JP5926662B2 - ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂に関する。
従来、電気絶縁材料としてポリウレタン樹脂形成性組成物が広く用いられている。かかるポリウレタン樹脂形成性組成物は、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを含有するものである。該ポリウレタン樹脂形成性組成物を電気部品や電子部品の回路基板上に塗布した後、ポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させて硬化させることによって、硬化物としてのポリウレタン樹脂が形成される。
この種のポリウレタン樹脂形成性組成物としては、防災的見地から添加した難燃剤に起因する加水分解を防止し得るものとして、例えば、ポリオール成分とポリイソシアネート成分と、リン系難燃剤と、金属水酸化物及び金属酸化物の少なくとも1つとを含有するポリウレタン樹脂形成性組成物が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、かかるポリウレタン樹脂形成性組成物は、硬化物の加水分解を防止し得るものの、その防錆性は十分とはいえない。
また、銅製の回路配線を有する基板上に塗布され硬化された場合に、銅の溶出を抑制して錆の発生を防止し得るものとして、ポリオール成分とポリイシシアネート成分とベンゾトリアゾール系化合物とを含有するポリウレタン樹脂形成性組成物が提案されている(特許文献2)。
特開平2003−165903号公報 特開平08−120049号公報
しかし、特許文献2のポリウレタン樹脂形成性組成物でも、硬化物の防錆性は未だ十分とはいえない。
本発明は、上記問題点等に鑑み、防錆性に優れたポリウレタン樹脂の形成を可能とするポリウレタン樹脂形成性組成物を提供することを課題とする。また、防錆性に優れたポリウレタン樹脂を提供することを課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討したところ、ポリウレタン樹脂形成性組成物に、ポリイソシアネート成分及び難燃剤に加えて、ポリオール成分としてのポリエーテルポリオール成分と、ベンゾトリアゾール化合物と、アルカリ土類金属化合物とを含有させることによって、意外にも、形成された硬化物が顕著に防錆性を発揮することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係るポリウレタン樹脂形成性組成物は、
ポリエーテルポリオール成分(A1)を含有する活性水素基含有成分(A)と、
ポリイソシアネート成分(B)と、
難燃剤(C)と、
ベンゾトリアゾール系化合物(D)と、
アルカリ土類金属化合物(E)とを備えたことを特徴とする。
かかる構成によれば、ポリウレタン樹脂形成性組成物が、ポリイソシアネート成分(B)、難燃剤(C)に加え、ポリエーテルポリオール成分(A1)、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有していることによって、形成された硬化物の防錆性が優れたものとなる。
従って、上記成分(A)〜(E)を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物によれば、防錆性に優れた硬化物の形成が可能となる。
また、上記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、前記アルカリ土類金属化合物が、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物のいずれか1つ以上であることが好ましい。
かかる構成によれば、より確実に、防錆性に優れた硬化物の形成が可能となる。
本発明に係るポリウレタン樹脂は、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなることを特徴とする。
本発明のポリウレタン樹脂形成性組成物は、防錆性に優れたポリウレタン樹脂を形成すことを可能とする。また、本発明に係るポリウレタン樹脂は、防錆性に優れる。
実施例において銅板がポリウレタン樹脂形成性組成物中に浸漬された状態を示す概略図
以下、本発明に係るポリウレタン樹脂形成性組成物の一実施形態について説明する。
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物は、ポリエーテルポリオール成分(A1)を含有する活性水素基含有成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)と、難燃剤(C)と、ベンゾトリアゾール系化合物(D)と、アルカリ土類金属化合物(E)とを備えている。
このようにポリウレタン樹脂形成性組成物が、ポリイソシアネート成分(B)、難燃剤(C)に加え、ポリエーテルポリオール成分(A1)、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有していることによって、形成された硬化物の防錆性が優れたものとなる。
前記ポリウレタン樹脂形成性組成物は、ポリエーテルポリオール成分(A1)を含有する活性水素基含有成分(A)と、ポリイソシアネート成分(B)とを少なくとも用いて作製されたものである。かかるポリウレタン樹脂形成性組成物中の水酸基とイソシアネート基とを反応させることにより、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物が硬化してポリウレタン樹脂になる。また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物がアミノ基を含有している構成を採用することもでき、この場合には、水酸基とアミノ基とイソシアネート基とを反応させることにより、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物が硬化してポリウレタン樹脂になる。本明細書においては、このようにイソシアネート基と反応し得る置換基を、活性水素基という。
前記ポリエーテルポリオール成分(A1)は、水酸基を2つ以上有するポリオールに、アルキレンオキサイドが付加されてなるポリエーテルポリオールである。
前記水酸基を2つ以上有する、すなわち2以上の官能性を有するポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等のトリオール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、マンニタン等のテトラオールの他、ソルビトール等の水酸基を6つ有するポリオール、ショ糖等の水酸基を8つ有するポリオール等が挙げられる。これらのうち、前記ポリオールとしては、水酸基を2つ以上8つ以下有するポリエーテルポリオールが好ましい。また、ポリウレタン樹脂に適度な硬度を付与することができ、これによって基板上の実装部品をより保護することが可能になる点を考慮すると、水酸基を2つまたは3つ有するポリオール(ジオールまたはトリオール)がより好ましい。さらに、高温湿度環境下において硬化物の加水分解がより抑制され、これによって硬化物の耐久性がより優れることを考慮すると、水酸基を3つ有するポリオール(トリオール)がさらに好ましい。
前記アルキレンオキサイドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキサイドが好ましい。かかるアルキレンオキサイドとして、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドから選択される1種類または2種類以上の混合物等が挙げられる。
これらのうち、前記アルキレンオキサイドがプロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドから選択される1種類または2種類であることが好ましい。前記アルキレンオキサイドがプロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドから選択される1種類または2種類であることによって、高温高湿度環境下において硬化物の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
前記ポリエーテルポリオール成分(A1)は、平均水酸基価が15〜300mgKOH/gであることが好ましい。平均水酸基価が上記範囲内であることにより、形成された硬化物による基板上の実装部品への負荷をより低減できるという利点がある。
また、前記活性水素基含有成分(A)は、前記ポリイソシアネート成分(B)と反応し得る活性水素基含有成分として、前記ポリエーテルポリオール成分(A1)の他に、例えば、ひまし油およびその誘導体、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール、アミンポリオール、ポリアミン等を含有していてもよい。
前記ポリイソシアネート成分(B)としては、従来公知の一般的なポリイソシアネート化合物が挙げられる。
具体的には、前記ポリイソシアネート成分(B)としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート成分(B)としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の脂環族ポリイソシアネートも挙げられる。
また、前記ポリイソシアネート成分(B)としては、例えば、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(ポリメリックMDI)、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の、分子内に芳香環を有する芳香族ポリイソシアネートも挙げられる。
さらに、前記ポリイソシアネート成分(B)としては、上述した各化合物のカルボジイミド体、イソシアヌレート体、ビューレット体、アダクト体等のポリイソシアネート化合物変性体などを用いることもできる。
前記ポリイソシアネート成分(B)としては、前記ポリエーテルポリオール成分(A1)との反応性により優れている点で、前記芳香族ポリイソシアネートが好ましく、前記ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネートがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオール成分(A1)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して20〜98重量部が好ましく、30〜95重量部がより好ましい。
前記ポリエーテルポリオール成分(A1)が上記範囲であることによって、高温湿度環境下においてポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
また、前記活性水素基含有成分(A)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して40〜98重量部が好ましく、60〜95重量部がより好ましい。
前記活性水素基含有成分(A)が上記範囲であることによって、高温湿度環境下においてポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
さらに、前記ポリイソシアネート成分(B)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して2〜60重量部が好ましく、5〜40重量部がより好ましい。
前記ポリイソシアネート成分(B)が上記範囲であることによって、高温湿度環境下においてポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
前記難燃剤(C)としては、リン系難燃剤、ハロゲン系難燃剤といった従来公知の一般的な難燃剤が挙げられる。リン系難燃剤としては、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェートなどのリン酸エステルが挙げられる。ハロゲン系難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールAエポキシオリゴマーなどの臭素含有化合物が挙げられる。これらのうち、リン系難燃剤が好ましい。前記難燃剤(C)がリン系難燃剤であると、硬化物たるポリウレタン樹脂において加水分解が生じ易いが、本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物によれば、加水分解が抑制され得る。また、リン系難燃剤を用いることによって、硬化物の透明性の低下を防止し得る。従って、これらの点において、前記難燃剤(C)がリン系難燃剤であることが好ましい。
前記難燃剤(C)の配合量は、特に限定されるものではないが、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量100重量部に対して5〜50重量部であることが好ましく、15〜40重量部であることがより好ましい。前記難燃剤(C)の配合量が、5〜50重量部であることによって、ポリウレタン樹脂の難燃性がより優れると共に、高温高湿度環境下でのポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性が優れるという利点がある。
前記ベンゾトリアゾール系化合物(D)としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール(メチルベンゾトリアゾール)、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール等が挙げられる。
前記アルカリ土類金属化合物(E)としては、例えば、アルカリ土類金属の酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物、及び、これらの混合物が挙げられる。
前記アルカリ土類金属化合物(E)がアルカリ土類金属の酸化物または水酸化物のいずれか1つ以上であることによって、より確実に、防錆性を発揮させることができる。
前記アルカリ土類金属の酸化物としては、例えば、酸化カルシウム(生石灰ともいう。)等が挙げられる。
前記アルカリ土類金属の水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム(消石灰ともいう、)、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
これらのうち、前記アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属がカルシウムまたはマグネシウムであることが好ましく、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムであることがより好ましい。これにより、高温高湿度環境下でのポリウレタン樹脂の加水分解がより抑制されるため、その耐久性がより優れるという利点がある。
前記ベンゾトリアゾール化合物(D)と前記アルカリ土類金属化合物(E)の重量比は、1:0.05〜1:5であることが好ましく、1:0.1〜1:3であることがより好ましく、1:0.2〜1:2であることがさらに好ましい。これにより、防錆性と上記した加水分解抑制による耐久性とがより優れるという利点がある。
また、前記ベンゾトリアゾール化合物(D)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量を100重量部として、0.005〜2重量部であることが好ましく、0.05〜1.5重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることが更に好ましい。これにより、防錆性により優れるという利点がある。
また、前記アルカリ土類金属化合物(E)は、前記活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との合計量を100重量部として、0.05〜5重量部であることが好ましく、0.1〜3重量部であることがより好ましく、0.1〜1重量部であることが更に好ましい。これにより、上記したような耐久性がより優れるという利点がある。
また、前記活性水素基含有成分(A)が上記したポリエーテルポリオール成分(A1)以外の成分を含有する場合には、これらの含有量は、活性水素基含有成分(A)と前記ポリイソシアネート成分(B)との配合比が、前記活性水素基含有成分(A)中の活性水素基1.0モルに対して、イソシアネート基が0.5〜1.2モルとなるように設定されればよい。前記活性水素基1.0モルに対してイソシアネート基が上記範囲内であることによって、ポリウレタン樹脂の硬化性がより優れるとともに、基板上の実装部品への負荷をより低減できるという利点がある。
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物は、前記ポリエーテルポリオール成分(A1)を含む活性水素基含有成分と、前記ポリイソシアネート成分(B)との反応を促進させるための一般的な触媒が含まれていてもよい。また、可塑剤、顔料、消泡剤、硬化触媒など、ポリウレタン樹脂形成性組成物に一般的に使用される添加剤が含まれていてもよい。
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物は、前記ポリエーテルポリオール成分(A1)、前記ポリイソシアネート成分(B)、前記難燃剤(C)、前記ベンゾトリアゾール化合物(D)及び前記アルカリ土類金属化合物(E)を、それぞれ従来公知の一般的な方法で混合することによって調製することができる。
また、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物においては、前記ポリエーテルポリオール成分(A1)を含有する活性水素基含有成分と、前記ポリイソシアネート成分(B)を含有するポリイソシアネート基含有成分との2液を含有することが好ましい。この場合、前記難燃剤(C)、前記ベンゾトリアゾール化合物(D)及び前記アルカリ土類金属化合物(E)は、それぞれ前記活性水素基含有成分または前記ポリイソシアネート基含有成分のいずれかに含有されていればよい。
このように、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物が活性水素基含有成分とポリイソシアネート基含有成分との2液型の場合には、各活性水素基含有成分及びポリイソシアネート基含有成分を、それぞれ従来公知の一般的な方法で混合することによって調製すればよい。
次に、本発明のポリウレタン樹脂の一実施形態について説明する。
本実施形態のポリウレタン樹脂は、前記ポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなるものである。
前記ポリウレタン樹脂は、一般的な方法によって製造することができる。具体的には、例えば、前記ポリエーテルポリオール成分(A1)、ポリイソシアネート成分(B)、難燃剤(C)、ベンゾトリアゾール化合物(D)、及び、アルカリ土類金属化合物(E)を混合し、混合物を銅製の回路基板等に塗布し、活性水素基とイソシアネート基とを反応させることによって、該基材上に配されたポリウレタン樹脂(硬化物)を製造することができる。
本実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂が適用される用途は、特に限定されるものではないが、電気部品や電子部品の回路基板、例えば銅製の回路配線を有する基板上に配される電気絶縁材料に好適に用いられる。
上記実施形態のポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂は、上記例示の通りであるが、本発明は、上記例示のポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂に限定されるものではない。また、本発明の作用効果も、上記実施形態に限定されるものではない。
また、一般のポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂において用いられる種々の態様を、本発明の効果を損ねない範囲において、採用することができる。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下に、ポリウレタン樹脂形成性組成物及びポリウレタン樹脂を製造するための原料の詳細について説明する。
(A1)ポリエーテルポリオール成分
(A1−1) グリセリン1モルにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:168mgKOH/g)
(A1−2) グリセリン1モルにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:56mgKOH/g)
(A1−3) グリセリン1モルにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:34mgKOH/g)
(A1−4) グリセリン1モルにブチレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:168mgKOH/g)
(A1−5) トリメチロールプロパン1モルにプロピレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオール(平均水酸基価:168mgKOH/g)
(A’)上記(A1)以外のポリオール成分
(A’−1) ひまし油
(平均水酸基価:160mgKOH/g、商品名:ひまし油カクトクA、伊藤製油社製)
上記平均水酸基価は、JIS K1557−1(A法)に従って求めた。
(B)ポリイソシアネート成分
(B−1) ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート
(遊離イソシアネート基含有量:32.0重量%、商品名:フォームライト500B、BASF INOAC ポリウレタン社製)
上記遊離イソシアネート基含有量は、JIS K 1603−1に準拠して測定した。
(C)難燃剤
(C−1)トリキシレニルホスフェート(商品名:TXP、大八化学工業社製)
(D)ベンゾトリアゾール系化合物
(D−1)1,2,3−ベンゾトリアゾール(商品名:BT−120、城北化学工業社製)
(D−2)トリルトリアゾール(商品名:SEETEC TT−R、シプロ化成社製)
(E)アルカリ土類金属化合物
(E−1)水酸化カルシウム(商品名:水酸化カルシウム 特級、ナカライテスク社製)
(E−2)酸化カルシウム(商品名:酸化カルシウム、和光純薬工業社製)
(E−3)水酸化マグネシウム(商品名:水酸化マグネシウム、和光純薬工業社製)
(実施例1〜12、比較例1〜16)
まず、無酸素銅板(JIS H3100に記載の合金番号C1020)を、0.1mm×5mm×14mmに切り出した。続いて、切り出した片における長辺方向(14mm)の両端から内側に2mmまでの部分を90度折り曲げることによって、図1に示すように、コの字状の銅板を作製した。そして、図1に示すように、この銅板を、縦10mm、横20mm、高さ20mmのポリプロピレン樹脂製のケースの中央部に設置した。
次に、表1に示す原料のうち、ポリイソシアネート成分(B)以外の成分を混合して、混合物が25℃になるように温度調整を行った。この混合物に、25℃に温度調整したポリイソシアネート成分(B)を添加し、自転・公転ミキサー(商品名:あわとり練太郎ARE−310、シンキー社製)を用いて、回転数2000rpmで1分間撹拌した。得られた混合液を、図1に示すように上記銅板を設置したポリプロピレン樹脂製ケースに2g流し込み、上記銅板全てを上記混合液中に浸漬させた後、この状態で60℃で24時間養生することによって、上記混合物を硬化させた。この作業を、表1及び表2示す配合ごとに行って、上記銅板を内部に含有するポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物(ポリウレタン樹脂)をそれぞれ作製した。
<評価>
下記に示す耐久性試験及び銅の溶出量測定によってポリウレタン樹脂の耐久性及び防錆性を評価した。
<耐久性試験>
得られた硬化物を、ポリプロピレン樹脂製ケースごとに121℃、100%RH、2atmの条件で保存し、促進試験を行った。保存開始後、8時間毎に硬化物の性状を目視によって確認し、最初に樹脂の溶解が確認された時間を測定した。結果を表1及び表2に示す。この時間が長いほど、加水分解が抑制され、耐久性に優れると評価される。
<銅の溶出量測定>
上記耐久性試験の条件で200時間保存した。この保存により、全てのポリプロピレン樹脂製ケース中の硬化物が溶解した。かかる保存後、各ポリプロピレン樹脂製ケースから上記銅板を取り出した。各ケースに残された溶解物を、JIS K0102に従って、硝酸と硫酸とを添加させて溶解物を分解させ、この液に水を加えて、総量が100mLとなるようにそれぞれ希釈した。得られた各希釈液について、JIS K0102に従って、ICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析法によって発光強度を測定し、検量線を用いて銅の溶出量を算出した。結果を表1及び表2に示す。この溶出量が少ないほど、防錆性に優れると評価される。
Figure 0005926662
Figure 0005926662
表1及び表2に示すように、活性水素基含有成分(A)としてポリエーテルポリオール成分(A1)、ポリイソシアネート成分(B)及び難燃剤(C)を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物(比較例5、比較例13、比較例16)に、さらにベンゾトリアゾール化合物(D)を含有させた比較例1、比較例11、比較例14では、耐久性は大きく向上することがなかったが、防錆性は大きく向上した。また、比較例5、比較例13、比較例16に、さらにアルカリ土類金属化合物(E)を含有させた比較例3、比較例12、比較例15では、耐久性は大きく向上したが、比較例3では、防錆性は返って低下し、比較例12、比較例15では、防錆性はほとんど向上しなかった。
これに対し、比較例5、13、16に、さらにベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有させた実施例1、11、12では、防錆性が極めて大きく向上した。また、耐久性も大きく向上した。かかる耐久性の向上は、硬化物の加水分解が抑制されたことを示すと考えられる。
このような傾向は、活性水素基含有成分(A)としてポリエーテルポリオール(A1)及びひまし油(A’)を含有する場合においても、同様に見られた(比較例2、4、6実施例10)。
また、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)の種類を変更した実施例2、6、7においても、実施例1と同様の結果が得られた。
さらに、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)の配合比率を変更した実施例3、4、5においても、実施例1と同様の結果が得られた。
ポリエーテルポリオール(A1)の水酸基価を変更した実施例8、9においても、実施例1と同様の結果が得られた。
一方、活性水素基含有成分としてひまし油のみを用いた場合には、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有しない比較例10と比較して、ベンゾトリアゾール化合物(D)を含有させた比較例8では、耐久性がほとんど変わらない一方、防錆性が大きく向上した。また、比較例10に、アルカリ土類金属化合物(E)を含有させた比較例9では、耐久性は大きく向上したが、防錆性はあまり大きく向上しなかった。さらに、比較例10に、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有させた比較例7では、比較例8と同程度の防錆性が得られるに過ぎなかった。
以上の結果、ポリエーテルポリオール(A1)、ポリイソシアネート成分(B)及び難燃剤(C)、ベンゾトリアゾール化合物(D)及びアルカリ土類金属化合物(E)を含有するポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物は、ポリエーテルポリオール(A1)、ベンゾトリアゾール化合物(D)またはアルカリ土類金属化合物(E)のいずれかを有しないポリウレタン樹脂形成性組成物の硬化物よりも、顕著に優れた防錆性を発揮し得ることがわかった。また、耐久性も向上させ得ることがわかった。

Claims (3)

  1. ポリエーテルポリオール成分(A1)を含有する活性水素基含有成分(A)と、
    ポリイソシアネート成分(B)と、
    難燃剤(C)と、
    ベンゾトリアゾール系化合物(D)と、
    アルカリ土類金属化合物(E)とを備え
    前記難燃剤(C)が、リン系難燃剤であることを特徴とするポリウレタン樹脂形成性組成物。
  2. 前記アルカリ土類金属化合物は、アルカリ土類金属酸化物またはアルカリ土類金属水酸化物のいずれか1つ以上であることを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂形成性組成物。
  3. 請求項1または2に記載のポリウレタン樹脂形成性組成物を硬化してなることを特徴とするポリウレタン樹脂。
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