JP6006771B2 - オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法 - Google Patents

オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法 Download PDF

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Description

本発明は、オルガノポリシロキサン組成物、特には、シリコーン系シーリング剤、接着剤等として好適に用いられる室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物に関する。
各種建造物におけるコンクリート、サッシ等のジョイント部、ガラス回り等は現在、合成ゴム等のシーリング材で充填施工する方法が一般的であり、このシーリング材としてはシリコーン系、ポリサルファイド系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、アクリルゴム系、SBR系、ブチルゴム系等各種のものが知られているが、接着性、耐熱性、耐候性、疲労耐久性という面から縮合硬化型の室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物が広く使用されている。施工作業を行なう上で、重要な基本性能として、チキソ性が挙げられる。
チキソ性は、充填材とチキソ性付与剤が大きく寄与することが知られている。現在流通している汎用のシリコーン系シーリング材の充填材としては、表面疎水化処理乾式シリカ、表面処理コロイダル炭酸カルシウムが主流となっている。チキソ性付与剤としては、コスト及び性能等の理由から、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)に代表されるポリエーテルが、一般的に使用されている。しかし、ポリエーテル系のチキソ性付与剤を使用する場合、製造後に粘度が変化するという問題点があった。
ポリエーテル系から改良したチキソ性付与剤として、カルボキシル基で結合したポリシロキサン−ポリエーテル共重合体(特許文献1)、シリコーン変成ポリオキシアルキレン(特許文献2)、両末端にケトオキシム基を有するポリプロピレングリコール(特許文献3)、ポリオキシプロピレン変成シリコーン(特許文献4)が例示されているが、組成物製造後の粘度変化については全く解決されていない。
特開平1−245057号公報 特開昭61−21158号公報 特開昭62−135560号公報 特開2006−342327号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、チキソ性に優れ、かつ、粘度の経時変化が少なく、常温硬化により優れた硬化性を与えるオルガノポリシロキサン組成物を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、
(A)分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖された、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)亜鉛のカルボン酸塩:0.01〜20質量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、
(D)有機錫化合物又は有機チタン化合物:0.001〜20質量部
を必須成分として含有することを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物を提供する。
このような組成物であれば、チキソ性に優れるとともに、粘度の経時変化が少ないものとなり、また、常温硬化により優れた硬化性を与えるものとなる。
また、前記(A)成分のジオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)
Figure 0006006771
[上記一般式(1)中、Rは独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、及び炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基のいずれかであり、Rは独立に一価炭化水素基、ハロゲン化一価炭化水素基、及びシアノアルキル基から選択される炭素原子数1〜10の基である。aはRが水素原子の場合は2であり、Rが炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基の場合は0又は1である。Yは独立に酸素原子、炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基、及び下記一般式(2)
Figure 0006006771
(上記一般式(2)中、Rは上記の通り、Zは炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基である。)
で示される基のいずれかである。nはこのジオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を20〜1,000,000mPa・sとする数である。]
で示されるものであることが好ましい。
このように、(A)成分が上記一般式(1)で示されるものであれば、取扱性も良好となる。
また、前記(D)成分は、有機錫化合物であることが好ましい。有機錫化合物は、本発明の組成物の速硬化性等の硬化特性をより優れたものとする。
また、更に、(E)炭酸カルシウムを含有することが好ましい。
(E)成分として炭酸カルシウムを配合することで、組成物のたれ防止性や機械的特性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、チキソ性に優れるとともに、粘度の経時変化が小さいものであるため、作業性も良好である。また、二成分形態(二液型)等の多成分形態とし、主剤、硬化剤等の各成分を使用するまでの間長期保存した際にも、粘度の経時変化が小さく、それ故、使用の際の各成分の混合においても、混合性に優れるものとなる。また、混合するだけで、迅速に硬化する。このような本発明の組成物は、シーリング材等として、有用である。
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
シーリング材等は、密封容器に入れられて市販され、使用するときに容器から出すことにより硬化が始まる。すなわち、製造後から使用時までは未硬化のまま密封容器内で保存されることとなるが、上述のように、ポリエーテル系のチキソ性付与剤を配合した従来のオルガノポリシロキサンは、製造後に粘度が変化し、作業性の悪化を引き起こすという問題があった。
粘度は、吐出性、スランプ性、糸引き性等の作業性に大きな影響を与えるため、製造後に粘度が変化すると、作業性の悪化を引き起こす。また、二成分形態等の多成分形室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物においては、粘度の変化はさらなる問題を引き起こす。二成分形態等の多成分形室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物は、主剤と硬化剤等からなり、それらを使用する際に混合する必要がある。各成分は、スタティックミキサーやダイナミックミキサー等により混合される場合が多く、特にスタティックミキサーにおいては、各成分の粘度を調整することで、混合を容易としている。そのため、製造後に粘度が変化する材料は、混合不良が生じ、それによって外観の悪化や硬化不良等の問題を引き起こすという問題があった。
本発明者らは、上記問題点を解決するべく鋭意検討を行った結果、以下に示すオルガノポリシロキサン組成物が、チキソ性が良好で、かつ、製造後の粘度変化が少ないことを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、下記に示すオルガノポリシロキサン組成物を提供する。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、
(A)分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖された、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)亜鉛のカルボン酸塩:0.01〜20質量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、
(D)有機錫化合物又は有機チタン化合物:0.001〜20質量部
を必須成分とすることを特徴とする。
以下、各成分について説明する。
[(A)成分]
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、本組成物の主成分であり、これは分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖されたジオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサンの分子構造は、実質的に直鎖状であるが、分子鎖の一部が少し分岐していてもよい。
また、その粘度は、低すぎると後述する(C)成分のシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物が多量に必要であるため、経済的に不利となり、高すぎると作業性が低下するので、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sの範囲内にあることが必要であり、100〜100,000mPa・sの範囲内にあることが好ましい。なお、この粘度は回転粘度計による測定値である(以下、同じ)。
好ましい(A)成分は、下記一般式(1):
Figure 0006006771
で表されるジオルガノポリシロキサンである。
上記一般式(1)中、Rは独立に水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基;メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基等の炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基から選択される基であり、水素原子、メチル基、又はエチル基であることが好ましい。Rは独立に一価炭化水素基、ハロゲン化一価炭化水素基、及びシアノアルキル基から選択される炭素原子数1〜10の基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化一価炭化水素基;β−シアノエチル基、γ−シアノプロピル基等のシアノアルキル基が例示される。中でもメチル基であることが好ましい。なお、Rがアルキル基又はアルコキシアルキル基である場合は、aは0又は1であり、Rが水素原子である場合は、aは2である。
また、Yは独立に酸素原子、炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基、及び下記一般式(2):
Figure 0006006771
(上記一般式(2)中、Rは上記の通り、Zは非置換又は置換の炭素原子数1〜6の二価炭化水素基である。)
で示される基のいずれかである。
ここで、Y及びZの炭素原子数1〜6の二価炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキセン基等の炭素原子数1〜6のアルキレン基であることが好ましく、特にエチレン基が好ましい。このようなアルキレン基等の二価炭化水素基の水素原子はメチル基等の一価炭化水素基により置換されていてもよい。nは25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sとなるような数である。(A)成分は周知の方法により製造することができる。
[(B)成分]
(B)成分の亜鉛のカルボン酸塩は、本発明において最も重要な成分であり、チキソ性の付与のために配合される。また、この(B)成分により、優れたチキソ性を付与するだけでなく、本発明の組成物の粘度の経時変化を抑えることもできる。
(B)成分の亜鉛のカルボン酸塩としては、有機カルボン酸塩、例えば、オクタン酸、ステアリン酸等の飽和脂肪酸塩;オレイン酸、リノール酸等の不飽和カルボン酸塩;安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸塩;シュウ酸、マロン酸等のジカルボン酸塩、乳酸、クエン酸等のヒドロキシ酸塩等が例示される。また、亜鉛とカルボン酸が含まれていれば、亜鉛およびカルボン酸以外の成分が含まれる複塩であってもよい。また、これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、(B)成分は、分散性を向上させるため、溶液にして添加してもよい。ここで、溶液として添加する場合、溶剤を用いることができるが、該溶剤としては、例えば、炭素原子数5以上の飽和又は不飽和炭化水素類(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等);ハロゲン系溶剤(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、モノクロロエタン、トリクロロエチレン等);エステル系溶剤(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等);ケトン系溶剤(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);アルコール系溶剤(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、2−メトキシメタノール、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等);シリコーン系溶剤(例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等)が挙げられる。これらの溶剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。この溶剤に上記亜鉛化合物を1〜95質量%となる量で配合させることが好ましい。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.01〜20質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。(B)成分の配合量が上記範囲の下限値未満であると所望のチキソ性が得られず、上記範囲の上限値を超えると粘度の増加による作業性が低下する。
[(C)成分]
本発明の(C)成分であるケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物は、架橋剤として機能するものである。
上記加水分解性基としては、例えば、それぞれ炭素原子数1〜10である、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等のアルコキシ基;メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、メトキシプロポキシ基等のアルコキシアルコキシ基;アセトキシ基、オクタノイルオキシ基等のアシロキシ基;ビニロキシ基、イソプロペノキシ基、1−エチル−2−メチルビニルオキシ基等のアルケノキシ基;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基、メチルイソブチルケトオキシム基等のケトオキシム基;ジメチルアミノキシ基、ジエチルアミノキシ基等のアミノキシ基;N−メチルアセトアミド基、N−エチルアセトアミド基等のアミド基が挙げられ、ケトオキシム基、アルコキシ基、アミノキシ基、アミド基が好ましく、特にケトオキシム基、アルコキシ基が好ましい。
上記加水分解性基以外の、ケイ素原子に結合する基としては、炭素原子数1〜10の非置換又は置換一価炭化水素基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、オクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。これらの中でメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、フェニル基が好ましい。
上記(C)成分としては、例えば、メチルトリス(ジメチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、エチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、メチルトリス(メチルイソブチルケトオキシム)シラン、ビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン等のケトオキシムシラン;メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等のアルコキシシラン;メチルトリス(N,N−ジエチルアミノキシ)シラン等のアミノキシシラン;メチルトリス(N−メチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−ブチルアセトアミド)シラン、メチルトリス(N−シクロヘキシルアセトアミド)シラン等のアミドシラン;メチルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、フェニルトリイソプロペノキシシラン等のアルケノキシシラン;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシシラン;及び上記シラン化合物の部分加水分解縮合物が挙げられる。
これらは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。また、目的に応じ、加水分解性基を2個有するものを併用してもよい。
(C)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜40質量部であり、好ましくは0.5〜20質量部であるが、(A)成分を示す上記一般式(1)中、Rが水素原子である場合は、(C)成分中のアルコキシ基のモル数が(A)成分中のヒドロキシル基のモル数を上回るような量とすることが好ましい。(C)成分の配合量が上記範囲の下限値未満であると硬化性や保存性の低下を招く場合があり、上記範囲の上限値を超えると価格的に不利になるばかりか、伸びの低下や耐久性の悪化を招く場合がある。
[(D)成分]
(D)成分の有機錫化合物及び有機チタン化合物は、硬化触媒として速硬化性の付与のために配合される。(D)成分として、具体的には、錫、チタンの有機カルボン酸塩、アルコキサイド;有機チタン酸エステル、有機チタンキレート化合物等が例示され、より具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートエステル、ジメチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジネオデカノエート、スタナスオクトエート等の錫化合物;テトラブチルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等のチタン化合物が例示される。これらの中で速硬化性等の硬化特性がより優れることから、有機錫化合物が好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(D)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.001〜20質量部であり、好ましくは0.01〜5質量部である。(D)成分の配合量が上記範囲の下限値未満であると、所望の速硬化性が得られず、一方、上記範囲の上限値を超えると、硬化が速すぎるために、作業性が損なわれてしまう。
[(E)成分]
本発明の組成物には、前記した(A)〜(D)成分に加えて、(E)炭酸カルシウムを配合することが好ましい。(E)成分は、本組成物のたれ防止性を向上し、本発明組成物の硬化物に良好な機械的特性を付与する。(E)成分は、重質(又は粉砕法)炭酸カルシウム、コロイダル(又は沈降法)炭酸カルシウム、これらの炭酸カルシウムを脂肪酸や樹脂酸等の有機酸、有機酸アルカリ金属塩、有機酸エステル等で表面処理した粉末が例示される。
(E)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して1〜200質量部の範囲内であることが好ましく、より好ましくは20〜100質量部の範囲内である。(E)成分の配合量が少なすぎると添加効果が不十分となることがあり、多すぎると組成物の取り扱い作業性が低下することがある。
[その他の成分]
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、前記した成分((A)〜(E)成分)以外に一般に知られている添加剤を使用しても差し支えない。添加剤としては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、石英微粉末、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、抗菌・防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、上記(A)〜(D)成分、必要に応じて(E)成分及びその他成分を、例えばプラネタリーミキサー等の公知の混練機を用いて均一に混合することによって一液型の組成物として得られる。
このように製造された本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、製造後の粘度変化が少なく、吐出性や作業性が安定している点に優れる。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、保存安定性等の点から、少なくとも、(A)成分と(C)成分を別梱包とし、使用前に混合して使用する多成分形態とすることもできる。(A)成分と(C)成分以外の成分は、(A)成分でも(C)成分でもその両方に混合してもよい。
このような本発明の多成分形オルガノポリシロキサン組成物は、上記の特性に加え、混合性にも優れ、混合するだけで迅速に硬化する。
このような多成分形態、例えば二液(二成分)型組成物の調製にあたっては、(A)、(B)成分、必要に応じて(E)、その他の成分からなる第一剤(主剤)と、(C)、(D)成分、必要に応じて(E)、その他の成分からなる第二剤(硬化剤)を別々に調製し、使用前にスタティックやダイナミックミキサー等により混合して使用することが簡便である。
尚、本発明の組成物は、一液(一成分)型、多成分形態を問わず、加熱も冷却も必要としない室温程度(5〜40℃)下に、通常1日〜1週間程度放置することによって硬化することができる。
以下、本発明の実施例と比較例を説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、実施例中の部及び%はいずれも質量部を意味する。
下記例の主剤について、初期(23℃2日後)、保存後(23℃2日後さらに50℃14日)における粘度(Pa・s)を回転粘度計BS−7の1rpmと10rpmの条件で測定した。
粘度安定性は、初期と保存後における粘度比(保存後/初期)によって評価した。粘度比が1rpmと10rpmの両者において0.8から1.2の範囲である場合を粘度安定性が良好と評価し、粘度比が1rpmと10rpmのどちらかにおいて0.7以下や1.3以上である場合を粘度安定性が悪いと評価した。
チキソ性は、1rpmと10rpmでの粘度の比(チキソ比(1rpm/10rpm))によって評価した。チキソ比が初期及び保存後においてどちらも3以上である場合をチキソ性が良好と評価し、初期もしくは保存後のどちらかが3未満である場合をチキソ性が悪いと評価した。
硬化性は、23℃,50%RHで24時間養生後における表面の粘性(タック)の有無によって評価した。タックがない場合を非常に良好、タックがほとんどない場合を良好、タックがある場合を悪いと評価した。
総合評価は、粘度安定性、チキソ性、硬化性から評価した。粘度安定性、チキソ性がどちらも良好で、硬化性が非常に良好である場合を、非常に良好と評価し、粘度安定性、チキソ性がどちらも良好で、硬化性が良好である場合を、良好と評価し、どれか1つでも悪い評価がある場合を、悪いと評価した。
[実施例1]
粘度50,000mPa・sの両末端水酸基封鎖ポリジメチルシロキサン65部に、コロイダル炭酸カルシウム粉末(白艶華CCR:白石カルシウム株式会社製)35部を加えて均一に混合した。その後、オクチル酸亜鉛1部を加えて均一に混合し、主剤を調製した。また、デシルトリメトキシシラン3部とジオクチルスズジラウレート1部を混合して硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤4部の割合で混合した。
[実施例2]
実施例1のオクチル酸亜鉛の量を1部ではなく、0.2部とした。
[実施例3]
実施例1のオクチル酸亜鉛の量を1部ではなく、5部とした。
[実施例4]
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、ナフテン酸亜鉛1部とした。
[実施例5]
実施例1と同様に主剤を調製し、硬化剤としてデシルトリメトキシシラン3部とテトラブチルチタネート1部を混合して硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤4部の割合で混合した。
[比較例1]
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、炭酸亜鉛1部とした。
[比較例2]
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、酸化亜鉛1部とした。
[比較例3]
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、粘度300mPa・sのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル1部とした。
[比較例4]
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、下記に示す粘度4,000mPa・sのシリコーン変成ポリオキシアルキレンI1部とした。
(注)シリコーン変成ポリオキシアルキレンI
Figure 0006006771
[比較例5]
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、ジオクチルスズジラウレート1部として均一に混合し、主剤を調製した。また、主剤100部に対し、硬化剤としてデシルトリメトキシシラン3部の割合で混合した。
[比較例6]
粘度50,000mPa・sの両末端水酸基封鎖ポリジメチルシロキサン65部とコロイダル炭酸カルシウム粉末(白艶華CCR:白石カルシウム株式会社製)35部とを均一に混合し、主剤を調製した。また、デシルトリメトキシシラン3部とジオクチルスズジラウレート1部を混合して硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤4部の割合で混合した。
[比較例7]
実施例1と同様に主剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤としてデシルトリメトキシシラン3部の割合で混合した。
Figure 0006006771
◎:非常に良好、○:良好、×:悪い
表1から分かるように、実施例1〜5で得られたオルガノポリシロキサン組成物は、優れたチキソ性を有し、粘度変化が少ない点に優れる。
特に、(B)成分として、亜鉛のカルボン酸塩を配合したことで、保存安定性が良好で、粘度変化も少なく、常温硬化により優れた硬化性を得ることができた。
また、実施例1〜5のように、主剤(A)、(B)、(E)成分に、硬化性を調べるべく硬化剤(C)、(D)成分を混合した際にも、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、チキソ性が良好で、均一に混合することができ、たれもなくノンサグ性も良好であった。
そのため、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、シーリング用途等の、作業性が重要な用途に好適に使用できる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。

Claims (3)

  1. オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性を向上させる方法であって、
    (A)分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖された、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
    (C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、及び
    (D)有機錫化合物又は有機チタン化合物:0.001〜20質量部、
    を必須成分として含有するオルガノポリシロキサン組成物を製造する際に、
    (B)亜鉛のカルボン酸塩:0.01〜20質量部及び(E)炭酸カルシウム:1〜200質量部を配合し均一に混合することで、前記オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性を向上させる方法であり、
    前記(B)成分として、オクタン酸亜鉛及び/又はナフテン酸亜鉛を用いることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法。
  2. 前記(A)成分のジオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)
    Figure 0006006771
    [上記一般式(1)中、Rは独立に水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、及び炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基のいずれかであり、Rは独立に一価炭化水素基、ハロゲン化一価炭化水素基、及びシアノアルキル基から選択される炭素原子数1〜10の基である。aはRが水素原子の場合は2であり、Rが炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数2〜10のアルコキシアルキル基の場合は0又は1である。Yは独立に酸素原子、炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基、及び下記一般式(2)
    Figure 0006006771
    (上記一般式(2)中、Rは上記の通り、Zは炭素原子数1〜6の非置換又は置換の二価炭化水素基である。)
    で示される基のいずれかである。nはこのジオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を20〜1,000,000mPa・sとする数である。]
    で示されるものであることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法。
  3. 前記(D)成分が、有機錫化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法。
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