JP2017024243A - 繊維強化プラスチック板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価な装置を使用し、ランニングコストを低減して短時間に能率よく多量生産する。【解決手段】繊維強化プラスチック板の製造方法は、所定の立体形状の繊維強化プラスチック板とする成形工程と、所定の外形に裁断する裁断工程とで繊維強化プラスチック板を製造する。この方法は、裁断工程を成形工程の前工程とし、裁断工程においては、熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で編組した織布からなる可撓性のある繊維混在シート10を、表面を抜き型3の刃先4で切断される軟質層1Aとする受け台1に載せ、閉ループ状に形成されて鋭角の刃先4を有する抜き型3を受け台1に押し付けて繊維混在シート10を打ち抜き加工して裁断シート11に裁断する。裁断工程で裁断された裁断シート11を、金型20の成形室21で所定の立体形状に成形し、加熱して熱可塑性繊維を溶融して、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して繊維強化プラスチック板とする。【選択図】図6

Description

本発明は、ガラス繊維などの補強繊維で補強されて立体形状に成型されてなる繊維強化プラスチック板の製造方法に関する。
ガラス繊維などの補強繊維を埋設している繊維強化プラスチック板は、プラスチック単体では到底実現できない優れた強度を実現することから、種々の用途に使用される。繊維強化プラスチック板として、ポリエステル樹脂にガラス繊維を埋設したものがFRPとして多用されている。FRPは、雄形の表面にガラス繊維を付着し、ガラス繊維にペースト状の未硬化ポリエステル樹脂を塗布して製作される。
さらに、繊維強化プラスチック板は、軽くて強靭なことから、用途に適した外形に切断して、金属製パーツに代わって使用できる。金属板は刃物でプレス加工して所定の外形に切断できるので、能率よく安価に多量生産できるが、繊維強化プラスチック板は金属板のようにプレス加工して切断できなので、専用に切断装置で切断される。繊維強化プラスチック板の切断装置として、切断ラインに沿ってレーザー光線を照射して切断する装置や、ウォータージェットで切断する装置が開発されている。(特許文献1、2参照)
繊維強化プラスチック板の切断ラインに沿ってレーザー光線を照射し、またウォータージェットを噴射して切断する装置は、自由な外形に切断できる。しかしながら、切断ラインに沿ってレーザー光線やウォータージェットを移動して切断するので、切断に時間がかかり、短時間に能率よく切断できない。また、大出力のレーザー光線や超高圧に加圧されたウォータージェットを照射して切断するので、切断装置が極めて高額で、しかもランニングコストも相当に高くなる欠点がある。切断コストが高くなることは、繊維強化プラスチック板の部品コストを高くする。また、切断に時間がかかるのでタクトタイムが長くなって、能率よく多量生産できない。
ところで、航空宇宙材料として使用される繊維強化プラスチック等を切断する装置は開発されている(特許文献3参照)。この裁断装置は、特殊な切断用カッターを使用して繊維強化プラスチックを切断する。この切断用カッターは、シャンク本体の先端に刃先部を接合している。刃先部は、厚さを先端へ向かうに従って漸次小さくしている。また、刃先部を、切刃を構成する超高硬度部と、切刃とシャンク本体とをつなぐ超硬合金部とを接合して一体に焼結成形させた複合体で形成して、刃先部の先端を、超高硬度部で形成している。超高硬度部と超硬合金部とからなる複合体は、ダイヤモンド等の高硬度粒子と結合材料として使用されるTiN、TiC等の粒子とを混合し、これらを超高圧においてプレス成形し、また高温度において焼結することにより成形されたペレット状の超高硬度部と、タングステンカーバイト等により成形されたペレット状の超硬合金部とを、一体に焼結成形して所定形状に加工したものである。
特開2010−247206号公報 特開2011−56583号公報 特開平4−69187号公報 特願2013−249683号
特許文献3に記載される装置は、切断用カッターを往復運動させながら前進させて繊維強化プラスチックを切断するので、一回の往復運動でプラスチック板を所定の形状に裁断できない。このため、能率よくプラスチック板を特定の外形に打ち抜き加工できない。とくに、切断用カッターが、刃先の超高硬度部を超硬合金部でシャンク本体に接合して一体に焼結成形させた複合体とするので、切断用カッターを複雑に湾曲する形状には加工できず、また、切断用カッターが極めて高価になる欠点がある。
本発明者は、以上の欠点を解消するために、熱可塑性のプラスチック板にカーボン繊維等の補強繊維を埋設してなるプラスチック板を裁断する装置を開発した。(特許文献4参照)
この裁断装置は、図10に示すように、繊維強化プラスチック板91を打ち抜きして裁断する雌型99及び雄型98と、この雄型98と雌型99とを相対運動させる駆動機構90とを備え、雌型99は、雄型98との対向面の裁断面100に、開口縁を繊維強化プラスチック91を裁断する裁断ラインに沿う形状の裁断刃92とする凹部96を有し、雄型98は、雌型99の凹部96に挿入される突出部93を有し、この突出部93は、その先端縁に裁断刃92を設けている。さらに、突出部93の裁断刃92の外形と雌型99の凹部96の裁断刃92の内形との間隔を100μm以下として、突出部93と凹部96との間に繊維の破断隙間97を設けている。突出部93は凹部96に挿入されて、突出部93及び凹部96の裁断刃92でもって繊維強化プラスチックイット板91を裁断する。
以上の裁断装置が繊維強化プラスチック板を裁断する状態を図11と図12に示している。雄型98の突出部93に設けた裁断刃92が、繊維強化プラスチック板91に押し付けられると、図12に示すように、裁断刃2が繊維強化プラスチック板91を破断して、打ち抜き部91Aと繊維強化プラスチック板91との間に挿入される。この状態で、打ち抜き部91Aは繊維強化プラスチック板91から引き離されて、繊維強化プラスチック板91との間に隙間ができる。この状態になると、熱可塑性樹脂に埋設している補強繊維94が、打ち抜き部91Aや繊維強化プラスチック板91から引き離し隙間95に引き出される。繊維強化プラスチック板91内の補強繊維94は、熱可塑性樹脂に対して長手方向には相対的に移動しやすく、熱可塑性樹脂から引き離し隙間95に引き出される。打ち抜き部91Aと繊維強化プラスチック板91との間の引き離し隙間95に引き出された補強繊維94は、突出部93がさらに凹部96に挿入される状態で、突出部93の表面と凹部96の内面との間の破断隙間97にあって、図12の×印で示す位置、すなわち打ち抜き部91Aと破断隙間97との境界部分と、繊維強化プラスチック板91と破断隙間97との境界部分において、すなわち、引き離し隙間95の両端部において、小さい曲率半径に折曲される。さらに、引き離し隙間95の両端部において小さい曲率半径で折曲された補強繊維94は、打ち抜き部91Aが繊維強化プラスチック板91から引き離されるにしたがって、より強く引っ張られて破断される。図の×印で示す2カ所で破損された補強繊維94は、短い切れ端の破断屑となって、打ち抜き部91Aと繊維強化プラスチック板91から分離される。
以上の裁断装置は、突出部93の裁断刃92と、凹部96の裁断刃92は、鋏が補強繊維94を切断するように切断するのではなく、打ち抜き部91Aと繊維強化プラスチック板91との間の破断隙間97に引き出された補強繊維94を、小さい曲率半径で折曲しながら強く引っ張って破断し、さらに、引き出された補強繊維94を破断隙間97の両端部で破断して、打ち抜き部91Aと繊維強化プラスチック板91の両方から分離する。
以上の裁断装置は、薄い繊維強化プラスチック板を能率よく裁断できる。しかしながら、厚い繊維強化プラスチック板は、多層に補強繊維が埋設されているので、図11と図12に示すように、繊維強化プラスチック板を切り離して、埋設している補強繊維を接合面から引き出すことができない。補強繊維が繊維強化プラスチック板を補強して、裁断を阻止するからである。
さらに、以上の裁断装置は、立体形状に成型された繊維強化プラスチック板を切断するには、受け台と刃先とを立体形状とする必要があり、しかも、刃先を受け台の立体形状に正確に沿う形状に加工する必要がある。このため、立体形状の繊維強化プラスチック板を裁断する裁断装置は、受け台と刃先の両方を高い精度で加工する必要があって製造コストが極めて高くなる欠点がある。
本発明は、さらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、安価な装置を使用し、ランニングコストを低減し、極めて短時間に能率よく多量生産できる所定の外形に切断された立体形状の繊維強化プラスチックの製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、所定の立体形状に成形している繊維強化プラスチック板とする成形工程と、所定の外形に裁断する裁断工程とで、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設している立体形状の繊維強化プラスチック板を製造する。この方法は、裁断工程を成形工程の前工程とする。裁断工程においては、熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で編組した織布からなる可撓性のある繊維混在シート10とし、この繊維混在シート10を、表面を抜き型3の刃先4で切断される軟質層1Aとする受け台1に載せて、繊維混在シート10の裁断縁11Aに沿う閉ループ状に形成され、かつ炭素鋼を焼き入れしてなる鋭角の刃先4を有する抜き型3を受け台1に押し付けて繊維混在シート10を打ち抜き加工して所定の外形の裁断シート11に裁断する。裁断工程で裁断された裁断シート11を、金型20の成形室21で所定の立体形状に成形し、加熱して補強繊維を溶融することなく熱可塑性繊維を溶融して、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して所定の立体形状に成形された繊維強化プラスチック板とする。
さらに、本発明の他の側面にかかる繊維強化プラスチック板の製造方法は、所定の立体形状に成形してなる繊維強化プラスチック板とする成形工程と、所定の外形に裁断する裁断工程とで、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設してなる立体形状の繊維強化プラスチック板を製造する。この方法は、裁断工程を成形工程の前工程とする。裁断工程においては、熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で水平面内において方向性なく集合して所定の厚さとしてなる不織布からなる可撓性のある繊維混在シート10とし、この繊維混在シート10を、表面が抜き型3の刃先4で切断される軟質層1Aとする受け台1に載せ、繊維混在シート10の裁断縁11Aに沿う閉ループ状に形成され、かつ炭素鋼を焼き入れしてなる鋭角の刃先4を有する抜き型3を受け台1に押し付けて繊維混在シート10を打ち抜き加工して所定の外形の裁断シート11に裁断する。裁断工程で裁断された裁断シート11を、金型20の成形室21で所定の立体形状に成形し、加熱して補強繊維を溶融することなく熱可塑性繊維を溶融して、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して所定の立体形状に成形された繊維強化プラスチック板とする。
以上の製造方法は、レーザービームやウォータージェットで用途に適した外形に切断する従来の装置とは比較にならいほど安価な装置を使用し、さらに外形を複雑な形状に切断し、さらに立体形状に成形しながら、ランニングコストを低減し、タクトタイムを著しく短縮して、短時間で能率よく用途に適した外形の繊維強化プラスチック板を多量生産できる特徴を実現する。
それは、以上の製造方法が、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設する状態で外形を用途に適した種々の形状に切断するのではなく、熱可塑性樹脂を繊維の状態とし、この熱可塑性繊維と一緒に、加熱成形する工程では熱溶融されない補強繊維を混在状態で編組して織布とし、あるいは方向性なく集合して所定の厚さの不織布からなる繊維混在シートとし、熱可塑性繊維と補強繊維とを混在している繊維混在シートを、表面が抜き型の刃先で切断される表面軟質の受け台に載せ、閉ループ状であって鋭角の刃先を有する焼き入れされた炭素鋼の抜き型を、表面軟質の受け台、すなわち表面の軟質層に押し付けて、刃先で軟質層を切断して、補強繊維と熱可塑性繊維の両方を切断して繊維混在シートを打ち抜きして所定の外形の裁断シートに裁断し、裁断シートを金型の成形室で加熱して、補強繊維を溶融することなく熱可塑性繊維を溶融して、溶融された熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設してなる繊維強化プラスチック板を立体形状に成形するからである。
熱可塑性繊維と補強繊維とを混在している織布や不織布の繊維混在シートを、抜き型の刃先で切断される表面軟質の受け台に載せて、鋭角の刃先を押し付けると、刃先が熱可塑性繊維と補強繊維を挟んで受け台表面の軟質層を切断する。軟質層の表面を切り欠いて表面から内部に食い込む刃先は、図7の拡大断面図に示すように、鋭角の鋭い刃先で補強繊維10aを挟んで小さい曲率半径でV字状に曲げて破断する。補強繊維10aは、成形工程で熱溶着されないガラス繊維やカーボン繊維などの硬くて脆く、軟質層の表面を切断して表面から内部に食い込む鋭利な刃先4は、補強繊維10aを強制的に小さい曲率半径で鋭角のV字状に曲げて破断する。また、図8の拡大断面図に示すように、熱可塑性繊維10bは可撓性があって、小さい曲率半径に曲げても破断されないとしても、補強繊維のように強靭な繊維ではないので、鋭角の刃先4と軟質層に挟まれて切断される。すなわち、補強繊維は硬いので、鋭角の刃物によっても切断することは難しいが、軟質層を切断して表面から内部に食い込む鋭利な刃先で強く曲げられて破断され、熱可塑性繊維は可撓性があって破断されないとしても、鋭角で鋭利な刃先と軟質層に挟まれて確実に切断される。
繊維の状態にない熱可塑性樹脂の内部に補強繊維を埋設している繊維強化プラスチック板は、表面軟質の受け台に載せて鋭角の刃先を押し付けても、補強繊維が熱可塑性樹脂を補強しているので、これを刃先で小さい曲率半径でV字状に曲げることはできず、刃物による切断を実現できない。これに対して、熱可塑性樹脂を繊維状とし、この熱可塑性繊維と補強繊維とを混在してシート状とする織布又は不織布の繊維混在シートは、熱可塑性繊維が補強繊維の変形を束縛することがなく、表面軟質の載せ台に載せて鋭角の刃先を押し付けると、鋭角の刃先が熱可塑性樹脂と補強繊維の両方を挟んで軟質層の表面を切断して表面から内部に食い込み、補強繊維を強く曲げて破断し、熱可塑性繊維を切断する。
すなわち、補強繊維と熱可塑性繊維を挟んで軟質層の内部に食い込む刃先は、加熱成型される工程では溶融しない硬いガラス繊維やカーボン繊維等の硬い繊維を強く曲げて破断して切り離し、可撓性に富む熱可塑性樹脂を鋭利な刃先で切断する。したがって、軟質層を切断して食い込む刃先は、補強繊維を破断して切り離し、熱可塑性繊維を切断して切り離される。このため、鋭角の刃先の抜き型を、表面軟質の受け台に押し付けて、刃先で軟質層を切断して食い込ませることで、補強繊維と熱可塑性樹脂の両方が切断されて、繊維混在シートは所定の外形に裁断される。
繊維混在シートを裁断する抜き型は、炭素鋼を焼き入れして鋭角の刃先としている。この抜き型は、焼き入れしない炭素鋼を自由な形状に加工して焼き入れして製作できる。このため、抜き型は、繊維混在シートを用途に最適な形状に裁断する形状の刃先を加工でき、繊維強化プラスチック板を種々な複雑な形状に加工できる。さらに、抜き型は、繊維混在シートを、刃先で切断される表面軟質の載せ台に載せて、1回の往復運動で打ち抜き加工して所定の外形に裁断する。打ち抜き加工は、1回の往復運動で、繊維混在シートを所定の外形に、それも正確な外形に裁断する。1回の往復運動で繊維混在シートを裁断する打ち抜き加工は、レーザービームやウォータージェットが切断ラインに沿って裁断するのとは比較にならないほど短時間で繊維混在シートを裁断する。このため、繊維混在シートを所定の外形に裁断する時間が極めて短く、タクトタイムを短縮して短時間に多量の繊維混在シートを正確な外形に裁断できる。また、繊維混在シートを打ち抜き加工する装置は、レーザービームやウォータージェットで切断する装置とは比較にならにいほど簡単な装置で、設備コストも極めて安価にできる。さらに、用途に適した外形に切断している裁断繊維シートを金型で立体形状に成形するので、成形工程においては、裁断されない大きな繊維混在シートを金型で成形する方法に比較して、金型の成形室で裁断繊維シートを自由な形状に変形できる特徴も実現する。金型の成形室で成形する状態で、裁断繊維シートの外周部を裁断して自由に変形できるからである。このため、所定の立体形状、とくに凹凸の大きな立体形状にも繊維混在シートを成形できる。したがって、以上の製造方法は、外形を用途に最適な形状にできることに加えて、さらに用途に最適な立体形状に成形できる特徴も実現する。
さらに、以上の方法は、厚い繊維強化プラスチック板をも確実に裁断できる特徴がある。それは、厚い繊維強化プラスチック板となる厚い繊維混在シートをも能率よく裁断できるからである。本発明は、厚い繊維混在シートを載せ台に載せて、鋭角の刃先で軟質層を切断すると、鋭い刃先は繊維混在シートを挟んで軟質層を切断して食い込み、硬い補強繊維を極めて小さい曲率半径に変形して破断する。軟質層に食い込む鋭い刃先で破断される補強繊維は、従来のように熱可塑性樹脂に埋設された状態にはなく、熱可塑性繊維と混在する状態にあるので、軟質層を切断して食い込む鋭い刃先は、熱可塑性樹脂と補強繊維の両方をV字状に変形して破断する。このため、繊維強化プラスチック板を厚くするために、繊維混在シートが厚くなっても、これを速やかに裁断して、厚くて所定の外形に裁断された繊維強化プラスチック板を安価に能率よく多量生産できる特徴がある。
さらにまた、以上の方法は、繊維混在シートを裁断した後、立体形状に成形するので、立体形状の繊維強化プラスチック板を製造しながら、繊維混在シートを裁断する受け台を平面状とし、また刃先をも平面に沿う形状にできる。このため、立体形状の繊維強化プラスチック板としながら、受け台と抜き型を低コストに多量生産できる特長も実現する。
本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、補強繊維をガラス繊維として、熱可塑性繊維をナイロン繊維、PP繊維、ポリカーボネート繊維、PPS繊維の何れかとすることができる。また、本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、補強繊維をカーボン繊維として、熱可塑性繊維をナイロン繊維、PP繊維、ポリカーボネート繊維、PPS繊維の何れかとすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、成形工程において、複数枚の裁断シート11を積層して金型20で成形して、厚い繊維強化プラスチック板を製造できる。
本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、受け台1の表面に、ゴム状弾性体または軟質プラスチックからなる軟質シート8を積層して軟質層1Aとすることができる。また、本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、軟質シート8の厚さを5mm以上であって30mm以下とすることができる。
本発明の繊維強化プラスチック板の製造方法は、抜き型3の刃先4の刃面傾斜角(α)を5度よりも大きくて45度よりも小さくすることができる。
本発明の一実施例にかかる繊維強化プラスチック板の製造方法における裁断工程に使用する裁断装置の一例を示す概略断面図である。 裁断工程に使用する裁断装置の他の一例を示す概略断面図である。 裁断工程に使用する裁断装置の他の一例を示す概略断面図である。 本発明の一実施例にかかる繊維強化プラスチック板の製造方法における成形工程に使用する成形装置の一例を示す概略断面図である。 図4に示す成形装置を使用して裁断シートから繊維強化プラスチック板を成形する状態を示す断面図である。 抜き型が繊維混在シートを裁断する状態を示す拡大断面図である。 図6に示す抜き型の刃先が補強繊維を破断する状態を示す拡大断面図である。 図6に示す抜き型の刃先が熱可塑性繊維を切断する状態を示す拡大断面図である。 抜き型の他の一例を示す拡大端面図である。 従来の繊維強化プラスチック板を裁断する裁断装置の概略断面図である。 図10に示す裁断装置が繊維強化プラスチック板を裁断する状態を示す概略断面図である。 図10に示す裁断装置が繊維強化プラスチック板を裁断する状態を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための繊維強化プラスチック板の製造方法を例示するものであって、本発明は製造方法を以下の方法には特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の製造方法は、外形を所定の形状に裁断して、さらに用途に適した立体形状に成型している繊維強化プラスチック板を製造する。製造された繊維強化プラスチック板は、成形工程で熱溶融して立体形状に成型された熱可塑性樹脂に、成形工程で加熱されて熱溶融されない補強繊維を埋設している。補強繊維は、加熱成型工程において熱溶融されない繊維であって、ガラス繊維やカーボン繊維、アラミド繊維(ケブラー繊維)が使用される。ただ、補強繊維は、加熱成形工程で溶融されない他の繊維も使用できる。繊維強化プラスチック板の熱可塑性樹脂は、ナイロン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、PPS等であるが、繊維状に加工できる他の全ての熱可塑性樹脂も使用できる。
本発明の製造方法は、板状に成形した熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設する状態で外形を裁断するのではない。本発明は、所定の立体形状の繊維強化プラスチック板に成形する成形工程と、所定の外形に裁断する裁断工程とで、立体形状の繊維強化プラスチック板を製造する方法であるが、裁断工程を成形工程の前工程とし、裁断工程においては熱可塑性繊維と補強繊維とを混在してシート状としている繊維混在シートを裁断する。
裁断工程は、熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で繊維混在シートとする。繊維混在シートは、熱可塑性繊維と補強繊維とを編組して織布とし、あるいは熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で方向性なく集合して所定の厚さの不織布として製作される。繊維混在シートは、製品の外形に裁断され、その後、成形工程で加熱されて立体形状に成型される。
織布は、熱可塑性繊維と補強繊維の両方の繊維を混在する状態で所定の厚さに編組して自由に変形できる可撓性のある繊維混在シートとされる。不織布は、連続的に移動するベルトの上に、熱可塑性繊維と補強繊維とを水平面内で方向性なく供給して所定の厚さに集合して自由に変形できる可撓性のある繊維混在シートとする。裁断された繊維混在シートは、金型の成形室でプレス状態で加熱されるが、このとき補強繊維は溶融されず、熱可塑性繊維のみが加熱溶融されて立体形状の板状に成形される。立体形状の板状に成形された熱可塑性樹脂には補強繊維が埋設される。
繊維混在シートは、熱可塑性繊維と補強繊維を紡績して紡績糸とし、あるいは熱可塑性繊維と補強繊維とを混和して混紡糸や交撚糸として織布や不織布として製作される。この状態で製作される繊維混在シートは、熱可塑性繊維と補強繊維を密に混在させてシート状にできるので、熱可塑性繊維を溶融する状態で、熱可塑性樹脂に密に結合するように補強繊維を埋設して補強できる特徴がある。ただ、繊維混在シートは、編組する繊維に、熱可塑性繊維と補強繊維とを交互に使用して織布とすることができ、また、立体的に集合する繊維に、熱可塑性繊維と補強繊維とを混合して使用して製作することもできる。織布の繊維混在シートは、複数枚を積層して厚さを調整でき、不織布の繊維混在シートは熱可塑性繊維と補強繊維とを集合する厚さを調整して厚さをコントロールできる。
繊維混在シートは、熱可塑性繊維と補強繊維との混合率を調整して、繊維強化プラスチック板に埋設する補強繊維の重量比をコントロールする。繊維混在シートにおける補強繊維の混合率は、たとえば、3重量%以上であって50重量%以下、好ましくは5重量%以上であって40重量%以下、さらに好ましくは5重量%以上であって30重量%以下とする。繊維強化プラスチック板は、補強繊維の混合率を高くして強度を向上できる。したがって、強度が要求される用途に使用される繊維強化プラスチック板は、補強繊維の混合率を高く、比較的強度の要求されない用途の繊維強化プラスチック板にあっては補強繊維の混合率を低くする。
繊維混在シート10は、裁断工程において、図1〜図3に示すように、抜き型3の刃先4で切断される表面軟質の受け台1に載せて、抜き型3で打ち抜きして裁断される。繊維混在シート10を裁断する抜き型3の刃先4は、裁断縁11Aに沿う閉ループ状に形成されて、受け台1に押し付けられて繊維混在シート10を打ち抜きして製品の外形に裁断する。裁断工程で裁断された裁断シート11は、成形工程において、図4と図5に示すように、金型20の成形室21に仮止めされて所定の立体形状に成形される。この成形工程において、裁断シート11は加熱されて熱可塑性繊維を溶融し、補強繊維を溶融せず、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して所定の立体形状に成形された繊維強化プラスチック板となる。
図1〜図3の裁断装置は、繊維混在シート10を載せて抜き型3で裁断する裁断面2を上面に有する受け台1と、この受け台1の裁断面2に向かって往復運動して、裁断面2にセットしている繊維混在シート10を打ち抜きする抜き型3と、この抜き型3を往復運動させる刃物駆動機構5とを備える。受け台1は、表面に刃物で切断される軟質層1Aを設けて、裁断面2を刃物で切断される軟質層1Aとしている。抜き型3は、製品となる裁断シート11の外周縁または内周縁となる裁断縁11Aに沿って所定の長さの非直線状に打ち抜きする刃先4を有する。
受け台1は金属プレート1Bの表面に、抜き型3の刃先4で切り込まれる軟質層1Aを積層している。図1〜図3の受け台1は、裁断面2を平面状として、表面にゴム状弾性体や軟質プラスチックシート等の軟質シート8を積層して表面に軟質層1Aを設けている。受け台1は、樹脂、ゴムプレートとして表面に軟質層1Aを設ける構造、すなわち表面軟質を実現することもできる。図の受け台1は、裁断面2の上に軟質シート8を積層して表面に軟質層1Aを設けている。軟質シート8は厚さを5mm〜30mmとするゴム状弾性体である。表面軟質の受け台1は、抜き型3で繊維混在シート10を打ち抜き加工する状態で、抜き型3の刃先4で軟質シート8を切断して刃先4を軟質層1Aに食い込ませて、繊維混在シート10の補強繊維と熱可塑性繊維を裁断する。
抜き型3は、炭素の含有量を0.5%〜0.7%とする板状の炭素鋼で製作される。抜き型3は、好ましくは厚さを2mmないし5mmの板状炭素鋼で製作する。ただし、抜き型3は、その厚さを1mmよりも厚くて10mmより薄い板状炭素鋼とすることもできる。抜き型3は、薄すぎると打ち抜き加工の衝撃で破損しやすく、厚すぎると裁断されて抜き型3の内側に挿入される裁断物をスムーズに抜き取りできなくなる。
抜き型3は、板状炭素鋼を焼き入れする前工程で折曲し、あるいは湾曲して、裁断される裁断シート11の裁断縁11Aに沿う形状に加工している。抜き型3に最適な炭素鋼は炭素の含有量を0.6%とする。ただ、炭素の含有量を前述の範囲とするものも使用できる。抜き型3の炭素鋼は、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、硬さと脆さとを考慮して前述の範囲で最適な値とする。
刃先4を裁断シート11の裁断縁11Aに沿う形状に加工している抜き型3は、刃先4を閉ループとして、閉ループの刃先4で繊維混在シート10を打ち抜き加工して裁断シート11を分離する。板状炭素鋼を閉ループに加工している板状の炭素鋼は、先端縁を研磨して刃先4を設ける。抜き型3は、板状炭素鋼の片面を傾斜するように研磨して鋭角の刃先4を設けた後、焼き入れして硬化させる。図1と図2の抜き型3は、図6に示すように、刃先4の長手方向に直交する横断面形状における先端の角度、すなわち刃面傾斜角(α)を約30度とするように板状炭素鋼を研磨している。板状炭素鋼は砥石やヤスリで研磨して刃先4を設けることができる。
抜き型3は、刃面傾斜角(α)が大きくても小さくても、繊維混在シート10の裁断能力は低下する。したがって、抜き型3の刃面傾斜角(α)は、5度よりも大きく、好ましくは15度よりも大きくする。さらに、抜き型3の刃面傾斜角(α)は、45度よりも小さく、好ましくは40度よりも小さくする。
抜き型3が繊維混在シート10を裁断する状態を図6〜図8の断面図に示している。図6に示すように、抜き型3は、刃先4で軟質層1Aを切断して繊維混在シート10を裁断する。この図6は、鋭角の刃先4が軟質層1Aを切断して表面から内部に食い込んだ状態を示している。さらに、図7は、鋭角の刃先4が繊維混在シート10の補強繊維を破断する状態を、図8は、鋭角の刃先4が繊維混在シート10の熱可塑性繊維を切断する状態をそれぞれ示している。図7に示すように、鋭い刃先4が表面の軟質層1Aに食い込むと、硬くて折れやすいガラス繊維などの補強繊維10aは、刃先4と弾性変形した軟質層1Aに挟まれて、小さい半径で強く折り曲げられて破断される。また、図8に示すように、鋭角の刃先4は、熱可塑性繊維10bを軟質層1Aとの間に挟んで切断する。
図6の抜き型3は、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)が次第に大きくなる形状としている。この抜き型3は、刃先4の刃面傾斜角(α)を大きくして刃先4の損傷を防止でき、また、くさび部3Aの刃面傾斜角(α)を小さくして、繊維混在シート10の表面にできる割れ目にくさび部3Aをスムーズに挿入して、繊維混在シート10をより効率よく裁断できる。
抜き型3は、焼き入れした板状炭素鋼を独特の硬度に焼き入れして、先端縁に刃先4を設けている。この抜き型3は、補強繊維と熱可塑性繊維とを先鋭な刃先4でもって鋏のように切断するのではない。硬くて強靭な補強繊維10aは、図7に示すように、刃先4と切断された軟質層1Aとで挟み、補強繊維を小さい半径で強く折り曲げて破断する。熱可塑性繊維10bは、図8に示すように、鋭角の刃先4と軟質層1Aとで挟んで切断する。
図1と図2の抜き型3は、刃先4を片刃としている。繊維混在シート10を抜き型3で打ち抜き加工すると、製品となる裁断シート11と、廃棄される廃棄部13とに分離される。図1の抜き型3は、繊維混在シート10を打ち抜き加工して、抜き型3の内側に裁断シート11を裁断する。この抜き型3は、外側を傾斜面4Bとする片刃で、抜き型3の内側に打ち抜かれる部分を裁断シート11、抜き型3の外側に分離される部分を廃棄部13としている。図2の抜き型3は、繊維混在シート10に貫通孔12を設けるように打ち抜き加工する。この抜き型3は、内面が傾斜面4Bの片刃で、貫通孔12として打ち抜かれる部分を廃棄部13、貫通孔12の外側を裁断シート11として、裁断シート11の裁断縁11Aを綺麗に裁断できる。さらに、抜き型3は、図3に示すように、刃先4を、両面を傾斜面4Bとする両刃とすることもできる。
さらに、抜き型3は、図6の拡大断面図に示すように、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を次第に大きくしている。刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を大きくするのは、刃先4でもって硬くて強靭な繊維混在シート10を効率よく裁断しながら、刃先4の損傷を防止するためである。図6の拡大断面図に示す抜き型3は、片刃の傾斜面4Bを湾曲するように研磨して、刃先4に向かって刃面傾斜角(α)を次第に大きくしている。抜き型3は、図9の拡大断面図に示すように、刃先4に向かって段階的に刃面傾斜角(α)が大きくなるように研磨することもできる。
板状炭素鋼の抜き型3は、先端縁を研磨して刃先4を設けた状態で、刃先4のHRC硬度を約65とするように焼き入れする。刃先4の硬度は硬くして寿命を長くできるが、硬すぎると脆くなって打ち抜き加工時に損傷しやすくなる。したがって、抜き型3は、刃先4のHRC硬度が64よりも高くて、66よりも低くなるように焼き入れする。焼き入れ後の刃先4の硬度は、焼き入れ温度でコントロールする。焼き入れの温度を高くして刃先4の硬度を高くでき、温度を低くして硬度を低くできる。たとえば、炭素鋼は、焼き入れ温度を800℃〜900℃で焼き入れして、HRC硬度を前述の範囲とする。焼き入れ後のHRC硬度を65とする抜き型3は、焼き入れ温度を850℃として、この硬度とすることができる。
刃物駆動機構5は、抜き型3を上下に往復運動させて、受け台1の裁断面2に載せている繊維混在シート10を抜き型3で打ち抜き加工して裁断する。刃物駆動機構5は、抜き型3を固定する上下台6と、この上下台6を上下に往復運動させるシリンダ7とを備えている。抜き型3は上下台6の下面に固定され、上下台6をシリンダ7で上下に往復運動されて、受け台1に載せている繊維混在シート10を打ち抜き加工する。すなわち、抜き型3を刃物駆動機構5で往復運動させて、受け台1の裁断面2に配置している繊維混在シート10を受け台1と抜き型3で挟んで、裁断シート11の裁断縁11Aに沿って打ち抜きして裁断する。
所定の外形に裁断された裁断シート11は、図4に示すように、金型20の成形室21に仮止めされ、その後、図5に示すように、金型20でプレス状態で加熱され、熱可塑性繊維を溶融して熱可塑性樹脂を立体形状に成形する。このとき、補強繊維は溶融されず、立体形状に成形された熱可塑性樹脂に埋設される。図4と図5の成形装置は、上下に配置している一対の金型20と、上金型20Aを上下に往復運動させるアクチュエーター22を備える。上下の金型20の間に成形室21を設けている。下金型20Bは裁断シート11をセットする凹部23を有し、上金型20Aは凹部23に挿入される凸部24を有する。アクチュエーター22が凸部24が凹部23に挿入して、凹部23と凸部24との間に裁断シート11を成形する成形室21が形成される。成形室21は、凹部23にセットされた裁断シート11をプレス状態で加熱して、熱可塑性繊維を溶融して立体形状の板状に成形する。上金型20Aは裁断シート11を加熱して冷却する冷媒通路25を設けている。冷媒通路25は、凸部24を凹部23に挿入して、裁断シート11をプレスする状態で、加熱蒸気が供給されて上金型20Aを加熱して熱可塑性繊維を溶融して立体形状に成形する。この加熱状態で補強繊維は溶融されず、溶融された熱可塑性樹脂に埋設される状態となる。その後、冷媒通路25に水等の冷媒を供給して上金型20Aを冷却し、立体形状に成形された熱可塑性繊維を冷却する。熱可塑性繊維が冷却されて立体形状に硬化された状態で、アクチュエーター22で凸部24を凹部23から引き上げて、成形された繊維強化プラスチック板を成形室21から取り出して製品とする。裁断シート11の成形工程は、補強繊維を熱で溶融することなく、熱可塑性樹脂を溶融して立体形状の板状に成形し、板状に成形された熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して、繊維強化プラスチック板とする。
本発明は補強繊維を熱可塑性樹脂に埋設してなる立体形状の繊維強化プラスチック板を安価に多量生産して、軽くて強靭な立体形状の板材として、車や航空機など種々の用途に有効に利用される。
1…受け台
1A…軟質層
1B…金属プレート
2…裁断面
3…抜き型
3A…くさび部
4…刃先
4A…垂直面
4B…傾斜面
5…刃物駆動機構
6…上下台
7…シリンダ
8…弾性シート
10…繊維混在シート
10a…補強繊維
10b…熱可塑性繊維
11…裁断シート
11A…裁断縁
12…貫通孔
13…廃棄部
20…金型
20A…上金型
20B…下金型
21…成形室
22…アクチュエーター
23…凹部
24…凸部
25…冷媒通路
90…駆動機構
91…繊維強化プラスチック
91A…打ち抜き部
92…裁断刃
93…突出部
94…補強繊維
95…引き離し隙間
96…凹部
97…破断隙間
98…雄型
99…雌型
100…裁断面

Claims (8)

  1. 所定の立体形状に成形してなる繊維強化プラスチック板とする成形工程と、所定の外形に裁断する裁断工程とで、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設してなる立体形状の繊維強化プラスチック板を製造する方法であって、
    前記裁断工程を前記成形工程の前工程とすると共に、
    前記裁断工程においては、熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で編組した織布からなる可撓性のある繊維混在シート(10)とし、
    この繊維混在シート(10)を、表面が抜き型(3)の刃先(4)で切断される軟質層(1A)とする受け台(1)に載せ、
    前記繊維混在シート(10)の裁断縁に沿う閉ループ状に形成され、かつ炭素鋼を焼き入れしてなる鋭角の刃先(4)を有する抜き型(3)を前記受け台(1)に押し付けて前記繊維混在シート(10)を打ち抜き加工して所定の外形の裁断シート(11)に裁断し、
    前記裁断工程で裁断された裁断シート(11)を金型(20)の成形室(21)で所定の立体形状に成形し、加熱して補強繊維を溶融することなく熱可塑性繊維を溶融して、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して所定の立体形状に成形された繊維強化プラスチック板とすることを特徴とする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  2. 所定の立体形状に成形してなる繊維強化プラスチック板とする成形工程と、所定の外形に裁断する裁断工程とで、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設してなる立体形状の繊維強化プラスチック板を製造する方法であって、
    前記裁断工程を前記成形工程の前工程とすると共に、
    前記裁断工程においては、熱可塑性繊維と補強繊維を混在状態で水平面内において方向性なく集合して所定の厚さとしてなる不織布からなる可撓性のある繊維混在シート(10)とし、
    この繊維混在シート(10)を、表面が抜き型(3)の刃先(4)で切断される軟質層(1A)とする受け台(1)に載せ、
    前記繊維混在シート(10)の裁断縁に沿う閉ループ状に形成され、かつ炭素鋼を焼き入れしてなる鋭角の刃先(4)を有する抜き型(3)を前記受け台(1)に押し付けて前記繊維混在シート(10)を打ち抜き加工して所定の外形の裁断シート(11)に裁断し、
    前記裁断工程で裁断された裁断シート(11)を金型(20)の成形室(21)で所定の立体形状に成形し、加熱して補強繊維を溶融することなく熱可塑性繊維を溶融して、熱可塑性樹脂に補強繊維を埋設して所定の立体形状に成形された繊維強化プラスチック板とすることを特徴とする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載される繊維強化プラスチック板の製造方法であって、
    前記補強繊維がガラス繊維で、前記熱可塑性繊維をナイロン繊維、PP繊維、ポリカーボネート繊維、PPS繊維の何れかとする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  4. 請求項1又は2に記載される繊維強化プラスチック板の製造方法であって、
    前記補強繊維がカーボン繊維で、前記熱可塑性繊維をナイロン繊維、PP繊維、ポリカーボネート繊維、PPS繊維の何れかとする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の製造方法であって、
    前記成形工程において、複数枚の裁断シート(11)を積層して金型(20)で成形することを特徴とする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかに記載される繊維強化プラスチック板の製造方法であって、
    前記受け台(1)に、上面にゴム状弾性体または軟質プラスチックからなる軟質シート(8)を積層して軟質層(1A)としてなることを特徴とする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  7. 請求項6に記載される繊維強化プラスチック板の製造方法であって、
    前記軟質シート(8)の厚さを5mm以上であって30mm以下としてなることを特徴とする繊維強化プラスチック板の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載されるに繊維強化プラスチック板の製造方法であって、
    前記抜き型(3)の刃先(4)の刃面傾斜角(α)を5度よりも大きくて45度よりも小さくしてなる繊維強化プラスチック板の製造方法。
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