JP6005924B2 - 高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボン繊維又はケブラー繊維(登録商標)からなる高強度繊維を硬化したプラスチックに埋設している高強度繊維強化プラスチック板を所定の形状に裁断する装置に関する。
高強度繊維であるカーボン繊維を硬化したプラスチックに埋設しているカーボン繊維強化プラスチック板は、極めて強靭なカーボン繊維で補強されるので、強度の要求される用途、例えば航空宇宙用や特殊車両などに使用される。この高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置として、レーザービームを照射する装置が開発されている。(特許文献1及び2参照)
これ等の公報に記載されるレーザービームの裁断装置は、高強度繊維強化プラスチック板の裁断に極めて大きなエネルギーを消費すると共に、能率良く短時間に裁断できない。また、高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置として、ウォータージェットで裁断する装置も開発されているが、この裁断装置も消費エネルギーが大きく、また能率よく速やかに裁断できない。また、レーザービームやウォータージェットの裁断装置は、設備コストとランニングコストの両方が相当に高くなる欠点もある。
ところで、航空宇宙材料として使用される高強度繊維材料等を切断する装置は開発されている(特許文献3参照)。この裁断装置は、特殊な切断用カッターを使用して高強度繊維材料を切断する。この切断用カッターは、シャンク本体の先端に刃先部を接合している。刃先部は、厚さを先端へ向かうに従って漸次小さくしている。また、刃先部を、切刃を構成する超高硬度部と、切刃とシャンク本体とをつなぐ超硬合金部とを接合して一体に焼結成形させた複合体で形成して、刃先部の先端を、超高硬度部で形成している。超高硬度部と超硬合金部とからなる複合体は、ダイヤモンド等の高硬度粒子と結合材料として使用されるTiN、TiC等の粒子とを混合し、これらを超高圧においてプレス成形し、また高温度において焼結することにより成形されたペレット状の超高硬度部と、タングステンカーバイト等により成形されたペレット状の超硬合金部とを、一体に焼結成形して所定形状に加工したものである。
特開2010−247206号公報 特開2011−56583号公報 特開平4−69187号公報
特許文献3に記載される装置は、特殊な切断用カッターで高強度繊維材料を裁断するので、レーザービームやウォータージェットに比較して能率よく裁断できる。しかしながら、この裁断装置は、切断用カッターを往復運動させながら前進させて高強度繊維材料を切断するので、一回の往復運動で高強度繊維強化プラスチック板を所定の形状に裁断できない。このため、能率よく高強度繊維強化プラスチック板を特定の外形に打ち抜き加工でいない。とくに、切断用カッターが、刃先の超高硬度部を超硬合金部でシャンク本体に接合して一体に焼結成形させた複合体とするので、切断用カッターを複雑に湾曲する形状には加工できず、また、切断用カッターが極めて高価になる欠点がある。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極めて安価な切断刃を使用しながら、高強度繊維強化プラスチック板を一回の往復運動で所定の外形に打ち抜き加工することで、極めて能率よく正確な外形に裁断でき、しかも、切断刃のコストを著しく低減しながら安価に製作できる高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、硬化したプラスチックにカーボン繊維又はケブラー繊維(登録商標)からなる高強度繊維を埋設してなる高強度繊維強化プラスチック板10を裁断する裁断面2を上面に有する受け台1と、この受け台1の裁断面2に向かって移動して、裁断面2に配置している高強度繊維強化プラスチック板10を、被裁断物11の裁断縁11Aに沿って所定の長さの非直線状に打ち抜きする刃先4を有する板状炭素鋼3と、この板状炭素鋼3を往復運動させる刃物駆動機構5とを備えている。板状炭素鋼3は、炭素の含有量を0.5質量%〜0.7質量%とする板状の炭素鋼で、刃先4のHRC硬度は64以上であって66よりも低く、板状炭素鋼3は所定の形状の折曲又は湾曲部を有し、刃先4は被裁断物11の裁断縁11Aに沿う閉ループ形状で、閉ループ形状の刃先4は打ち抜きされた高強度繊維強化プラスチック板10の被裁断物11を分離する形状で、刃先4の長手方向に直交する横断面形状の刃面傾斜角(α)を30度よりも大きくして60度よりも小さくし、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を大きくする断面形状としている。裁断装置は、板状炭素鋼3を刃物駆動機構5で往復運動させて、受け台1の裁断面2に配置している高強度繊維強化プラスチック板10を受け台1と刃先4で挟んで被裁断物11の裁断縁11Aに沿って打ち抜きして裁断する。
ただし、本明細書において、「刃面傾斜角(α)」は、刃先部の対向する両面がなす角度を意味するものとする。
また、本明細書において「ケブラー繊維(登録商標)」は、デュポン社が開発したアラミド繊維の一種であって、ポリ−P−フェンレンテレンラミドを意味するものとする。
以上の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、極めて安価な切断刃を使用しながら、高強度繊維強化プラスチック板を一回の往復運動で所定の外形に打ち抜きして、極めて能率よく正確な外形に裁断でき、しかも、切断刃のコストを著しく低減しながら安価に製作できる特徴がある。それは、以上の裁断装置が、独特の構造の板状炭素鋼で高強度繊維強化プラスチック板を裁断するからである。以上の板状炭素鋼は、炭素の含有量を0.5%〜0.7%とする板状の炭素鋼を使用して、種々の外形の被裁断物の裁断縁に沿う形状に折曲又は湾曲すると共に、刃先4の長手方向に直交する横断面形状の刃先角度が30度よりも大きく60度よりも小さくなるように加工して、刃先4のHRC硬度を64以上であって66よりも低く焼き入れして製作されるので、極めて安価な材料を使用して、種々の被裁断物の裁断縁に沿う形状に加工できる。
以上の独特の板状炭素鋼は、厚さを2mmとするカーボン繊維強化プラスチック板を200枚も打ち抜き加工しても、刃先の損傷がなく、さらに打ち抜き加工が可能な状態となる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、刃先4のHRC硬度を65以上とすることができる。
以上の裁断装置は、板状炭素鋼の刃先のHRC硬度を65以上とするので、刃先の硬度がより高くて長寿命にできる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、刃先部を、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を次第に大きくする形状とするので、刃先4の刃面傾斜角(α)が小さくなって切れ込みが良く、刃先4が高強度繊維強化プラスチック板10に挿入されるにしたがって、刃面傾斜角(α)が次第に小さくなってスムーズに割れ目14に挿入される。このため、高強度繊維強化プラスチック板10をより効果的に裁断できる特徴が実現される。
さらに、本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、板状炭素鋼3を片刃とすることができる。
以上の裁断装置は、一方の刃面を垂直面として他方を傾斜面とするので、垂直面側の切断縁を綺麗に打ち抜きして裁断できる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、刃先4と受け台1の裁断面2とを三次元に位置する立体曲面に沿う形状として、立体曲面に成形している高強度繊維強化プラスチック板10を裁断することができる。
以上の裁断装置は、刃先と受け台の裁断面とを立体曲面としているので、立体曲面に成形している高強度繊維強化プラスチック板を、裁断縁を立体曲面とする被裁断物として綺麗に能率よく打ち抜き加工できる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、高強度繊維強化プラスチック板10に埋設している高強度繊維をカーボン繊維とすることができる。
以上の裁断装置は、高強度繊維をカーボン繊維とするカーボン繊維強化プラスチック板を能率よく打ち抜き加工して所定の形状の被裁断物に裁断できる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、高強度繊維強化プラスチック板10に埋設している高強度繊維をケブラー繊維(登録商標)とすることができる。
以上の裁断装置は、高強度繊維をケブラー繊維(登録商標)とするケブラー繊維強化プラスチック板を能率よく打ち抜き加工して所定の形状の被裁断物に裁断できる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、高強度繊維強化プラスチック板10のプラスチックをエポキシ樹脂とすることができる。
以上の裁断装置は、高強度繊維を埋設するプラスチックを硬化したエポキシ樹脂とする高強度繊維強化プラスチック板を能率よく打ち抜き加工して所定の形状の被裁断物に裁断できる。
本発明の高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置は、板状炭素鋼3の厚さを、1mmよりも厚くて、10mmよりも薄い板状炭素鋼とすることができる。
本発明の一実施例にかかる高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置の概略斜視図である。 板状炭素鋼の一例を示す垂直断面図である。 板状炭素鋼の他の一例を示す垂直断面図である。 板状炭素鋼の他の一例を示す垂直断面図である。 板状炭素鋼の他の一例を示す垂直断面図である。 板状炭素鋼の他の一例を示す拡大断面図である。 板状炭素鋼の他の一例を示す拡大断面図である。 本発明の実施例にかかる裁断装置の板状炭素鋼が高強度繊維強化プラスチック板を裁断する状態を示す拡大断面図である。 従来の板状炭素鋼の一例を示す横断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置を例示するものであって、本発明は裁断装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の裁断装置は、硬化したプラスチックにカーボン繊維又はケブラー繊維(登録商標)からなる高強度繊維を埋設してなる高強度繊維強化プラスチック板を裁断する。本発明の裁断装置は、カーボン繊維強化プラスチック板又はケブラー繊維強化プラスチック板の何れかを板状炭素鋼で打ち抜き加工して裁断する。本発明の裁断装置は、カーボン繊維やケブラー繊維(登録商標)を、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの硬化したプラスチックに埋設している高強度繊維強化プラスチック板を裁断する。本発明の裁断装置は、プラスチックが未硬化状態にあって、プラスチックを硬化して高強度繊維強化プラスチック板となる高強度繊維強化プラスチック板のプリプレグを裁断する装置ではなく、複数のプリプレグを積層して、プラスチックを硬化させてなる高強度繊維強化プラスチック板を裁断する装置である。
図1の裁断装置は、高強度繊維強化プラスチック板10を載せて板状炭素鋼3で裁断する裁断面2を上面に有する受け台1と、この受け台1の裁断面2に向かって移動して、裁断面2に配置している高強度繊維強化プラスチック板10を、被裁断物11の裁断縁11Aに沿って所定の長さの非直線状に打ち抜きする刃先4を有する板状炭素鋼3と、この板状炭素鋼3を往復運動させる刃物駆動機構5とを備える。
受け台1は金属プレートで、裁断面2を平面状又は三次元の立体曲面としている。この受け台は、樹脂、ゴムプレートとすることもできる。裁断面2は、高強度繊維強化プラスチック板10を裁断して得られる被裁断物11の裁断縁11A、すなわち裁断縁11Aに沿う形状とされる。したがって、裁断される裁断縁11Aを平面状とする被裁断物11を打ち抜き加工する受け台1は、裁断面2を平面状とし、裁断される裁断縁を三次元の立体曲面とする被裁断物を打ち抜き加工する受け台は、裁断面を被裁断物の裁断縁に沿う立体曲面としている。
図1の受け台1は、裁断面2の上に弾性シート1Aを積層している。弾性シート1Aは厚さを1mm〜10mmとするゴム状弾性体をシート状である。上面に弾性シート1Aを積層している受け台1は、板状炭素鋼3で高強度繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工する状態で、板状炭素鋼3の刃先4を弾性シート1Aに密着させ、あるいは板状炭素鋼3の刃先4を弾性シート1Aに挿入させて、高強度繊維強化プラスチック板10から打ち抜き加工される被裁断物11の裁断縁11Aを確実に綺麗に裁断できる。弾性シート1Aを上面に積層している受け台1は、裁断縁11Aを立体曲面とする被裁断物を、その裁断縁11Aで綺麗に裁断できる。ただし、裁断縁11Aを平面状とする被裁断物11も、裁断面2を平面状としてその上に弾性シート1Aを積層して、綺麗に裁断縁11Aを裁断できる。ただし、受け台は、必ずしも上面に弾性シートを配置する必要はなく、受け台の裁断面に板状炭素鋼を接近ないし接触させて、高強度繊維強化プラスチック板を打ち抜き加工して裁断することもできる。
板状炭素鋼3は、炭素の含有量を0.5%〜0.7%とする板状の炭素鋼で製作される。板状炭素鋼は、好ましくは厚さを2mmないし5mmの板状の炭素鋼で製作する。ただし、板状炭素鋼は、その厚さを1mmよりも厚くて10mmより薄い板状炭素鋼とすることもできる。板状炭素鋼は、薄すぎると打ち抜き加工の衝撃で破損しやすく、厚すぎると裁断されて板状炭素鋼の内側に挿入される裁断物をスムーズに抜き取りできなくなる。
板状炭素鋼3は、板状の炭素鋼を焼き入れする前工程で折曲し、あるいは湾曲して、裁断される被裁断物11の裁断縁11Aに沿う形状に加工している。板状炭素鋼3に最適な炭素鋼は炭素の含有量を0.6%とする。ただ、炭素の含有量を前述の範囲とするものも使用できる。板状炭素鋼3は、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、硬さと脆さとを考慮して前述の範囲で最適な値とする。
刃先4を被裁断物11の裁断縁11Aに沿う形状に加工している板状炭素鋼3は、刃先4を閉ループとして、閉ループの刃先4で高強度繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工して被裁断物11を分離する。板状炭素鋼を閉ループに加工している板状の炭素鋼は、先端縁を研磨して刃先4を設ける。板状炭素鋼3は、板状炭素鋼の片面を傾斜するように研磨して刃先4を設けた後、焼き入れして硬化させる。図2と図3の板状炭素鋼3は、刃先4の長手方向に直交する横断面形状における先端の角度、すなわち刃面傾斜角(α)を約40度とするように板状炭素鋼を研磨している。板状炭素鋼はヤスリや砥石で研磨して刃先4を設けることができる。
板状炭素鋼3は、刃面傾斜角(α)が大きくても小さくても、高強度繊維強化プラスチック板の裁断能力は低下する。したがって、刃先4の刃面傾斜角(α)は、30度よりも大きくする。さらに、板状炭素鋼の刃面傾斜角(α)は、60度よりも小さくする。
本発明の板状炭素鋼3が高強度繊維強化プラスチック板を裁断する状態を図8の断面図に示している。この図に示すように、板状炭素鋼3は、刃先4を高強度繊維強化プラスチック板10の表面に押し付けて、図8(1)で示すように、先端の刃先4で高強度繊維強化プラスチック板10の表面をわずかに切断して割れ目14を作る。さらに、刃先4が高強度繊維強化プラスチック板10を深く裁断すると、図8(2)で示すように、図において刃先4よりも上部に位置するくさび部3Aが割れ目14に挿入されて、割れ目14を拡開する。くさび部3Aが割れ目14を拡開する状態で、硬化したプラスチックに埋設している高強度繊維15は、割れ目14の両側のプラスチックに強く引っ張られて切断されやすくなる。この状態で刃先4がさらに割れ目14に深く挿入されて、切れやすくなった高強度繊維15を切断する。刃先4はさらに、割れ目14に深く挿入されて、高強度繊維強化プラスチック板10を完全に裁断する。
図8の板状炭素鋼3は、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)が次第に大きくなる形状としている。この板状炭素鋼3は、刃先4の刃面傾斜角(α)を大きくして刃先の損傷を防止でき、また、くさび部3Aの刃面傾斜角(α)を小さくして、高強度繊維強化プラスチック板10の表面にできる割れ目14にくさび部3Aをスムーズに挿入して、高強度繊維強化プラスチック板10をより効率よく裁断できる。
本発明の裁断装置は、板状炭素鋼3の刃面傾斜角(α)を従来の板状炭素鋼3に比較して極めて大きくしている。図9の断面図は、従来の板状炭素鋼3の横断面図を示している。この図に示すように、従来の板状炭素鋼3は、刃面傾斜角(α)が相当に小さく、先鋭な刃先4で被裁断シートなどを確実に切断する形状としている。
本発明の裁断装置の板状炭素鋼は、焼き入れした板状の炭素鋼を独特の硬度に焼き入れして、刃面傾斜角(α)を従来品に比較して著しく大きくしている。この板状炭素鋼は、従来品のように、被裁断物を先鋭な刃先のみで裁断するのではない。独特の硬度で特定の刃面傾斜角(α)の板状炭素鋼は、硬すぎて刃物による裁断が難しいとされている高強度繊維強化プラスチック板を効率よく裁断して刃先の損傷がない。くさび部を高強度繊維強化プラスチック板の割れ目に挿入して、高強度繊維を引っ張り状態の切れやすい状態で裁断するからである。
図2と図3の板状炭素鋼3は、刃先4を片刃としている。片刃の板状炭素鋼3は、刃先4の片面を垂直面4Aとするので、垂直面4Aを被裁断物11の裁断縁11Aとして、被裁断物11の裁断縁11Aを綺麗な状態で裁断できる。高強度繊維強化プラスチック板10を板状炭素鋼3で打ち抜き加工すると、製品となる被裁断物11と、廃棄される廃棄部13とに分離される。図2の板状炭素鋼3は、高強度繊維強化プラスチック板10に貫通孔12を設けるように打ち抜き加工する。この板状炭素鋼3は、内面が傾斜面4Bの片刃で、貫通孔12として打ち抜かれる部分を廃棄部13、貫通孔12の外側を被裁断物11として、被裁断物11の裁断縁11Aを綺麗に裁断できる。裁断縁11Aが板状炭素鋼3の垂直面4Aで裁断されるからである。図3の板状炭素鋼3は、高強度繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工して、板状炭素鋼3の内側に被裁断物11を裁断する。この板状炭素鋼3は、外側を傾斜面4Bとする片刃で、板状炭素鋼3の内側に打ち抜かれる部分を被裁断物11、板状炭素鋼3の外側に分離される部分を廃棄部13として、被裁断物11外周の裁断縁11Aを綺麗に裁断できる。
さらに、板状炭素鋼3は、図4に示すように、刃先4を、両面を傾斜面4Bとする両刃とすることもできる。
図2と図3の板状炭素鋼3は、高強度繊維強化プラスチック板10を平面状に裁断している。板状炭素鋼3は、図5に示すように、立体曲面状に成形している高強度繊維強化プラスチック板10を、刃先4を立体曲面に沿う三次元とする構造として、被裁断物11の裁断縁11Aを立体曲面に打ち抜き加工して裁断することもできる。この板状炭素鋼3は刃先4を立体曲面とし、受け台1の裁断面2も板状炭素鋼3の刃先4に沿う立体曲面としている。
さらに、板状炭素鋼3は、図6の拡大断面図に示すように、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を次第に大きくしている。刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を大きくするのは、刃先4でもって硬くて強靭な高強度繊維強化プラスチック板10を効率よく裁断しながら、刃先4の損傷を防止するためである。この板状炭素鋼3は、刃面傾斜角(α)の大きい刃先4を高強度繊維強化プラスチック板10の表面に最初に接触させて裁断を開始し、裁断が開始された後は、刃面傾斜角(α)が次第に小さくなる部分で被裁断物11と廃棄部13とを切り離すようにして裁断する。図6の拡大断面図に示す板状炭素鋼3は、片刃の傾斜面4Bを湾曲するように研磨して、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を次第に大きくしている。板状炭素鋼3は、図7の拡大断面図に示すように、刃先4に向かって段階的に刃面傾斜角(α)が大きくなるように研磨することもできる。
板状炭素鋼は、先端縁を研磨して刃先4を設けた状態で、刃先4のHRC硬度を約65とするように焼き入れする。刃先4の硬度は硬くして寿命を長くできるが、硬すぎると脆くなって打ち抜き加工時に損傷しやすくなる。したがって、板状炭素鋼3は、刃先4のHRC硬度が64よりも高くて、66よりも低くなるように焼き入れする。焼き入れ後の刃先4の硬度は、焼き入れ温度でコントロールする。焼き入れの温度を高くして刃先4の硬度を高くでき、温度を低くして硬度を低くできる。たとえば、炭素鋼は、焼き入れ温度を800℃〜900℃で焼き入れして、HRC硬度を前述の範囲とする。焼き入れ後のHRC硬度を65とする板状炭素鋼3は、焼き入れ温度を850℃として、この硬度とすることができる。
刃物駆動機構5は、板状炭素鋼3を上下に往復運動させて、受け台1の裁断面2に載せている高強度繊維強化プラスチック板10を板状炭素鋼3で打ち抜き加工して裁断する。刃物駆動機構5は、板状炭素鋼3を固定する上下台6と、この上下台6を上下に往復運動させるシリンダ7とを備えている。板状炭素鋼3は上下台6の下面に固定され、上下台6をシリンダ7で上下に往復運動されて、受け台1に載せている高強度繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工する。すなわち、板状炭素鋼3を刃物駆動機構5で往復運動させて、受け台1の裁断面2に配置している高強度繊維強化プラスチック板10を受け台1と板状炭素鋼3で挟んで、被裁断物11の裁断縁11Aに沿って打ち抜きして裁断する。
1…受け台 1A…弾性シート
2…裁断面
3…板状炭素鋼 3A…くさび部
4…刃先 4A…垂直面
4B…傾斜面
5…刃物駆動機構
6…上下台
7…シリンダ
10…高強度繊維強化プラスチック板
11…被裁断物 11A…裁断縁
12…貫通孔
13…廃棄部
14…割れ目
15…高強度繊維

Claims (8)

  1. 硬化したプラスチックにカーボン繊維又はケブラー繊維(登録商標)からなる高強度繊維を埋設してなる高強度繊維強化プラスチック板(10)を載せて裁断する裁断面(2)を上面に有する受け台(1)と、この受け台(1)の裁断面(2)に向かって移動して、裁断面(2)に配置している高強度繊維強化プラスチック板(10)を、被裁断物(11)の裁断縁(11A)に沿って所定の長さの非直線状に打ち抜きする刃先(4)を先端縁に設けてなる板状炭素鋼(3)と、この板状炭素鋼(3)を往復運動させる刃物駆動機構(5)とを備え、
    前記板状炭素鋼(3)は、炭素の含有量を0.5質量%〜0.7質量%とする板状の炭素鋼で、刃先(4)のHRC硬度は64以上であって66よりも低く、
    さらに、前記板状炭素鋼(3)は所定の形状の折曲又は湾曲部を有し、前記刃先(4)は被裁断物(11)の裁断縁(11A)に沿う閉ループ形状で、閉ループ形状の刃先(4)は打ち抜きされた高強度繊維強化プラスチック板(10)の被裁断物(11)を分離する形状で、
    刃先(4)の長手方向に直交する横断面形状の刃面傾斜角(α)が30度よりも大きくて60度よりも小さく、刃先(4)に向かって刃面傾斜角(α)を大きくする断面形状としており、
    前記板状炭素鋼(3)を刃物駆動機構(5)で往復運動させて、受け台(1)の裁断面(2)に配置している高強度繊維強化プラスチック板(10)を受け台(1)と前記刃先(4)で挟んで被裁断物(11)の裁断縁(11A)に沿って打ち抜きして裁断する高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  2. 前記刃先(4)のHRC硬度を65以上としている請求項1に記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  3. 前記板状炭素鋼(3)が片刃である請求項1又は2に記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  4. 前記刃先(4)と受け台(1)の裁断面(2)とが三次元に位置する立体曲面に沿う形状であって、立体曲面に成形している高強度繊維強化プラスチック板(10)を裁断する請求項1ないし3のいずれかに記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  5. 前記高強度繊維強化プラスチック板(10)に埋設している高強度繊維がカーボン繊維である請求項1ないし4のいずれかに記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  6. 前記高強度繊維強化プラスチック板(10)に埋設している高強度繊維がケブラー繊維(登録商標)である請求項1ないし5のいずれかに記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  7. 前記高強度繊維強化プラスチック板(10)のプラスチックがエポキシ樹脂である請求項1ないし6のいずれかに記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
  8. 前記板状炭素鋼(3)の厚さが1mmよりも厚く、10mmよりも薄い請求項1ないし7のいずれかに記載される高強度繊維強化プラスチック板の裁断装置。
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