JP6008374B2 - 皮革積層体及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、天然皮革を含む皮革積層体及びその製造方法に関する。
動物の原皮から得られる天然皮革に様々な機能性を付与するために、例えば繊維生地を天然皮革に貼り合わせることによって皮革積層体を得る試みが従来なされている。例えば、特許文献1には、ホットメルト接着剤を用いたボンディング加工を施すことにより、ポリウレタン弾性糸を含有してなる伸縮性布帛を天然皮革に貼り合わせる皮革積層体の製造方法が開示されている。この皮革積層体の製造方法によれば、伸縮性に優れた皮革積層体を得ることが可能になる。
特開2004−209830号公報
しかしながら、上述した特許文献1に開示された製造方法を含め、ホットメルト接着剤を用いたボンディング加工を行う従来の皮革積層体の製造方法では、ホットメルト接着剤が天然皮革に十分に浸透しないため、天然皮革と繊維生地との接着性が優れず、容易に剥離してしまうという問題がある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、従来に比して接着性を向上させた皮革積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の皮革積層体の製造方法は、動物の原皮にクロムなめしを施してなめし革を得るなめし工程と、合成加脂剤を用いて前記なめし革を加脂する加脂工程と、前記加脂工程により加脂された前記なめし革の裏面側を所定量削除し、前記なめし革の厚みを0.3mm乃至0.8mmとする削除工程と、前記削除工程後の前記なめし革の裏面に、ホットメルト接着剤を用いて基層材を貼り合わせるボンディング工程とを有する。
また、上記態様において、前記合成加脂剤が、スルフォン化油、亜硫酸化油、又は硫酸化油を含有することが好ましい。
また、上記態様の前記加脂工程において、加脂される前の前記なめし革の重量に対して3重量パーセント以上16重量パーセント以下の前記合成加脂剤を用いて当該なめし革を加脂することが好ましい。
また、上記態様の前記加脂工程において、前記なめし革のpHが4.5乃至4.8となるように調整することが好ましい。
また、上記態様において、前記ホットメルト接着剤が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種を主成分とすることが好ましい。
また、上記態様において、前記基層材が、化学繊維で構成されていてもよく、また、天然皮革で構成されていてもよい。
また、本発明の一の態様の皮革積層体は、クロムなめし剤及び合成加脂剤を浸透させ、その裏面側が所定量削除され、その厚みが0.3mm乃至0.8mmとされた天然皮革と、ホットメルト接着剤を介して前記天然皮革の裏面に貼り合わせられた基層材とを備える。
本発明によれば、従来に比して接着性に優れた皮革積層体を得ることができる。
本発明の実施の形態に係る皮革積層体の製造方法の手順を示すフローチャート。 ボンディング工程における皮革積層体の構成を模式的に示す側面図。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態では、例えば牛・豚・馬・羊・ヤギ・ヘビ・トカゲ・ワニ・ダチョウ等の動物の原皮をクロムなめし剤によりなめすことによってなめし革を得て、そのなめし革と化学繊維からなる基層材とを貼り合わせることにより皮革積層体を得る。以下、その詳細について説明する。
図1は、本発明の実施の形態の皮革積層体の製造方法の手順を示すフローチャートである。
(1)準備工程
図1に示すように、まずは原皮が準備工程に付される(S1)。この準備工程では、水漬け、裏打ち、石灰漬け、脱毛、あか出し、脱灰、ベーチングなどの各処理が行われる。なお、この準備工程においては、上記の各処理のうち必要なもののみを選択して行うようにすればよい。
(2)ピックル工程
次に、ピックル工程が実施される(S2)。このピックル工程は、次のクロムなめし工程において革の繊維の中までクロムなめし剤を浸透させるのに寄与する工程である。具体的には、準備工程を経た原皮を塩と酸との混合溶液に一定時間浸漬させることによりピックルが行われる。ここで、革の繊維が強酸性であるために酸膨張することを防止すべく、溶液のボーメを6.0以上とすることが好ましく、6.5乃至7.5とすることがより好ましい。また、混合溶液中の酸には硫酸を用いることができる。この場合、クロムなめし剤の浸透性を高めるために蟻酸及び酢酸を0.5乃至2.5重量パーセント使用することが好ましい。また、混合溶液のpHは2.5乃至2.8程度が好ましい。
(3)クロムなめし工程
次に、クロムなめし工程が実施される(S3)。本実施の形態では、後に行われるボンディング工程に備えて耐熱性を高めるために、なめし方法としてクロムなめしが採用される。なお、ボンディング加工においては通常130乃至150℃程度の高温処理が必要になるため、他のなめし方法により得られたなめし革では含有するタンパク質が熱変性で収縮し、硬化してしまう。例えば、植物タンニンなめしの場合では、85℃以上で革の繊維が収縮する。また、合成タンニンなめしの場合では、植物タンニンなめしの場合とほぼ同等の83℃近くで収縮し始める。このように収縮してしまうと、天然皮革が本来有する伸縮性が失われることとなり、製品化に適した皮革積層体を得ることは困難である。そのため、本実施の形態では、植物タンニンなめし、合成タンニンなめし、及び油なめしなどの他のなめし方法ではなく、クロムなめしが実施される。具体的には、ドラム又はハイドプロセッサーなどに原皮とクロムなめし剤を投入し、一定時間回転することによりなめし処理が施される。
このクロムなめし工程で用いられるクロムなめし剤は3価クロムを主成分としたものである。クロムなめしされた革中の酸化クロム量は2.5重量パーセント以上とすることが好ましい。また、革の繊維の中に十分に浸透させるために、クロムの粒子が比較的小さいもの(例えば、塩基度が33以下のもの)を用いることが好ましい。
本実施の形態のクロムなめし工程では、クロムなめし材を革の繊維の中に浸透させた後、繊維との結合を強化させるために、重曹またはソーダ灰等の塩基を用いることによりpHを2.8乃至3.2程度に調整する。
なお、耐熱温度を高くするために、補助なめしとして、例えばグルタルアルデヒド又はポリフォスフェート等を0.5乃至2.5重量パーセント程度使用する工程を実施してもよい。但し、上述したように酸化クロム量が2.5重量パーセント以上の場合は、この補助なめしを行わなくても十分な耐熱性を得ることができる。
(4)加脂工程
次に、クロムなめし工程の結果得られたなめし革に加脂を施す加脂工程が実施される(S4)。ここでは、分散性及び乳化性に優れた合成加脂剤が用いられる。一般的には、革を柔らかくすることを目的として、天然油及び生油などが加脂剤として用いられることが多い。しかしながら、これらの天然油及び生油は、後に貼り合わせられる天然皮革と基層材との間の接着強度を低下させる作用を生じるため、本実施の形態では使用しないことが好ましい。
本実施の形態では、加脂処理に使用される合成加脂剤が、スルフォン化油、亜硫酸化油及び硫酸化油のうちの少なくとも1つを含有している。ここで、スルフォン化油としては、クラリアント社製のデミノールOS1、泰光油脂化学工業会社製のターコンSM400などを用いることができる。また、亜硫酸化油としては、クラリアント社製のデミノールHSP、泰光油脂化学工業会社製のターコンSRSなどを用いることができる。さらに、硫酸化油としては、クラリアント社製のレザーリックスJAK、泰光油脂化学工業会社製の硫酸化MFなどを用いることができる。
合成加脂剤の使用量は、加脂される前のなめし革の重量に対して3乃至16重量パーセントであることが好ましい。この使用量が16重量パーセントを超えると、合成加脂剤が革の繊維に浸透しなくなるため、革の表面に多く残ることになる。この場合、後に貼り合わせられる天然皮革と基層材との間の接着強度が低下するため、好ましくない。また、合成加脂剤の使用量が3重量パーセントを下回ると、合成加脂剤に含まれている分散剤及び乳化剤が革の繊維内に十分に存在しなくなる。その結果、後のボンディング工程においてホットメルト接着剤が革の繊維に十分に浸透せず、接着強度の低下を招くことになる。なお、この接着強度をより高めるためには、合成加脂剤の使用量が6乃至16重量パーセントであることが好ましい。
この加脂工程においては、蟻酸を用いることによって、加脂後のなめし革のpHが4.5乃至4.8となるように調整する。これにより、合成加脂剤のより一層の固着を図ることができる。なお、一般的な加脂工程では、革のpHを3.6乃至4.0程度に調整するが、本実施の形態では、これよりも高いpHとなるように調整する。その結果、加脂剤の表面吸着を抑制することができる。加脂剤が革の表面に吸着すると、ホットメルト接着剤が革の繊維に十分に浸透しなくなるため、このように表面吸着を抑制できることが好ましい。
また、一般的には、クロム、アルミニウム、又はジルコニウムなどの重金属を用いて加脂剤の固着を促進させる処理が行われるが、これによりホットメルト接着剤が革の繊維に浸透することが妨げられるため、なめし革10と基層材11の接着性が低下するという問題が生じ得る。そのため、本実施の形態ではこのような処理を行わないことが好ましい。
(5)シェービング工程
次に、シェービングマシンを用いて、加脂工程後のなめし革の裏面である床部分(吟層とは反対の層)を薄く削るシェービング工程が実施される(S5)。天然皮革の場合、毛穴がある吟層は繊維の密度が高いため合成加脂剤が浸透し難く、これに対して床部分は繊維が太く密度が低いため合成加脂剤が多く結合される。ここで、加脂剤が多く結合されると接着性が悪くなるため、後のボンディング工程に悪影響を与えることになる。そこで、本実施の形態では、なめし革の裏面を薄く削るシェービング工程を行う。この場合、削りすぎると合成加脂剤に含まれている分散剤及び乳化剤が十分に残らず、後のボンディング工程におけるホットメルト接着剤の浸透性に問題が生じる。他方、削る量が少なすぎると加脂剤が多く残る面がボンディング工程における接着面となり、その結果接着性が悪くなる。そのため、なめし革の厚みが0.3乃至0.8mm程度になるようにその裏面を削ることが好ましい。これにより、後に基層材と接着される面に適度な量の分散剤及び乳化剤が残ることになり、接着性を向上させることができる。なお、その厚みが0.3mmを下回る場合、革本来の風合いが感じられなくなるため好ましくない。この風合いを重視すると、0.5mm以上の厚みがあることが好ましい。また、0.8mmを超える場合、革の繊維が粗くなる、最終的に得られる皮革積層体が重くなってしまうなどの問題が生じるため、好ましくない。
なお、一般的には革の厚みを0.3乃至0.8mm程度とすると引き裂き強度が十分でなくなり、その結果製品化が困難となる。しかし、本実施の形態の場合、なめし革は後に基層材と貼り合わせられることにより引き裂き強度を増すことができるため、そのような問題は生じない。
また、上記のシェービング工程を行うことにより、最終的に得られる皮革積層体の軽量化を図ることができる。これにより、様々な製品に用いられる皮革積層体を実現することができる。
なお、本実施の形態では、上述したシェービング工程によりなめし革の床部分を所定量削除しているが、例えばスプリッティングマシンを用いて当該床部分を漉く漉き割り工程によって所定量を削除するなど、他の方法を採用してもよい。
(6)ボンディング工程
最後に、ホットメルトによる接着を行うボンディング工程が実施される(S6)。図2は、このボンディング工程における皮革積層体の構成を模式的に示す側面図である。図2において、10は上述した各工程を経て得られたなめし革を、11は基層材を、なめし革10と基層材11との間に介在する12は接着層をそれぞれ示している。基層材11は、化学繊維からなる生地であり、具体的には、ポリカーボネート、ポリエステル、ナイロン及びアクリルなどの合成繊維、ガラス繊維及び炭素繊維などの無機繊維、又は各種の複合繊維素材によって構成されている。最終的に得られる皮革積層体に必要となる性質を考慮して適宜の化学繊維が選択される。例えば、皮革積層体に保温性が必要となる場合は、保温性に優れた化学繊維が選択される。
また、接着層12は、ホットメルト接着剤によって構成されている。ここで、ホットメルト接着剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリアクリル系樹脂のうちの少なくとも1つを主成分とするものが用いられる。この接着層12は、基層材11上に塗布される。図2には、フィルム状のホットメルト接着剤を用いることにより基層材11の表面の全面に接着層12が形成されている例が示されている。その他にも、基層材11の表面にホットメルト接着剤をドット状に塗布してもよく、また、クモの巣状などに塗布してもよい。
本実施の形態のボンディング工程では、上述したようにして基層材11の表面に接着層12が形成された後、プレスアイロン機を用いて、その基層材11の表面になめし革10の裏面が貼り合わせられ、その結果皮革積層体を得る。このとき、プレスアイロン機の温度は130℃乃至150℃程度に調整される。このような高温下においても、本実施の形態の場合、クロムなめし剤が十分に浸透しているため、なめし革10が収縮せずに十分な伸縮性を確保することができる。また、上記の加脂工程によってなめし革10がホットメルト接着剤の浸透に適した状態となっているため、このボンディング工程によって十分な接着強度を得ることができる。そのため、なめし革10と基層材11とが容易に剥離することはなく、製品化に適した皮革積層体を得ることができる。
動物の皮の場合、その部位(背中、腹部及び首など)によって繊維の組織が異なるため、これを他の素材と貼り合わせると、従来の方法では十分な接着性を得ることができない。これに対し、本実施の形態の場合、上述したように十分な接着性を確保することができるため、動物の様々な部位の皮を用いることが可能になる。
なお、基層材としてストレッチ性を有する繊維生地を用いた場合、この繊維生地と同様に伸縮する皮革積層体を得ることができる。天然皮革の場合、その部位によって伸縮性が変わってくるが、本実施の形態のように繊維生地を貼り合わせた皮革積層体の場合は、その繊維生地によって伸縮性の一定化を図ることができる。このような皮革積層体は、繊維生地と同様の縫製加工を施すことできるため、様々な製品に用いることができる。
上述したように、本実施の形態で得られる皮革積層体を構成するなめし革の繊維には、ホットメルト接着剤の樹脂成分が残っているため、後工程において防水剤を容易に固着させることができる。そのため、防水性に優れた皮革積層体を得ることができる。また、反対に、水分吸収性に優れた繊維生地を基層材として採用することにより、天然皮革単体の場合よりも水分吸放出性に優れた皮革積層体を得ることができる。その他にも、後工程においてなめし革の繊維内に芳香性のある成分を固着させることにより、「香る革素材」を得ることもできる。
[実施例]
上述した準備工程、ピックル工程、クロムなめし工程を経て、加脂工程においてスルフォン化油を含有する合成加脂剤を用いて加脂を行い、その後シェービング工程により厚みを0.5mmに調整したなめし革を作製した。そして、ボンディング工程においてポリアミド系樹脂を主成分とするホットメルト接着剤を基層材(繊維生地)の表面にドット状に塗布し、プレスアイロン機を用いて当該なめし革と基層材とを貼り合わせて皮革積層体を得た。JIS L-1086に準拠し、引張試験機を用いてこの皮革積層体のなめし革と基層材との剥離強度を測定したところ、1000cN/inchであった。
(その他の実施の形態)
上述した実施の形態では基層材が化学繊維からなる生地であったが、本発明はこれに限定されるわけではなく、例えば天然皮革を基層材に用いることもできる。これにより、例えば両面が天然皮革の吟面となる皮革積層体などを実現することが可能になる。
また、上述した実施の形態では、皮革積層体がなめし革と基層材との二層構造で構成されているが、本発明はこれに限定されるわけではない。なめし革及び/又は基層材をさらに積層させることにより、三層以上の多層構造で構成された皮革積層体を実現することもできる。
本発明の皮革積層体及びその製造方法は、例えば衣料品、鞄及び靴などに用いられる皮革積層体及びその製造方法などとして有用である。
1 皮革積層体
10 なめし革
11 基層材
12 接着層

Claims (8)

  1. 動物の原皮にクロムなめしを施してなめし革を得るなめし工程と、
    合成加脂剤を用いて前記なめし革を加脂する加脂工程と、
    前記加脂工程により加脂された前記なめし革の裏面側を所定量削除し、前記なめし革の厚みを0.3mm乃至0.8mmとする削除工程と、
    前記削除工程後の前記なめし革の裏面に、ホットメルト接着剤を用いて基層材を貼り合わせるボンディング工程と
    を有する、皮革積層体の製造方法。
  2. 前記合成加脂剤が、スルフォン化油、亜硫酸化油、又は硫酸化油を含有する、
    請求項に記載の皮革積層体の製造方法。
  3. 前記加脂工程において、加脂される前の前記なめし革の重量に対して3重量パーセント以上16重量パーセント以下の前記合成加脂剤を用いて当該なめし革を加脂する、
    請求項1又は2に記載の皮革積層体の製造方法。
  4. 前記加脂工程において、前記なめし革のpHが4.5乃至4.8となるように調整する、
    請求項1乃至の何れかに記載の皮革積層体の製造方法。
  5. 前記ホットメルト接着剤が、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂及びポリアクリル系樹脂から選ばれる少なくとも1種を主成分とする、
    請求項1乃至の何れかに記載の皮革積層体の製造方法。
  6. 前記基層材が、化学繊維で構成されている、
    請求項1乃至の何れかに記載の皮革積層体の製造方法。
  7. 前記基層材が、天然皮革で構成されている、
    請求項1乃至の何れかに記載の皮革積層体の製造方法。
  8. クロムなめし剤及び合成加脂剤を浸透させ、その裏面側が所定量削除され、その厚みが0.3mm乃至0.8mmとされた天然皮革と、
    ホットメルト接着剤を介して前記天然皮革の裏面に貼り合わせられた基層材と
    を備える、皮革積層体。
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