JP3746216B2 - 換気機構付きカーテンウォールユニットおよび建物の換気構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、換気機構付きカーテンウォールユニットおよび建物の換気構造に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、建物の外壁であるカーテンウォールを、上下方向および水平方向にそれぞれ並設された複数のカーテンウォールユニットで形成することが知られている。また、カーテンウォールユニットの上側および下側の両側に、開閉自在なダンパー等を備えた換気機構を設けることも知られている。
これらのカーテンウォールユニットによれば、下側の換気機構から外気を室内に導入するとともに、上側の換気機構から室内の空気を外部に排出することにより、室内の換気を良好に行うことができる。
【0003】
さらに、近年では、カーテンウォールの室内側に内窓を備えた、いわゆるダブルスキン構造を採用した建物が知られている。
このような建物では、カーテンウォールと内窓との間に空間が存在するが、この空間内の空気は、特に夏場の日中において、太陽光によって外気より高温となため、室内の冷房効率を低下させないためにも、その空気を換気して外部に排出する必要がある。そして、この場合にも、前述の上下の換気機構が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、各階のカーテンウォールユニット毎に上下の換気機構を設けるので、コストがかかるうえ、カーテンウォールユニットの構造が複雑になって組立作業が繁雑になるという問題がある。
【0005】
なお、このような問題が生じるのは、外壁をカーテンウォールで形成する場合に限らない。例えば、建物の外壁を、コンクリートの壁面に取り付けられるタイル等の外壁材で形成する場合でも、各階のサッシ窓の上下に換気機構を設けることがあり、やはり、コストがかかり、施工も繁雑になる。
【0006】
本発明の目的は、コスト削減および作業の簡略化を実現でき、しかも、換気を良好に行える換気機構付きカーテンウォールユニット、および建物の換気構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の換気機構付きカーテンウォールユニットは、建物の上下階の境界部分に位置する換気機構を備えているとともに、この換気機構は、前記境界部分から見て下階の室内側に開口した第1開口部と、室外に開口した第2開口部と、上階の室内側に開口した第3開口部と、これら第1ないし第3開口部の連通状態を切り換える流路切換部材とを備え、この流路切換部材は少なくとも、前記第1開口部および第2開口部を連通させる換気流路形成位置と、第2開口部および第3開口部を連通させる吸気流路形成位置と、第2開口部に対して第1および第3開口部を閉鎖させる閉鎖位置とに付勢可能に設けられていることを特徴とする。
【0008】
このようなカーテンウォールユニットによれば、換気機構を上下階の境界部分に対応した位置の一箇所に設けるだけでよいので、従来とは異なって上下の両方に換気機構を設ける必要がなく、コストが削減される。そして、換気機構の数が少ないことで、カーテンウォールユニットの組立作業も容易になる。
また、このカーテンウォールユニットでは、換気機構を各階の境界部分に位置させることにより、所定の階層での換気を次のようにして行うことが可能である。つまり、一カーテンウォールユニットに設けられた下側の境界部分の換気機構において、その流路切換部材を吸気流路形成位置にして外気を室内に取り込み、別のカーテンウォールユニットに設けられた上側の境界部分の換気機構において、その流路切換部材を換気流路形成位置にして室内の空気を排出すればよい。従って、一つのカーテンウォールユニットの上下両方に換気機構を設けなくとも、換気が良好に行われるようになる。
【0009】
本発明の換気機構付きカーテンウォールユニットでは、前記流路切換部材が閉鎖位置にあるとき、前記第1開口部および第3開口部を連通させることが望ましい。
このようなカーテンウォールユニットによれば、各階の境界部分にある換気機構の流路切換部材を閉鎖位置にすることで、上下階の室内同士が第1開口部および第3開口部を介して連通するようになり、例えば、高層の建物であっても、建物の最下階から最上階までの全室内を容易に連通させることが可能である。
【0010】
また、本発明の換気機構付きカーテンウォールにおいて、前記流路切換部材は、回転することで付勢位置を切換可能に設けられていてもよい。
このようなカーテンウォールでは、流路切換部材が電動式のモータ等で駆動されるようになり、切換操作の自動化が容易になる。
【0011】
一方、本発明の建物の換気構造は、上下階の境界部分には換気機構が設けられ、この換気機構は、前記境界部分から見て下階の室内側に開口した第1開口部と、室外側に開口した第2開口部と、上階の室内側に開口した第3開口部と、これら第1ないし第3開口部の連通状態を切り換える流路切換部材とを備え、この流路切換部材は少なくとも、前記第1開口部および第2開口部を連通させる換気流路形成位置と、第2開口部および第3開口部を連通させる吸気流路形成位置と、第2開口部に対して第1および第3開口部を閉鎖させる閉鎖位置とに付勢可能に設けられていることを特徴とする。
【0012】
このような建物の換気構造では、建物の外壁がカーテンウォールで形成されている場合以外でも、換気機構の数が少なくなるので、コストが削減され、そして、建物の施工が容易になる。また、換気機構の流路切換部材を操作することで、前述したように、換気が良好に行われるようになる。
【0013】
さらに、本発明の建物の換気構造において、室内には外壁から所定距離離間した位置に内窓が設けられ、この内窓と外壁との間の流通空間には、当該室内の上側に設けられた換気機構の第1開口部と、下側に設けられた換気機構の第3開口部とがそれぞれ開口していることが好ましい。
このような換気構造では、室内に内窓が設けられたいわゆるダブルスキン構造の建物であっても、外壁と内窓との間の流通空間の換気が良好に行えるようになり、例えば、夏場の日中においては、当該流通空間内の温度が過剰に高くなる心配がなく、室内の冷房効率が改善される。
【0014】
この際、本発明の建物の換気構造では、前記内窓の室内側は、床側または天井側で前記流通空間と連通し、天井裏空間または床下空間には、流通空間と連通した引込流路が設けられていることが望ましい。
このような換気構造によれば、内窓の室内側の空気が流通空間を通って引込流路に引き込まれるようになるから、この引き込まれた空気を再度室内側に送り込む等すれば、室内側での空気循環が行えるようになる。
【0015】
そして、本発明の建物の換気構造では、前記換気機構は、上下階の境界部分に沿って水平方向に複数並設されているとともに、当該上下階の境界部分で挟まれた室内では、上側の複数の換気機構のうちの一つ以上と、下側の複数の換気機構のうちの一つ以上とを操作可能に設けられていることが望ましい。
このような換気構造によれば、上側および下側の換気機構によって室内の換気が行われ、また、上側の他の換気機構を上階の室内の換気用に、下側の他の換気機構を下階の室内の換気用にそれぞれ用いることで、各階毎の換気が確実に行われるようになる。
【0016】
さらに、以上の建物の換気構造において、前記換気構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカーテンウォールユニットの換気機構を含んで構成されていてもよく、これらのカーテンウォールユニットを上下方向および水平方向に複数並設することにより、本発明の目的を達成しつつ、建物外壁をカーテンウォールで形成することが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の複数のカーテンウォールユニット10で構成されたカーテンウォール1の外観姿図である。図2は、カーテンウォール1の縦断面図、図3は、カーテンウォール1の横断面図、図4は、その模式的な断面斜視図である。
【0018】
カーテンウォール1において、これを構成する各カーテンウォールユニット10は、建物2の各階の床スラブ3間に跨って上下方向および水平方向に複数並設され、この床スラブ3に対して図示しないライナを介して固定されている。
このようなカーテンウォールユニット10は、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした矩形状の枠体14を備え、この枠体14内には、ガラス面材15が嵌め込まれている。
【0019】
枠体14の下枠12および各縦枠13は、それぞれ一本のアルミ製の押出形材で構成され、ビスによって互いに接合されている。
これに対して上枠11は、複数のアルミ製の押出形材で構成され、その内部に建物2内の換気を行うための換気機構20が設けられている。この上枠11は、カーテンウォールユニット10が床スラブ3に固定された際、床スラブ3の上面に対応した高さ、すなわち、上下階の境界部分に対応した高さに位置するようになっている。
【0020】
具体的に上枠11は、図5、図6にも拡大して示すように、ガラス面材15を保持するための保持部16Aを有した室外側部材16と、この室外側部材16の室内側に配置された室内側部材17と、室外側部材16および室内側部材17の上部に配置されて、上階側のカーテンウォールユニット10の下枠12に対向した上側部材18とを備えている。
【0021】
室外側部材16および室内側部材17間には、当該カーテンウォールユニット10で覆われる階層の室内側に開口した第1開口部21が形成されている。室外側部材16および上側部材18間には、室外(建物の外部)側に開口した第2開口部22が形成されている。室内側部材17および上側部材18間には、上階の室内側に開口した第3開口部23が形成されている。
【0022】
このような上枠11内には、換気装置24が配置されている。
換気装置24は、左右の縦枠13の内面に近接して室外側部材16、室内側部材17、および上側部材18で囲まれるように配置された一対の円筒状の軸受ハウジング25と、各軸受ハウジング25間に軸支された流路切換部材としての換気扉26とを備え、この換気扉26もアルミの押出形材製である。
【0023】
このような換気扉26は、水平方向の一端の軸受ハウジング25内に配置された図示しない電気モータと連結されており、回転中心26Aを中心として回転する。また、その電気モータによる換気扉26の回転や停止は、室内に配置された図示しない操作パネルを操作することで自動的に行われる。
【0024】
さらに、換気扉26は、断面Y字形状とされ、120°間隔で設けられた3枚の中空板状の切換部27,28,29を備えている。切換部27〜29の先端には、乾式のシール材271,281,291が設けられている。これらのシール材271,281,291は、換気扉26が回転することにより、室外側部材16、室内側部材17、および上側部材18のそれぞれの接触面161,171,181に接触する。
【0025】
切換部27,28,29のうちの切換部27には、表裏を貫通する流通開口27Aが設けられている。この流通開口27Aにより、図6に示す状態では、第2開口部22と第3開口部23とが連通するようになっている。そして、この状態に付勢された換気扉26の位置は、吸気流路形成位置である。
【0026】
また、図示を省略するが、換気扉26を、図6に示す吸気流路形成位置から反時計方向に120°回転させた位置は、切換部27が室外側部材16の接触面161に近接する位置であり、流通開口27Aによって第1開口部21と第2開口部22とが連通する換気流路形成位置である。
【0027】
さらに、換気扉26を、換気流離形成位置から120°回転させた位置は、切換部28,29が室外側部材16および上側部材18の各接触面161,181にそれぞれ近接して、第2開口部22に対して第1,第3開口部21,23が閉鎖される閉鎖位置である。
そして、この閉鎖位置では、切換部27が室内側部材17の接触面171に近接し、この切換部27の流通開口により、第1開口部21および第3開口部23が連通する。
【0028】
なお、室内側部材17の下端には、横材31が設けられ、この横材31と室外側部材16との間には、開口部32Aを有した吸込グリル32が配置されている。また、室外側部材16および上側部材18の室外側には、開口部33Aを有した換気グリル33が配置されている。上側部材18においては、その室内側の下面に別の横材34が設けられ、横材34で軸受ハウジング25を押さえることにより、軸受ハウジング25のがたつきを防止している。
【0029】
さらに、上側部材18の上面には、レインバリア用およびウインドバリア用の乾式のシール材35,36がそれぞれ取り付けられている。これらのシール材35,36は、縦枠13および下枠12(図5、図6)にわたって取り付けられ、隣接する他のカーテンウォールユニット10のシール材35,36と接触している。
【0030】
次に、図1ないし図6を参照して、建物2について説明する。
建物2の各階層A〜C(図1)において、下方の床スラブ3上には、所定の高さ位置に床41が設けられ、床41と床スラブ3との間の空間が床下空間42になっている。
一方、上方の床スラブ3には、その下面から下がった位置に吊り下げ方式で天井43が設けられ、天井43と床スラブ3との間の空間が天井裏空間44になっている。
【0031】
床41および天井43の室外側には、カーテンウォール1から所定間隔離間した位置に、上下の床スラブ3間にわたる内窓45が設けられている。
内窓45は、天井43側の嵌め殺し窓46と、嵌め殺し窓46の下側に設けられた引違い窓47とで構成され、引違い窓47の各障子48を開閉させることが可能である。
このような内窓45およびカーテンウォール1間の空間は、図5、図6に示すように、流通空間49になっている。この流通空間49は、床41側の換気機構20の第3開口部23と連通し、また、天井43側の換気機構20の第1開口部21と連通している。
【0032】
内窓45の内側は、室内空間51であり、この室内空間51は、床41の内窓45側に設けられた床部開口41Aを介して床下空間42と連通している。床下空間42は、図5にも拡大して示すように、内窓45の下部に設けられた下部側開口45Aを介して流通空間49と連通している。従って、室内空間51は、床41側において、流通空間49と連通している。
【0033】
床部開口41Aには、排出グリル411が取り付けられている。流通空間49の下部側には、前記排出グリル411と同じ高さ位置に、吹出グリル491が取り付けられている。
また、内窓45の下部側開口45A内には、室外側にのみ開く開閉ダンパ451が設けられており、室内空間51内の空気は、流通空間49側には流れるが、流通空間49側から空気が室内空間51内に入り込むことはない。
さらに、上下階の流通空間49同士は、床スラブ3側およびカーテンウォールユニット10の上枠11間に配置された層間塞ぎ材492、閉塞プレート493で遮断されている。
【0034】
天井裏空間44は、内窓45の上部に設けられた上部側開口45Bを介して流通空間49と連通している。天井裏空間44内には、一端が上部側開口45Bに連通し、他端が図示略の空調機に連通した引込流路としての引込ダクト52が配置されている。従って、流通空間49内の空気は、空調機を作動させることにより、上部側開口45Bを通って引込ダクト52に引き込まれる。
【0035】
すなわち、この建物2では、室内空間51内の空気を、流通空間49を通して空調機に戻し、この後に、例えば、清浄フィルタ等を通して再度、天井43の図示略の吹出口から室内空間51に吹き出すことが可能であり、室内空間51内の空気循環が行われるようになっている。
なお、上部側開口45Bの室外側には、吸込グリル53が取り付けられている。
【0036】
以下には、このような建物2に複数のカーテンウォールユニット10を取り付けた場合の幾つかの空気の流通形態について、図7ないし図10を参照して説明する。
【0037】
図7には、流通空間49内の換気を行う場合が示されている。
この場合、当該流通空間49を形成しているカーテンウォールユニット10の換気機構20では、換気扉26が換気流路形成位置に付勢され、第1開口部21および第2開口部22を通して流通空間49が建物2の外部と連通している。
【0038】
これに対し、流通空間49の下側の換気機構20、つまり下階側のカーテンウォールユニット10の換気機構20では、換気扉26が吸気流路形成位置に付勢され、図6に示すように、第2開口部22および第3開口部23を通して建物2の外部と流通空間49とが連通している。
【0039】
このことにより、建物2の外部からの外気は、下側の換気機構20から流通空間49に入り込むとともに、流通空間49にもとより存在していた空気が、上側の換気機構20から外部に排出され、流通空間49内の換気が行われる。
【0040】
また、この際、図1に示すように、各階層A〜Cで水平方向に配置された複数のカーテンウォールユニット10のうち、一つ置きに配置されたカーテンウォールユニット10Aにおいては、換気機構20の換気扉26が換気流路形成位置に付勢され、カーテンウォールユニット10A間に配置されたカーテンウォールユニット10Bでは、換気扉26が吸気流路形成位置に付勢されている。
こうすることで、階層A〜C、ひいては建物2全体の各階層において、同時に流通空間49の換気が行えるようになっている。
【0041】
そして、例えば、図1の階層Bにおいては、当該階層Bに配置されたカーテンウォールユニット10Aの換気機構20と、その下階の階層Cに配置されたカーテンウォールユニット10Bの換気機構20とが、室内側から操作可能とされ、各階層A〜Cで、必要時に個別に換気を行うことも可能である。
【0042】
図8には、上下階の流通空間49同士を連通される場合が示されている。
この場合、各カーテンウォールユニット10の換気機構20において、換気扉26が閉鎖位置に付勢され、第2開口部22が閉じられて外部と流通空間49が遮断され、かつ第1、第3開口部21,23を通して上下階の流通空間49同士が連通する。
このことにより、建物2全体の流通空間49同士を上下に連通させることが可能である。
【0043】
図9には、室内空間51に新鮮な外気を取り入れる場合が示されている。
この場合、各カーテンウォールユニット10の換気機構20では、換気扉26が吸気流路形成位置に付勢されるとともに、内窓45の引違い窓47が開け放たれる。
このことにより、下側の換気機構20から外気を室内空間51に取り込むことが可能である。
【0044】
なお、図1、図7に示すように、カーテンウォールユニット10Aでの換気扉26を換気流路形成位置に付勢させ、カーテンウォールユニット10Bでの換気扉26を吸気流路形成位置に付勢させた場合でも、引違い窓47を開放すれば、各階層A〜Bにおいて、外気を室内空間51へ取り込むことが可能である。
そして、このような場合には、例えば、階層Bにて外気の取り込みを行っていても、階層Aや階層Cでは、引違い窓47を締め切ることで、階層Bでの外気の取り込みに関係なく単独で流通空間49の換気が行える。
【0045】
図10には、室内空間51内の空気を循環させる場合が示されている。
この場合には、室内側に外気が入り込むのを防ぐために、各カーテンウォールユニット10の換気機構20では、換気扉36が閉鎖位置に付勢されている。そして、図示しない空調機を作動させ、室内空間51内の空気を、床下空間42、流通空間49、引込ダクト52を通して空調機に戻し、再度室内空間51内に吹き出させる。
【0046】
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)カーテンウォールユニット10では、換気機構20が上側のみに設けられているため、従来のように上下の両方に換気機構を設けた場合に比して、カーテンウォールユニット10としてのコストを削減できる。
そして、換気機構20が上側だけであるから、カーテンウォールユニット10の組立作業も容易にできる。
【0047】
(2)また、カーテンウォールユニット10を建物2側に固定した際、換気機構20は各階の境界部分である床スラブ3に対応して位置するので、例えば、図1に示す階層Bで換気を行う場合には、下側の換気機構20で第2、第3開口部22,23を連通させ、上側の換気機構20で第1、第2開口部21,22を連通させればよく、下側の換気機構20から外気を取り入れるとともに、上側の換気機構20から室内にもとより存在する空気を排出でき、換気機構20を各カーテンウォールユニット10に一つ設けるだけでも、換気を良好に行える。
【0048】
(3)換気機構20では、第1、第3開口部21,23を外部とは遮断した状態で互いに連通させることができるので、建物2が高層であっても、建物2の最下階から最上階までの全室内を容易に連通させることができ、その連通部分で煙突効果をもたらすことができる。
【0049】
(4)換気装置24の換気扉26は、回転することで付勢位置を切換可能に設けられているため、電動モータの回転を利用して換気扉26を簡単に動作させることができ、切換操作の自動化を容易に実現できる。
【0050】
(5)一方、カーテンウォールユニット10が設置される建物2では、内窓45とカーテンウォール1との間の流通空間49に、上側の換気機構20の第1開口部21と、下側の換気機構20の第3開口部23とがそれぞれ開口してしているので、建物2の室内がいわゆるダブルスキン構造であっても、流通空間49の換気を良好に実施でき、例えば、夏場の日中においては、流通空間49内の温度が過剰に高くなるを防いで室内空間51の冷房効率を向上させることができる。
【0051】
(6)また、建物2では、室内空間51が床下空間42を通して流通空間49と連通し、流通空間49が天井裏空間44に配置された引込ダクト52に連通しているため、室内空間51内の空気を、流通空間49から引込ダクト52を通して空調機に戻し、再度室内空間51内に吹き出させることにより、室内空間51の空気循環を行える。
【0052】
(7)図1に示すように、各階層A〜Cのそれぞれでは、交互に配置されたカーテンウォールユニット10Aの換気機構20と、下階側で交互に配置されたカーテンウォールユニット10Bの換気機構20とを使用して流通空間49の換気を行うので、全ての階層A〜Cで確実に換気を実施できる。
この際、それぞれの階層A〜Cでは、換気に供される上側の換気機構20と下側の換気機構20とを操作可能であるから、流通空間49の換気を各階層A〜Cで同時に行う必要がなく、必要に応じて個別に行うことができる。
【0053】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば、前記実施形態の換気扉26は、断面Y字形状であったが、換気扉としては、これに限らず、図11に示すような断面十字形状の換気扉60であってもよい。
この換気扉60は、流通開口61Aを有した切換部61と、これに対して90°間隔で設けられた3つの切換部62,63,64とを備えており、三つの切換部(図11では、切換部62〜64)が各接触面161,171,181に接触しているとき、残る一つの切換部(図11では、切換部61)が、第1開口部21内に位置するようになっている。
そして、このような換気扉60を用いると、図11に示された位置では、第1〜第3開口部21〜23を完全に閉鎖でき、例えば、室内空間51の空気循環を、上下階の流通空間49を遮断した状態で行うことができ、上階や下階で流通空間49の換気を行っていたり、外気の取り入れを行っている場合でも、その影響を少なくできる。
【0054】
また、換気扉26の構造は、断面Y字形上や十字形状の換気扉26,60を備えたものの他、例えば、各接触面161,171,181と接触する外周面を有した回転可能な円柱状の本体を備え、この本体の外周面の一部に軸線方向に沿った窪み等が設けられ、この窪みを利用して開口部同士を連通させるタイプであってもよい。
さらに、本発明に係る流路切換部材としては、回転させることで開口部同士の連通状態を切り換える構成の他、傾倒させることで連通状態を切り換える構成であってもよい。
要するに、流路切換部材は、換気流路形成位置、吸気流路形成位置、および閉鎖位置に付勢可能に切り換わる構成であればよく、その具体的な構造等は、実施にあたって任意に決められてよい。
【0055】
前記実施形態では、換気機構20がカーテンウォールユニット10の上部側に設けられていたが、図12に示すように、カーテンウォールユニット10の下部側にのみ設けられた場合でも本発明に含まれる。
また、図13に示すように、床スラブ3を中心にして上下に延出したカーテンウォールユニット10では、カーテンウォールユニット10の中央、つまり、床スラブ3に対応した位置に換気機構20を設ければよい。
要するに、一カーテンウォールユニットにおいて、上下階の境界部分に対応した位置に、第1〜第3開口部および流路切換部材を備えた換気機構が設けられていればよい。
【0056】
さらに、本発明の建物の換気構造では、建物の外壁がカーテンウォールで形成されている必要はなく、打設されたコンクリートの壁面にタイル等の適宜な外壁材を取り付けて形成される外壁や、そのような壁面に設けられた開口部にサッシ窓が設置された外壁であってもよい。
また、建物の外壁をカーテンウォールで形成した場合でも、このカーテンウォールをカーテンウォールユニットで構成するのではなく、現場で設置される方立、無目、これら方立および無目で区画される開口部に配置される面材等で構成してもよい。このような建物でも、本発明に係る換気機構を備えていれば、請求項4ないし請求項7の発明に含まれる。
【0057】
前記実施形態では、建物2の室内に内窓が設けられていたが、このような内窓は必要に応じて設けられればよく、ない場合でも、その建物の換気構造は、請求項4、請求項7、および請求項8の発明に含まれる。
【0058】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のカーテンウォールユニットおよび建物の換気構造によれば、コスト削減および作業の簡略化を実現でき、しかも、換気を良好に行えるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るカーテンウォールユニットで構成されたカーテンウォールを示す外観姿図である。
【図2】前記カーテンウォールを示す縦断面図である。
【図3】前記カーテンウォールを示す横断面図である。
【図4】前記カーテンウォールの断面を模式的に示す斜視図である。
【図5】前記カーテンウォールの要部を示す縦断面図である。
【図6】図5の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図7】図1でのVII−VII線断面図であって、前記実施形態の流通空間を換気している様子を示す縦断面図である。
【図8】前記流通空間同士を連通させた様子を示す縦断面図である。
【図9】前記実施形態の建物内に外気を取り入れている様子を示す縦断面図である。
【図10】前記建物内で空気循環を行っている様子を示す縦断面図である。
【図11】本発明の変形例を示す縦断面図である。
【図12】本発明の他の変形例を示す縦断面図である。
【図13】本発明のさらに他の変形例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1…外壁であるカーテンウォール、2…建物、10…カーテンウォールユニット、20…換気機構、21…第1開口部、22…第2開口部、23…第3開口部、26,60…流路切換部材である換気扉、42…床下空間、44…天井裏空間、45…内窓、49…流通空間、52…引込流路である引込ダクト。

Claims (8)

  1. 建物の上下階の境界部分に位置する換気機構を備えているとともに、
    この換気機構は、前記境界部分から見て下階の室内側に開口した第1開口部と、室外に開口した第2開口部と、上階の室内側に開口した第3開口部と、これら第1ないし第3開口部の連通状態を切り換える流路切換部材とを備え、
    この流路切換部材は少なくとも、前記第1開口部および第2開口部を連通させる換気流路形成位置と、第2開口部および第3開口部を連通させる吸気流路形成位置と、第2開口部に対して第1および第3開口部を閉鎖させる閉鎖位置とに付勢可能に設けられている
    換気機構付きカーテンウォールユニット。
  2. 前記流路切換部材が閉鎖位置にあるとき、前記第1開口部および第3開口部が連通する
    請求項1に記載の換気機構付きカーテンウォールユニット。
  3. 前記流路切換部材は、回転することで付勢位置を切換可能に設けられている
    請求項1または請求項2に記載の換気機構付きカーテンウォールユニット。
  4. 上下階の境界部分には換気機構が設けられ、
    この換気機構は、前記境界部分から見て下階の室内側に開口した第1開口部と、室外側に開口した第2開口部と、上階の室内側に開口した第3開口部と、これら第1ないし第3開口部の連通状態を切り換える流路切換部材とを備え、
    この流路切換部材は少なくとも、前記第1開口部および第2開口部を連通させる換気流路形成位置と、第2開口部および第3開口部を連通させる吸気流路形成位置と、第2開口部に対して第1および第3開口部を閉鎖させる閉鎖位置とに付勢可能に設けられている
    建物の換気構造。
  5. 室内には外壁から所定距離離間した位置に内窓が設けられ、この内窓と外壁との間の流通空間には、当該室内の上側に設けられた換気機構の第1開口部と、下側に設けられた換気機構の第3開口部とがそれぞれ開口してしている
    請求項4に記載の建物の換気構造。
  6. 前記内窓の室内側は、床側または天井側で前記流通空間と連通し、天井裏空間または床下空間には、流通空間と連通した引込流路が設けられている
    請求項5に記載の建物の換気構造。
  7. 前記換気機構は、上下階の境界部分に沿って水平方向に複数並設されているとともに、当該上下階の境界部分で挟まれた室内では、上側の複数の換気機構のうちの一つ以上と、下側の複数の換気機構のうちの一つ以上とを操作可能に設けられている
    請求項4ないし請求項6のいずれかに記載の建物の換気構造。
  8. 前記換気構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のカーテンウォールユニットの換気機構を含んで構成されている
    請求項4ないし請求項7のいずれかに記載の建物の換気構造。
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