しかしながら、従来の車両用燃料タンクにおける緩衝材d−1、d−2は、一対の緩衝材設置部位c−1、c−2にそれぞれ貼付すべく、互いに別体構成になっていることから、部品点数が増加して製作コストが嵩むばかりでなく、タンク本体への貼着加工時間が多くかかってしまうことになる。
この発明は、かかる従来の技術における未解決課題に鑑み、緩衝材設置部が湾曲部を挟んで相隣り合うように構成されている一対の緩衝材設置部位にて構成している場合でも、緩衝材を分割構成とせず単一構成にしたとしても湾曲部を含む緩衝材設置部に堅固に貼着可能に構成した車両用燃料タンクを提供することを目的としている。
この発明に係る車両用燃料タンクは、一対のタンク半体を互いのフランジ部同士を接合することによって構成したタンク本体のタンク表面において、車体に対向するように構成されている一対の緩衝材設置部位にゴム等の緩衝材を貼付して構成した車両用燃料タンクであって、前記緩衝材設置部位が、前記一対のタンク半体のうち一方のタンク半体における湾曲部を挟んで相隣り合う側端辺部とフランジ部との前記車体に近接する部位において略L字状部位に形成されて構成されており、又、前記緩衝材が、前記湾曲部を含んで前記両緩衝材設置面に連続的に貼付されるようにゴム等の平板で形成された単一構造体として構成されていると共に前記湾曲部に対接させる屈曲部位に屈曲糸口部が形成されて構成されており、前記屈曲糸口部を屈曲させることによって前記緩衝材が前記両緩衝材設置部位により形成される前記略L字状部位に倣って貼着されていることを特徴とする。
かかる構成により、この発明は、緩衝材を単一構造体にて構成すると共に湾曲部に対接する屈曲部位に屈曲糸口部を形成したことから、当該屈曲糸口部によって緩衝材を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、当該屈曲部位の弾性反力を小さくした状態で、緩衝材を一対の緩衝材設置部に容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、屈曲糸口部の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が一対の緩衝材設置部の所定位置に常時正確に設置することができて、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体の表面における車体との干渉に対する緩和やタンク本体内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この発明は、単一構造体の緩衝材によって、一対の緩衝材設置部の間に介在する湾曲部をもカバーすることができて、当該湾曲部における車体との干渉をも緩和することができる。
また、この発明は、一の実施の形態として、前記屈曲糸口部を前記屈曲部部位内方において当該屈曲延長線に沿って前記緩衝材の表裏を貫通するように形成した線状切欠き部にて構成している。
かかる構成により、この発明は、屈曲糸口部を線状切欠き部にて構成したことから、先鋭な切刃をもった切削刃等を用いてプレス成形などすれば、緩衝材に簡単に形成することができ、しかも、線状切欠き部が緩衝材の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
また、この発明は、他の実施の形態として、前記屈曲糸口部を前記緩衝材の前記屈曲部位における当該屈曲延長線が交差し互いに対向する側端辺部に外方に開口するように形成した切欠き溝にて構成している。
かかる構成により、この発明は、屈曲糸口部を緩衝材の屈曲部位における屈曲延長線が交差し互いに対向する側端辺部に外方に開口するように形成した切欠き溝にて構成したことから、ポンチ等を用いてプレス成形などすれば、緩衝材に簡単に形成することができ、しかも、切欠き溝が緩衝材の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
また、この発明は、他の実施の形態として、前記屈曲糸口部を、前記屈曲部位における当該屈曲延長線に沿って緩衝材の表裏を貫通するように形成した線状切欠き部、及び、前記緩衝材における前記屈曲部位における当該屈曲延長線が交差し互いに対向する側端辺部に外方に開口して前記緩衝材の表裏を貫通するように形成した切欠き溝にて構成している。
かかる構成により、この発明は、屈曲糸口部を、屈曲部位における当該屈曲延長線に沿って緩衝材の表裏を貫通するように形成した線状切欠き部と緩衝材における屈曲部位における屈曲延長線が交差する互いに対向する側端辺部に外方に開口して緩衝材の表裏を貫通するように形成した切欠き溝とによって構成していることから、屈曲糸口部を先鋭な切刃をもった切削刃やポンチを用いてプレス成形などすれば、緩衝材に簡単に形成することができ、しかも、線状切欠き部及び切欠き溝が共に緩衝材の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
また、この発明は、他の実施の形態として、前記屈曲糸口部を、前記屈曲部位における当該屈曲延長線に沿って複数条形成している。
かかる構成により、屈曲糸口部が屈曲部位において複数条形成されていることから、さらに、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に追従して堅固に貼着することができる。
また、この発明は、他の実施の形態として、前記屈曲糸口部を、前記屈曲部位における当該屈曲延長線に沿って前記緩衝材の表裏を貫通するように形成した切欠き溝にて構成している。
かかる構成により、この発明は、屈曲糸口部を緩衝材の屈曲部位における屈曲延長線に沿って形成した切欠き溝にて構成したことから、ポンチ等を用いてプレス成形などすれば、緩衝材に簡単に形成することができ、しかも、切欠き溝が緩衝材の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に追従して堅固に貼着することができる。
また、この発明は、他の実施の形態として、前記屈曲糸口部が、前記屈曲部位における当該屈曲延長線に沿うように前記緩衝材に不貫通状態で形成した線状切欠き部により構成されており、該線状切欠き溝によって前記湾曲部に対接する前記緩衝材の表面側又は裏面側部位に薄肉部が形成されている。
かかる構成により、この発明は、屈曲糸口部を屈曲部位における当該屈曲延長線に沿うように緩衝材に不貫通状態で形成した線状切欠き部により構成すると共に、不貫通状態の線状切欠き溝によって湾曲部に対接する緩衝材の表面側又は裏面側部位に薄肉部を形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
また、この発明は、他の実施の形態として、前記屈曲糸口部が、前記屈曲延長線に沿って、複数条形成されている。
かかる構成により、屈曲糸口部が屈曲部位において複数条形成されていることから、さらに、容易かつ常に正確に緩衝材を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる
この発明は、緩衝材を単一構造体にて構成すると共に湾曲部に対接する屈曲部位に屈曲糸口部を形成したことから、当該屈曲糸口部によって緩衝材を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、当該屈曲部位の弾性反力を小さくした状態で、緩衝材を一対の緩衝材設置部に容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、屈曲糸口部の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が一対の緩衝材設置部の所定位置に常時正確に設置することができ、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体の表面における車体との干渉に対する緩和やタンク本体内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この発明は、単一構造体の緩衝材によって、一対の緩衝材設置部の間に介在する湾曲部をもカバーすることができて、当該湾曲部における車体との干渉をも緩和することができる。
この発明の実施例に係る車両用燃料タンクは、緩衝材設置部が湾曲部を挟んで相隣り合うように構成されている一対の緩衝材設置部位にて構成している場合でも、緩衝材を分割構成とせず単一構成としても湾曲部を含む緩衝材設置部に堅固に貼着可能に構成したものである。
次に、図を用いて、この発明を採用した実施例に係る自動車用燃料タンクの取付装置について説明する。
先ず、図1乃至図5に示すこの発明に係る第1の実施例について説明する。タンク本体1は、燃料を蓄えるべく一方のタンク半体(例えば、アッパータンク)1aともう一方のタンク半体(例えば、ロアタンク)1bとを互いのフランジ部1a−1、1b−1同士を接合することによって構成している。一方のタンク半体1aには、不図示の燃料給油管を接続される給油口1cが設けられている。
タンク本体1は、車両の車体(例えばフロアパネル)2の下方において設置されていることから(図3を参照)、当該車体2に対して近接した状態で設置される。このことから、タンク本体1は、車両の振動などに起因してタンク本体1の表面が車体2と直接干渉したり、或いはタンク本体1内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音が車体2に伝播しないように、タンク表面における車体2に近接する部位を緩衝材設置部3に定めて、当該緩衝材設置部3にゴム等の弾性体からなる緩衝材4を設置している。緩衝材4は、裏面側に接着剤や両面接着テープを張設することによって、緩衝材設置部3に貼着固定されている。
そして、緩衝材設置部3は、例えば、タンク本体1を構成する一のタンク半体1aにおいて、湾曲部1dを挟んで相隣り合う側端辺部1a−2とフランジ部1a−1とにおける車体2と近接する部位に設定されている。従って、緩衝材設置部3は、湾曲部1dを連続介在させた状態で、側端辺部1a−2が構成する緩衝材設置部位3a及びフランジ部1a−1が構成する緩衝材設置部位3bを有して、緩衝材4が貼着されるようになっている。
緩衝材4は、例えばゴム等の弾性体からなる平板をプレス成形等により所定の形状に成形することによって、構成している。そして、緩衝材4は、図4に明確に示すように、略長方形状を呈する単一構成体であって、その面部4aの内方には、先鋭な切刃をもった切削刃等を用いてプレス成形することにより、図5に明示するように緩衝材4の表裏両面に貫通する線状切欠き部5aが形成されていると共に、図4に示すように、線状切欠き部5aに対向するように、緩衝材4の側端辺部4b、4bには、それぞれ外方に開口する略V字状の切欠き溝5bが緩衝材4の表裏を貫通するように形成されて、構成している。
そして、緩衝材4は、湾曲部1dを挟んで相隣り合う側端辺部1a−2とフランジ部1a−1とで構成する緩衝材設置部3に、予め張設しておいた接着剤や両面テープ等により貼着されることから、略L字状部位に設置されることになって、これに倣ってやはり略L字状に屈曲した状態で、貼着されることになる。
かかることから、緩衝材4は、図4の一点鎖線で示す屈曲延長線6に沿って、略L字状に屈曲することによって屈曲部位5cを形成しながら、緩衝材設置部3に貼着されることになる。この時、屈曲延長線6上に存する線状切欠き部5a及び切欠き溝5bが屈曲糸口部5となって、緩衝材4は、屈曲形成されることになる。
このように構成するこの発明の第1実施例によれば、緩衝材4を単一構造体にて構成すると共に湾曲部1dに対接する屈曲部位5cに、線状切欠き部5a及び切欠き溝5bが構成する屈曲糸口部5を形成したことから、屈曲糸口部5によって緩衝材4を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、屈曲部位5cの弾性反力を小さくした状態で、緩衝材4を一対の緩衝材設置部位3a、3bに容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、屈曲糸口部5の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材4の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が一対の緩衝材設置部3の所定位置に常時正確に設置することができて、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体1の表面における車体2との干渉に対する緩和やタンク本体1内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この第1の実施例は、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
さらに、この第1の実施例においては、屈曲糸口部5が、屈曲部位5cにおける屈曲延長線6に沿って緩衝材4の表裏を貫通するように形成した線状切欠き部5aと緩衝材4における屈曲部位5cにおける屈曲延長線6が交差する互いに対向する側端辺部4b、4bにそれぞれ外方に開口して緩衝材4の表裏を貫通するように形成した切欠き溝5bとによって構成していることから、屈曲糸口部5のうち、線状切欠き部5aを先鋭な切刃をもった切削刃を用い、また、切欠き溝5bをポンチを用いることによって、共にプレス成形などすれば、緩衝材4に簡単に形成することができ、しかも、線状切欠き部5a及び切欠き溝5bが共に緩衝材4の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
図6乃至図18を用いて、この発明に係る他の実施例について説明する。
先ず、図6は、この発明に係る第2の実施例による緩衝材4について描画している。図6によれば、緩衝材4における屈曲糸口部5は、前述の第1の実施例における線状切欠き部5aを廃止して、切欠き溝5b、5bのみを形成することにより、構成している。
従って、第2の実施例は、緩衝材4が比較的薄手の平板にて構成する場合等に、緩衝材4のプレス成形型などを簡略化したもので、薄手の緩衝材4故に、切欠き溝5b、5bのみによって屈曲糸口部5を構成しても、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
加えて、この第2の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
また、図7に示すこの発明に係る第3の実施例によれば、緩衝材4における屈曲糸口部5は、前述の第1の実施例における切欠き溝5b、5bを廃止して、屈曲延長線6に沿って線状切欠き部5aのみを緩衝材4の表裏共に貫通して形成することにより、構成している。
従って、第3の実施例は、緩衝材4が比較的薄手の平板にて構成する場合等に、緩衝材4のプレス成形型などを簡略化したもので、薄手の緩衝材4故に、線状切欠き部のみによって屈曲糸口部5を構成したとしても、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
加えて、この第3の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
また、図8に示すこの発明に係る第4の実施例によれば、緩衝材4における屈曲糸口部5は、前述の第1の実施例における線状切欠き部5aに代えて、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って緩衝材4の表裏を共に貫通するように形成した、長溝例えば略楕円形の切欠き溝5dにより構成している。
従って、第4の実施例に係る屈曲糸口部5は、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って緩衝材4の表裏を共に貫通するように形成した切欠き溝5dによって構成していることから、ポンチを用いることによってプレス成形などすれば、緩衝材4に簡単に形成することができ、しかも、切欠き溝5dが緩衝材4の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
加えて、この第4の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
また、図9に示すこの発明に係る第5の実施例によれば、緩衝材4における屈曲糸口部5は、前述の第1の実施例における線状切欠き部5aに代えて、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って緩衝材4の表裏を共に貫通するように形成した切欠き溝5dを設けると共に、第1の実施例と同様に、緩衝材4の側端辺部4b、4bにそれぞれ外方に開口して緩衝材4の表裏を共に貫通するように形成した略V字状の切欠き溝5bを設けることによって、構成している。
従って、第5の実施例に係る屈曲糸口部5は、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って緩衝材4の表裏を共に貫通するように形成した切欠き溝5dと、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って緩衝材4の表裏を共に貫通するように形成した切欠き溝5dとによって構成していることから、切欠き溝5b、5dをポンチを用いることによって、共にプレス成形などすれば、緩衝材4に簡単に形成することができ、しかも、切欠き溝5b、5dが共に緩衝材4の表裏を貫通するように形成したことから、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
加えて、この第5の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
また、図10及び図11に示すこの発明に係る第6の実施例によれば、図7に示す第3の実施例における緩衝材4の表裏を共に貫通する線状切欠き部5aに代えて、断面V字状の線状切欠き部5eによって、緩衝材4に対して不貫通状態の屈曲糸口部5を構成している。この結果、屈曲糸口部5が緩衝材4の表面又は裏面において、緩衝材4に薄肉部4cが形成されており、薄肉部4c側を谷折りにして、緩衝材4は屈曲形成されるように構成するものであり、緩衝材設置部3の形状に倣うべく、緩衝材4を略L字状に屈曲する際には、屈曲糸口部5を構成する線状切欠き部5eの開口側を山折にして屈曲されるように構成していることになる。
従って、第6の実施例に係る屈曲糸口部5は、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って形成した底壁を有する断面V字状の線状切欠き部5eによって構成していることから、緩衝材4が比較的薄手の平板にて構成する場合等に、緩衝材4のプレス成形型などを簡略化できるもので、薄手の緩衝材4故に、線状切欠き部5eのみによって屈曲糸口部5を構成しても、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
加えて、この第6の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
また、図12に示すこの発明に係る第7の実施例は、上記第6の実施例における断面V字状の線状切欠き部5eに代えて、緩衝材4に対して不貫通状態の直溝状の線状切欠き部5eにより屈曲糸口部5を構成したものである。この結果、屈曲糸口部5が緩衝材4の表面又は裏面において、緩衝材4に薄肉部4cが形成されており、薄肉部4c側を谷折りにして、緩衝材4は屈曲形成されるように構成するものであり、緩衝材設置部3の形状に倣うべく、緩衝材4を略L字状に屈曲する際には、屈曲糸口部5を構成する線状切欠き部5eの開口側を山折にして屈曲されるように構成していることになる。
従って、第7の実施例に係る屈曲糸口部5は、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って形成した底壁を有し、緩衝材に対して不貫通状態の直溝状の線状切欠き部5eによって構成していることから、緩衝材4が比較的薄手の平板にて構成する場合等に、緩衝材4のプレス成形型などを簡略化できるもので、薄手の緩衝材4故に、線状切欠き部5eのみによって屈曲糸口部5を構成しても、容易かつ常に正確に緩衝材4を屈曲構成できる上に、緩衝材設置部3の形状に容易に倣って堅固に貼着することができる。
加えて、この第7の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dをもカバーすることができて、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
また、図13に示すこの発明に係る第8の実施例における屈曲糸口部5は、上記第1の実施例における緩衝材4の表裏共に貫通する線状切欠き部5aに代えて、屈曲部位5cの内方において屈曲延長線6に沿って形成した底壁を有する断面V字状の線状切欠き部5eと、上記第1の実施例と同様に、緩衝材4における屈曲部位5cにおける屈曲延長線6が交差する互いに対向する側端辺部4b、4bにそれぞれ外方に開口して緩衝材4の表裏を貫通するように形成した切欠き溝5bとによって構成している。
かかる第8の実施例における線状切欠き部5eは、上記第6及び第7の実施例と同様に、屈曲糸口部5が、緩衝材4の表面側又は裏面側において薄肉部4cが形成されており、薄肉部4c側を谷折りにして緩衝材4を屈曲されるように構成されているものであり、緩衝材設置部3の形状に倣うべく、緩衝材4を略L字状に屈曲する際には、屈曲糸口部5を構成する線状切欠き部5eの開口側を山折にして屈曲されるように構成していることになる。
このように構成するこの発明の第8実施例によれば、緩衝材4を単一構造体にて構成すると共に湾曲部1dに対接する屈曲部位5cに、線状切欠き部5e及び切欠き溝5bが構成する屈曲糸口部5を形成したことから、屈曲糸口部5によって緩衝材4を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、屈曲部位5cの弾性反力を小さくした状態で、緩衝材4を一対の緩衝材設置部位3a、3bに容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、屈曲糸口部5の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材4の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が一対の緩衝材設置部3の所定位置に常時正確に設置することができて、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体1の表面における車体2との干渉に対する緩和やタンク本体1内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この第8の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、一対の緩衝材設置部位3a、3bの間に介在する湾曲部1dが共にカバーされることになって、当該湾曲部1dにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
次に、図14乃至図16を用いて、この発明に係る第9の実施例について説明する。上記第1乃至第8実施例においては、緩衝材4をタンク本体1の側端辺部1a−2及びフランジ部1a−1が湾曲部1dを介在させて構成する緩衝材設置部3に、緩衝材4を貼着するように構成しているのに対し、図14乃至図16に示す第9の実施例は、タンク本体1における側端辺部1a−2における緩衝材設置部位3aと、湾曲部1eが介在して連続するタンク本体1の例えば上面部1fにおける緩衝材設置部位3bとで、緩衝材設置部3を構成しており、緩衝材設置部3には、緩衝材4が貼着設置されている。
緩衝材4は、湾曲部1eの湾曲形状が比較的大きいことから、図16に明示するように、屈曲糸口部5は、屈曲延長線6に一本の線状切欠き部5aを形成するほか、屈曲延長線6を挟んで両側にさらに二本の線状切欠き部5aを加えて形成することによって、構成している。これら3本の線状切欠き部5aは、共に緩衝材4における表裏共に貫通するように形成されている。但し、上記第8の実施例と同様に、緩衝材4における表裏の一方にのみ貫通する場合も考えられる。
このように構成するこの発明に係る第9の実施例によれば、屈曲糸口部5が、屈曲延長線6上を含み、3本の線状切欠き部5aによって構成していることから、タンク本体1における側端辺部1a−2と上面部1fとの間に介在する湾曲部1eの湾曲形状が比較的大きい場合でも、湾曲部1eに容易に倣って堅固に緩衝材4を貼着できることになる。
このように構成するこの発明の第9実施例によれば、緩衝材4を単一構造体にて構成すると共に湾曲部1eに対接する屈曲部位5cに、3本の線状切欠き部5aが構成する屈曲糸口部5を形成したことから、屈曲糸口部5によって緩衝材4を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、屈曲部位5cの弾性反力を小さくした状態で、緩衝材4を緩衝材設置部3に容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、3本の線状切欠き部5aが構成する屈曲糸口部5の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材4の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が一対の緩衝材設置部3の所定位置に常時正確に設置することができて、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体1の表面における車体2との干渉に対する緩和やタンク本体1内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この第9の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、緩衝材設置部3に存する湾曲部1eが共にカバーされることになって、当該湾曲部1eにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
なお、上記第9の実施例においては、屈曲糸口部5は、屈曲延長線上に一本の線状切欠き部5aを形成する場合、或いは屈曲延長線の両側にそれぞれ一本、計三本の線状切欠き部5aを形成して、緩衝材4を構成しているが、これに限定されるものではなく、線状切欠き部5aの本数は、緩衝材4の板厚、剛性或いは接着材の特性等により、適宜選定されることになる。
また、かかる第9の実施例において使用する緩衝材4は、上記図4及び図5に示す緩衝材4、すなわち、緩衝材4の表裏両面を貫通する線状切欠き部5a及び緩衝材4の側端辺部4b、4bの表裏両面を貫通する略V字の切欠き溝5b、5bを形成するタイプの緩衝材4も適用することができる。
また、図17は、この発明に係る第10の実施例を示している。図17に示す第10の実施例は、図16に示す第9の実施例における3本の線状切欠き部5aに加えて、
線状切欠き部5aに対向するように、緩衝材4の互いに対向する側端辺部4b、4bにそれぞれ外方に開口すべく略V字状の切欠き溝5bが緩衝材4の表裏を貫通するように形成することによって、屈曲糸口部5を構成したものである。
このように構成するこの発明の第10実施例によれば、緩衝材4を単一構造体にて構成すると共に湾曲部1eに対接する屈曲部位5cに、3本の線状切欠き部5a及び一対の切欠き溝5bが構成する屈曲糸口部5を形成したことから、屈曲糸口部5によって緩衝材4を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、屈曲部位5cの弾性反力を小さくした状態で、緩衝材4を大きく湾曲する湾曲部1eを有する緩衝材設置部3に容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、3本の線状切欠き部5a及び一対の切欠き溝5bが構成する屈曲糸口部5の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材4の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が緩衝材設置部3の所定位置に常時正確に設置することができて、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体1の表面における車体2との干渉に対する緩和やタンク本体1内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この第10の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、緩衝材設置部3に存する湾曲部1eが共にカバーされることになって、当該湾曲部1eにおける車体2との干渉をも緩和することができる。
図18は、この発明に係る第11の実施例を示している。図18によれば、第11の実施例においては、図16に示す第9の実施例の変形例ともいうべくもので、屈曲糸口部5は、3本の線状切欠き部5aを間欠的(所謂ミシン目状)に形成することによって、屈曲糸口部5構成したものである。
このように構成するこの発明の第11実施例によれば、緩衝材4を単一構造体にて構成すると共に湾曲部1eに対接する屈曲部位5cに、間欠的に形成した3本の線状切欠き部5aが構成する屈曲糸口部5を形成したことから、屈曲糸口部5によって緩衝材4を常に同一部位にて容易に屈曲形成することができ、屈曲部位5cの弾性反力を小さくした状態で、緩衝材4を大きく湾曲する湾曲部1eを有する緩衝材設置部3に容易に倣って堅固に貼着することができて、部品点数を低減すると共に部品コストを軽減することができ、しかも、貼着工数を少なくできると共に、3本の線状切欠き部5a及び一対の切欠き溝5bが構成する屈曲糸口部5の存在により、定形的かつ容易に所定の緩衝材4の屈曲形状を形成することができて、貼着作業者が緩衝材設置部3の所定位置に常時正確に設置することができて、長年使用したとしても粘着力の劣化を起こさず、車両の振動などを起因とするタンク本体1の表面における車体2との干渉に対する緩和やタンク本体1内の燃料の波立ちなどによる振動や騒音の車体への伝播等を常時確実に防止することができる。
加えて、この第11の実施例においても、単一構造体の緩衝材4によって、緩衝材設置部3に存する湾曲部1eが共にカバーされることになって、当該湾曲部1eにおける車体2との干渉をも緩和することができる。