JP6006771B2 - オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法 - Google Patents
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(A)分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖された、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)亜鉛のカルボン酸塩:0.01〜20質量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、
(D)有機錫化合物又は有機チタン化合物:0.001〜20質量部
を必須成分として含有することを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物を提供する。
で示される基のいずれかである。nはこのジオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を20〜1,000,000mPa・sとする数である。]
で示されるものであることが好ましい。
(E)成分として炭酸カルシウムを配合することで、組成物のたれ防止性や機械的特性を向上させることができる。
シーリング材等は、密封容器に入れられて市販され、使用するときに容器から出すことにより硬化が始まる。すなわち、製造後から使用時までは未硬化のまま密封容器内で保存されることとなるが、上述のように、ポリエーテル系のチキソ性付与剤を配合した従来のオルガノポリシロキサンは、製造後に粘度が変化し、作業性の悪化を引き起こすという問題があった。
本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、
(A)分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖された、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(B)亜鉛のカルボン酸塩:0.01〜20質量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、
(D)有機錫化合物又は有機チタン化合物:0.001〜20質量部
を必須成分とすることを特徴とする。
[(A)成分]
(A)成分のジオルガノポリシロキサンは、本組成物の主成分であり、これは分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖されたジオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサンの分子構造は、実質的に直鎖状であるが、分子鎖の一部が少し分岐していてもよい。
で示される基のいずれかである。
(B)成分の亜鉛のカルボン酸塩は、本発明において最も重要な成分であり、チキソ性の付与のために配合される。また、この(B)成分により、優れたチキソ性を付与するだけでなく、本発明の組成物の粘度の経時変化を抑えることもできる。
本発明の(C)成分であるケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物は、架橋剤として機能するものである。
これらは、1種単独でも2種以上組み合わせても使用することができる。また、目的に応じ、加水分解性基を2個有するものを併用してもよい。
(D)成分の有機錫化合物及び有機チタン化合物は、硬化触媒として速硬化性の付与のために配合される。(D)成分として、具体的には、錫、チタンの有機カルボン酸塩、アルコキサイド;有機チタン酸エステル、有機チタンキレート化合物等が例示され、より具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレートエステル、ジメチル錫ジネオデカノエート、ジブチル錫ジメトキサイド、ジオクチル錫ジネオデカノエート、スタナスオクトエート等の錫化合物;テトラブチルチタネート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)等のチタン化合物が例示される。これらの中で速硬化性等の硬化特性がより優れることから、有機錫化合物が好ましい。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の組成物には、前記した(A)〜(D)成分に加えて、(E)炭酸カルシウムを配合することが好ましい。(E)成分は、本組成物のたれ防止性を向上し、本発明組成物の硬化物に良好な機械的特性を付与する。(E)成分は、重質(又は粉砕法)炭酸カルシウム、コロイダル(又は沈降法)炭酸カルシウム、これらの炭酸カルシウムを脂肪酸や樹脂酸等の有機酸、有機酸アルカリ金属塩、有機酸エステル等で表面処理した粉末が例示される。
また、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、前記した成分((A)〜(E)成分)以外に一般に知られている添加剤を使用しても差し支えない。添加剤としては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、石英微粉末、顔料、染料、蛍光増白剤等の着色剤、抗菌・防カビ剤、可塑剤等が挙げられる。
このように製造された本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、製造後の粘度変化が少なく、吐出性や作業性が安定している点に優れる。
粘度50,000mPa・sの両末端水酸基封鎖ポリジメチルシロキサン65部に、コロイダル炭酸カルシウム粉末(白艶華CCR:白石カルシウム株式会社製)35部を加えて均一に混合した。その後、オクチル酸亜鉛1部を加えて均一に混合し、主剤を調製した。また、デシルトリメトキシシラン3部とジオクチルスズジラウレート1部を混合して硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤4部の割合で混合した。
実施例1のオクチル酸亜鉛の量を1部ではなく、0.2部とした。
実施例1のオクチル酸亜鉛の量を1部ではなく、5部とした。
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、ナフテン酸亜鉛1部とした。
実施例1と同様に主剤を調製し、硬化剤としてデシルトリメトキシシラン3部とテトラブチルチタネート1部を混合して硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤4部の割合で混合した。
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、炭酸亜鉛1部とした。
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、酸化亜鉛1部とした。
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、粘度300mPa・sのポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノブチルエーテル1部とした。
実施例1のオクチル酸亜鉛1部のかわりに、ジオクチルスズジラウレート1部として均一に混合し、主剤を調製した。また、主剤100部に対し、硬化剤としてデシルトリメトキシシラン3部の割合で混合した。
粘度50,000mPa・sの両末端水酸基封鎖ポリジメチルシロキサン65部とコロイダル炭酸カルシウム粉末(白艶華CCR:白石カルシウム株式会社製)35部とを均一に混合し、主剤を調製した。また、デシルトリメトキシシラン3部とジオクチルスズジラウレート1部を混合して硬化剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤4部の割合で混合した。
実施例1と同様に主剤を調製し、主剤100部に対し、硬化剤としてデシルトリメトキシシラン3部の割合で混合した。
特に、(B)成分として、亜鉛のカルボン酸塩を配合したことで、保存安定性が良好で、粘度変化も少なく、常温硬化により優れた硬化性を得ることができた。
また、実施例1〜5のように、主剤(A)、(B)、(E)成分に、硬化性を調べるべく硬化剤(C)、(D)成分を混合した際にも、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、チキソ性が良好で、均一に混合することができ、たれもなくノンサグ性も良好であった。
そのため、本発明のオルガノポリシロキサン組成物は、シーリング用途等の、作業性が重要な用途に好適に使用できる。
Claims (3)
- オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性を向上させる方法であって、
(A)分子鎖両末端がヒドロキシシリル基、アルコキシシリル基、及びアルコキシアルコキシシリル基のいずれかで封鎖された、25℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであるジオルガノポリシロキサン:100質量部、
(C)ケイ素原子に結合した加水分解性基を分子中に3個以上有するシラン化合物及び/又はその部分加水分解縮合物:0.1〜40質量部、及び
(D)有機錫化合物又は有機チタン化合物:0.001〜20質量部、
を必須成分として含有するオルガノポリシロキサン組成物を製造する際に、
(B)亜鉛のカルボン酸塩:0.01〜20質量部及び(E)炭酸カルシウム:1〜200質量部を配合し均一に混合することで、前記オルガノポリシロキサン組成物のチキソ性を向上させる方法であり、
前記(B)成分として、オクタン酸亜鉛及び/又はナフテン酸亜鉛を用いることを特徴とするオルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法。 - 前記(A)成分のジオルガノポリシロキサンが、下記一般式(1)
で示される基のいずれかである。nはこのジオルガノポリシロキサンの25℃の粘度を20〜1,000,000mPa・sとする数である。]
で示されるものであることを特徴とする請求項1に記載のオルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法。 - 前記(D)成分が、有機錫化合物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のオルガノポリシロキサン組成物のチキソ性向上方法。
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