JP2019058953A - 切断体の製造方法、及び複合材料の切断装置 - Google Patents

切断体の製造方法、及び複合材料の切断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】大幅なコスト増無しに、複合材料を所望の形状に、連続して切断可能な製造装置、及びこの製造装置を用いた切断体の製造方法を提供する。【解決手段】強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断する切断装置であって、切断装置は切断刃と加圧装置を有し、切断刃と加圧装置との間に、切断刃を固定するための固定層を設け、該固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方が165MPa以上である、切断装置。【選択図】図1

Description

本発明は、強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断して切断体を製造する方法、及び複合材料を切断する切断装置に関するものである。
近年、機械分野において、マトリクス樹脂と、炭素繊維などの強化繊維を含む、いわゆる繊維強化複合材料が注目されている。これら複合材料はマトリクス樹脂内で繊維が分散されているため、引張弾性率や引張強度、耐衝撃性などに優れており、自動車等の構造部材などに検討されている。これら繊維強化複合材料は、射出成形、圧縮成形等を用いて目的とする形状に成形できる。
一般的に、繊維強化樹脂は汎用樹脂と比較して機械強度に優れるため、機械加工が難しくなる傾向がある。特に、汎用樹脂と比較して、加工刃の耐久性が大幅に低下する事が多く、繊維強化樹脂を用いた製品の量産化を阻害する要因の一つになっていた。また、加工刃を使用しない方法として、ウォータージェットやレーザー切断などがあるが、量産を考慮すると、コストや加工時間に難がある。
特許文献1には、高強度繊維で補強しているプラスチック板の打ち抜き加工において、裁断縁の繊維を雄型の凸状刃と雌型の凹状刃に設けられた微小な隙間で確実に切断するという技術が提案されている。
特許文献2には、繊維強化樹脂材を能率よく切断する手法として、トムソン刃に炭素鋼を用い、焼き入れして硬度を高めるという技術が記載されている。
特開2015−104797号公報 特開2013−091128号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、切断刃の位置決め精度に関する検討は行われていない。そこで本発明の目的は、大幅なコスト増無しに、複合材料を所望の形状に切断した切断体を製造する方法、およびその製造装置を提供することである。
また、更なる課題として、特許文献1に記載の方法では、鉛直下向きに、切断小片を排出しているために、下台に切断小片のパターン形状に応じた穴を設ける必要があり、設備費の増加となってしまう。また、特許文献1、2に記載の方法では、刃の形状が閉断面であるものの、切断小片を、切断刃の閉ループ構造を通過させて排出することは、構造上不可能である。
そこで本発明の更なる目的は、切断刃の形状が閉ループ構造であっても、効率よく切断体を製造する方法、およびその製造装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
1. 切断刃と加圧装置を備えた切断装置を用いて、強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断し、切断体を製造する方法であって、
切断装置は、切断刃と加圧装置との間に、切断刃を固定するための固定層を設け、
該固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方が165MPa以上である、
切断体の製造方法。
2. 切断装置は、形状が閉ループ構造である切断刃を、少なくとも1つ備える、前記1に記載の切断体の製造方法。
3. 切断装置は、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を、少なくとも1つ備える、前記2に記載の切断体の製造方法。
4. 前記3に記載の切断体の製造方法であって、切断小片の板厚方向の最大断面積をSk1、排出通路の最小断面積をSk2とし、
1回あたりの複合材料の切断で、排出通路を通って排出される切断小片が1個以上であって、各々の切断小片のSk1の合計値をΣSk1とし、切断装置には1個以上の排出通路を備え、各々の排出通路のSk2の合計値をΣSk2としたとき、ΣSk1<ΣSk2である、
切断体の製造方法。
5. 固定層が、鉛直方向の所望の位置に切断刃を固定するためのものである、前記1〜4いずれか1項に記載の切断体の製造方法。
6. 切断装置は弾性部材を有し、
該弾性部材は、切断された複合材料である切断体を、切断刃から脱離するためのものである、
前記1〜5のいずれか1項に記載の切断体の製造方法。
7. 複合材料を加熱して切断する、前記1〜6のいずれか1項に記載の切断体の製造方法。
8. 固定層が、鉄又は鉄を含む合金である、前記1〜7のいずれか1項に記載の切断体の製造方法。
9. 複合材料に含まれる強化繊維が炭素繊維、樹脂が熱可塑性樹脂であり、切断体が成形材料である、
前記1〜8いずれか1項に記載の切断体の製造方法。
10. 切断装置は、切断刃を2個以上備えている、前記1〜9いずれか1項に記載の切断体の製造方法。
11. 強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断する切断装置であって、
切断装置は切断刃と加圧装置を有し、切断刃と加圧装置との間に、切断刃を固定するための固定層を設け、
該固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方が165MPa以上である、
切断装置。
12. 形状が閉ループ構造である切断刃を、少なくとも1つ備える、前記11に記載の切断装置。
13. 切断装置は、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を、少なくとも1つ備える、前記12に記載の切断装置。
14. 前記13に記載の切断装置であって、切断小片の板厚方向の最大断面積をSk1、排出通路の最小断面積をSk2とし、
1回あたりの複合材料の切断で、排出通路を通って排出される切断小片が1個以上であって、各々の切断小片のSk1の合計値をΣSk1とし、切断装置には1個以上の排出通路を備え、各々の排出通路のSk2の合計値をΣSk2としたとき、ΣSk1<ΣSk2である、
切断装置。
15. 固定層が、鉛直方向の所望の位置に切断刃を固定するためのものである、前記11〜14いずれか1項に記載の切断装置。
16. 切断装置は弾性部材を有し、
該弾性部材は、切断された複合材料である切断体を、切断刃から脱離するためのものである、
前記11〜15のいずれか1項に記載の切断装置。
17. 切断装置は、複合材料を加熱して切断する、前記11〜16のいずれか1項に記載の切断装置。
18. 固定層が、鉄又は鉄を含む合金である、前記11〜17のいずれか1項に記載の切断装置。
19. 複合材料に含まれる強化繊維が炭素繊維、樹脂が熱可塑性樹脂であり、切断装置が成形材料を製造するための装置である、
前記11〜18いずれか1項に記載の切断装置。
20. 切断装置は、切断刃を2個以上備えている、前記11〜19いずれか1項に記載の切断装置。
本発明における切断装置を用いれば、連続して複合材料を切断しても、切断刃の位置精度を高いまま維持することができる。
また、本発明における好ましい態様を採用すれば、形状が閉ループ構造の切断刃を用いても、切断小片を円滑に排出でき、連続して複合材料を切断し、切断体を製造することができる。
本発明における切断装置の一例。 閉ループ構造の切断刃を使用した、切断装置の一例。 従来の切断装置。 (a)(b)(c)切断刃の形状が閉ループ構造であって、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を設けた、切断装置の一例。(b)図4(a)のA−A’断面から見た模式図。(c)図4(b)のB−B’断面を、紙面上から見た模式図。 (a)(b)圧縮部材を備えた切断装置の一例。(b)図5(a)のA−A’断面から見た模式図。 (a)(b)(c)(d)閉ループ構造の切断刃の一例。 (a)(b)(c)開構造の切断刃の一例。 (a)(b)(c)切断小片が発生する複合材料の切断のパターン((a)(b)(c)の左)と、対応する刃の形状((a)(b)(c)の右)。(d)切断小片が発生しない複合材料の切断のパターン((d)の左)と、対応する刃の形状((d)の右)。 (a)閉ループ構造の切断刃8個に対して、排出通路が1個である切断装置の一例。(b)図9(a)のB−B’断面から見た模式図。 (a)閉ループ構造の切断刃8個に対して、排出通路を8個備えた切断装置の一例。(b)図10(a)のB−B’断面から見た模式図。
[強化繊維]
本発明に用いられる強化繊維の種類は、熱可塑性樹脂の種類や複合材料の用途等に応じて適宜選択することができるものであり、特に限定されるものではない。このため、本発明に用いられる強化繊維としては、無機繊維又は有機繊維のいずれであっても好適に用いることができる。上記無機繊維としては、例えば、炭素繊維、活性炭繊維、黒鉛繊維、ガラス繊維、タングステンカーバイド繊維、シリコンカーバイド繊維(炭化ケイ素繊維)、セラミックス繊維、アルミナ繊維、天然繊維、玄武岩などの鉱物繊維、ボロン繊維、窒化ホウ素繊維、炭化ホウ素繊維、及び金属繊維等を挙げることができる。
上記金属繊維としては、例えば、アルミニウム繊維、銅繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維を挙げることができる。
上記ガラス繊維としては、Eガラス、Cガラス、Sガラス、Dガラス、Tガラス、石英ガラス繊維、ホウケイ酸ガラス繊維等からなるものを挙げることができる。
上記有機繊維としては、例えば、ポリアラミド、PBO(ポリパラフェニレンベンズオキサゾール)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエステル、アクリル、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート等の樹脂材料からなる繊維を挙げることができる。
本発明においては、2種類以上の強化繊維を併用してもよい。この場合、複数種の無機繊維を併用してもよく、複数種の有機繊維を併用してもよく、無機繊維と有機繊維とを併用してもよい。複数種の無機繊維を併用する態様としては、例えば、炭素繊維と金属繊維とを併用する態様、炭素繊維とガラス繊維を併用する態様等を挙げることができる。一方、複数種の有機繊維を併用する態様としては、例えば、ポリアラミド繊維と他の有機材料からなる繊維とを併用する態様等を挙げることができる。さらに、無機繊維と有機繊維を併用する態様としては、例えば、炭素繊維とポリアラミド繊維とを併用する態様を挙げることができる。
本発明における好ましい強化繊維は、炭素繊維、アラミド繊維、高強力ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ガラス繊維、スチール繊維を挙げる事ができ、中でも炭素繊維を好ましく用いる事ができる。炭素繊維としては、一般的にポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、石油・石炭ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、リグニン系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、気相成長系炭素繊維などが知られているが、本発明においてはこれらのいずれの炭素繊維であっても好適に用いることができる。
(炭素繊維)
強化繊維として無機繊維を使用することが好ましい。有機繊維に比べて伸度が比較的低いために、切断する際のせん断応力が少なくて良いためである。
中でも、本発明においては引張強度に優れる点でポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維を用いることが好ましい。強化繊維としてPAN系炭素繊維を用いる場合、その引張弾性率は100〜600GPaの範囲内であることが好ましく、200〜500GPaの範囲内であることがより好ましく、230〜450GPaの範囲内であることがさらに好ましい。また、引張強度は2000〜6000MPaの範囲内であることが好ましく、3000〜6000MPaの範囲内であることがより好ましい。
(強化繊維の繊維長)
本発明に用いられる強化繊維の繊維長は、強化繊維の種類や熱可塑性樹脂の種類、複合材料中における強化繊維の配向状態等に応じて適宜決定することができるものであり、特に限定されるものではない。したがって、本発明においては目的に応じて連続繊維を用いてもよく、不連続繊維を用いてもよい。
不連続繊維を用いる場合、平均繊維長は、通常、0.1mm〜500mmの範囲内であることが好ましく、1mm〜100mmの範囲内であることがより好ましい。本発明においては繊維長が互いに異なる強化繊維を併用してもよい。換言すると、本発明に用いられる強化繊維は、平均繊維長に単一のピークを有するものであってもよく、あるいは複数のピークを有するものであってもよい。
炭素繊維の平均繊維長は、ロータリーカッター等で炭素繊維を一定長に切断して用いた場合は、そのカット長が平均繊維長にあたり、これは数平均繊維長でもあり、重量平均繊維長でもある。個々の炭素繊維の繊維長をLi、測定本数をjとすると、数平均繊維長(Ln)と重量平均繊維長(Lw)とは、以下の式(2),(3)により求められる(一定カット長の場合は、数平均繊維長(Ln)の計算式(2)で重量平均繊維長(Lw)を算出していることにもなる)。
Ln=ΣLi/j ・・・式(2)
Lw=(ΣLi)/(ΣLi)・・・式(3)
なお、本発明における平均繊維長の測定は、数平均繊維長であっても、重量平均繊維長であっても良い。
(強化繊維の繊維径)
本発明に用いられる強化繊維の繊維径は、強化繊維の種類に応じて適宜決定すればよく、特に限定されるものではない。例えば、強化繊維として炭素繊維が用いられる場合、平均繊維径は、通常、3μm〜50μmの範囲内であることが好ましく、4μm〜12μmの範囲内であることがより好ましく、5μm〜8μmの範囲内であることがさらに好ましい。一方、強化繊維としてガラス繊維を用いる場合、平均繊維径は、通常、3μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。ここで、上記平均繊維径は、強化繊維の単糸の直径を指すものとする。したがって、強化繊維が繊維束状である場合は、繊維束の径ではなく、繊維束を構成する強化繊維(単糸)の直径を指す。強化繊維の平均繊維径は、例えば、JIS R7607:2000に記載された方法によって測定することができる。
(強化繊維の繊維形態)
本発明に用いられる強化繊維は、その種類の関わらず単糸からなる単糸状であってもよく、複数の単糸からなる繊維束状であってもよい。
本発明に用いられる強化繊維は、単糸状のもののみであってもよく、繊維束状のもののみであってもよく、両者が混在していてもよい。ここで示す繊維束とは2本以上の単糸が集束剤や静電気力等により近接している事を示す。繊維束状のものを用いる場合、各繊維束を構成する単糸の数は、各繊維束においてほぼ均一であってもよく、あるいは異なっていてもよい。本発明に用いられる強化繊維が炭素繊維であって、炭素繊維が繊維束状である場合、各繊維束を構成する単糸の数は特に限定されるものではないが、通常、2本〜10万本の範囲内とされる。
一般的に、炭素繊維は、数千〜数万本のフィラメントが集合した繊維束状となっている。強化繊維として炭素繊維を用いる場合に、炭素繊維をこのまま使用すると、繊維束の交絡部が局部的に厚くなり薄肉の複合材料を得ることが困難になる場合がある。このため、強化繊維として炭素繊維を用いる場合は、繊維束を拡幅したり、又は開繊したりして使用するのが通常である。
複合材料における強化繊維の配向状態としては、例えば、強化繊維の長軸方向が一方向に配向した一方向配向や、上記長軸方向が複合材料の板厚面内方向においてランダムに配向した2次元ランダム配向を挙げることができる。
本発明における強化繊維の配向状態は、上記一方向配向又は2次元ランダム配向のいずれであってもよい。また、上記一方向配向と2次元ランダム配向の中間の無規則配向(強化繊維の長軸方向が完全に一方向に配向しておらず、かつ完全にランダムでない配向状態)であってもよい。さらに、強化繊維の繊維長によっては、強化繊維の長軸方向が複合材料の面内方向に対して角度を有するように配向していてもよく、繊維が綿状に絡み合うように配向していてもよく、さらには繊維が平織や綾織などの二方向織物、多軸織物、不織布、マット、ニット、組紐、強化繊維を抄紙した紙等のように配向していてもよい。
[強化繊維の体積含有率(Vf)]
本発明の複合材料に含まれる強化繊維及び熱可塑性樹脂について、式(1)で定義される、複合材料に含まれる強化繊維体積割合(Vf)に特に限定は無いが5〜80%であることが好ましく、10〜80%であることがより好ましく、10〜70%であることが更に好ましく、20〜50%であることがより一層好ましく、30〜40%が最も好ましい。
式(1) 100×強化繊維体積/(強化繊維体積+熱可塑性樹脂体積)
強化繊維体積割合(Vf)が5%以上であれば、補強効果が十分に発現しやすくなる。反対に、Vfが80%以下であれば、得られる複合材料にボイドが発生しにくくなり、物性が向上しやすい。
[樹脂]
本発明で用いられる樹脂に特に限定は無く、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良い。
(熱可塑性樹脂)
本発明における複合材料に含まれる樹脂が熱可塑性樹脂である場合、所望の形状に切断された後に切断体となり、これは圧縮成形用の成形材料として利用されるため好ましい。圧縮成型用の成形材料に関しては後述する。
上記熱可塑性樹脂は特に限定されるものではなく、複合材料の用途等に応じて所望の軟化点又は融点を有するものを適宜選択して用いることができる。通常、軟化点が180℃〜350℃の範囲内のものが用いられるが、これに限定されるものではない。
上記熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、熱可塑性ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアセタール樹脂(ポリオキシメチレン樹脂)、ポリカーボネート樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルニトリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリケトン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、フッ素系樹脂、熱可塑性ポリベンゾイミダゾール樹脂、ビニル系樹脂等を挙げることができる。
上記ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂等を上げることができる。
上記ビニル系樹脂としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等を挙げることができる。
上記ポリスチレン樹脂としては、例えば、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS樹脂)等を挙げることができる。
上記ポリアミド樹脂としては、例えば、ポリアミド6樹脂(ナイロン6)、ポリアミド11樹脂(ナイロン11)、ポリアミド12樹脂(ナイロン12)、ポリアミド46樹脂(ナイロン46)、ポリアミド66樹脂(ナイロン66)、ポリアミド610樹脂(ナイロン610)等を挙げることができる。
上記ポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ボリブチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、液晶ポリエステル等を挙げることができる。上記(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレートを挙げることができる。
上記ポリフェニレンエーテル樹脂としては、例えば、変性ポリフェニレンエーテル等を挙げることができる。上記熱可塑性ポリイミド樹脂としては、例えば、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等を挙げることができる。上記ポリスルホン樹脂としては、例えば、変性ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂等を挙げることができる。
上記ポリエーテルケトン樹脂としては、例えば、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂を挙げることができる。上記フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等を挙げることができる。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂は1種類のみであってもよく、2種類以上であってもよい。2種類以上の熱可塑性樹脂を併用する態様としては、例えば、相互に軟化点又は融点が異なる熱可塑性樹脂を併用する態様や、相互に平均分子量が異なる熱可塑性樹脂を併用する態様等を挙げることができるが、この限りではない。
(熱硬化性樹脂)
本発明に用いられる熱硬化性樹脂として特に限定は無いが、耐熱性、力学特性および炭素繊維との接着性のバランスに優れているエポキシ樹脂が好ましく用いられ、特に、アミン類、フェノール類、炭素・炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂を用いることが好ましい。また、これらの熱硬化性樹脂は、加熱により自己硬化するものであっても良いし、硬化剤や硬化促進剤などを配合するものであっても良い。
アミン類を前駆体とするエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類、アミノフェノールのグリシジル化合物類、グリシジルアニリン類、キシレンジアミンのグリシジル化合物などが挙げられる。テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン類は耐熱性に優れるため好ましい。
フェノール類を前駆体とするエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
炭素・炭素二重結合を有する化合物を前駆体とするエポキシ樹脂としては、多環式エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は、単独で用いても良いし、適宜配合して用いてもよい。グリシジルアミン型エポキシ樹脂と2官能グリシジルエーテル型エポキシ樹脂の組み合わせは、耐熱性、耐水性および作業性を併せ持つために特に好ましい。
本発明のプリプレグに用いる熱硬化性樹脂組成物の硬化剤としては、エポキシ基と反応し得る活性基を有する化合物であればこれを用いることができるが、芳香族アミン類、ジシアンジアミド、二塩基酸ジヒドラジドの単体または、混合系を挙げることができる。芳香族アミン類としては、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシレンジアミンなどが挙げられる。これらの硬化剤は、単独で用いても良いし、適宜配合して用いてもよい。芳香族アミン類は、樹脂硬化物に耐熱性を付与することが出来るために特に好ましい。
エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂としては、シアネートエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ベンゾオキサジン樹脂などが使用できる。
[その他の剤]
本発明で用いる複合材料中には、本発明の目的を損なわない範囲で、有機繊維または無機繊維の各種繊維状または非繊維状のフィラー、難燃剤、耐UV剤、安定剤、離型剤、顔料、軟化剤、可塑剤、界面活性剤等の添加剤を含んでいてもよい。
[複合材料の製造方法]
本発明に用いられる複合材料は、一般的に公知の方法を用いて製造することができ、例えば、WO2012/105080パンフレット、特開2013−49298号公報に記載の等方性基材を好ましく用いられる。該等方性基材を使用した複合材料は、その面内において、炭素繊維が特定の方向に配向しておらず、無作為な方向に分散して配置されている。
[切断装置]
本発明における切断装置は、複合材料を切断するためのものであり、例えば図1で示される。
1.加圧装置
加圧装置に限定は無く、公知のものを使用できる。例えば、電動モーターを圧力源とするもの、油圧ポンプを圧力源とするものが挙げられる。また、往復運動機構として、スクリュー機構、クランク機構、リンク機構、シリンダ機構のいずれか、またはその複数を組合せた機構を備えていることが挙げられる。
また、加圧装置(図1の102)には、固定層(図1の103)を取り付けることができる。
2.[切断台]
本発明における切断体の製造方法は、好ましくは複合材料を切断台で切断して製造することが好ましい。切断台は公知の物を使用でき、複合材料を支えることができれば特に限定はない。また、本発明における切断台とは、連続して切断することを目的とするものであり、成形型内に繊維強化樹脂材を載置し、打ち抜き刃でバリ除去する、例えば日本国特開2011−084038や、日本国特開2013−99817に記載のような成形型は含まないものである。すなわち、本発明は、成形と同時に端材をトリミングするものではなく、連続して複合材料を切断して切断体を得るものである。
3.固定層
本発明における固定層(例えば図1の103)の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方は、165MPa以上である。これは、連続して複合材料を切断すると、固定層が塑性変形してしまうという課題があるため、降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方は165MPa以上のものを用いる必要がある。固定層が塑性変形すると、例えば図3の301に示すように、切断刃の位置決め精度が低下する。本発明における固定層は、鉛直方向の特定位置に、切断刃を固定させるためのものであり、鉛直方向の一定位置に切断刃を固定できる。
固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方は、好ましくは200MPa以上である。具体的には、入手の容易性から、固定層が鉄又は鉄を含む合金であることがより好ましく、鉄を含む合金であることが更に好ましい。
一方、降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方の上限は、好ましくは1500MPa以下が好ましく、1000MPa以下がより好ましく、700MPa以下が更に好ましい。
固定層の厚みは後述する排出通路の大きさにもよるが、1mm以上が好ましく、5mm以上がより好ましく、10mm以上が更に好ましい。
固定層の幅は、切断刃を支えることができれば特に限定はないが、0.5mm以上が好ましく、3mm以上がより好ましい。
また、本発明における固定層は、切断刃への偏荷重を抑制することができ、切断刃全体にわたって均一な荷重をかけることができる。この特性を利用すれば、複数の切断刃を切断装置に設けた場合や、切断刃の形状を複数設けた場合であっても、連続して複合材料を切断することができる。
4.切断刃
本発明における切断刃は、例えば図1、図2の104に示される。
4.1 種類
使用する刃の材質、硬度、刃先形状などは材料の特性、厚み等に応じて適宜選択することができるが、刃の硬度はHRC28〜70が好ましく、さらには硬度HRC45〜63が好ましい。硬度がHRC28以上であると、切断刃の耐久性が向上して好ましい。HRC70以下であると、刃の靱性が向上して好ましい。
切断刃の刃先の角度は、25度〜60度が好ましく、刃先端のR寸法は、0.2mm以下であることが好ましい。切断刃の角度25度以上であると、耐久性が向上して好ましく、60度以下であると低い線圧で切断できるため好ましい。刃先端のR寸法が0.2mm以以下であると、低い線圧で切断できるため好ましい。
刃の根元厚みは、0.5〜2.0mmが好ましい。2.0mm以下であると、低い線圧で切断できるため好ましく、0.5mm以上であると、耐久性が向上して好ましい。
4.2 形状
切断刃の形状に特に限定はなく、閉ループ構造であっても、開構造であってもよい。
ここで、開構造とは、切断刃が開いており、切断刃の刃先側から見た図が、例えば図7(a)〜(c)のような切断刃である。切断刃が開構造の場合、複合材料から切断された切断小片は発生する場合と、発生しない場合とがある。例えば図8(d)の右に示す切断刃を用いた場合には、切断小片は生じない(図8の(d)の左)。一方、図8(c)の右に示すような切断刃を用いて、複合材料の隅を切断すると、図8(c)の左で示す801のような切断小片が発生する。
一方、閉ループ構造とは、切断刃の刃先側から見た図が、例えば図6(a)〜(d)のような形状をいい、円だけでなく、楕円、三角、四角、各種多角形、不定形状であるものも含まれる。
閉ループ構造の切断刃で切断されると、多くの場合で切断小片が発生する(例えば図8の(a)(b))。すなわち、切断刃の形状が閉ループ構造である場合、複合材料から切断された切断小片が切断刃に挟まりやすく、切断小片を排出するのが困難になるという、新たな課題が生じる。
なお、本発明における複合材料から切断された切断小片とは、複合材料を所望の形状に切断して得られた切断体から副生された、残りの部分である。切断小片は廃棄物となる場合が多い。
5.排出通路
閉ループ構造の切断刃に、切断小片が挟まって詰まるのを避けるためには、切断小片は、切断刃の閉ループ構造の内部を通過した後、固定層に設けた排出通路(図4の401)を通って、切断装置外に排出されることが好ましい。すなわち、本発明における切断装置は、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を、少なくとも1つ備えることが好ましい。切断小片が閉ループ構造の切断刃に詰まらなければ、連続して複合材料を切断するのが容易となる。
切断刃が閉ループ構造の形状である場合、切断小片を鉛直下向きに落とすよりも、鉛直上向きに排出する方が、連続して切断する場合、次々と切断小片が閉ループ切断刃の内側に挿入され続けるため、設備上有利である。
例えば図4に示す排出通路では、切断刃を固定するための固定層を2つ設けており(図4の103)、固定層の間が排出通路(図4の401)となる。固定層に設けられた排出通路は、固定層の位置決め層(図4の105)に設けられた排出通路に繋がっており、エアー(図4(b)の402)など用いて、切断小片を切断装置外に排出すると良い。なお、切断小片を切断装置外に排出できれば、排出通路の形状、構造は図4のものに限定されない。
排出通路を設けるための固定層の位置決め層の素材は、安価で加工しやすいものであれば特に限定は無いが、例えばベニヤ板などを用いることが好ましい。
なお、安価で加工しやすい素材(例えばベニヤ板)を、固定層にまで使用してしまうと、図3に示すように、切断時の荷重により、切断刃の位置が不安定になりやすい。
本発明の切断装置においては、固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方が165MPa以上とし、固定層の位置決め層を安価で加工しやすい素材(例えばベニヤ板)にすることで、閉ループ構造の切断刃を用いた場合であっても、切断小片を排出しやすく、かつ切断刃の(経時での)位置精度を高く保つ事が出来る。
(排出通路の面積)
形状が閉ループ構造である切断刃を、少なくとも1つ備え、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を、少なくとも1個備える場合、
本発明における切断装置は、切断小片の板厚方向の最大断面積をSk1、排出通路の最小断面積をSk2とし、
1回あたりの複合材料の切断で、排出通路を通って排出される切断小片が1個以上であって、各々の切断小片のSk1の合計値をΣSk1とし、切断装置には1個以上の排出通路を備え、各々の排出通路のSk2の合計値をΣSk2としたとき、ΣSk1<ΣSk2であることが好ましい。
ここで、排出通路の最小断面積とは通路の進行方向に向かって垂直な面方向の最小面積をいう。ΣSk1<ΣSk2を満たすことで、切断小片が排出通路の中で詰まらないという、優れた効果を奏する。1回の切断時において、排出通路1個につき、排出通路を通って排出される切断小片は1〜7個が好ましく、排出通路を通って排出される切断小片は1〜4個がより好ましく、排出通路を通って排出される切断小片は1〜2個が更に好ましい。
なお、閉ループ構造の切断刃8個に対して、排出通路が1個である切断装置の一例を図9に、閉ループ構造の切断刃8個に対して、排出通路を8個備えた切断装置の一例を図10に示す。
6.弾性部材
本発明における切断装置は、弾性部材を有していることが好ましい。該弾性部材は、切断された複合材料である切断体を、切断刃から脱離するためのものであり、例えば図5の501で示すものである。弾性部材は、複合材料を切断する際には、弾性変形によって切断を妨げない(複合材料が切断刃によって押して切られる際には、弾性部材は図5の紙面上方向に圧縮される)。一方、複合材料の切断後には、蓄えられた弾性エネルギーにより、切断体(切断後の複合材料)を、切断刃から脱離させやすくする。また、弾性部材の鉛直下向きの位置は、切断刃の刃先よりも下に吐出していることが好ましい(例えば図5の501)。
なお、弾性部材を用いない場合に連続して複合材料を切断するには、人手で切断刃から切断体を脱離したり、機械的に脱離したりする方法を別途設ければ良い。
7.固定層の位置決め相(図1の105)
固定層の水平方向の位置決め精度を高めるために、固定層の位置決め層を設けると好ましい。
8.切断刃の位置決め相(図1の106)
切断刃の水平方向の位置決め精度を高めるために、切断刃の位置決め層を設けると好ましい。
[切断体の製造方法]
本発明における切断体の製造方法は、切断刃と加圧装置を備えた切断装置を用いて、強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断し、切断体を製造する方法であって、切断装置は、切断刃と加圧装置との間に、切断刃を固定するための固定層を設け、該固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方は165MPa以上である。
切断は、好ましくは切断台の上に複合材料を配置し、切断刃を1つの複合材料に対して1度切断刃で下降させればよく、連続して複合材料を切断する際には、切断体を製造するごとに、切断刃を上下に往復運動させれば良い。
本発明における複合材料の切断には、予め複合材料を加熱しておくことが好ましい。複合材料が軟化して切断に必要な線圧が低くなるためである。複合材料を加熱する場合、加熱方法に特に限定はなく、いかなる方法の利用も可能である。具体的には、熱風乾燥機や電気加熱型乾燥機を用いる方法、金型・ベルトコンベアー。熱ローラーなどにおいて熱板に挟む方法、赤外線・マイクロ波・高周波などによる誘電加熱や誘導加熱(IH)が例示されている。
[成形材料]
本発明における複合材料に含まれる樹脂が熱可塑性樹脂である場合、切断体は圧縮成形用の成形材料として利用される。強化繊維と熱可塑性樹脂とを含む複合材料を、圧縮成形して複雑形状を有する成形体を製造する際、得られる成形体はその複雑形状部分に皺などが発生した外観が劣るものになる場合がある。このような問題に対して、予め成形材料を所望の形状にしておくことで、圧縮成形時に皺を発生させず外観良好な成形体を製造する事が出来る。特に、繊維長が1−100mmの炭素繊維を含む複合材料を、圧縮成形用の成形材料として使用する場合、成形時に流動させるのが難しく、上記課題は顕著なものとしてあらわれる。
本発明における切断装置を用いて、所望の形状に切断された切断体を成形材料として用いることで、圧縮成形により複雑な立体形状をなす繊維強化成形体を製造でき、外観および強度を低下しない成形体を得ることができる。予め所望の形状に切断された切断体を成形材料とすることで、品質や歩留りの良い成形体を得ることができる。
上記観点から、複合材料、および複合材料を切断して得られる切断体は、熱可塑性樹脂を含むことが好ましい。
以下に実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。なお、本実施例における各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)強化繊維の平均繊維長の測定は、複合材料を大気下で500℃に加熱し樹脂を除去して残ったサンプルから無作為に抽出した300本の繊維の繊維長をノギスにより1mm単位まで測定し、その平均を求めた。
(2)連続可能切断回数
各実施例に記載の複合材料を、切断不良が出るまで切断し、切断不良が出るまでの切断回数をカウントして評価した。
(3)複合材料切断後(1回)の切断刃の位置精度
Excellent:切断刃の鉛直方向の位置に変化は無かった。
Bad:切断刃の鉛直方向の位置が1mm以上変化した。
(4)切断小片の排出通路の詰まり
Excellent:切断小片は排出通路に詰まらず、切断装置外に排出できた。
Bad:切断小片が排出通路に詰まり、切断装置該に排出できなかった。
[複合材料の製造例1]
強化繊維として、東邦テナックス社製の炭素繊維“テナックス”(登録商標)STS40−24KS(平均繊維径7μm)をナイロン系サイジング剤処理したものを使用し、熱可塑性樹脂として、ユニチカ社製のナイロン6樹脂A1030を用いて、WO2012/105080パンフレットに記載された方法に基づき、等方性材料を作成し、240℃で90s間予熱後、2.0MPaの圧力をかけながら180s間、240℃にてホットプレスした。ついで、加圧状態で50℃まで冷却し、厚さ2.7mmの体積繊維含有率Vf=35%の平板を得、これを複合材料1とした。
[実施例1]
1.切断装置の準備
1.1 切断刃
大阪抜型製作所製の440160を用い、根元厚みが1.0mm、刃先Rは0.05mm以下、刃先角度45度、HRC54、内径16mmの円形状(閉ループ構造)用いた。
1.2 固定層
鉄合金(SS400、降伏応力又は0.2%耐力は215MPa)で、厚み20mm、幅16mm、長さ20mmの直方体のものを、前記切断刃の根元に2個設けた(図5(a)を参照)。固定層は16mm離して設置した。なお、固定層の上に切断刃を載せる際、切断刃にフランジ部を設け、固定層との接触面積を増やした。
1.3 排出通路
上記2つの固定層を設ける際に、16mm離して設置することで、16mm×厚さ20mm(最小断面積Sk2が320mm)の排出通路を設けた。
1.4 加圧装置
DAE YANG HYDRAULIC TECHNOLOGY MACHINERY製DYMSP−50を用いた。
1.5 弾性部材
スチレンブタジエン発泡ゴムを用い、厚み8mm、幅20mmのドーナツ形状のもので、閉ルーブ構造の切断刃を囲んだ(厚みは図5の紙面上下方向、幅は図5の左右方向)。
1.6 固定層の位置決め層、切断刃の位置決め層にはベニヤ板を用いた。固定層の位置決め層には、固定層に設けた排出通路と連続させ、切断装置外まで切断小片を排出できるように、排出通路を設けた。また、最小断面積Sk2は320mmのままになるようにした。
上記準備した切断刃、固定層、排出通路、加圧装置、弾性部材、位置決め層は、図5(a)(b)のように設置した。
2.複合材料の切断
上記切断装置を用い、線圧14ton/mに設定して、150℃に加熱した複合材料1を連続的に切断し、切断体を製造した。切断小片の最大断面積Sk1は、43mmであった。結果を表1に示す。
[実施例2]
弾性部材を用いなかったこと以外は、実施例1と同様の切断装置を用いて複合材料1を切断し、切断体を製造した。結果を表1に示す。切断体は、弾性部材を用いないため、人手で切断刃から脱離させ、切断を続けた。
[実施例3]
切断刃の数を8個にし、排出通路の数は1個のままにした(排出通路の断面積ΣSk2を変えない)こと以外は、実施例1と同様の切断装置を用いて複合材料1を切断し、切断体を製造した。用いた切断装置は、図9に示す模式図で示される。結果を表1に示す。排出通路に切断小片が詰まったため、途中で連続切断を中断した。
[実施例4]
排出通路を、切断刃ごとに1個ずつ設けた(排出通路の断面積ΣSk2を2560mmにした)こと以外は、実施例3と同様の切断装置を用いて複合材料1を切断し、切断体を製造した。用いた切断装置は、図10に示す模式図で示される。結果を表1に示す。
[実施例5]
切断刃を開構造であり、図7(a)の形状のものを用いたこと以外は、実施例1と同様の切断装置を用いて複合材料1を切断し、切断体を製造した。結果を表1に示す。
[比較例1]
固定層にベニヤ板を使用した切断装置を用いたこと以外は、実施例5と同様にして複合材料1を切断した。結果を表1に示す。
Figure 2019058953
本発明の切断装置を用いて切断された複合材料(切断体)は、圧縮成形することで成形体を得ることができる。該成形体は、各種構成部材、例えば自動車の内板、外板、構造部材、また各種電気製品、機械のフレームや筐体等に用いることができる。好ましくは、自動車部品として利用できる。
101 切断装置
102 加圧装置
103 切断刃を固定するための固定層
104 切断刃
105 固定層の位置決め層(例えばベニヤ板)
106 切断刃の位置決め層
201 形状が閉ループ構造である切断刃を用いた切断装置
301 切断刃の位置決め精度が低下し、2つの切断刃の高さに生じた差
401 排出通路
402 エアーの流れ
501 弾性部材
801 切断小片

Claims (20)

  1. 切断刃と加圧装置を備えた切断装置を用いて、強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断し、切断体を製造する方法であって、
    切断装置は、切断刃と加圧装置との間に、切断刃を固定するための固定層を設け、
    該固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方が165MPa以上である、
    切断体の製造方法。
  2. 切断装置は、形状が閉ループ構造である切断刃を、少なくとも1つ備える、請求項1に記載の切断体の製造方法。
  3. 切断装置は、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を、少なくとも1つ備える、請求項2に記載の切断体の製造方法。
  4. 請求項3に記載の切断体の製造方法であって、切断小片の板厚方向の最大断面積をSk1、排出通路の最小断面積をSk2とし、
    1回あたりの複合材料の切断で、排出通路を通って排出される切断小片が1個以上であって、各々の切断小片のSk1の合計値をΣSk1とし、切断装置には1個以上の排出通路を備え、各々の排出通路のSk2の合計値をΣSk2としたとき、ΣSk1<ΣSk2である、
    切断体の製造方法。
  5. 固定層が、鉛直方向の所望の位置に切断刃を固定するためのものである、請求項1〜4いずれか1項に記載の切断体の製造方法。
  6. 切断装置は弾性部材を有し、
    該弾性部材は、切断された複合材料である切断体を、切断刃から脱離するためのものである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の切断体の製造方法。
  7. 複合材料を加熱して切断する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の切断体の製造方法。
  8. 固定層が、鉄又は鉄を含む合金である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の切断体の製造方法。
  9. 複合材料に含まれる強化繊維が炭素繊維、樹脂が熱可塑性樹脂であり、切断体が成形材料である、
    請求項1〜8いずれか1項に記載の切断体の製造方法。
  10. 切断装置は、切断刃を2個以上備えている、請求項1〜9いずれか1項に記載の切断体の製造方法。
  11. 強化繊維と樹脂とを含む複合材料を切断する切断装置であって、
    切断装置は切断刃と加圧装置を有し、切断刃と加圧装置との間に、切断刃を固定するための固定層を設け、
    該固定層の降伏応力又は0.2%耐力の、少なくともいずれか一方が165MPa以上である、
    切断装置。
  12. 形状が閉ループ構造である切断刃を、少なくとも1つ備える、請求項11に記載の切断装置。
  13. 切断装置は、複合材料から切断された切断小片を排出するための排出通路を、少なくとも1つ備える、請求項12に記載の切断装置。
  14. 請求項13に記載の切断装置であって、切断小片の板厚方向の最大断面積をSk1、排出通路の最小断面積をSk2とし、
    1回あたりの複合材料の切断で、排出通路を通って排出される切断小片が1個以上であって、各々の切断小片のSk1の合計値をΣSk1とし、切断装置には1個以上の排出通路を備え、各々の排出通路のSk2の合計値をΣSk2としたとき、ΣSk1<ΣSk2である、
    切断装置。
  15. 固定層が、鉛直方向の所望の位置に切断刃を固定するためのものである、請求項11〜14いずれか1項に記載の切断装置。
  16. 切断装置は弾性部材を有し、
    該弾性部材は、切断された複合材料である切断体を、切断刃から脱離するためのものである、
    請求項11〜15のいずれか1項に記載の切断装置。
  17. 切断装置は、複合材料を加熱して切断する、請求項11〜16のいずれか1項に記載の切断装置。
  18. 固定層が、鉄又は鉄を含む合金である、請求項11〜17のいずれか1項に記載の切断装置。
  19. 複合材料に含まれる強化繊維が炭素繊維、樹脂が熱可塑性樹脂であり、切断装置が成形材料を製造するための装置である、
    請求項11〜18いずれか1項に記載の切断装置。
  20. 切断装置は、切断刃を2個以上備えている、請求項11〜19いずれか1項に記載の切断装置。
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