両階の流路切替部30を直進して、その調湿機構の調湿手段を経て当該階層の上側の途中開口部32から排気するようにしている。下の階層から流出する空気は、外気に比べて乾燥しており、かつダブルスキンの内部は相対的に高温であることから、調湿手段の放湿を促進する。ダブルスキンの内部の熱を調湿手段の再生エネルギーとして利用できるので、省エネルギーに寄与する。排気及び調湿手段の放湿の行程と、換気及び調湿手段の吸湿の行程とは繰り返し行われるが、両行程の間には、放湿の後で調湿手段が乾燥した状態のまま、あるいは吸湿の後に調湿手段が湿潤した状態のままで待機する行程が存在しても構わない(図7参照)。これに関しては後述する。
第3の手段は、第2の手段を有し、かつ
上記調湿手段を、各階に対応するダブルスキン部分の下寄りに配置して、排気用モードにおいて調湿手段の放湿による気化熱でこの調湿手段上方の流路が冷却されるように構成した。
本手段は、調湿手段26の放湿による気化熱でペリメータ領域の熱を除去することを提案する。そのためには調湿手段26を、各階に対応するダブルスキン部分の下寄りの配置して(図1参照)、水分が気化してから途中開口部又は上側開口部で排出されるまでの距離を長くとる。
第4の手段は、第3の手段を有し、かつ
上記ダブルスキンの内部を、適数の垂直なパーティション材により巾方向に並列される複数の空気通路に分割し、各空気通路毎に上記複数の調湿機構及び流路切替部を設けるとともに、
上記制御部は、一つの階の異なる空気通路の調湿機構のうちの少なくとも一つが換気用モードに、他の一つが排気用モードになるように流路切替手段及び開閉用ダンパーを制御する。
本手段では、図8に示すようにダブルスキンの内部を複数の空気通路P に分割することを提案している。各空気通路P 内には、前述のように、各階層毎に調湿機構20が設けられ、かつ調湿機構20同士の間には流路切替部30が設けられている。
第1の手段に係る発明によれば、ダブルスキンの各階層毎に、各階の天井側及び床側に対応する一対の通気孔並びに調湿手段を含む調湿機構を設けたから、高湿状態でも好適な通風を確保でき、自然換気の適用時間・適用時期が拡大し、効率的な換気ができる。
第2の手段に係る発明によれば、各階の調湿機構の動作モードを“換気”から“排気”に切り替えたときに、当該階の下階からの乾燥空気が当該調湿機構の調湿手段を通過し、ダブルスキン内の熱的効果と相まって放湿・再生作用を向上する。
第3の手段に係る発明によれば、放湿時の気化熱を利用して排熱行程を実現できる。
第4の手段に係る発明によれば、ダブルスキン内部を分割してなる複数の空気通路毎に調湿機構及び流路切替部を設けたから、各階毎に換気及び排熱を行うことができる。
本発明の第1実施形態に係る自然換気システムの側断面図である。 図1のシステムのII−II方向からみた、一部を透視した外面図である。 図1のシステムの要部(流路切替部及びその周辺構造)の側断面図であり、流路が排気状態である場合の説明図である。 図3の要部の給気状態の説明図である。 図3の要部の気流直進状態の説明図である。 図1のシステムの他の状態の説明図である。 図1のシステムの作用の概略図である。 本発明の第2実施形態に係る自然換気システムの側断面図である。 図8のシステムの各空気通路の動作を説明する図面である。
図1から図7は、本発明の第1の実施形態に係るダブルスキンを利用した自然換気システム2を示している。図1中で、Bはこの自然換気システムが適用される複数階の建物、Fは建物の床、Cは天井、Rは居室である。
この自然換気システム2は、図2に示す如く、ダブルスキン4と、調湿機構20と、流路切替部30と、制御部40とを具備している。
ダブルスキン4は、建物Bの外壁に固定された内スキン6と、この内スキン6と平行に取り付けられた外スキン8とを有し、これら両スキンの間に垂直な空気通路Pを形成している。ダブルスキン4の内部は複数の空気通路で分割することが好適なのであるが、説明の都合上、これについては後の実施形態で述べる。内スキン6及び外スキン8の両側部を閉塞板10,10で閉塞させてもよい。
上記ダブルスキン4は、下側主開口部12及び上側主開口部14を有する。下側主開口部12は、本システムを適用しようとする建物Bの階層のうち最下階の下方に、また上側主開口部14は、それら階層のうち最上階の上方に設けることが好適である。図示のダブルスキンでは、雨水の進入を避けるために上端部を上板18で閉塞するとともに、外スキン8の上部に上側主開口部14を形成するとともに、ダブルスキン4の上端面を閉塞して雨水の進入を回避している。またダブルスキン4の下端面は下板16で閉塞するとともに、外スキン8の下部に下側主開口部12を形成している。もっともこれらの構造は適宜変更できる。
調湿機構20は、ダブルスキン4の各階対応部分にそれぞれ設けている。調湿機構20は、下側通気孔22L及び上側通気孔22Uと調湿手段26とで構成されている。
上記下側通気孔22Lは、図1に示すように、上記内スキン6の各階対応部分の床寄りに、また上側通気孔22Uは、内スキン6の各階対応部分の天井C寄りに、それぞれ開閉用ダンパー24L,24Uで開閉することが可能に形成する。これら開閉用ダンパー24L,24Uの開閉操作は後述の制御部40で行う。
開閉用ダンパー24L,24Uの構造は自由であるが、図示例では、下側の開閉用ダンパー24Lを下側通気孔22Lの外側上端寄りに、また上側の開閉用ダンパー24Uを上側通気孔22Uの外側下端寄りに、それぞれ外側(外スキン側)への回動可能に枢着している。これにより開閉用ダンパー24L,24Uを開としたときに、各ダンパーが空気通路の邪魔板として作用するから外気を居室R側へ導入し易い、各ダンパーが居室R側へ倒れる場合のように室内の物に当たる不都合がない、という利点がある。
上記調湿手段26は、上記下側通気孔22Lの下方に配置する。調湿手段は、ブロック状の収着剤で形成することができる。調湿手段26は、空気通路Pを流れる空気が必ず調湿手段26を通過するように、その流路面積全体を占めている。なお、ブロック状の収着剤は、ゼオライト、塩化リチウム、シリカゲルなどの乾燥剤や高分子収着剤で形成することができる。
流路切替部30は、上記各調湿機構20同士の間に設ける。この流路切替部30は、途中開口部32と、流路切替手段34とで構成する。
上記途中開口部32は、ダブルスキン4内と外界との連絡口であり、ダブルスキンの各階対応部分の上寄りに設ける。図示の途中開口部32は外スキン8に形成している。
上記流路切替手段34は、上下に連なる上下一対の調湿機構20に対して、下側の調湿機構20の内部から途中開口部32に至る排気用流路P(図3参照)、途中開口部32から上側の調湿機構20に至る給気用流路P(図4参照)と、下側の調湿機構20の内部から上側の調湿機構20の内部に至る直進用流路P(図5参照)とを切替可能に形成する。
図示の流路切替手段34は、断面略Y字形の回転体34Aを、透孔V,V2,V3…付きの円筒形チャンバー34B内に回動自在に挿入するとともに、この円筒形チャンバー34Bの外面を内スキン6乃至外スキン8に連結する支承手段兼用の隔壁34Cを設け、さらに上記回転体34Aの回転軸35を駆動装置34Dに連結させてなる。
上記円筒形チャンバー34Bは、次の条件を満たすように構成する。
(イ)図3に示す行程で、上記回転体34Aが、第1透孔V及び第2透孔V2で形成される排気用流路Pを開通するとともに残りの流路を遮断する。
(ロ)図4に示す行程で、回転体34Aが、第2透孔V2及び第3透孔V3で形成される給気用流路Pを開通するとともに残りの流路を遮断する。
(ハ)図5に示す第3の行程で、上記回転体34Aが、第4透孔V4及び第5透孔Vで形成される直進用流路Pを開通するとともに残りの流路を遮断する。
もっとも流路切替手段34の構造は適宜変更することができる。
制御部40は、上記開閉用ダンパー24L,24Uの駆動部(図示せず)及び流路切替手段34の駆動装置34Dを、少なくとも給気用モード及び排気用モードに対応して動作するように制御する。好適な一実施例として、制御部40は、タイマーを内蔵して一定の単位時間で操作モードを切り替えるようにするとよい。また外気の湿度の多寡に応じて、例えば季節毎・月毎に単位時間を変更できるようにしてもよい。他方、時間単位での制御の他に、公知の吸湿量センサー(例えば調湿材料の重量を計測するもの)を用いて、吸湿中の調湿手段の含水量が飽和量に達したときに操作モードを切り替えるようにすることもできる。
次に図1に示す4階建ての建物Bを例にとり、上記構成の作用を説明する。例えば同図の2階対応部分の下側通気孔22L及び上側通気孔22Uの開閉用ダンパー24L,24Uは開であり、1階、3階、4階対応部分の下側通気孔22L及び上側通気孔22Uの開閉用ダンパー24L,24Uは閉である。また1階と2階との間の流路切替部30では給気用流路Pが開、他の流路が閉であり、2階と3階との間の流路切替部30では直進用流路PCが開、他の流路が閉、3階と4階の間の流路切替部30では排気用流路Pが開、他の流路が閉である。
この状態において、外気は、図1に矢示するように、途中開口部32から1階と2階との間の流路切替部30を通過して、2階の調湿手段を通過することで除湿され、2階の下側通気孔22Lより2階の居室Rの床側に入る。居室R内では対流作用により暖かい乾燥した空気が部屋の上部に集まり、上側通気孔22Uからダブルスキン4内へ排気される。この排気は、2階と3階との流路切替部30の直進用流路Pを通り、3階の調湿手段26を通過する。居室Rから排出された排気は外気に比べて湿度が低いため、3階の調湿手段26の放湿(再生)を促し、他方、この放湿により蒸発した水分は排気から気化熱を奪うことで排気の温度を低下させる。
従来の空調技術では、室内からの排気は不要物であってこれを冷却するという発想が存しないが、本発明では、放湿中の調湿手段を通過した低温度の排気が、さらに上の階(図1では3階)のダブルスキン部分を通過することでペリメータ領域の熱負荷を軽減するという作用を発揮する。しかる後、当該排気は3階と4階との間の流路切替部30の排気用流路Pを通って外界へ排出される。
制御部40は、一定の時間が経過した後に、調湿機構20及び流路切替部30の操作状態を図6の如く切り替える。この状態で、同図の1階及び4階対応部分の下側通気孔22L及び上側通気孔22Uの開閉用ダンパー24L,24Uは開であり、2階及び3階対応部分の下側通気孔22L及び上側通気孔22Uの開閉用ダンパー24L,24Uは閉である。また3階と4階との間の流路切替部30では給気用流路Pが開、他の流路が閉であり、1階と2階との間の流路切替部30では直進用流路PCが開、他の流路が閉、2階と3階との間の流路切替部30では排気用流路Pが開、他の流路が閉である。
この状態において、外気は、図6に矢示するように、下側主開口部12から入り、1階の調湿手段を通過することで除湿され、1階の下側通気孔22Lより1階の居室Rの床側に入る。居室R内の空気は、上側通気孔22Uからダブルスキン4内へ排気される。この排気は、1階と2階との流路切替部30の直進用流路Pを通り、2階の調湿手段26を通過する。これにより2階の調湿手段26を放湿(再生)させ、この調湿手段26から蒸発した水蒸気は周囲の熱を奪う。
図7は、本発明の自然換気システムの動作の行程の一例を表している。動作を理解し易くするために建物の8階層分に調湿機構20を適用した場合を作図している。
各階層の間に設けた途中開口部32が一つの場合には換気(吸湿)用モードを実行する階と排気(放湿)用モードを実行する階とを一対の動作実行階として、それら一対の階同士の間に、乾燥状態(或いは湿潤状態)のままで待機するモード(以下、待機モードという)の少なくとも一つの階を設定する。図7においては、第1行程で3階と6階とに、第2行程で2階と5階と8階とに、第3行程で1階と4階と7階とにそれぞれ待機モードを設定している。
これによれば、各階の調湿機構20は、例えば図示例のように換気(吸湿)→排気(放湿)→乾燥状態での待機という動作を繰り返すことになる。或いは図示例と異なり、換気(吸湿)→湿潤状態での待機→排気(放湿)という動作の繰り返しとしてもよい。
仮にこうした待機モードの階を設定しないとして、例えば図7の第1行程の2階で排気(放湿)用モードを、かつ3階で換気(吸湿)用モードを実行するとすれば、2階と3階との間の途中開口部では、2階の動作のために排気を、3階の動作のために給気をしなければならないことになるが、一つの開口部で排気と給気とを同時に行うことはできないからである。
もっともダブルスキンの離れた場所(例えばダブルスキンの正面側及び側面側)に下側の階用の途中開口部及び上側の途中開口部を設けるときには待機モードを設定することを省略できる。
図8から図9は、本発明の第2の実施形態に係るダブルスキンを利用した自然換気システムを示している。
本実施形態では、ダブルスキン4内の空間を、内スキン6及び外スキン8に連続する適数の垂直なパーティション材44により複数の空気通路Pに分割している。各空気通路には、第1実施形態で述べた調湿機構20と流路切替部30とを設け、各空気通路Pの調湿機構20及び流路切替部30を、一つの制御部40又は相互に連係する複数の制御部40により統一的に制御する。
すなわち、図9のように一つの階に対応する各空気通路部分の少なくとも一つは、換気(吸湿)用モードを、他の少なくとも一つは、排気(放湿)用モードを実行するように構成する。これにより各階に対して恒常的に換気(吸湿)と、放湿に伴う冷却とが行われる。さらに必要により、他の少なくとも一つは待機モードを実行するように設ける。
流路切替部30の駆動装置34Dや制御部はパーティション材44の内部に内蔵させることができる。また図示例では4つの空気通路Pを設けているが、換気(吸湿)用モードと排気(放湿)用モードと待機モードとの3行程とするときには、3つの空気通路を設けてもよい。この場合には、図7に示す第1行程〜第3行程の動作が各空気通路Pで同時に行われることになる。また各階層の間に2つ以上の途中開口部を設ける場合には、2つの空気通路を設けてもよい。
2…自然換気システム 4…ダブルスキン 6…内スキン 8…外スキン 10…閉塞板
12…下側主開口部 14…上側主開口部 16…下板 18…上板
20…調湿機構 22L…下側通気孔 22U…上側通気孔 24L,24U…開閉用ダンパー
26…調湿手段 30…流路切替部 32…途中開口部
34…流路切替手段 34A…回転体 34B…円筒形チャンバー 34C…隔壁
34D…駆動装置 35…回転軸
40…制御部 44…パーティション材
B…建物 C…天井 F…床
P…空気通路 P…排気用流路 P…給気用流路 PC…直進用流路
R…居室
V…第1透孔 V2…第2透孔 V3…第3透孔 V4…第4透孔 V…第5透孔

Claims (4)

  1. 複数階の建物の一面に形成した内側スキン及び外側スキンからなり、下端部側に下側主開口部を、また上端部側に上側主開口部を有するダブルスキンと、
    このダブルスキン内に上記建物の各階に対応させて下から上へ複数並置され、対応する階の内スキン部分の床寄りに開口する下側通気孔及び天井寄りに開口する上側通気孔を、それぞれ開閉用ダンパーで閉塞するとともに、下側通気孔及び流路切替部の間に空気の湿度に応じて吸湿乃至放湿を行う調湿手段を設置してなる調湿機構と、
    各調湿機構の間に設けられ、上記外側スキンに開口させた途中開口部と流路切替手段とを含む流路切替部と、
    上記流路切替手段及び開閉用ダンパーを制御する制御部と、
    を具備し、
    上記流路切替手段は、下側の調湿機構から上側の調湿機構に至る直進用流路と下側の調湿機構から中途開口部へ至る排気用流路と中途開口部から上側の調湿機構に至る給気用流路のうちで少なくとも一つの流路を開とし他の流路を閉とするように流路を切り替えることが可能に形成し、
    最下位の調湿機構にあっては下側主開口部を、それ以外の調湿機構にあってはこの調湿機構のすぐ下の流路切替部に形成する給気用流路を、この調湿機構への給気路として、また最上位の調湿機構にあっては上側主開口部を、それ以外の調湿機構にあってはこの調湿機構のすぐ上の流路切替部に形成する排気用流路を、この調湿機構からの排気路として、それぞれ各調湿機構の内部に対する空気の出入りを可能としたことを特徴とする、ダブルスキンを利用した自然換気システム。
  2. 上記制御部は、少なくとも一部の調湿機構について、
    この調湿機構の上側通気孔及び下側通気孔の各開閉用ダンパーを開とし、この調湿機構の給気路から下側通気孔を経由して各階の内部へ外気を導入し、かつ各階の内部の空気を上側通気孔からダブルスキン内へ導く換気用モードと、
    この調湿機構の上側通気孔及び下側通気孔の各開閉用ダンパーを閉とするとともに、この調湿機構の下側の流路切替部を通る流路を直進用流路として、この直進用流路を通過する下層階からの排気を、この調湿機構の排気路から排出する排気用モードと、
    を切り替えることが可能とし、
    所定の時間毎に換気用モードと排気用モードとを繰り返すことができるように構成したことを特徴とする、請求項1記載のダブルスキンを利用した自然換気システム。
  3. 上記調湿手段を、各階に対応するダブルスキン部分の下寄りに配置して、排気用モードにおいて調湿手段の放湿による気化熱でこの調湿手段上方の流路が冷却されるように構成したことを特徴とする、請求項2記載のダブルスキンを利用した自然換気システム。
  4. 上記ダブルスキンの内部を、適数の垂直なパーティション材により巾方向に並列される複数の空気通路に分割し、各空気通路毎に上記複数の調湿機構及び流路切替部を設けるとともに、
    上記制御部は、一つの階の異なる空気通路の調湿機構のうちの少なくとも一つが換気用モードに、他の一つが排気用モードになるように流路切替手段及び開閉用ダンパーを制御することを特徴とする、請求項3記載のダブルスキンを利用した自然換気システム。
JP2012092245A 2012-04-13 2012-04-13 ダブルスキンを利用した自然換気システム Active JP6008439B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012092245A JP6008439B2 (ja) 2012-04-13 2012-04-13 ダブルスキンを利用した自然換気システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012092245A JP6008439B2 (ja) 2012-04-13 2012-04-13 ダブルスキンを利用した自然換気システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013221277A JP2013221277A (ja) 2013-10-28
JP6008439B2 true JP6008439B2 (ja) 2016-10-19

Family

ID=49592469

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012092245A Active JP6008439B2 (ja) 2012-04-13 2012-04-13 ダブルスキンを利用した自然換気システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6008439B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6414781B2 (ja) * 2015-06-24 2018-10-31 株式会社デバイス 除湿吸排気ユニット、ダブルスキンシステム及び除湿吸排気方法
JP7128774B2 (ja) * 2019-05-30 2022-08-31 三機工業株式会社 換気装置及び換気システム
CN111677105B (zh) * 2020-07-09 2021-02-02 南京工业大学 一种便于拆装的木制房屋

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3746216B2 (ja) * 2001-09-27 2006-02-15 Ykk Ap株式会社 換気機構付きカーテンウォールユニットおよび建物の換気構造
JP5288830B2 (ja) * 2008-02-26 2013-09-11 株式会社富山冷熱工業 建築物
JP5468449B2 (ja) * 2010-04-09 2014-04-09 株式会社竹中工務店 カーテンウォール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013221277A (ja) 2013-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6447770B2 (ja) 換気システム
KR100675802B1 (ko) 제가습 장치
JP5862266B2 (ja) 換気システム
JP2006125824A (ja) 換気装置
JP2006105423A (ja) 換気装置及び建物
KR20070054230A (ko) 환기 장치 및 건물
KR102538252B1 (ko) 공기조화기와 그 제어방법
JP2013221730A (ja) 調湿装置
KR102180663B1 (ko) 공기조화기와 그 제어방법
JP6008439B2 (ja) ダブルスキンを利用した自然換気システム
JP5983235B2 (ja) 調湿装置
JP2007139333A (ja) 換気装置及び建物
JP2013217616A (ja) ダブルスキンを利用した調湿システム
JP2014196879A (ja) 調湿装置
JP4524348B1 (ja) 省エネルギー換気システム
JP4466306B2 (ja) 換気装置及び建物
JP7228836B2 (ja) 加圧型熱交換換気式建屋
JP6854099B2 (ja) 調湿換気システム
JP2005351505A (ja) 空気調和機
KR102421244B1 (ko) 공기조화기와 그 제어방법
JP2017044381A (ja) 調湿システム
JP2001173992A (ja) 空調方法および空調装置
JP6386937B2 (ja) 調湿システム
JP3884315B2 (ja) 顕熱・潜熱空調装置
JP5631148B2 (ja) 屋内用除湿装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160203

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160324

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160912

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Ref document number: 6008439

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150