JP6005140B2 - 2型糖尿病患者の治療において使用するための組合せ医薬 - Google Patents

2型糖尿病患者の治療において使用するための組合せ医薬 Download PDF

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Description

本発明の主題は、(a)desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010、リキシセナチド)または/および薬学的に許容されるその塩、ならびに(b)メトホルミンまたは/および薬学的に許容されるその塩を含み、化合物(a)は夕食の前に1日1回投与される、2型糖尿病患者の治療において使用するための組合せ医薬(a pharmaceutical combination)である。さらに別の態様は、2型糖尿病患者を治療するための方法であって、それを必要とする対象(subject)にメトホルミンと組み合わせてdesPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を投与することを含み、化合物(a)は1日1回夕食前に投与される、上記方法である。
健康な人では、膵臓によるインスリン放出は、血中グルコース濃度と厳密に連動している。食後に現れるような血中グルコースレベルの上昇は、インスリン分泌がそれぞれ増加することにより、迅速に打ち消される。空腹条件では、血漿インスリンレベルは、インスリン感受性の器官および組織へのグルコースの連続的供給を確実にし、かつ夜間の肝臓グルコース産生を低レベルで保つのに十分である基底値まで低下する。
1型糖尿病とは対照的に、2型糖尿病では通常インスリンは欠乏していないが、多くの症例、特に進行性の症例では、経口投与される抗糖尿病薬と必要に応じて組み合わせた、インスリンを用いた治療が最も適切な療法とみなされている。
初期症状を伴わない数年間に渡って高い血中グルコースレベルは、重大な健康リスクに相当する。米国での大規模DCCT研究(非特許文献1)によって、血中グルコースレベルが慢性的に高いことが、糖尿病合併症の発症の主な原因であることをはっきりと示すことができた。糖尿病合併症の例は、ことによると網膜症、腎症、または神経障害において顕在化し、失明、腎不全、および四肢の喪失を招き、かつ心血管系疾患のリスク増大を伴う、微小血管障害および大血管障害である。したがって、糖尿病の療法の改善は、血中グルコースを生理学的範囲にできるだけ近い値で維持することを主に目指すべきであると結論を下すことができる。
2型糖尿病に罹患している過体重の患者、例えば肥満度指数(BMI)が30以上の患者には、特別なリスクが存在する。これらの患者では、糖尿病のリスクは、過体重のリスクと重複し、例えば、体重が正常である2型糖尿病患者と比べて心血管疾患の増加を招く。したがって、過体重を低減させつつ、これらの患者の糖尿病を治療することが特に必要である。
メトホルミンは、食事内容の変更に反応を示さないインスリン非依存性真性糖尿病(2型糖尿病)の治療で使用されるビグアナイド血糖降下剤である。メトホルミンは、インスリン感受性を改善し、かつグルコースの腸管吸収を減少させることによって、血糖コントロールを改善する。通常、メトホルミンは、経口投与される。しかし、肥満患者の2型糖尿病をメトホルミンによってコントロールすることは不十分な場合がある。したがって、これらの患者において、2型糖尿病をコントロールするためのさらなる方策が必要とされる場合がある。
化合物desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2(AVE0010、リキシセナチド)は、エキセンジン−4の誘導体である。AVE0010は、特許文献1において配列番号93として開示されている。
配列番号1:AVE0010(44AS)
H−G−E−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−M−E−E−E−A−V−R−L−F−I−E−W−L−K−N−G−G−P−S−S−G−A−P−P−S−K−K−K−K−K−K−NH2
配列番号2:エキセンジン−4(39AS)
H−G−E−G−T−F−T−S−D−L−S−K−Q−M−E−E−E−A−V−R−L−F−I−E−W−L−K−N−G−G−P−S−S−G−A−P−P−P−S−NH2
エキセンジンは、血中グルコース濃度を低下させることができるペプチド群である。エキセンジン類似体AVE0010は、天然エキセンジン−4配列のC末端切断を特徴とする。AVE0010は、エキセンジン−4に存在しない6個のC末端リジン残基を含む。
本発明との関連において、AVE0010は、薬学的に許容されるその塩を含む。当業者なら、AVE0010の薬学的に許容される塩を知っている。本発明において使用されるAVE0010の好ましい薬学的に許容される塩は、酢酸塩である。
WO01/04156
The Diabetes Control and Complications Trial Research Group(1993)N.Engl.J.Med.329、977〜986頁
本発明の実施例において、メトホルミンへの上乗せ(add−on)療法におけるAVE0010(リキシセナチド)は、夕食の1時間前または朝食の1時間前に有効に投与され得ることが実証された。有意な血糖コントロール改善および体重低下が観察された:
・HbA1cが有意に減少した。
・食後のグルコースコントロールおよびグルコース変動幅が改善された。
・HbA1c目標を達成したリキシセナチド患者が有意に多かった。
・リキシセナチドによって、空腹時血漿グルコース(FPG)が有意に改善された。
・有意な体重減少が誘導された。
本発明の第1の態様は、
(a)desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩、ならびに
(b)メトホルミンまたは/および薬学的に許容されるその塩
を含み、化合物(a)は1日1回夕食前に投与される、2型糖尿病患者の治療において使用するための組合せ医薬である。
本発明との関連において、「夕食前の投与」とは、具体的には、夕食の約4時間前、約3時間前、約2時間前、約1時間30分前から約15分前、約30分前、もしくは約40分前までの範囲の、または夕食の約1時間前の投与を意味する。
夕食の約2時間前または約1時間30分前から約30分前までの範囲の投与が好ましい。夕食の約1時間前の投与がより好ましい。
本発明のさらなる態様は、
(a)desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩、ならびに
(b)メトホルミンまたは/および薬学的に許容されるその塩
を含み、
化合物(a)は1日1回朝食前に投与される、
2型糖尿病患者の治療において使用するための組合せ医薬である。
本発明との関連において、「朝食前の投与」とは、具体的には、朝食の約4時間前、約3時間前、約2時間前、約1時間30分前から約15分前、約30分前、もしくは約40分前までの範囲の、または朝食の約1時間前の投与を意味する。
朝食の約2時間前または約1時間30分前から約30分前までの範囲の投与が好ましい。朝食の約1時間前の投与がより好ましい。
本発明において、メトホルミンは、メトホルミンの一般に公知である投与プロトコルに従って投与することができる。例えば、メトホルミンは、1日1回または1日2回、投与することができる。
メトホルミンは、1,1−ジメチルビグアニドの国際的な一般名称である(CAS番号657−24−9)。本発明において、「メトホルミン」という用語は、任意の薬学的に許容されるその塩を含む。
本発明において、メトホルミンは、経口投与してよい。当業者なら、経口投与によって2型糖尿病を治療するのに適したメトホルミンの製剤を知っている。メトホルミンは、治療効果を誘導するのに十分な量で、それを必要とする対象に投与してよい。メトホルミンは、少なくとも1.0g/日または少なくとも1.5g/日の用量で投与してよい。経口投与の場合、メトホルミンは、錠剤または丸剤などの固形剤形に製剤化してよい。メトホルミンは、適切な薬学的に許容される担体、佐薬、または/および補助物質と共に製剤化してよい。
本発明において、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容される塩は、メトホルミン投与への上乗せ療法において投与してよい。
本発明において、「上乗せ」、「上乗せ治療」、および「上乗せ療法」という用語は、メトホルミンおよびAVE0010を用いた2型糖尿病の治療に関する。メトホルミンおよびAVE0010は、24時間の時間間隔内に投与してよい。メトホルミンおよびAVE0010はそれぞれ、1日に1回の投薬量で投与してよい。メトホルミンおよびAVE0010は、異なる投与経路で投与してよい。メトホルミンは経口投与してよく、かつAVE0010は非経口投与してよい。
本発明の医薬品によって治療される2型糖尿病に罹患している対象は、例えば、少なくとも1.0g/日のメトホルミンまたは少なくとも1.5g/日のメトホルミンといった用量を3ヶ月間用いる、メトホルミンのみによる治療では十分にコントロールされない2型糖尿病に罹患している対象であってよい。本発明において、その2型糖尿病が十分にコントロールされない対象のHbA1c値は、7%〜10%の範囲であってよい。
本発明の医薬品によって治療される2型糖尿病に罹患している対象は、肥満の対象であってよい。本発明において、肥満の対象の肥満度指数は、少なくとも30kg/m2であってよい。
本発明の医薬品によって治療される2型糖尿病に罹患している対象は、正常な体重を有し得る。本発明において、正常な体重を有する対象の肥満度指数は、17kg/m2〜25kg/m2、または17kg/m2〜30kg/m2未満の範囲であってよい。
本発明の医薬品によって治療される対象は、成人対象(adult subject)であってよい。対象は、年齢が少なくとも18歳であってよく、または年齢が18〜80歳、18〜50歳、もしくは40〜80歳、もしくは50〜60歳の範囲であってもよい。対象は、50歳より若くてもよい。
本発明の医薬品によって治療される対象は、例えばインスリンまたは/および関連化合物による抗糖尿病治療を受けないことが好ましい。
本発明の医薬品によって治療される対象は、少なくとも1年間または少なくとも2年間、2型糖尿病(diabetes mellitus type 2)に罹患し得る。具体的には、治療される対象において、2型糖尿病は、本発明の医薬品による療法の開始の少なくとも1年前または少なくとも2年前に診断されている。
治療される対象のHbA1c値は、少なくとも約8%または少なくとも約7.5%であってよい。また、対象のHbA1c値は、約7〜約10%であってもよい。本発明の例は、AVE0010による治療により、2型糖尿病患者のHbA1c値が低下することを実証する。
本発明のさらに別の態様では、本明細書において説明する組合せを、血糖コントロールを改善するために使用することができる。本発明において、血糖コントロールの改善とは、具体的には、食後の血漿グルコース濃度の改善、空腹時血漿グルコース濃度の改善、または/およびHbA1c値の改善を意味する。
本発明のさらに別の態様では、本明細書において説明する組合せを、2型糖尿病に罹患している患者のHbA1c値を改善するために使用することができる。HbA1c値の改善とは、例えば、少なくとも1ヶ月間、少なくとも2ヶ月間、または少なくとも3ヶ月間の治療後に、HbA1c値が6.5%未満または7%未満に低下していることを意味する。
本発明のさらに別の態様では、本明細書において説明する組合せを、2型糖尿病に罹患している患者の耐糖能を改善するために使用することができる。耐糖能の改善とは、本発明の活性な作用物質によって食後の血漿グルコース濃度が低下することを意味する。低下とは、具体的には、血漿グルコース濃度が正常血糖値に達するか、またはこれらの値に少なくとも近づくことを意味する。
本発明において、正常血糖値は、具体的には60〜140mg/dl(3.3〜7.8mM/Lに相当する)の血中グルコース濃度である。具体的には、この範囲は、空腹条件下および食後条件下での血中グルコース濃度を指す。
治療される対象の食後2時間血漿グルコース濃度は、少なくとも10mmol/L、少なくとも12mmol/L、または少なくとも14mmol/Lであってよい。これらの血漿グルコース濃度は、正常血糖濃度を超えている。
治療される対象のグルコース変動幅は、少なくとも2mmol/L、少なくとも3mmol/L、少なくとも4mmol/L、または少なくとも5mmol/Lであってよい。本発明において、グルコース変動幅とは、具体的には、食後2時間血漿グルコース濃度と食事試験30分前の血漿グルコース濃度との差である。
「食後」とは、糖尿病学の当業者には周知の用語である。具体的には、「食後」という用語は、食事または/および実験条件下でのグルコースへの曝露の後の時期を説明する。健康な人では、この時期は、血中グルコース濃度の上昇およびその後の低下を特徴とする。典型的には、「食後」または「食後時期」の期間(term)は、食事または/およびグルコースへの曝露から最長で2時間後に終わる。
本明細書において開示する治療される対象の空腹時血漿グルコース濃度は、少なくとも8mmol/L、少なくとも8.5mmol/L、または少なくとも9mmol/Lであってよい。これらの血漿グルコース濃度は、正常血糖濃度を超えている。
本発明の別の態様では、本明細書において説明する組合せを、2型糖尿病に罹患している患者の空腹時血漿グルコースを改善する(すなわち、低下させる)ために使用することができる。低下とは、具体的には、血漿グルコース濃度が正常血糖値に達するか、またはこれらの値に少なくとも近づくことを意味する。
本発明の組合せは、本明細書において説明する医学的適応症の内の1つもしくはそれ以上の治療において、例えば、本明細書において説明するように、2型糖尿病患者の治療において、または血糖コントロールの改善、空腹時血漿グルコース濃度の低下、グルコース変動幅の改善、食後の血漿グルコース濃度の低下、耐糖能の改善、HbA1c値の改善、体重減少、もしくは/および体重増加の防止など、2型糖尿病に関連した状態のために使用することができる。
本発明において、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、治療効果を誘導するのに十分な量で、それを必要とする対象に投与してよい。
本発明において、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、適切な薬学的に許容される担体、佐薬、または/および補助物質と共に製剤化してよい。
化合物desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、非経口的に、例えば注射(筋肉内注射または皮下注射など)によって投与してよい。適切な注射器具、例えば、有効成分を含むカートリッジおよび注射針を含むいわゆる「ペン」が公知である。化合物desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、適切な量で、例えば、10〜15μg/用量または15〜20μg/用量の範囲の量で投与してよい。
本発明において、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、10〜20μgの範囲、10〜15μgの範囲、または15〜20μgの範囲の日用量で投与してよい。desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、1日1回の注射によって投与してよい。
本発明において、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、液体組成物中で提供し得る。当業者なら、非経口投与に適したAVE0010の液体組成物を知っている。本発明の液体組成物は、酸性pHまたは生理的pHを有し得る。酸性pHは、好ましくは、pH1〜6.8、pH3.5〜6.8、またはpH3.5〜5の範囲である。生理的pHは、好ましくは、pH2.5〜8.5、pH4.0〜8.5、またはpH6.0〜8.5の範囲である。pHは、薬学的に許容される希釈された酸(典型的にはHCl)または薬学的に許容される希釈された塩基(典型的にはNaOH)によって調整することができる。
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を含む液体組成物は、適切な保存剤を含んでよい。適切な保存剤は、フェノール、m−クレゾール、ベンジルアルコール、およびp−ヒドロキシ安息香酸エステルから選択され得る。好ましい保存剤はm−クレゾールである。
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を含む液体組成物は、浸透圧調整剤を含んでよい。適切な浸透圧調整剤は、グリセロール、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、グルコース、NaCl、CaCl2などのカルシウムまたはマグネシウムを含有する化合物から選択され得る。グリセロール、ラクトース、ソルビトール、マンニトール、およびグルコースの濃度は、100〜250mMの範囲であってよい。NaClの濃度は、最高150mMであってよい。好ましい浸透圧調整剤は、グリセロールである。
desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を含む液体組成物は、0.5μg/mL〜20μg/mL、好ましくは1μg/ml〜5μg/mlのメチオニンを含んでよい。好ましくは、液体組成物はL−メチオニンを含む。
本発明のさらなる態様は、2型糖尿病患者の体重減少を誘導する際、または/および2型糖尿病患者の体重増加を防止するために使用するための、本明細書において開示する組合せ医薬である。
本発明のさらなる態様は、それを必要とする対象にメトホルミンと組み合わせてdesPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、2型糖尿病患者の体重減少を誘導するため、または/および2型糖尿病患者の体重増加を防止するための方法である。具体的には、本明細書において説明する組合せを投与してよい。本発明の方法において、対象は、本明細書において定義する対象であってよい。
本発明のさらなる態様は、それを必要とする対象にメトホルミンと組み合わせてdesPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を投与することを含み、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、夕食の前に1日1回投与される、2型糖尿病患者を治療するための方法である。具体的には、本明細書において説明する組合せを投与してよい。本発明の方法において、対象は、本明細書において定義する対象であってよい。
本発明のさらなる態様は、それを必要とする対象にメトホルミンと組み合わせてdesPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩を投与することを含み、desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、朝食の前に1日1回投与される、2型糖尿病患者を治療するための方法である。具体的には、本明細書において説明する組合せを投与してよい。本発明の方法において、対象は、本明細書において定義する対象であってよい。
本発明のさらに別の態様は、本明細書において説明するように、医学的適応症の治療用の医薬品を製造するための、本明細書において説明する組合せの使用に関する。例えば、本明細書において説明するように化合物(a)が夕食の前に1日1回投与される本明細書において説明する組合せは、2型糖尿病患者の治療用の医薬品を製造するために使用することができる。別の例では、本明細書において説明するように化合物(a)が朝食の前に1日1回投与される本明細書において説明する組合せは、2型糖尿病患者の治療用の医薬品を製造するために使用することができる。別の例では、本明細書において説明する組合せは、2型糖尿病患者の体重減少を誘導するため、または/および2型糖尿病患者の体重増加を防止するための、医薬品を製造するために使用することができる。また、本発明の組合せは、2型糖尿病患者の治療のための、または血糖コントロールの改善、空腹時血漿グルコース濃度の低下、グルコース変動幅の改善、食後の血漿グルコース濃度の低下、HbA1c値の改善、もしくは/および耐糖能の改善など、2型糖尿病に関連した状態の治療のための、医薬品を製造するために使用することもできる。医薬品は、本明細書において説明するようにして製剤化することができる。例えば、医薬品は、AVE0010または/および薬学的に許容されるその塩の非経口製剤、ならびにメトホルミンまたは/および薬学的に許容されるその塩の経口製剤を含んでよい。
本発明は、以下の実施例および図面によってさらに例示される。
試験デザイン。 予想治験終了日が明らかになった時点で、治験実施施設は被験者と連絡をとり、投与終了時の評価のための治験終了来院(End of Treatment visit)(V70)(治験終了日の±4週間)を予定しなければならない。被験者はこの来院まで治験薬投与を継続する。 **朝注射群の被験者では4週間の追跡期間 ステップダウン検定手順。 あらゆる理由による治験薬投与中止までの時間のKaplan−Meierプロット−無作為化集団。 Week 24までの来院別にみたHbA1c(%)のベースラインからの平均変化量のプロット−mITT解析対象集団。 LOCF=最終観測値代用法。 救済療法導入前でかつ、Visit 12(Week 24)以前、またはVisit 12(Week 24)が行われなかった場合はDay 169以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与の3日後までの測定値をプロットした。 Week 24までの来院別にみた空腹時血糖(mmol/L)のベースラインからの平均変化量のプロット−mITT解析対象集団。 LOCF=最終観測値代用法。 救済療法導入前でかつ、Visit 12(Week 24)以前、またはVisit 12(Week 24)が行われなかった場合はDay 169以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与翌日までの測定値をプロットした。 Week 24までの来院別にみた体重(kg)のベースラインからの平均変化量のプロット−mITT解析対象集団。 LOCF=最終観測値代用法。 救済療法導入前でかつ、Visit 12(Week 24)以前、またはVisit 12(Week 24)が行われなかった場合はDay 169以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与の3日後までの測定値をプロットした。 来院別にみたHbA1c(%)のベースラインからの平均変化量−mITT解析対象集団。 LOCF=最終観測値代入法。 救済療法導入後、および/または治験薬投与中止から4日後以降の測定値は解析から除外した。 Week 24(LOCF)については、Visit 12(Week 24)以前、またはVisit 12(Week 24)が行われなかった場合はDay 169以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与の3日後までの測定値を解析に含めた。 来院別にみた空腹時血糖(mmol/L)のベースラインからの平均変化量のプロット−mITT解析対象集団。 LOCF=最終観測値代入法。 救済療法導入後、および/または治験薬投与中止から2日後以降の測定値は解析から除外した。 Week 24(LOCF)については、Visit 12(Week 24)以前、またはVisit 12(Week 24)が行われなかった場合はDay 169以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与の翌日までの測定値を解析に含めた。 来院別にみた体重(kg)のベースラインからの平均変化量のプロット−mITT解析対象集団。 LOCF=最終観測値代入法。 救済療法導入後、および/または治験薬投与中止から4日後以降の測定値は解析から除外した。 Week 24(LOCF)については、Visit 12(Week 24)以前、またはVisit 12(Week 24)が行われなかった場合はDay 169以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与の3日後までの測定値を解析に含めた。
メトホルミンで十分にコントロールできない2型糖尿病患者において、メトホルミンに加えてリキシセナチドを投与した場合の有効性および安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、4群、不均衡デザイン、並行群間比較、多施設、国際共同試験
要約
メトホルミンで十分にコントロールできない2型糖尿病患者において、メトホルミンに加えてリキシセナチドを投与した場合の有効性および安全性を評価する無作為化、二重盲検、プラセボ対照、4群、不均衡デザイン、並行群間比較、多施設、国際共同試験。被験者ごとの二重盲検試験期間は最短でおよそ79週(最長2週間のスクリーニング期間+1週間の導入期間+24週間の主要二重盲検投与期間+可変延長期間+3日間の追跡期間)である。朝注射群の被験者では4週間の投与後追跡を行った。最後に無作為化された被験者のWeek 76の来院(V25)予定日あたりに、全被験者で延長期間が終了した。
試験は16ヵ国の133の医療機関で実施された。本治験の主要目的は朝食前1時間以内に注射されたリキシセナチドの血糖コントロールに対する有効性を、HbA1c低下(絶対変化量)を指標に24週間にわたってプラセボと比較することである。
合計680名の患者が、4つの投与群のひとつに無作為割り付けされた(リキシセナチド朝注射群および夜注射群に各255例、プラセボの朝注射群および夜注射群に各85例)。無作為化された全被験者が治験薬を投与され、modified intent-to-treat(mITT)集団に含められた。プラセボ朝注射群と夜注射群を合併して解析を行った。人口統計学的特性およびベースライン特性は、プラセボ合併群でヒスパニック系および女性の被験者が少なかったが、すべての投与群で概ね類似していた。全治験薬投与期間中に169例(24.9%)の被験者が早期に治験薬投与を中止し、その割合はプラセボ合併群(24.7%)と比較してリキシセナチド夜注射群(27.5%)で高く、リキシセナチド朝注射群(22.4%)で低かった。リキシセナチドを投与された被験者において、投与中止の主な理由は「有害事象」(夜注射群10.2%、朝注射群8.2%に対してプラセボ合併群3.5%)であり、「その他」(リキシセナチド群はいずれも8.6%に対してプラセボ合併群11.2%)がこれに続いた。
有効性解析は24週間の投与期間を対象としている。HbA1cのベースラインからWeek 24までの変化量の最小二乗(LS)平均は、リキシセナチド朝注射群で-0.87%(プラセボ合併群と比較したLS平均差は-0.48%、P値≦0.0001)、リキシセナチド夜注射群で-0.75%(プラセボ合併群と比較したLS平均差は-0.37%、P値≦0.0001)であったのに対して、プラセボ合併群では-0.38%であった。Week 24にHbA1cが6.5%以下または7%未満を達成した被験者の割合は、2つのリキシセナチド群でプラセボ合併群よりも有意に高かった(HbA1c≦6.5%はリキシセナチド朝注射群で23.8%、リキシセナチド夜注射群で19.2%に対してプラセボ合併群で10.4%;HbA1c<7%はリキシセナチド朝注射群で43%、リキシセナチド夜注射群で40.6%に対してプラセボ合併群で22%)。
リキシセナチド朝注射群の食後2時間の血糖値(PPG、Post-Prandial Glucose)および血糖変動の結果から示されるとおり、リキシセナチドは食後の血糖コントロールも改善した(夜注射群では食事負荷試験を実施しなかった)。リキシセナチド群の2時間PPGはプラセボ群と比較してベースラインからWeek 24まで有意に低下し、LS平均差は-4.51 mmol/L(P値<0.0001)であった。2つのリキシセナチド群は空腹時血糖(FPG、Fasting Plasma Glucose)がベースラインからWeek 24までプラセボ合併群と比較して統計学的に有意な低下を示した(リキシセナチド朝注射群でLS平均差0.94 mmol/L、P値≦0.0001;リキシセナチド夜注射群でLS平均差0.56 mmol/L、P値=0.0046)。体重のLS平均減少量はリキシセナチド朝注射群で2.01 kg、リキシセナチド夜注射群で2.02 kgであったのに対してプラセボ合併群では1.64 kgであり、有意差は認められなかった。体重の解析では統計学的有意差を示すことができなかったため、多重性調整のための検定法により、その後の有効性評価項目の推計検定は探索的であった。2つのリキシセナチド群でHOMA-βを指標とするβ細胞機能の著明な改善が認められた。プラセボ合併群と比較して、リキシセナチド朝注射群のLS平均差は12.12(多重性の調整を行わない場合のP値=0.0002)、リキシセナチド夜注射群では8.96(多重性の調整を行わない場合のP値=0.0071)であった。また、2つのリキシセナチド群では24週間の主要二重盲検投与期間中に救済療法を必要とした被験者の割合がプラセボ合併群(10.6%)と比較して著明に低かった(朝注射群2.7%、夜注射群3.9%)。空腹時血漿インスリン(FPI、Fasting Plasma Insulin)はいずれのリキシセナチド群でもプラセボ合併群と比較して、臨床的に重要な差が認められなかった。
安全性解析は治験薬投与期間全体を対象としている。リキシセナチドの忍容性は良好であった。治験薬投与中に発現した有害事象(TEAE、treatment emergent adverse events)の発現率はリキシセナチド群(朝注射群84.7%、夜注射群83.5%)でプラセボ合併群(75.3%)よりも高かった。リキシセナチド朝注射群の1例で死亡に至る膵癌のTEAEが認められた。リキシセナチド夜注射群の2例は投与終了後の有害事象(血胸、リンパ腫各1例)により死亡した。全体で58例に1件以上の重篤なTEAEが発現し、発現率はリキシセナチド夜注射群(10.2%)、リキシセナチド朝注射群(8.2%)、プラセボ合併群(6.5%)の順に高かった。リキシセナチドを投与された被験者で最も多く報告されたTEAEは悪心(朝注射群64例[25.1%]、夜注射群63例[24.7%]、プラセボ合併群16例[9.4%])であり、続いて頭痛(朝注射群49例[19.2%]、夜注射群42例[16.5%]、プラセボ合併群28例[16.5%])であった。下痢は朝注射群の39例(15.3%)、夜注射群の36例(14.1%)に対してプラセボ合併群の20例(11.8%)で、嘔吐は朝注射群の35例(13.7%)、夜注射群の40例(15.7%)に対してプラセボ合併群の9例(5.3%)で認められた。治験実施計画書に定義された症候性低血糖イベントはリキシセナチド朝注射群の18例(7.1%)、リキシセナチド夜注射群の22例(8.6%)に対して、プラセボ投与群では4例(2.4%)に認められた。症候性低血糖イベントに重度のものはなかった。合計10例でアレルギー反応評価委員会(ARAC)によりアレルギー反応と判定されたTEAEが12件報告された(リキシセナチド朝注射群3例[1.2%]、リキシセナチド夜注射群4例[1.6%]、プラセボ合併群3例[1.8%])。このうち3件(リキシセナチド朝注射群の1例で発現したアナフィラキシー反応および血管浮腫、リキシセナチド夜注射群の1例で発現した蕁麻疹)は治験薬(IP)と関連があるかもしれないと判定された。本治験において急性膵炎の報告はなかった。リキシセナチドの朝注射と夜注射の間で安全性や忍容性に関する臨床的に重要な差は認められなかった。
1 目的
1.1 主要目的
本治験の主要目的はメトホルミンにより十分コントロールできない2型糖尿病患者において、メトホルミンに加えてリキシセナチドを朝食前1時間以内に投与した場合の24週間にわたるHbA1c減少(絶対変化量)を指標とする血糖コントロールに対する有効性をプラセボと比較、検討することである。
1.2 重要な副次目的
本治験の副次目的は、以下のとおりである:
・リキシセナチドを夕食前1時間以内に投与したときのHbA1c減少量を指標とする血糖コントロールに対する効果をプラセボと比較、検討する。
・以下の項目に対するリキシセナチドの影響を評価する:
- HbA1c<7%またはHbA1c≦6.5%を達成した被験者の割合
- 朝注射群における食後2時間の血糖値(PPG)
- 空腹時血糖(FPG)
- 体重
- HOMA-βを指標とするβ細胞機能
- 空腹時血漿インスリン(FPI)
・リキシセナチドの安全性および忍容性を評価する。
2 治験デザイン
本治験は、朝の注射(リキシセナチド投与255例、プラセボ投与85例)および夜の注射(リキシセナチド投与255例、プラセボ投与85例)による無作為化、二重盲検、プラセボ対照、4群、不均衡デザイン(3:1:3:1)、並行群間比較、多施設、国際共同試験である。実薬およびプラセボの投与について二重盲検とした。治験薬の投与液量(実薬および対応するプラセボの用量)および注射時間(朝または夜)は非盲検とした。スクリーニング時のHbA1c(<8%、≧8%)およびボディ・マス・インデックス(BMI)(<30 kg/m2、≧30 kg/m2)により被験者を層別化した。
被験者ごとの二重盲検試験期間は最短でおよそ79週間(最長2週間のスクリーニング期間+1週間の導入期間+24週間の主要二重盲検投与期間+可変の延長期間+3日間の追跡期間)であった。朝注射群の被験者に対してのみ、4週間の追跡を行った。24週間の主要二重盲検期間を終了した被験者は、可変の二重盲検延長期間に移行し、この期間は最後に無作為化された被験者のWeek 76の来院(V25)予定日あたりに全被験者で終了した。
朝注射群の患者においてのみ、標準化食負荷試験を実施した。
3 主要評価項目および重要な副次評価項目
3.1 主要評価項目
主要有効性評価項目はベースラインからWeek 24までのHbA1cの絶対変化量であり、以下のように定義される:
Week 24におけるHbA1c値 − ベースラインにおけるHbA1c
投与を恒久的に中止した被験者、または24週間の主要二重盲検投与期間中に救済療法を受けた被験者、またはWeek 24のHbA1c値が欠測であった被験者は、24週間の主要二重盲検投与期間のベースライン後投与中の最終測定値をWeek 24のHbA1c値として使用する(最終観測値代用法[LOCF、last observation carry forward])。
3.2 副次評価項目
3.2.1 重要な評価項目
副次有効性評価項目の欠測値や早期中止の取扱いは、主要有効性評価項目の場合と同じ手順で行う。
連続変数
・朝注射群のみ、標準化食摂取から2時間後のPPG(mmol/L)のベースラインからWeek 24までの変化量
・FPG(mmol/L)のベースラインからWeek 24までの変化量
・体重(kg)のベースラインからWeek 24までの変化量
・HOMA-βを指標とするβ細胞機能のベースラインからWeek 24までの変化量
・FPI(pmol/L)のベースラインからWeek 24までの変化量
・朝注射群のみ、標準化食摂取後の血糖変動(2時間PPG−治験薬投与前の食事負荷試験30分前の血糖値)のベースラインからWeek 24までの変化量
カテゴリー変数
・Week 24のHbA1cが7%未満の被験者の割合(%)
・Week 24のHbA1cが6.5%以下の被験者の割合(%)
・24週間の主要二重盲検投与期間中に救済療法を必要とした被験者の割合(%)
・ベースラインからWeek 24に体重(kg)が5%以上減少した被験者の割合(%)
3.2.2 安全性評価項目
安全性解析は報告されたTEAEのほか、症候性低血糖、重篤な症候性低血糖、注射部位の局所忍容性、アレルギー性イベント(ARACの判定による)、膵炎の疑い、カルシトニン増加、バイタルサイン、12誘導心電図、臨床検査結果などその他の安全性情報に基づいて行った。
主要心血管イベントも収集し、心血管イベント判定委員会(CAC、Cardiovascular events Adjudication Committee)による判定を受けた。本治験およびその他のリキシセナチド第III相試験でCACにより判定され、確定したイベントは解析用に集積され、リキシセナチドの心血管系の全体評価を行う統計解析計画による別の報告書に要約される。KRM/CSRには本治験で判定され、確定した心血管イベントの要約を記載しない。
4 被験者数の計算にあたっての前提
被験者数および解析力の計算は、主要有効性評価項目であるHbA1cのベースラインからWeek 24までの絶対変化量に基づいて行われた。
合計被験者数680例(リキシセナチド朝注射群、夜注射群にそれぞれ255例、プラセボ朝注射群、夜注射群にそれぞれ85例)では、リキシセナチド群とプラセボ群のHbA1cのベースラインからWeek 24までの絶対変化量の差0.5%(または0.4%)を検出する検出力は97%(または87%)である。この計算は有意水準5%における両側検定の一般的な標準偏差1.3%を前提としている。被験者数の計算は2群間t検定に基づき、nQuery(R) Advisor 5.0を用いて行った。標準偏差は、早期中止例を考慮し、過去に行われた糖尿病試験(類似のデザインで行われた試験の発表済データおよび未発表の内部データに基づく)から保守的な方法で推定した。
5 統計解析法
5.1 解析対象集団
Modified intent-to-treat(mITT)集団は、無作為割り付けされ、二重盲検下で治験薬(IP)投与を1回以上受け、かつ有効性評価項目のベースライン評価およびベースライン後評価結果が1回分以上入手できた全被験者で構成される。
安全性解析対象集団は、無作為化され二重盲検治験薬の投与を1回以上受けた全被験者と定義した。
5.2 主要有効性解析
主要有効性評価項目(HbA1cのベースラインからWeek 24までの変化量)は投与群(リキシセナチドおよびプラセボの朝注射群、リキシセナチドおよびプラセボの夜注射群)、無作為化に用いたスクリーニング時HbA1cの階層(<8.0、≧8.0%)、無作為化に用いたスクリーニング時BMI値の階層(<30、≧30 kg/m2)および国を固定効果、ベースラインのHbA1c値を共変量とする共分散(ANCOVA)モデルを用いて解析した。各リキシセナチド群とプラセボ合併群の群間差、その両側95%信頼区間およびP値をANCOVAの枠組みの中で推定した。ANCOVAモデルではプラセボの朝注射群および夜注射群を別の投与群として含めたが、結果の提示のほか、適切なコントラスト(例、リキシセナチド朝注射群をプラセボ合併群と比較する場合、プラセボ朝注射、プラセボ夜注射、リキシセナチド朝注射、リキシセナチド夜注射の順に[0.5、-0.5、1、0]とする)を用いた比較では1群にまとめた。
第I種過誤を確実にコントロールするため、逐次検定法を適用した。はじめに、リキシセナチド朝注射群をプラセボ合併群と比較した(主要目的)。この検定が統計学的に有意である場合、リキシセナチド夜注射群をプラセボ合併群と比較する(副次目的)。
主要有効性評価項目の主要解析は、mITT集団を対象として、24週間の主要二重盲検投与期間中に得られた有効性評価項目の測定値について実施した。標準食負荷試験を除く有効性評価項目に関する24週間の主要二重盲検投与期間は、二重盲検治験薬の初回投与から、Visit 12/Week 24 の来院(またはVisit 12/Week 24の来院が行われなかった場合はDay 169)以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与の3日後(ただし、集中検査室によるFPG、FPI、HOMA-βは1日後とする)、または救済療法の導入のうちの早い時点までの期間と定義した。PPGや血糖変動など食事負荷試験の有効性評価項目に関する24週間の主要二重盲検投与期間は、二重盲検治験薬の初回投与から、Visit 12/Week 24の来院(Visit 12/Week 24の来院が行われなかった場合はDay 169)以前に行われた二重盲検治験薬の最終投与日、または救済療法の導入のうちの早い時点までの期間と定義した。LOCF法を用いて、ベースライン後投与中の最後(救済療法を行った場合は新しい薬剤の投与開始前)のHbA1c測定値をWeek 24のHbA1c値とする。
5.3 副次有効性解析
主要有効性評価項目が2つの比較においてα=0.05で統計学的に有意であった場合、朝注射群における標準食負荷試験の2時間後PPG(mmol/L)のベースラインからWeek 24までの変化量の検定を行い、続いて残りの副次有効性評価項目について、次の優先順位で2群間の検定を行う:朝注射群 vs プラセボ合併群、夜注射群 vs プラセボ合併群。評価項目のいずれかがα=0.05で統計学的に有意でないとされた時点で検定を終了する(Fehler:参考文献なし)。
3.2.1項に記載するWeek 24における副次有効性評価項目のうち連続変数はすべて、5.2項に記載する主要有効性評価項目の主要解析と同じ方法でANCOVAモデルを用いて解析した。リキシセナチドとプラセボの治療群間の平均差の調整後推定値および両側95%信頼区間を記載する。
Week 24の副次有効性評価項目のうち以下のカテゴリー変数は、無作為化に用いた階層(スクリーニング時のHbA1c[<8.0、≧8.0%]およびスクリーニング時のBMI[<30、≧30 kg/m2])で層別化したCochran-Mantel-Haenszel(CMH)法を用いて解析した。
・Week 24のHbA1cが7.0%未満の被験者の割合(%)
・Week 24のHbA1cが6.5%以下の被験者の割合(%)
・24週間の主要二重盲検投与期間中に救済療法を必要とした被験者の割合(%)
Week 24に体重がベースラインから5%以上減少した被験者数および割合(%)を投与群別に示した。
投与終了時の副次評価項目はすべて記述統計量のみで評価した(CSRには平均値、標準偏差、中央値および範囲を記載)。
5.4 安全性解析
安全性解析は主として治験全体の投与期間について実施した。治験全体の投与期間は、二重盲検治験薬の初回投与から、救済療法の有無に関係なく全治験期間中に行った治験薬の最終投与の3日後までの期間と定義した。治験薬の半減期に基づいて3日の期間を選択した(半減期の約5倍)。
また、24週間の二重盲検投与期間の安全性解析結果をCSRに要約する。
安全性に関する結果の要約(記述統計量または発現頻度の一覧表)を投与群別に示す。
6 結果
6.1 被験者
6.1.1 被験者の管理情報
本治験は16ヵ国(オーストラリア、カナダ、チリ、チェコ共和国、ドイツ、クロアチア、メキシコ、モロッコ、フィリピン、ルーマニア、ロシア連邦、南アフリカ、スペイン、ウクライナ、米国、ベネズエラ)の医療機関133施設で実施された。合計1374名の患者がスクリーニングを受け、680名が4つの投与群のひとつに無作為割り付けされた。無作為化が行われなかった理由として最も多かったのは、スクリーニング来院時のHbA1c値が治験実施計画書の規定範囲外(スクリーニングを受けた患者1374名中483名[35.2%])であったことである。
無作為割り付けされた680例全例が治験薬を投与され、mITT解析対象集団に含められた。表1に各解析対象集団に含められた被験者数を示す。
Figure 0006005140
6.1.2 被験者の内訳
表2に各投与群の被験者の内訳を要約する。全投与期間中、169例(24.9%)の被験者が治験薬投与を早期に中止し、その割合はリキシセナチド夜注射群(27.5%)でプラセボ合併群(24.7%)よりも高く、リキシセナチド朝注射群(22.4%)ではプラセボ合併群よりも低かった。リキシセナチドを投与された被験者において、投与中止の主な理由は「有害事象」(夜注射群10.2%、朝注射群8.2% vs プラセボ合併群3.5%)であり、続いて「その他」(各リキシセナチド群8.6% vs プラセボ合併群11.2%)であった。24週間の主要投与期間中についても同様の結果が得られ、合計65例(9.6%)が早期に治験薬投与を中止し(リキシセナチド夜注射群12.2%、リキシセナチド朝注射群8.6% vs プラセボ合併群7.1%)、リキシセナチド群での主な中止理由はやはり「有害事象」(夜注射群5.1%、朝注射群4.7% vs プラセボ合併群1.2%)であった。全投与期間について、理由の如何に関わらず投与中止までの期間を図3に示す。投与期間全体で、リキシセナチド夜注射群の中止率がリキシセナチド朝注射群やプラセボ合併群よりも高く、リキシセナチド朝注射群とプラセボ合併群は同程度であった。
リキシセナチド夜注射群の2例は、投与後の期間中に発現した有害事象が原因で投与中止に至ったため、表22にはカウントしなかった。
Figure 0006005140
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6.1.3 人口統計学およびベースライン特性
被験者の人口統計学およびベースライン特性は、安全性解析対象集団では全投与群で概ね類似していた(表3)が、プラセボ合併群ではヒスパニック系および女性の被験者が少
なかった。年齢の中央値は55歳であり、女性の割合が56.9%であった。本治験の対象集団は主として白人(88.8%)であった。被験者の大多数(65.1%)が肥満であった。
糖尿病の既往歴などの疾患に関する特性は、全投与群で概ね同等であった(表4)。全投与群における糖尿病罹病期間の中央値は4.74年、糖尿病発症時の年齢の中央値は48歳であった。メトホルミン投与期間は平均して3.61年、メトホルミンの1日用量の中央値は2000 mgであった。
安全性解析対象集団において、ベースラインのHbA1c、2時間PPG、FPG、体重、HOMA-βは全投与群で概ね同等であった(表5)。ベースラインの平均HbA1cは8.06%であった。
Figure 0006005140
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投与量および投与期間
平均投与期間は全投与群で類似していた:プラセボ合併群549.9日(78.6週間)、リキシセナチド朝注射群で543.9日(77.7週間)、リキシセナチド夜注射群で515.6日(73.7週間)であった(表6)。リキシセナチドを投与された510例のうち、450例(朝注射群の90.2%および夜注射群の86.3%)が24週間(169日)以上、310例(朝注射群の62.4%および夜注射群の59.2%)が18ヵ月(547日)以上、治験薬を投与された。5例はCRFの「投与終了」のページに最終投与日の記録がなかったため、投与期間はSAPデータ取扱い規約に従って欠測とされた。
二重盲検投与の終了時、目標1日用量である20 μgに達した被験者の割合はリキシセナチド群(朝注射群91.4%、夜注射群91.8%)でプラセボ合併群(97.6%)よりも低かった(表7)。24週間の二重盲検投与期間終了時にも同様の結果が得られ、各リキシセナチド群で92.2%であったのに対してプラセボ合併群で97.1%であった(表8)。用量設定終了時の用量を表30に示す。
Figure 0006005140
Figure 0006005140
Figure 0006005140
Figure 0006005140
6.2 有効性
6.2.1 主要有効性評価項目
主要解析
ANCOVA解析による主要有効性評価項目であるHbA1cのベースラインからWeek 24(LOCF)
までの変化量の解析結果を表9に要約する。
規定の主要解析によると、2つのリキシセナチド群ではプラセボ合併群と比較して、HbA1cがベースラインからWeek 24に統計学的有意に低下することが示された(リキシセナチド朝注射群のLS平均差-0.48%、p値≦0.0001;リキシセナチド夜注射群のLS平均差-0.37%、p値≦0.0001)。
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図4に、24週間の主要二重盲検投与期間中のHbA1cのベースラインからの平均(±SE)変
化量を経時的に示す。付録の図7にWeek 76までのHbA1cのベースラインからの平均(±SE)変化量を経時的に示す。HbA1cの低下はWeek 24以降も持続した。
副次解析
Week 24における治療反応がHbA1c≦6.5%または<7%であった被験者の割合を表10に要約する。2つのリキシセナチド群の治療反応は同程度であった。CMH法によるHbA1c奏功者の解析から、各リキシセナチド群とプラセボ合併群の間で統計学的に有意な投与群間差が示された(Week 24におけるHbA1c≦6.5%についてはリキシセナチド朝注射群でp値=0.0003、リキシセナチド夜注射群でp値=0.0120;Week 24におけるHbA1c<7%についてはリキシセナチドの両群でp値≦0.0001)。
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6.2.2 重要な副次有効性評価項目
本項には2時間PPG、FPG、体重、HOMA-β、FPIおよび血糖変動のANCOVA分析結果を記載する。図5および図6に24週間の主要二重盲検投与期間中のFPGおよび体重のベースラインからの平均(±SE)変化量を経時的に示す。Week 76までのFPGおよび体重のベースラインからの平均(±SE)変化量をそれぞれ付録の図8および図9に経時的に示す。24週間の主要二重盲検投与期間中に救済療法を受けた被験者の割合(%)を表16に示す。
リキシセナチド朝注射群において、2時間PPGがプラセボ朝注射群と比較して統計学的に有意な改善を示し、LS平均差は-4.51 mmol/L(p値<0.0001)であった(表11)。リキシセナチド投与ではベースラインからWeek 24までの標準食負荷後の血糖変動がプラセボ合併群と比較して著明に減少した(LS平均差=-3.88 mmol/L、95%CI[-4.818〜-2.939])(表18)。
FPGは2つのリキシセナチド群でベースラインからWeek 24にかけて、プラセボ合併群と比較して統計学的に有意に低下した(リキシセナチド朝注射群、LS平均差=0.94 mmol/L、p値≦0.0001;リキシセナチド夜注射群、LS平均差=0.56 mmol/L、p値=0.0046)(表12)。
体重減少量のLS平均はリキシセナチド朝注射群で2.01 kg、リキシセナチド夜注射群で2.02 kgであったのに対して、プラセボ合併群では1.64 kgであり、有意差は認められなかった(表13)。ベースラインからWeek 24に体重が5%以上減少した被験者の割合(%)は、2つのリキシセナチド群(朝注射群14.9%、夜注射群19.3%)でプラセボ合併群(11.3%)よりも高かった(表14)。
体重の解析で統計学的有意差が示されなかったことから、多重性調節のための検定法に従うと、その後の有効性評価項目の推論検定は探索的である(図2)。
HOMA-βを指標とするβ細胞機能の著明な改善が2つのリキシセナチド群で認められた。プラセボ合併群と比較したリキシセナチド朝注射群のLS平均差は12.12(多重性の調整をしない場合のp値=0.0002)、夜注射群で8.96(多重性の調整をしない場合のp値=0.0071)であった(表15)。
2つのリキシセナチド群では、24週間の主要二重盲検投与期間中に救済療法を必要とした被験者の割合(朝注射群2.7%、夜注射群3.9%)がプラセボ合併群(10.6%)と比較して著明に低かった(表16)。
各リキシセナチド群とプラセボ合併群の間でFPIの臨床的に重要な差は認められなかった(表17)。
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安全性
治験全体の治験薬投与期間中に観察された有害事象の概要を表19に示す。TEAEが発現した被験者の割合はリキシセナチドを投与された被験者(朝注射群84.7%、夜注射群83.5%)で、プラセボ合併群(75.3%)よりも高かった。リキシセナチド夜注射群の1例で、死亡に至る膵癌のTEAEが発現した。リキシセナチド夜注射群の2例は投与終了後の有害事象(それぞれ血胸、リンパ腫)により死亡した。重篤なTEAEの発現率はリキシセナチド夜注射群(10.2%)で最も高く、続いてリキシセナチド朝注射群(8.2%)、プラセボ合併群(6.5%)の順であった。治験薬の投与中止に至ったTEAEについても同様のパターンが認められ、リキシセナチド夜注射群で9.4%、リキシセナチド朝注射群で8.2%、プラセボ合併群で3.5%であった。死亡に至ったTEAE、重篤なTEAEおよび治験薬の投与中止に至ったTEAEをそれぞれ表20、表21および表22に、プライマリーSOC、HLGT、HLT、PT別に要約する。最も多く発現した、投与中止に至ったTEAEは、2つのリキシセナチド群ともに悪心であったが(朝注射群6例[2.4%]、夜注射群7例[2.7%])、プラセボ合併群では悪心による投与中止例はなかった。
治験全体の治験薬投与期間中に、プラセボ合併群またはいずれかのリキシセナチド群の1%以上に発現したTEAEの発現率を付録の表32に示す。2つのリキシセナチド群で最も高頻度に報告されたTEAEは悪心であった(朝注射群64例[25.1%]、夜注射群63例[24.7%])。プラセボを投与された被験者では16例(9.4%)で悪心が報告された。リキシセナチドを投与された被験者で2番目に多く報告されたTEAEは頭痛(朝注射群49例[19.2%]、夜注射群42例[16.5%])であり、続いて下痢(朝注射群39例[15.3%]、夜注射群36例[14.1%])、嘔吐(朝注射群35例[13.7%]、夜注射群40例[15.7%])であった。プラセボ合併群では頭痛が28例[16.5%]、下痢が20例[11.8%]、嘔吐が9例[5.3%]で報告された。
・症例番号276407001(リキシセナチド朝注射群)は73歳の男性で、左頭蓋内動脈瘤、良性前立 腺肥大症、心房細動および痔の既往歴を有し、2010年1月15日(治験薬初回投与の32週間後)に黄疸を発現した。本患者は体調が悪く、家庭の問題があるため、治験参加の中止を検討するに至った。2010年2月12日、黄疸および腫瘍マーカーの高値が認められ、膵癌が疑われたため、入院した。矯正療法は行われず、2010年2月12日に治験薬投与を恒久的に中止した。CT検査で膵癌の強い疑いが確定した。2010年2月24日、膵頭部の悪性腫瘍の手術が行われた。2010年4月12日に外来で化学療法が開始された。2010年5月23日、本患者は錠剤による自殺を図った。化学療法(2010年7月まで10サイクルを実施)は奏功せず、中止された。2010年10月上旬、腸閉塞を起こし、手術が行われた。ホスピスへの転院後、2010年11月21日に悪性腫瘍が原因で死亡した。臨床的に予想された死亡であったため、蘇生の試みや剖検は行われなかった。治験担当医師により、因果関係の評価は「関連なし」とされた。治験依頼者による因果関係の評価では「除外」とされた。
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治験全体の治験薬投与期間中に、リキシセナチド朝注射群の18例(7.1%)、リキシセナチド夜注射群22例(8.6%)で治験実施計画書の定義に該当する症候性低血糖イベント
が1件以上報告されたのに対して、プラセボ合併群では4例(2.4%)で報告された(表23)。症候性低血糖イベントのうち重度のものはなかった。このほかに12例(リキシセナチド朝注射群5例、リキシセナチド夜注射群6例、プラセボ合併群1例)で低血糖が報告された(表32)が、これらのイベントは治験実施計画書に記載された定義を満たさなかった(10例でこのときの血糖値≧60 mg/dL、1例ではカウンターの測定値が得られず血糖値データがなく、1例は症状のみが記録されていた)。
各リキシセナチド群のそれぞれ17例(6.7%)およびプラセボ合併群の6例(3.5%)で注射部位反応の有害事象が発現した(表24)。治験担当医師が記録した用語からコード化された基本語、またはアレルギー反応判定後にARACの診断名に付与された基本語のいずれかを対象に「注射部位」の用語を検索し、注射部位反応の有害事象を特定した。これらの反応に、重篤または重度のものはなかった。リキシセナチド夜注射群で発現した1件のみ(「アレルギー性発疹」と報告され、治験担当医師が記録した用語から「アレルギー性皮膚炎」の基本語を付与された)が、治験薬の投与中止に至った。本事象はARACに送られたが、アレルギー反応と判定されず、ARACの診断から付与された用語は注射部位の局所反応であった。
治験全体の治験薬投与期間中に、被験者36例で合計41件のイベントが治験担当医師によりアレルギー性イベントの可能性があると報告され、判定のためARACに送られた。このうち、10例で報告された12件(リキシセナチド朝注射群の3例[1.2%]、リキシセナチド夜注射群の4例[1.6%]、プラセボ合併群の3例[1.8%])がARACによりアレルギー反応と判定され、このうち2例で報告された3件(リキシセナチド朝注射群の1例で発現したアナフィラキシー反応および血管浮腫、リキシセナチド夜注射群の1例で発現した蕁麻疹)は治験薬と関連があるかもしれないと判定された(表25)。
・被験者番号124411018(リキシセナチド朝注射群)は53歳の男性で、薬物過敏症、脂質異常症、高血圧、肥満、胃食道逆流性疾患、良性前立腺肥大症、背部痛および鼻形成術の既往歴があり、Day 13に皮膚反応を発現した。本事象は「斑状丘疹性皮疹」および「血管浮腫」として報告され、それぞれ基本語「斑状丘疹状皮疹」および「血管浮腫」を付与された。いずれの事象も翌日には重篤になり、治験薬投与を恒久的に中止した。抗ヒスタミン薬およびステロイド剤による矯正療法が行われ、当該事象はそれぞれ発症から8日後および5日後に消失した。ARACによりそれぞれアナフィラキシー反応および血管浮腫と判定され、いずれも治験薬と関連があるかもしれないとされた。
・被験者番号484401005(リキシセナチド夜注射群)は63歳の女性で、子宮摘出、虫垂切除、骨粗鬆症、高トリグリセリド血症、および帝王切開の既往歴があった。治験薬投与開始から約6ヵ月後の2009年6月27日、治験薬とたぶん関連がある発疹(蕁麻疹)を伴う中等度の全身性掻痒を発現した。院内で投与された抗ヒスタミン薬(クロロピラミン筋肉内および経口投与、クロルフェナミン経口投与)が奏功した。治験薬投与は2009年6月26日に中止された。この非重篤なアレルギー性事象は6週間以内に消失した。本事象はARACにより治験薬と関連があるかもしれない蕁麻疹と判定された。
治験実施計画書に従い、再測定により確認されたアミラーゼおよび/またはリパーゼの正常範囲上限(ULN)の2倍超の増加はすべてモニターし、規定の有害事象(AE)フォームに「膵炎の疑い」として記録することになっている。治験全体の治験薬投与期間中にリキシセナチド朝注射群の3例(1.2%)、リキシセナチド夜注射群の9例(3.5%)およびプラセボ合併群の1例(0.6%)で、15件のTEAEが規定のAEフォームを用いて報告された(表26)。このうち、リキシセナチド夜注射群の1例で膵炎の疑いが報告された。
・被験者番号152402015(リキシセナチド夜注射群)は55歳の男性で、脂質異常症および高血圧の既往歴があった。治験薬の初回投与後のDay 170(2009年12月29日)にアミラーゼ(149 U/L)およびリパーゼ(411 U/L)の増加を伴う「膵炎の疑い」を発症した。アミラーゼがULNの2倍超に増加した唯一の測定値(2009年12月29日にULNの2.2倍)は再検査による確認が行われなかった。その後、アミラーゼはULNの1.2倍から1.5倍の間を変動した。リパーゼの増加は2回認められたが(2009年12月29日にULNの6.5倍、2010年2月25日にULNの4.2倍)、いずれも再検査による確認が行われなかった。その他のリパーゼ測定値はいずれもULNの0.4倍から1.2倍の間であった。この被験者では膵炎の疑いが報告される前に心窩部痛が認められたが、矯正療法をせずに回復し、治験薬投与は継続された。本事象には基本語「膵炎」が付与され、治験担当医師の評価で治験薬と関連があるとされ、治験薬投与の恒久的中止に至った。入手できた情報によると、膵炎の診断確定のために追加検査は行われなかった。本被験者は特発性多血症も発現した。本事象は矯正療法を行わずに、約2ヵ月半後に消失した。
治験薬投与中に1回以上、リパーゼまたはアミラーゼがULNの3倍以上に増加した被験者を表27に要約する。合計15例でリパーゼ増加(≧3ULN)が認められ、内訳はリキシセナチド朝注射群2例(0.8%)、リキシセナチド夜注射群9例(3.5%)、プラセボ合併群4例(2.4%)であった。アミラーゼ増加(≧3ULN)はリキシセナチド夜注射群の4例(1.6%)およびプラセボ合併群の1例(0.6%)で認められたのに対して、リキシセナチド朝注射群では見られなかった。治験全体の期間中にリパーゼおよびアミラーゼがともにULNの3倍以上に増加した被験者はなかった。
治験実施計画書に従い、再測定により確認されたカルシトニン値≧20 pg/mLはモニターし、規定のAEフォームに「カルシトニン増加≧20 pg/mL」として報告することになっている。治験全体の治験薬投与期間中に、リキシセナチド朝注射群の5例(2%)、リキシセナチド夜注射群の4例(1.6%)およびプラセボ合併群の3例(1.8%)で、規定のAEフォームによりTEAEが報告された(表28)。リキシセナチドを投与され血中カルシトニン増加を示した8例のうち、夜注射群の1例はカルシトニン値が50 ng/L以上、朝注射群および夜注射群のそれぞれ3例はカルシトニン値が20 ng/L以上50 ng/L未満、朝注射群の1例は20 ng/L未満であった。プラセボ合併群では1例でカルシトニン値が20 ng/L未満、2例で20 ng/L以上50 ng/L未満であった。さらに、リキシセナチド夜注射群の1例は甲状腺左葉の腫瘤と診断され、基本語「甲状腺新生物」を付与された。本被験者のカルシトニン濃度は20 ng/L未満と報告されたため、本事象は治験担当医師により治験薬と関連なしと判断された。
・被験者番号203402006(リキシセナチド夜注射群)は64歳の女性で、高頻度の気管支炎、肥満、高血圧、脂質異常症、心房細動および凝固亢進の既往歴があった。治験薬の初回投与後のVisit 3(無作為化時)でカルシトニン値の上昇(108 ng/L、ULNの21.7倍)が認められ、これにより約4ヵ月後に治験薬投与の中止に至った。本被験者のカルシトニン値は治験薬の投与中止後も100 ng/L超を維持した。定期的に甲状腺専門医の追跡調査を受け、特定の診断検査をいくつか行った(超音波検査:甲状腺癌のない、甲状腺機能低下を伴う慢性リンパ球性甲状腺炎)。
リキシセナチド合併群の計4例(0.6%)で治験中に甲状腺新生物のTEAEが報告されたのに対して、プラセボ合併群では報告されなかった。
・被験者番号804403024(リキシセナチド朝注射群)は54歳の女性で、高血圧および虫垂切除の既往歴を有した。無作為化からおよそ13ヵ月後の2010年9月10日に脂肪肝を発現し、2010年10月19日から同年11月8日まで急性心筋梗塞により入院した。2010年9月16日、甲状腺超音波スキャンにおいて甲状腺左葉に腫瘤(24×18 mm)が発見された。本事象は治験薬との関連はなく、投与を続けた。治験中を通じてカルシトニンがわずかに増加していたが、ULNの2倍(9.9 ng/L)を超えることはなかった。この有害事象は重篤でなく、基本語「甲状腺新生物」を付与され重症度は中等度とされた。矯正療法は行われず、本事象からは回復しなかった。
・被験者番号036412010(リキシセナチド朝注射群)が65歳の男性で、高血圧、睡眠時無呼吸症候群、喘息、前立腺癌、尿路感染、両側膝関節形成、および非悪性色素性母斑切除の既往歴を有した。2009年7月27日に治験薬投与を開始し、2010年4月15日に軽度の右甲状腺新生物を発症した。軽度の持続性カルシトニン濃度上昇がみられたため、詳細に検査を行った。超音波スキャン下穿刺吸引(FNA、fine needle aspiration)において複数の異種性甲状腺結節が両葉に認められたが、良性の変化のみを示し悪性ではなかった。約7ヵ月後の2010年11月26日、FNA再検査において新生物が疑われ、Hurthle細胞型または髄質細胞型のいずれかと考えられたが、細胞学的特徴から前者の可能性が高かった。2010年12月23日、本症例の状態が悪化し「医学的に重要」と判断され、2010年12月29日に治験薬投与を中止した。規制上の目的で、医薬品安全性監視システムにより投与群コードが開鍵された結果、本症例はリキシセナチドを投与されていた。治験担当医師によると、治験参加前、本被験者に多結節性甲状腺の既往歴はなく、甲状腺疾患の家族歴もなかった。治験登録時にカルシトニンの測定は行われていない。カルシトニン値はV3(治験薬投与前)においてULNの1.3倍で、治験中を通じて最小かつ一貫しない上昇傾向が認められた(範囲:ULNの1.5〜1.7倍)。2011年1月11日、外科チームが右甲状腺摘出を検討するため検査を行った。2011年2月15日、大きな甲状腺腫のため入院し、右の甲状腺半側摘出を行った。組織学的検査では膨大細胞(Hurthle細胞)腺腫が認められ、細胞コロイド結節は良性であった。本症例は2011年2月15日に右甲状腺結節新生物から回復した。治験薬の使用との時期的関連および甲状腺新生物の診断から、因果関係は除外できない。
・被験者番号124413013(リキシセナチド朝注射群)は62歳の男性で、虫垂切除、勃起不全、上顆炎、および高血圧の既往歴を有した。本治験への無作為化から1年後に甲状腺結節と診断され、基本語「甲状腺新生物」を付与された。本事象は軽度の非重篤な有害事象であり、治験担当医師により治験薬と関連ありとされた。しかし、治験薬投与は治験実施計画書どおりに続けられた。治験中を通じてカルシトニン値は正常であった。甲状腺機能低下または亢進の徴候はなく、甲状腺専門医であるPIが本被験者の追跡調査を行った。医療記録に被験者本人または家族の甲状腺疾患既往歴の記録はなかった。この甲状腺結節は矯正療法を行わずに、2ヵ月以内に消失した。
・被験者番号152404019(リキシセナチド朝注射群)は58歳の女性で、鼡径ヘルニア、消化不良、静脈瘤、子宮平滑筋腫、子宮摘出、胆嚢切除、骨粗鬆症、帝王切開、高血圧および脂質異常症の既往歴を有した。本治験への無作為割り付けから17ヵ月後に充実性甲状腺結節と診断され、基本語「甲状腺新生物」が付与された。本事象は軽度で非重篤な有害事象であり、治験担当医師により治験薬と関連なしとされた。治験薬投与は治験実施計画書どおりに続けられた。治験中を通じてカルシトニン値は正常であった。甲状腺機能低下または亢進の徴候はなく、特定の甲状腺検査は実施されていない。医療記録に被験者本人または家族の甲状腺疾患既往歴の記録はなかった。甲状腺結節は矯正療法を行わずに回復中である。散発的な低ナトリウム血症(113 mmol/L)が一度観察されたが(V25、2010年12月3日)、再検査による確認は行われず、ナトリウム血症は1週間以内に正常に復した。その理由は説明されていない。
本治験において治験薬投与中止後に、規定のAEフォームを用いた「カルシトニンの20 pg/mL以上の増加」の有害事象の報告はなかった。
治験全体の治験薬投与期間中に1回以上の血清カルシトニン測定値が得られた被験者を、ベースラインのカルシトニン濃度による規定の4分類別に、表29に要約する。合計17例がカルシトニン濃度≧20 ng/Lを示した。内訳はリキシセナチド朝注射群4例(1.7%)、リキシセナチド夜注射群8例(3.5%)、プラセボ合併群5例(3.1%)であった。このうち10例が規定のAEフォームを用いてTEAEとして報告された(リキシセナチド朝注射群3例、リキシセナチド夜注射群4例、プラセボ合併群3例)(表28)。リキシセナチドを投与された12例中5例、およびプラセボを投与された5例中3例は、カルシトニン値≧20 ng/Lであったが未確定であったため規定のAEフォームを用いてTEAEとして報告されなかった。リキシセナチドを投与された被験者で、朝注射群と夜注射群のそれぞれ1例が1回50 ng/L以上の値を示し、リキシセナチド夜注射群の3例が20 ng/L以上50 ng/L未満の値を1回ずつ示した。プラセボ合併群では、2例が20 ng/L以上50 ng/L未満の値を1回ずつ示し、もう一人の被験者は20 ng/L以上50 ng/L未満の値を2回示したがいずれも再検査では20 ng/L未満であった。カルシトニンの測定は治験実施計画書の改訂で組み入れられ、それは大多数の被験者がすでに無作為化された後だった点に注目する必要がある。このため、大多数の被験者でベースラインのカルシトニン値が得られていない。
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7 付録
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Claims (11)

  1. (a)desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩、ならびに
    (b)メトホルミンまたは/および薬学的に許容されるその塩
    を含み、
    化合物(a)は1日1回朝食の4時間前〜15分前の範囲内に投与され、治療される患者の食後2時間血漿グルコース濃度は少なくとも14mmol/Lであり、治療される対象の、食後2時間血漿グルコース濃度と食事試験30分前の血漿グルコース濃度との差であるグルコース変動幅は、少なくとも5mmol/Lである
    メトホルミンのみによる治療では十分にコントロールされない2型糖尿病患者の治療において使用するための組合せ医薬。
  2. 治療される対象は肥満である、請求項1に記載の組合せ医薬。
  3. 治療される対象の肥満度指数は、少なくとも30kg/m2である、請求項1または2
    に記載の組合せ医薬。
  4. 治療される対象は成人対象である、請求項1〜3のいずれかに記載の組合せ医薬。
  5. メトホルミンのみによる治療では2型糖尿病は十分にコントロールされない、請求項1〜4のいずれかに記載の組合せ医薬。
  6. 治療される対象が、療法の開始の少なくとも1年前または少なくとも2年前に2型糖尿病と診断された、請求項1〜5のいずれかに記載の組合せ医薬。
  7. 治療される対象のHbA1c値は約7%〜約10%である、請求項1〜6のいずれかに記載の組合せ医薬。
  8. 治療される対象の空腹時血漿グルコース濃度は少なくとも8mmol/Lである、請求項1〜7のいずれかに記載の組合せ医薬。
  9. desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は非経口投与用に調製される、請求項1〜のいずれかに記載の組合せ医薬。
  10. desPro36エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2または/および薬学的に許容されるその塩は、10μg〜20μgの範囲から選択される日用量での投与用に調製される、請求項1〜のいずれかに記載の組合せ医薬。
  11. メトホルミンまたは/および薬学的に許容されるその塩は経口投与用に調製される、請求項1〜10のいずれかに記載の組合せ医薬。
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