JP6181943B2 - 高強度繊維で補強してなる繊維強化プラスチック板の切断方法 - Google Patents

高強度繊維で補強してなる繊維強化プラスチック板の切断方法 Download PDF

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Description

本発明は、高強度繊維をプラスチックに埋設して補強している繊維強化プラスチック板を所定の形状に切断する切断方法に関する。とくに、本発明は、ガラス繊維のように従来の刃物で切断できる繊維で補強した繊維強化プラスチック板を切断する方法に係るものではなく、刃物による切断が極めて難しいとされている、カーボン繊維と芳香族ポリアミド系樹脂とPBO繊維と超高強力ポリエチレン繊維と高強力ポリアリレート繊維のいずれかからなる高強度繊維を埋設して補強している繊維強化プラスチック板を切断する方法に関する。
高強度繊維であるカーボン繊維を硬化したプラスチックに埋設しているカーボン繊維強化プラスチック板は、極めて強靭なカーボン繊維で補強されるので、強度の要求される用途、例えば航空宇宙用や特殊車両などに使用される。この繊維強化プラスチック板の裁断装置として、レーザービームを照射する装置が開発されている。(特許文献1及び2参照)
これ等の公報に記載されるレーザービームの裁断装置は、繊維強化プラスチック板の裁断に極めて大きなエネルギーを消費すると共に、能率良く短時間に裁断できない。また、繊維強化プラスチック板の裁断装置として、ウォータージェットで裁断する装置も開発されているが、この裁断装置も消費エネルギーが大きく、また能率よく速やかに裁断できない。また、レーザービームやウォータージェットの裁断装置は、設備コストとランニングコストの両方が相当に高くなる欠点もある。
ところで、航空宇宙材料として使用される高強度繊維材料等を切断する装置は開発されている(特許文献3参照)。この裁断装置は、特殊な切断用カッターを使用して高強度繊維材料を切断する。この切断用カッターは、シャンク本体の先端に刃先部を接合している。刃先部は、厚さを先端へ向かうに従って漸次小さくしている。また、刃先部を、切刃を構成する超高硬度部と、切刃とシャンク本体とをつなぐ超硬合金部とを接合して一体に焼結成形させた複合体で形成して、刃先部の先端を、超高硬度部で形成している。超高硬度部と超硬合金部とからなる複合体は、ダイヤモンド等の高硬度粒子と結合材料として使用されるTiN、TiC等の粒子とを混合し、これらを超高圧においてプレス成形し、また高温度において焼結することにより成形されたペレット状の超高硬度部と、タングステンカーバイト等により成形されたペレット状の超硬合金部とを、一体に焼結成形して所定形状に加工したものである。
特開2010−247206号公報 特開2011−56583号公報 特開平4−69187号公報
特許文献3に記載される装置は、特殊な切断用カッターで高強度繊維材料を裁断するので、レーザービームやウォータージェットに比較して能率よく裁断できる。しかしながら、この裁断装置は、切断用カッターを往復運動させながら前進させて高強度繊維材料を切断するので、一回の往復運動で繊維強化プラスチック板を所定の形状に裁断できない。このため、能率よく短時間で特定の外形に切断できず、切断コストが高くなる欠点がある。また、部分的に切断する工程を繰り返して所定の形状に切断するので、切断するときに局部的に過大な力が作用して、切断縁に沿って無数の亀裂が発生しやすい欠点がある。切断縁の亀裂は、外周縁に沿って枠や被覆カバーなどを設けて外部に露出しない状態にできる。しかしながら、切断縁に亀裂があると、使用状態で経時的に亀裂が次第に内側に進行して枠やカバーから外部に露出する弊害がある。さらに、切断用カッターの切断縁に、見た目には判らない亀裂が内在することがある。この状態にあると、内在する亀裂が経時的に進行して外部に露出する弊害が発生する。この亀裂は製造工程での発見が難しく、その後に発生する亀裂によって部品の品質を著しく低下させる欠点がある。さらに、以上の切断用カッターは、刃先の超高硬度部を超硬合金部でシャンク本体に接合して一体に焼結成形させた複合体とするので、切断用カッターを複雑に湾曲する形状には加工できず、複雑な外形や内形には切断できない。また、この切断用カッターは、構造が複雑なために極めて高価になる欠点もある。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、極めて安価な抜き型を使用しながら、高強度繊維で補強してなる繊維強化プラスチック板を一回の往復運動で所定の外形に打ち抜き加工して、極めて能率よく正確な外形に切断できる繊維強化プラスチック板の切断方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、抜き型の製造コストを低減しながらその寿命を長くでき、さらに打ち抜き加工のコストをも低減することで、切断するのが極めて難しかった繊維強化プラスチック板を極めて低コストに能率よく速やかに正確な形状に加工できる切断方法を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、正確な形状に加工される状態で切断縁には亀裂がなく、さらに経時的に亀裂が発生する欠点も有効に防止して、極めて能率よく正確な形状に加工できる繊維強化プラスチック板の切断方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明は、硬化したプラスチックに、カーボン繊維、芳香族ポリアミド系樹脂、PBO繊維、超高強力ポリエチレン繊維、高強力ポリアリレート繊維のいずれかからなる高強度繊維15を埋設して補強している繊維強化プラスチック板を切断する方法であって、繊維強化プラスチック板10を線状に破断して所定の形状の破断プレート11とする破断工程の後、この破断プレート11を研削工程で所定の形状とする。破断工程は、繊維強化プラスチック板10を受け台1の裁断面2に載せて、裁断面2に配置している繊維強化プラスチック板10の表面に、繊維強化プラスチック板10を破断して打ち抜きする刃先4の抜き型3を押し付け、この抜き型3で繊維強化プラスチック板10を破断して破断縁11Aに研削シロ16のある破断プレート11として打ち抜きする。研削工程は、破断工程で打ち抜き加工された破断プレート11の研削シロ16を研削して、破断プレート11の切断縁11Bを所定の形状に調整する。
さらに、本発明の切断方法は、破断工程において、厚さが1mmよりも厚く10mmよりも薄いく、かつ、刃先4の長手方向に直交する横断面形状の刃先傾斜角(α)を25度よりも大きくて60度よりも小さくしてなる、片面を垂直面4Aとして、他方を傾斜面4Bとして片刃の抜き型3を使用し、抜き型3を往復運動させて、弾性シート1Aを積層している受け台1の裁断面2に配置している繊維強化プラスチック板10を受け台1の弾性シート1Aと抜き型3で挟んで打ち抜きして切断すると共に、片刃の抜き型3は、垂直面4Aを破断プレート11の破断縁11A、傾斜面4Bを廃棄部13側として繊維強化プラスチック板を破断して、破断プレート11の破断縁11Aに研削シロ16を設け、さらに、研削シロ16の幅を1.5mm以上であって10mm以下として、研削工程で研削シロ16をを研削して除去する。
以上の繊維強化プラスチック板の切断方法は、極めて安価な抜き型を使用しながら、切断加工の極めて難しい繊維強化プラスチック板を、一回の往復運動で所定の外形に打ち抜き加工して、極めて能率よく正確な外形に切断できる。また、以上の切断方法は、抜き型の製造コストを安価としながらその寿命を長くでき、さらに、打ち抜き加工のコストをも低減して、繊維強化プラスチック板を極めて低コストに能率よく速やかに正確な形状に加工できる。以上の方法は、これまでは、刃物による切断が極めて難しいとされて、現実にはウォータージェットなど極めて加工コストの高い非能率的な方法で切断していた高強度繊維で補強している繊維強化プラスチック板を、極めて能率よく加工コストを著しく低減しながら、所定の形状に加工できる。
さらに、以上の切断方法の特筆すべき特徴は、安価に能率よく加工しながら、切断縁の亀裂を防止でき、さらに、使用状態において、経時的に発生する亀裂をも確実に阻止できるという、従来の切断方法では到底に想像もできない、高強度繊維で補強している繊維強化プラスチック板の切断方法として正に理想的な特徴を実現する。
以上の切断方法は、破断工程と研削工程とで繊維強化プラスチック板を正確な形状に加工するが、破断工程においては、料理に使用する包丁のように先鋭な刃先で切って所定の形状に加工するのではない。破断工程は、繊維強化プラスチック板を抜き型の刃先で線状に破砕し、すなわち線状に破断して所定の形状の破断プレートに加工する。繊維強化プラスチック板を破断して所定の形状とする抜き型は、製造コストを低減しながら寿命を長くして、正確な形状に加工できる。それは、抜き型が、高強度繊維で補強している繊維強化プラスチック板を斧で割るように破断して、所定の形状の破断プレートに加工するからである。また、この状態で繊維強化プラスチック板を所定の形状の破断プレートに加工する方法は、抜き型を繊維強化プラスチック板に押し付けて所定の形状に加工できるので、極めて能率よく正確な形状に加工できる。
破断工程で所定の形状に加工された破断プレートは、破断縁に沿って無数の亀裂ができる。破断工程において、繊維強化プラスチック板は、破断縁に研削シロを設けている破断プレートに加工される。研削シロには無数の亀裂がある。いいかえると、亀裂が発生する領域を研削シロとして残すように、破断工程においては、繊維強化プラスチック板を加工する。破断工程は、繊維強化プラスチック板を線状に破断して破断プレートに加工するので、破断されるときに、破断縁に局部的に極めて大きな応力が作用して歪みが残存し、また、目に見えない亀裂が内在する。破断工程は、局部的な応力歪みや内在する亀裂を含む領域を研削シロとして残す破断プレートとして繊維強化プラスチック板を破断する。したがって、破断工程で加工された破断プレートは、破断縁の研削シロに亀裂があり、また、目には見えない亀裂が内在し、さらに、局部的な応力歪みが残存している。破断プレートは、研削工程において研削シロが研削で除去され、研削シロの亀裂や応力歪みを完全に除去して製品となる。したがって、研削工程で研削シロの研削された破断プレートは、切断縁を綺麗な状態とする製品となり、切断縁に亀裂や応力歪みのない製品となる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、研削工程において、研削シートを使用して破断プレート11の研削シロ16を研削することができる。
この方法は、研削シートで能率よく破断プレートを研削して、切断縁に亀裂のない製品に加工できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、研削工程において、研削砥石を使用して破断プレート11の研削シロ16を研削することができる。
この方法は研削砥石で能率よく破断プレートを研削できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、繊維強化プラスチック板10を、外周縁に研削シロ16のある破断プレート11として加工して、研削工程で破断プレート11の外周の研削シロ16を研削して製品とすることができる。
この切断方法は、外形を特定の形状とする製品を能率よく生産できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、繊維強化プラスチック板10を、内周縁に研削シロ16のある破断プレート11として加工して、研削工程において破断プレート11の内周の研削シロ16を研削して製品とすることができる。
この切断方法は、内形を特定の形状とする製品を能率よく生産できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、炭素の含有量を0.45%以上であって1.4%以下とする板状の炭素鋼を所定の形状に折曲又は湾曲加工して、刃先4のHRC硬度を62以上とする状態に焼き入れし、抜き型3で挟んで打ち抜きして破断プレート11を加工することができる。
ただし、本明細書において、「刃先傾斜角(α)」は、刃先部の対向する両面がなす角度を意味するものとする。
以上の繊維強化プラスチック板の切断方法は、極めて安価な抜き型で繊維強化プラスチック板を破断プレートに加工できる特徴がある。それは、破断工程に使用する抜き型を、炭素の含有量を0.45%〜1.4%とする板状の炭素鋼を使用して、種々の外形の破断プレートの破断縁に沿う形状に折曲又は湾曲すると共に、刃先の長手方向に直交する横断面形状の刃先角度が25度よりも大きく60度よりも小さくなるように加工して、刃先のHRC硬度を62以上とするように焼き入れして製作されるので、極めて安価な材料を使用して、種々の破断プレートの破断縁に沿う形状に加工できるからである。
以上の切断方法は、独特の抜き型を使用することで、厚さを2mmとするカーボン繊維強化プラスチック板、芳香族ポリアミド系樹脂強化プラスチック板、PBO繊維強化プラスチック板、超高強力ポリエチレン繊維強化プラスチック板、高強力ポリアリレート繊維強化プラスチック板を200枚〜300枚も打ち抜き加工しても、刃先の損傷がなく、さらに打ち抜き加工が可能な状態となる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、刃先4に向かって刃先傾斜角(α)を次第に大きくする形状の抜き型3を使用することができる。
この切断方法は、抜き型の刃先の刃先傾斜角(α)が大きくなって切れ込みが良く、刃先が繊維強化プラスチック板に挿入されるにしたがって、刃先傾斜角(α)が次第に小さくなってスムーズに割れ目に挿入される。このため、繊維強化プラスチック板をより効果的に破断できる特徴が実現される。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、刃先傾斜角(α)が30度よりも大きい抜き型3を使用することができる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、刃先4のHRC硬度を64以上とする抜き型3を使用することができる。
この切断方法は、抜き型の刃先のHRC硬度を64以上とするので、刃先の硬度がより高くて長寿命にできる。
さらに、本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、片刃の抜き型3を使用する。
この切断方法は、一方の刃面を垂直面として他方を傾斜面とするので、垂直面側の切断縁を綺麗に打ち抜きして破断できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、破断工程において、抜き型3の刃先4と受け台1の裁断面2とを三次元に位置する立体曲面に沿う形状として、立体曲面に成形している繊維強化プラスチック板10を加工することができる。
この切断方法は、抜き型の刃先と受け台の裁断面とを立体曲面としているので、立体曲面に成形している繊維強化プラスチック板を、裁断縁を立体曲面とする破断プレートとして綺麗に能率よく打ち抜き加工できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、繊維強化プラスチック板10のプラスチックをエポキシ樹脂とすることができる。
以上の切断方法は、高強度繊維を埋設するプラスチックを硬化したエポキシ樹脂とする繊維強化プラスチック板を能率よく打ち抜き加工して所定の形状の破断プレートに加工できる。
本発明の一実施例にかかる繊維強化プラスチック板の切断方法に使用する打ち抜き装置の概略斜視図である。 図1に示す打ち抜き装置の抜き型を示す一部拡大垂直断面図である。 本発明の他の実施例にかかる繊維強化プラスチック板の切断方法に使用する打ち抜き装置の概略斜視図である。 図3に示す打ち抜き装置の抜き型を示す一部拡大垂直断面図である。 本発明の他の実施例にかかる繊維強化プラスチック板の切断方法に使用する打ち抜き装置の垂直断面図である。 抜き型が繊維強化プラスチック板を破断する状態を示す拡大断面図である。 抜き型の他の一例を示す垂直断面図である。 抜き型の一例を示す拡大断面図である。 抜き型の他の一例を示す拡大断面図である。 図1ないし図4に示す打ち抜き装置で加工された破断プレートの一例を示す平面図である。 従来の抜き型の一例を示す横断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための繊維強化プラスチック板の切断方法を例示するものであって、本発明は切断方法を以下の方法に特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の繊維強化プラスチック板の切断方法は、硬化したプラスチックに、カーボン繊維、芳香族ポリアミド系樹脂、PBO繊維、超高強力ポリエチレン繊維、及び高強力ポリアリレート繊維のいずれかからなる高強度繊維を埋設してなる繊維強化プラスチック板を切断する方法である。本発明の切断方法は、カーボン繊維強化プラスチック板、芳香族ポリアミド系樹脂強化プラスチック板、PBO繊維強化プラスチック板、超高強力ポリエチレン繊維強化プラスチック板、及び高強力ポリアリレート繊維強化プラスチック板の何れかを抜き型で打ち抜き加工して破断して破断プレートとし、この破断プレートの破断縁を研削して正確な形状の製品とする。本発明の切断方法は、カーボン繊維、芳香族ポリアミド系樹脂、PBO繊維、超高強力ポリエチレン繊維、及び高強力ポリアリレート繊維の何れかを、単独あるいは複数で、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの硬化したプラスチックに埋設している繊維強化プラスチック板を切断することができる。本発明の切断方法は、プラスチックが未硬化状態にあって、プラスチックを硬化して繊維強化プラスチック板となる繊維強化プラスチック板のプリプレグを裁断する装置ではなく、複数のプリプレグを積層して、プラスチックを硬化させてなる繊維強化プラスチック板を切断する方法である。
高強度繊維を埋設している繊維強化プラスチック板は、打ち抜き装置でもって所定の形状の破断プレートに加工される。破断プレートは、破断縁を研削して正確な外形の製品に加工される。図1ないし図5は、高強度繊維の繊維強化プラスチック板を破断して、所定の形状の破断プレートとする打ち抜き装置を示している。
これらの図の打ち抜き装置は、繊維強化プラスチック板10を載せて抜き型3で裁断する裁断面2を上面に有する受け台1と、この受け台1の裁断面2に向かって移動して、裁断面2に配置している繊維強化プラスチック板10を、破断プレート11の裁断縁11Aに沿って所定の長さの非直線状に打ち抜きする刃先4を有する抜き型3と、この抜き型3を往復運動させる刃物駆動機構5とを備える。
受け台1は金属プレートで、図1ないし図4の装置は裁断面2を平面状としている。図5の受け台1は、裁断面2を三次元の立体曲面としている。受け台は、樹脂、ゴムプレートとすることもできる。裁断面2は、繊維強化プラスチック板10を破断して得られる破断プレート11の破断縁11A、すなわち破断縁11Aに沿う形状とされる。したがって、破断される破断縁11Aを平面状とする破断プレート11を打ち抜き加工する受け台1は、裁断面2を平面状とし、破断される破断縁を三次元の立体曲面とする破断プレートを打ち抜き加工する受け台1は、裁断面を破断プレート11の破断縁11Aに沿う立体曲面としている。
図1ないし図5の受け台1は、裁断面2に弾性シート1Aを積層している。弾性シート1Aは厚さを1mm〜10mmとするゴム状弾性体をシート状としたものである。上面に弾性シート1Aを積層している受け台1は、抜き型3で繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工する状態で、抜き型3の刃先4を弾性シート1Aに密着させ、あるいは抜き型3の刃先4を弾性シート1Aに挿入させて、繊維強化プラスチック板10から打ち抜き加工される破断プレート11の破断縁11Aを確実に綺麗に破断できる。弾性シート1Aを上面に積層している受け台1は、破断縁11Aを立体曲面とする破断プレートを、その破断縁11Aで綺麗に破断できる。ただし、破断縁11Aを平面状とする破断プレート11も、裁断面2を平面状としてその上に弾性シート1Aを積層して、綺麗に破断縁11Aを破断できる。ただし、受け台は、必ずしも上面に弾性シートを配置する必要はなく、受け台の裁断面に抜き型を接近ないし接触させて、繊維強化プラスチック板を打ち抜き加工して破断することもできる。
抜き型3は、炭素の含有量を0.45%〜1.4%とする板状の炭素鋼で製作される。抜き型は、好ましくは厚さを2mmないし5mmとする板状炭素鋼で製作する。ただし、抜き型は、その厚さを1mmよりも厚くて10mmより薄い板状炭素鋼とすることもできる。抜き型は、薄すぎると打ち抜き加工の衝撃で破損しやすく、厚すぎると破断されて抜き型の内側に挿入される破断物をスムーズに抜き取りできなくなる。
抜き型は、板状炭素鋼を焼き入れする前工程で折曲し、あるいは湾曲して、破断される破断プレート11の破断縁11Aに沿う形状に加工している。抜き型3に最適な炭素鋼は炭素の含有量を0.5%〜0.7%とする。ただ、炭素の含有量を前述の範囲とするものも使用できる。抜き型3の炭素鋼は、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、硬さと脆さとを考慮して前述の範囲で最適な値とする。
刃先4を破断プレート11の破断縁11Aに沿う形状に加工している抜き型3は、刃先4を閉ループとして、閉ループの刃先4で繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工して破断プレート11を分離する。板状炭素鋼を閉ループに加工している板状の炭素鋼は、先端縁を研磨して刃先4を設ける。抜き型3は、板状炭素鋼の片面を傾斜するように研磨して刃先4を設けた後、焼き入れして硬化させる。図2と図4の抜き型3は、刃先4の長手方向に直交する横断面形状における先端の角度、すなわち刃先傾斜角(α)を約40度とするように板状炭素鋼を研磨している。板状炭素鋼はヤスリや砥石で研磨して刃先4を設けることができる。
抜き型3は、刃先傾斜角(α)が大きくても小さくても、繊維強化プラスチック板の破断能力は低下する。したがって、抜き型3の刃先傾斜角(α)は、25度よりも大きく、好ましくは30度よりも大きくする。さらに、抜き型の刃先傾斜角(α)は、60度よりも小さくする。
破断工程において、抜き型で繊維強化プラスチック板を破断して破断プレートに加工する状態を図6の断面図に示している。この図に示すように、抜き型3は、刃先4を繊維強化プラスチック板10の表面に押し付けて、図6(1)で示すように、先端の刃先4で繊維強化プラスチック板10の表面をわずかに切断して割れ目14を作る。さらに、抜き型3の刃先4が繊維強化プラスチック板10を深く破断すると、図6(2)で示すように、図において刃先4よりも上部に位置するくさび部3Aが割れ目14に挿入されて、割れ目14を拡開する。くさび部3Aが割れ目14を拡開する状態で、硬化したプラスチックに埋設している高強度繊維15は、割れ目14の両側のプラスチックに強く引っ張られて切断されやすくなる。この状態で抜き型3の刃先4がさらに割れ目14に深く挿入されて、切れやすくなった高強度繊維15を切断する。抜き型3の刃先4はさらに、割れ目14に深く挿入されて、繊維強化プラスチック板10を完全に破断する。
図6の抜き型3は、刃先4に向かって刃先傾斜角(α)が次第に大きくなる形状としている。この抜き型3は、刃先4の刃先傾斜角(α)を大きくして刃先の損傷を防止でき、また、くさび部3Aの刃先傾斜角(α)を小さくして、繊維強化プラスチック板10の表面にできる割れ目14にくさび部3Aをスムーズに挿入して、繊維強化プラスチック板10をより効率よく破断できる。
打ち抜き装置に使用する抜き型3は、刃先傾斜角(α)を、従来の抜き型3に比較して極めて大きくしている。図11の断面図は、従来の抜き型93の横断面図を示している。この図に示すように、従来の抜き型93は、刃先傾斜角(α)が相当に小さく、先鋭な刃先94で被破断シート90などを確実に切断する形状としている。
抜き型は、焼き入れした板状炭素鋼を独特の硬度に焼き入れして、刃先傾斜角(α)を従来の抜き型とに比較して著しく大きくしている。この抜き型は、従来の抜き型のように、破断プレートを先鋭な刃先のみで破断するのではない。独特の硬度で特定の刃先傾斜角(α)の抜き型3は、硬すぎて刃物による破断が難しいとされている繊維強化プラスチック板10を効率よく破断して刃先4の損傷がない。図6に示すように、くさび部3Aを繊維強化プラスチック板10の割れ目14に挿入して、高強度繊維15を引っ張り状態の切れやすい状態で破断するからである。
図2と図4の抜き型3は、刃先4を片刃としている。片刃の抜き型3は、刃先4の片面を垂直面4Aとするので、垂直面4Aを破断プレート11の破断縁11Aとして、破断プレート11の破断縁11Aを亀裂の少ない状態で破断できる。繊維強化プラスチック板10は、抜き型3で打ち抜き加工されて、製品となる破断プレート11と、廃棄される廃棄部13とに分離される。図2の抜き型3は、繊維強化プラスチック板10を所定の外形の破断プレート11として打ち抜き加工する。この抜き型3は、外周面を傾斜面4Bとする片刃で、所定の外形の破断プレート11として打ち抜かれる部分を製品とし、破断プレート11の外側を廃棄部13として、破断プレート11の破断縁11Aを廃棄部13よりも亀裂を少なくして破断できる。破断縁11Aが抜き型3の垂直面4Aで破断されるからである。図4の抜き型3は、繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工して、抜き型3の外側を製品に加工する破断プレート11とする。すなわち、製品に貫通孔12などを加工する。この抜き型3は、内側を傾斜面4Bとする片刃で、抜き型3の内側に打ち抜かれる部分を廃棄部13、抜き型3の外側に分離される部分を破断プレート11として、破断プレート11内周の破断縁11Aを綺麗に破断できる。
図2と図4の抜き型3は、繊維強化プラスチック板10を平面状に破断している。抜き型3は、図5に示すように、立体曲面状に成形している繊維強化プラスチック板10を、刃先4を立体曲面に沿う三次元とする構造として、破断プレート11の破断縁11Aを立体曲面に打ち抜き加工して破断することもできる。この抜き型3は刃先4を立体曲面とし、受け台1の裁断面2も抜き型3の刃先4に沿う立体曲面としている。
さらに、抜き型3は、図8の拡大断面図に示すように、刃先4に向かって刃先傾斜角(α)を次第に大きくしている。刃先4に向かって刃先傾斜角(α)を大きくするのは、刃先4でもって硬くて強靭な繊維強化プラスチック板10を効率よく破断しながら、刃先4の損傷を防止するためである。この抜き型3は、刃先傾斜角(α)の大きい刃先4を繊維強化プラスチック板10の表面に最初に接触させて破断を開始し、破断が開始された後は、刃先傾斜角(α)が次第に小さくなる部分で破断プレート11と廃棄部13とを切り離すようにして破断する。図8の拡大断面図に示す抜き型3は、片刃の傾斜面4Bを湾曲するように研磨して、刃先4に向かって刃先傾斜角(α)を次第に大きくしている。抜き型3は、図9の拡大断面図に示すように、刃先4に向かって段階的に刃先傾斜角(α)が大きくなるように研磨することもできる。
板状炭素鋼は、先端縁を研磨して刃先4を設けた状態で、刃先4のHRC硬度を62以上、好ましくは約65とするように焼き入れする。刃先4の硬度は硬くして寿命を長くできるが、硬すぎると脆くなって打ち抜き加工時に損傷しやすくなる。したがって、抜き型3は、刃先4のHRC硬度が62よりも高く、好ましくは64よりも高く、かつ72よりも低く、好ましくは66より低くなるように焼き入れする。焼き入れ後の刃先4の硬度は、炭素の含有量と焼き入れ温度でコントロールする。焼き入れの温度を高くして刃先4の硬度を高くでき、温度を低くして硬度を低くできる。たとえば、炭素鋼は、炭素の含有量を0.6%とし、焼き入れ温度を780℃〜950℃として、HRC硬度を前述の62〜72の範囲とする。焼き入れ後のHRC硬度を65とする抜き型3は、炭素の含有量を0.6%、焼き入れ温度を850℃として、この硬度とすることができる。
刃物駆動機構5は、図1ないし図5に示すように、抜き型3を上下に往復運動させて、受け台1の裁断面2に載せている繊維強化プラスチック板10を抜き型3で打ち抜き加工して破断する。刃物駆動機構5は、抜き型3を固定する上下台6と、この上下台6を上下に往復運動させるシリンダ7とを備えている。抜き型3は上下台6の下面に固定され、上下台6をシリンダ7で上下に往復運動されて、受け台1に載せている繊維強化プラスチック板10を打ち抜き加工する。すなわち、抜き型3を刃物駆動機構5で往復運動させて、受け台1の裁断面2に配置している繊維強化プラスチック板10を受け台1と抜き型3で挟んで、破断プレート11の破断縁11Aに沿って打ち抜きして破断する。
以上の破断工程で得られる破断プレート11の一例を図10に示す。この図に示す破断プレート11は、平面状の繊維強化プラスチック板10を、図1と図2に示す打ち抜き装置を使用して、外周縁に沿って抜き型3で破断した後、図3と図4に示す打ち抜き装置を使用して、貫通孔12の内周縁に沿って抜き型3で破断して所定の形状に加工している。このように、破断プレート11は、複数回の破断工程を経て、複雑な形状に加工することができる。ただ、打ち抜き装置は、図示しないが、複数の抜き型を組み合わせた構造とすることもできる。この打ち抜き装置は、1回の破断工程で破断プレートを所定の形状に加工できる。
破断工程で得られる破断プレート11は、図10に示すように、破断縁11Aに研削シロ16(図においてクロスハッチングで表示)を残す形状に加工されている。この破断プレート11は、研削工程において、研削シロ16を研削し、この部分を除去して正確な形状に製品に加工される。図10の破断プレート11は、外周縁と内周縁の両方を破断縁11Aとして研削シロ16を設けている。破断プレート11の研削シロ16は、その幅を1.5mm以上であって10mm以下、好ましくは2mm以上であって8mm以下、最適には約2mm〜3mmとする。研削シロ16の幅を広くして、破断縁11Aの亀裂や内部に残存する応力歪みをより確実に除去できる。ただ、研削シロ16を広くすると研削工程に時間がかかって、研削コストが高くなり、また繊維強化プラスチック板10の廃棄面積が大きくなって製品コストが高くなる。したがって、研削シロ16は、研削コストや製品コストを考慮して前述の範囲で最適な幅に設定される。さらに、研削シロ16は、繊維強化プラスチック板10の厚さをも考慮して最適値に設定して、研削コストと製品コストを削減できる。それは、薄い繊維強化プラスチック板は、厚いものに比較して亀裂が発生する領域が狭くなるので、薄い破断プレート11の研削シロ16を厚いものよりも狭くできるからである。たとえば、厚さを0.1mm〜1mmとする破断プレート11は、研削シロ16の幅を約2mmとし、厚さを2mmとする破断プレート11は、研削シロ16の幅を約3mmとして、破断縁11Aの亀裂や応力歪みを除去することができる。
研削工程において、破断プレート11の研削シロ16は、研磨紙で研削して除去し、あるいは砥石で研削して除去する。研磨紙や研削砥石には、100メッシュ〜2000メッシュのものを使用して、研削シロ16を除去することができる。また、研削工程は、最初に粗い研磨紙や研削砥石で研削し、その後に小さい粒度の研磨紙や研削砥石で研削して、研削シロ16をより好ましい状態で研削できる。また、研削シロ16をNC加工機で研削することで、極めて正確な形状の製品に能率よく加工できる。
破断プレート11は、研削シロ16を研削して製品として完成される。破断プレート11は、研削シロ16を研削して除去した後、さらに、研削縁である切断縁11Bに沿ってプラスチックを塗布して切断縁11Bを保護することができる。切断縁11Bに塗布されるプラスチックは、未硬化な状態で液状ないしペースト状のプラスチック製の接着剤、たとえばシアノアクリレート系の接着剤である瞬間接着剤や、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤などが使用できる。また、熱可塑性樹脂を加熱溶融させる状態で塗布することもできる。切断縁11Bに塗布されるプラスチックは、研削シロ16が研削された切断縁11Bに接着されて、衝撃による切断縁11Bの割れ等をより効果的に阻止する。
1…受け台 1A…弾性シート
2…裁断面
3…抜き型 3A…くさび部
4…刃先 4A…垂直面
4B…傾斜面
5…刃物駆動機構
6…上下台
7…シリンダ
10…繊維強化プラスチック板
11…破断プレート 11A…破断縁
11B…切断縁
12…貫通孔
13…廃棄部
14…割れ目
15…高強度繊維
16…研削シロ
90…被破断シート
93…抜き型
94…刃先

Claims (11)

  1. 硬化したプラスチックに、カーボン繊維、芳香族ポリアミド系樹脂、PBO繊維、超高強力ポリエチレン繊維、高強力ポリアリレート繊維のいずれかからなる高強度繊維(15)を埋設してなる繊維強化プラスチック板の切断方法であって、
    前記繊維強化プラスチック板(10)を受け台(1)の裁断面(2)に載せて、裁断面(2)に配置している繊維強化プラスチック板(10)の表面に、繊維強化プラスチック板(10)を線状に破断して打ち抜きする刃先(4)の抜き型(3)を押し付けて、この抜き型(3)でもって、前記繊維強化プラスチック板(10)を破断して破断縁(11A)に研削シロ(16)を設けてなる破断プレート(11)として打ち抜きする破断工程と、
    前記破断工程で打ち抜き加工された破断プレート(11)の研削シロ(16)を研削して、破断プレート(11)の切断縁(11B)を所定の形状に加工する研削工程とからなり、
    前記破断工程において、厚さが1mmよりも厚く10mmよりも薄く、かつ、刃先(4)の長手方向に直交する横断面形状の刃先傾斜角(α)を25度よりも大きくて60度よりも小さくしてなる、片面を垂直面(4A)として、他方を傾斜面(4B)として片刃の抜き型(3)を使用し、
    前記抜き型(3)を往復運動させて、弾性シート(1A)を積層している受け台(1)の裁断面(2)に配置している前記繊維強化プラスチック板(10)を前記受け台(1)の前記弾性シート(1A)と前記抜き型(3)で挟んで打ち抜きして切断すると共に、
    片刃の前記抜き型(3)は、前記垂直面(4A)を前記破断プレート(11)の破断縁(11A)、前記傾斜面(4B)を廃棄部(13)側として前記繊維強化プラスチック板を破断して、前記破断プレート(11)の前記破断縁(11A)に前記研削シロ(16)を設け、
    さらに、前記研削シロ(16)の幅を1.5mm以上であって10mm以下として、前記研削工程で前記研削シロ(16)をを研削して除去することを特徴とする繊維強化プラスチック板の切断方法。
  2. 前記研削工程において、研削シートを使用して前記研削シロ(16)を研削する請求項1に記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  3. 前記研削工程において、研削砥石を使用して前記研削シロ(16)を研削する請求項1に記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  4. 前記破断工程において、前記繊維強化プラスチック板(10)を、外周縁に研削シロ(16)のある破断プレート(11)として加工し、
    前記研削工程において破断プレート(11)の外周の研削シロ(16)を研削する請求項1ないし3のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  5. 前記破断工程において、前記繊維強化プラスチック板(10)を、内周縁に研削シロ(16)を残して所定の内形に切断し、
    前記研削工程において破断された破断プレート(11)の内周に設けている研削シロ(16)を研削する請求項1ないし4のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  6. 前記破断工程において、抜き型(3)に、炭素の含有量を0.45%〜1.4%とする板状の炭素鋼を所定の形状に折曲又は湾曲加工して、刃先(4)のHRC硬度を62以上とする状態に焼き入れしてなる抜き型(3)を使用する請求項1に記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  7. 前記破断工程において、刃先(4)に向かって刃先傾斜角(α)を次第に大きくするようにしてなる抜き型(3)を使用する請求項6に記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  8. 前記破断工程において、刃先傾斜角(α)が30度よりも大きい抜き型(3)を使用する請求項6に記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  9. 前記破断工程において、刃先(4)のHRC硬度を64以上とする抜き型(3)を使用する請求項6ないし8のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  10. 前記破断工程において、抜き型(3)の刃先(4)と受け台(1)の裁断面(2)とを三次元に位置する立体曲面に沿う形状として、立体曲面に成形している繊維強化プラスチック板(10)を加工する請求項6ないし9のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
  11. 前記繊維強化プラスチック板(10)のプラスチックをエポキシ樹脂とする請求項1ないし10のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の切断方法。
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