JP6004871B2 - 水処理装置、移動床式濾過槽、及び浄化槽 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、充填材のブリッジ形成による揚水路の閉塞が発生し難い水処理装置、移動床式濾過槽、及び浄化槽を提供することにある。
本構成のごとく、充填材流入口の外周形状を構成する水路壁の下端が槽底部との間の距離が変化する形状を有し、最大距離Tmaxと最小距離Tminが、0≦Tmin/Tmax<1.0の関係を有するように構成すれば、槽底部に滞留している充填材の密集が崩れ、充填材が充填材流入口へ誘導され易くなる。その結果、充填材によるブリッジ形成が発生し難くなり、揚水路の閉塞を防止することができる。
本構成によれば、水路壁の充填材流入口の開口面が大きくなり、揚水路内への充填材の誘導が容易になり、充填材流入口での充填材によるブリッジ形成が抑制される。
本構成によれば、庇により、充填材流入口下方の槽底部に流れる充填材の数を制限し、それにより、充填材の過度の滞留が無くなることで、揚水路における充填材による目詰まりを防止することができる。
本構成によれば、庇の下端における最小距離Sminに係る部位と、水路壁の下端における最大距離Tmaxに係る部位との間に空間を設けることによって、庇の下端から槽底部に移動してくる充填材の数をさらに制限することができる。それにより、充填材の過度の滞留がより一層生じ難くなることで、揚水路における充填材による目詰まりをより一層効果的に防止することができる。
本構成によれば、空気吹き出し部を槽底部に設けてあるため、空気吹き出し部から供給される空気により生じる被処理水の上昇流により、槽底部に集まってきた充填材が、揚水路に確実に吸入されるので、槽底部に滞留し難くなる。
〔実施形態〕
図1〜図5は、生活排水(汚水)を被処理水として浄化処理する浄化槽を示す。尚、本実施形態においては、本発明に係る水処理装置を浄化槽に適用する例を示しているが、これに限定されるものではなく、充填材をエアリフトポンプで環流させて水処理する構成を備える装置全般に適用することができる。
浄化槽の槽内は、図1及び図2に示すように、被処理水を生物処理する生物処理槽Aと、生物処理槽Aで処理された被処理水を濾材23で濾過する移動床式濾過槽B(水処理装置の一例)と、移動床式濾過槽Bで濾過された被処理水を一時貯留する処理水槽Cと、処理水槽Cに貯留された被処理水を消毒する消毒槽Dとに区画されている。
第3移流口13と第4移流口14は、担体流動槽A2や移動床式濾過槽Bに収容してある流動担体21及び濾材23が流出しないように多数のスリット孔で形成されている。
沈澱分離槽E1,嫌気濾床槽E2は、朝夕などの時間帯におけるピーク流入時の被処理水を一次的に貯留する流量調整部としての機能を備えていてもよい。
被処理水を担体流動槽A2から一次処理槽A1に移送循環させることにより、被処理水の硝化脱窒処理が促進される。
前述の実施形態における濾材流入口32の外周形状としては、図8に示すような、形状に限定されるものではなく、水路壁26の下端は、槽底部との間の距離が変化する形状を有し、且つ、その最大距離Tmax(図12参照)と最小距離Tmin(図12参照)が、0≦Tmin/Tmax<1.0の関係を有するにように構成すれば良い。例えば、図10に示すように、水路壁26の下端と槽底部との間の距離が、水路壁26の下端における最大距離Tmaxに係る部位Hから、最小距離Tminに係る部位Lに向かって連続的又は断続的に減少するような(a)段状(b)階段状(c)円弧状などの形状としても良い。尚、最小距離Tminは、槽底部に滞留している濾材23の密集をほぐすための、槽底部から濾材流入口32への整流効果を維持するためには100mm未満であることが望ましく、また0〜70mmであることがさらに望ましい。最大距離Tmaxは、最大距離Tmaxに係る部位Hと槽底部での整流効果による濾材23の目詰まりを防止し、且つ槽底部での濾材23の顕在化を防ぐためには100〜300mmであることが望ましい。また、Tmin/Tmaxは、1.0より小さくなるに従い、整流効果が高まり、それに伴い、乱流発生防止及び揚水路25の閉塞防止がなされるが、整流効果を維持してこれらの防止効果をより確実にするには、0≦Tmin/Tmax≦0.7とすることが望ましく、また0≦Tmin/Tmax≦0.5であることがさらにより望ましい。また、前述の実施形態では、最小距離Tmin=0の場合を例示したが、より望ましくは、図11及び図12に示すように、最小距離Tmin>0でも良く、この場合、Tmax/Tmin≦3であることが望ましい。また、図11に示すように、揚水路25の下端部を、第2横隔壁5側に開口するように斜めに切欠くことによって、濾材流入口32を形成するようにしても良く、この場合、0.3≦Tmin/Tmax≦0.5とすることが望ましい。
25 揚水路
26 水路壁
27 空気供給管(空気供給手段)
27a 空気吹き出し部(空気供給手段)
28 濾材流出口(充填材流出口)
29 上面
30 庇
31 槽側底面(槽底部)
32 濾材流入口(充填材流入口)
34 垂壁部
45 下面
50 最深部(槽底部)
P エアリフトポンプ
Claims (7)
- 水槽と、充填材と、前記充填材を前記水槽の槽底部から槽上部へ移送するエアリフトポンプとを有する移動床式濾過槽を備える浄化槽において、
前記エアリフトポンプは、前記充填材が移動可能な揚水路を形成する水路壁と、前記揚水路下端の充填材流入口と、前記揚水路の上部に充填材吐出口と、前記揚水路に空気を供給する空気供給手段とを有し、
前記揚水路が筒状であり、
前記水路壁が前記水槽の壁面に固定されており、
前記水槽の槽底部が、前記水槽の壁面に向かって傾斜する傾斜面を有しており、
前記充填材流入口の外周形状を構成する前記水路壁の下端は、前記槽底部との間の距離が変化する形状を有し、最大距離Tmaxと最小距離Tminが、0≦Tmin/Tmax<1.0の関係を有する浄化槽。 - 前記傾斜面が、前記揚水路下端の充填材流入口に向かって傾斜している請求項1に記載の浄化槽。
- 前記水路壁が、前記水槽の壁面が交差する隅部に上下方向に沿わせて固定されている請求項1又は2に記載の浄化槽。
- 前記水路壁の下端と前記槽底部との間の距離が、前記水路壁の下端における前記最大距離Tmaxに係る部位から、前記水路壁の下端における前記最小距離Tminに係る部位に向かって連続的又は断続的に減少する請求項1〜3のいずれか1項に記載の浄化槽。
- 前記充填材流入口の外周側上方に庇が設けられている請求項1〜4のいずれか1項に記載の浄化槽。
- 前記庇の下端と前記槽底部との間の最小距離Sminが、前記最大距離Tmaxよりも小さい請求項5に記載の浄化槽。
- 前記空気供給手段の空気吹き出し部が、前記槽底部に設けられている請求項1〜6のいずれか1項に記載の浄化槽。
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