JP2010150472A - ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い体積固有抵抗値を長期に亘って維持し得て、高温条件下における硬度変化が小さいことから長期に亘って基材に十分密着し、発生する多量の熱を外部に放出し得るポリウレタン樹脂組成物、及びこれを硬化させたポリウレタン樹脂を提供すること。
【解決手段】
(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリブタジエンポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂中に、(C)無機充填材と、(D)変性ひまし油可塑剤とを含有しているポリウレタン樹脂組成物であって、前記(B)ポリブタジエンポリオールにおける1,2−ビニル構造の比率が、85モル%を超えているものを使用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂に関し、より詳細には、高い体積固有抵抗値を長期に亘って維持し得て、高温条件下における硬度変化が小さいことから長期に亘って基材に十分密着し、発生する多量の熱を外部に放出し得るポリウレタン樹脂組成物、及びこれを硬化させたポリウレタン樹脂に関する。
従来より、電化製品等に使用される電子回路の基板においては、電子部品を湿気等から保護するために体積抵抗値の高い難燃性の放熱性ポリウレタン樹脂組成物等からなる封止材によって基板全体を封止することが行われている(特許文献1)。しかし、電子回路の基板には、動作時に発熱する多くの電子部品が取り付けられ、近年ではLSI等に見られるように電子回路の集積化及び高機能化が為されているため、放熱量の増大とともにその発熱も局部的なものとなってきている。このように電子部品から発生する熱を効率よく除去するためには、封止材が回路基板や電子部品に長期間密着していることが必要なため、高温条件下における硬度上昇が小さいことが必要である。また、封止剤として使用される放熱性ポリウレタン樹脂は、上述のように電子部品に密着した状態で使用されるため、長期に亘って高い体積固有抵抗値を維持し得ることも必要とされる。
このような点に鑑み、従来の問題点を解決すべく、種々の放熱性ポリウレタン樹脂組成物の開発が行われている(特許文献2〜7)。しかしながら、すべての性能において満足し得る放熱性ポリウレタン樹脂組成物は得られておらず、特に、高い体積固有抵抗値を長期に亘って維持し得て、高温条件下における硬度変化が小さいことから長期に亘って基材に十分密着し、発生する多量の熱を外部に放出し得るポリウレタン樹脂組成物は得られていないというのが実情である。
特開2000−226426号公報 特開2002−121529号公報 特開2002−134666号公報 特開2003−133493号公報 特開2003−138130号公報 特開2004−300300号公報 特開2007−131830号公報
本発明は上記従来技術に鑑みて為されたものであり、本発明の目的は、高い体積固有抵抗値を長期に亘って維持し得て、高温条件下における硬度変化が小さいことから長期に亘って基材に十分密着し、発生する多量の熱を外部に放出し得るポリウレタン樹脂組成物、及びこれを硬化させたポリウレタン樹脂を提供することである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリブタジエンポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂中に、(C)無機充填材と、(D)変性ひまし油可塑剤とを含有しているポリウレタン樹脂組成物であって、前記(B)ポリブタジエンポリオールにおける1,2−ビニル構造の比率が、85モル%を超えていることを特徴とする。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、(A)ポリイソシアネートとして多官能のものを使用しているため、得られるポリウレタンポリマーがネットワーク状に形成される。一方、ポリオールとしては、1,2−ビニル構造の比率が高い(B)ポリブタジエンポリオールを使用しているため、生成するポリウレタン樹脂の高温条件下における硬度上昇が小さくなる。その結果、(C)無機充填材を配合した場合にも、得られるポリウレタン樹脂は、長期に亘って基材に十分密着し、発生する多量の熱を外部に放出し得るものとなる。
また、上記に加えて、一般式(1)で表される(E)リン酸エステルを配合すれば、(C)無機充填材を高い配合比率で使用した場合にも、ポリウレタン樹脂組成物の混合初期粘度を比較的低くすることができる。
本発明のポリウレタン樹脂は、上記ポリウレタン樹脂組成物を硬化させることにより得られる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂は、高い体積固有抵抗値を長期に亘って維持し得るので、長期間使用しても回路を構成する電子部品等の機能に影響を与えることもない。また、高温条件下における硬度上昇が小さく、長期に亘って基材に十分密着し得るので、電子部品に密着して発生する多量の熱を外部に放出する機能を長期に亘って維持することができる。
本発明のポリウレタン樹脂成分は、(A)ポリイソシアネートと、特定の構造を有する(B)ポリブタジエンポリオールとを反応させて得られる。ここで使用し得る(A)ポリイソシアネートとしては、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネートを挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、テトラメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、α,α,α,α−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
また、これらの有機ポリイソシアネートのカルボジイミド体、アロハネート体、ビューレット体、イソシアヌレート体、アダクト体等の変性体を挙げることができる。尚、これらは、単独で又は2種以上を併用して用いることもできる。
これらのうち、特に、変色が起こりにくいという観点から、脂肪族ポリイソシアネートおよび脂環族ポリイソシアネートが好ましく、ヘキサメチレンジイソシアネート変性イソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネート変性ビューレット体、及びヘキサメチレンジイソシアネート変性アダクト体がより好ましい。
また、本発明においては、上記ポリイソシアネートと特定の構造を有する(B)ポリブタジエンポリオールとをイソシアネート基過剰条件で反応させて得られるウレタンプレポリマーを(A)ポリイソシアネートとして使用してもよい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される上記の特定の構造を有するポリオールは、以下に示すポリブタジエンポリオールである。ポリブタジエンの骨格構造には、シス−1,4構造、トランス−1,4構造及び1,2−ビニル構造の3種類があるが、本発明では、1,2−ビニル構造の比率が85モル%を超える範囲にあるポリブタジエンポリオールが使用される。また、ポリオールとして、前述の(A)ポリイソシアネートと前記特定の構造を有する(B)ポリブタジエンポリオールとを水酸基過剰条件で反応させて得られるものを使用してもよい。このように1,2−ビニル構造の比率を多くすることにより、生成するポリウレタン樹脂の高温条件下における硬度上昇が小さくなる。
また、(B)ポリブタジエンポリオールの水酸基の平均官能基数は、1.5〜2.1の範囲であることが好ましい。水酸基の平均官能基数がこの範囲より小さいと、得られる樹脂の耐熱性が低くなり、この範囲より大きいと、樹脂が硬くなり、基材に十分に密着できなくなる場合があるからである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物においては、(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリブタジエンポリオールとの比率は、(A)ポリイソシアネートのイソシアネート基と、(B)ポリブタジエンポリオールの水酸基とのモル比(NCO/OH)が0.3〜1.1の範囲内であることが好ましい。イソシアネート基と水酸基のモル比がこの範囲より小さいと、得られる樹脂の耐熱性が低くなり、この範囲より大きいと、樹脂が硬くなり、基材に十分に密着できなくなる場合があるからである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される(C)無機充填材としては、電気伝導度が小さいものを使用することが好ましい。具体的には、(C)無機充填材と水とを8/80(無機充填材/水)の重量比で混合した後、80℃で13時間放置後の上澄み液の電気伝導度が40μS/cm以下となるものである。このような(C)無機充填材として、例えば、アルミナなどの金属酸化物、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物などを挙げることができる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、さらに放熱性を高めるために金属窒化物を配合することもできる。このような金属窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化ホウ素などが挙げられる。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される(D)変性ひまし油可塑剤としては、メチルアセチルリシノレート、ブチルアセチルリシノレート、アセチル化リシノール酸トリグリセリド、アセチル化ポリリシノール酸トリグリセリド等を挙げることができる。(D)変性ひまし油を可塑剤として配合すれば、(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリブタジエンポリオールと、(C)無機充填材とを配合したときの粘度を低減することができ、本発明のポリウレタン樹脂組成物の製造が容易となる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物においては、前述の(A)ポリイソシアネートと、(B)ポリブタジエンポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂と、(C)無機充填材と、(D)変性ひまし油可塑剤との配合割合が、1〜69重量%/30〜95重量%/1〜30重量%の範囲であることが好ましい。上記配合割合が上記範囲を外れると、ポリウレタン樹脂組成物の熱伝導率が低下したり、また、製造時の粘度が上昇するなど、好ましくない事態を引き起こす場合がある。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物には、一般式(1)で表される(E)リン酸エステルを更に配合することができる。
Figure 2010150472
ここで、Rは炭素数1〜30の炭化水素基、mは0〜20の整数、nは1〜20の整数、R’はOH又は一般式(2)に示す基であり、一般式(1)及び一般式(2)において、R”はCH3又はCH2CH3であり、「/」はその左右に記載されているオキシアルキレン基がブロック付加でもランダム付加でもよいことを表している。
Figure 2010150472
この(E)リン酸エステルは、例えば、炭素数1〜30のモノアルコールに公知の方法によりアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルモノオールと、無水リン酸とを反応させて得ることができる。なお、上記アルキレンオキサイドは、エチレンオキサイドを必須成分とするものであればよく、プロピレンオキサイドやブチレンオキサイドを併用することもできる。更に、アルキレンオキサイドの付加モル数や、ポリエーテルモノオールと無水リン酸との反応割合は、上記一般式(1)の条件を満たすように適宜選択されるものである。
本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用される一般式(1)で表される(E)リン酸エステルの配合量は、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、0.01〜2重量%の範囲が好ましく、0.01〜1重量%の範囲がより好ましい。上記範囲を超えると、使用量の増加による更なる減粘効果は得られ難くなるとともに、ポリウレタン樹脂の物性も低下する傾向が現れ、また、上記範囲未満では、(E)リン酸エステルの添加による減粘効果が得られない。
本発明のポリウレタン樹脂組成物には、酸化防止剤など、必要に応じて各種の添加剤を添加することができる。例えば、酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール含有酸化防止剤、フェニルジイソデシルホスファイトなどのリン含有酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオン酸エステルなどのイオウ含有酸化防止剤、2,4−ビス(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンなどのフェノールとイオウとを一分子中に含有する酸化防止剤などを挙げることができる。酸化防止剤を用いる場合、ポリウレタン樹脂組成物を100重量%とした場合に、0.01〜5重量%の範囲で添加することが好ましい。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物の調製に際しては、ポリウレタン樹脂の硬化を早めるために触媒を添加してもよい。触媒としては、通常、ポリウレタン樹脂の製造に使用される、金属触媒やアミン系触媒を使用することができる。金属触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ジブチルチンジオクテートなどの錫触媒、オクチル酸鉛、オクテン酸鉛、ナフテン酸鉛などの鉛触媒、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマスなどのビスマス触媒などを挙げることができる。アミン系触媒としては、ジエチレントリアミンなどを挙げることができる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、硬化後のタイプAによる硬度が80以下となることが好ましい。また、121℃で相対湿度100%の条件下に100時間放置した後の体積固有抵抗値が109Ω・cm以上であることが好ましい。更に、硬化後の熱伝導率が1W/m・K以上であることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂は、ポリウレタン樹脂組成物を硬化させることにより得られるものである。この樹脂は、150℃で60時間放置後のタイプAによる硬度が90以下であることが好ましい。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明のポリウレタン樹脂組成物及びポリウレタン樹脂について詳細に説明する。なお、本明細書中に於ける「部」、「%」は、特に明示した場合を除き、「重量部」、「重量%」をそれぞれ表している。
表1に、本発明の実施例及び比較例において使用するポリオールについて、1,2−ビニル構造の比率(モル)と、水酸基価(OHV)と、水酸基の平均官能基数をまとめて示した。
Figure 2010150472
また、表2に、本発明の実施例及び比較例において(C)無機充填材として使用する種々の平均粒子径を有する各種のアルミナ及び水酸化アルミニウムの電気伝導度を調べた結果を示した。電気伝導度は、(C)無機充填材/水=8/80の重量比で混合した後、80℃で13時間放置後の上澄み液の電気伝導度を測定することにより調べた。
Figure 2010150472
(E−1:リン酸エステルの合成)
ラウリルアルコールを出発物質とし、プロピレンオキサイド2モルおよびエチレンオキサイド8モルを公知の方法でブロック付加して、ラウリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物を得た。
続いて、四つ口フラスコに、上記ラウリルアルコールのアルキレンオキサイド付加物300gと、無水リン酸27.1gとを、モル比2.4:1にて仕込み、撹拌しながら70℃にて4時間反応を行い、リン酸エステルE−1(リン酸のOH基の理論上の置換数1.2)を得た。
(実施例1〜7)
表3に示す配合により、実施例1〜7のポリウレタン樹脂組成物を調製した。調製に際しては、表3に示す成分のうち、(A)ポリイソシアネート成分を除く成分を混合し、この混合物にイソシアネート成分を加えることにより、各実施例のポリウレタン樹脂組成物を得た。
なお、ポリウレタン樹脂組成物の調製する方法として、(A)ポリイソシアネートの全量と、(B)ポリブタジエンポリオールの一部と、(D)変性ひまし油可塑剤の一部とを混合してポリウレタンプレポリマー含有物を予め調製しておくと共に、(B)ポリブタジエンポリオールの残量と、(D)変性ひまし油可塑剤の残量と、残りの他の成分とを混合した混合物とを予め調製しておき、前記ポリウレタンプレポリマー含有物と前記混合物とを混合してもよい。このようにポリウレタンプレポリマー含有物を予め調製しておく方法によれば、前述の(A)ポリイソシアネート成分を後から加える方法に比較して、硬化速度が速くなり、製造効率が向上するという利点がある。
次に、上記ポリウレタン樹脂組成物を用いてポリウレタン樹脂の試験片を作製した。まず、上記ポリウレタン樹脂組成物を110×110×10mmの金型に充填し、蓋をして23℃×48時間養生した後、これを脱型してポリウレタン樹脂の試験片を得た。
Figure 2010150472
(比較例1〜7)
表4に示す配合により、実施例1〜7と同様にして比較例1〜7のポリウレタン樹脂組成物を得た。また、これらのポリウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1〜7と同様にしてポリウレタン樹脂の試験片を作製した。なお、比較例7は、ポリウレタン樹脂組成物の粘度が非常に高く、十分な混合ができなかったため、均一なポリウレタン樹脂を製造することができなかった。
Figure 2010150472
<性能試験>
上記で得られた実施例1〜7及び比較例1〜7のポリウレタン樹脂組成物について、混合初期粘度を測定した。また、上記で得られた実施例1〜7及び比較例1〜6のポリウレタン樹脂の試験片について、初期及び150℃で60時間放置後の硬度(タイプA)、初期及び121℃で相対湿度100%の下100時間放置後の体積固有抵抗値、熱伝導率、及び難燃性の評価を行った。各試験結果を表3及び表4に併せて示した。各試験方法は、以下に示すとおりである。
(混合初期粘度)
ポリウレタン樹脂組成物の調製時の粘度をBH型粘度計を用いて25℃で測定した。
(硬度(タイプA))
硬度(タイプA)は、JIS K6253に従って測定した。
(熱伝導率)
熱伝導率は、JIS R2618に従い、熱伝導率計(京都電子工業(株)製、QTM−D3)を用いて測定した。
(体積固有抵抗値)
体積固有抵抗は、ADVANTEST社製、TR8601を使用して、測定開始から5分後の値を体積固有抵抗値とした。
(難燃性)
難燃性は、UL規格のUL94(プラスチック材料の難燃性)に従って測定した。
(試験結果)
全体的な傾向として、実施例1〜7のポリウレタン樹脂組成物は、比較例1〜6の組成物に比較して混合初期の粘度が低かった。これは、(D)変性ひまし油可塑剤を添加したことによる効果が大きいと考えられる。
初期及び150℃で60時間放置後の硬度については、実施例1〜7の方が比較例1〜6よりも硬度上昇が小さいことから、基材に十分に密着し得ることが分かる。
体積固有抵抗値については、初期及び121℃で相対湿度100%の下100時間放置後の何れにおいても、実施例1〜7のポリウレタン樹脂組成物は、実用レベルであった。これに対して、比較例1〜6のポリウレタン樹脂組成物は、何れも低い体積固有抵抗値を示した。
熱伝導率については、実施例1〜7及び比較例1〜6の何れのポリウレタン樹脂組成物も高かった。特に、アルミナの配合比率の大きい実施例7の熱伝導率が高かった。
難燃性については、実施例1〜7及び比較例1〜6の何れのポリウレタン樹脂組成物も、良好であった。
本発明のポリウレタン樹脂組成物は、ポリウレタン樹脂とすれば、高い体積固有抵抗値を維持し、高温条件下における硬度変化が小さいことから長期に亘って基材に十分密着し、発生する多量の熱を外部に放出し得るので、電気製品、電子部品等の分野で利用が可能である。

Claims (4)

  1. (A)ポリイソシアネートと、(B)ポリブタジエンポリオールとの反応により得られるポリウレタン樹脂中に、(C)無機充填材と、(D)変性ひまし油可塑剤とを含有しているポリウレタン樹脂組成物であって、
    前記(B)ポリブタジエンポリオールにおける1,2−ビニル構造の比率が、85モル%を超えていることを特徴とするポリウレタン樹脂組成物。
  2. 前記ポリウレタン樹脂組成物100重量%とした場合に、30〜95重量%の前記(C)無機充填材が含まれている請求項1に記載のポリウレタン樹脂組成物。
  3. 化1で表される(E)リン酸エステルを更に含有している請求項1又は2に記載のポリウレタン樹脂組成物。
    Figure 2010150472
    (Rは炭素数1〜30の炭化水素基、mは0〜20の整数、nは1〜20の整数、R’はOH又は一般式(2)に示す基であり、一般式(1)及び一般式(2)において、R”はCH3又はCH2CH3であり、「/」はその左右に記載されているオキシアルキレン基がブロック付加でもランダム付加でもよいことを表している。)
    Figure 2010150472
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載のポリウレタン樹脂組成物を硬化させて得られるポリウレタン樹脂。
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