JP6007060B2 - ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂 - Google Patents
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Description
水酸基を含有する共役ジエン重合体またはその水素添加物(A1)を含有する活性水素基含有成分(A)と、
ポリイソシアネート成分(B)と、
難燃剤(C)と、
ベンゾトリアゾール系化合物(D)と、
アルカリ土類金属化合物(E)とを備えたことを特徴とする。
従って、上記成分(A)〜(E)を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物によれば、防錆性に優れた硬化物の形成が可能となる。
かかるポリブタジエンポオールとしては、例えば、商品名「Poly bd R−45 HT」(出光興産社製)、商品名「Poly bd R−15 HT」(出光興産社製)等のような市販されているものを用いることができる。また、かかるポリイソプレンポリオールとしては、例えば、商品名「Poly ip」(出光興産社製)等のような市販されているものを用いることができる。
また、前記水酸基を含有する共役ジエン重合体の水素添加物は、前記共役ジエン重合体に水素が添加されてなるものであって、遊離水酸基を有するものである。かかる水素添加物としては、例えば、上記例示した共役ジエン重合体に水素が添加されてなるものが挙げられ、具体的には例えば、ポリブタジエンポリオールの水素添加物、ポリイソプレンポリオールの水素添加物等が挙げられる。なお、これらは、水添化ポリブタジエンポリオール、水添化ポリイソプレポリオールとも呼ばれることがある。
かかる水添化ポリブタジエンポリオールとしては、例えば、商品名「NISSO−PB GI−3000」(日本曹達社製)等を用いることができる。また、水添化ポリイソプレポリオールとしては、例えば、「エポール」(出光興産社製)等を用いることができる。
上記ポリエーテルポリオールとしては、水酸基を2つ以上有するポリオールに、アルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルが挙げられ、かかるポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFといった水酸基を2つ有するポリオールや、グリセリンやトリメチロールプロパンといった水酸基を3つ有するポリオールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドといった炭素数が2〜4のアルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオールが挙げられる。
前記水酸基を含有する共役ジエン重合体またはその水素添加物(A1)が上記範囲であることによって、高温湿度環境下においてポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
また、前記活性水素基含有成分(A)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して40〜98重量部が好ましく、60〜95重量部がより好ましい。
前記活性水素基含有成分(A)が上記範囲であることによって、高温湿度環境下においてポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
さらに、前記ポリイソシアネート成分(B)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して2〜60重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。
前記ポリイソシアネート成分(A)が上記範囲であることによって、高温湿度環境下においてポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
前記難燃剤(C)の配合量は、特に限定されるものではないが、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましく、15〜40重量部であることがより好ましい。前記難燃剤(C)の配合量が、5〜50重量部であることによって、ポリウレタン樹脂の難燃性がより優れると共に、高温高湿度環境下でのポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性が優れるという利点がある。
前記アルカリ土類金属化合物(E)がアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物のいずれか1つ以上であることによって、より確実に、防錆性を発揮させることができる。
前記アルカリ土類金属の酸化物としては、例えば、酸化カルシウム(生石灰ともいう。)等が挙げられる。
前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム(消石灰ともいう、)、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
これらのうち、前記アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属がカルシウムまたはマグネシウムであることが好ましく、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムであることがより好ましい。これにより、高温高湿度環境下でのポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
また、前記ベンゾトリアゾール化合物(D)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量を100重量部として、0.005〜2重量部であることが好ましく、0.05〜1.5重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることが更に好ましい。これにより、防錆性により優れるという利点がある。
また、前記アルカリ土類金属化合物(E)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量を100重量部として、0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることが更に好ましい。これにより、上記したような耐久性がより優れるという利点がある。
また、一般のポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
(A1−1) ポリブタジエンポリオール(平均水酸基価:46.6mgKOH/g、分子量Mw:2800、商品名:Poly bd R−45HT、出光興産社製)
(A1−2) ポリイソプレンポリオール(平均水酸基価:46.6mgKOH/g、分子量Mw:2500、商品名:Poly ip、出光興産社製)
(A1−3) 水添化ポリイソプレンポリオール(平均水酸基価:50.5mgKOH/g、分子量Mw:2500、商品名:エポール、出光興産社製)
(A1−4) ポリブタジエンポリオール(平均水酸基価:102.7mgKOH/g、分子量Mw:1200、商品名:Poly bd R−15HT、出光興産社製)
(A’−1) ひまし油
(平均水酸基価:160mgKOH/g、商品名:ひまし油カクトクA、伊藤製油社製)
(B−1) ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート
(遊離イソシアネート基含有量:32.0重量%、商品名:フォームライト500B、BASF INOAC ポリウレタン社製)
(C−1)トリキシレニルホスフェート(商品名:TXP、大八化学工業社製)
(D−1)1,2,3−ベンゾトリアゾール(商品名:BT−120、城北化学工業社製)
(D−2)トリルトリアゾール(商品名:SEETEC TT−R、シプロ化成社製)
(E−1)水酸化カルシウム(商品名:水酸化カルシウム 特級、ナカライテスク社製)
(E−2)酸化カルシウム(商品名:酸化カルシウム、和光純薬工業社製)
(E−3)水酸化マグネシウム(商品名:水酸化マグネシウム、和光純薬工業社製)
まず、無酸素銅板(JIS H3100に記載の合金番号C1020)を、0.1mm×5mm×14mmに切り出した。続いて、切り出した片における長辺方向(14mm)の両端から内側に2mmまでの部分を90度折り曲げることによって、図1に示すように、コの字状の銅板を作製した。そして、図1に示すように、この銅板を、縦10mm、横20mm、高さ20mmのポリプロピレン樹脂製のケースの中央部に設置した。
次に、表1に示す原料のうち、ポリイソシアネート成分(B)以外の成分を混合して、混合物が25℃になるように温度調整を行った。この混合物に、25℃に温度調整したポリイソシアネート成分(B)を添加し、自転・公転ミキサー(商品名:あわとり練太郎ARE−310、シンキー社製)を用いて、回転数2000rpmで1分間撹拌した。得られた混合液を、図1に示すように上記銅板を設置したポリプロピレン樹脂製ケースに2g流し込み、上記銅板全てを上記混合液中に浸漬させた後、この状態で60℃で24時間養生することによって、上記混合物を硬化させた。この作業を、表1及び表2に示す配合ごとに行って、上記銅板を内部に含有するポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物(ポリウレタン樹脂)をそれぞれ作製した。
下記に示す耐久性試験及び銅の溶出量測定によってポリウレタン樹脂の耐久性及び防錆性を評価した。
得られた硬化物を、ポリプロピレン樹脂製ケースごとに121℃、100%RH、2atmの条件で保存し、促進試験を行った。保存開始後、8時間毎に硬化物の性状を目視によって確認し、最初に樹脂の溶解が確認された時間を測定した。結果を表1及び表2に示す。この時間が長いほど、加水分解が抑制され、耐久性に優れると評価される。
上記耐久性試験の条件で200時間保存した。この保存により、全てのポリプロピレン樹脂製ケース中の硬化物が溶解した。かかる保存後、各ポリプロピレン樹脂製ケースから上記銅板を取り出した。各ケースに残された溶解物を、JIS K0102に従って、硝酸と硫酸とを添加させて溶解物を分解させ、この液に水を加えて、総量が100mLとなるようにそれぞれ希釈した。得られた各希釈液について、JIS K0102に従って、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法によって発光強度を測定し、検量線を用いて銅の溶出量を算出した。結果を表1及び表2に示す。この溶出量が少ないほど、防錆性に優れると評価される。
これに対し、比較例5に、さらにベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有させた実施例1では、防錆性が極めて大きく向上した。また、耐久性も大きく向上した。かかる耐久性の向上は、硬化物の加水分解が抑制されたことを示すと考えられる。
また、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)の種類を変更した実施例2、6、7においても、実施例1と同様の結果が得られた。
さらに、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)の配合比率を変更した実施例3、4、5においても、実施例1と同様の結果が得られた。
水酸基を含有する共役ジエン重合体またはその水素添加物(A1)の種類や水酸基価(平均分子量)を変更した実施例8、9、10においても、実施例1と同様の結果が得られた。
Claims (2)
- 水酸基を含有する共役ジエン重合体またはその水素添加物(A1)を含有する活性水素基含有成分(A)と、
ポリイソシアネート成分(B)と、
難燃剤(C)と、
ベンゾトリアゾール系化合物(D)と、
アルカリ土類金属化合物(E)とを備え、
前記アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属酸化物及びアルカリ土類金属水酸化物のいずれか1つ以上であることを特徴とするポリウレタン樹脂形成性組成物。 - 請求項1に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなることを特徴とするポリウレタン樹脂。
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