JP5826624B2 - 室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 - Google Patents

室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物 Download PDF

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Description

本発明は、接着力が優れており、特に接着力の持続力が優れている室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物に関する。
従来から、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を含む接着剤が知られている。
ポリオルガノシロキサン組成物にエポキシアルキルアルコキシシランを添加し、さらに接着性向上および接着の信頼性向上のために、アミノアルキルアルコキシシランとエポキシアルキルアルコキシシランの反応物または混合物を配合した組成物が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
しかしながら、これらの室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を硬化させてなるシリコーンゴムは、耐水接着性に劣り、特にフロートガラス類に対して、温水浸漬などの苛酷な環境下で接着力が大幅に低下するという欠点があった。また、硬化の速さの目安であるゴム強度の発現性および接着の発現性が十分ではなかった。
また、被着体に対する浸水接着性を向上させるために、ジオルガノポリシロキサンに4官能性のアルコキシシランと3官能性のアルコキシシラン、およびアミノ基含有シランをそれぞれ配合した室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物も提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献3に記載されたポリオルガノシロキサン組成物も、表面が活性な被着体に対する浸水接着性は、十分に満足できるものではなかった。
特許文献4〜6には室温硬化性シリコーン組成物が記載されているが、いずれの例も錫含有触媒を使用しており、接着力の持続力(接着耐久性)の点で十分ではない。
さらに上記の課題を解決できるものとして、特許文献4では室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物が提案されている。この発明は、上記課題を解決できる点で優れているが、この発明においても触媒を含有している点と、接着力の持続力(接着耐久性)の点で改善の余地がある。
特公昭52−08854号公報 特公昭63−23226号公報 特許第02914838号公報 特開平5−194857号公報 特開2002−12767号公報 特開2002−338811号公報 特開2007−145900号公報
本発明は、優れた接着力および接着力の持続力(接着耐久性)を有しており、触媒を含有していない室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、
(A)分子鎖末端がヒドロキシル基又は加水分解性基で封鎖され、23℃における粘度が20〜100万mPa・sであるポリオルガノシロキサン100質量部と、
(B)充填剤10〜200質量部を含む主剤成分と、
(C)硬化剤成分を含有しており、
(C)成分の硬化剤成分として、下記一般式(I)で表されるアルコキシシランと一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランを含有し、金属を含む硬化触媒を含有していない、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物を提供する。
1Si(OR23 (I)
(式中、R1は炭素数4以上のアルキル基を示す)
(R3O)3-m4 mSi−R5−NH−R5−SiR4 l(OR33-l (II)
(式中、R3,R4は同一または相異なる置換または非置換の1価の炭化水素基を示し、R5は同一または相異なる置換または非置換の2価の炭化水素基を示す。mおよびlは1〜3の整数である。)
本発明の組成物は、金属を含む硬化触媒を含有しておらず、優れた接着力および接着力の持続力(接着耐久性)を有している。
<主剤成分>
(A)成分は、分子鎖末端がヒドロキシル基又は加水分解性基で封鎖され、23℃における粘度が20〜100万mPa・sであるポリオルガノシロキサンである。(A)成分は、特開2007−145900号公報に記載の(A)成分と同じものである。
(A)成分のポリオルガノシロキサンは、下記一般式(III)で示される直鎖状のものが好ましいが、一部分岐鎖を有する構造でもよい。
Figure 0005826624
一般式(III)中、
6は互いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表し、
7は−ZSiR8 3-ppで表される1価の有機基を表す。
(ここで、Zは酸素(オキソ基)または2価の炭化水素基を表し、R8は互いに同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基を表す。
Xはヒドロキシル基または加水分解性基を表し、pは1〜3の整数である。)
また、nは当該(A)成分の粘度(23℃)を20〜100万mPa・sにする数である。
6としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基のようなアルキル基;ビニル基、アリル基のようなアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基のようなアリール基;2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基のようなアラルキル基が例示され、さらにこれらの炭化水素基の水素原子の一部が他の原子または基で置換されたもの、すなわちクロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基のようなハロゲン化アルキル基;3−シアノプロピル基のようなシアノアルキル基などの置換炭化水素基が例示される。
合成が容易であり、かつ(A)成分が分子量の割に低い粘度を有し、硬化前の組成物に良好な押し出し性を与えること、および硬化後の組成物に良好な物理的性質を与えることから、R6全体の85%以上がメチル基であることが好ましく、実質的にすべてのR6がメチル基であることがより好ましい。
特に耐熱性、耐放射線性、耐寒性または透明性を組成物に付与する場合には、R6の一部として必要量のフェニル基を、耐油性、耐溶剤性を付与する場合には、R6の一部として3,3,3−トリフルオロプロピル基や3−シアノプロピル基を、また塗装適性を有する表面を付与する場合には、R6の一部として長鎖アルキル基やアラルキル基を、それぞれメチル基と併用するなど目的に応じて任意に選択することができる。
7において、ケイ素原子に結合するR8は、同一でも異なっていてもよい置換または非置換の1価の炭化水素基であり、前記したR6と同様なものが例示される。
合成が容易で、加水分解性基Xの反応性に優れていることから、メチル基またはビニル基が好ましい。
また、Zは、互いに同一でも異なっていてもよい2価の酸素(オキシ基)または2価の炭化水素基であり、2価の炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基のようなアルキレン基;フェニレン基などが例示される。合成が容易なことから、オキシ基またはエチレン基が好ましく、オキシ基が特に好ましい。
Xの加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基のようなアルコキシル基;2−メトキシエトキシ基、2−エトキシエトキシ基のような置換アルコキシル基;イソプロペノキシ基のようなエノキシ基、メチルエチルケトオキシム基のようなケトキシマト基、アセトキシ基などが例示され、互いに同一でも異なっていてもよい。
合成の容易さ、硬化前の組成物の物性、保存中の安定性、硬化性、経済性、および広範囲の用途に用いられることから、アルコシキル基またはケトキシマト基が好ましい。
(A)成分であるポリオルガノシロキサンとしては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルエチルポリシロキサン、メチルオクチルポリシロキサン、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、ジメチルシロキサンとメチルフェニルシロキサンの共重合体、ジメチルシロキサンとメチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサンの共重合体などが挙げられる。
このポリオルガノシロキサンの分子鎖末端はヒドロキシル基や加水分解性基(例えば、アルコキシル基)により封鎖されているのであるが、ヒドロキシル基により封鎖された分子鎖末端としては、ジメチルヒドロキシシロキシ基、メチルフェニルヒドロキシシロキシ基が例示され、アルコキシル基により封鎖された分子鎖末端としては、ビニルジメトキシシロキシ基、メチルジメトキシシロキシ基、トリメトキシシロキシ基、メチルジエトキシシロキシ基、トリエトキシシロキシ基などが例示される。
(A)成分の粘度は、低すぎると硬化後のゴム弾性が乏しくなり、高すぎると作業性が低下することから、23℃における粘度が20〜1,000,000mPa・sであり、より好ましくは100〜100,000mPa・sである。
粘度は、23℃、50%RHの雰囲気中で、50ccのポリスチレン製カップに注入した後、回転粘度計により測定される。
(B)成分の充填剤は、組成物に粘稠性を付与し、硬化物に機械的強度を付与する働きをする成分である。(B)成分は、特開2007−145900号公報に記載の(B)成分と同じものである。
(B)成分の充填剤としては、例えば、アルカリ土類金属塩、無機酸化物、金属水酸化物、カーボンブラックなどが挙げられる。
アルカリ土類金属塩としては、カルシウム、マグネシウムまたはバリウムの炭酸塩、重炭酸塩および硫酸塩などが挙げられ、無機酸化物としては、煙霧質シリカ、焼成シリカ、沈澱シリカ、石英微粉末、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛などの金属酸化物、けいそう土、アルミナなどが挙げられ、金属水酸化物としては、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
また、これらを、シラン類、シラザン類、低重合度シロキサン類または有機化合物(樹脂酸、脂肪酸)により表面処理したものを用いてもよい。
さらに、ガラスウール、微粉末マイカ、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレンなどの合成樹脂粉末を使用することもできる。
これらの充填剤を単独で、あるいは混合物として添加する。硬化物の機械的強度をより大きくできることから、煙霧質シリカ、沈澱シリカ、コロイド状炭酸カルシウムが好ましい。
(B)成分は平均粒子径が0.01〜5μmの範囲が好ましく、0.05〜2μmの範囲がより好ましい。平均粒子径は、電子顕微鏡観察により測定される。
(B)成分である充填剤の含有量は、前記(A)成分100質量部に対して10〜200質量部であり、好ましくは30〜150質量部、より好ましくは60〜130質量部である。
<硬化剤成分>
本発明の組成物は、(C)成分の硬化剤成分として、
一般式(I):R1Si(OR23 (I)
(式中、R1は炭素数4以上のアルキル基を示す)で表されるアルコキシシランを含有する。この成分は、特開2007−145900号公報には記載されていない成分である。
一般式(I)で表されるアルコキシシランは、組成物に接着耐久性を付与するための成分である。
1は炭素数4以上のアルキル基であり、好ましくは炭素数4〜18、より好ましくは6〜16である。炭素数が4未満であると、接着耐久性の向上効果が十分ではない。
一般式(I)で表されるアルコキシシランとしては、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシランから選ばれるものが好ましい。
一般式(I)で表されるアルコキシシランの含有量は、(A)成分100質量部に対して0.5〜10質量部が好ましく、1.0〜7質量部がより好ましく、1.5〜5質量部がさらに好ましい。
本発明の組成物は、(C)成分の硬化剤成分としてさらに一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランを含有する。この成分は、特開2007−145900号公報に記載の一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランと同じものである。
(R3O)3-m4 mSi−R5−NH−R5−SiR4 l(OR33-l (II)
(式中、R3,R4は同一または相異なる置換または非置換の1価の炭化水素基を示し、R5は同一または相異なる置換または非置換の2価の炭化水素基を示す。mおよびlは1〜3の整数である。)
式(II)中、R3およびR4は、同一または相異なる置換または非置換の1価の炭化水素基であり、前記した(A)成分の一般式(III)中のR6と同様の基が例示される。
5は、同一または相異なる置換または非置換の2価の炭化水素基であり、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基などのアルキレン基、フェニレン基、トリレン基などのアリーレン基、メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基などのアルキレンアリーレン基などが例示される。これらの炭化水素基の中でも、プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、メチルエチレン基などのアルキレン基が好ましい。その理由は、アミノ基(−NH−)とケイ素原子に結合したアルコキシル基との間に、フェニレン基、トリレン基などのアリーレン基や、メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基などのアルキレンアリーレン基が存在すると、アルコキシル基の反応性が低下するとともに、接着性の低下を招くことがあるためである。
mおよびlは1〜3の整数である。
このような一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランの含有量は、(A)成分100質量部に対して0.2〜10質量部が好ましく、0.5〜7質量部がより好ましく、1.0〜5質量部がさらに好ましい。
である。
一般式(I)で表されるアルコキシシランと一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランの含有量の比率(質量比)は、接着耐久性を高める点から、一般式(I)の含有量/一般式(II)の含有量=70/30〜50/50の範囲で、かつ一般式(I)の含有量>一般式(II)の含有量が好ましい。
本発明の組成物では、一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランの他に、一般式(IV):(R9O)3-q10 qSi−R11−NHR12 (IV)
で表されるアミノ基含有ケイ素化合物(アミノ官能性シラン)を、接着助剤として含有することができる。
一般式(IV)中、R9およびR10は、同一または相異なる置換または非置換の1価の炭化水素基を示し、一般式(II)中のR3と同様の基が例示される。
11は同一または相異なる置換または非置換の2価の炭化水素基であり一般式(II)中のR5と同様の基が例示される。
12は、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基のような非置換または置換の1価の炭化水素基、アミノエチル基、N−アミノエチルアミノエチル基などのアミノアルキル基を示す。
qは1〜3の整数である。
このような一般式(IV)のアミノ官能性シラン(アミノアルキルアルコキシシラン)としては、アミノメチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)アミノメチルトリブトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシランなどが例示される。
本発明の組成物は、カーボンブラック等を含有して黒色にすることができる。このときカーボンブラックは、両末端にアルケニル基(好ましくはビニル基)を有するポリオルガノシロキサン、例えば、α,ω−ビニルジメチルシリルポリジメチルシロキサンと混合してマスターバッチとした後に配合することが好ましい。
本発明の組成物では、硬化剤成分としてさらに特開2007−145900号公報に記載の「(E)エポキシ基含有アルコキシシラン」を含有することができる。
本発明の組成物は、金属を含む硬化触媒を含有していない。
硬化触媒は、例えば特開2007−145900号公報に記載のものであり、(A)成分のヒドロキシル基および/または加水分解性基と硬化成分との縮合反応を促進する触媒である。
具体的には、オクタン酸鉄、ナフテン酸鉄、オクタン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクタン酸スズ、ナフテン酸スズ、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛などの金属有機酸塩、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオクトエートなどのアルキルスズエステル化合物、ハロゲン化スズ化合物、スズオルトエステル化合物、テトラブチルチタネート、テトラブチルジルコネートなどの金属アルコレート、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタンなどのチタンキレート化合物である。
本発明の組成物は、必要に応じて有機溶剤、末端トリメチルシロキシ化されたジポリオルガノシロキサンなどの希釈剤、難燃剤、可塑剤、チクソ性付与剤、着色剤、通常の接着促進剤、防カビ剤などを含有することもできる。
本発明の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物は、上記した各成分を乾燥雰囲気中で均一に混合することにより、一液型の室温硬化性組成物として得ることができる。
本発明の組成物は、空気中に暴露すると湿分によって架橋反応が進行し、ゴム弾性体に硬化する。
また、主剤成分と硬化剤成分を含有し、さらに必要に応じて他の成分を含有する二液型の室温硬化性組成物にすることもできる。二液型の組成物は、主剤と硬化剤を空気中で混合することにより、一液型の室温硬化性組成物と同様に硬化する。
さらに本発明の組成物には、必要に応じて顔料および染料などの着色剤、ベンガラおよび酸化セリウムなどの耐熱性向上剤、耐寒性向上剤、脱水剤、防錆剤、トリオルガノシロキサン単位およびSiO2単位からなる網状ポリシロキサンなどの液状補強剤を含有することができる。
本発明の組成物は、被着体に対して優れた接着性を有し、かつ浸水接着性及び接着耐久性にも優れているため、構造シーラント、複層ガラスの2次シール用シーリング材などのガラスやアルミニウムのシーリング材および接着材料として有用である。また、硬化性およびゴム強度の発現性に優れているので、とりわけ工場内施工用シーラント、シーリング材、シール材として有用である。
実施例1〜6、比較例1〜4
表1に示す主剤成分と硬化剤成分を12.5:1の割合で混合し、ポリオルガノシロキサン組成物を得た。
<主剤成分>
α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン(10,000mPa・s)
軽質炭酸カルシウム(樹脂酸処理):白石工業株式会社製白艶華TDD,平均粒
子径0.14μm
軽質炭酸カルシウム(脂肪酸処理):白石工業株式会社製Viscoexcel-30K,平
均粒子径0.08μm
<硬化剤成分>
(一般式(I)のアルコキシシラン)
ヘキシルトリメトキシシラン(C6)
オクチルトリエトキシシラン(C8)
ヘキサデシルトリメトキシシラン(C16)
(一般式(II)のアミノ官能性アルコキシシラン)
ビス−(γ−トリメトキシシリルプロピル)アミン
ビス−(γ−トリエトキシシリルプロピル)アミン
カーボンブラックのマスターバッチ〔α,ω−ビニルジメチルシリルポリジメチルシロキサン(100,000mPa・s)とカーボンブラック(キャボット・スペシャルティ・ケミカルズ・インク社製VULCAN XC72)を混合してマスターバッチ化した。〕
トリス−(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート
<硬化剤成分の比較成分>
メチルトリメトキシシラン
プロピルトリエトキシシラン
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン
N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
(1)タックフリータイム(分)
組成物を23℃、50%RHの雰囲気中に押し出した後、指で表面に接触して、乾燥状態にあることを確認するに至る時間を測定した。
(2)硬さ(タイプA)
硫酸アルマイト板上に配置された型(厚さ6mmに調整)に実施例及び比較例の組成物を注入し、23℃、50%RHで、2時間および3日間養生した後、JIS K6253に準拠した方法で硬さを測定した。
(3)引張強さ(MPa)
硬さ試験と同様にして3日間養生した後、JIS K6251に準拠した方法で測定した。
(4)伸び
硬さ試験と同様にして3日間養生した後、JIS K6251に準拠した方法で測定した。
(5)せん断接着力(MPa)
ガラス板上に実施例及び比較例の組成物を塗布し、23℃、50%RHで3日間養生した後、100時間(85℃、85%RH)養生した後、500時間(85℃、85%RH)養生した後に、JIS K6256に準拠した方法
で測定した。
(6)凝集破壊率(%)
ガラス板上に実施例及び比較例の組成物を塗布し、23℃、50%RHで3日間養生した後、100時間(85℃、85%RH)養生した後、500時間(85℃、85%RH)養生した後に、JIS K6256に準拠した方法
で測定した。
Figure 0005826624
実施例1〜6と比較例1〜3との対比から、硬化剤成分として一般式(I)で表されるアルコキシシランを含有することによって、500時間養生後のせん断接着力と凝集破壊率において顕著な違いが認められた。この結果から、硬化剤成分として一般式(I)で表されるアルコキシシランを含有することで接着耐久性が向上できることが確認できた。

Claims (4)

  1. (A)分子鎖末端がヒドロキシル基又は加水分解性基で封鎖され、23℃における粘度が20〜100万mPa・sであるポリオルガノシロキサン100質量部と、
    (B)充填剤10〜200質量部を含む主剤成分と、
    (C)硬化剤成分を含有しており、
    (C)成分の硬化剤成分として、下記一般式(I)で表されるアルコキシシランと一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランを含有し、金属を含む硬化触媒を含有していない、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物であって、
    下記一般式(I)で表されるアルコキシシランが、ヘキシルトリメトキシシラン又はヘキシルトリエトキシシランである、室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物
    1Si(OR23 (I)
    (式中、R1は炭素数4以上のアルキル基を示す)
    (R3O)3-m4 mSi−R5−NH−R5−SiR4 l(OR33-l (II)
    (式中、R3,R4は同一または相異なる置換または非置換の1価の炭化水素基を示し、R5は同一または相異なる置換または非置換の2価の炭化水素基を示す。mおよびlは1〜3の整数である。)
  2. (C)成分の硬化剤成分として含まれている前記一般式(I)で表されるアルコキシシランの含有量が、(A)成分100質量部に対して0.5〜10質量部である、請求項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  3. (C)成分の硬化剤成分として含まれている前記一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランの含有量が、(A)成分100質量部に対して0.2〜10重量部である、請求項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
  4. 一般式(I)で表されるアルコキシシランと一般式(II)で表されるアミノ官能性アルコキシシランの含有量の比率(質量比)が、一般式(I)/一般式(II)=70/30〜50/50の範囲である、請求項1〜のいずれか1項記載の室温硬化性ポリオルガノシロキサン組成物。
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