JP6006217B2 - 液晶化合物およびその製造方法、液晶組成物および液晶電気光学素子 - Google Patents

液晶化合物およびその製造方法、液晶組成物および液晶電気光学素子 Download PDF

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Description

本発明は、液晶化合物およびその製造方法、該化合物を含有する液晶組成物および液晶電気光学素子に関する。
液晶電気光学素子は、携帯電話、PDAなどの携帯機器、複写機、パソコンモニタなどのOA機器用表示装置、液晶テレビなどの家電製品用表示装置をはじめ、時計、電卓、測定器、自動車用計器、カメラなど、極めて広範な用途に用いられている。このため液晶電気光学素子には、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性など、種々の性能が要求される。
このような液晶電気光学素子に求められる全ての性能を単一の化合物によって満たすことは困難であることから、通常、1または2以上特異的に優れた特性を有する液晶化合物および非液晶性化合物をいくつか組み合わせた液晶組成物が液晶電気光学素子に使用される液晶相を示す材料として使用されている。
上記液晶組成物に使用される化合物の特性の中でも、他の液晶化合物および非液晶化合物との相溶性に優れ、化学的にも安定であり、かつ液晶電気光学素子に用いた場合に広い温度範囲で高速応答性に優れ低電圧駆動を発揮できる性質は重要である。
このような性質を発揮しうる化合物として、その分子中に特定構造の連結基を含有する化合物、たとえば−CFCF−(特許文献1〜2参照)、−CF2O−(特許文献3参照)、−CHCHCFO−(特許文献3参照)などの連結基を含有する化合物が知られている。
特開2000−192041号公報 特開平05−331084号公報 特開平05−112778号公報 特開2003−2858号公報
上記−CF2O−は、場合によって該基が分解されることがある。また、液晶電気光学素子に対する高い要求に、より一層応答しうる液晶化合物が望まれている。
このため、本発明は、化学的に安定であり、他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れるとともに、連結基への結合基の設計により高速応答性、低粘性、広い液晶温度範囲、高い透明点などの特性も併せ持つことが可能な液晶化合物を提供することを目的とする。
また、本発明は、そのような液晶化合物の製造方法、さらに信頼性の高い液晶電気光学素子を得るのに好適な液晶組成物およびその液晶組成物を用いた液晶電気光学素子を提供することを目的とする。
本発明は、上記のような液晶化合物として、新規な連結基−CF2CF2CF2O−を含む特定構造の液晶化合物を提供する。
本発明に係る液晶化合物は、下式(1)で表される。
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1)
式(1)中の記号は、以下の意味を示す。
1およびR2:相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF5または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子(C−C)間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子(−O−)またはチオエーテル性硫黄原子(−S−)が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2 −は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
1、A2、A3、A4、A5、A6およびA7:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH2−は−O−または−S−で置換されていてもよい。
1、Z2、Z3、Z4およびZ5:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH2 −は−O−または−S−で置換されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2 −は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、1つの−CH2CH2 −は−COO−または−OCO−で置換されていてもよい。
m、n、p、qおよびr:相互に独立して0または1である。ただし、0≦m+n+p+q+r≦3。
なお、本発明の化合物において、化合物構造の中で、上記−O−および/または−S−が連鎖することはない。
前記液晶化合物は、下式(1−1)で表されることが好ましい。
R11-(A11)m-Z11-(A21)n-Z21-(A31)p-Z31-A41-CF2CF2CF2O-A51-Z41-(A61)q-Z51-(A71)r-R21 (1−1)
式中の記号は、以下の意味を示す。
11およびR21:相互に独立して、フッ素原子、−CN、または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、C−C間または該基の結合末端に−O−または−S−が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2 −は−CH=CH−で置換されていてもよい。
11、A21、A31、A41、A51、A61およびA71:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH2−は−O−または−S−で置換されていてもよい。
11、Z21、Z31、Z41およびZ51:相互に独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH2−は−O−で置換されていてもよい。
m、n、p、qおよびrは前記と同じ意味である。
前記液晶化合物は、下式(1−2)で表されることがより好ましい。
R12-(A12)m-Z12-(A22)n-Z22-(A32)p-Z32-A42-CF2CF2CF2O-A52-Z42-(A62)q-Z52-(A72)r-R22 (1−2)
式中の記号は、以下の意味を示す。
12:炭素数1〜10のアルキル基であり、該基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、C−C間または該基の結合末端に−O−が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2 −は−CH=CH−で置換されていてもよい。
22:フッ素原子、−CNまたは炭素数1〜10のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、C−C間または該基の結合末端に−O−が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2 −は−CH=CH−で置換されていてもよい。
12、A22、A32、A42、A52、A62およびA72:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基または1つもしくは2つの水素原子がフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基。
12、Z22、Z32、Z42およびZ52:相互に独立して、単結合、−C24−、−COO−、−OCO−、−C≡C−。
m、n、p、qおよびrは前記と同じ意味である。
本発明では、上記のような液晶化合物の製造方法の一例として、以下の方法を提供することができる。
下記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される化合物とを反応させる工程、および
上記で得られる下記式(8)で表される化合物をフッ素化する工程を含む、
式(1)で表される化合物の製造方法。
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CO-R3 (9)
MCF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (10)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-C(=O)CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (8)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1)
各式中の記号は以下の意味を示す。
3:−OR、−N(R)(R)であり、R、Rは、相互に独立して、炭素数1〜5のアルキル基。
M:金属原子または金属原子を含む基。
他の記号は、上記式(1)における記号と同じ意味を示す。
また、液晶化合物が、上記式(1)中のA4が1,4−シクロヘキシレン基である下記式(1’)で表される化合物である場合の製造方法の一例として、以下の方法を提供することができる。
下記式(9’)で表される化合物と、下記式(10)で表される化合物とを反応させる工程、
上記で得られる下記式(8’)で表される化合物をフッ素化する工程、
上記で得られる下記式(7)で表される化合物を水添反応および酸化反応させる工程、および
上記で得られる下記式(5)で表される化合物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させ、次いで脱水反応および水添反応を行う工程を含む、
式(1’)で表される化合物の製造方法。
R4-O-Ph-CO-R3 (9’)
MCF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (10)
R4-O-Ph-C(=O)CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (8’)
R4-O-Ph-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (7)
O=Cy-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (5)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-M (4)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-Cy-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1’)
各式中の記号は以下の意味を示す。
3:−OR、−N(R)(R)であり、R、Rは相互に独立して、炭素数1〜5のアルキル基。
M:金属原子または金属原子を含む基。
−Ph−:1,4−フェニレン基。
−Cy−:トランス−1,4−シクロヘキシレン基。
他の記号は、上記式(1)における記号と同じ意味を示す。
また、本発明は、前記式(1)で表される液晶化合物を含む液晶組成物を提供する。
また、本発明は、該液晶組成物を、電極が配設された2枚の基板間に封入してなる液晶電気光学素子を提供する。
本発明の式(1)で表される液晶化合物は、化学的に安定であり、他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れる。本発明の液晶化合物は、連結基以外が類似する構造の液晶化合物と同等またはそれより低い粘性を有する。また、本発明の化合物は、該化合物を構成する環基、置換基および連結基を適宜選択することにより、液晶電気光学素子に要求される様々な性能、具体的には、例えば、広い動作温度範囲、高速応答性、化学的安定性等、を満たした液晶組成物を調製できる。該液晶組成物を液晶電気光学素子に用いた場合に広い温度範囲で高速応答性に優れた素子が得られる。
本発明の製造方法に従えば、−CF2CF2CF2O−連結基を有する化合物を汎用性が高く工業的にも容易に簡便かつ効率的に製造することができる。
以下に本発明について更に詳しく説明する。
本明細書において、式(1)で表される液晶化合物を化合物(1)と記し、他の式で表される化合物も同様に記す。
本明細書において、液晶化合物とは、液晶相を示す化合物および液晶相を示さないが液晶組成物の構成成分として有用である化合物を意味する。
本明細書において、特に断りのない限り、式(1)におけるR1に近いほうを常に1位とし、R2に近い方を常に4位とする。
また、本明細書において、「Δεが負に大きい」とは、Δεが負であって、その絶対値が大きいことを意味する。つまり、Δεの値が−1と−2であれば、−2の方が「Δεが負に大きい」となる。
また、本明細書において、液晶電気光学素子とは、表示素子に限られず、液晶の電気的または光学的特性を利用する各種の機能素子、例えば、液晶表示素子、さらに、調光窓、光シャッター、偏光変換素子、可変焦点レンズ等の用途に用いられる素子を含むものである。
本発明の液晶化合物に係る式(1)中、前記に規定されるR1およびR2について、アルキル基中の1つ以上の水素原子がハロゲン原子で置換された基としては、フルオロアルキル基、クロロアルキル基等が挙げられる。アルキル基中の水素原子を置換するハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
アルキル基中のC−C間に−O−または−S−が挿入された基としては、アルコキシアルキル基またはアルキルチオアルキル基が挙げられ、基の結合末端に−O−または−S−が挿入された基としては、アルコキシ基またはアルキルチオ基が挙げられる。
アルキル基中の−CH2CH2 −が、−CH=CH−または−C≡C−で置換された基としては、アルケニル基またはアルキニル基が挙げられる。
1およびR2において、水素原子のフッ素原子への置換、C−C間または該基の結合末端への−O−または−S−の挿入、および−CH2CH2 −の−CH=CH−または−C≡C−への置換は、同一のアルキル基に対して同時に行われていてもよい。
フッ素原子の置換と、−O−の挿入が同時に行われた基としては、フルオロアルコキシ基、フルオロアルコキシアルキル基が挙げられる。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、フッ素原子の置換が同時に行われた基としては、フルオロアルケニル基、フルオロアルキニル基が挙げられる。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、C−C間への−O−または−S−の挿入が同時に行われた基としては、アルケニルオキシアルキル基、アルキニルオキシアルキル基、アルケニルチオアルキル基、アルキニルチオアルキル基が挙げられる。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、基の結合末端に−O−または−S−が挿入された基としては、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、アルケニルチオ基、またはアルキニルチオ基が挙げられる。
さらに、フッ素原子の置換と、−CH=CH−または−C≡C−の置換と、−O−または−S−の挿入が同時に行われた基としては、フルオロアルケニルオキシ基、フルオロアルキニルオキシ基、フルオロアルケニルチオ基が挙げられる。
これらの基は、直鎖状と分岐状のどちらでもかまわないが直鎖状が好ましい。
1およびR2は、上記のうちでも、反応性や副反応が生じにくいことから、フッ素原子、−CNおよび炭素数1〜18の以下に挙げる基が好ましい。
アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシアルキル基、アルケニルチオ基、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、フルオロアルコキシアルキル基、フルオロアルケニル基またはフルオロアルケニルチオ基。
中でも、R1としては、炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシアルキル基が特に好ましい。
また、R2としては、フッ素原子、−CNおよび炭素数1〜10の、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルケニル基、アルケニルオキシ基、アルケニルオキシアルキル基、フルオロアルキル基、フルオロアルコキシ基、フルオロアルコキシアルキル基が特に好ましい。
また、前記に規定される式(1)中のA1、A2、A3、A4、A5、A6およびA7においても、水素原子のハロゲン原子への置換、=CH−の窒素原子への置換、および、−CH2−の−O−または−S−への置換は、同一の基に対して同時に行われていてもよい。ハロゲン原子としては、塩素原子またはフッ素原子が好ましい。
1、A2、A3、A4、A5、A6およびA7が1,4−フェニレン基であり、さらに置換基としてハロゲン原子を有する場合、1つの1,4−フェニレン基に置換するハロゲン原子の数は1つから4つであるが、中でも1つまたは2つが好ましい。トランス−1,4−シクロヘキシレン基であり、さらに置換基としてハロゲン原子を有する場合、ハロゲン原子の数は1つから4つであることが好ましい。また、ハロゲン原子はトランス−1,4−シクロヘキシレン基の1位または4位の炭素原子に結合していてもよい。
1,4−フェニレン基中の1つまたは2つの=CH−が窒素原子で置換された基としては、2,5−ピリミジニレン基または2,5−ピリジニレン基が挙げられる。
トランス−1,4−シクロへキシレン基中の1つまたは2つの−CH2−が−O−または−S−で置換された基としては、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基、1,3−ジチアン−2,5−ジイル基が挙げられる。
以下、ハロゲン原子および窒素原子の少なくとも1つで置換された1,4−フェニレン基を「置換1,4−フェニレン基」と記し、ハロゲン原子、−O−および−S−の少なくとも1つで置換された1,4−シクロヘキシレン基を「置換トランス−1、4−シクロヘキシレン基」と記す。
上記のうちでも、A1、A2、A3、A4、A5、A6およびA7としては、反応性や原料入手の関係から、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、置換トランス−1,4−シクロへキシレン基、または置換1,4−フェニレン基が好ましい。
中でも、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、または基中の水素原子の1つまたは2つがフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基が特に好ましい。
また、化合物(1)の粘性を下げるとともに、透明点を高くする観点からは、A4がトランス−1,4−シクロへキシレン基であることが特に好ましい。
また、化合物(1)のΔεを大きくする観点からは、A4が1,4−フェニレン基、または基中の水素原子の1つまたは2つがフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基であることが特に好ましい。
なお、A1、A2、A3、A4、A5、A6およびA7のいずれにおいても、式(1)におけるR1に近い方を1位とし、R2に近いほうを4位とする。
化合物(1)において、Z1、Z2、Z3、Z4およびZ5は、前記と同じ意味を示す。
なお、水素原子のフッ素原子への置換、および−CH2−の−O−または−S−への置換、−CH2CH2−の−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−への置換は同一の基に対して同時に行われていてもよい。
基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキレン基としては、−CF2CF2−、−CF2CH2−、−CH2CF2−、−CHFCH2−、−CH2CHF−、−CF2CHF−、−CHFCF2−等が挙げられる。
基中の1つ以上の−CH2−が−O−または−S−で置換されたアルキレン基としては、−CH2O−、−OCH2−、−CH2S−、−SCH2−等が挙げられる。
また、基中の水素原子のフッ素原子への置換と、基中の−CH2−の−O−への置換と、が同時に行われた基としては、−CF2O−、−OCF2−等が挙げられる。
基中の1つ以上の−CH2CH2−が、−CH=CH−または−C≡C−で置換されたアルキレン基としては、アルケニレン基またはアルキニレン基が挙げられる。アルケニレン基またはアルキニレン基としては、−CH=CH−、−CH=CH−CH2−、−CH=CH−CH2−CH2−、−CH=CH−CH=CH−、−CH2−CH=CH−CH2−、−C≡C−、−C≡C−CH2−、−C≡C−CH2−CH2−、−C≡C−C≡C−、−CH2−C≡C−CH2−等が挙げられる。また、−CH=CH−C≡C−のように、二重結合と三重結合が混在しても構わない。また、これらの基は逆向きでも構わない。
−CH=CH−または−C≡C−の置換と、フッ素原子の置換が同時に行われた基としては、−CF=CF−、−CF=CF−C≡C−等が挙げられる。
基中に1つの−CH2CH2−が、−COO−または−OCO−で置換された基としては、−COO−、−OCO−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−等が挙げられる。
また、前記に規定される式(1)中のZ1、Z2、Z3、Z4またはZ5が単結合である場合には、それぞれの基の両側に存在する基は直接結合することを意味する。例えば、Z1が単結合でありmおよびnが1の場合はA1とA2とは直接結合する。また、Z1、Z2およびZ3が単結合でありm、nおよびpが0である場合は、R1とA4とは直接結合する。Z2、Z3、Z4およびZ5においても同様である。
1、Z2、Z3、Z4およびZ5としては、合成の容易さ等から、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−または炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。該基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよく、該基中の1つ以上の−CH2−が−O−で置換されていてもよい。
中でも、単結合、−C24−、−COO−、−OCO−または−C≡C−が特に好ましい。
本発明の化合物(1)において、m、n、p、qおよびrは前記と同じ意味を示す。
なお、m、n、p、qおよびrは化合物に要求特性に応じて適宜選択することができる。
たとえば化合物(1)が低粘性であること、あるいは該化合物が他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れている点を重視する場合、0≦m+n+p+q+r≦1であることが好ましい。一方、化合物の高い液晶温度範囲を重視する場合、1≦m+n+p+q+r≦3であることが好ましい。
化合物(1)のΔεを正に大きくする観点からは、−CF2CF2CF2O−のO側である、「−A5−Z4−(A6q−Z5−(A7r−R2」が、電子求引性の基であることが好ましいと考えられる。この「−A5−Z4−(A6q−Z5−(A7r−R2」の電子求引性とは、化合物(1)において、q=r=0かつ「−A5−R2」のR2が水素原子であるものに比して電子求引性であることを意味する。
「−A5−Z4−(A6q−Z5−(A7r−R2」が電子求引性の基となる場合としては、各基が以下のものであることが挙げられる。
2:フッ素原子、−OCF3、−OCF2H、−CN、−NCS、または−SF5
5、A6、A7:相互に独立して、1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、または3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基。
4、Z5:単結合
q、r:相互に独立して0または1
このような、Δεが正に大きい化合物を用いることにより、低電圧駆動できる液晶電気光学素子が得られる。
化合物(1)のΔεを負に大きくする観点からは、A1、A2、A3、A4、A5、A6およびA7の1つ以上が2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基であることが好ましい。また、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基に直接結合するR1およびR2がアルコキシ基であることが好ましい。
従来より知られた−CF2O−連結基含有化合物において、−CF2O−の炭素原子側に1,4−フェニレン基が置換した場合、該基がフッ素原子で置換されていないと、−CF2O−連結基が不安定で加水分解により−COO−に変換してしまうことがある。
これに対して、本発明の−CF2CF2CF2O−連結基を有する化合物においては、該連結基に、フッ素原子が置換されていない1,4−フェニレン基が置換されていても、連結基の分解がほとんど生じず、化合物の安定性が著しく向上するという特長を有する。
また、−CF=CF−などの不飽和結合を有する連結基と比較して、シス−トランス異性化を生じる部位が存在しないため、光などに対しても安定性が高いという特長を有する。
このことから、本発明の−CF2CF2CF2O−連結基を有する化合物は、連結基の両端の環基の構造をフッ素置換1,4−フェニレン基などに限定しなくても、化合物を安定して得ることができるという特長を有していることが分る。
上記のような本発明の化合物(1)のうちでも、化合物(1−1)が好ましい。
R11-(A11)m-Z11-(A21)n-Z21-(A31)p-Z31-A41-CF2CF2CF2O-A51-Z41-(A61)q-Z51-(A71)r-R21 (1−1)
式中の記号は前記に記載のとおりである。
本発明の化合物(1)としては、化合物(1−2)がより好ましい。
R12-(A12)m-Z12-(A22)n-Z22-(A32)p-Z32-A42-CF2CF2CF2O-A52-Z42-(A62)q-Z52-(A72)r-R22 (1−2)
式中の記号は前記に記載のとおりである。
化合物(1)の好ましいものとして、以下の化合物が挙げられる。以下の式中、R12およびR22は前記と同じ意味を示し、他の記号は以下の意味を示す。
−Cy−:トランス−1,4−シクロヘキシレン基。
−Phe−:1つまたは2つのフッ素原子で置換されていてもよい1,4−フェニレン基。
2環の化合物(m+n+p+q+r=0であるもの):
3環の化合物(m+n+p+q+r=1であるもの):
4環の化合物(m+n+p+q+r=2であるもの):
5環の化合物(m+n+p+q+r=3であるもの):
上記のような本発明の化合物(1)の好ましい製造方法として、
下記化合物(9)と、下記化合物(10)とを反応させる工程、および
上記で得られる下記化合物(8)をフッ素化する工程を含む、
製造方法が挙げられる。以下、この製法を「製法1」と記す。
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CO-R3 (9)
MCF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (10)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-C(=O)CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (8)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1)
各式中の記号は以下の意味を示す。
3:−OR、−N(R)(R)であり、R、Rは、相互に独立して、炭素数1〜5のアルキル基。
M:金属原子または金属原子を含む基。
他の記号は、上記式(1)における記号と同じ意味を示す。
上記製法1で化合物(1)を得る一連の反応は、以下のように表すことができる。
上記化合物(9)は、新実験化学講座(丸善)等、有機合成の成書に記載されている方法にを参考にして合成できる。
化合物(9)のR3としては、合成が容易であることから、−ORであることが好ましい。中でもRが炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
化合物(10)は、例えば、以下の方法で合成することができる。

式中の記号は前記と同じ意味を示す。
化合物(11)において、Xとしては、反応性が良好であることから塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、ヨウ素原子が特に好ましい。
化合物(11)のメタル化反応としては、リチオ化や、金属マグネシウムとの反応によりグリニャール試薬とする方法が挙げられる。リチオ化としては、金属リチウムを使用する方法や、リチウム化剤としてn−ブチルリチウムなどのアルキルリチウムを用いたハロゲン−メタル交換反応が挙げられる。
化合物(11)のメタル化により得られた化合物(10)のMとしては、MgI、MgBr、MgClおよびLiが好ましく、中でもLiが好ましい。
上記製法1において、化合物(11)のメタル化により得られた化合物(10)は、単離した後で化合物(9)と反応させてもよく、メタル化反応の後で、単離することなく連続的に化合物(9)と反応させてもよい。
化合物(8)の製造において、化合物(10)を単離する場合は、化合物(10)の使用量は化合物(9)1モルに対し、0.9〜2.0モルが好ましく、1〜1.5モルがより好ましい。
化合物(10)を単離せず、化合物(11)のメタル化反応から連続的に反応を行う場合は、化合物(11)の使用量は化合物(9)1モルに対し、0.9〜2.0モルが好ましく、1〜1.5モルがより好ましい。
化合物(8)の製造は溶媒中で実施するのが好ましい。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、エーテル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒の混合溶媒が好ましい。
反応温度は−100〜50℃が好ましく、−95〜−80℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜5時間がより好ましい。
化合物(1)の製造において、化合物(8)のフッ素化は溶媒中で実施するのが好ましい。使用することができる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン等の塩素系溶媒;石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、ジクロロメタン等の塩素系溶媒、エタノール等のアルコール系溶媒、これらの溶媒の混合溶媒が好ましい。
フッ素化反応としては、四フッ化硫黄、三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄、三フッ化モルホリノ硫黄、三フッ化ビス−(2−ジメトキシエチル)アミノ硫黄、または二フッ化キセノンを用いたカルボニル化合物の直接フッ素化反応や、オルト−チオエステル、ジチアン、チオカルボニルを経由した酸化的脱硫フッ素化反応が挙げられ、これらの中でも三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄を用いる反応がより好まれる。
前記フッ素化試薬の使用量は、化合物(8)1モルに対し、0.5倍〜20倍量するのが好ましく、1〜5倍量使用するのがより好ましい。
反応温度は0〜150℃が好ましく、20〜80℃がより好ましい。
反応時間は1〜72時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。
また、化合物(1)の中でも、A4がトランス1,4−シクロヘキシレン基である場合(化合物(1’))の製造方法は、下記の方法が好ましく挙げられる。以下、この製法を「製法2」と記す。
下記式(9’)で表される化合物と、下記式(10)で表される化合物とを反応させる工程、
上記で得られる下記式(8’)で表される化合物をフッ素化する工程、
上記で得られる下記式(7)で表される化合物を水添反応および酸化反応させる工程、および
上記で得られる下記式(5)で表される化合物と、下記式(4)で表される化合物とを反応させ、次いで脱水反応および水添反応を行う工程を含む、
式(1’)で表される化合物の製造方法。
R4-O-Ph-CO-R3 (9’)
MCF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (10)
R4-O-Ph-C(=O)CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (8’)
R4-O-Ph-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (7)
O=Cy-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (5)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-M (4)
R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-Cy-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1’)
各式中の記号は以下の意味を示す。
3:−OR、−N(R)(R)であり、R、Rは相互に独立して、炭素数1〜5のアルキル基。
M:金属原子または金属原子を含む基。
−Ph−:1,4−フェニレン基。
−Cy−:トランス−1,4−シクロヘキシレン基。
他の記号は、上記式(1)における記号と同じ意味を示す。
製法2で化合物(1’)を得る一連の反応は、以下のように表すことができる。

式中の−Ch−は1,4−シクロヘキセニレン基であり、他の記号の定義および好ましい態様は、化合物(1)および(1’)について前述したとおりである。
上記製法2において、化合物(9’)は製法1の化合物(9)と同様の方法で得ることができる。
化合物(9’)において、R4としては、OH基の保護基として有機合成で通常用いられるもので構わない。ベンジル基、アシル基等が挙げられ、合成が容易であることからベンジル基であることが好ましい。
また、化合物(11)から化合物(8’)を得る工程は、前記製法1で化合物(8)を得るまでと同様である。
化合物(8’)のフッ素化は、前記製法1で化合物(1)を得る工程と同様である。
化合物(8’)をフッ素化して得た化合物(7)を水添反応し、化合物(6)を製造するのは、溶媒中で実施するのが好ましい。化合物(6)の製造の際に使用することができる溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル等のエステル系溶媒;メタノール、エタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、エタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、これらの溶媒の混合溶媒が好ましい。
また、化合物(6)の製造は不均一系触媒存在下で実施するのが好ましい。この化合物(6)の製造の際に使用できる触媒としてはパラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、ラネーニッケル、酸化白金などの遷移金属類が挙げられる。
前記触媒の使用量は、化合物(7)の質量に対し、0.01〜1.0倍量使用するのが好ましく、0.1〜0.5倍使用するのがより好ましい。
反応温度は−50〜100℃が好ましく、0〜40℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜3時間がより好ましい。
化合物(6)を酸化して、化合物(5)を製造するための酸化反応としては、有機超原子価ヨウ素試薬を用いるDess-Martin酸化反応、クロロクロム酸ピリジニウムや二クロム酸ピリジニウムを用いるJones酸化反応、テトライソプロポキシアルミニウムとアセトンを用いるOppenauer酸化反応、ジメチルスルホキシドと塩化オキサリルを用いるSwern酸化反応または、酢酸、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる酸化反応が挙げられ、これらの中でも酢酸、次亜塩素酸ナトリウム水溶液を用いる酸化反応が特に望まれる。
酢酸の使用量としては、化合物(6)の質量に対して1〜30倍量使用するのが好ましく、3〜5倍量使用するのがより好ましい。また、次亜塩素酸ナトリウム水溶液は化合物(6)1モルに対して0.1〜5倍モル使用するのが好ましく、0.1〜1倍モル使用するのがより好ましい。
反応温度は0〜100℃が好ましく、20〜60℃がより好ましい。
反応時間は1〜72時間が好ましく、3〜48時間がより好ましい。
化合物(4)と化合物(5)の反応は、溶媒中で実施するのが好ましい。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、エーテル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒の混合溶媒が好ましい。
化合物(4)の使用量は化合物(5)1モルに対し、0.9〜20.0モルが好ましく、1〜10モルがより好ましい。
反応温度は−70〜50℃が好ましく、−10〜30℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜5時間がより好ましい。
化合物(4)は、新実験化学講座(丸善株式会社出版)等、有機合成の成書に記載されている方法にて容易に得られる。
Mは金属原子または金属原子を含む基である。特に制限はないが、中でもMgI、MgBr、MgClおよびLiが好ましい。
なお、化合物(4)は、単離した後で化合物(5)と反応させてもよく、メタル化反応の後で、単離することなく連続的に化合物(5)と反応させてもよい。
化合物(4)と化合物(5)との反応により得た化合物(3)を、脱水することにより化合物(2)が得られる。該脱水反応は酸性条件下で行うことが好ましい。
脱水反応は溶媒中で実施するのが好ましく、該溶媒としては前記反応で例示したものが挙げられるが、中でもトルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、これらの溶媒の混合溶媒が好ましい。
脱水反応で使用できる酸としては、例えば、塩酸、硫酸等の強酸類;トリフルオロ酢酸、酢酸、蟻酸等のカルボン酸類;パラトルエンスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
酸の使用量としては、化合物(2)に対し、0.01〜10当量が好ましく、0.1〜1当量がより好ましい。
反応温度は0℃〜還流下が好ましく、30℃〜還流下がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜3時間がより好ましい。
前記化合物(2)を水素添加することにより、化合物(1’)を得ることができる。
水添反応は、溶媒中で実施するのが好ましく、該溶媒としては前記反応で例示したものが挙げられるが、中でも、エタノール等のアルコール系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、これらの溶媒の混合溶媒が好ましい。
また、化合物(1’)の合成は不均一系触媒存在下で実施するのが好ましい。この化合物(1’)の製造の際に使用できる触媒としてはパラジウムカーボン、ロジウムカーボン、ルテニウムカーボン、ラネーニッケル、酸化白金などの遷移金属類が挙げられる。
前記触媒の使用量は、化合物(2)の質量に対し、0.01〜1.0倍量使用するのが好ましく、0.1〜0.5倍使用するのがより好ましい。
反応温度は0〜100℃が好ましく、30〜80℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜3時間がより好ましい。
本発明は、本発明の化合物(1)を含む液晶組成物を提供する。この液晶組成物は、本発明の化合物(1)と、他の液晶化合物または非液晶化合物(これらを総称して「他の化合物」という)とを混合して構成される。
本発明の液晶組成物における化合物(1)の含有量は、用途、使用目的、他の化合物の種類等により適宜変更することができるが、液晶組成物全量に対して化合物(1)は0.5〜50質量%が好ましく、特に2〜20質量%が好ましい。また、用途、使用目的等により、液晶組成物中に化合物(1)を2種類以上含有してもよい。その場合、液晶組成物の全量に対して化合物(1)の合計量で0.5〜80質量%が好ましく、特に2〜50質量%が好ましい。
化合物(1)と混合して用いる他の化合物としては、屈折率異方性値を調整する成分、粘性を下げる成分、低温で液晶性を示す成分、誘電率異方性を向上させる成分、コレステリック性を付与する成分、二色性を示す成分、導電性を付与する成分、その他各種添加剤等が挙げられる。これらは、用途、要求性能等により、適宜選択されるが、通常は、液晶化合物および該液晶化合物と類似構造を有する主成分と、必要に応じて添加される添加成分とからなるものが好ましい。
本発明の液晶組成物において、前記他の化合物としては、例えば、以下の式で表されるものが挙げられる。以下の式中、R5およびR6は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子またはシアノ基等の基を表す。また、R3およびR4は、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。また、以下の式中、−Cy−はトランス−1,4−シクロへキシレン基を表し、−Ph−は1,4−フェニレン基を表し、−PhFF−はジフロオロフェニレン基を表す。
なお、これらの化合物は単なる代表例であり、該化合物中の環構造または末端基に存在する水素原子が、ハロゲン原子、シアノ基、メチル基等で置換されたものでもよい。また、シクロヘキサン環やベンゼン環が他の六員環や五員環、例えば、ピリミジン環やジオキサン環等で置換されたものでもよく、環と環との間の結合基がそれぞれ独立して他の2価の結合基、例えば−CH2O−、−CH=CH−、−N=N−、−CH=N−、−COOCH2−、−OCOCH2−または−COCH2−等に変更されているものでもよく、所望の性能に合わせて選択することができる。
本発明の液晶組成物としては、以下のものを示すことができる。式中の記号は前記と同じ意味を示す。
さらに、本発明は、前記液晶組成物を液晶層の構成材として用いる液晶電気光学素子を提供する。例えば、本発明の液晶組成物を液晶セル内に注入する等して形成される液晶層を、電極を備える2枚の基板間に挟持して構成される電気光学素子部を有する液晶電気光学素子を提供する。この液晶電気光学素子は、TN方式、STN方式、ECBモード、VAモード、ゲストホスト方式、動的散乱方式、フェーズチェンジ方式、DAP方式、二周波駆動方式、強誘電性液晶表示方式等種々のモードで駆動されるものが挙げられる。駆動モードとしては、パッシブ駆動、アクティブ駆動で使用できる。
代表的な液晶電気光学素子としては、ツイストネマチック(TN)型液晶表示素子が挙げられる。このツイストネマチック(TN)型液晶表示素子は、まず、プラスチック、ガラス等の基板上に、必要に応じてSiO2、Al23等のアンダーコート層やカラーフィルター層を形成し、In23−SnO2(ITO)、SnO2等からなる被膜を成膜し、ホトリソグラフィ等により所要のパターンの電極を形成する。次に、必要に応じて、ポリイミド、ポリアミド、SiO2、Al23等のオーバーコート層を形成し、配向処理する。これにシール材を印刷し、電極面が相対向するように配して周辺をシールし、シール材を硬化して空セルを形成する。
さらに、空セルに、本発明の組成物を注入し、注入口を封止剤で封止して液晶セルを構成する。この液晶セルに、必要に応じて、偏光板、カラー偏光板、光源、カラーフィルター、半透過反射板、反射板、導光板、紫外線カットフィルター等を積層、文字、図形等を印刷、ノングレア加工等をして液晶電気光学素子を得ることができる。
なお、上述の説明は、液晶電気光学素子の基本的な構成および製法を説明したものであり、他の構成も採用できる。例えば、2層電極を用いた基板、2層の液晶層を形成した2層液晶セル、反射電極を用いた基板、TFT、MIM等の能動素子を形成したアクティブマトリクス基板を用いたアクティブマトリクス素子等、種々の構成のものが採用できる。特に本発明の組成物は、TFT、MIM等のアクティブマトリクス素子にも好適である。
さらに、本発明の組成物は、前記TN型以外のモード、即ち、高ツイスト角のスーパーツイストネマチック(STN)型液晶電気光学素子や、多色性色素を用いたゲスト−ホスト(GH)型液晶電気光学素子、横方向の電界で液晶分子を基板に対して平行に駆動させるインプレーンスイッチング(IPS)型液晶電気光学素子、液晶分子を基板に対して垂直配向させるVA型液晶電気光学素子、強誘電性液晶電気光学素子等、種々の方式で使用することができる。また、電気的に書き込みをする方式ではなく、熱により書き込みをする方式に用いることもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を例示しようとするものである。
化合物(13a)の合成

化合物(14a)100gのジメチルアセトアミド1200ml溶液に炭酸カリウム113gを加え、50℃にて3時間攪拌した。窒素ガスで60%に希釈したテトラフルオロエチレンを793mL/minで60分間吹き込んだ後、1時間攪拌した後水300mlを加え反応を停止させた。ヘキサンにて抽出し、有機相を洗浄して、溶媒を減圧留去させて透明な液体として化合物(13a)を83g得た。
得られた化合物(13a)の19F−NMRおよび、GC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −88.9(m、2F、OCF 2 )、−132.8(m、2F、CF 2 H)、−137.9(m、2F、3,5−F−Ph)、−163.4(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 248、229、210、197、182、148、131、119、101、81、69、51
化合物(12a)の合成

前記と同様にして得た化合物(13a)527gのtert-ブチルメチルエーテル5300ml溶液を−78℃に冷却してn−ブチルリチウム(1.65M)2400mlを滴下して−78℃にて4時間攪拌後、10%塩酸2700mlにて反応を停止した。有機相を水洗して、溶媒を留去させ黄色の液体として化合物(12a)を313g得た。
得られた化合物(12a)の19F−NMRおよび、GC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ
GC−MS M+ 228、200、181、159、150、131、112、99、81、69、50
化合物(11a)の合成

N−ヨードスクシンイミド981gを塩化メチレン6200mlに分散させ、フッ化水素−ピリジン420mllを滴下した。前記と同様にして得た化合物(12a)570gの塩化メチレン1500mlを滴下して室温にて3時間攪拌した後、10%水酸化ナトリウム水溶液で反応を停止した。ヘキサンにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにて精製して紫色の液体として化合物(11a)を573g得た。
得られた化合物(11a)の19F−NMRおよび、GC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −64.2(m、2F、CF 2 I)、−87.3(m、2F、OCF 2 )、−131.7(m、2F、3,5−F−Ph)、−161.7(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 374、247、227、197、182、177、162、147、131、119、100、93、81、69
化合物(9’a)の合成

4−ヒドロキシ安息香酸プロピル(15a)350gのN,N-ジメチルホルムアミド1750ml溶液に炭酸カリウム296gと臭化ベンジル365gを加え、室温にて終夜攪拌した後に水1700mlを加え反応を停止した。トルエンにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにて精製して白色の固体として化合物(9’a)を512g得た。
得られた化合物(9’a)のGC−MSデータを示す。
GC−MS M+ 270、255、241、228、207、181、153、128、91、65、40
化合物(8’a)の合成

化合物(9’a)248gと化合物(11a)582gのジエチルエーテル7400mL溶液を−95℃に冷却してn−ブチルリチウム(1.65M)1500mLを滴下して4時間攪拌後、10%塩酸1200mLにて反応を停止した。tert-ブチルメチルエーテルにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにて精製して白色の固体として化合物(8’a)を291g得た。
得られた化合物(8’a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −84.9(m、2F、OCF 2 )、−115.3(m、2F、COCF 2 )、−132.1(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.3(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 458、429、401、367、229、299、269、243、211、131、104、91、65
化合物(7a)の合成

化合物(8’a)626gの1,2−ジクロロエタン3500ml溶液に三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄513gを滴下し、50℃にて加熱して20時間攪拌後、25%炭酸カリウム水溶液にて反応を停止した。n−ヘキサンにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。再結晶にて精製して褐色の固体として化合物(7a)を554g得た。
得られた化合物(7a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.2(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−110.3(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−126.1(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.0(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.3(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 480、461、429、390、349、303、283、253、233、181、131、91、65
化合物(6a)の合成

化合物(7a)268gを5%パラジウムカーボン57g存在下に酢酸エチル1400mlを加え、水素添加する。水素添加後、溶媒を減圧留去して緑色の液体として得られた化合物77gを5%ロジウムカーボン16g存在下に酢酸エチル3500mlを加え、水素添加する。水素添加後、溶媒を減圧留去して無色透明の液体として化合物(6a)62gを得た。
得られた化合物(6a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−118.5(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.5(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.0(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.3(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 396、376、358、339、320、280、259、229、197、179、148、131、119、91、81、57
化合物(5a)の合成

化合物(6a)112gの塩化メチレン475ml、酢酸560ml溶液に5%次亜塩素酸ナトリウム水溶液210gを加え、40℃にて26時間攪拌した。クロロホルムで抽出し有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにて精製し無色透明の液体として化合物(5a)85gを得た。
得られた化合物(5a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.7(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−117.7(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.1(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−131.8(m、2F、3,5−F−Ph)、−161.9(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 394、379、352、338、324、307、287、273、197、177、148、131、119、97、69、55
化合物(3a)の合成

リチウム10gと4,4’−ジ−tert−ブチルビフェニル(DBB)312gをテトラヒドロフラン2300mlに分散させ、3時間攪拌後に4−n−プロピルシクロヘキシルクロライド75gのテトラヒドロフラン190ml溶液を滴下した。さらに2時間攪拌後に化合物(5a)30gのテトラヒドロフラン80ml溶液を滴下し時間攪拌した後に10%塩酸にて反応を停止した。tert-ブチルメチルエーテルで抽出し有機相を水洗して溶媒を減圧留去した。再結晶、カラムクロマトグラフィーにて精製し白色の固体として化合物(3a)15gを得た。
得られた化合物(3a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2CF2O)、−118.6(m、2F、CF2CF2CF2O)、−124.2(m、2F、CF2CF2CF2O)、−132.0(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.2(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 520、502、459、417、395、377、245、327、307、259、209、181、153、121、97、83、69、55、41
化合物(2a)の合成

化合物(3a)29gのトルエン745ml溶液にパラ−トルエンスルホン酸一水和物2gを加えて還流下で3時間攪拌した。有機相を水洗して溶媒を減圧留去して、カラムクロマトグラフィーにて精製して無色透明の液体として化合物(2a)25gを得た。
得られた化合物(2a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−118.7(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.3(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.1(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.3(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 502、473、459、445、418、391、363、343、277、221、149、171、131、123、95、81、67
化合物(1a)の合成

化合物(2a)24gを5%パラジウムカーボン6g存在下に酢酸エチル577mlを加え、水素添加する。水素添加後、溶媒を減圧留去しカラムクロマトグラフィー、再結晶にて精製して白色の固体として化合物(1a)9gを得た。
得られた化合物(1a)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−118.7(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.3(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.1(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.3(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 504、484、447、405、377、343、259、181、131、125、111、95、83、69、55、41
相転移温度 C 36 Sm 106.6 N 126.7 I
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物(1a)の透明点(Tc)は95.8℃、屈折率異方性(Δn)は0.082、25℃でのずり粘度は10.6mm2・s−1、Δεは7.4であった。
なお、前記の各物性値は、メルク社製液晶組成物「ZLI−4792」90質量%と、前記本発明の化合物(1a)10質量%の割合で混合し液晶組成物を調合し、この液晶組成物を用いて、以下の方法で測定した。
[液晶透明点(Tc)の測定]
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート上に液晶組成物を置き、1℃/minで昇温し、相変化を観察し、液晶組成物のTcを測定し、測定値を外挿することで化合物(1a)のTcの外挿値を算出した。
[光学異方性(屈折率異方性;Δn)の測定]
波長589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折計により行った。主プリズムの表面を一方向にラビングしたあと、液晶組成物を主プリズムに滴下した。屈折率(n‖)は偏光の方向がラビングの方向と平行であるときに測定した。屈折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と垂直であるときに測定した。光学異方性の値は、Δn=n‖−n⊥、の式から計算し、測定値を外挿することによって算出した。
[ずり粘度の測定]
日本グリース社製「粘度計校正用標準液」と液晶組成物がオストワルド型粘度管の2点間を到達する時間を測定し、換算式[標準液の粘度]×[液晶組成物の到達時間]/[標準液の到達時間]から25℃での液晶組成物のずり粘度を測定し、測定値を外挿することで化合物(1a)のずり粘度の外挿値を算出した。
[誘電率異方性(Δε)の測定]
液晶組成物を2枚のガラスセル(間隔8μm)の間に封入した。20℃にてこのセルに100mVの電圧を印加して液晶分子の短軸方向の誘電率(ε⊥)を測定した。88Vの電圧を印加して液晶分子の長軸方向の誘電率(ε‖)を測定した。化合物の誘電率異方性(Δε)は式Δε=ε‖−ε⊥から組成物のΔεを求めて、外挿することで求めた。
化合物(3b)の合成

マグネシウム1.6gとTHF9mlを55℃まで加熱して、4’−プロピル−4−トランス-シクロヘキシル−ブロモベンゼン18gのTHF35ml溶液を40℃にて滴下し、1時間攪拌した。得られたグリニャール試薬に、化合物(5a)8gのTHF16ml溶液を室温にて滴下して2時間攪拌後、10%塩酸58mlを加え反応を停止した。tert-ブチルメチルエーテルにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにて精製して淡黄色の固体として化合物(3b)を12g得た。
得られた化合物(3b)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.8(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−118.1(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.6(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−131.9(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.2(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 596、578、559、535、493、471、395、257、244、125、105、83、69、55、40
化合物(2b)の合成
化合物(3b)12gのトルエン245ml溶液にパラ−トルエンスルホン酸一水和物0.8gを加えて還流下で2時間攪拌した。有機相を水洗して溶媒を減圧留去して、カラムクロマトグラフィーにて精製して黄褐色の固体として化合物(2b)11gを得た。
得られた化合物(2b)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−119.5(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.5(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.0(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.2(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 578、480、467、447、349、277、233、215、183、169、155、141、129、83、69、55、40
化合物(1b)の合成

化合物(2b)8gを5%パラジウムカーボン1.6g存在下に酢酸エチル160mlを加え、水素添加する。水素添加後、溶媒を減圧留去しカラムクロマトグラフィー、再結晶にて精製して白色の固体として化合物(1b)1gを得た。
得られた化合物(1b)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−113.9(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.5(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.0(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.2(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 580、482、469、455、359、319、299、279、235、215、201、143、129、117、105、91、83、69、55、41
相転移温度 C 70 Sm 157.8 N 193.9 I
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物(1a)の透明点(Tc)は154.8℃、屈折率異方性(Δn)は0.112、25℃でのずり粘度は16.9mm2・s−1、Δεは8.8であった。
化合物(8c)の合成

4−(4’−プロピルフェニル)−安息香酸エチル(9c)10gと化合物(11a)(11c)28gのジエチルエーテル300mL溶液を−95℃に冷却してn−ブチルリチウム50mLを滴下して2時間攪拌後、10%塩酸63mLにて反応を停止した。tert-ブチルメチルエーテルにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。カラムクロマトグラフィーにて精製して白色の固体として化合物(8c)を11g得た。
得られた化合物(8c)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −84.9(m、2F、OCF 2 )、−117.9(m、2F、COCF 2 )、−131.6(m、2F、3,5−F−Ph)、−155.7(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 470、441、403、294、275、224、223、196、178、152、115、97、82、69
化合物(1c)の合成

化合物(8c)10gの1,2−ジクロロエタン50ml溶液に三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄8gを滴下し、50℃にて加熱して18時間攪拌後、25%炭酸カリウム水溶液にて反応を停止した。n−ヘキサンにて抽出し、有機相を水洗して、溶媒を減圧留去した。再結晶、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して白色の固体として化合物(1c)を2g得た。
得られた化合物(1c)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.2(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−111.1(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−126.1(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.0(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.2(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 492、463、431、395、377、345、315、283、263、231、216、165、131、108、81、69
相転移温度 C 36.8 I
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物1c)の透明点(Tc)は−6.0℃、屈折率異方性(Δn)は0.122、25℃でのずり粘度は14.1mm・s−1、Δεは10.0であった。
同様にして化合物(1d)および(1e)を合成した。

相転移温度 C 38.2 I
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物(1d)の透明点(Tc)は−49.7℃、屈折率異方性(Δn)は0.109、25℃でのずり粘度は19.5mm2・s−1、Δεは15.5であった。

相転移温度 C 34.0 I
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物(1e)の透明点(Tc)は−11.7℃、屈折率異方性(Δn)は0.076、25℃でのずり粘度は17.0mm2・s−1、Δεは10.7であった。
化合物(1f)の合成

化合物(1f)の合成は4−n−プロピルシクロヘキシルクロライドを4−n−プロピルビシクロヘキシルクロライドに変えた他は、化合物(1a)と同様の合成を行い、化合物(1f)を7g得た。
得られた化合物(1f)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.9(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−118.7(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.3(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.1(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.3(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 586、566、543、460、445、405、377、343、259、191、163、137、125、95、83、69、55、41
相転移温度 C 213 Sm 239.3 N 246 I
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物(1f)の透明点(Tc)は219.1℃、屈折率異方性(Δn)は0.105、25℃でのずり粘度は29.8mm2・s−1、Δεは7.9であった。
化合物(1g)の合成

化合物(1g)の合成は4’−プロピル−4−トランス-シクロヘキシル−ブロモベンゼンを4−ブロモ−4’−プロピルビフェニルに変えた他は、化合物(1b)と同様の合成を行い、化合物(1g)を8g得た。
得られた化合物(1g)の19F−NMRおよびGC−MSデータを示す。
19F−NMR(CDCl3,CFCl3):δ −83.7(m、2F、CF2CF2 CF 2 O)、−118.8(m、2F、CF 2 CF2CF2O)、−124.4(m、2F、CF2 CF 2 CF2O)、−132.2(m、2F、3,5−F−Ph)、−162.2(m、1F、4−F−Ph)
GC−MS M+ 574、545、527、489、443、377、341、312、272、235、209、180、152、115、90、54
相転移温度 C (72.4) 149 Sm 173.7 N 195.6 I
なお、C相とSm相の間の相転移温度は、示差走査熱量計で確認した結果をカッコ内に記載した。
メルク社製液晶組成物ZLI−4792を母液晶として外挿値を求めたところ、化合物(1g)の透明点(Tc)は171℃、屈折率異方性(Δn)は0.162、25℃でのずり粘度は32.6mm2・s−1、Δεは9.3であった。
実施例および発明の詳細な説明における記述を基に、下記化合物を製造することができる。以下の化合物には、実施例に記載した化合物も含まれる。
なお、以下の式中、−Ph(2F)−は2−フルオロ−1,4−フェニレン基を表し、−Ph(3F)−は3−フルオロ−1,4−フェニレン基を表し、−Ph(3F,5F)−は3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表し、−Ph(2F,3F)−は2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基を表す。−Cy−および−Phは−前記と同じ意味を示す。
なお、下記化合物において、環基A1〜A7に対応する基の置換基の位置は、前記のとおりR1側を1位、R2側を4位とするのを基準とする。具体的には、式の向かって左側を1位とし、右側を4位とするのを基準とする。例えば「C3H7-Cy-Cy-CF2CF2CF2O-Ph(3F,5F)-F」は、前記実施例の化合物(1a)である。他の置換基や、他の化合物も同様である。
2環の化合物(m+n+p+q+r=0であるもの)としては以下のものが挙げられる。
3環の化合物(m+n+p+q+r=1であるもの)としては以下のものが挙げられる。
4環の化合物(m+n+p+q+r=2であるもの)としては以下のものが挙げられる。
5環の化合物(m+n+p+q+r=3であるもの)としては以下のものが挙げられる。
なお、Z1〜Z5が単結合ではない化合物としては、以下のものが挙げられる。
[比較例]
比較例として、化合物(C1)、化合物(C2)および化合物(C3)を合成した。これらの化合物は、前記特許文献等に記載されている公知の方法を参考に合成した。
[液晶温度範囲の測定]
偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホットプレート上に試料を置き、1℃/minで昇温し、相変化を観察した。示差走査熱量計(DSC6220、SIIナノテクノロジー社製)を用い、1℃/minで昇温し、相変化を確認した。
結果を表3に示す。

表3中、Cは結晶相、Smはスメクチック相、Nはネマチック相、Iはアイソトロピック相を表す。また、「相変化」の欄において、例えば、「Sm 100 N」は100℃を境にスメクチック相からネマチック相に変化したことを示す。
前記表3に示す結果から明らかなように、本発明の化合物(1a)は、連結基以外の部分の構造が同じである化合物と比較して、高い液晶相上限温度、最も広い液晶温度範囲を有することがわかった。
[液晶組成物の調合]
メルク社製液晶組成物「ZLI−4792」90質量%と、前記本発明の化合物(1a)10質量%の割合で混合し液晶組成物を調合した。この液晶組成物を組成物(A)とする。同様に、比較化合物(C1)、比較化合物(C2)および比較化合物(C3)についても、それぞれ「ZLI−4792」90質量%に各化合物を10質量%の割合で混合した組成物を調製した。
前記組成物を用いて求めた化合物(1a)(C1)(C2)および(C3)の物性値を表4に示す。
なお、Tcおよびずり粘度は、化合物(1a)と同様に測定し、外挿により求めた。
本発明の化合物(1a)は、連結基以外の部分の構造が同じである化合物と比較して、高いTcと、低い粘度を有することが分った。
[光安定性の測定]
メルク社製液晶組成物ZLI−4792に化合物(1a)を10質量%混合した組成物を調製した。これを組成物(A)とする。同様に、化合物(1c)と化合物(1e)を10質量%混合した組成物をそれぞれ調製した。これらをそれぞれ組成物(B)、組成物(C)とする。
前記組成物をそれぞれガラスセルに封入し、キセノンランプで9時間照射した。
照射後の組成物のTcを測定することでサンプルのシス異性化、分解の度合いを測った。結果を表5に示す。
化合物(1a)、化合物(1c)および化合物(1e)を含有する組成物のTcはほとんど変化しなかった。このことから、本発明の化合物(1a)、化合物(1c)および化合物(1e)は光に対する安定性が良好であることがわかった。
以上のように、本発明の含フッ素液晶化合物は、高いTc、広い液晶温度範囲、低い粘度、高い光安定性を有するとともに、組成物に添加しても析出が生じないことから、他の液晶化合物との良好な相溶性を有することが分った。また、ΔnやΔεの値についても、液晶組成物の構成成分として用いるのに十分な値を有していることが分った。
このような本願化合物を液晶組成物に用いることで、高いTcと、低い粘度とを併せ持つ液晶組成物の調製ができることが明らかになった。

Claims (6)

  1. 下記式(1)で表される含フッ素液晶化合物。
    R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1)
    式(1)中の記号は、以下の意味を示す。
    1 相互に独立して、水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF5または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよい。
    2 :フッ素原子。
    1、A2、A3およびA 4 :トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH2−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
    :3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基。
    1、Z2およびZ 3 相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH2−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2−は−CH=CH−または−C≡C−で置換されていてもよく、1つの−CH2CH2−は−COO−または−OCO−で置換されていてもよい。
    4 およびZ 5 :単結合。
    m、n、およびp:相互に独立して0または1である
    qおよびr:0。
  2. 下式(1−1)で表される化合物である、請求項1に記載の液晶化合物。
    R11-(A11)m-Z11-(A21)n-Z21-(A31)p-Z31-A41-CF2CF2CF2O-A51-Z41-(A61)q-Z51-(A71)r-R21 (1−1)
    式中の記号は、以下の意味を示す。
    11 :フッ素原子、−CN、または炭素数1〜18のアルキル基であり、該アルキル基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2−は−CH=CH−で置換されていてもよい。
    21 :フッ素原子。
    11、A21、A31およびA 41 相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、または1,4−フェニレン基であり、これら各基中、1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの=CH−は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH2−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
    51 :3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基。
    11、Z21およびZ 31 相互に独立して、単結合、−COO−、−OCO−、−C≡C−または炭素数1〜4のアルキレン基であり、該アルキレン基中、1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、1つ以上の−CH2−はエーテル性酸素原子で置換されていてもよい。
    41 およびZ 51 :単結合。
    m、n、p、qおよびrは前記と同じ意味である。
  3. 下式(1−2)で表される化合物である、請求項1に記載の液晶化合物。
    R12-(A12)m-Z12-(A22)n-Z22-(A32)p-Z32-A42-CF2CF2CF2O-A52-Z42-(A62)q-Z52-(A72)r-R22 (1−2)
    式中の記号は、以下の意味を示す。
    12:炭素数1〜10のアルキル基であり、該基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、炭素−炭素原子間または該基の結合末端にエーテル性酸素原子が挿入されていてもよく、1つ以上の−CH2CH2−は−CH=CH−で置換されていてもよい。
    22:フッ素原子。
    12、A22、A32およびA 42 相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基または1つもしくは2つの水素原子がフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基。
    52 :3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基。
    12、Z22およびZ 32 相互に独立して、単結合、−C24−、−COO−、−OCO−、または−C≡C−。
    42 およびZ 52 :単結合。
    m、n、p、qおよびrは前記と同じ意味である。
  4. 下記式(9)で表される化合物と、下記式(10)で表される化合物とを反応させる工
    程、および
    上記で得られる下記式(8)で表される化合物をフッ素化する工程を含む、
    式(1)で表される化合物の製造方法。
    R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CO-R3 (9)
    MCF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (10)
    R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-C(=O)CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (8)
    R1-(A1)m-Z1-(A2)n-Z2-(A3)p-Z3-A4-CF2CF2CF2O-A5-Z4-(A6)q-Z5-(A7)r-R2 (1)
    各式中の記号は以下の意味を示す。
    3:−ORまたは−N(R)(R)であり、RおよびRは、相互に独立して、炭素数1〜5のアルキル基。
    M:金属原子または金属原子を含む基。
    他の記号は、請求項1に記載の式(1)における記号と同じ意味を示す。
  5. 請求項1ないし3のいずれかに記載の液晶化合物を含む液晶組成物。
  6. 請求項に記載の液晶組成物を、電極が配設された2枚の基板間に封入してなる液晶電気光学素子。
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