JP6324043B2 - 高強度繊維で強化されたプラスチック板の裁断装置 - Google Patents

高強度繊維で強化されたプラスチック板の裁断装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性のプラスチック板に、カーボン繊維、ケブラー繊維(登録商標)、PBO繊維、超強力ポリエチレン繊維、高強力ポリアリレート繊維の何れかからなる高強度繊維を埋設している高強度繊維で強化されたプラスチック板を所定の形状に裁断する装置に関する。
高強度繊維のカーボン繊維をプラスチックに埋設しているカーボン繊維強化プラスチック板は、極めて強靭なカーボン繊維で補強されるので、強度の要求される用途、例えば航空宇宙用や特殊車両などに使用される。このプラスチック板の裁断装置として、レーザービームを照射する装置が開発されている。(特許文献1及び2参照)
これ等の公報に記載されるレーザービームの裁断装置は、プラスチック板の裁断に極めて大きなエネルギーを消費すると共に、能率良く短時間に裁断できない。また、高強度繊維で強化されたプラスチック板の裁断装置として、ウォータージェットで裁断する装置も開発されているが、この裁断装置も消費エネルギーが大きく、また能率よく速やかに裁断できない。また、レーザービームやウォータージェットの裁断装置は、設備コストとランニングコストの両方が相当に高くなる欠点もある。
ところで、航空宇宙材料として使用される高強度繊維材料等を切断する装置は開発されている(特許文献3参照)。この裁断装置は、特殊な切断用カッターを使用して高強度繊維材料を切断する。この切断用カッターは、シャンク本体の先端に刃先部を接合している。刃先部は、厚さを先端へ向かうに従って漸次小さくしている。また、刃先部を、切刃を構成する超高硬度部と、切刃とシャンク本体とをつなぐ超硬合金部とを接合して一体に焼結成形させた複合体で形成して、刃先部の先端を、超高硬度部で形成している。超高硬度部と超硬合金部とからなる複合体は、ダイヤモンド等の高硬度粒子と結合材料として使用されるTiN、TiC等の粒子とを混合し、これらを超高圧においてプレス成形し、また高温度において焼結することにより成形されたペレット状の超高硬度部と、タングステンカーバイト等により成形されたペレット状の超硬合金部とを、一体に焼結成形して所定形状に加工したものである。
特開2010−247206号公報 特開2011−56583号公報 特開平4−69187号公報 特開2013−91128号公報
特許文献3に記載される装置は、特殊な切断用カッターで高強度繊維材料を裁断するので、レーザービームやウォータージェットに比較して能率よく裁断できる。しかしながら、この裁断装置は、切断用カッターを往復運動させながら前進させて高強度繊維材料を切断するので、一回の往復運動でプラスチック板を所定の形状に裁断できない。このため、能率よくプラスチック板を特定の外形に打ち抜き加工できない。とくに、切断用カッターが、刃先の超高硬度部を超硬合金部でシャンク本体に接合して一体に焼結成形させた複合体とするので、切断用カッターを複雑に湾曲する形状には加工できず、また、切断用カッターが極めて高価になる欠点がある。
本発明者は、以上の欠点を解消するために、炭素鋼をHRC硬度を64以上に焼き入れした抜き型を開発し、これでもって、載せ台の上にセットしたプラスチック板を切断する装置を開発した(特許文献4参照)。この切断装置は、切断されたプラスチック板の切断縁で高強度繊維を完全に切断するのが難しい。それは、抜き型の刃先の一部と載せ台との間に、高強度繊維の太さよりも広い隙間ができると、この領域で高強度繊維を切断できなくなるからである。この欠点は、抜き型の刃先を全ての切断ラインにおいて、載せ台の表面に沿う形状として、刃先全体と載せ台との間の隙間を、高強度繊維の太さよりも小さくして解消できる。しかしながら、高強度繊維は極めて細いので、このことを実現するには、抜き型の刃先全体を極めて高い精度で切削加工し、また研磨加工する必要があって、加工コストが極めて難しくなり、また加工に著しく手間がかかる欠点がある。とくに、抜き型は、刃先を先鋭な尖った形状に切削加工し、また研磨しながら、その先端縁を載せ台の表面に沿う形状に加工するために、極めて高い精度と加工技術を必要とする。
抜き型の刃先の一部と載せ台との間に隙間ができる弊害は、載せ台の上に弾性シートを載せて解消できる。抜き型の刃先と載せ台との間に弾性シートが挟まれ、これが弾性変形して、抜き型と載せ台との間の隙間を吸収するからである。この裁断装置は、弾性シートが弾性変形して、抜き型の刃先と載せ台との隙間を吸収するので、弾性シートを厚くして、抜き型の刃先の一部と載せ台との間にできる隙間をより効果的に吸収できる。しかしながら、この裁断装置は、抜き型と載せ台とで繊維を直接に挟んで切断するのでなく、刃先と載せ台との間に弾性変形する弾性シートを挟むので、刃先が繊維を切断する圧力が弾性シートに吸収されて弱くなる。とくに、抜き型の刃先の誤差を吸収するために、弾性シートを厚くするほど、刃先が繊維を切断する圧力が低下する欠点がある。このため、刃先が載せ台の表面に沿わず、載せ台との間に隙間ができる抜き型は、その刃先を高強度繊維に強く押し付けて、強くて細い繊維を確実に切断するのが難しくなる。したがって、強くて細い高強度繊維を確実に切断するには、抜き型の刃先の全体を載せ台のより正確に沿う形状に加工することが大切となって、極めて高い加工精度が要求される。
ところで、弾性シートを使用する裁断装置において、抜き型の刃先角を、より尖った形状に加工することは、高強度繊維を確実に切断することに効果がある。ただ、抜き型の刃先角を小さくすると、刃先の寿命が短くなる。さらに、刃先角を小さくしても、載せ台との間に隙間ができると繊維を裁断できなくなるので、このことを解消するために、厚い弾性シートを使用して、刃先が高強度繊維を強く押圧できなって、高強度繊維を確実に切断できなくなる。
本発明はさらに以上の欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、簡単に加工できる金型を使用しながら、プラスチック板を一回の往復運動で所定の外形に打ち抜き加工して極めて能率よく正確な外形に裁断でき、しかも、切断されたプラスチック板の裁断縁で繊維を確実に切断できる高強度繊維で強化されたプラスチック板の裁断装置を提供することにある。
また、本発明の他の大切な目的は、抜き型の加工を簡単にして、抜き型を安価に多量生産できる高強度繊維で強化されたプラスチック板の裁断装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の裁断装置は、熱可塑性のプラスチック板にカーボン繊維、ケブラー繊維(登録商標)、PBO繊維、超強力ポリエチレン繊維、高強力ポリアリレート繊維の何れかからなる高強度繊維を埋設してなるプラスチック板1を裁断する。この裁断装置は、プラスチック板1を打ち抜きして裁断する雌型9及び雄型8と、この雄型8と雌型9とを相対運動させる駆動機構16とを備える。雌型9は、雄型8との対向面の裁断面17に、開口縁をプラスチック板1を裁断する裁断ラインに沿う形状の裁断刃2とする凹部6を有し、雄型8は、雌型9の凹部6に挿入される突出部3を有すると共に、この突出部3は、その先端縁に、刃先角を90度以下としてHRC硬度を64以上とする裁断刃2を設けている。さらに、突出部3の裁断刃2の外形と雌型9の凹部6の裁断刃2の内形との間隔を100μm以下として、突出部3と凹部6との間に繊維の破断隙間7を設けている。突出部3は凹部6に挿入されて、突出部3及び凹部6の裁断刃2でもってプラスチック板1を裁断して、プラスチック板1に埋設している繊維を突出部3と凹部6との破断隙間7で破断する。
ただし、本明細書において「ケブラー繊維(登録商標)」は、デュポン社が開発したアラミド繊維の一種であって、ポリ−P−フェンレンテレンラミドを意味するものとする。
以上の裁断装置は、簡単に加工できる金型を使用して、プラスチック板を一回の往復運動で所定の外形に打ち抜き加工して極めて能率よく正確な外形に裁断でき、しかも、切断されたプラスチック板の裁断縁から突出する繊維を確実に切断できる特徴がある。図1〜図4は、以上の裁断装置が、熱可塑性のプラスチックに高強度繊維を埋設しているプラスチック板1を裁断する状態を示している。図1と図2は、刃先角を鋭角とする裁断刃2がプラスチック板1を裁断する状態を示し、図3と図4は、刃先角を直角とする裁断刃2がプラスチック板1を裁断する状態を示している。
鋭角である突出部3の裁断刃2が、熱可塑性樹脂のプラスチック板1に押し付けられると、図1に示すように、裁断刃2がプラスチック板1を破断して、打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間に挿入される。この状態で、打ち抜き部1Aはプラスチック板1から引き離されて、プラスチック板1との間に隙間ができる。この状態になると、熱可塑性樹脂に埋設している繊維4が、打ち抜き部1Aやプラスチック板1から引き離し隙間5に引き出される。プラスチック板内の繊維4は、熱可塑性樹脂に対して長手方向には相対的に移動しやすく、熱可塑性樹脂から引き離し隙間5に引き出される。打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間の引き離し隙間5に引き出された繊維4は、突出部3がさらに凹部6に挿入される状態で、突出部3の表面と凹部6の内面との間の破断隙間7にあって、図2の×印で示す位置、すなわち打ち抜き部1Aと破断隙間7との境界部分と、プラスチック板1と破断隙間7との境界部分において、すなわち、引き離し隙間5の両端部において、小さい曲率半径に折曲される。さらに、引き離し隙間5の両端部において小さい曲率半径で折曲された繊維4は、打ち抜き部1Aがプラスチック板1から引き離されるにしたがって、より強く引っ張られて破断される。図の×印で示す2カ所で破損された繊維4は、短い切れ端の繊維の破断屑となって、打ち抜き部1Aとプラスチック板1から分離される。
図3と図4に示す突出部3の直角の裁断刃2は、これが熱可塑性樹脂のプラスチック板1に押し付けられると、図3に示すように、裁断刃2がプラスチック板1を破断して、打ち抜き部1Aをプラスチック板1から分離して強制的に押し下げる。この状態で、打ち抜き部1Aがプラスチック板1から引き離されると、打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間の引き離し隙間5に繊維4が引き出される。引き離し隙間5に引き出された繊維4は、突出部3がさらに凹部6に挿入されると、図4の×印で示す位置、すなわち打ち抜き部1Aと引き離し隙間5との境界部分と、プラスチック板1と引き離し隙間5との境界部分において、小さい曲率半径に折曲され、さらに、引き離し隙間5に引き出されて両端部において小さい曲率半径で折曲された繊維4は、打ち抜き部1Aがプラスチック板1から押し下げられるにしたがって、より強く引っ張られて破断される。図の×印で示す2カ所で破損された繊維4は、短い切れ端の繊維の破断屑となって、打ち抜き部1Aとプラスチック板1から分離される。
以上の裁断装置は、突出部3を凹部6に挿入することで、打ち抜き部1Aをプラスチック板1から裁断して分離し、分離された打ち抜き部1Aをプラスチック板1から引き離して、破断隙間7に繊維4を引き出し、突出部3が凹部6に挿入されるにしたがって、破断隙間7に引き出された繊維4の両端部を小さい曲率半径で折曲すると共に、強い力で引っ張って破断する。打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間に引き出された繊維4は、破断隙間7の両端部で破断されて、短い繊維の破断屑となって、打ち抜き部1Aとプラスチック板1の両方から切り離される。したがって、以上の裁断装置は、突出部3を凹部6に挿入して、プラスチック板1を所定の形状の打ち抜き部1Aに裁断する。また、打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間で高強度繊維4が確実に破断されて、打ち抜き部1Aとプラスチック板1の両方から分離される。とくに、以上の裁断装置は、突出部3の裁断刃2と、凹部6の裁断刃2は、鋏が繊維4を切断するように切り離すのではなく、打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間の破断隙間7に引き出された繊維4を、小さい曲率半径で折曲しながら強く引っ張って破断し、さらに、引き出された繊維4を破断隙間7の両端部で破断して、打ち抜き部1Aとプラスチック板1の両方から分離する。したがって、プラスチック板1から切り離された裁断された打ち抜き部1Aは、その切断縁から繊維4が突出しないように破断される。また、突出部3と凹部6との間に破断隙間7を設けながら、繊維4を確実に裁断するので、突出部3と凹部6の加工に高い精度が要求されず、金型を安価に多量生産できる特徴がある。
本発明の裁断装置は、破断隙間7を60μm以下とすることができ、さらに破断隙間7を50μm以下とすることができる。この裁断装置は、破断隙間7を広くするので、突出部3と凹部6の加工をより簡単として、安価に製造できる。
本発明の裁断装置は、破断隙間7を5μmよりも大きくすることができる。この裁断装置は、破断隙間7を5μmよりも大きくするので、突出部3と凹部6との加工に高い精度が要求されず、安価に多量生産できる。
本発明の裁断装置は、破断隙間7に強制送風して、破断隙間7で発生する高強度繊維4の繊維の破断屑を吸収して回収する吸引回収機10を設け、雄型8の突出部3が雌型9の凹部6に挿入されて、プラスチック板1が裁断されて発生する繊維の破断屑を、破断隙間7に強制送風される気体流で吸引して吸引回収機10に回収する。
以上の裁断装置は、破断隙間7で破断される繊維の破断屑を吸引回収機10に吸引して回収するので、繊維の破断屑を効果的に回収できる特徴がある。とくに、破断隙間7に強制送風する気体流で繊維の破断屑を吸引して吸引回収機10で回収するので、繊維の破断屑を外部に飛散させることなく、極めて効率よく回収できる特徴がある。
本発明の裁断装置は、突出部3の裁断刃2の内側に、破断隙間7で破断される繊維4の繊維の破断屑を吸収する吸入口11を設け、この吸入口11を吸引回収機10に連結して、破断隙間7で発生する繊維の破断屑を吸引することができる。
以上の裁断装置は、簡単な構造で、破断隙間7に気体流を発生させて、繊維の破断屑を効果的に吸引回収機10に回収できる。それは、突出部3の裁断刃2の内側に吸入口11を設けて、この吸入口11から気体を吸入して破断隙間7に気体流を発生できるからである。
本発明の裁断装置は、凹部6の下方開口端を閉鎖構造にできる吸引チャンバー12に連結して、この吸引チャンバー12を吸引回収機10に連結して、破断隙間7で発生する繊維4の破断屑を吸引することができる。この裁断装置は、破断隙間7の繊維の破断屑を効果的に回収できるように気体流を発生できるので、繊維の破断屑をより効果的に外部に漏らさず回収できる特徴がある。
本発明の裁断装置は、雌型9の雄型8との対向面に、破断隙間7で発生する繊維の破断屑を吸引する吸引溝13を設けて、この吸引溝13を吸引回収機10に連結して、吸引回収機10で繊維の破断屑を回収するようにできる。
以上の裁断装置は、雌型9の表面に飛散する繊維の破断屑を効率よく回収して外部に飛散するのを防止できる。また、吸引溝13に吸引する気体でもってプラスチック板1を雌型9の表面に吸着できる。このため、裁断されるプラスチック板を定位置に配置して突出部3と凹部6とで正確に裁断できる。
本発明の裁断装置は、凹部6の内面に破断隙間7で発生する繊維4の破断屑を吸引する吸引口14を設けて、この吸引口14を吸引回収機10に連結して、吸引回収機10で繊維の破断屑を回収することができる。この裁断装置は、破断隙間7に発生する繊維の破断屑を凹部6内面の吸引口14から吸引して、吸引回収機10で回収できる。
金型がプラスチック板を裁断する状態を示す拡大端面図である。 図1の金型がプラスチック板を裁断する状態を示す拡大端面図である。 金型がプラスチック板を裁断する状態を示す拡大端面図である。 図3の金型がプラスチック板を裁断する状態を示す拡大端面図である。 本発明の実施例にかかる裁断装置の一部拡大断面図である。 本発明の他の実施例にかかる裁断装置の一部拡大断面図である。 本発明の他の実施例にかかる裁断装置の断面図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのプラスチック板の裁断装置を例示するものであって、本発明は裁断装置を以下のものに特定しない。さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
本発明の裁断装置は、プラスチック板に高強度繊維を埋設して補強しているプラスチック板を裁断する。プラスチック板は熱可塑性樹脂である。プラスチック板の熱可塑性樹脂は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンスルファイド、ポリエーテルイミド、ポテトラフルオロエチレン、フッ素樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアミドイミド、アセチルセルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂、メータクリル酸エチル樹脂などで、加熱すると軟化し、または溶融する樹脂である。高強度繊維は、カーボン繊維、ケブラー繊維(登録商標)、PBO繊維、超強力ポリエチレン繊維、高強力ポリアリレート繊維の何れかである。
図5ないし図7の裁断装置は、プラスチック板1を打ち抜きして裁断する雌型9及び雄型8からなる金型15と、この金型15の雄型8と雌型9とを相対運動させる駆動機構16とを備える。雌型9は、雄型8との対向面の裁断面17に、開口縁をプラスチック板1を裁断する裁断ラインに沿う形状の裁断刃2とする凹部6を設けている。雄型8は、雌型9の凹部6に挿入される突出部3を有する。
図5ないし図7の裁断装置は、金型15の雄型8と雌型9とを相対運動させる駆動機構16を備える。駆動機構16は、雌型9と雄型8とを平行移動させるためのガイド機構18と、雄型8を往復運動させるシリンダ19とを備える。ガイド機構18は、ガイドロッド18Aと、このガイドロッド18Aを軸方向に移動できるように挿通しているガイド筒18Bとからなる。図のガイド機構18は、ガイドロッド18Aを雌型9に垂直姿勢に固定して、ガイド筒18Bを雄型8に垂直姿勢に固定している。金型15は四隅にガイドロッド18Aとガイド筒18Bとを固定して、雄型8と雌型9とを水平姿勢で平行移動できる。さらに、図のガイド機構18は、ガイドロッド18Aにコイルスプリングであるスプリング20を挿通している。スプリング20は雄型8を押し上げて、シリンダ19が雄型8を押さない状態で、突出部3を雌型9の凹部6に挿通させない位置に配置する。シリンダ19が雄型8を押してスプリング20を圧縮して、突出部3が凹部6に挿入される。図のガイド機構18は、ガイド筒18Bをストッパに併用して、雄型8の降下位置を特定する。ガイド筒18Bの下端が雌型9の表面に接触して、雄型8の降下位置が停止されるからである。この金型15は、雄型8を往復運動させるシリンダ19でもって雄型8の降下位置を特定する必要がなく、駆動機構16を簡単にできる。
突出部3は焼き入れされた炭素鋼で、外周の先端縁には、刃先角を90度以下としてHRC硬度を64よりも大きくする裁断刃2を設けている。突出部3の刃先角は、突出部3がプラスチック板1を裁断する形状を考慮して最適値に設定することができる。たとえば、プラスチック板1に、直径を30mm以下とする貫通孔を設ける裁断刃2は、刃先角を45度よりも大きくし、プラスチック板1、長い裁断ラインで裁断する裁断刃2は、刃先角を30度〜60度とする。したがって、突出部3の裁断刃2は、その刃先角を、30度よりも大きく、好ましくは45度よりも大きくする。突出部3の裁断刃2は、刃先角を大きくして刃先の寿命を長くでき、反対に小さくしてプラスチック板1を綺麗に切断できる。
雄型8の突出部3は、雌型9の凹部6に挿入されて、プラスチック板1を裁断する。雌型9は、凹部6の外周縁を裁断刃2とし、雄型8は突出部3の外周縁を裁断刃2とする。突出部3の裁断刃2と凹部6の裁断刃2は、プラスチック板1を裁断する裁断ラインに沿う形状に加工される。突出部3の裁断刃2と凹部6の裁断刃2は全く同じ形状には加工されない。突出部3外周の先端に設けている裁断刃2の外形は、凹部6の開口縁に設けている裁断刃2の内形よりも小さく、突出部3の裁断刃2の外形を、凹部6の裁断刃2の内形よりも小さくして、突出部3の外周と凹部6との内面との間に破断隙間7を設けている。破断隙間7の間隔(D)は、100μm以下とし、好ましくは60μm以下とし、さらに好ましくは50μm以下、最適には20μm〜30μmとする。破断隙間7は、ここに引き出された繊維4を両端で小さい曲率半径で折曲して破断する。したがって、破断隙間7を狭くして、ここに引き出された繊維4を小さい曲率半径で折曲して確実に裁断できる。ただ、破断隙間7が狭すぎると、強靭な高強度繊維4が裁断刃2の間に挟まれて裁断刃2を破損する。したがって、破断隙間7の間隔(D)は、プラスチック板1に埋設している高強度繊維4の直径よりも広く、好ましくは高強度繊維4の直径の2倍以上、より好ましくは5倍以上とする。破断隙間7を20μm〜30μmとするとする金型15は、直径を数μmとする高強度繊維4を埋設しているプラスチック板1を裁断して、高強度繊維4を破断隙間7で確実に破断する。
以上の金型15は、雄型8の突出部3を雌型9の凹部6に挿入して、突出部3の裁断刃2と凹部6の裁断刃2でプラスチック板1を裁断し、さらに、プラスチック板1に埋設している繊維4を、突出部3と凹部6との破断隙間7に引き出して破断する。金型15が、突出部3を凹部6に挿入して、プラスチック板1を裁断する状態を図1〜図4に示している。これ等の図に示すように、突出部3が降下して、その裁断刃2が、プラスチック板1に押し付けられると、図1と図3に示すように、裁断刃2がプラスチック板1を裁断する。この状態で、打ち抜き部1Aがプラスチック板1から引き離されて、打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間に引き離し隙間5ができる。この状態になると、熱可塑性樹脂に埋設している繊維4は、打ち抜き部1Aやプラスチック板1から隙間に引き出される。打ち抜き部1Aとプラスチック板1との間の引き離し隙間5に引き出された繊維4は、突出部3がさらに凹部6に挿入される状態では、破断隙間7にあって、図2と図4の×印で示す位置、すなわち打ち抜き部1Aと破断隙間7との境界部分と、プラスチック板1と破断隙間7との境界部分において、すなわち、引き出された繊維4の両端部において、小さい曲率半径に折曲される。さらに、破断隙間7の両端部において小さい曲率半径で折曲された繊維4は、突出部3が凹部6に挿入されるにしたがって、打ち抜き部1Aがプラスチック板1から引き離されて、より強く引っ張られて破断される。図の×印で示す2カ所で破損された繊維4は、短い切れ端の繊維の破断屑となって、打ち抜き部1Aとプラスチック板1から分離される。
突出部3は、炭素鋼で製作される。この炭素鋼は、0.5%〜0.8%の炭素を含有する。図5の突出部3は、板状の炭素鋼を焼き入れする前工程で折曲し、あるいは湾曲して、裁断されるプラスチック板1の裁断刃2に沿う形状に加工している。図6と図7の突出部3は裁断される外形の柱状で、外周の先端縁を裁断刃2としている。突出部3の裁断刃2は、炭素鋼は炭素の含有量を0.6%とする。ただ、炭素の含有量を前述の範囲とするものも使用できる。突出部3の裁断刃2の炭素鋼は、炭素の含有量を多くして硬くできる。ただ、炭素の含有量が多くなると脆くなるので、硬さと脆さとを考慮して前述の範囲で最適な値とする。
図5の突出部3は、裁断刃2を閉ループとして、プラスチック板1を打ち抜き加工して打ち抜き部1Aを分離する。図5の突出部3は、板状炭素鋼を閉ループに加工して先端縁を研磨して裁断刃2とする。図6と図7の突出部3は、柱状に加工して外周の下端縁を裁断刃2とする。裁断刃2は、炭素鋼を研磨して裁断刃2設けた後、焼き入れして硬化させる。炭素鋼はヤスリや砥石で研磨して裁断刃2を設けることができる。
雌型9は金属プレートで、裁断面17を平面状又は三次元の立体曲面としている。雌型9は、突出部3が挿入される凹部6を設けて、凹部6の開口縁を裁断刃2とするので、裁断刃2を突出部3の裁断刃2に匹敵する硬度の金属、たとえば炭素鋼で製作され、焼き入れしてHRC硬度を64以上とする。
金型15は、突出部3を凹部6に挿入して、プラスチック板1を裁断する。したがって、突出部3の裁断刃2は、凹部6の内形に沿う形状としている。突出部3の裁断刃2は、凹部6に挿入されて、プラスチック板1を凹部6の開口縁に沿う裁断ラインで裁断する。
以上の図に示す突出部3の裁断刃2は、プラスチック板1を平面状に裁断する。裁断刃2は、図示しないが、立体曲面状に成形しているプラスチック板を裁断することもできる。この裁断刃は、立体曲面に沿う三次元とする構造に加工される。この金型は、突出部の裁断刃を立体曲面とし、雌型の裁断面も突出部の裁断刃に沿う立体曲面とされる。
突出部3の炭素鋼は、先端縁を研磨して刃先を設けた状態で、刃先のHRC硬度を、64以上、好ましくは約65とするように焼き入れする。刃先の硬度は硬くして寿命を長くできるが、硬すぎると脆くなって打ち抜き加工時に損傷しやすくなる。したがって、突出部3の裁断刃2は、刃先のHRC硬度が64よりも高くて、69よりも低くなるように焼き入れする。焼き入れ後の刃先の硬度は、焼き入れ温度でコントロールする。焼き入れの温度を高くして刃先の硬度を高くでき、温度を低くして硬度を低くできる。たとえば、炭素鋼は、焼き入れ温度を800℃〜900℃で焼き入れして、HRC硬度を前述の範囲とする。焼き入れ後のHRC硬度を65とする裁断刃2は、焼き入れ温度を850℃として、この硬度とすることができる。
図5ないし図7に示すように、雄型8と雌型9とを平行移動させるガイド機構18を備える金型15は、突出部3を凹部6に挿入してプラスチック板1を裁断する状態、すなわち雄型8を最も降下させる状態で、雄型8の固定プレート8Aと、雌型9の裁断面17との間に隙間を設けて、ここにガイド機構18のガイドロッド18Aやスプリング20を配置する。この金型15は、突出部3の全長を長くして、先端部を凹部6に挿入する必要がある。したがって、プラスチック板1に小さい貫通孔を設ける突出部3は、細長くなって折れやすくなる。とくに、HRC硬度を高くしている突出部3は、折れやすくなる。
図6の雄型8は、以上の欠点を解消するために、突出部3は、凹部6に挿入される先端の裁断部3Aを、凹部6に挿入されて凹部6の内面との間に破断隙間7ができる柱状とし、凹部6に挿入されない後端部を先端部よりも太くして補強部3Bとしている。図6の補強部3Bは、後端、図において上端に向かって次第に太くなるテーパー状として、補強部3Bの後端を固定プレート8Aに固定している。柱状の裁断部3Aは、その長さを、裁断されるプラスチック板1の厚さに等しく、あるいはこれよりもわずかに大きくして、凹部6に挿入されてプラスチック板1を破断できるようにしている。この形状の突出部3は、硬く焼き入れして、破損することなくプラスチック板1に小さい貫通孔を開口できる。それは、細い裁断部3Aに太い補強部3Bを連結して全長を長くしているので、突出部3全体を細長くすることなく、プラスチック板1に小さい貫通孔を開口できかるからである。とくに、この雄型8は、先端の細い裁断部3Aを硬く焼き入れしながら、これを凹部6に挿入して、プラスチック板1を破断する状態での破損を効果的に阻止できる。たとえば、厚さを5mmとするプラスチック板1に、直径を4mmとする貫通孔を開口する突出部3は、柱状に加工している裁断部3Aの外径を約4mm長さを5mmとして、太い補強部3Bを長くして全長を長くできる。この突出部3は、裁断部3Aのみの外径を細くして、補強部3Bによって全長を長くする。したがって、細い裁断部3Aで強靭なプラスチック板1に小さい貫通孔を開口して折れない構造を実現する。
雌型9は炭素鋼で、凹部6の開口縁に設けている裁断刃2を焼き入れして硬くしている。凹部6の開口縁に設けている裁断刃2は、好ましくはHRC硬度を64以上とするように焼き入れしている。凹部6の裁断刃2は、好ましくは突出部3の裁断刃2と同等の硬度に焼き入れされる。凹部6の裁断刃2のHRC硬度を64以上とする金型15は、突出部3を凹部6に挿入してプラスチック板1を打ち抜きする工程で変形することなくプラスチック板1を破断し、また破断隙間7でプラスチック板1に埋設している高強度繊維4を確実に破断する。
図5ないし図7の裁断装置は、プラスチック板1を裁断して発生する繊維の破断屑を回収する吸引回収機10を備える。吸引回収機10は、破断隙間7に強制送風し、破断隙間7から繊維の破断屑を吸収して回収する。図の吸引回収機10は、空気と繊維の破断屑とを分離する分離器21と、この分離器21に破断隙間7の空気を吸引するファン22とを備える。
図の吸引回収機10は、分離器21にサイクロンを使用する。サイクロンは円筒状で、円筒の中央部に排出ダクトを連結して、円筒の下には下窄みテーパー状の排出部を連結している。排出部の下端にはロータリーフィーダ23を連結している。ロータリーフィーダ23は空気を通過させることなく、ロータを回転して繊維の破断屑を外部に排出する。サイクロンは、接線方向に吸入される空気に含まれる繊維の破断屑を遠心力で半径方向に加速する。半径方向に加速される繊維の破断屑は、円筒の内面に沿って落下して排出部からロータリーフィーダ23を介して外部に排出される。繊維の破断屑の除去された空気は、円筒の中央部に配置する排出ダクトから外部に排気される。サイクロンから排出される空気を、バグフィルター(図示せず)でろ過して、さらに繊維の破断屑を除去して清澄な空気として排出することもできる。
以上の吸引回収機10は分離器21をサイクロンとするが、分離器21には、図示しないがバグフィルターも使用できる。バグフィルターは、繊維の破断屑を通過させない網目の袋で繊維の破断屑を分離して空気のみを排出する。
図の吸引回収機10は、吸入側に開閉弁24を連結している。開閉弁24は、繊維の破断屑が発生するタイミングで開弁されて、破断隙間7の空気を吸引する。繊維の破断屑は、雄型8の突出部3が雌型9の凹部6に挿入されるタイミングで発生する。したがって、開閉弁24の開閉を、雄型8の上下運動に同期して制御することで、繊維の破断屑が発生するタイミングで破断隙間7の空気を吸引できる。この吸引回収機10は連続してファン22を運転しないので、ファン22の消費電力を少なくできる。また、吸引回収機10の吸入側に真空タンク25を連結することで、小容量のファン22でもって、繊維の破断屑が発生するタイミングで多量の空気を吸引して効率よく繊維の破断屑を回収できる。
図5の裁断装置は雄型8に繊維の破断屑を吸入する吸入口11を設けており、図6の裁断装置は、雌型9に吸引口14を設けている。図5の裁断装置は、筒状の突出部3の内側、すなわち裁断刃2の内側に、破断隙間7で破断される繊維4の破断屑を吸収する吸入口11を設けている。吸入口11と吸引口14は吸引回収機10に連結されて、破断隙間7で発生する繊維の破断屑を吸引する。さらに、図5の裁断装置は、雌型9に設けている凹部6の下方開口端を閉鎖構造とする吸引チャンバー12を設けている。吸引チャンバー12は、打ち抜き部1Aを積層して収納できる筒状で、下端の開口部を底板で閉塞している。底板は、プラスチック板1を裁断するタイミング、すなわち繊維の破断屑が発生するタイミングにおいて閉塞され、収納している打ち抜き部1Aを排出するタイミングで開口される。図5に示すように、凹部6の下方開口部を閉塞して、突出部3から空気を吸引する構造は、破断隙間7で発生する繊維の破断屑を外部に漏らすことなく、より効果的に吸引回収機10に回収できる。それは、図5の一部拡大断面図で示すように、裁断刃2の両面に空気を強制送風して、繊維の破断屑を回収するからである。なお、図5の一部拡大図は、金型15がプラスチック板1を裁断する状態をわかりやすくするために実線で示している。ただ、裁断装置は、必ずしも凹部6の下方開口部を閉塞することなく、雄型8の突出部3の内側から空気を吸引して繊維の破断屑を回収することもできる。それは、突出部3の内側に吸入される空気流が破断隙間7で発生する繊維の破断屑を吸入して回収するからである。
図6と図7の裁断装置は、雌型9の凹部6の下方開口端に吸引チャンバー12を連結して、この吸引チャンバー12を吸引回収機10に連結して、破断隙間7で発生する繊維4の破断屑を吸引回収機10に吸引して回収する。さらに、図6の裁断装置は、一部拡大断面図で示すように、破断隙間7に強制送風する空気流で繊維の破断屑を吸入して、繊維の破断屑を外部に漏らすことなく吸引回収機10で確実に回収する。なお、図6の一部拡大図は、金型15がプラスチック板1を裁断する状態をわかりやすくするために実線で示している。
図7の裁断装置は、雌型9の雄型8との対向面に、破断隙間7で発生する繊維の破断屑を吸引する吸引溝13を設けて、この吸引溝13を吸引回収機10に連結して、吸引回収機10で繊維の破断屑を回収している。
1…プラスチック板 1A…打ち抜き部
2…裁断刃
3…突出部 3A…裁断部 3B…補強部
4…繊維
5…引き離し隙間
6…凹部
7…破断隙間
8…雄型 8A…固定プレート
9…雌型
10…吸引回収機
11…吸入口
12…吸引チャンバー
13…吸引溝
14…吸引口
15…金型
16…駆動機構
17…裁断面
18…ガイド機構 18A…ガイドロッド 18B…ガイド筒
19…シリンダ
20…スプリング
21…分離器
22…ファン
23…ロータリーフィーダ
24…開閉弁
25…真空タンク

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂からなるプラスチック板にカーボン繊維、ケブラー繊維(登録商標)、PBO繊維、超強力ポリエチレン繊維、高強力ポリアリレート繊維の何れかからなる高強度繊維を埋設してなる高強度繊維で強化されたプラスチック板の裁断装置であって、
    前記プラスチック板を打ち抜きして裁断する雌型(9)及び雄型(8)からなる金型(15)と、この金型(15)の雄型(8)と雌型(9)とを相対運動させる駆動機構(16)とを備え、
    前記雌型(9)は、雄型(8)との対向面の裁断面に、開口縁を前記プラスチック板(1)を裁断する裁断ラインに沿う形状の裁断刃(2)とする凹部(6)を有し、
    前記雄型(8)は、前記雌型(9)の凹部(6)に挿入される突出部(3)を有すると共に、この突出部(3)は、その先端縁に、刃先角を90度以下としてHRC硬度を64以上とする裁断刃(2)を設けており、
    さらに、前記突出部(3)の裁断刃(2)の外形と前記雌型(9)の凹部(6)の裁断刃(2)の内形との間隔を100μm以下として、前記突出部(3)と凹部(6)との間に繊維の破断隙間(7)を設けており、
    前記突出部(3)が前記凹部(6)に挿入されて、突出部(3)及び凹部(6)の裁断刃(2)でもって前記プラスチック板(1)が裁断されると共に、プラスチック板(1)に埋設してなる繊維(4)を前記突出部(3)と前記凹部(6)との破断隙間(7)で破断するようにしてなる裁断装置であって、
    前記破断隙間(7)に強制送風して、破断隙間(7)で破断される高強度繊維の破断屑を吸収して回収する吸引回収機(10)を備え、
    前記雄型(8)の突出部(3)が前記雌型(9)の凹部(6)に挿入されて、前記プラスチック板(1)が裁断されて発生する繊維の破断屑が、前記破断隙間(7)に強制送風される気体流で吸引されて前記吸引回収機(10)に回収されるようにしてなる裁断装置。
  2. 前記突出部(3)の裁断刃(2)の内側に、前記破断隙間(7)で破断される繊維の破断屑を吸収する吸入口(11)を設けており、この吸入口(11)を前記吸引回収機(10)に連結して、破断隙間(7)で発生する繊維の破断屑を吸引するようにしてなる請求項1に記載される裁断装置。
  3. 前記凹部(6)の下方開口端を閉鎖構造にできる引チャンバー(12)に連結しており、この引チャンバー(12)を前記吸引回収機(10)に連結して、前記破断隙間(7)で発生する繊維の破断屑を吸引するようにしてなる請求項1又は2に記載される裁断装置。
  4. 前記雌型(9)の雄型(8)との対向面に、前記破断隙間(7)で発生する繊維の破断屑を吸引する吸引溝(13)を設けており、この吸引溝(13)が前記吸引回収機(10)に連結されて、吸引回収機(10)が繊維の破断屑を回収するようにしてなる請求項1ないし3のいずれかに記載される裁断装置。
  5. 前記凹部(6)の内面に破断隙間(7)で発生する繊維の破断屑を吸引する吸引口(14)を設けており、この吸引口(14)が前記吸引回収機(10)に連結されて、前記吸引回収機(10)が繊維の破断屑を回収するようにしてなる請求項1ないし4のいずれかに記載される裁断装置。
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