以下に、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
まず、本発明である吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムについて説明する。図1(a)はダブルスキンシステムを採用した窓ガラスの正面図であり、図1(b)はダブルスキンシステムを採用した窓ガラスの右側面図であり、図1(c)はダブルスキンシステムを採用した窓ガラスの平面図である。ダブルスキンシステム100は、建物に複数設置される窓ガラスの各々に採用される構成であり、図1(a)に示すように、少なくとも、ダブルスキン200、上側の吸排気ユニット300、及び下側の吸排気ユニット301などを備える。
ダブルスキン200は、窓ガラスの開口部であり、図1(b)に示すように、少なくとも、外ガラス210、及び内ガラス220などを備える。外ガラス210としては、既存の窓ガラスと同様の板ガラスなどを使用する。内ガラス220としては、断熱性のある複層ガラスなどを使用する。複層ガラスは、複数枚の板ガラスを重ね、その間に空気やその他の気体を封入したもの、又はその間を真空状態にしたものである。
外ガラス210は室外側に配置され、熱が出入りしやすいが、内ガラス220は室内側に配置され、熱が出入りしにくい。外ガラス210と内ガラス220とは、重ねる際に所定の隙間を設けて配置することで、中間層230を設ける。中間層230は、空気が出入り可能な空間である。外ガラス210を介して室外から中間層230に入った熱によって空気は暖められるが、その熱は内ガラス220を介して中間層230から室内には入りにくい。
また、中間層230にはブラインド240を配しても良い。ブラインド240は、横長のルーバーを縦に複数配置したもので、各ルーバーの角度を変えることにより、室外から取り込まれる光、熱、又は視野を調節する。ブラインド240の開きを小さくして日射を通り難くした場合、外ガラス210を透過した光や熱の一部はブラインド240に蓄積され、一部は乱反射して中間層230の外ガラス側の空気を暖める。ブラインド240の開きを大きくして日射を通り易くした場合、ブラインド240を通過した光や熱は、内ガラス210で止められ、中間層230の内ガラス側を暖める。
図1(c)に示すように、吸排気ユニット300は、ダブルスキン200の上部に設置され、室外と室内とダブルスキン200の中間層230の間で空気の流れを制御する。吸排気ユニット300と室外とは、外通気口400を介して空気を出入りさせる。吸排気ユニット300と室内とは、内通気口410を介して空気を出入りさせる。吸排気ユニット300と中間層230とは、中通気口420を介して空気を出入りさせる。
同様に、吸排気ユニット301は、ダブルスキン200の下部に設置され、室外と室内とダブルスキン200の中間層230の間で空気の流れを制御する。吸排気ユニット301と室外とは、外通気口401を介して空気を出入りさせる。吸排気ユニット301と室内とは、内通気口411を介して空気を出入りさせる。吸排気ユニット301と中間層230とは、中通気口421を介して空気を出入りさせる。
吸排気ユニット300、301は、中間装置230を主要経路とする外気の自然吸排気機能と、室内吸気及び室内排気の機能を一つに集約したものである。吸排気ユニット300、301において、風量や吸排気経路の選択を電動化することにより、建物内の環境を自動的に制御することに加え、人為的にコントロールすることも可能にする。
建物が高層ビルの場合や、風が強い場合など、室内と室外の気圧差が高い場合は、窓ガラスを開けることは少なく、気密性を高く維持する。外通気口400、401を小さく空けたとしても、自然には空気は出入りしづらい。吸排気ユニット300、301を設置することにより、強制的に空気の流れを発生させて、外通気口400、401から空気を出入りさせる。なお、外通気口400、401を、4平方センチメートル程度にすれば、風量確保が可能である。
吸排気ユニット300が空気の流れを制御するための電力は、太陽電池500から供給される。同様に、吸排気ユニット301が空気の流れを制御するための電力は、太陽電池501から供給される。太陽電池500、501は、光エネルギーを電力に変換する機器であり、例えば、光起電力効果を有する素子を複数配置してパネル状にしたものが用いられる。太陽電池500、501は室外側の窓枠など日が当たりやすい場所に取り付ける。なお、日射が少ない場合は、補助電源を備えても良い。
次に、吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムにおける吸排気制御について説明する。図2(a)は、主に冬期において実行される吸排気制御を示す側面図であり、図2(b)は、主に夏期において実行される吸排気制御を示す側面図であり、図2(c)は、主に中間期において実行される吸排気制御を示す側面図である。
図2(a)に示すように、冬期は寒いので、室外の冷たい空気は取り込まず、室内の冷たい空気を、ダブルスキン200の中間層230に送り込み、日射により中間層230で空気を暖めて、それを室内に戻すことにより、室内に温かい空気を送り込む。具体的には、まず太陽電池501によって下側の吸排気ユニット301が駆動し、太陽電池500によって上側の吸排気ユニット300も駆動しておく。
そして、吸排気ユニット301は内通気口411から室内の空気を取り込み、中通気口421から中間層230に空気を送り出す。日射による熱は、外ガラス210を介して室外から中間層230には入るが、内ガラス220を介して中間層230から室内には入らないので、中間層230の空気は徐々に暖められる。吸排気ユニット300は中通気口420から中間層230の空気を取り込み、内通気口410から室内に空気を送り出す。
これにより、室内の空気を暖めることができ、暖房器具の使用を抑えることができる。すなわち、熱効率が良くなり、エネルギー効率も良くすることができる。また、既存の窓ガラスの場合、冬期であっても窓際は日射により温度が上昇し、暖房効果が加わると非常に暑くなる。しかし、温かい空気が循環すれば、窓際だけが暑くなることも防止することができる。
図2(b)に示すように、夏期は暑く、室内は冷房器具を使用しているので、室内の空気は室外に逃げないようにし、中間層230で暖められた空気は室外に排出し、中間層230には室外から別の空気を取り込む。具体的には、まず太陽電池501によって下側の吸排気ユニット301が駆動し、太陽電池500によって上側の吸排気ユニット300も駆動しておく。
そして、吸排気ユニット301は外通気口401から室外の空気を取り込み、中通気口421から中間層230に空気を送り出す。日射による熱によって、中間層230の空気は徐々に暖められる。吸排気ユニット300は中通気口420から中間層230の空気を取り込み、外通気口400から室外に空気を送り出す。すなわち、中間層230の空気を循環させ、同時に熱も放出する。
これにより、中間層230に熱が蓄積しないので、室内に熱が移行しづらく、冷房効果を維持することができる。すなわち、冷房機器の使用を抑えられるので、熱効率が良くなり、エネルギー効率も良くすることができる。また、既存の窓ガラスの場合、夏期の窓際は日射により温度が上昇し、冷房効果が弱くなる。しかし、空気が循環して熱が蓄積しなければ、窓際の温度上昇も抑えられ、冷房効果が弱くなるのを抑えることができる。
図2(c)に示すように、春期や秋期などの中間期においては、室外の空気を室内に取り入れ、又は室内の空気を室外に送り出すなど、室内と室外の間で換気を行う。具体的には、まず太陽電池501によって下側の吸排気ユニット301が駆動し、太陽電池500によって上側の吸排気ユニット300も駆動しておく。なお、図2(c)は、室外から室内に空気を取り込む場合について、二通りの空気の流れを示している。
一つ目は、中間層230を利用して、室外の空気を暖めてから室内に取り入れる場合である。吸排気ユニット301は外通気口401から室外の空気を取り込み、中通気口421から中間層230に空気を送り出す。吸排気ユニット300は中通気口420から中間層230の空気を取り込み、内通気口410から室内に空気を送り出す。
二つ目は、中間層230を介さないで、室外の空気をそのまま室内に取り入れる場合である。吸排気ユニット301は外通気口401から室外の空気を取り込み、内通気口411から室内に空気を送り出す。同時に、吸排気ユニット300は外通気口400から室外の空気を取り込み、内通気口410から室内に空気を送り出す。
このように、ダブルスキン200において、上側の吸排気ユニット300と、下側の吸排気ユニット301を用いて、空気の流れを制御することにより、室外の環境に応じて、室内の温度を調節することができる。それにより、室内を快適な状態にするだけでなく、冷暖房器具の使用を抑えることができるので、熱効率及びエネルギー効率を向上させることができる。
次に、吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムの具体的な装置構成について説明する。図3は、吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムの構成を示すブロック図である。ダブルスキンシステム100は、図1でも説明したように、ダブルスキン200と、上側の吸排気ユニット300と、下側の吸排気ユニット301を備える。ダブルスキン200は、外ガラス210と、内ガラス220と、その間に確保された中間層240を有し、吸排気ユニット301から排出された空気が、中間層240を上昇して、吸排気ユニット300に吸入される。
図3に示すように、ダブルスキン200の上部に設置された吸排気ユニット300は、送風制御モジュール310と、ファン320と、蓄電池330とを有する。同様に、ダブルスキン200の下部に設置された吸排気ユニット301は、送風制御モジュール311と、ファン321と、蓄電池331とを有する。送風制御モジュール310、311は、風の流れを制御する機能を持つ部品であり、空気を取り込む吸気制御と、空気を送り出す排気制御の二つの機能を備える。
具体的には、送風制御モジュール311は、吸気制御として、外通気口401又は内通気口411から空気を吸入し、排気制御として、外通気口401、内通気口411、中通気口421のうち、吸入した以外のところへ排出する。中通気口421から排出された場合、空気は外ガラス210と内ガラス220の間の中間層240へ送られる。中間層240の空気は、送風制御モジュール311の排気制御、日射による温度上昇、及び送風制御モジュール310の吸気制御などによって、上方への流れが形成される。送風制御モジュール310は、吸気制御として、外通気口401、内通気口411、中通気口421のうち、いずれかから空気を吸入し、排気制御として、外通気口400又は内通気口410のうち、吸入した以外のところへ排出する。
送風制御モジュール310の吸気制御及び排気制御は、ファン320を回転させることにより機能させる。同様に、送風制御モジュール311の吸気制御及び排気制御は、ファン321を回転させることにより機能させる。ファン320、321は、軸に複数の羽根を付けて、それを回転させることにより、風を発生させる送風機である。例えば、シロッコファン等があり、回転数を変えて風量を調節する。送風制御モジュール310、311において、それぞれ吸気先と排気先を指定すれば、ファン320、321を回転させることにより、吸気先から空気を取り込み、排気先へ空気を送り出す。
送風制御モジュール310及びファン320は、蓄電池330から電気を供給する。同様に、送風制御モジュール311及びファン321は、蓄電池331から電気を供給する。電動で吸排気を行うことにより、気象条件に左右されない安定した風量を得ることが可能となる。蓄電池330、331は、充電することにより繰り返し使用可能な電池である。
ダブルスキン200は、主に日射の影響が大きい箇所に設置される。そのため、電気は太陽電池500で発電させるが、発電が抑制される場合もあるので、発電が可能な場合は、電気を蓄電池330に蓄積しておく。そして、送風制御モジュール310、311及びファン320、321は、消費電力も少ないことから、それらを駆動する際は、蓄電池330、331から電気を供給するようにしてもシステム構築が可能である。
このような構成にすることで、吸排気ユニット300、301によってダブルスキン200の窓ガラスにおける中間層240の空気の流れを制御することが可能となり、中間層240で温まった空気を室内に取り入れることや、室外に排気することができるようになる。そして、吸排気ユニット300、301を用いたダブルスキンシステム100を、建物の窓ガラスに採用することにより、建物の熱効率を向上させることができる。
次に、本発明である吸排気ユニットについて説明する。図4は、吸排気ユニットの斜視図である。また、図5(a)は吸排気ユニットの平面図であり、図5(b)は吸排気ユニットの正面図であり、図5(c)は吸排気ユニットの左側面図である。ダブルスキン200の上部に設置する吸排気ユニット300と、下部に設置する吸排気ユニット301とは構造が同じであることから、吸排気ユニット300について説明する。
吸排気ユニット300は、図3で説明したように、送風制御モジュール310を有し、外通気口400、内通気口410、中通気口420のうち、いずれかから空気を吸入し、外通気口400、内通気口410、中通気口420のうち、吸入した以外のいずれかに空気を排出する。そのため、図4に示すように、送風制御モジュール310には、分配口340、分配口350、及び分配口360の三つの出入口が設けられる。
また、吸排気ユニット300は、図5(a)に示すように、ファン320を有し、風により空気の流れを発生させる。ファン320によって空気が吸引される側を、分配口340、分配口350、及び分配口360のうち、いずれかと繋ぎ、ファン320によって空気が送出される側を、分配口340、分配口350、及び分配口360のうち、吸引で繋いだ以外のいずれかと繋ぐ。
例えば、分配口340を外通気口400と連結し、分配口350を内通気口410と連結し、分配口360を中通気口420と連結する。図5(b)に示すように、ファン320として、羽根を回転させることにより下方の空気を吸引し、遠心力を利用して側方の排気口から空気を吹き出すものを使用したとする。その場合、分配口340からファン320の下方へルートを形成し、ファン320から分配口360へルートを形成すれば、空気は外通気口400から中通気口420へ送られる。
なお、分配口340、分配口350、及び分配口360は、直接には繋がらずに、間にファン320を介して繋がるようにする。例えば、まず、分配口340と、分配口350と、分配口360との間を区切る。その上で、図5(c)に示すように、ファン320を上側に配置したとすると、分配口340からファン320と同じ側へのルート、ファン320の下側へのルートが別々に形成されるようにする。なお、分配口350と分配口360についても同様にする。
分配口340、350、360の接続先である外通気口400、内通気口410、及び中通気口420が閉じた状態では、吸排気ユニット300内がほぼ密閉されたクローズ経路となるので、急な気象変化による漏水や内圧の上昇を防止することができる。すなわち、安全装置として機能する。また、吸排気ユニット300であれば、ファン320で吸排気が確保されるので、フィルターの装備も可能となる。
さらに、吸排気ユニット300の内部構造について説明する。図6(a)は、図5(a)に示すA線で切断した断面図であり、図6(b)は、図5(a)に示すB線で切断した断面図であり、図6(c)は、図6(a)に示すC線で切断した断面図である。また、図7(a)は、図6(b)に示すD線で切断した断面図であり、図7(b)は、図6(b)に示すE線で切断した断面図である。
図6(a)に示すように、送風制御モジュール310内において、分配口340、分配口350、及び分配口360は、間に仕切りを設けるなどして、区分路341、区分路351、及び区分路361に区切られる。また、図6(b)に示すように、ファン320に空気が吸引されて圧力が低くなっている下段側の負圧路370と、ファン320から空気が送出されて圧力が高くなっている上段側の正圧路380とが、ファン320を境界として区切られる。
そして、図6(a)に示すように、区分路341、区分路351、及び区分路361と、負圧路370を繋ぐ手段として、吸気孔342、吸気孔352、及び吸気孔362が設けられる。図6(b)に示すように、区分路341、区分路351、及び区分路361と、正圧路380を繋ぐ手段として、排気孔343、排気孔353、及び排気孔363が設けられる。
なお、図6(c)に示すように、区分路341、351、361は、分配口340、350、360から前面側へ回る経路と、分配口340、350、360の後面側へ回る経路とが形成される。そのため、吸気孔342、吸気孔352、及び吸気孔362は、図6(a)に示すように、区分路341、区分路351、及び区分路361の前面側であって、負圧路370と繋がる下段側に設ける。そして、排気孔343、排気孔353、及び排気孔363は、図6(b)に示すように、区分路341、区分路351、及び区分路361の後面側であって、正圧路380と繋がる上段側に設ける。
負圧路370の前面側には、図7(a)に示すように、シャッター371を設ける。シャッター371は、スライド可能な板材であり、開口部372が空けられる。シャッター371を横方向に移動させることで、吸気孔342、吸気孔352、吸気孔362の全てを閉口して塞ぐか、吸気孔342、吸気孔352、吸気孔362のいずれかと開口部372の位置を合わせて開口させることが可能である。
同様に、正圧路380の後面側には、図7(b)に示すように、シャッター381を設ける。シャッター381は、スライド可能な板材であり、開口部382が空けられる。シャッター381を横方向に移動させることで、排気孔343、排気孔353、排気孔363の全てを閉口して塞ぐか、排気孔343、排気孔353、排気孔363のいずれかと開口部382の位置を合わせて開口させることが可能である。
例えば、負圧路370において、シャッター371の開口部372を吸気孔342の位置に合わせ、正圧路380において、シャッター381の開口部382を排気孔363の位置に合わせたとする。この場合、分配口340、区分路341の前面側、吸気孔342、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔363、区分路361の後面側、分配口360の順に、空気の流れが形成される。
吸排気ユニット300は、その他に蓄電池330を内蔵する。蓄電池330は、太陽電池500で発生させた電気を蓄積しておき、必要に応じて、ファン320やシャッター371、381を駆動させるために電気を供給する。また、送風制御モジュール310には、シャッター371、381をスライド移動させる駆動手段や、シャッター371、381が移動する位置を登録しておく記憶手段や、シャッター371、381の移動をコントロールする制御手段なども含まれる。
ダブルスキン構造の窓ガラスに吸排気ユニット300を設置することにより、室外と、室内と、ダブルスキン200の中間層240との間で、空気の流れを制御することができる。すなわち、室外から室内、室外から中間層240、室内から室外、室内から中間層240、中間層240から室外、中間層240から室内のいずれかに空気が流れるようにすることができる。
吸排気ユニット300は、モジュール化しているので、分配口340、350、360と、外通気口400、内通気口410、及び中通気口420とを接続する手段(例えば配管など)の連結を遮断することで、吸排気ユニット300自体を容易に取り外すことが可能である。そして、取り外した吸排気ユニット300を修理又は交換することによりメンテナンスすることができる。すなわち、吸排気ユニット300を汎用的な部品として規格化し、量産することが可能である。そのため、吸排気ユニット300の製造コストを大幅に下げることができる。
次に、本発明である吸排気ユニットを用いて空気の流れを変更する方法について説明する。建物にダブルスキンシステム100が採用されている場合に、各ダブルスキン200の設定条件を選択変更するために各ダブルスキン200に変更用スイッチを設けても良いし、各部屋全部のダブルスキン200の設定条件を選択変更するために変更用リモコンを設けても良い。また、各階や建物全体のダブルスキン200の設定条件を選択変更するための変更用ボックスなどを設けても良い。
設定条件が変更されると、吸排気ユニット300、301の蓄電池330、331から送風制御モジュール310、311に電気が供給されて、負圧路370のシャッター371と、正圧路380のシャッター381とが、予め設定された位置にスライド移動し、空気を流す場合はファン320も駆動する。上側の吸排気ユニット300の設定と、下側の吸排気ユニット301の設定の組み合わせにより、ダブルスキン200における空気の流れが作られる。設定を動作モードとして登録しておくことにより、簡単な操作で自在に素早く吸排気制御を変更することが可能となる。
図8〜図13は、吸排気ユニットの動作を示す図である。なお、(a)は、上側の吸排気ユニットの動作であり、(b)は、下側の吸排気ユニットの動作である。また、各図において、中段に示す図は吸排気ユニット平面図であり、下段に示す図は平面図のA線で切断した断面図であり、上段に示す図は平面図のB線で切断した断面図であり、右側に示す図は平面図のC線で切断した断面図である。
図8の例は、空気の流れを制御しない設定であり、冬期の日射がない場合などに選択される。吸排気ユニット300については、負圧路370における吸気孔342、352、362のいずれもが塞がれた状態となり、正圧路380における排気孔343、353、363のいずれもが塞がれた状態となる。ファン320も駆動せず、分配口340、350、360のいずれにおいても空気の吸排気は行われない。
また、吸排気ユニット301については、負圧路370における吸気孔342、352、362のいずれもが塞がれた状態となり、正圧路380における排気孔343、353、363のいずれもが塞がれた状態となる。ファン320も駆動せず、分配口340、350、360のいずれにおいても空気の吸排気は行われない。
図9の例は、室内の空気を中間層240で暖めて室内に戻す設定であり、冬期の日射がある場合などに選択される。吸排気ユニット300については、負圧路370において吸気孔362(c)が開口し、正圧路380において排気孔353(y)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口360(3)で吸気が行われ、分配口350(2)で排気が行われる。また、吸排気ユニット301については、負圧路370において吸気孔352(b)が開口し、正圧路380において排気孔353(y)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口350(2)で吸気が行われ、分配口360(3)で排気が行われる。
吸排気ユニット300、301のいずれについても、分配口340(1)は室外、分配口350(2)は室内、分配口360(3)は中間層230に繋げたとする。まず、下側の吸排気ユニット301において、室内、分配口350(2)、吸気孔352(b)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔363(z)、分配口360(3)、中間層230の順に、空気が流れる。次に、上側の吸排気ユニット300において、中間層230、分配口360(3)、吸気孔362(c)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔353(y)、分配口350(2)、室内の順に、空気が流れる。
図10の例は、中間層240で温まった空気を室外に排出して別の空気を室外から中間層240に取り入れる設定であり、夏期の日射がある場合などに選択される。吸排気ユニット300については、負圧路370において吸気孔362(c)が開口し、正圧路380において排気孔343(x)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口360(3)で吸気が行われ、分配口354(1)で排気が行われる。また、吸排気ユニット301については、負圧路370において吸気孔342(a)が開口し、正圧路380において排気孔363(z)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口340(1)で吸気が行われ、分配口360(3)で排気が行われる。
まず、下側の吸排気ユニット301において、室外、分配口340(1)、吸気孔342(a)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔363(z)、分配口360(3)、中間層230の順に、空気が流れる。次に、上側の吸排気ユニット300において、中間層230、分配口360(3)、吸気孔362(c)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔343(x)、分配口340(1)、室外の順に、空気が流れる。
図11の例は、中間層240で温まった空気を室外に排出して別の空気を室内から中間層240に取り入れる設定であり、これも夏期の日射がある場合などに選択される。吸排気ユニット300については、負圧路370において吸気孔362(c)が開口し、正圧路380において排気孔343(x)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口360(3)で吸気が行われ、分配口340(1)で排気が行われる。また、吸排気ユニット301については、負圧路370において吸気孔352(b)が開口し、正圧路380において排気孔363(z)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口350(2)で吸気が行われ、分配口360(3)で排気が行われる。
まず、下側の吸排気ユニット301において、室内、分配口350(2)、吸気孔352(b)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔363(z)、分配口360(3)、中間層230の順に、空気が流れる。次に、上側の吸排気ユニット300において、中間層230、分配口360(3)、吸気孔362(c)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔343(x)、分配口340(1)、室外の順に、空気が流れる。
図12の例は、室外の空気を中間層240で暖めて室内に取り入れる設定であり、中間期に換気する場合などに選択される。吸排気ユニット300については、負圧路370において吸気孔362(c)が開口し、正圧路380において排気孔353(y)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口360(3)で吸気が行われ、分配口350(2)で排気が行われる。また、吸排気ユニット301については、負圧路370において吸気孔342(a)が開口し、正圧路380において排気孔363(z)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口340(1)で吸気が行われ、分配口360(3)で排気が行われる。
まず、下側の吸排気ユニット301において、室外、分配口340(1)、吸気孔342(a)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔363(z)、分配口360(3)、中間層230の順に、空気が流れる。次に、上側の吸排気ユニット300において、中間層230、分配口360(3)、吸気孔362(c)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔353(y)、分配口350(2)、室内の順に、空気が流れる。
図13の例は、室外の空気をそのまま室内に取り入れる設定であり、これも中間期に換気する場合などに選択される。吸排気ユニット300については、負圧路370において吸気孔342(a)が開口し、正圧路380において排気孔353(y)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口340(1)で吸気が行われ、分配口350(2)で排気が行われる。また、吸排気ユニット301については、負圧路370において吸気孔342(a)が開口し、正圧路380において排気孔353(y)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口340(1)で吸気が行われ、分配口350(2)で排気が行われる。
まず、下側の吸排気ユニット301において、室外、分配口340(1)、吸気孔342(a)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔353(y)、分配口350(2)、室内の順に、空気が流れる。また、上側の吸排気ユニット300において、室外、分配口340(1)、吸気孔342(a)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔353(y)、分配口350(2)、室内の順に、空気が流れる。
吸排気ユニット300、301の動作パターンを予め複数設定しておき、それを選択変更することにより、ダブルスキン構造の窓ガラスを採用した建物において、熱効率及びエネルギー効率が良い状態を作り出すことができる。また、温度や湿度などをセンサーで検知し、自動的に最適な設定条件に変更することにより、常に建物内の環境を快適に維持することができる。
吸排気ユニット300、301は、単純な構造で空気の流れを制御することができる。吸排気ユニット300、301を利用することで、ダブルスキン構造のカーテンウォールを簡単に構築することができる。吸排気ユニット300、301を汎用部品とすることで、設置コストも抑えることができ、メンテナンスも容易となり、熱やエネルギーを有効利用することができる等、得られる効果も大きいものとなる。
次に、本発明である除湿吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムについて説明する。なお、吸排気ユニットと除湿ユニットを組み合わせたものを除湿吸排気ユニットとする。図14(a)はダブルスキンシステムを採用した窓ガラスの正面図であり、図14(b)はダブルスキンシステムを採用した窓ガラスの右側面図であり、図14(c)はダブルスキンシステムを採用した窓ガラスの平面図である。
ダブルスキンシステム101は、建物に複数設置される窓ガラスの各々に採用される構成であり、図14(a)に示すように、少なくとも、ダブルスキン200、上側の吸排気ユニット302、及び除湿ユニット600、並びに下側の吸排気ユニット303、及び除湿ユニット601などを備える。なお、ダブルスキンシステム100と同じ構成については、説明を省略する。
図14に示すように、吸排気ユニット302、303は、室外と室内と中間層230の間で空気の流れを制御することに加え、中間層230と除湿ユニット600、601の間で空気の流れを制御する。吸排気ユニット302は、ダブルスキン200の上部に設置され、吸排気ユニット303は、ダブルスキン200の下部に設置されるが、吸排気ユニット302と吸排気ユニット303を連動させても良いし、それぞれ単独で動作させても良い。
除湿ユニット600、601は、吸気した空気の湿度を調整して排気する。すなわち、湿気のある空気を乾燥させたり、逆に乾燥した空気に湿気を与えたりする。除湿ユニット600、601は、吸排気ユニット302、303と組み合わせて使用する。具体的には、吸排気ユニット302、303が中間層230から空気を吸入し、除湿ユニット600、601に送出する。除湿ユニット600、601は、吸排気ユニット302、303から送られた空気の湿度を調整して中間層230に戻す。なお、除湿ユニット600、601を、除湿手段として吸排気ユニット302、303に組み込んでも良い。
次に、除湿吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムの具体的な装置構成について説明する。図15は、吸排気ユニット及び除湿ユニットを用いたダブルスキンシステムの構成を示すブロック図である。
図15に示すように、ダブルスキン200の上部又は下部に設置された吸排気ユニット302、303は、送風制御モジュール312、313と、ファン320、321と、蓄電池330、331とを有する。送風制御モジュール312、313は、風の流れを制御する機能を持つ部品であり、空気を取り込む吸気制御と、空気を送り出す排気制御の二つの機能を備える。
具体的には、送風制御モジュール312、313は、吸気制御として、外通気口400、401又は内通気口410、411又は中通気口420、421から空気を吸入し、排気制御として、外通気口400、401又は内通気口410、411又は中通気口420、421のうち、吸入した以外のところへ排出する。さらに、送風制御モジュール312、313は、吸気制御として、中通気口420、421から中間層240内の空気を吸入し、排気制御として、除湿ユニット600、601に空気を排出する。除湿ユニット600、601は、吸入した空気の湿度を調整して中間層240に排出する。
次に、本発明である除湿吸排気ユニットについて説明する。図16(a)は、吸排気ユニットの斜視図であり、図16(b)は、除湿ユニットの斜視図である。ダブルスキン200の上部に設置する吸排気ユニット302及び除湿ユニット600と、下部に設置する吸排気ユニット303及び除湿ユニット601とは構造が同じであることから、吸排気ユニット302及び除湿ユニット600について説明する。
吸排気ユニット302は、送風制御モジュール312を有し、外通気口400、内通気口410、中通気口420、除湿ユニット600のうち、いずれかから空気を吸入し、外通気口400、内通気口410、中通気口420、除湿ユニット600のうち、吸入した以外のいずれかに空気を排出する。そのため、図16(a)に示すように、送風制御モジュール312には、分配口340、分配口350、分配口360及び分配口390の四つの出入口が設けられる。
例えば、分配口360を外通気口400と連結し、分配口350を内通気口410と連結し、分配口360を中通気口420と連結し、分配口390を除湿ユニット600と連結する。そして、分配口360からファン320の下方へルートを形成し、ファン320から分配口390へルートを形成すれば、空気は中通気口420から除湿ユニット600へ送られる。
また、図16(b)に示すように、除湿ユニット600は、投入口610、吸気孔620、及び排気孔630等を有する。投入口610は、除湿ユニット600に除湿剤611を出し入れするための開口部である。吸気孔620は、除湿ユニット600に空気を取り込む入口であり、例えば、送風制御モジュール312の分配口390と連結する。排気孔630は、除湿ユニット600から空気を送り出す出口であり、例えば、中間層240に繋ぐ。なお、中通気孔420を介して中間層240に繋いでも良い。
次に、本発明である除湿吸排気ユニットを用いて結露を防止する方法について説明する。建物にダブルスキンシステム101が採用されている場合に、各ダブルスキン200の設定条件を選択変更するために各ダブルスキン200に変更用スイッチを設けても良いし、各部屋全部のダブルスキン200の設定条件を選択変更するために変更用リモコンを設けても良い。また、各階や建物全体のダブルスキン200の設定条件を選択変更するための変更用ボックスなどを設けても良い。
設定条件が変更されると、吸排気ユニット302、303の蓄電池330、331から送風制御モジュール312、313に電気が供給されて、負圧路370のシャッター371と、正圧路380のシャッター381とが、予め設定された位置にスライド移動し、空気を流す場合はファン320も駆動する。上側の吸排気ユニット302及び除湿ユニット600の設定と、下側の吸排気ユニット303及び除湿ユニット601の設定の組み合わせにより、ダブルスキン200における除湿用の空気の流れが作られる。設定を動作モードとして登録しておくことにより、簡単な操作で自在に素早く除湿制御を変更することが可能となる。
図17は、除湿吸排気ユニットの動作を示す図である。なお、二段目に示す図は吸排気ユニット平面図であり、三段目に示す図は平面図のA線で切断した断面図であり、一段目に示す図は平面図のB線で切断した断面図であり、四段目左に示す図は平面図のC線で切断した断面図であり、四段目右に示す図は除湿ユニットの断面図である。なお、吸排気ユニット302及び除湿ユニット600と、吸排気ユニット303及び除湿ユニット601とは構造が同じであることから、吸排気ユニット302及び除湿ユニット600について説明する。また、結露を防止する場合と、除湿剤を乾燥させる場合とは、動作が同じであることから、説明が重複する部分については省略する。
図17の例は、中間層240の空気の湿度を調整して結露を防止等する設定である。冬季において、中間層240の空気が外気により、湿度の高い状態で温度が下がった場合に、空気を乾燥させて結露を防止する。このとき、除湿ユニット600内の乾燥剤611は湿気を吸収する。また、中間層240の空気が日射などにより、乾燥した状態で温度が上がった場合に、空気に湿気を与える。このとき、除湿ユニット600内の乾燥剤611は湿気を奪われて乾燥する。
乾燥剤611としては、例えば、シリカゲルなどの多孔質構造で水分を吸着しやすい材料が用いられる。乾燥剤611は、水分を吸着させた状態で、熱を与えると逆に水分を放出することで、繰り返し使用することが可能なものも存在する。なお、乾燥剤611は、除湿ユニット600の投入口610から、除湿ユニット600内の網状で通気性の良いメッシュ612の中に収容される。吸気孔610から入った空気はメッシュ612内の乾燥剤611を通過して排気孔620から出ていく。
吸排気ユニット302については、負圧路370において吸気孔362(c)が開口し、正圧路380において排気孔393(z)が開口する。ファン320が駆動することで、分配口360(3)で吸気が行われ、分配口390(4)で排気が行われる。吸排気ユニット302において、分配口340(1)は室外、分配口350(2)は室内、分配口360(3)は中間層230、分配口390(4)は除湿ユニット600に繋げたとする。
吸排気ユニット302において、中間層230、分配口360(3)、区分路361、吸気孔362(c)、負圧路370、ファン320、正圧路380、排気孔393(z)、区分路391、分配口390(4)、除湿ユニット600の順に空気が流れる。また、除湿ユニット600において、吸気孔620、除湿剤611、排気孔630、中間層230の順に空気が流れる。なお、負圧路370において吸気孔392(d)を開口させ、正圧路380において排気孔363(y)が開口させることにより、中間層230、除湿ユニット600、吸排気ユニット302、中間層230の順に空気が流れるようにしても良い。
次に、本発明である除湿吸排気ユニットを用いたダブルスキンシステムの効果について説明する。まず、ダブルスキンシステム101を採用した店舗(ショールーム等)の例を示す。ダブルスキンシステム101は、内ガラス220に広告などを掲載し、必要に応じて内ガラス220を収納できる構造とする。内ガラス220は、高断熱遮熱性能を持つ複層ガラスユニットとし、外ガラス210は、一般的な単板ガラスとする。
冬季において、内ガラス220を収納し、外ガラス210のみで使用する。店舗内は、暖房空調(例えば、設定温度20度、湿度40%)で運転する。内ガラス220を外ガラス210の内側に配置し、ダブルスキン構造にする。内ガラス220と外ガラス210の間の中間層230には、温度と湿度を持った空気が密閉される。ここで、外気温が低下したとする。中間層230の外ガラス側の温度は、外気温の低下に伴い低下していき、露点温度(例えば、6度)に達した時点で結露が発生する。
除湿ユニット600については、幅1.5メートル、高さ3.5メートル、奥行き0.3メートルの1.575立方メートルの容積とする。想定する中間層230内の空気の温度は20度、相対湿度は100%とする。除湿剤611として使用するシリカゲルは、粒の大きさが0.5〜0.9ミリメートルであり、重さが1リットルあたり740グラム、重量の20%まで水分を吸収できるものとする。すなわち、除湿剤611を100グラム使用したとき、水分を20グラム吸収することができる。
温度が20度で相対湿度が100%の空気が持つ水蒸気量は、1立方メートルあたり17.23グラムであるので、中間層230内の空気が持つ水蒸気量は、1.575×17.23=27.14グラムとなる。シリカゲルの必要重量は、27.14/0.2=135.7グラムとなり、シリカゲルの必要体積は、135.7/740=0.183リットルとなる。
また、シリカゲルのうち、B型シリカゲルを使用した場合、相対温度に対して吸湿率が変化する。低湿度環境下では吸湿量は少なく、高湿度環境下では吸湿率が高くなる。シリカゲルが吸湿し、中間層230内の湿度が低下し、シリカゲルの吸湿力が低下していくと、シリカゲルの吸湿量が相対湿度に対するシリカゲルの吸湿力に近い状態になる。除湿ユニット600の使用後は、この湿度で均衡することになる。
除湿ユニット600を使用していない初期状態においては、中間層230の温度を20度、湿度を50%、水分量を13.6グラムとすると、露点温度は9.3度であった。除湿剤611として100gのシリカゲルを使用した場合、湿度が32%に下がって、水分量が8.7グラム、シリカゲルの吸湿量が4.9グラムとなり、露点が2.8度に下がった。除湿剤611として200gのシリカゲルを使用した場合、湿度が28%に下がって、水分量が7.6グラム、シリカゲルの吸湿量が6.0グラムとなり、露点が1.0度に下がった。除湿剤611として300gのシリカゲルを使用した場合、湿度が20.3%に下がって、水分量が5.5グラム、シリカゲルの吸湿量が9.1グラムとなり、露点が−3.6度に下がった。
これらの結果を基に、中間層230内の温度が、そのときの中間層230の湿度における露点温度以下とならないように制御することにより、結露を効果的に防止することができる。除湿ユニット600などに温度及び湿度を検出するセンサー等を設けることにより、警告により操作を促しても良いし、自動的に制御することも可能となる。
(変形例)
以上、本発明の実施例を述べたが、これらに限定されるものではない。例えば、ダブルスキン200に吸排気ユニット300、301を備えたダブルスキンシステム100の窓ガラスを建物に設置するだけでなく、既存の一枚の板ガラスからなる窓ガラスの室内側に内ガラスを設置する、又は室外側に外ガラスを設置することにより、ダブルスキン構造にし、吸排気ユニット300、301を設置してダブルスキンシステム100を構築しても良い。
また、ダブルスキン200は、外ガラス210を板ガラス、内ガラス220を複層ガラスの組み合わせだけでなく、外ガラス210と内ガラス220を同じ板ガラスにしても良いし、外ガラス210と内ガラス220を同じ複層ガラスにしても良いし、外ガラス210を複層ガラス、内ガラス220を板ガラスの組み合わせにしても良い。
さらに、吸排気ユニット300、301は、空気を吸排気することができれば、上側の吸排気ユニット300だけにしても良いし、下側の吸排気ユニット301だけにしても良い。また、図3においては、吸排気ユニット301、中間層230、吸排気ユニット300の空気の流れだけでなく、吸排気ユニット300、中間層230、吸排気ユニット301の逆の流れで制御しても良い。なお、吸排気ユニット300と吸排気ユニット301とは、同じ装置にしなければならない訳ではなく、吸排気ユニット300と吸排気ユニット301とで同様の機能を発揮できれば別の装置であっても良い。
吸排気ユニット300の分配口340、350、360は、いずれか一つが吸入側、吸入側になった以外のいずれか一つが排出側に接続されるが、残った一つについても吸入側又は排出側に接続されるように設計しても良い。なお、シャッター371の開口部372の数、又はシャッター381の開口部382の数を増やすことにより、空気の流れを分散させれば良い。
ダブルスキン200において、吸排気ユニット300、301をサッシ枠内に設置して、ダブルスキン200と交換可能な吸排気ユニット300、301とをまとめて扱うようにしても良いが、吸排気ユニット300、301を天井や床下に設置して、ダブルスキン200と交換可能な吸排気ユニット300、301とを別々に扱えるようにしても良い。ダブルスキン200とシングルスキンとを容易に変更することも可能となる。